アップルがIntelを上回るコア数のAppleシリコンチップをハイエンドMac用にテスト中との噂

Apple(アップル)が、現在同社のMacBook Pro、MacBook Air、MacBook Pro、Mac miniに使用している独自設計のM1チップに比べて、コア数が大幅に多いAppleシリコンチップを開発していると報じられている。Bloombergによると、新しいチップには将来のiMacやより強力なMacBook Proモデルを対象として16の高性能コアと4つの高効率コアを備えたバージョンと、最終的には最初のAppleシリコン版Mac Proに搭載されるであろう32の高性能コアを備えたトップエンドバージョンがあるという。

現在のM1 Macは4つの高性能コアと4つの高効率コアで構成されている。また、Macのモデルに応じて、7つまたは8つの専用グラフィックコアが使用されている。アップルの次世代チップは、16の高性能コアバージョンへと直接ジャンプする可能性もあるが、Bloombergは製造プロセスの結果を見ながら、8つもしくは12のコアバージョンを使う可能性もあるという。特に新デザインの初期ステージにおけるチップ製造においては、それぞれのチップ上で使えないコアがたくさん発生しがちである。そのような場合、メーカーは歩留まりが向上するまでは、そうしたチップをしばしば脇にどけて、より少ないコア数の設計のものとして市場に供給する。

アップルのM1 SoC(画像クレジット:Apple)

次世代のAppleシリコンMacが、16、12、または8のいずれの高性能コアデザインを採用したとしても、Intel(インテル)の同等製品と十分な競争ができるはずだ。アップルからデビューしたM1ラインのMacモデルたちは、先代モデルだけでなく、よりハイエンドのIntelチップを搭載したより高価でパワフルなMacに比べても大幅に性能が向上したことから、批評家やレビュアーたちの称賛を集めている。

記事はまた、アップルが将来のiMacやProノートブック向けに使うための、16コアと32コアの両方のデザインを含む、新しいグラフィックプロセッサを開発しており、それどころかMac Proのようなハイエンドのプロ用マシンで使用するために、64コアと128コアのデザインも開発中であるとレポートしている。これらは、一部のアプリケーションではNVIDIA(エヌビディア)やAMDの専用GPUデザインにさえ匹敵するパフォーマンスを提供するはずだ。とはいえ記事によれば、2021年後半もしくは2022年になるまでは、いずれも出荷される製品に搭載されることはなさそうだ。

アップルは当初から、2022年までにライン全体を自社のAppleシリコンプロセッサに移行する計画であると述べている。現在販売されているM1 Macは第1世代のもので、アップルは、iPhoneやiPadのラインに組み込まれたトップエンドのAシリーズチップに非常に近いデザインを採用した最も低消費電力のMacから投入を開始した。次世代のMシリーズチップは、アップルのモバイルプロセッサーとの差別化がさらに進み、要求の厳しいプロフェッショナルのワークロードからの要求に対応するための、性能面で大きなアドバンテージを持つようになりそうだ。

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(翻訳:sako)

Mac向けに最適化されたTensorFlowでM1とGPUが力を競う

機械学習の環境TensorFlowのMacに最適化されたフォークは、大きな性能向上が報告された。この話の重要な部分は、少なくともこれまではモデルの訓練にGPUが使われていない(!)というものだが、M1ベースのデバイスにはそれ以上のメリットもあるので、このようなよく使われるワークフローの最適化が今後さらに増えると思われる。

TensorFlowとApple(アップル)の両方のブログで発表されたように、Mac向けに改良されたバージョンは最良のケースで一般的なトレーニングタスクのスピードを10倍以上に上げた。

毎日のようにモデルが焼き上がるのをじっと待っているML関係者にとってめでたいことだが、TFのこの以前のバージョンがMacのCPUだけを使用し、GPUの強力な並列プロセッサーを使わなかったという事実は、その問題(CPUかGPU併用か)を自分自身に課すような人びとの数を最初から制限したかもしれない。しかも大規模なML訓練の多くは、クラウドコンピューティングを利用して行われている。

