京都府と連携、次世代ロボットエンジニア支援機構が3D CAD・ロボット分解組立講座やロボットプログラミング講座

京都府と連携、次世代ロボットエンジニア支援機構が3D CAD・ロボット分解組立・ロボットプログラミング講座開催

一般社団法人次世代ロボットエンジニア支援機構(Scramble)は12月4日、京都府と連携し、中級以上のロボット技術を学びたい子どものためのロボット講座の開催を発表した。開催日時は、2022年1月9日が「3D CAD講座」および「ロボット分解組み立て講座」。2022年1月15日および16日が「ロボットプログラミング講座」。場所は、京都府精華町のけいはんなロボット技術センター。応募締め切りはそれぞれ2021年12月26日。

Scrambleは、初心者向け講座では満足できない児童を対象に、ロボット競技会で世界一を目指す学生たちが講師を務める講座を2020年から展開。2022年も、3D CADの基本を学ぶ「3D CAD講座」と大型ロボットの分解と組み立てを体験する「ロボット分解組立講座」、ロボットの制御を学ぶ「ロボットプログラミング講座」の3つを開催する。なお、3D CADとロボット分解組み立て講座はセットで受講することになっている。

3D CAD講座とロボット分解組立講座

3D CAD講座では、企業での機械設計でも用いられる3D CADの基本的な使い方を学習する。ロボット分解組立講座では、Scramble所属の学生がロボット競技会用に作成した大型ロボットの分解・組み立をて実際に体験し、ロボットの機構や作り方について触れながら学ぶ。

申し込みは「3DCAD・ロボット分解組立講座 参加申込書」から。新型コロナウイルス感染対策を行った上で開催される。上の動画は去年の様子。

  • 内容:
    3DCAD講座
    ・3D CAD(Fusion 360)、CAEの使い方を学ぶ
    ・3Dプリント用パーツのモデリングを行う
    ロボット分解組立講座
    ・ロボットコンテストに出場するロボットの構造を学ぶ
    ・同機構が製作したロボットの分解と組み立てを行いロボットの構造を学ぶ
  • 対象年齢:13歳~18歳
  • 応募人数:最大8名(応募者多数の場合は抽選)
  • 日時
    ・3DCAD講座:2021年1月9日10時~12時
    ・ロボット分解組立講座:2021年1月9日13時~18時
  • 会場:けいはんなオープンイノベーションセンター内けいはんなロボット技術センター(京都府相楽郡精華町精華台7丁目5−1)
  • 参加費:3D CAD講座は無料、ロボット分解組立講座は3000円(SNS投稿により1000円割引)
  • 持ち物:3D CAD「Fusion 360」が動作するノートPC(Wi-Fi対応)、充電ケーブル、昼食。PCの動作環境は「Autodesk Fusion 360 の動作環境」参照
  • 応募締め切り:2021年12月26日

ロボットプログラミング講座

ロボットプログラミング講座では、DJIの教育用インテリジェントロボット「RoboMaster S1」を用いてロボット制御の基礎から画像処理の基礎までを2日間で習得する。RoboMaster S1は、Scratch 3.0およびPythonに対応している。

申し込みは「ロボットプログラミング教室参加申込書」から行う。

  • 内容
    ・ロボットを指定通りに走行させる
    ・ロボットに搭載されたカメラでマーカーを画像認識させる
    ・フィードバック制御を用いたマーカーの自動追従させる
  • 対象年齢:9歳〜15歳
  • 応募人数:最大6名(応募者多数の場合は抽選)
  • 日時:2022年1月15日と16日、いずれも10時〜16時
  • 会場:けいはんなオープンイノベーションセンター内けいはんなロボット技術センター(京都府相楽郡精華町精華台7丁目5−1)
  • 参加費:3000円(SNS投稿により1000円割引)
  • 持ち物:ノートPC(Wi-Fi対応)
  • 応募締め切り:2021年12月26日

Scrambleは、日本のものづくりを担う次世代のエンジニアの育成、およびものづくり業界・文化の活性化をミッションに掲げる組織。ロボットコンテストを人材育成の場として活用し、様々なロボットコンテストに出場する学生・児童への製作費やメンター提供、ものづくりスペースの提供など多岐に渡る支援事業を実施している。また、学生・児童から現役エンジニアまで全世代のスキルアップ、初学者の参入障壁を下げる取り組み、非エンジニア層に向けた広報活動などを展開し、エンジニアに憧れてカッコいい職業に感じてもらい界隈の人口増加を狙う事業を展開している。

