仮想の窓を通しリモートワーカーがオフィスと「つながっている感」を保つVideo Window Remote

多くの企業がオフィスで働く人と自宅で働く人が混在するハイブリッドな働き方にシフトしている中、Zoom(ズーム)のようなビデオ会議ツールを使っていても、自宅勤務の人は断絶感を感じてしまいがちだ。Video Window(ビデオウィンドウ)は、まるで仮想の窓を通して見ているかのように、他のオフィスとつながっている感覚をユーザーに与えるように設計されている。同社は米国時間8月17日、そのようなリモートワーカーに向けて、iOSおよびAndroid用のコンパニオンアプリ「Video Window Remote」を発表した。

その名の通り、Video Windowシリーズの最新作は、オフィス内のリモートコミュニケーションだけでなく、自宅や別の場所など、オフサイトで仕事をしている社員も巻き込んで、オフィスにいるかのような感覚を味わえるように設計されている。

ビデオ会議では、バーチャルにミーティングをしてビジネス上の議論を交わすことはできるが、オフィスにいて同僚とおしゃべりしているときに感じるようなつながりはない。そのため、ときには孤立感を感じたり、自分のアイデアが聞いてもらえていないと感じることもある。

Video Window Remoteでは、携帯電話やタブレット端末にアプリをダウンロードし、それをオフィスとの視覚的なコネクションとして使用することで、必要に応じてビデオと音声の両方を得られる。これにより、多くのリモートワーカーがオフィスにいないことで不足していると感じている、ウォータークーラーの周りで同僚と話すような体験を提供するという。

同社のDaryl Hutchings(ダリル・ハッチングス)CEOは、パンデミックの際に自宅で仕事をした経験から、Video Window Remoteの機能の多くを思いついたと語る。「Video Windowを使うことは、まさに窓越しに同僚を見るようなものです。プロジェクトを成功させ、目標を達成しながら、ともにに働く人たちと本当に一緒に存在することができ、仕事をより良く、より楽しいものにし、すべての人の競争条件を平等にします。最終的には、ハッピーハイブリッドな職場を作ることができます」と同氏は声明で述べた。

このようなツールのセキュリティやプライバシーを心配に思うユーザーのために、ハッチングス氏はいくつかの安全策を講じたという。ゲストアクセスを防ぐこと、デフォルトでオーディオとビデオをオフにすること(自分が他の人に見える / 聞こえる時をコントロールできる)、ビデオやオーディオの状態にかかわらず誰が出席しているかを誰でも見ることができる機能、スケジュールされた時間にのみサービスをオンにするスケジュールスリープモードなどだ。

このツールは、米国時間8月17日よりiOSおよびAndroidのアプリストアから無料でダウンロードできる。

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カテゴリー:ネットサービス
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画像クレジット:Video Window

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(文:Ron Miller、翻訳:Aya Nakazato)

Arcがソフトウェア開発者向けにリモートキャリアプラットフォームを公開

COVID-19の大流行により、リモートワークが注目されるようになったが、ハイテク企業は人材不足に対応するために、すでに何年も前から遠隔地での採用を行ってきた。Arc(アーク)は台湾時間4月28日、そのリモート採用プラットフォームをすべてのソフトウェア開発者に開放することを発表した。これまでのArcは、認定プロセスを通過した開発者のみに公開されていた。開発者は、他の応募者に対して差をつけるために、引き続き認定を受けることができるが、Arcの求人データベースと検索エンジンは誰でも利用できるようになった。

Arcは、ソフトウェア開発者向けのオンライン教育プラットフォームであるCodementor(コードメンター)のチームが2年前に立ち上げた企業だ。その創業以来Arcは、Spotify(スポティファイ)、Hims(ヒムズ)、Hubspot(ハブスポット)、FiveStars(ファイブスター)といった企業の採用に使われてきた。その投資家には、Techstars、500 Startups、WI Harper、Y Combinatorなどがいる。

創業者で最高経営責任者のWeiting Liu(ワイティン・リュー)氏は、TechCrunchの取材に対し、「私たちは開発者の皆さまにに与えたインパクトを誇りに思うと同時に、そのインパクトをさらに大きなものにしていきたいと考えています」と語った。

新バージョンのArcは、2つの機能を中心にしている。スマートなリモートジョブ検索エンジンと開発者コミュニティだ。Arcは、求人情報サイトなどをクロールしてそのデータベースを構築しており、これまでに1万3000社から、5万4000件の開発者募集情報を集約している。そして、その検索エンジンは、リモートワークの検索に伴う課題を取り除いている。

リュー氏は「たとえば、よく聞かれる不満は、多くの仕事がリモートでありながら、応募が米国内に限定されているということです。あるいは、パンデミックが終わるまでの限定リモート勤務だったりすることです」という。「これに対して、私たちのアルゴリズムが、応募者の状況に応じて最善を尽くします。例えば、アジアや東欧を拠点とする開発者の場合、タイムゾーンによっては残念ながら応募できない求人もあります。ということで、これらの制約を考慮し、応募者の経験や技術的な強みを考慮して、最も関連性の高い仕事を推薦いたします」。

