TikTokがアカウント乗っ取りにつながるAndroidアプリのセキュリティバグを修復

TikTokが、ユーザーアカウントの乗っ取りにつながる可能性があるAndroidアプリの4つのセキュリティバグを修正した。

アプリのセキュリティに関するスタートアップであるOversecuredが発見したその脆弱性は、同じデバイス上の悪意あるアプリが、TikTokアプリの内部からセッショントークンといった機密ファイルを盗むことを可能にしていた可能性がある。セッショントークンは、ユーザーがパスワードを再入力することなくログインするための小さなファイルだ。これのトークンは、攻撃者がパスワードを知らなくてもユーザーのアカウントにアクセスさせることができる。

悪意あるアプリは、その脆弱性を利用して悪意のあるファイルを脆弱なTikTokアプリに注入しなければならない。ユーザーがTikTokアプリを開くと、その悪質なファイルが起動し、悪意のあるアプリはセッショントークンにアクセスし、それをバックグラウンドで気づかれることなく攻撃者のサーバーに送ることができる。

Oversecuredの創業者であるSergey Toshin(セルゲイ・トーシン)氏がTechCrunchに語ったところによると、その悪意あるアプリはTikTokアプリ権限も乗っ取り、Androidデバイスのカメラやマイク、写真やビデオなどのプライベートデータにアクセスする可能性もあると語った。

Oversecuredのウェブサイトには、このバグに関する技術的な詳細が掲載されている。

TikTokによると、Oversecuredから報告を受けた後、2020年初めにそのバグを修復したという。

「業界で最も安全なプラットフォームを構築するために現在行っている取り組みの一環として、私たちは常にサードパーティと協力してバグの発見と修復に努めている。問題のバグはユーザーが悪質なアプリを自分のAndroidデバイスにダウンロードしなければ無害だが、私たちはそのようなバグも修復した。この問題を私たちに報告し、私たちが修復できるようにしてくれた研究者に感謝するとともに、すべてのユーザーにアプリの最新バージョンをダウンロードするようお勧めする」とTikTokの広報担当者であるHilary McQuaide(ヒラリー・マッケイド)氏は述べている。

バグのニュースは、数日後に予想されていたTikTokの禁止が発効する直前に入ってきた。トランプ政権は2020年初めにこのビデオ共有アプリを、中国との関係を理由に国のセキュリティへの脅威であると宣言していた

TikTokの親会社で北京にあるByteDanceはその主張を否定し、連邦政府を訴えてその申し立てに対抗している。

中国でアクセスできないTikTokは、「ユーザーデータを中国政府に提供したことはないし、求められてもそれはしない」と語っている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

GoogleがAndroid 11を公開、メッセージ、プライバシー関連を中心に強化、改善

Google(グーグル)は長めの公開プレビューの後で、モバイルOSの最新バージョン、Android 11を公開した。順次インストールできるようになるは2以降のPixel、OnePlus、Xiaomi、OPPOのハンドセットのユーザーだ。他のデバイスのユーザーは、それぞれのアップデートが利用可能になるまで数カ月待つ可能性がある。

11はここ数年のAndroidの延長であり根本的な部分での変化はない。しかしユーザー側からみていくつか興味深い新機能が搭載されている。メッセージ、プライバシー関連を中心にデバイスの使い勝手の改善が主となっている。

メッセージとコミュニケーションのアップデートの中心は、通知機能の改善だ。メッセージアプリが改良され、ホーム画面を下にスワイプしたときに専用の広いスペースが表示される。新しいBubbles APIを使った「吹き出し式」の会話がAndroidのメッセージ体験の中心となる。

もう1つグーグルがコミュニケーション分野で追加した機能が、スクリーン記録だ。これは内蔵マイクも含めてデバイスで何が行われたかを記録、再生できる。これまでこの機能を使うためにはAZスクリーンレコーダーといったサードパーティーのアプリが必要だった。ただしライブストリーミングなど。さらに高度な機能を利用するためにはまだこれらのアプリが必要となる。

画像クレジット:Google

また電源ボタンを長押しするだけで、スマートスピーカーなどの接続されたスマートデバイスのコントロールメニューが表示されるようになった(機能としてはGoogle Homeアプリに似ているが、デザインは異なる)。支払い方法や航空機の搭乗券などの重要情報も表示される。電源オフ、再起動など従来の電源ボタンとしての機能はトップに表示される。

メディアのコントロールも再設計された。通知領域とは別にからは外されクイック設定バーからオーディオ、ビデオの操作ができる。

最近数年、グーグルのAndroid開発チームはプライバシー保護の新機能多数を追加してきた。しかしこの分野では「これで完成」とはならず、次々に新しい機能が必要となる。今回のアップデートでも、グーグルはアプリの権限設定に力を入れており、マイクやカメラ、位置情報などの利用に「今回のみ」で1回かぎりの許可を与えることが簡単になっている。ユーザーが一定期間アプリを利用していないと、システムは権限を初期状態に戻すのでユーザーは許可を再度設定する必要がある。

エンタープライズ分野ではグーグルはユーザーがパーソナル利用のアプリと仕事に使うアプリを区別しパーソナルアプリに保存されたプロフィールやプライバシーデータが企業のIT部門の管理を受けないようにする機能を追加している。

画像クレジット:Fernando Trabanco Fotografía / Getty Images

【Japan編集部追記】訳者の環境ではPixel 3デバイスにAndroid 11インストールずみ。画面上端から下スワイプでデバイスのクイック設定と通知が表示されるが、クイック設定領域をさらに下スワイプすると表示が拡大され、下右端に設定に移動できるアイコンが表示される(ただし記事中スクリーンショットのクイック設定バーは未確認)。

