クラスがオフィス家具サブスク強化、「交換し放題サービス」で急成長するスタートアップを支援へ

月額400円から使える家具のサブスクリプションサービス「CLAS」を展開するクラスは1月27日よりオフィス家具・什器の「交換し放題サービス」を開始した。

同サービスでは、オフィスや店舗に配置する家具・什器・家電を月額500円から利用・交換できる。現時点でデザイン性の高いチェア、デスク、ソファをはじめ、実用性の高いロッカー、書ける天板を利用したディスカッションテーブル、木目調のホワイトボード、家電、プロジェクターなど50種類以上のアイテムが対象。2020年春には100種類まで拡大する予定だ

最低利用期間は3ヶ月となっていて、それ以降であれば利用期間を自由に設計可能。交換時に配送料がかかるものの、契約金額の範囲内であれば回数や期間の制限なしでアイテムを“交換し放題”である点が特徴だ。

従来のCLASと同様、通常使用の範囲であれば汚れや傷がついてしまったアイテムも無料で交換でき、メンテナンスの費用や手間もない。また家具選定やレイアウト設計に関してはコーディネーターが無料でサポートする。

クラス代表取締役の久保裕丈氏によると、個人向けにはリペアしやすいPB製品を中心に交換し放題の仕組みを作れていたが、法人向けにはできていなかったそう。法人向けPB製品のラインナップが整ってきたことでオフィス家具においても交換し放題が実現したという。

今回のオフィス家具サブスクは、急成長するスタートアップ企業や生産性の高いオフィスづくりを目指す企業のサポートをすることが目的だ。新メンバーがどんどん加入する段階のスタートアップでは、その度に家具の購入やレイアウトの変更、不要になった家具の廃棄などが必要になる。クラスでは家具や什器をサブスク型で提供し、その負担を軽減することを目指す。

また交換し放題であるため“A/Bテスト”のような感覚で何度も家具やレイアウトを変更でき、理想のオフィスづくりに強いこだわりがある企業とも相性が良さそうだ。

「オフィス向け”交換し放題プラン”は、規模の大小は問わず、スタートアップの企業様に体験いただきたいと考えています。スタートアップは、人員の増減、組織体制・カルチャーの変化、短期間でのオフィス移転など、急激な変化が起こります。少ない管理部門と資金で運営しているスタートアップでは、こういった変化に伴うオフィス什器に関する悩みは枚挙にいとまがありません」

「『人員の急激な増減に、什器の調達・廃棄が間に合わない』『購入したはいいけど、移転/レイアウト変更で1年も使わず什器を廃棄する羽目に』『買い替えや廃棄にまつわる手間や初期投資が重たい』『社員のために導入したものの、全く使われない空間がある』こういった一切のお悩みをサービスを通じて解決していきたいと考えています」(久保氏)

交換し放題サービスの事例

CLASは個人を主な対象とした月額500円からの家具レンタルサービスとして2018年8月にリリース。家具のラインナップを増やすだけでなく、家電やベビーカー、観葉植物など家具以外のアイテムにも対象を広げてきた。2019年12月には関西の一部地域への対応もスタートし、提供エリアも拡大中だ。

運営元のクラスでは昨年12月にギークスを含む複数の事業会社などから総額約2億円を調達。それ以前にもANRIやキャナルベンチャーズを始めとした投資家より複数回に渡って資金調達を実施している。

家具のサブスク・レンタルサービスは個人向け、法人向けを含めて、ここ数年で国内でもいくつか新しいサービスが出てきた。TechCrunch Japanでも過去に「airRoom」や「subsclife」、「Kaggレンタル」などを紹介している。

IKEAがデザインする火星の居住空間

IKEA(イケア)は、狭い空間を住み易いものにするという同社のアプローチが、地球以外の星にも応用できると考えている。Fast Companyによると、同社は火星の居住地に似た施設を地球上に作って研究する機関と協力して仕事に取り組んでいるという。当初IKEAは、デザイナーをその施設に送り込んで、狭く区切られた部屋用の機能的な家具を造るためのインスピレーションを得ようとしていた。しかし、それはすぐに双方向のコミュニケーションとなった。ということは、将来、他の惑星へ入植する人の生活方法に関して、IKEAが発言権を持つようになったということかもしれない。

