交通系ICカードをAndroid端末にかざせば処理完了、経費精算サービス「Staple」がバージョンアップ

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クラウドキャストのスマートフォン向け経費精算サービス「Staple」。2014年10月(iOS版のみ。Android版は2015年3月)にスタートしたこのサービスがバージョン2にアップデート。新たに、NFC/おさいふケータイ対応のAndroid端末を使った交通系ICカードの自動読み取り機能を実装した。

Stapleは面倒な経費精算を、専用のスマートフォンアプリを使って手軽に入力できるサービスだ。個人および10〜20人規模の程度の中小企業のほか、各種イベントをはじめとした短期プロジェクトでの利用を想定している。

今回のリニューアルにあわせて、新アプリの「Stapleリーダー」を公開。ユーザーがNFC/おさいふケータイ対応のAndroid端末上でこのアプリ起動し、交通系ICカードをタッチすれば、カードの使用履歴を自動で取得。データはStapleのクラウド上にアップロードする。

あとはStapleのウェブサイトにアクセスするかアプリを起動し、勤怠に関わるデータを選択すれば、自動的に経費精算の一覧に反映される。これでもう、Excelにいちいち移動の記録を書き込んでいくという手間から開放されるわけだ。取り込んだデータは修正不可能なため、不正な処理も起こらない。また定期区間なども自動で処理され、二重に経費を申請するといったこともなくなる。

利用手順

実はこの機能、Staple開発時からユーザーから要望が高かったのだそう。「この機能さえあれば導入したいという声もよく聞いていた」(クラウドキャスト代表取締役の星川高志氏)

またこの機能のほか、外部サービスとの連携を強化。すでに連携済みの弥生会計に加えて、freeeやMFクラウド会計、A-SaaS、FreeWay、勘定奉行の合計5サービスに対して、経費データのインポートが可能になった。

「bizNote Expense」はスタートアップの経費精算業務を効率化する

スマートフォンで利用できるクラウド家計簿アプリは、「Zaim」「ReceReco」「マネーフォワード」「Dr.Wallet」など数多く登場している。これらはあくまで個人や家庭向けのサービスだが、スマートフォンを利用して手軽にお金の計算をするというニーズは何も家庭だけにあるわけではない。

たとえば会社員にとっては、毎月の経費精算は非常に負荷のかかる作業だ。これを手軽にしてくれるのが、クラウドキャストが提供する経費精算サービス「bizNote Expense」だ。iOSアプリを1月にリリースし、4月2日にはAndroidアプリをリリースした。

bizNote Expenseは管理者向けのツールと、従業員向けのアプリで構成された経費精算サービスだ。管理ツールでアカウントを登録すれば、従業員がアプリをダウンロードしてすぐに導入できる。

アプリでは、交通費や会議費、タクシー代などの経費入力から申請までを3ステップで実行可能。ファイル添付も可能なため、領収書をスマホのカメラで撮影したり、交通ルートのスクリーンショットを付与するといった運用も可能だ。あとは、管理者が承認をすればよい。

初期費用および従業員向けアプリは無料。管理者向けツールは3アカウント月額390円から。NPOや学生起業家には、サービスを無料で提供する。 ターゲットとするのは、10〜20人規模の中小企業やスタートアップ。クラウドキャスト代表取締役の星川高志氏は「会社員をやっていれば分かるが、経費精算は提出する側もされる側も面倒なもの。だが経費管理のシステムといえば、必要のない機能までついて初期費用、月額で数万円以上といったものしかなかった」と語る。 競合を見てみると、従業員数1000人以上での利用を想定した米「コンカー」が2011年から日本に参入している。同社のサービスを利用する企業は100カ国1万8000社(国内でも180社以上)、Fortune 500の61%以上の企業が採用しているという。また、従業員数200人程度の企業をターゲットとする「経費Bank」「楽楽精算」「ビジネスナビタイム」などもあるが、スタートアップや中小企業向けのソリューションはほとんどない状況だという。「我々のミッションはスタートアップの人たちにファイナンスの“見える化”をして、活躍してもらうこと」(星川氏)。無料期間のユーザーも含めて、現在約1000社のスタートアップや小規模ビジネスの経営者、従業員が利用しているという。なお、海外を見てみると、「Expensify」「Abacus」のようなサービスも登場しているようだ。

クラウドキャストは2011年の創業。弥生が主催したアプリコンテストにてグランプリを受賞。2013年には同社との資本業務提携を実施している。今後は弥生と連携したサービスの開発や、弥生の顧客企業への営業などを進める。また将来的には、海外市場への進出を目指すとしている。