関連記事:グーグルがAndroid 11の最終ベータ発表、製品版リリース近づく

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タグ:Google Android

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

GoogleがAndroidタブレット向けキッズモード「Google Kids Space」を公開

ストリーミングサービスに子供用のプロフィールあるなら、端末にもあってよいはずだ。Google(グーグル)は米国時間8月31日に子供たちがテクノロジーと付き合うもっとよい方法を望む親たちの声に応えて、「Google Kids Space(グーグル・キッズ・スペース)」を新たに公開した。これはAndroidタブレット用の子供専用モードで、子供が遊んだり学んだりするためのアプリや本、ビデオなどを揃えている。まずはLenovo(レノボ)のSmart Tab M10 HD Gen 2向けに提供されるが、グーグルはKids Spaceをさらに多くのデバイスに展開していく計画だ。

コンセプトは、Amazon(アマゾン)のFreeTime(フリータイム)にやや似ている。FreeTimeはペアレンタルコントロールと子供向けに選ばれたアプリやメディアをアクセスできるアマゾン製のよくできたシステムだ。しかしグーグルの場合は、同社が子供のいる家族向けにこれまで開発してきた、より安全でコントロールされたAndroid体験をベースに作っている。

たとえばFamily Link(ファミリー・リンク)は、現在Android OSに組み込まれている一連のペアレンタルコントロール機能だ。Family Linkには、スクリータイムの制限やコンテンツのセーフサーチ、プライバシー設定などを親が設定する仕組みが既にある。グーグルはこれをキッズアプリのコレクションへと拡張し、Google PlayにKidsタブを新設して、「先生が承認」したモバイルアプリやゲームを掲示できるようにしている。

画像クレジット:Google

新しく提供されるKids Spaceでは、これまでにAndroidアプリを評価してきたグーグルの取り組みを「Play」タブに活かし、その他の高品質コンテンツを加えてコレクションを拡張した。例えばグーグルは出版社と協力して人気の児童書を無料でKids Spaceで公開し、サービス開始と同時に400冊以上書籍を米国ユーザー向けに「Read」タブで提供する。

Kids Spaceの「Watch」と「Make」タブには、グーグルがYouTube Kidsから集めたオフスクリーン・アクティビティを促すクリエイティブなコンテンツを導入している。

画像クレジット:Google

究極の目的は、この機能をAndroid端末のセールスポイントとして家族をGoogleエコシステムに囲い込むことだ。ここがアマゾンのFreeTimeと異なるところで、アマゾンの目的はその一部にすぎない。FreeTimeは主としてサブスクリプション機能の一環として提供されるものであり、FireタブレットやスマートスピーカーのEchoといったアマゾンデバイスだけでなく、iOSやAndroidデバイスなど広くプラットフォームを横断して利用できる。それに対してグーグルのKids SpaceはAndroidのためだけに作られている。

Google Kids Spaceは、Lenovo Tab M10 HD Gen 2向けにまず提供される。グーグルは、Lenovoと協力して親の設定作業を簡単にして、Kids Spaceをプレインストール機能とすることを約束したという。近いうちにKids Spaceを他のAndroidタブレットにも提供するつもりだと同社は語った。

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画像クレジット:Google

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Androidのセキュリティバグで悪質なアプリがユーザーの個人情報を吸い取っている可能性

Androidのセキュリティ脆弱性により、悪意のあるアプリが同じデバイス上の他のアプリの機密データを吸い上げていた可能性がある。

アプリセキュリティのスタートアップであるOversecuredは、広く利用されているGoogle(グーグル)のPlay Coreライブラリにこの脆弱性を見つけた。これは開発者が言語パックやゲームレベルのようなアプリ内アップデートや新機能モジュールをAndroidアプリにプッシュできる。

同じAndroidデバイス上の悪意あるアプリはこの脆弱性を悪用して、ライブラリに依存している他のアプリに悪意あるモジュールを注入して、アプリ内部からパスワードやクレジットカード番号といった個人情報を盗み出す可能性がある。

Oversecuredの創業者であるSergey Toshin(セルゲイ・トーシン)氏はTechCrunchに、そのバグを悪用することはかなり簡単だと語っている。

Oversecuredはほんの数行のコードで概念実証アプリを作り、Play Coreライブラリの脆弱性バージョンに依存したGoogle Chrome for Android上で脆弱性をテストした。トーシン氏によると、その概念実証アプリは被害者の閲覧履歴やパスワード、そしてログインクッキーを盗むことができたという。

しかしトーシン氏によると、そのバグはAndroidのアプリストアにある人気アプリの一部にも被害を及ぼしている。

グーグルはそのバグを確認(NVDリリース)し、最高10.0の深刻度で8.8と格付けした。グーグルのスポークスパーソンは、「私たちは研究者がこの問題を報告したことに感謝しており、その結果、3月にパッチをあてた」と語った。

開発者は自分たちのアプリを最新のPlay Coreライブラリでアップデートし、脅威を取り除くべきだとトーシン氏はいう。

関連記事:Androidの新たなバグStrandhogg 2.0は正規アプリを装って個人データを盗む

カテゴリー:セキュリティ

タグ:Android

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Chromebook上でのAndroidアプリの開発を容易にするChromeOS.devが登場

Google(グーグル)は米国8月12日、同社のLinux(リナックス)ベースのオペレーティングシステム上でAndroid(アンドロイド)アプリの開発を始める開発者の支援を目標にしたChromeOS.devを立ち上げた。このアップデートに伴い、Chromebook(クロームブック)上でのAndroidアプリケーションの構築とテストがより簡単になる。