FastCoによれば、IKEAのデザイナーであるChristina Levenborn(クリスティーナ・レベンボーン)氏は、ユタ州にあるMars Desert Research Station(火星砂漠研究ステーション)で、実際に生活してみたという。このステーションは砂漠の中にあり、現実の火星での生活と作業に近い体験が味わえるように設計されている。このようなタイプのシミュレーションに基づく研究プロジェクトは、常にいくつも同時に進行している。志願した人を、シミュレーション用の作業/生活環境の中に入れて、宇宙飛行士が実際に体験する準備を事前に整えようというもの。NASAは2024年までに、人類が月に恒久的に居住できるよう準備しようと考えている。つまり、こうしたシミュレーションが実際に宇宙で役立つ日も、意外に早く訪れる可能性があるということになる。

レベンボーン氏は、その居住空間で過ごした時間に触発されたIKEAの製品を実際にデザインすることができた。しかし、彼女を含め、IKEA側でもちゃんとお返しをしている。かなり狭い場所でも、プライバシーと個人的なスペースが確保されていると感じられるような整理整頓の技術と、インテリアのレイアウトを考え出したのだ。そこではIKEAの棚のユニットと、キャスターの付いたモジュール式の家具を使い、フレキシブルで、さっと片付けができるように工夫されている。暖色系の照明や、屋外用の機器を室内で使うことも、居住空間をより住みやすくするために役立っている。

地球上の狭い空間をより住みやすいものにするというIKEAのアプローチが、地球以外でも有効だというのは、別に驚くべきことではない。むしろそれは、人間が研究、実験用の施設を月や火星、さらにその他の星に設置するための継続的な取り組みに貢献できるという好例なのだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

月額400円からの家具・家電サブスク「CLAS」が3.7億円を調達

家具や家電のサブスクリプションサービス「CLAS(クラス)」を展開するクラスは5月29日、ANRIやキャナルベンチャーズを含む複数の投資家を引受先とした第三者割当増資等により、総額3.7億円を調達したことを明らかにした。

クラスは2018年4月の創業。同年7月にANRI、佐藤裕介氏、光本勇介氏、中川綾太郎氏からシード資金を調達していて、今回はそれに続くシリーズAラウンドとなる。

今後はサブスクリプションに最適化した家具の設計・開発・調達に向けて家具のデザイン体制を強化するほか、オリジナル家具以外の商品ラインナップの増強にも取り組む計画だ。

またユーザーの家具選びをサポートするべく、AIやVRなどのテクノロジーを活用したCRM機能の開発も進めていくという。

長期間使うほど月額料金が安くなる家具サブスク

CLASはテーブルやベッド、ソファといった様々な家具を毎月定額で利用できるサブスクリプションサービスだ。

2018年8月のサービスローンチから約9ヶ月が経過し、オリジナル家具の種類は約50種まで増加。並行して商品のジャンル自体も拡大中で、家電やベビーカーなどもラインナップに加わった。

サービス上で表示されている料金は基本的に送料や保険料も含んだもので、購入する場合と比べて初期コストを抑えられるのが特徴。1年目以降は利用期間が長くなるほど月額料金が安くなる仕組みを取り入れていて、3年目には初回の75%オフの価格で利用できる。

1年目以降は無料で返品することも可能。生活環境に合わせて気軽に家具を組み替えられるのは、サブスク型のウリと言えるだろう(交換自体はいつでもできるが、1年未満の場合は利用期間に応じて返品手数料がかかる)。

またローンチ時にも紹介した通り、CLASでは同じ家具をリペア(修理)し、数年間に渡って使用してもらうことを前提にプロダクトを設計している。家具の製造は中国の自社工場にて、リペアは都内の拠点で実施。通常使用の範囲内であれば、汚れや傷がついたアイテムでも修理費用はかからない。

「短期のレンタルというより、1年以上使ってもらえるケースをメインで考えている。ライフステージの変化に合わせて軽やかに家具を変えられる仕組みを作ることが1つのテーマ。その人たちが1番嬉しいプライシングやサービス設計を意識している」(クラス代表取締役社長の久保裕丈氏)

現在は東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県が対象エリア。1000世帯近くがすでに有料でサービスを利用しているという。