CPUオンリーからCPU+GPUに変わったことによって、IntelベースのMac Proのベンチマークが示すように同じハードウェアでも大きな改善とメリットが実現した。これまで6〜8秒かかったトレーニングが、1秒未満でできるようになった。

M1が有能でないという意味ではないが、M1を搭載した新しいMacにも新しいGPUがあり、2019年のMacBook Proで10秒近くかかったタスクが新しいM1マシンでは2秒足らずで行うことができる。このことは必ずしも、アップルの極上のファーストパーティーシリコンだけの殊勲ではないだろう。

現在、アップルにこのパフォーマンス改善の寄与要因の内訳を確認しているので、回答が届き次第、この記事をアップデートしたい。

おそらく開発者にとっては、バッテリー寿命の改善や、M1デバイスの熱管理も重要だ。性能の向上は大いに結構だが、それでマシンがホットプレートになったり、ファンが壊れて交換に1時間もかかったら、あまりうれしくない。しかし幸いなことにM1は、重い負荷でも効率が良く(未訳記事)、予備を空にしたり過熱したりはないようだ。

今後、「M1の方がタスク処理が速い」という話が続々出てくるだろう。新しいMacが登場して、主な企業の多くが待望のアップデートをしていけば、当然、そんな話になりそうだ。

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Apple M1チップ搭載の新MacはeGPUをサポートせず

Apple(アップル)は米国時間11月10日のイベント(未訳記事)で、同社初のMacハードウェア向きの自社開発プロセッサーを発表した。「M1」と呼ばれるそのシステムオンチップ(SoC)は、IntelではなくArmアーキテクチャーに基づいている。これは非常に大きな切り替えであり、発表のほとぼりが冷めるにつれ、新しいMacBook AirMacBook ProおよびMac Miniのオプションに関する詳細が明らかになってきた。

TechCrunchは、最初のApple Silicon MacはeGPUをサポートしないという情報を得た。正確にどこからの非互換なのかははっきりしない。M1チップ自身がeGPUと仲良くできないのか、この日発表された3台の新型Macに関する何かなのか。

以前から消費者は、メモリー負荷の高い作業を劇的に高速化するために外付けグラフィックカードに頼ってきた。eGPUは、ノートパソコンや性能不足のデスクトップに同じ体重物階級で抜きん出た力を与えることができる。中でも、アップルの過去のノートパソコンは十分なRAMとCPU性能を持ちながらグラフィック処理能力が不足しているといわれてきた。そこでユーザーは、旧世代Mac miniに拡張RAMとeGPUを加えることでMac Proに匹敵する性能をわずかな価格で手に入れられることを発見した。しかしながらさきほど発表されたMacではいまのところ不可能だ。

本日のM1発表の中で、アップルの広報担当者はチップに統合されたGPUを繰り返し称賛したが、詳しい技術仕様は明らかにしなかった。この日発表されたバージョンのM1は7または8コアで、同社によると同等のPC向けGPUと比べて2倍のGPU性能を33%の消費電力で実現するという。これが本当なら(チップのベンチマークが終わればわかる)、このM1はモバイルチップとしては本格的なGPU性能を有することになるが、専用外付けグラフィックカードとは比較にならないため、見捨てられたと感じるユーザーもいるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アップルの新チップとMacは投資家を興奮させられなかった

ショーの終了時に、その価値が1985ビリオンドル(1兆9850億ドル、約208兆6000億円)だったApple(アップル)のMacイベントは、時価総額「2000ビリオン」、一般的な表現なら2トリリオン(2兆ドル)の勲章を得るために必要な最後の15ビリオンドル(150億ドル、約1兆6000億円)をもたらすことができなかった。

Appleの新M1プロセッサー一新されたノートパソコン製品群に目を光らせるだけでなく、会社の発言とともに変わる企業価値にも注目していた。アップルが世界の注目を欲しがるとき、私たちの疑問はいつもこれだ。会社が何を発表するかによって、市場が会社を見る目は変わるのか、その結果、価値は変わるのか?