この新しいChromeOS.devサイトは、現在英語とスペイン語で提供されている。同社の広報担当者はTechCrunchに「このサイトの目的は、プラットフォーム上での開発者たちの能力を最大化することで、その手段として技術リソースやチュートリアル、プロダクトアナウンス、コードサンプルなどを提供します」と語った。本日の発表でグーグルが指摘したように、前四半期のChromebookの販売台数は対前年比で127%の増加だった。一方一般的なノートPCの売上は40%増程度だ。

Androidアプリの開発者が、必要に応じてChromebook上ですべての作業を行えるように同社はChrome OSに完全なAndroidエミュレーターを提供した。これによってChromebookでアプリを直接テストできるようになる。また、グーグルの開発チームは、Chrome OS(M81以降)へのアプリの導入をはるかに簡単なものにした。開発者は、開発者モードを使用したり、USB経由でデバイスを接続したりすることなく、アプリを直接展開してテストできるようになった。

画像クレジット:Google

これらのAndroidを中心としたアップデートに加えて、同社はターミナルに焦点を当てた、Linuxベータ版への小規模ながら歓迎すべきアップデートも発表した。これに伴い、Chrome OS上のLinuxは、タブ、ショートカット、テーマ、および再設計された端末設定を含む、改良されたターミナルを備えることとなった。

Android Studioもまた、Chromebook、タブレット端末、折り畳み式端末(MicrosoftのSurface Duoの発表とタイミングが合っている)といった大画面デバイス向けのアプリの構築をより適切にサポートできるように、新しいプライマリ/ディテールアクティビティテンプレートに、マイナーアップデートが施されている。
画像クレジット: Techcrunch

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(翻訳:sako)

グーグルがAndroidスマホを地震計にする技術を発表、世界最大の地震検知ネットワークを作り出す

米国時間8月11日、Google(グーグル)はあまり共通点のないAndroidの新機能をいくつか発表した。Android Auto(未訳記事)とAndroidの緊急時の位置情報サービス(Googleブログ)がアップデートされ、Lookoutアプリ(Googleブログ)に新たなアクセシビリティ機能が追加され、睡眠アプリのAndroid Clock(Googleブログ)がバージョン6.0以降(以前はPixelスマートフォンのみの機能だった)搭載するすべてのAndroid端末に提供される。

しかし本日の発表のハイライトは、グーグルの新たな世界規模の地震検出システムだ。これは新しい地震アラート機能としてカリフォルニアでローンチされる。グーグルはAndroidスマートフォンを地震計に変えることで、同社によれば「世界最大の地震検知ネットワーク」を作り出すという。

グーグルによればスマートフォンの加速度計は、地震の後に到着する最初の波であるP波(UC Berkleyブログ)を測定するために十分に敏感があると主張している。スマートフォンが地震を検知したと判断すると、その情報を中央サーバーに送信し、これが本当に地震だったかどうかを判断する。今のところ、グーグルがこのデータを使うのは誰かが 「地震」 やそれに似たキーワードを検索したときに情報を表示するためだけだ。しかしいずれ、スマートフォンベースのシステムに基づいてアラートを送信できるようになることを期待している。

カリフォルニア州では一歩進んで、グーグルは米国地質調査所(USGS)およびカリフォルニア州緊急事態対策局(Cal OES)と協力し、ShakeAlertネットワークを使用する。同ネットワークは州内の700の地震計のデータを利用しており、地震に関する警報を提供している。「数秒前に警告があれば揺れが来る前にかがんで身を隠したり、何かに掴まる時間を与えることができる」とグーグルは主張している。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

グーグルがAndroid 11の最終ベータ発表、製品版リリース近づく

Android 11の登場が近づいてる。 Google は新しいスマートフォンOSの一般公開に先立ちさきほどベータ版のv3をリリースした 。パンデミックのためベータ版公開のスケジュールは1カ月ほど遅れ(未訳記事)ていた。

 

画像クレジット:Google

前回のベータ2ですでにプラットフォームとして安定した製品に仕上がっていたため今回の新しいバージョンは主として細かいバグフィックスと機能の最適化に当てられた模様だ。Google の広報担当者は「今回のベータ版は 公式のAPI 30 SDKやAndroid Studio向けのツールを利用しているデベロッパーが開発中のアプリの最終調整とブラッシュアップを行えるように意図したものだ」と述べている。

ひとつだけ実質的なアップデートとなったのはApple(アップル)と共同開発したコロナウイルス感染症の拡大を防止するための濃厚接触の可能性を通知するAPI(Googleサポートページ)だ。 今回のベータ版からはユーザーが明示的にデバイスの位置情報設定をオンにしなくてもこのアプリが利用できるようになった 。これは米国の大半の地域で制定されている位置情報の利用ルール(Googleブログ記事)に対する例外となる。Androidの他のアプリでは、現行どおり、位置情報の利用にユーザーの明示的同意を必要とする。感染可能性があることを通知するアプリはBluetoothを利用して付近をスキャンし、他のデバイス上のアプリと通信する。

上記を除いては、これまで十分に長い評価期間を経てきたこともあり、今回のベータ版には特に驚くような新機能の追加はなかった。Google 自身も述べている通り、ベータ3はAndroidの新バージョンのリリースと同時にできるだけ多くのデベロッパーが対応できるようにするためのものだ。アプリを新しいOSで確実に動作させるためには当然極めて多数の修正が必要(Android Developerサイト)になるはずだ。

勇気ある読者はAndroid Betaプログラム(Googleサイト)から携帯ネットワーク を通じて新しいベータ版をインストールできる。Pixel 2、3、 3a、4がサポートされており、近々4aも加わる。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Goolge Pixel 4aのリリースを控えPixel 4はわずか9カ月で製造終了