初期は家具のみだったが、大手小売店とタッグを組み家電の提供も始めている

ホテルやマンスリーマンションなど法人向け事業が好調

久保氏にローンチ時からのアップデートを尋ねると「商品面でラインナップが広がると共にオリジナル家具についても厚みが出てきたことに加え、法人向けビジネスがかなりのスピードで成長している」という答えが返ってきた。

ここ1〜2年ほどで日本でも“サブスクリプション”と言うキーワードの認知度が拡大。各業界でサブスク型のプロダクトが登場し、メディアで取り上げられる機会も増えた。その波は“住”の領域にも訪れている。

久保氏によると今年日本に上陸したOYOを始め不動産×サブスクが盛り上がってきたことで、CLASにも追い風が吹いているという。具体的にはマンスリーマンションやホテルなど法人向けの事業が想定以上に伸びているようだ。

CLASでは「OYO LIFE」などと連携を進めているほか、レジデンストーキョーとは共同で「サブスクリプション型の賃貸住宅」事業にも取り組む。

サブスク型住宅の特徴は、オフィスのフリーアドレスのようにその時のライフスタイルに合わせて最適な場所へと自由に住み替えられること。敷金・礼金や仲介手数料、保証料、家具家電の購入料、引っ越し料などのコストを抑えられるのが利点だ。

またマンスリーマンションと同じく好調なのがホテルへのサービス提供だという。ホテル側としてはサブスク家具を導入することで初期費用を大幅に削減できるほか、メンテナンス費用や発送・組み立て・設置・廃棄などの費用もカットできる。

クラスは自社製造の家具を直接提供するモデルのため、代理店の手数料も不要。ホテルが自社で仕入れる場合と比べて「2〜4割のコスト削減を見込める」(久保氏)だけでなく、調達担当者の家具選びから組み立てまでの業務負担を減らせるため、引き合いが増えているそうだ。

すでにホテルで300部屋、マンスリーマンションでも150部屋ほどにクラスの家具が導入済み。オフィスやモデルルームでの利用なども含めると、クライアントの数は約50社に上る。

「最終的にはCLASを通じてユーザーの生活を変えたい。また家具の寿命を伸ばすことで『家具を捨てない社会』の実現を目指したいという気持ちが強いので、法人向けに特化することはなく、あくまでも両輪でやっていく。(双方をやっていることで)個人が利用した家具を次に法人に展開できるなど、ビジネス上でも良い影響がある」(久保氏)

家の中のサブスク化テーマに商品ラインナップ拡充へ

冒頭でも触れた通り、今回の資金調達を踏まえてクラスでは商品の拡充やオペレーション体制の整備、サポートシステムの開発により力を入れていく計画だ。

商品に関してはサブスクに適した家具の開発・設計を強化。その上で2020年中にオリジナル家具を300種類まで拡大することを目標にする。また家電やベビーカーに続き、クッションやファブリック製品などのインテリア用品、観葉植物などの取り扱いも進めていく。

「耐久性やリペア効率、組み立て効率、ライフステージに沿ったサイズ可変性など、サブスクに適した家具は通常の家具とは少し異なるので、とにかく量産するというよりは(開発・設計には)時間をかけて取り組みたい」(久保氏)

商品以外では物流やリペアの体制強化のほか、ユーザーの家具選びをサポートするシステム(CRMツール)開発にも力を入れる。

「家具は服などに比べて購入する頻度が少ないこともあり『自分にあった家具を選ぶのが難しい』というペインを自分自身でも抱えていた。たとえばコンテンツマーケティングの強化やAIを組み込んだカスタマーサポートシステムの開発、VRを活用した家具のコーディネートを表現・確認できるシステムの開発などを進める」(久保氏)

直近ではこれらの展開が中心になりつつも、中長期的には「家の中にあるものをどこまでサブスクにできるか、持たない生活という選択肢をどこまで広げられるか」をテーマに事業を広げていく構想。その際にはモノだけでなく、コト消費も対象に考えているという。

「Amazonが本からスタートして今では様々な商品を扱うマーケットプレイスになっているように、自分たちもサブスクにフィットしているモノを考えた結果、最初に扱ったのが家具だった。暮らし方が軽やかになるものであればどんな物でも対象になりうると思っているので、最終的には『何かを持たずに保有したいならCLAS』というポジションを目指していきたい」(久保氏)