答えはほぼ常に「ノー」だ。おそらくこれはアップルの新製品ラインの追加ペースが遅くなり、代わりに大きくて高価なiPhoneを作るようになって、いっそう明白になった。前者よりも後者をモデル化するほうが簡単なので、ほとんどの製品ニュースは、実際のデモを私たちが見る時のアップルの価値に織り込まれている気がする。

この日も例外ではなかったが、私は興味をもって臨んでいた。アップルが期待通り自社製チップを搭載した新しいコンピューターをたくさん発表したらどうなるだろうか?ハードウェア売上の利益率が良くなる可能性は投資需要と会社の価値を高めるのだろうか?

結果はといえば、答えは「ノー」だった。


アップルのイベントは太平洋標準時午前10時、上のグラフでは1pmに始まった。

発表中、アップルの価値は揺れ動き、まず、新MacBook Airのデモに向けて少し上がった。その後株価は下がり、新型Mac Miniはその下降を止めることができなかった。新しいMacBook Proの影響も限定的のようだった。AppleのCEOであるTim Cook(ティム・クック)氏が再び登場した頃、株価はその日の元値に戻った。これをどう解釈するかは読者の自由だ。

M1チップを、大手チップ会社としてのアップルの未来を、あるいはクパチーノ初の新型コンピューターを、「あなた」がどう思うかに関わらず、少なくとも投資家が新しい製品ラインに驚くことはなかった。

これでもIntelについて私たちがいえることよりも多い。アップルがM1テクノロジーを発表したその時から、同社にとってあまり良い日ではなくなってしまった。

おそらく、Apple M1の発表を知っていたアップル株主は全員、何が起きるかIntel株主に教えることができたはずだ。そうすればIntelのメンツも少しは保たれただろう。

ともあれ、アップルのホリデー製品群は出揃ったようだ。世界的都市封鎖が再び日常になる時、果たしてどんな売れ行きをみせるのか注目だ。おそらく前四半期の売行き不調を取り返すことはできるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple Silicon MacではiOSアプリも動作する

米国時間11月10日、Apple(アップル)は新しいApple Silicon Macが従来より幅広い範囲のアプリを実行する能力を持つことについて詳しく話した。iOSデベロッパーがモバイルアプリのMac互換バージョンを公開していない場合でも実行できる。同社によると、新型Macに搭載されたmacOS Big Sur(ビッグ・サー)は、ユニバーサルアプリ(Apple SiliconとIntel Macの両方に対応するように作られたネイティブバイナリーを含む)だけでなく、ユニバーサルにアップグレードされていないその他のアプリも動作させることができる。

これは、新型Macが史上初めて、ユーザーのiPhone / iPadアプリを実行できることを意味している、とアップルは語った。この変革によってMacで利用できるアプリの選択肢は大きく広がる。

アップルはどうやってこれが可能になったのかをイベントで説明した。Rosetta 2(ロゼッタ2)と呼ばれる新技術が、IntelベースMac向けに作られたアプリがM1(Apple Siliconファミリー初のメンバー)上で動くのを助ける、と同社は語った。アップルは、グラフィック志向のアプリはRosetta 2を使った時のほうがIntelで動いたときよりも性能が向上するとまでいっている。

さらにアップルはイベントで、HBO MacとAmong UsといったiPhone / iPadアプリが新型シリコンMacで動作するところを披露してみせた。


アップルは他のデベロッパーが自社アプリを新型Mac対応にする計画を話しているところをビデオで紹介した。Panic、Cinema 4D、Baldur’s Gate 3、Hopscotch、mmhmm、Shapr3Dなどだ。

しかし9to5Macの記事によると、アップルはデベロッパーが新しいユニファイドアプリストアからオプトアウトすることを認めるらしい。Apple Silicon向けの新しいMac App Storeに自社アプリを提供しないデベロッパーとして9to5MacはGoogle(Gmail、Googleドライブ、Googleマップ)、Facebook(Facebook、Instagram、Messenger、WhatsApp)、Amaaon(Prime Video)、Snapchat、およびDisney+の名前を挙げている。

ただし、このオプトアウトは一時的な方策かもしれない。

アップルはユニバーサル・アプリ(Apple SiliconとIntelプロセッサーの両方に向けて作られたアプリ)について、さらに詳しく語った。ユニバーサルアプリを最初に公開する企業には、Omni GroupとAdobeが入っている。AdobeはユニバーサルバージョンのLightroomを2020年12月に、Photoshopを2021年に公開する予定だ。

ユニバーサルアプリのダウンロードは、App Storeでもウェブからでも可能になるとアップルはいう。。

もちろんアップルは自社アプリをすべてM1に最適化しており、macOSに含まれるアプリだけでなく、Pages、Numbers、Keynote、GarabeBand、iMovie、LogicPro、Final Cut Proなど、同社が提供している他のアプリも対象だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

​新型13インチMacBook Proは新M1チップ搭載し、13万4800円から

Apple(アップル)から新しい独自チップを搭載した3つの新デバイスが登場した。新型MacBook AirとMac miniの発表に続いて、同社は13インチのMacBook Proをアップグレードした。

米国時間11月10日のイベントでアップルは、このシステムを「M1チップができる究極の表現」と呼んだ。​少なくとも、このシステムは新チップの能力の限界を押し広げているようだ。​ウェブブラウジングで17時間、ビデオ再生で20時間という長いバッテリー駆動時間を実現しており、これは同社がMacBook製品で提供している最高のスペックだ。

現時点ではベンチマークの詳細は不明だが、アップルによると以前のモデルに比べてほぼ2.8倍の性能向上と、5倍高速なグラフィックスを実現するという。またMacBook Airとは違い、内部にはファンがある。Touch Barはそのままでウェブカメラも大きくは変わらないが、同社はソフトウェアベースの性能向上をアピールしている。また、マイクも強化されている。本体には2個のThunderbolt / USB 4ポートを搭載。8GBのRAMと512GBのストレージが最低構成で、それぞれ16GBと2TBにアップグレードできる。

アップルによると、前世代と比較してM1を搭載した13インチMacBook Proでは以下のことが可能になったという。

  • Xcodeでのコードビルドが最大2.8倍高速になる。
  • Final Cut Proでの複雑な3Dタイトルを最大5.9倍速でレンダリングできる。
  • ​Unity Editorで複雑なゲームシーンを最大3.5倍の速さでスムーズにデザインできる。
  • ML作成機能でMLタスクを最大11倍高速に実行できる。
  • ニューラルエンジンの驚くべきパフォーマンスにより、djay Pro AIでリアルタイムでレコーディングからビート、インストゥルメンタル、ボーカルトラックを分離できる。
  • DaVinci Resolveで、1フレームも落とさずにフルクオリティの8K ProResビデオを再生できる。
  • M1チップのワットあたりの性能の向上により、1回の充電で4倍のコードをコンパイルできる。

MacBook Airと同様、MacBook Pro価格は据え置きだ。価格は1299ドル(日本では税別13万4800円)からで、予約販売は始まっており、来週には出荷が開始される。

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

新型MacBook AirはApple M1を搭載しバッテリー効率向上、10万4800円から

Apple(アップル)独自のシリコンを搭載した初のMacBookが登場した。長年愛されてきた薄くて軽いMacBook Airは、同社の新しいM1チップを搭載している。システムは過去数世代のMacBook Airとほとんど同じように見えるが、大きな変化のほとんどは内部で起きている。

アップルによると、システムは以前のモデルよりも3.5倍高速で、2019年に販売されたPCノートパソコンの98%よりも速いという。注目すべきは、新しいARMベースのチップはファンなしで動作する点だ。同社は長い間、バッテリー効率が新チップの大きな利点の1つだと主張しているが、それは確かなようで、15時間のウェブブラウジングと18時間の動画再生を実現している。以前のモデルが12時間だったことと比べると大きな進化を果たしている。

アップルによると、このシステムはFinal Cut Proで4K ProResビデオの複数のストリームを編集できるほど強力だという。​ファンのないシステムがどれだけ耐えられるのか、気になるところだ。

TouchBarは搭載されていないが、ありがたいことに前モデルのMacBook Airから引き続きTouch IDがを採用している。残念ながら、ウェブカメラのハードウェアは同じように見える。多くの人がビデオ会議をしている事実を考えるとアップグレードが望まれるが、アップルは720pのカメラにいくつかのソフトウェア的な改善を行ったと主張している。また本体には2つのThunderbolt / USB 4ポートが搭載されている。RAMは8GB、ストレージは256GBが最低の構成で、16GBと2TBにアップグレードできる。

アップルによると、​前世代と比較してM1搭載のMacBook Airは以下のことが可能になっている。

  • iMovieでウェブ用プロジェクトを最大3倍速く書き出すことができる。
  • Final Cut Proで3Dエフェクトをビデオに最大5倍速く統合できる。
  • Final Cut Proで初めて、フルクオリティの4K ProResビデオの複数のストリームをフレームを落とさずに再生して編集することができる。
  • Lightroomから写真を最大2倍の速さで書き出せる。
  • Final Cut ProのSmart ConformなどのMLベースの機能を使えば、クリップを最大4.3倍速くインテリジェントにフレーム化できる。
  • ​バッテリ持続時間は最大18時間で、MacBook Airとしては最長。より多くの映画やテレビ番組を観ることができる。
  • FaceTimeなどのビデオ通話時間を最大2倍に延長できる。

MacBook Airの価格は999ドル(日本では税別10万4800円か)らで、新しいMacBook ProやMac Miniと同様に予約受付が開始されており、来週から出荷が開始される。

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

ARMベースMac発表イベントで、アップルの懐かしいCMに出ていた「私はPCです」氏が再登場

Apple(アップル)は、米国時間11月10日に開催したARMベースMacの発表イベントで、俳優のJohn Hodgman(ジョン・ホッジマン)氏をカメオ出演で呼び戻し、2000年代中期の同社CMのちょいと間抜けな「I’m a PC(私はPCです)」氏キャラクターとして再登場させた。彼の役割は、アップルのApple Siliconの未来に直面したIntelベースPCの慌てぶりを表現することだ。

この短編は、米国時間11月10日に開催された「One More Thing」イベントの終了後に放映された(今回のイベントでは新しいM1チップと、今後のMacBook Air、MacBook Pro、Mac Miniの新しいデザインが披露された)。ホッジマン氏演じるキャラクターは、昔なつかしいキャンペーン音楽と共に白い部屋の中に登場し、新しいマシンのパワーマネジメントをネタにして話した。

当時Mac役を務めていたJustin Long(ジャスティン・ロング)氏のカメオ出演は特になかった。ホッジマン氏の登場が単にに今回のイベントを飾るだけだったのか、あるいはアップルが懐かしいキャンペーンシリーズの計画を練っているのかは不明だ。いずれにしろ、それはアップルの人気キャンペーンを楽しく思い出させた。

下の動画の45:29からPC氏の姿を見ることができる。

カテゴリー:その他
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画像クレジット:Apple

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(翻訳:sako)

アップルがARMベースの独自SoC「Apple M1」を発表

アップルがARMベースの独自SoC「Apple M1」を発表Apple(アップル)は11月11日、ARMベースの独自システムオンチップ(SoC)として、5nmプロセス採用の「Apple M1」を発表した。

Apple M1は、CPU、GPU、Neural Engine、入出力、セキュリティなど複数技術を統合することで、より優れたパフォーマンスと電力効率を実現。5nmプロセス製造により、Apple史上最も多い160億個のトランジスターを搭載。CPU性能は最大3.5倍、GPU性能は最大6倍、機械学習では最大15倍高速になったほか、バッテリー駆動時間は1世代前のMacよりも最大2倍長く持続するという。アップルがARMベースの独自SoC「Apple M1」を発表

2.6TFLOPS(テラフロップス)のスループット(演算性能)を持つとするApple M1は、4つの高性能コアと4つの高効率コアを搭載。これら8コアすべてが連係することで高い性能を発揮でき、ワット当たりのCPU性能は世界最高としている。

4つの高性能コアは、省電力シリコンとしては世界最速のCPUコアとしており、ディベロッパーはこれまでよりも約3倍速くプロジェクトのビルドが行える。アップルがARMベースの独自SoC「Apple M1」を発表

また高効率コアは、従来の1/10の電力で高いパフォーマンスを実現。これら4コアだけで、現行世代のデュアルコアMacBook Airと同等のパフォーマンスを発揮できるが、作業に使う電力ははるかに低く抑えられる。アップルがARMベースの独自SoC「Apple M1」を発表

GPUについては、統合型グラフィックス機能として、2万5000近くのスレッドを同時に処理できる最大8つのコアを搭載。複数の4Kビデオのスムーズなストリーミング再生、複雑な3Dシーンのレンダリングなど、高いパフォーマンスを要求する作業を軽々とこなせるという。アップルがARMベースの独自SoC「Apple M1」を発表

CPUとGPUでメモリーを一部共有するユニファイドメモリアーキテクチャーを採用し、ひとつのパッケージとしてApple M1にメモリーをまとめている。これにより、CPU・GPUなどが複数のメモリープール間でコピーすることなく同じデータにアクセスできるようになり、パフォーマンスと効率が一段と向上した。アップルがARMベースの独自SoC「Apple M1」を発表アップルがARMベースの独自SoC「Apple M1」を発表

またApple M1は、毎秒11兆の演算処理が可能な16コア「Apple Neural Engine」を搭載。Apple M1のCPU、GPU、Neural Engineは、それぞれ異なるタイプの機械学習(ML)作業ができるよう設計されている上、MLパフォーマンスコントローラーがMLのタスクを適切な場所に配分するため、パフォーマンスを最大化できるという。

さらに、行列の掛け算を高速化するために作られたふたつの専用MLアクセラレーターが、1秒間に最大1兆回の演算処理を行う。Neural Engineほどの大きなパワーを必要としない、低レイテンシーのMLタスクを処理するのに最適としている。アップルがARMベースの独自SoC「Apple M1」を発表

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タグ:Apple / アップル(企業)Apple M1Apple Mac Event(イベント)Apple Silicon(製品・サービス)Mac / Macintosh(製品・サービス)

Apple Siliconファミリー初のチップ「M1」が登場

予想どおりApple(アップル)は米国時間11月10日、初のARMベースのラップトップとなるMacBook Air、Mac mini、Macbook Proを発表し、それにともなってARMベースのApple Siliconチップファミリーも発表している。最初にApple Siliconを発表したときに同社はあまり詳細を提供していなかったが、本日の発表ではかなり多くの情報が明かされた。このファミリーの最初のチップは、5nmプロセスで製造される「M1」である。

「私たちは10年以上も前からApple Siliconを開発してきました。これはiPhone、iPad、Apple Watchの心臓部であり、いまではMacにも搭載したいと考えています。これによりMacはApple Siliconによる驚異的なパフォーマンス、カスタムテクノロジー、および業界をリードする省電力性で飛躍的な進歩を遂げることができます」とアップルは述べている。

M1はARMチップのスタンダードを踏襲し、4基の高性能コアと4基の高効率コアを搭載される。

アップルによればM1は同社最高性能のチップであり、低消費電力の高効率コアは現在のIntel(インテル)ベースのデュアルコアMacBook Airと同等の性能を提供すると主張している(公平を期すると、MacBook Airは決してパフォーマンスマシンではない)。もちろん、高性能コアははるかに高速だ。

さらに重要なのは、これらのチップは他のシステムよりもワットあたりのパフォーマンスでも優れているということだ。

GPU側では、M1は最大8コアで128の実行ユニットを搭載する。これは最大2万4576の同時スレッドと、2.6テラフロップスのピーク性能を処理できる。アップルによると、これは世界で最も高速な統合グラフィックス体験をノートパソコンにもたらすという。

予想通り、このチップには機械学習のワークロードを加速するアップルのニューラルエンジンも搭載される。

画像クレジット:Apple

アップルが2020年初めに出荷した開発者向けユニットには、同時期に登場した2020年モデルのiPad ProでデビューしたA12のカスタム版であるA12Zチップが搭載されていた。アップルが本当に「開発者移行キット」のためにその8コアのA12Zチップを変更したようには思えないが、この開発者向けキットはエントリーレベルのMacBook Airと同等のパフォーマンスレベルを達成している。

​アップルがこのチップのデザインを自社の目的に合わせて変更したことは明らかだが、ARM自身もここ数年、サーバーとデスクトップ、ラップトップ対応チップのIPポートフォリオを構築してきたことは注目に値する。​ラップトップでは、Microsoft(マイクロソフト)が一部のSurfaceデバイスをARMベースに変更したことでいくつかの勝利を収めたが、全体的にはニッチな市場のままだ。​しかしサーバーの分野ではARMはパートナーに適切な設計を提供し、適切なパワーと性能のトレードオフでチップを構築できることを明確に示している。

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

アップルがM1チップ搭載した新型Mac Miniを発表

Apple(アップル)はMacBook Air(未訳記事)に加えて、新しいMac Miniも発表した。Mac MiniにはMac専用に設計されたアップル初のカスタムチップセットであるApple M1を搭載している。おなじみのデザインはそのままだが、チップはARMベースのものが採用されている。

「Mac miniをこの価格帯で最も売れているデスクトップと比較すると、miniはサイズが1/10であるにもかかわらず、最大で5倍高速です」と、ハードウェアエンジニアリング担当シニアマネージャーのJulie Broms(ジュリー・ブロムス)氏は語っている。

M1には、4基の高性能コアと4基の高効率コアが搭載されている。​製造プロセスは5nmだ。GPUコアは8基で実行ユニットは128個で、ピーク時の性能は2.6テラフロップスになる。​また、アップルの機械学習用のニューラルエンジンも搭載している。

アップルによると、新型Mac MiniはCPU性能に関しては前モデルよりも最大3倍速くなっているという。GPU性能に関しては、最大6倍高速化されている。MLアクセラレーションも最大15倍高速化されている。

背面にはEthernetポート、6Kディスプレイに対応するThunderbolt / USB4ポート×2、HDMI 2.0ポート、USB Aポート×2、3.5mmイヤホンジャックを備える。

価格は699ドル(日本では税別7万2800円)からで、新型Mac Miniは来週発売される。

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

アップルがARMベースの新Macを紹介するイベントをこのページで観よう

Apple(アップル)が米国時間11月10日(日本時間11月11日午前3時)から、ここ3カ月で3度目となるイベントを行おうとしている。アップルはイベントを自社のウェブサイトでもライブでストリーミングしているがYouTubeでも観ることができる。

アップルはすでにデベロッパーカンファレンスで、ARMベースのプロセッサーを載せた新しいMacを2020年に出すとアナウンスしている。そのため今回のイベントは、アップル独自のプロセッサーを搭載する新しいコンピューターを紹介する絶好の機会のようだ。

また、macOS Big Surがいつリリースされるかもわかるだろう。この新しい大型アップデートは、アップルの新しいコンピューターにおそらく搭載されるだろう。また、この機会を利用して、新しいアクセサリーなどその他の細かい発表もありそうだ。

Apple TVを持ってる人は、新しいアプリをダウンロードしなくてもApple TVアプリを開いてApple Eventsを見つければいい。そこで今回のイベントをストリーミングできるし、以前のイベントも観られる。

Apple TVを持っておらず、YouTubeでも観たくない人はアップルのウェブサイトのApple Eventsからイベントをライブストリーミングできる。この動画はメジャーなウェブブラウザー(Safari、Firefox、Microsoft Edge、そしてGoogle Chrome)のどれでも見ることができる。

関連記事:アップルがARMベースのMac用独自プロセッサーの開発を正式発表

カテゴリー:イベント情報
タグ:AppleApple SiliconMacApple Mac Event

画像クレジット:David Paul Morris/Bloomberg/Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

日本時間11月11日午前3時開催、アップルの「One More Thing」イベントに期待するもの

Apple(アップル)がWWDCで大々的にApple Silicon搭載Macの発表を行ってから5カ月が経ち、いよいよ今週のビッグイベントで最初のモデルが登場することを声高に宣言している。どのモデルが、どのようにアップグレードされるか、何カ月も噂されているが、まだ明らかになっていない。

ここ数カ月の間、アップルは小規模なイベントを数多く開催してきたが、今回が同社にとってホリデーシーズンが本格的に始まる前の最後のイベントであることも注目に値する。つまり、待ちに待った製品が靴下やクリスマスツリーの下に置かれるのに間に合うように到着するかもしれないということだ。

まず明らかなのは新しいMacが登場するということだ。アップルは6月に、ARMベースのチップを搭載した最初のモデルが2020年に発売されることを認めている。この件に関して、同社の公式は発表をはるかに上回る数多くの噂が飛び交っている。iMacや他のモデルも示唆されているが、今週のイベントでは特に2台の新しい13インチノートパソコン、つまり新しいMacBook ProとMacBook Airが登場するのではないかと考えられているようだ。

先週のBloombergの報道では、2020年のiPhone 12とiPad Airに搭載されているのと同じA14をベースにしたチップの詳細が紹介されている。アップルはこの新チップが「業界をリードするパフォーマンスと協力な新技術を提供する」と豪語している。その他の利点としては、電力効率やバッテリー寿命の向上、セキュリティや機械学習などのモバイルデバイス向けに開発された機能などが挙げられている。

同社は、ファーストパーティのシリコンに完全に移行するための2年間の計画を明言していることを覚えておいてください。つまり、私たちはiMac(これはかなり最近になって1つを受け取った)、Mac miniやMac Proへの大きなアップデートを見ることはできそうにないということだ。

ハイエンドモデルである16インチMacBook Proのアップグレード版の発表も今回のイベントで予定されているかもしれないが、アップルは長い間噂されていたiMacと合わせて再設計に着手しているようだ。同社はファーストパーティーのApple Siliconへの完全移行が2年間の計画であることを明言しており、iMac(2020年夏に新モデルが発売)、Mac mini、Mac Proが大幅にアップデートされることはなさそうだ。

そしてもちろん、新しいソフトウェアも発表されるだろう。アップルは6月のイベント以来、macOS Big Surのリリース日を発表していない。つまりmacOS 11.0が配信されるのはほぼ確実だろう。ここ数年間のデスクトップ用OSにおける最大のアップデートの1つとして、macOS Big SurはMacにいくつかの重要なデザイン変更と新機能をもたらしてくれる。

繰り返しになるが、これがホリデーシーズン前のアップル最後のビッグイベントであることを考えると、我々は1つか2つのMac以外の発表を見られる可能性が高いように思える。最も確度が高い候補は、私たちがここ数カ月間、すべてのアップルのイベントに向けて議論してきたもの、つまりAirTagsとAirPods Studioだ

最近のiPhoneイベントは、HomePod miniの登場と一緒にオーバーイヤーヘッドフォンを発表するには絶好のタイミングにように思えたが、この製品は製造上の問題に直面していると報じられている。現在、市場で最もよく売れているオーバーイヤーヘッドフォンブランドであるBeatsを所有していることを考えると、これは驚くべきことだ。しかし早々に壊れてしまうものよりも、発売が遅くなったほうがいい。

AirTagsは、長い間噂されてきたTileのライバルだ。これはAirPods Studioよりも長く噂リストのトップにあった。現在は間違いなく、発表するのにいいタイミングだ。

現時点での噂リストはここまで。アップルの「One more thing」Mac イベントは米国時間11月10日午前10時(日本時間11月11日午前3時)から始まる。

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画像クレジット:Apple

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(翻訳:TechCrunch Japan)