Pixel 4aの発表のわずか数日後にGoogle(グーグル)は、Pixel 4とPixel 4 XLの販売をひっそり終了していたことがわかった。この情報は最初にThe Vergeが報じたものだが、同社のスマートフォンのフラグシップモデルの販売期間としては異例に短いものとなった。これまでの2モデルでは18カ月あった販売期間がPixel 4の場合はおよそ半分の9カ月に縮められてしまった。

同社はすでにPixel 5が近々発表されると予告している。来週にも発売されるPixel 4aに関するリリースで、Pixelシリーズは5Gをサポートすることを発表したが、ここでPixel 5にも言及されている。

TechCrunchの取材に対して同社は「Googleストアでは在庫がなくなったためPixel 4、4XLの販売を終了した。このモデルを購入したい場合、グーグルのパートナー企業から在庫がある限り購入できる。Pixel 4は他のPixeと同様、Googleストアに登場して以降、最低3年間ソフトウェアとセキュリティのアップデートを受けることができる」と回答した。

Pixel 4はカメラの能力を中心として全体的として優れたデバイスだと評価されている。しかしこの製品はバッテリーの持ちの悪さという重大な問題を抱えていた。同社はこの問題に取り組み、近く発売されるPixel 4aでは対処されている。Pixel 4aは低価格デバイスでありながら非常に優れたカメラを装備しており、ある意味Pixel 4の存在価値を低下させていた。しかし大型ディスプレイのPixel 4 XLを欠くのは同社にとってシリーズに穴が開くことになる。

スマートフォン事業においてはグーグルはある種のアイデンティティの危機に直面しているようだ。最近のトップ人事は同社がスマートフォンで新しい方向を模索していることを示しているらしい。同社のスマートフォンはこれまでも長く浮き沈みを繰り返してきた。スマートフォンはすでに飽和している市場であり、同社がここでシェアを得るためにはAndroid製品として独自性を確立しなければならないという困難が伴う。

Pixel 5が同社の新しいスマートフォン戦略に基づく最初の製品になるかどうかはまだわかっていない。

【Japan編集部追記】8月7日現在、日本のGoogleストアではPixel4、4XLの在庫はある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Android用Chromeのオートフィル機能で生体認証が利用可能に

米国時間7月30日、Google(グーグル)はAndroid版Chromeのオートフィル機能をアップデートした(Chromiumブログ記事)。クレジットカードを使うときに、CVCコードではなく生体認証を利用するのだ。ほかに内蔵のパスワードマネージャーがアップデートされ、サイトへのサインインがやや簡単になった。

画像クレジット: Google

Chromeはすでに、Windows上とmacOS上ではW3CのWebAuthnスタンダードによる生体認証を使っている。今回のアップデートで同様にAndroidでも利用可能になる。

Android上のブラウザーで何かを買うと、本人性を確認するためにクレジットカードのCVCコードの入力を求められる。クレジットカードの番号がスマートフォン上に保存されていてもだ。しかし自分のクレジットカードが手元にないときなどは、コードの入力が面倒だ。

そこで今度からは、スマートフォンの生体認証を使って、指紋だけでスニーカーなどを買えるようになる。クレジットカードのCVCはいらない。もちろん、この新しいシステムは強制ではないので、オプトアウトもできる。

パスワードマネージャーのアップデート内容は、保存されている各サイトのアカウント情報をAndroidの標準のダイアログからオートフィルできること。デスクトップのパスワードマネージャーでは、とっくに実現していた機能だが、このアップデートでChromeも随分便利になる。パスワードマネージャーを使う人が増えれば、ウェブもより安全になるだろう。この新機能は数週間後にAndroid上のChromeに追加されるが、同社によると今後はもっとさまざま便利機能が登場するそうだ。今回は、その序の口のようだ。

画像クレジット: Google

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

新型コロナ下の第2四半期のモバイルアプリはダウンロード数、利用時間、売上いずれも新記録達成

新型コロナウイルス(COVID-19)による危機に世界が対処を続ける中、2020年第2四半期のテクノロジービジネスはモバイルアプリのダウンロード数、使用時間、消費者支出のいずれも新記録を作る結果となった。

モバイルビジネスのアナリティクス企業であるApp Annieの最新レポートによれば、第2四半期にモバイルアプリの使用量は前年比40%アップした。トータルの利用時間は2020年4月に過去最高の2000億時間以上となった。消費者支出は270億ドル(約2兆8900億円)でこれも過去最高となった。アプリのダウンロード数は約350億を記録した。

世界中でソーシャルディスタンスの確保とロックダウンによって新型コロナの流行を抑え込もうとしていることが、モバイルアプリの利用に強い追い風となったようだ。

画像クレジット:App Annie

例えばインドでは2020年第2四半期のアプリ滞在時間は2019年第4四半期以降35%増加している。イタリアで30%、インドネシアでも25%の増加だ。米国ではアプリの滞在時間が15%増加している。

App Annieによると、平均的ユーザーはスマートフォンを毎日4時間20分使っているという。

画像クレジット:App Annie

消費者はスマートフォンにあるアプリを起動するだけでなく、新しいアプリをダウンロードする。第2四半期の新アプリのダウンロードは350億回に上ったがこれも史上最高だった。

このうちGoogle Playが250億回を占め、前年比10%の成長だった。今四半期、Google Playの最大のマーケットはインドとブラジルだった。

画像クレジット:App Annie

iOSのダウンロード数は前年比20%アップで100億回近くとなった。iOS最大のダウンロード市場は米国と中国だった。伸び率が大きかったのは米国とサウジアラビアだった。これは、全国的なロックダウンと学校閉鎖に原因があるだろう。アプリのダウンロード数は2020年4月に史上最高となり、iOSで前年比100%アップとなっている。

App Annieによれば、この四半期のゲームのダウンロードは記録的なものとなり合計140億回となった。第2四半期の第1週はモバイルゲームのダウンロード数が12億回を超えて新記録になった。四半期を通しての週あたり平均ダウンロード10億回、対前年比で20%増加した。

画像クレジット:App Annie

ゲーム以外のアプリは、Androidにおける新規ダウンロードの半数(55%)、iOSにおける70%を占めている。

ゲーム以外のトップカテゴリは、Google Playでは「ツール」と「エンターテインメント」、iOSでは「写真とビデオ」と「エンターテインメント」だ。しかし他のカテゴリーの伸びも大きかった。Google Playのダウンロードでは、直前の四半期と比較して「ビジネス」が115%、「健康とフィットネス」が75%、「教育」が50%それぞれアップしている。

一方、iOSでは前四半期に対して「健康とフィットネス」が30%、「ショッピング」が25%、「医療」が20%と大幅に増加している。

記録的なダウンロードと使用時間が新記録となったので消費者支出、特にストリーミングビデオに対する支出も大幅に増加した。

画像クレジット:App Annie

第2四半期の消費者のアプリへの支出額は過去最高の270億ドル(約2兆8900億円)で、iOSが前年比15%アップの170億ドル(約1兆8000億円)、Androidが25%増の100億ドル(約1兆1000億円)だった。

ゲーム支出は190億ドル(約2兆円)、前四半期に対して15%アップとなった。Google Playは25%と大幅に成長しており、これはiOSの成長率の2倍だった。

画像クレジット:App Annie

iOSへの支出額のうちゲーム以外が35%を占めた。この四半期のiOSのゲームアプリ、ゲーム以外のアプリの双方で最大の貢献をしたのは米国と中国の市場だ。これまで消費者向けゲームの最大市場は中国だったが、今回は米国がトップの座を奪い返した。第2四半期の対前四半期の成長は30%に達した。

Google Playでは非ゲームが支出の15%だった。ゲームとゲーム以外の双方で米国、日本、韓国がトップ市場だった。

Google Playのトップカテゴリーは「ゲーム」以外に「ソーシャル」「エンターテイメント」が含まれた。App Annieでは「エンターテインメント」のアップは主としてDisney+とTwitchによるものとみている。

iOSでは「ゲーム」「エンターテイメント」「写真とビデオ」が最大のカテゴリだった。「写真とビデオ」の拡大はTikTokが牽引し、ビデオストリーミング制作者に対する投げ銭に使うバーチャルギフトの販売によって売上高のトップを占めた。

画像クレジット:App Annie

パンデミックを追い風としたモバイルデバイスの大半はビデオストリーミングやゲームなどエンタテインメイント関連だったが、ビジネスアプリもいくつか四半期のランキング入りしている。例えばZoomはこの四半期にダウンロードされたアプリの2位に入った。Google Meetは7位だった。

ショートビデオのTikTokはダウンロード数と支出でトップとなり、月間アクティブユーザーでも7位だった。しかしインドでのTikTokの禁止は次の四半期に大きな影響を与えるはずだ。また米国でもTikTokの締め出しが検討されていることがショートビデオのライバルに勢いを与えている。この波乱のなかで、インドではローカルのライバルの利用が急増している(Reuters記事)。他の地域ではByteやLikeeのような競合サービスが成長している。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

モトローラが約4.2万円の格安5Gスマホを欧州向けに発表、米国向けには約5.4万円以下の端末を今秋投入

Qualcomm(クアルコム)は2019年に「Snapdragon 765」を発表し、低価格な5Gスマートフォン時代の到来を約束した。そしてMotorola(モトローラ)も、このチップを積極的に採用する。同社は高価な端末(結果はまちまちである)を売りにしているが、低価格のデバイスが当面の収入源になることはほぼ間違いない。

米国時間7月7日、Lenovo(レノボ)傘下のモトローラブランドは、Moto G 5Gのローンチを発表した。8日にはヨーロッパで発売されるが、最も注目すべきはG 5Gが349ユーロ(約4万2000円)からと、市場平均を大きく下回ることだ。5G対応スマートフォンは依然として、競合他社のフラッグシップ機がひしめいている。

G 5Gにはリフレッシュレートが90Hz/アスペクト比21:9の6.7インチディスプレイや背面の4カメラなど、注目に値する機能が搭載されている。カメラシステムには撮影時により多くの光を集める4画素技術を搭載した4800万画素のメインカメラ、超ワイドレンズカメラ、クローズアップ専用のマクロレンズ、深度センサーカメラが含まれる。

マクロレンズはスマートフォンではまだかなり珍しく、複数のモデルにこの技術を搭載しているのはモトローラだけだ。多くの人にとってこれは興味深いものだろうが、必要なケースも確かにある。興味深いことに前面にはデュアルセルフィーカメラがあり、1600万画素のメインカメラと、より多くの人を撮影できる広角レンズを備えている。

正直なところ、低価格端末としてはかなり興味深い製品になりそうだ。5000mAhのバッテリーと5G通信、そして90Hzのディスプレイを搭載している。基本モデルは4GBのRAMと64GBのストレージを搭載し、50ユーロ(約6100円)追加すれば6GBのRAMと128GBのストレージが利用できる。サウジアラビアとアラブ首長国連邦にも「数カ月中」に投入される。

一方、モトローラは北米市場向けに500ドル(約5万4000円)以下の5Gスマートフォンを2020年秋に発売することも約束しており、Zラインの端末が次世代ワイヤレス技術にアクセスするためのMoto 5 G Modも追加される。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Qualcommがスマートウォッチ用チップの最新世代機を発表、省電力時でもさまざまなな機能を利用可能に

米国時間6月30日、Qualcomm(クアルコム)はウェアラブル用Snapdragon Wearプラットフォームの新製品であるSnapdragon Wear 4100と4100+のローンチを発表した。

12nmプロセス技術を基盤にしたこの新しいプラットフォームは、Android Wearのエコシステムに新たな息吹を吹き込みそうだ。

ユーザーが最初に気づくことの1つは、前世代のWear 3100と違って4100+がずっとリッチなアンビエントモードをサポートすることだ。同睡眠追跡やライブコンプリケーション、画面輝度の自動調節などを行いながらエネルギー効率の良いこのモードでも多くの色を表示することができる。

従来のAndroid Wearのエコシステムでは、アンビエントモードはライブモードと比べてかなり簡素化されていた。しかしこの新しいプラットフォームでは、それを変えようとしている。Qualcommのデータによると、スマートウォッチの多くが動作時間の95%でアンビエントモードになっているため、これは改善すべき明らかな機能だ。スポーツモードでは同じようなモードになり、さまざまなセンサーやマップ、GPSなどを利用して、ランニング中に最新情報を入手することができるようになる。

画像クレジット:Qualcomm

実際の技術に関しては、4100+のプラットフォームはメインシステムにCortex A53搭載のSoCを使用し、前世代と比べて85%もパフォーマンスを上げている。しかも電池寿命は25%長い。GPU本体は世代が1つ進んだけで2.5倍速く、とてもスムーズなユーザー体験を実現するだろう。4Gのモデムは高速のインターネット接続を提供している間、歩数のカウントや心拍数をモニターなどは小型の常に動作する5mmx4mmのコプロセッサーが処理をする。

画像クレジット:Qualcomm

もう1つ大きなアドバンテージは、特にスポーツ向けのスマートウォッチでは非常に省電力になりGPSのサポートが改良されていることだ。インターネットに接続するスマートウォッチ用として、バッテリー持続時間の25%アップを約束している。

本当にバッテリーを長持ちさせたい人に対して、最近のAndroid Wearウォッチの多くが低電力モードへの切り替えをサポートしているが、これはただ時刻を確認できるだけのモードだった。しかし今回の「enhanced watch mode」では4100+が大幅にアップデートされ、歩数と心拍数のサポートや電池残量表示、アラーム、リマインダーも追加された。

画像クレジット:Qualcomm

なお、4100プラットフォームには4100と4100+の2種類がある。4100+はチップ上にメインシステムを搭載しており常時稼働するのコプロセッサーや接続のためのさまざまなチップを搭載している。4100は常時稼働するコプロセッサーを搭載していない。

4100を使用する最初のモデルは、TicWatch系列を作っているMobvoiと、この最新プラットフォームを載せた子供用スマートウォッチを発売するimooから発売される予定だ。

画像クレジット:Qualcomm

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Android 11向け純正開発環境がアップデート、ADBにWi-Fi、Kotlinサポート強化など多数

先週Google(グーグル)は次世代Androidの発表イベントを「お祝いをする時期ではない」として延期していたが、やっとAndroid 11のベータ版が公開されたのを機に開発環境も強化された。

TechCrunchでも報じたとおり、このアップデートでは消費者向けの多数の機能が追加された。同時にAndroidアプリ開発を助けるためのデベロッパー向けツールの改良も行われている。ファンファーレとともにキーノートがライブ配信されるといった派手な登場の仕方ではなかったが、Googleは機能を紹介する記事とビデオ多数を公開している。

同社はブログ記事で「グーグルは公衆が米国における人種的正義という重要な問題に集中できるよう、ライブ発表イベントトを延期した。今回我々はAndroid 11ベータ版の発表に関する計画を変更し、短いビデオクリップ多数とウェブページで開発者が必要と考える情報にじっくり接することができるようにした」と述べた。

これまでどおり、Androidアプリ開発のコアとなるIDEはAndroid Studioだ。これは各種のアップデートのハブであり、同社はAndroid Studio 4.1ベータとAndroid Studio 4.2 Canary Release(カナリア版)の両バージョンをリリースした。

私はAndroidの責任者であるStephanie Cuthbertson(ステファニー・カスバートソン)氏にインタビューしたが、同氏はアンドロイドのデバッグ環境、ADB(Android Debug Bridge)のリニューアル、中でもワイヤレスデバッグ機能が追加されたことを強調した。デベロッパーはADBを通じてWi-Fi経由でAndroid 11アプリをデバッグすることができる。マシンのUSBポートは限られており、それでなくても複雑な接続となっている現在の開発環境ではWiFi接続が利用できることは時間と労力を大幅に節約できるし、デベロッパーから長年強く望まれていた機能でもある。

ADBに加えてもうひとつの大型アップデートはAndroid Emulatorだ。このエミュレータはこれまでも着実にパフォーマンスが強化されてきたが、今回はデザインそのものが変更され、Android Studioに統合された。IDE内から利用できるようになったことでデベロッパーは多数のデバイスのテストを並行して実行できる。これも時間の節約効果が大きい。

またAndroidチームは、全般的にビルドからデプロイメントまでのプロセスを高速化するためにシステムを改良した。具体的には、Android StudioのビルドツールであるGradleでの巧妙なキャッシュ利用、Kotlin言語におけるアノテーション機能のネイティブ化などが大きい。Androidアプリ開発において、Javaは引き続きサポートしているものの、Kotlinが事実上の最優先言語となっているため、同社はKotlin関係に多くのリソースを投入していることは注意すべきだろう。