月額500円からの家具レンタル「CLAS」リリース、家具を“持たずに利用する”選択肢広げる

買うのではなく、必要な時だけお金を払って利用する権利を得る。近年サブスクリプションやシェアリングエコノミーといった概念がさまざまな分野に広がり、モノやサービスに対する人々の価値観や行動を変えつつある。

その中で今回着目したいのは、比較的まだ“買うもの”というイメージが強い「家具」だ。つい先日もオフィス家具の月額レンタルサービス「Kaggレンタル」を紹介したばかりだけど、この記事で取り上げたいのは個人を主な対象とした月額500円からの家具レンタルサービス「CLAS」。

運営元のクラスでは8月29日より東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県(離島など一部地域は対象外)にて同サービスをスタートした。

家具は自社生産、修理して複数回シェアを前提に安く提供

上述したようにCLASはチェアやベッド、ソファ、テーブルなどの家具が月額500円から利用できるサービスだ。レンタル料金には配送料や保険料が全て含まれているので追加費用は不要。家具の交換や返却も自由にできる(ただし最低利用期間が半年となっていて、半年以内での交換や返品には送料などの負担がかかる)。

繊細な人だと「レンタルだと汚れやキズを気にしてしまう」とプレッシャーを感じてしまうかもしれないけれど、通常の使用内の汚損や破損ならば修理費用は発生しない。またユーザーの過失により家具を全損 / 半損した場合も、返品送料実費は負担しなければならないが、修繕費は取らない方針なのだそうだ。

レンタル料金がかなり安く設定されている上に配送料や保険料も含まれていて、かつ通常範囲の汚れや破損は追加必要も不要と聞くと、正直これでビジネスとして成立するのかが気になる。

その点についてクラス代表取締役社長の久保裕丈氏に話を聞いたところ、CLASでは修理(リペア)して複数人に同じ家具をシェアすることを想定しているそう。耐用年数も長めに考えているため、月額の料金もその分だけ安く抑えることができるという。

「既存のサービスはレンタルではなくローンに近い印象を持っている。つまり買い切る前提で元の金額を複数回に分けて払うようなもの。2年で定価に達するくらいの金額感で、実際購入に切り替えられるサービスもある。一方でCLASはリペアをして次に回すのを前提に考えていて、耐用年数も5年など長めに想定している。その期間にぐるぐる回って最終的に利益が生み出せればいい」(久保氏)

CLASの家具は中国の工場にて自社生産したもの。現地のネットワークなども駆使して極力原価率を抑えるような仕組みを構築している。またテーブルやチェアは木材を使用することで、表面をヤスリなどで削れば新品に近い形まで綺麗になり、再度別のユーザーにシェアしやすいのだという。

これが実現できるのは、クラス取締役COOの白河衛氏がもともとインテリア家具の輸入や販売事業を手がける会社を10年以上やっていることも大きい。

「短期間で元の値段を回収しようとすると、どうしてもユーザーが手軽に使いづらい価格になる。それを変えるためには回収期間を長くできるようなリペアの設計も含め工夫が必要。原価率や配送効率、在庫効率などは当初からかなり綿密に設計している。チームにネットリテラシーと家具リテラシーが高いメンバーがそれぞれいるのも強みだ」(久保氏)

家具を持たずに利用する選択肢を作る

久保氏はいわゆる連続起業家だ。外資系コンサルティングファームのATカーニーに勤めた後、2012年に女性向けファッションコマースサービスを運営するミューズコーを創業。2015年には同社を約17.6億円でミクシィへ売却している。

クラス代表取締役社長の久保裕丈氏

CLASは元値分を一度回収できさえすればその先はひたすら利益を生むエンジンとなるが、とにかくイニシャルコストがかかる事業だ。7月にはANRI、佐藤裕介氏、光本勇介氏、中川綾太郎氏から資金調達を実施(金額は非公開)。久保氏は「結構な回数の増資が必要だと覚悟している」そうで、「起業1周目だったら絶対やりたくないような商売」とも話す。