Sceneが製造業向けの3Dドキュメントツール「Scene」の商用正式版をリリース、日本発のグローバルSaaSへ

Sceneが製造業向けの3Dドキュメントツール「Scene」の商用正式版をリリース、日本発のグローバルSaaSへ

Sceneは12月2日、3D CADファイルを活用して立体的な製造資料を作成できるツール「Scene」の正式版をリリースしたことを発表した。海外企業での導入も進んでおり、日本発のグローバルSaaSとなる。

製造業向け3DドキュメントツールのSceneは、既存3D CADファイルをアップロードすると実物を扱うようにパーツを分解・組み立て可能になり、一般的なプレゼンツールのように編集が行えるソリューション。ITが苦手な人でも直感的に扱える仕様にこだわっている。

Sceneが製造業向けの3Dドキュメントツール「Scene」の商用正式版をリリース、日本発のグローバルSaaSへ

製造業では、設計業務における3D CADツールの活用は進んでいるが、手順書やマニュアルを作成する段階になると、実際の組み立て作業を撮影し、写真を表計算ソフトやプレゼンテーションソフトなどの文書に貼り付け、文章で説明するという体裁が多い。

これにより文書の作成に時間がかかるほか、内容もわかりにくくコミュニケーションロスにつながるといった課題が生まれている。こうした課題は、社内資産の3Dデータを活用して立体的でわかりやすい資料が作成できるSceneにより解決できるという。

現在は製造業が直近のターゲットになっているものの、製品・サービスを成長させることですでに3Dデータの活用が進んでいる建設業界や医療業界への展開を計画しているとのこと。利用企業では、技術者以外の人でも簡単に使えるため、設計部など技術関連部門に集中しがちな業務の分散化にもつながると期待されているそうだ。

2019年12月設立のSceneは、コンテンツプラットフォームの構築に向けARコンテンツの開発に取り組み、その後2回のピボットを経験しながら3Dドキュメントツールの大きなニーズを見つけ、Scene開発・提供に至ったという。今後はARデバイスの活用が一般化し3Dデータの活用需要がさらに高まるという予想から、誰もが3Dデータを活用して表現できる技術基盤の実現を目指している。

巨大な電子レンジを使って短時間かつ安価に金鋳物を製造するFoundry Lab

Easy Bake Oveenを覚えているだろうか?色のついた粉と水を混ぜて生地を作り、それを型に入れてオーブンに入れると、いつの間にか「チーン!」と鳴って気持ちの悪いお菓子ができあがる。ニュージーランドを拠点とするスタートアップ企業のFoundry Lab(ファウンドリー・ラボ)は、化学物質と「オーブン」の代わりに、金属と電子レンジを使って同じようなことをする方法を発見した。

Rocket Lab(ロケット・ラボ)のPeter Beck(ピーター・ベック)氏から支援を受けているFoundry Labは、米国時間11月29日に800万ドル(約9億900万円)のシリーズA資金を調達してステルス状態を脱した。同社は「文字通り、巨大な電子レンジ」を使って、金属の3Dプリントよりもはるかに早く金属部品を鋳造すると、創業者兼CEOのDavid Moodie(デイヴィッド・ムーディ)氏は述べている。

「ユーザーにとっては非常に簡単です。文字どおりの型を取り、冷たい金属の粉末や金属の鋳塊を投入し、電子レンジに入れてボタンを押して立ち去るだけです」と、ムーディ氏はTechCrunchに語った。「出来上がったときには、チーンと音も鳴ります。電子レンジで夕食を温めるのと同じくらい簡単です」。

(Foundryの電子レンジは、ニュージーランドの典型的なミートパイの調理にも使用されたことがある。わずか数秒で出来上がったものの、ムーディ氏によるとすばらしい味ではなかったそうだ)

インベストメント鋳造、3Dプリント、ダイキャストなどの一般的な鋳造方法では、製造に1週間から6週間かかる。Foundryによると、同社ではコンピューター支援設計(CAD)で3Dプリントした金型と巨大な電子レンジを使って、自動車用のブレーキシューを8時間足らずで完成させたことがあるそうだ。現在は亜鉛とアルミニウムに対応しているが、ステンレススチールの試作にも成功しており、将来的には銅や真鍮などの他の金属にも挑戦したいと考えているという。

Foundryの技術は、将来的には金属の3Dプリントがカバーできない製造業に適用することが考えられるものの、当面の目標は、自動車メーカーの研究開発チームが量産に入る前のテストや試作に使用できる、量産型と同じように機能する金属部品を開発するのに役立つことだ。

「私たちが交渉中のある企業では、1台の自動車が市場に出るまでに600台もの試作車を作っています。その間に変更や改良を繰り返すため、あっという間に費用がかさむことになります」と、ムーディ氏は語り「そのための工具の費用は5万ドル(約560万円)から10万ドル(1120万円)以上になることもあります」と付け加えた。

