ロケットの製造は、Relativity Space (レラティビティー・スペース)のように一から3Dプリントするにしても、大仕事だ。このロケット打ち上げスタートアップは、ロケットの組み立てには手狭になった最初のオフィスから卒業して、カリフォルニア州ロングビーチの広大なスペースに移転する。同社はそこで、プロトタイピングから最初の打ち上げまでを行う予定だ。
The National Space Exploration Campaign(国家宇宙探査キャンペーン)は低軌道(LEO:low Earth orbit)や国際宇宙ステーション(ISS)のことは忘れて、次の月へのレースに勝利し、火星への道を描くNASAの包括的プランだ。これは、ある意味では、NASAに太陽系全体への拡大と探査に焦点を当てるよう指示した大統領のSpace Policy Directive-1(宇宙政策指令-1)に応えたものである。これは、幸いなことに、政府が既に長期に渡って追求してきていた良い目標の1つである。
LIFTOFF! Humanity’s next mission to Mars has left the pad! @NASAInSight heads into space for a ~6 month journey to Mars where it will take the
planet’s vital signs and help us understand how rocky planets formed. Watch: https://t.co/SA1B0Dglmspic.twitter.com/wBqFc47L5p
InSight(洞察という意味)は単にイカした名前だというだけではない、それはInterior Exploration using Seismic Investigations, Geodesy and Heat Transport(地震調査、測地学、熱伝達を用いた内部探査)という、少々無理もある頭文字を並べたものだ。その搭載された機器は私たちに火星の内部について教え、火星そして地球を含む太陽系内の岩の惑星についての、過去と現在に関する洞察(insight)を与えてくれるだろう。
Did you know? I’ll be the 1st spacecraft to travel from the West Coast of the U.S. to another planet. My rocket can do that—we’ve got the power. More on launch: https://t.co/DZ8GsDTfGcpic.twitter.com/VOWiMPek5x
そして最後のものは、巨大な釘、小さな野球ドームなどを必要としないRotation and Interior Structure Experiment(自転と内部構造実験)だ。この実験には、地球との無線接続を使用して、火星が自転するに伴い、InSightの位置を極めて正確に追跡することも含まれている。とても信じられないことだろうが、その誤差はわずか10センチ以内である、その位置の変動は、惑星の自転のゆらぎを意味しており、その結果内部の構造を知ることができる。70年代と90年代に行われた同様の実験のデータと合わせることで、惑星学者たちは核がどのように溶融しているかを知ることができるのだ。
人間を「これまで誰も行っていない場所(where no one has gone before)」に送り出すときには、考慮すべき多数の変数があり、そのためにNASAは、将来の火星行きミッションに備えて健康と安全のリスク研究を熱心に行っている。これらのリスクを理解することはとても重要だ、なぜならそれらは旅行計画を行う際に必要となる多くの意思決定にインパクトがあるからだ — それはおよそ全ての項目に及ぶ。乗組員候補をどのように評価するべきかというものから、機器エンジニアリング、ミッションの物流、そして燃料の必要量の決定まで。
火星行きのプロジェクトでは、見るべきデータに大変多くのレベルが存在する、たとえば前回の宇宙ミッションを完了したScott Kellyのような宇宙飛行士から収集したヘルスデータから、非宇宙飛行士を使った研究や、ヒューストンのJohnson Space CenterにあるHuman Exploration Research Analog(HERA)のような模擬宇宙空間で行われる研究まで。
全てのデータを1箇所で得ることが、重要な最初のステップだ。このためにNASAは、Lockheed Martinを始めとする複数の分析パートナー(例えばAlpine Data)によって開発された、高度分析と情報供給のための共同プラットフォーム(Collaborative Advanced Analytics and Data Sharing platform)を用いて、データをその提供元で分析するために使っている。仕事をするために一々分離した分析環境へデータをダウンロードすることを待つ必要がないので、研究者たちはその時間とエネルギーを、火星行きミッションを計画する際の問い合わせと回答を得る作業に集中できる。