Arcコミュニティは、リモートワークに慣れていないソフトウェア開発者や、海外での仕事のやり方を知りたい人のためのリソースだ。リュー氏は「たとえば米国を拠点とする雇用主のためには私の履歴書はこのフォーマットでなければならないのかとか、使用するツールの種類や文化的規範はどうなっているのか、といった質問があるかもしれません」と語る。「アメリカの会社でポジションを探していらっしゃる方ならなら、一般的な面接のやり方や、どれくらいの会社がSlack(スラック)を使っているのかといった基本的な仕事の慣行についてもお話ししたいでしょう。そこでコミュニティの出番となるわけですが、すでにリモートで仕事をしている開発者が、ご自身の経験を共有できるようにしたいと考えています」。

そして現在はオプションとなっているものの、Arcでは引き続き認定プロセスを推奨している。認定には通常1週間程度かかり、コーディングチャレンジや、Arcのチームメンバーを相手にした行動/技術面接などが行われる。仮に合格しなくても、改善を要する点をフィードバックしてもらい、半年後に再応募することができる。認定と求人検索は無料で、Arcはプラットフォームを通じて採用を行う企業に課金することで収益を得ている。

Arcの開発者認定プロセスのステップ

コミュニティに加えて、Arcは先日Elevate(エレベート)というプログラムを開始した。リュー氏自身がY CombinatorやTechstarsで受けた経験から着想を得たElevateは、リモートワークに移行したい開発者のための「短期人材アクセラレータ」という位置付けだ。プログラムの第1回目には、ラテンアメリカから13名の開発者が参加したが、今後は10名から20名の規模で開催される予定だ。このプログラムには、キャリア準備のためのワークショップ、面接練習、そしてGitLab(ギットラブ)、Zapier(ザピアー)、Dialpad(ダイアルパッド)で働く開発者によるライブメンターシップセッションが含まれている。

現在Arcは、SECの新しい株式クラウドファンディングの規制施行後に、クラウドファンディングキャンペーンを始めていて、これまでに約95万ドル(約1億円)を調達している。

「これは、アクセスを民主化したいという私たちのビジョンと一致しています。もしArcをコミュニティが一部所有するリモートジョブプラットフォームにすることができたなら、非常に興味深いものになりでしょう。私たちは世界最大のリモートジョブサイトになることを目指していますので、もしコミュニティのメンバーの皆さんをプラットフォームの投資家/オーナーにすることができれば、私たちのミッションをより早く実現することができるからです」とリュー氏はいう。

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(文:Catherine Shu、翻訳:sako)

世界中からリモートワーカーを見つけるOmnipresentがシリーズAで16.4億円を調達

Omnipresent(オムニプレゼント)は世界中から地域のリモートワークチームを集めて雇用する企業のためのサービスだ。このほどシリーズAラウンドで1580万ドル(約16億4000万円)を調達した。ラウンドをリードしたのは匿名の投資家で、ほかに既存出資者のEpisode 1、Playfair Capital、Tuesiht Venturesが参加した。2020年7月の200万ドル(約2億1000万円)のシードラウンドの5カ月後にこのラウンドを完了したと同社は話した。

共同ファウンダーのMatthew Wilson(マシュー・ウィルソン)氏とGuenther Eisinger(グエンター・アイジンガー)氏は、2019年に人材投資グループであるEntrepreneur Firstの支援で会社を立ち上げた。

Omnipresentは、同社のプラットフォームで150カ国から社員を見つけることで、リモート雇用のコストを会社自身が行う何分の一かに抑えるられるとしている。同社は社員に対して、現地向けの契約書、税申告に加えて健康保険、年金、ストックオプションなどの現地および国際的な特典の支援を行う。

共同CEOのグエンター・アイジンガー氏とマシュー・ウィルソン氏は共同表明で次のように語った。「パンデミック以前から、私たちは国際雇用における法律や管理の障壁を打ち破る革命的可能性を認識していました。私たちは元ビジネスオーナーとして、国際的チーム構築の複雑さや官僚制度との戦いの厄介さを肌で感じてきました。パンデミックの襲来とともに世界的なリモートワークへの転換が起きている今、私たちの方向が間違っていなかったことが確認できました」。

「たとえばカナダには当社のカナダ支部があり、当社クライアントに代わってカナダの人との雇用関係を結ぶので、クライアントはカナダにおける法的インフラを作る必要がありません。これは当社が運営する149カ国すべてにいえることです。その後の雇用に関わる管理業務は人材、福祉、医療にいたるまですべて私たちが管理します」とウィルソン氏はインタビューでこう私に述べた。

同社は、Remote.comやBoundless HQらと競合する。

Episode 1 VenturesのゼネラルパートナーであるCarina Namih(カリーナ・ナミ)氏は次のようにコメントしている。「人材は全世界に均等に分散しているのに、あまりにも長い間、雇用機会はそうなっていません。私は国際的雇用の難しさを直接体験してきました。すでにOmnipresentは、異なる国々を横断して働くグローバルチームのインフラストラクチャーに不可欠な存在です」。

Playfair CapitalのゼネラルパートナーであるJoe Thornton(ジョー・ソーントン)氏も次のように語った。「リモートワークは近代的労働形態の未来系であることはまちがいありません。企業は早く取り入れるほど世界に分散する労働力に関わる競争で大きくリードするしょう。労働力の生産性と満足度を高め、より大きく多様な人材の中から採用することができます。

Ominipresentが行った経営者アンケートによると、85%の会社が2021年にリモートあるいは海外社員を雇用する予定だと答えている。

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カテゴリー:HRテック
タグ:Omnipresentリモートワーカー資金調達

画像クレジット:Omnipresent / AP

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook