Facebookは「いいね!」ボタンでインターネットを席巻し、ウェブ上で毎日100億ビューが発生している。今回、Facebookはモバイルボタンの刷新と共に、保存用とシェア用のChromeエクステンションを2つローンチした。ユーザーはどのサイトのコンテンツも簡単に保存することができるようになる。
このアップデートで、Facebookのニュースフィードはウェブの最新記事で埋まり、Pocketと張り合うような「後で読むサービス」としての機能を十分備えるようになる。人のウェブの視聴習慣にFacebookを根付かせる施策で、ユーザーがFacebook上にいない時でも同社の価値が高まるようにする。この新たなボタンは、より多くのコンテンツをFacebookに引き込むのと同時に、Facebookが次にユーザーのフィードに広告を表示するためのターゲティングを支える要素にもなるだろう。
モバイルからの「いいね!」を獲得
実はこれまでサイトやアプリの「いいね!」ボタンには、Facebookの代名詞である親指を上げているアイコンは採用されていなかった。Facebookの「f」から親指アイコンにデザインを新しくすることで、さらにボタンが認知されやすくなるだろう。「いいね!」ボタンのインプレッションの30%はモバイルからきているが、ボタンは小さく表示されているため、やや認識しにくかった。検証の結果、このデザイン変更で6%「いいね!」が増加したため、Facebookは誰もが利用できるようにボタンの展開を始める。
その他のシェア、送信、フォロー、レコメンド、保存ボタンのデザインもそれぞれ刷新する。色を統一し、洗練されたフラットなボタンデザインを採用することで最新のモバイルOSのスタイルに馴染むようになった。いいね数やシェア数はボタン内に表示されるようになる。
インスタント記事にも新しい「いいね!」、コメント、シェアボタンをつけることができる。インスタント記事からのボタンへのクリックは、合計のいいね数やシェア数にきちんと反映される。サイトでFacebookのコメントプラグインを使うと、インスタント記事のコメントと従来のウェブサイトにも反映され、どのフォーマントでもやりとりが成立するようになる。
開発者はFacebookのボタン設定を確認して、適切なサイズと実装方法を選ぶことができる。ただ特に何かする必要はないかもしれない。ボタンのデザインは自動でアップデートし、古いバージョンにも対応する。
ChromeからFacebookに
後で読むサービスで人気のPocketにおいて重要な要素はChromeエクステンションだ。そのボタンがあることで、ボタンをクリックしてすぐに記事を保存することができる。見つけた記事を今読む時間がなくとも保存しておくことで、気兼ねなくインターネットのブラウズを続けることができる。
Facebookに保存するための新たなChromeエクステンションは、Facebookが2014年にローンチした保存機能と同様の働きをする。この機能は静かに、月に3億ユーザーが利用するまでに成長した。Facebookを訪れた時、事前に保存した記事を改めて見ることができる。端末を超えたブックマークとリマインダーシステムと言えるだろう。
Facebookは4月のF8で、ウェブサイト自体にFacebookの保存プラグインを埋め込むことを浸透させたい考えだった。だが、どうやらユーザーがChromeエクステンションをインストールする方が理にかなうと判断したようだ。
ユーザーはエクステンションを一旦インストールすると、ブラウザの右上にある保存ボタンをクリックするだけでいい。Facebookのホームページの保存済みコンテンツやブックマークのタブに保存される。また、最近保存したコンテンツは、ドロップダウンのお知らせにもリマインダーとして表示されるので、すぐに保存したサイトに飛ぶことも可能だ。
Facebookのシェアボタンを実装していないサイトでも、その記事をニュースフィードにシェアするのが簡単になる。FacebookにシェアするためのChromeエクステンションでは、Chromeブラウザのバーをクリックすると、ニュースフィードへの投稿設定を開くことができる。
ウェブの支配方法を改善することで、Facebookはパブリッシャーにレファラルトラフィックを送ることができると証明できる。そうすれば、パブリッシャーがFacebookページやインスタント記事、ソーシャル・プラグインの実装といった施策に時間をかけたり、Facebook広告の購入を増やしたりすることが期待できる。Facebookボタンがユーザーの訪れるサイト内、あるいはユーザーの使用するブラウザに備わることで、Facebookから逃れず、友人が何をしているか定期的に確認を促すリマインダーとなるだろう。
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(翻訳:Nozomi Okuma /Website)