なぜ新たなチャレンジの場にこのようなビジネスを選んだのか。その理由は久保氏自身が引越しをする度に間取りの問題などでインテリアを買い直す経験をし、その手間や費用を削減できないかと考えていたから。そして現在のマーケットや同業のプレイヤーの状況などを踏まえ、このビジネスに可能性を感じたからだ。

「家は賃貸でも気にしない人が多いのだから、同じように家具も持たずに利用するという選択肢があってもいいはず。まだ直接的に競合となるようなプレイヤーは日本でいないと思っているが、『家具は買うのが当たり前』という考え方を変えていく、新しい文化を作っていくのが大きなチャレンジになる」(久保氏)

事前にアンケートで好きな家具のブランドを聞いてみたところ、約6割が無回答だったそう。「洋服などに比べると、家具に関してはブランドに対して強いこだわりある人は少ないのではないか」というのが久保氏の見解で、だからこそ自社ブランドでもしっかりとした物を作れればチャンスはあるという。

CLASは5月にティザーサイトを公開し事前登録を受け付けていたが、これまでに5000件近くの登録があった。メインのユーザー層は20〜30代で人生で2度目の引越しをしようとしている層だが、個人だけでなくコワーキングスペースの運営会社やホームステージング事業者など法人からの引き合いも強い。

今後は自社ブランドに加えて家具好きのユーザー向けに既存ブランドの家具をラインナップに加えることも計画しているそう。また家具に限らず「暮らしを軽やかにするもの」を同じようにレンタルで展開することを考えていて、たとえば家電のレンタルなどは今年度中の提供も検討しているという。

月額約500円から利用できる、「家具」のサブスクリプション——家具ベンチャーのKAMARQがベータ版公開

身の回りにあるサービスの“サブスクリプション化”が急速に進み始めている。

家具ベンチャーのKAMARQ HOLDINGS(カマルク)は3月20日、月額約500円から家具を利用できるサブスクリプション型サービスのベータ版をリリースした。

これは家具を「所有するもの」から「利用するもの」へと変える新しい試みだ。KAMARQの新サービスでは申込金やデポジット、初回配送料といった料金は必要ない。月額料金は家具や最低利用期間によって異なり、最も安いものだと月額500円以下で利用できる。

たとえばこのラックは12ヶ月プランだと月額480円、6ヶ月プランだと月額1200円で利用できる。

最低利用期間を超えた商品については、いつでも新品や色違いの商品に交換可能。カラーバリエーションも充実しているため「気分を変えたいから違うカラーに」「少し傷んでしまったから新品に」といったかたちで、従来よりもフランクに家具と付き合えそうだ。引越しが多い人や、定期的に模様替えをしたい人には特に向いているだろう。

KAMARQ HOLDINGSは2014年の設立。2016年に環境エネルギー投資、セゾン・ベンチャーズ、iSGSインベストメントワークスなどから約3.5億円を、2017年11月には不動産事業を展開するLIFULLから約4億円を調達。これまで、家具×音をコンセプトにテーブルとスピーカーを組み合わせたIoT家具「SOUND TABLE」も展開している。

なお本日LIFULLとKAMARQの間で業務提携に向けて合意したことも発表(発表はLIFULLから)。LIFULLにてサブスクリプション型サービスの販売代理事業を行うほか、今後は同社オリジナル家具の展開も視野に入れてサービスを展開していくという。

1センチ単位でサイズを指定できる家具ブランド「Yourniture.」が3000万円調達

1センチ単位でサイズの指定ができるオーダーメイド家具ブランド「Yourniture.(ユアニチャー)」を提供するユアニチャーは3月2日、ジェネシア・ベンチャーズを引受先とする第三者割当増資を実施した。調達金額は3000万円だ。

引っ越しをしたことがある人なら分かると思うが、家具選びは楽しい反面、とても面倒くさい。その時にしか使わないであろうメジャーをわざわざ買い、測ったサイズを書いたメモを手に量販店に行く。でも、置きたいスペースにぴったりとはまる家具がないので肩を落として家路につく。

そんな人はオーダーメイド家具を注文できるYourniture.を試してみても良いかもしれない。同サービスでは、家具のサイズや色を自分好みにカスタマイズして注文可能だ。サイズは1センチ単位で指定でき、カラーも全11種類の中から選ぶことができる。