機械学習を抜きにしては最近の開発者向けの発表は終わらない。同社は、開発者がML KitとTensorFlow Liteを利用して作ったモデルをAndroid Studioに直接インポートできるようになったことを発表した。

ゲーム開発者向けには、パフォーマンスプロファイラーに新しいユーザーインターフェイスを導入するなどの改良が加えられた。

同社はしばらく前にAndroid向けUIツールキット、Jetpack Composeを予告している。このプロダクトはまだアプリ制作に商業的に利用できるレベルになっていないが、今回のアップデートではデベロッパープレビューのバージョン2が発表された。これにはアニメーションやウィジェットのレイアウトを保つConstraintlLayoutのサポートなどが含まれる。 ただし Jetpack Composeのアルファ版がリリースされるのは今年夏、 1.0のリリースは来年になる予定だという。息を詰めて待つには少し早いようだ。

現在、Google Playストアの上位アプリ、1000タイトルの約70%はKotlin言語を使用している。今回のアップデート(プラス、Kotlin 1.4)で同社は非同期処理を実装するためのKotlin Coroutinesをサポートした。これにより並列処理を書くことが非常に簡単になる。同社は現在、Coroutines利用を正式に勧告しており、Jetpackライブラリではすでにこのテクノロジーを利用したものがある。

Google Play関連では新しいGoogle Play Consoleがリリースされた。このコンソールを利用すれば「クリアでわかりやすいデザインを簡単に作れると同社は約束している。またゲームのパフォーマンスを測定するPerformance Insightsの統計も理解しやすくなり、利用約款の変更についてのガイダンスなども新たに提供されることになった。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Android 11のパブリックベータが初登場、バブル通知や改良されたオートフィルなどを搭載

Google(グーグル)は米国時間6月10日、デベロッパー向けプレビュー版に続いてAndroid 11の最初のベータ版をリリースした。ベータ版は携帯ネットワーク経由でダウンロード、インストールできる。今回のリリースでサポートされたデバイスはPixel 2、3、3a、4だ。

私なら日常使っているデバイスにインストールするのはもう少しテスト結果の報告が上がってからにするところだが、勇気のある読者はベータ版のテストに参加できる。 いつものとおり、グーグルはエミュレータをアップデートして、スマートフォンにインストールしなくともAndroid 11を評価できるようにしており、OSイメージも公開されている。

同社のAndroidブログによれば、今回のアップデートのテーマは、人々、コントロール、 プライバシーの3分野だという。


前回同様、今回のアップデートでも通知の改善に力を入れている。 Android 11では通知はプルダウン画面のトップに専用セクションが割当てられた。ユーザーはこの通知画面から直接「後で」を設定できる。メッセージに返事をしなければならないが今は手が離せないときなど便利だ。もうひとつ通知システムの新しい機能は「バブル通知」だ。バブルはユーザーがアプリを切り替えてもその上にフロート表示される。バブル通知はユーザーが別のアプリで仕事しているときや、ゲーム中にも表示される。

もう1つのアップデートは入力候補の提示方法の統合だ。これで設定が面倒だったオートフィル機能が使いやすくなった。パスワードマネージャやサードパーティーの入力アプリを利用する場合でも、カーソルが位置している画面の内容に応じた適切な候補が表示される。パスワードマネージャを使おうとするとアプリごとに設定しなければならず苦労したユーザーも多いだろう。

デバイスのコントロールとしては音声利用が強化された。Android 11ではデバイス画面に現在何が表示されているか認識するための新しいシステムが追加され、音声コマンドが利用できるラベルとアクセスポイントを自動的に生成する。.

コントロール分野では 電源ボタン長押しでスマートホームデバイスのコントロールが表示できるようになった。ただしこの機能で表示されるようにするにはメーカー側でGoogleの新しいAPIを利用する必要がある。またベータ版の今後のアップデートでメディアの音声コントロールが可能になる。これにより音声でオーディオ、ビデオのコンテンツの出力先を切り替えられる。つまり出力先をヘッドフォン、外付けスピーカー、デジタル対応テレビなどに簡単に変更できるようになる(この機能は現在はプレビュー版のみ)。

プライバシー管理では「1回限りの許可」が追加された。これはアプリが、マイク、カメラ、位置情報に1回だけアクセスできるようにする権限だ。アプリをしばらく利用していないとシステムは権限を自動的にリセットする。

数か月前、Googleはアプリがバックグラウンドで位置情報にアクセスするにはユーザーの明示的承認を得ねばならないこととすると発表した。 これには多くのデベロッパーから「対応する時間がない」という声が上がったため、Googleはデベロッパーがアプリをアップデートする余裕を与えるために2021年まで現行のポリシーを維持するという。

以上はユーザー向けの新機能だが、これに加えてグーグルはAndroidデベロッパー向けツールもアップデート(未訳記事)した。

画像:TechCrunch

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

RazerのJoy-Cons風Android用ゲームコントローラーは約8600円、iPhone版も準備中

Razer Kishiは、CESでの発表時点ではほかのRazerの製品ほどは目立つものではなかった(未訳記事)。これはスマートフォン向けゲーム周辺機器としては初めての試みではなく、また見た目にも目新しさはない。しかしRazerのような名の知れたゲーミング機器メーカーがこのカテゴリに進出することは、同社がゲーミングスマートフォンを2機種発売したことに続き、その方向性をさらに正当化するものとなる。

Razer KishiはAndroidスマートフォン向けに米国時間6月9日から出荷が開始され、価格は80ドル(約8600円)だ。このカテゴリーにおいて最も安い製品ではないが、Razerの製品は一般的に人気で、Kishiも今のところ高い評価を得ている。