ムーディ氏は、Foundryを設立する前、工業デザインのコンサルタント業を営んでおり、大量生産のための製品を設計していた。試作品では3DプリンターやCNCマシンで製造された部品を使用しているため、量産品とは物理的な構造が違っている可能性があるという理由で、試験機関から常に申請を却下されることに、同氏は不満を感じていた。

「そこで私は、ニュージーランド人らしく物置に行き、運良く機能する方法を見つけたのです」と、ムーディ氏はいう。最近のニュージーランドでロックダウンが行われていた期間には、ムーディ氏が作業場に入れなかったため、実験の多くは一般的な電子レンジを使って行われたという。「我々が解決しようとしているのは、実際の鋳造であり、ダイキャストをシミュレートしながら、それをより速く、安く行うことです。ダイキャストを作るために工具で機械加工をすると、3~6カ月かかってしまうのが普通です」。

Foundryはまだ設立から間もない会社だ。現在はその超大型の電子レンジを数台しか所有しておらず、潜在的な顧客に試用してもらっている段階だ。今回のシリーズAラウンドは、オーストラリアで設立されたVCのBlackbird(ブラックバード)を中心に、GD1、Icehouse(アイスハウス)、K1W1、Founders Fund(ファウンダース・ファンド)、Promus(プロマス)、WNT Ventures(WNTベンチャーズ)が出資している。同社ではこの資金を使って、2023年末までに生産体制を整える予定だ。

さらに資金の一部は、スタッフの増員にも充てられる。同社はここ数カ月で急速に成長しており、資金調達を開始した当初は6人だったスタッフが、現在は17人のフルタイム社員を擁するまでになっている。さらに今後数カ月で35人に増やすことを目標としているものの、ニュージーランドでは新型コロナウイルス感染拡大の影響で国境が閉鎖されているため、難しい状況だ。

「国境が閉鎖されていることが、私たちに打撃を与え始めています」と、ムーディ氏はいう。「この国にはマイクロ波の専門家が2人いますが、2人とも仕事を持っています。これが特に大変です。だから、誰かに助けに来てもらおうとしているところです」。

ニュージーランドでは、今週オークランドがロックダウンを解除し、12月中旬には都市の境界線が国内の他の地域に開放されるなど、内部的な開放が始まっている。オミクロンの新種が事態を悪化させない限り、2022年4月30日からワクチンを接種した旅行者の受け入れを始める予定だ。そうすれば、Foundryをはじめとするニュージーランドのスタートアップ企業は、海外から人材を採用するチャンスを得ることができる。

Foundryはニュージーランドを拠点に開発を進めながらも、米国や欧州の市場をターゲットにしている。同社のロングゲームは、電子レンジの研究を続け、大量生産に必要な台数を製造できるようにすることだ。

画像クレジット:Foundry Lab

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

高度な数学力と3次元CADの開発力で建設DXを推進するArentが総額約19億円のシリーズC調達

高度な数学力と3次元CADの開発力で建設DXを推進するArentは11月24日、シリーズCラウンドにおいて、12億円の第三者割当増資、約7億円の融資による合計約19億円の資金調達を発表した。引受先は、リード投資家のSBIインベストメント、またFUSO-SBI Innovation Fund(フソウとSBIインベストメントによるCVCファンド)、東日本銀行地域企業活性化ファンド(東日本銀行とフューチャーベンチャーキャピタルによるファンド)、ザシードキャピタル。借入先はみずほ銀行およびりそな銀行などの金融機関。累計調達額は約29億円になった。事業シナジーを見込む企業を対象にしたエクステンションラウンドも予定しているという。

調達した資金は、エンジニアやPMの採用強化および「BIM/CIMの自動設計SaaS」「配管の自動設計・積算SaaS」などのプロダクトの開発にあてる予定。なおBIM/CIM(Building / Construction Information Modeling, Management)とは、調査・計画・設計段階から3次元モデルを導入し、施工、維持管理でも3次元モデルを連携・発展させて事業全体にわたる関係者間の情報共有を容易にし、一連の建設生産・管理システムの効率化・高度化を実現すること。

2012年7月設立のArentでは、「高難度のDXに挑み、巨大産業のグローバルイノベーションに貢献する」をミッションに、高度な数学力と開発力を有するエンジニアが、日本の企業が持つ世界トップレベルの技術やネットワークを見極め、業務改善にとどまらず、新規事業を創造する企画力と実行力で新しいサービスやプロダクトの開発・社会実装を推進。千代田化工建設との大規模JV設立など、「熟練技術者の暗黙知のモデル化による設計の自動化・最適化」を実現している。高度な数学力と3次元CADの開発力で建設DXを推進するArentが総額約19億円のシリーズC調達