リリース時点でYourniture.が提供するのは「SIMPLE BOX」という木製の収納ボックスのみだが、同社は今後、扉つきの収納や机などのラインナップも増やしていく予定だ。その際には、扉の有無や足の数などのデザインも変更可能になるという。指定できるサイズの幅も大きい。今年中にラインナップに加わる予定の木製シェルフの場合、横幅が240〜30センチ、高さが120センチ〜60センチの間で自由に指定できる。

Yourniture.代表取締役CTOの堀江光氏は、同サービスのカスタマイズシステムについてこう話す

「Yourniture.のシステムは『ある対象を因数分解しておき、本体をカスタマイズしたことによる影響を、それぞれのパーツに反映させる』もの。どんな家具でも、分解すれば個別のパーツに分かれる。(同システムでは、)本体に何かしらの変更を加えることで、各パーツの加工内容(工程)にどのような変化があるかを自動で算出する。そのため、家具の種類や形状に関わらず、どんなものでもカスタマイズが可能だ」(堀江氏)

Yourniture.第一弾の商品「SIMPLE BOX」

Yourniture.のようなカスタマイズを前提とするサービスの場合、どこまでカスタマイズ性を持たせるのかという点が悩みどころだと思う。大抵の消費者は、店頭に並ぶ商品をみて好みのもの見つけることはできるが、「じゃあ今から好きな家具デザインして」と言われると困ってしまうのと同じだ。その点、Yourniture.ではユーザーの用途(文庫本を入れるなど)に併せて適切なサイズを提案し、ユーザーはそれを基準にして細かなところをカスタマイズできるようになっている。

また、そのようなオーダーメイド家具を「量販店と同等の価格で」購入可能だと言うのがYourniture.の特徴だ。ちなみに、各辺30cmの正方形型としてサイズを設定し、カラーを白にしたボックスの場合、価格は3219円だった。

それを可能にしたコスト削減施策として同社は3つの要素を挙げている。

1つ目は、従来は職人が行っていたという家具のサイズの計測、色やデザインの指定を顧客自身がオンラインで行えるようにすることで、それを基にした価格の算出を自動化したこと。2つ目に、ユーザーが入力した変数をもとに生産工場に送る「製造指示書」作成の自動化。そして最後に、自社が製造した製品を自社のECサイトで販売するD2Cのモデルにより、不要なコストを削減したことを挙げている。

Yourniture.代表取締役の峯浦望氏は、これらの3つの施策により「家具製造のコストを約50%削減できた」と語る。ここには挙げられていないが、製造を人件費の安いインドネシアの提携工場で行っていることも1つの要因ではあるだろう。

量販店と同等の価格を実現したとするユアニチャーだが、時間の短縮についてはまだ試行錯誤が必要だと峯浦氏は話す。実際、構造がシンプルな「SIMPLE BOX」でも、注文してから自宅に届くまで5週間ほどの時間がかかる。

「良いものを作るときには、時間とお金がかかるという考え方を変えたい。“お金”については実現できたが、“時間”についてはまだまだ。ユーザーが指定したサイズなどの情報が直接ロボットに入力され、そのまま製造が始まるようにするなど、自動化の余地はまだある」と峯浦氏は語る。

写真左より、ユアニチャー代表取締役CTOの堀江光氏(工学博士)と、同CEOの峯浦望氏

コンピュータービジョンで家具を特定するGrokstyleは200万ドルを調達済

こんな技術があればいいのに、といつも思っていたことの1つは、携帯電話を何かに向けて写真を撮れば、それが何であるかということと、どこでそれが買えるかを教えてくれるような機能だ。そんな私の贅沢な大量消費の夢が叶い始めているようだ。Grokstyleはその夢の実現に取組んでいる企業の1つだが、同社の技術はどんな角度の写真からでも家具や家庭の装飾品を自動的に特定してくれる。

基本的なアイデアは以下のようなものだ。アプリやウェブインターフェイスを開き、写真を撮影するかアップロードする。椅子でもランプでもお好みのものを選ぶことができる。好きな角度、好きなスタイルで構わない。Grokstyleサービスは、即座に最も似通ったものを答えてくる。そのものだけでなく、それに似通ったものも一緒に。