Razer KishiはNintendo SwitchのJoy-Consと比較されがちだが、それはボタンとデュアルアナログスティックのレイアウトが原因だ。左側にDパッド、右上に4ボタン、2個のアナログトリガー、2つのバンパーボタンを搭載。USB-Cポートに直接接続できるため、同等のBluetoothアクセサリよりも低レイテンシのゲームプレイが可能だ。注目すべきはクラウドゲームサービスのStadiaとも連携していることで、思ったような展開ができていないGoogle(グーグル)のクラウドゲームサービスにとって良い転機になるかもしれない。

Razer KishiはiPhone版も準備中で、2020年夏のいずれかの時点でリリースされる予定だ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Androidに睡眠の質を上げる「ベッドタイム」機能が登場、最新アップデートで

Google(グーグル)は、開発者向け会議Google I/O 2018で、新しいスイート「デジタルウェルビーイング」を発表した。これによりAndroidユーザーはスクリーンタイムが管理しやすくなった。2019年度のイベントでは、機能の向上と関連するペアレンタル・コントロールの改善が発表された。今年は新型コロナの世界的流行のためGoogle I/Oは開催されないが、同社はウェルビーイングツールセットを今一度刷新する。ユーザーの睡眠を促す新しい就寝ツールを導入するというグーグルの今年の焦点は、まさに時機を得ていると言える。

同社は、4月と5月に「不眠」や「眠れない」など睡眠に関する検索が急増したと報告している。コロナ禍でストレスや不安が増し、睡眠に支障が出ているためだ。

かつては「ワインドダウン」と呼ばれていたAndroidの「ベッドタイム」モードは「Do Not Disturb(おやすみ)」機能で電話やメール、通知の着信音を鳴らないようにし、画面の色もグレースケールで白黒表示になる。この機能の最新アップデートでは、ベッドタイムモードをいつどのように使うかといったカスタマイズが簡単にできるようになったのだ。

ユーザーの睡眠スケジュールに合わせて、スマホを充電するときにベッドタイムモードを自動的にオンにできるようになった。またAndroidのクイック設定にベッドタイムモードを追加して、1回のタップ操作で簡単に切り替えることができるようになった。さらに、もう少しだけ時間が必要なときは、スケジュールを調整することなくベッドタイムモードを一時停止できる。

スマホ充電時にベッドタイムモードが自動的にオンになる機能、クイック設定への追加などが含まれるデジタルウェルビーイングのアップデートは5月初旬にすでに発表されているのだが、グーグルはこの機能をベッドタイムモードの他の変更の一環として今日発表した。

Androidの時計アプリも、新しいベッドタイムタブのアップデートがあった。

このタブで毎日の就寝時間と起床時間が設定できる。またアプリでは、翌日のカレンダーをプレビューし、睡眠時間の合計が計算できるようになっている。こうすることで、通常の睡眠スケジュールを変えることになっても、必要に応じて翌日のスケジュールに合わせて就寝時間を調整できるのだ。

また就寝前のリマインダーや、Calm(カーム)、Spotify(スポティファイ)、YouTube Music(ユーチューブミュージック)などから癒しのサウンドを再生できるオプションが利用できるようになった。デジタルウェルビーイングがインストールされている場合は、ベッドタイムモードとペアリングして、就寝中の障害を制限できる。

またアプリには、設定した就寝時間後に使用したアプリと費やした時間が表示される。

グーグルでは、より良い睡眠を求めるユーザーに「サンライズアラーム」オプションを試すことを勧めている。画面が徐々に明るくなるこのオプションは、目覚めを優しく助けてくれる。この視覚的なアラームはオーディオアラームが鳴る15分前に始まる。またユーザーは、耳障りなアラーム音の代わりに、お気に入りの曲をアラームに設定できる。

サンライズアラームは2018年にPixel 3とPixel Standで最初に導入された。だが今回のアップデートではスタンドが不要になり、時計アプリの新しいベッドタイムタブの一部として機能が使用できるようになった。

また本日発表の新しいベッドタイム機能に関連して、YouTubeに最近追加されたお休み時間の通知機能も紹介された。この機能は、Androidのペアレンタル・コントロール機能ファミリーリンクの毎日の就寝時間スケジュールもサポートする。

アップデートされたベッドタイムモードは、今日からPixel機種に導入され、夏の終わりには時計アプリや別のAndroid機種に導入される予定だ。Pixel機種には他にも、自動調整バッテリーなどを含むアップデートが含まれる。

Pixel 2以降の機種では、バッテリーが切れる時期を知らせてくれ、バックグラウンドでの使用を抑制してバッテリー持続時間を延ばせるようになる。また優秀なレコーダーアプリは、「Hey Google(ヘイグーグル)」と呼びかけるとトリガーされるようになり、書き起こしたものは Googleドキュメントに直接保存できる。

Pixel 4で導入されたパーソナルセーフティアプリがすべての機種で利用可能になり、Pixel 3には自動車衝突検知機能が搭載される。さらに、危険な状況にある場合にアラートを送信する、セーフティチェック機能も新しく搭載される。グーグルは次のように説明している:

たとえば、一人でジョギングやハイキングをする場合、セーフティチェック機能では家に安全に戻ってきたことを確認します。予定されたチェックインに応答しない場合は、緊急時連絡先にアラートが送られます。すぐに助けが必要な場合や、危険な状況にある場合は、緊急時の情報共有機能により、すべての緊急時連絡先に通知され、グーグルマップを通じて現在の位置がリアルタイムで共有されるので、助けを呼んだり、救出に向かったりできます。

パーソナルセーフティアプリでは、自然災害や他の治安問題などの危険についての通知も設定できる。

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Category:ソフトウェア ヘルステック

Tag:Android 睡眠 スマートフォン

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(翻訳:Dragonfly)