これはもちろん、インテリアコーディネーターにとってとても便利な機能だが、一般の買い物客も役立てることができる。Restoration Hardwareで素敵なランプを見かけたが、それに500ドルは支払えない?おそらくCB2には似たような何かがあるだろう…Grokstyleは個々の店の在庫を示し、類似品や相当価格のものをチェックできるようにする。

ビジネスとしては、同社は小売アプリやウェブインターフェイスが呼ぶことのできるAPIとしてそのサービスを提供する。そして多くのデザイナー、部屋、地域を組み合わせた深い知識を使って、例えば、今見たカウチとこのエンドテーブルがお似合いだ、といったことを勧めることもできる。

当然だが、こうしたことの中心にはコンピュータービジョンとマシンラーニングが置かれている。それが何の写真なのかを判別し、対象の輪郭を抽出し、寸法を測り、色やその他の特徴を調べ、同社が集めた数百万ものライブラリとマッチングを行う。

「私たちの会社はコーネル大学での研究からスタートしました」と共同創業者兼CEOのSean Bellが言う。「私たちは『それは何か?』という問に焦点を当てました。そして、その問題のための最高の技術を開発したのです」。

それは簡単なことではない。照明、組み合わせ、奇妙な角度…ユーザーの意図は言うまでもない。テーブルを撮影したのか、それともその隣の椅子が狙いだったのか?それはクルミなのかサクラなのか?

簡単だろうが何だろうが、彼らはそれらを実現した。そして得られたシステムは本当に素早く動作するのでまるでトリックがあるようにも見える(そうではないが)。動作中のプロトタイプの動画を以下に示そう。

共同創業者のKavita Balaが研究所を率い、大学院生のBellが加わった。そして彼らはGrokstyleの技術基盤を2015年のSIGGRAPHで発表した。大変な将来性が見込まれたので、コーネル大の公式な承認の下、彼らは自身の会社をスピンアウトすることを決めた。

「コーネル大学における起業活動は、ここ数年でとても重要になって来ています」とBala。「私たちは時代の波に乗っています、大学は私たちの成功を望んでいるのです」。

もちろん、この活動の一部は、お金を持っている人びとと関係している。Grokstyleは国立科学財団からの22万5000ドルの助成金でスタートし、様々なファームやエンジェルたちから合計200万ドルを集めた。取りこぼしはしたくないので、Seanによるサマリーを引用することにしよう。

Canaan Partners、Amino Capital、Neuron.VC、Krishna Bharat(元Google News責任者)、Amit Singhal(元Google検索責任者)、Luc Vincent(Lyftのエンジニアリング担当副社長)、Red Bear Angels(コーネル大エンジェルネットワーク)、その他のエンジェル投資家たち。

CB Insightsは彼らをAI 100リストに取り上げて賞賛している。今日のAIスタートアップの数を考えると、決して小さな扱いではない。現在は家具の世界に集中しているが、決してそこが物語の終わりではない。

「私たちは、このアルゴリズムは一般化できるものだと思っています」とBala。「複数のひとがユースケースとしてテレビを挙げています。もし適切なパートナーをご存知なら…」。

この手の技術が、ファッション、旅行、その他の高度に視覚的なマーケットにどれほど良くマッチするかは言うまでもない。家具の場合、バラエティには富んでいるものの、対象は少なくとも静止しているし比較的硬い。風にたなびく織物や、バースツールチェアがずっと同じ位置にあり続けるかどうかを心配する必要はない。しかし彼らは靴とハンドバッグあたりから、手を出すのかもしれない。

現在同社はパートナーシップの獲得と運営(相手が誰かは教えて貰えなかった)に取組んでいる。そして「本当に多数のエンジニア」を雇うことで、アルゴリズムの正確性と柔軟性に取組んでいる。

Grokstyleのシステムと、彼らの取り組み(そしてAPIアクセス)に関しては、同社のウェブサイトで情報を得ることができる。

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(翻訳:Sako)

インドのオンライン家具販売サイトPepperfryが3100万ドルを調達

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インドの急速に成長する経済を背景に、都市部に移り住んで住居を構えはじめる人が増加している。その結果、持ち家や貸し家に家具を提供するためのネットサービスを運営する企業が誕生した。Pepperfryは、そのような企業のひとつで、本日(米国時間9月22日)インド中にビジネスを展開するために3100万ドルの資金調達を行ったと発表した。

設立から4年の同社は、元eBay幹部のAmbareesh Murty(Pepperfry CEO)とAshish Shah (同COO)によって設立された。彼らは、同社設立直前に「起業家となり、インドに秘められたECの可能性を最大限利用することに決めた」とMurtyはTechCrunchとのインタビューで語った。

Murtyは、インドのインテリアデザイン市場は、売上げ額にして300〜400億ドルの規模だとふんでおり、同業界にはそろそろディスラプションが必要だと考えている。

「インドには、きちんと整備された小売業界が成立しておらず、家具市場は極めて分散しています。その証拠に、業界トップ5のブランドを合わせても、全体の売り上げの4%しか占めていません」と彼は付け加えた。

Ppperfryは、これまでに1億6000万ドル近くの資金を投資家から調達しており、今回は、以前から同社に投資しているGoldman Sachs、Bertelsmann India Investments、Norwest Venture Partners、そしてZodius Technology Fundがラウンドを率いた。なお、Goldman Sachsは、昨年の夏に行われた1億ドルのシリーズDラウンドでもリードインベスターを務めていた

Pepperfryは、自社ブランドを含む、1万以上のパートナーの製品を販売していると公表しており、家具からデコレーション、キッチン・ダイニング用品、ペット用品までさまざまな製品を取り揃えている。オンラインでの販売以外にも、同社はいくつものエクスペリエンスセンターを運営しており、インテリアデザインの専門家が、家のデコレーションに関するアイディアを求める顧客にアドバイスを提供している。Murtyによれば、Pepperfryは現在10軒あるエクスペリエンスセンターの数を30軒にまで増やし、インドの第2、第3階層の都市へも進出していく計画だ。

さらに同社は、物流拠点の拡大も目論んでいる。Murtyによれば、現在Pepperfryはインド国内の500都市へ製品を届けることができるが、物流ネットワークへの投資を行い、今年中にはこの数を1000都市まで伸ばしたいと考えている。Pepperfryは、ユーザーへ最終的に製品を届ける部分を含む、物流システム全体を独自で確立しており、彼はその理由について、「Pepperfryが誕生するまで、インドには大きな箱を消費者まで届けることができる企業がいなかったんです」と説明する。今では同社は、17箇所のフルフィルメントハブと400台以上もの輸送車を保有している。

それと並行して、Pepperfryはテクノロジーへの投資も倍増させ、エンジニアの数を現在の50人から100人まで増やそうとしている。既に同社のアプリはARをサポートしており、ユーザーは携帯電話のカメラを、家具を設置するつもりの場所に向けるだけで、例えば、購入予定のソファーの様子を確認することができる。しかし、Pepperfryは、さらなるVRテクノロジーを同社のアプリに組み込む予定で、エクスペリエンスセンターにVR機能が備えられる可能性もある。

経済力が限られている若者にアピールするため、Rentomojoのようなレンタルモデルを提供することを検討しているかMurtyに尋ねたところ、彼は、長期的に見ると、レンタルよりも家具を購入するニーズの方があると考えていると説明してくれた。

「私たちは、レンタルの段階というのは、消費者が自分で家具を購入し始めるまでの3、4年間しか続かないと考えています。もしも、Pepperfryが企業努力を重ね、顧客が家具を購入する際に素晴らしい価値を提供できるとすれば、レンタルの必要性はないでしょう」と彼は主張する。

同様に、Pepperfryの郊外への進出計画からも分かる通り、同社は、現時点でインド国外への進出は予定していない。

「インドはまだ若い国家で、その購買力は急速に増大しています。今後数年の間はインド市場に集中し、その後どうするか改めて考えようと思っています」とMurtyは付け加えた。

しかし、利益については明確な計画が立てられている。

Murtyは、今回のラウンドがPepperfryにとって最後の資金調達になると予測しており、今後半年の間で、販管費を除いた黒字化を目指していると話す。そして、それが計画通りいけば、向こう2年内に”完全な損益分岐点”に達する可能性があると彼は考えている。

「私たちは幸運にも、長期的な視点で物事を考え、そして実行できる論理的な投資家を迎えることができています」と彼は語った。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter