コーヒー豆の等級分けロボットとブロックチェーンを使って生産農家に公正な支払いをするBext360

コーヒーは、石油に次いで世界で二番目に大きい貿易商品だ。Fairtrade Foundationの推計では、およそ1億2500万の人びとがコーヒーの栽培で生計を立てている。その多くが小農または農業労働者で、世界銀行の調査では家族が1日2ドル未満で生活している。そこで、デンバーのBext Holdings Inc.は、これらの農家が豆の公正な価格に見合う代金を容易にかつ迅速に得られるようにしたい、と考えた。

同社は、見たところ高級な秤(はかり)に見えるモバイルのロボットを作った。バイヤーはこのロボットを農家の農地で使ってコーヒー豆の品質を分析し、計量する。ロボットは一回分(30〜40ポンドの袋に詰める)の豆をサイズで選り分けて、良品の比率を計算する。そして優・良・可などのマークをつける。もちろんそのマークは、バイヤーと農家の両方に見える。そして彼らは、Bext360のモバイルアプリを使って公正価格を交渉する。

同社のアプリとクラウド上のソフトウェアは、Stellar.orgのブロックチェーン技術を使って、豆の生産者生産地、バイヤーと支払い金額、などを記録する。CEOのDaniel Jonesによると、コーヒーを飲む人も、カップ一杯ごとに、コーヒーの産地や、農家が公正な代金をもらったかどうかを、分かるべきだ、という。

“そうすれば、消費者はこれまでになく啓蒙される。そしてコーヒー業界の企業は、彼ら消費者の高いスタンダードを満たそうとする”、と彼は語る。“でも今日一般的には、フェアトレードを推進する人たちにとって、いろんな材料やデータを調べる仕事がたいへんすぎる。調べる方法も、原始的だ。だから精度も低い。そして産地の農民たちは、依然として搾取されている”。CEOの目標は、コーヒーのサプライチェーンに完全な透明性をもたらし、またカカオなどそのほかの産品にもそれを拡張することだ。

アグリテックを手掛ける前のJonesは、コンゴ民主共和国から金属をアメリカへ輸出する企業を創業した。その仕事を通じて、すべてのサプライチェーンの要件とトレーサビリティーを定めたDodd-Frank Act(ドッド-フランク法)の存在を知った。彼はまた国防情報局(Defense Intelligence Agency)でも働き、トップシークレットなネットワーク上で音声とビデオとデータを送信する通信システムを作った。というわけでJonesは、西側の顧客の利益のために途上国で事業をするやり方を、よく知っている。そして彼は、官僚主義との付き合いを恐れていない。

Bext360はローンチ時に、SKS Venture Partnersから120万ドルのシード資金を獲得している。SKSは主にフィンテックに投資している家族経営のVCだ。Bext360に投資したMark Spencerは曰く、“スマートフォンを利用して支払いを農家に直接行う。不当な中間搾取をする仲買がいない。この点に注目して投資をした”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

出会いサイトMatchのポップアップコーヒーショップでは飲み物の上にお相手の顔を3Dプリントする

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デートサイトの老舗Matchが、巧妙なパブリシティ策としてコーヒーショップのポップアップショップを開き、しかもそこでは、カフェラッテの泡の上にお相手の顔を3Dプリントする。

店に入って飲み物をオーダーするときに、男4女4計8名の候補から一人を選ぶ。すると、その人の顔が3Dプリントされたコーヒーが運ばれてくる。Match上のその人のプロフィールのリンクなど、関連情報もついている。

そしてお店に頼めば、自分の顔を、自分を選んだ人のコーヒーにプリントしてもらえる。

Matchはこのイベントを、“expresso yourself”と呼んでいる*。来週の木曜日と金曜日(19日と20日)、ロンドンのショアディッチにあるBoxparkの中に開店する。〔*: expresso==エクスプレッソ, express==‘表現する’〕

3DプリントはCoffee Ripples製の、カフェラッテ専用の3Dプリンターが行う。このマシンがプラスチックレジンの代わりに使う素材は、粉状に挽いたコーヒーだ。だからコーヒーの風味が損なわれることはない。

昨年ローンチしたばかりの Coffee Ripplesは、主に個人経営単独店のコーヒーショップにマシンを売っている。大きさはふつうの3Dプリンターぐらい、プリント台にラッテを置いたら、プリントするモデルをタッチスクリーンで指定する。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

米Amazon、自社ブランドの食料雑貨を近々販売へ

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Amazonは近々、自社ブランド(PB)のコーヒー、紙おむつ、および食料品等を取扱うと、Wall Street Journalは伝えている。

対象となるのは、ベビーフード、コーヒー、スパイス等の食料品と、洗濯洗剤等の日用雑貨だ。商品は、Happy Belly、Wickedly Prime、Mama Bear等のブランド名で販売される。

提供開始は今月中と噂されており、Amazon Primeメンバーのみが注文できる。もし、品質や価格に競争力があれば、これらの商品もまた、消費者が年間99ドルのメンバーシップに登録する理由になるかもしれない。

Eコマースの巨人は、既に Amazon Basicsの名前で、USBケーブルや乾電池等の家電用品のPB製品を販売してしている。同社は最近、複数の自社服装ブランドも立ち上げており、PB商品の多様化を目指していることが伺われる。

しかし、自社ブランド製品の販売には困難がつきまとう。2014年にAmazonは、同社のElementブランドの紙おむつを、欠陥のためにリコールするはめになった。食料品はさらにばくち性が高く、一つの失敗が、Eコマース巨人の将来のPB製品の評判を落としかねない。

しかし、もしAmazonが顧客に現在の好みのブランドからAmazonのPB製品へと乗り換えさせることかできれば、歴史的な薄利商品である日用品の利益率を劇的に高められる可能性がある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

家庭用マシンの中にバリスタを配置するArist、Kickstarterキャンペーンを展開中

Aristは自宅でカフェの味を実現しようとするプロダクトだ。いろいろな種類のコーヒーを、完璧に淹れることを目指す。豆をひくところから始めて、コーヒーをすすめるタイミングまで考えてくれる。対応スマートフォンアプリケーションは好みのレシピを覚えておいてもくれる。お気に入りの味を見つけたら、その際の温度、シロップの量などを記憶しておいてくれるのだ。さらにはNFCステッカーを利用して、特定のカップにいつも同じコーヒーを注ぐこともできるようになっている。

このAristはKickstarterキャンペーン中だが、12万ドルのゴールに対し、既に26万ドルの資金を集めている。2015年8月の出荷開始予定となっている。調達資金はプロダクトの製造費用およびモバイルアプリケーションおよびクラウドプラットフォームの開発費、および各種ライセンス関係の登録費用に使われるそうだ。

Arist曰く、香港行政府からの支援も得ており、同行政府の支援するHong Kong Science and Technology Parkからの協力も得ていて、出荷については問題ないだろうとのこと。開発チームも香港で稼働しており、サプライヤーや製造担当との連絡もうまくいっているようだ。

お気づきのこととは思うが、プロダクト名のAristは「bARISTa」(バリスタ)の中心部分をとったものだ。すなわち「バリスタのハート(中心)を機械に持ち込む」という意味を込めているそうだ。利用者の好みの味を記憶し、さらに新しい味のサジェストすら行なってくれる。Aristの開発に関わるのはコーヒーが大好きな20名の人物だ。CEO兼プロジェクトリーダーを務めるのはBenson Chiuで、マイクロソフトでソフトウェアエンジニアを務めていた。さらに兄弟のNelson ChiuはCFO兼ビジネス開発リーダーを務めている。

他のメンバーはとみるとQグレーダー(Coffee Quality Instituteが定めた、コーヒー評価者としての資格)の資格を持つChris Yeungや、Aristの淹れるコーヒーをトータルで評価する「コーヒーコミュニティ・マネジャー」であり、かつバイオテック技術者のVincent Poonなどがいる。

Benson Chiuは「マイクロソフトで働いているときに、休憩室で飲むコーヒーのまずさに驚きました。その頃に、カフェで飲むコーヒーとの違いを知りたいと考え始めたのです。エスプレッソのいれかたなどを勉強してみたりもしました」と述べている。

「しばらくするうちに、コーヒーの魅力にすっかりとらわれてしまいました。さほど難しくもみえない抽出プロセスも実はとても複雑で、同じような味にすることの難しさを感じるようになりました。コーヒーメーカーの仕組みなども調べてみましたが、どうやら個人の力でどうにかなるようにも思えなかったのです。それでいろいろな人からの意見を聞けるように環境を整えました」。

Aristの開発にとりかかったのは2013年のことだった。どうやら満足いく結果を得られそうに感じ、Chiu兄弟はいっそのこと会社を立ち上げてしまおうと考えた。会社名はNbition Development Ltd.とした。

どうやらAristもなかなかのものであるようだが、この分野にはライバルもひしめいている。一番近いものはといえば、プログラマブルなコーヒーメーカーを提供しているMr. Coffeeということになるだろうか。あるいは、いつも安定した味を出すことができるという意味ではネスプレッソなども強力なライバルとなる。ただ、Benson Chiuによれば、Aristの強みはスマートフォンインタフェースの実装や、また自分好みの味を追求できる自由さにあるのだとしている。さらに、たいていのコーヒーマシーンはいれられるコーヒーの種類が限られていることが多い。そのような中、Aristはラテやカプチーノも扱えることを強みとしている。

「これまでは、品質をとるのか手軽さをとるのかというのは、トレードオフの関係にありました。両方を追い求めることは不可能であると考えられていたのです。
そんな中、Aristが二兎を追って見せます」とChiuは言っている。

Aristに興味をもった方は、ぜひともKickstarterキャンペーンページを見てみて欲しい。

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(翻訳:Maeda, H


生豆のローストからはじめて14分でコーヒーを淹れてくれるBonaverde

わずか14分間にナマで緑色のコーヒー豆をローストして、そしてその豆を使ってコーヒーを淹れるための機械であるBonaverdeのファウンダーたちが、13万5000ドルの資金調達を目指して、Kickstarterキャンペーンを立ち上げた。

このキャンペーン、本稿執筆時点では8日間を残して既に46万5475ドル(訳注:翻訳時点では48万2000ドル以上)を集めている。かなりの人気であるようだが、いったいどういうマシンなのか、ファウンダーのHans StierおよびFelix Artmannに話をきいてみた。単においしいコーヒーをただで飲みたかっただけだろうと言われれば、その意図があったことも否定はすまい。

使い勝手の面で言えば、もしかするとブラックフライデーにお父さんのためにと購入したかもしれないコーヒーメーカーと同じような感じだ。まあ掃除には少々手が掛かるかもしれないが、決して難しいわけではない。上の穴からナマのコーヒー豆を投入して「On」ボタンを押す。するとあとはマシンがやってくれる。ローストして、適切な温度になるまで待ち、そして豆を挽いて、そしてコーヒーを淹れてくれる。

ナマの豆を使うメリットは、新鮮さを保てるところにある。数ヶ月は持つので、通常のロースト済みコーヒーに比べると、長い間にわたって豊かな香りを愉しむことができる。もちろんこれがBonaverdeのアピールポイントのひとつとなっている。一部の専門家からは、ロースト後にはしばらく時間をおいてから挽くべきだとする人もいるが、とくに雑味などもなくおいしく淹れられるように思う。もしどうしても気になるようならば、ローストしてからしばらくおいておくことも、当然できる。

Kicksterterでのキャンペーンがうまくいけば、Bonaverdeは生のコーヒー豆販売サイトも立ち上げる予定になっている。コーヒー農家と消費者が直接に繋がるような仕組みもできあがるわけだ。また、豆以外にも、おいしいコーヒーを飲むのに必要なものを販売していきたい考えもあるそうだ。

ちなみにビデオ中のコーヒーメーカーはプロトタイプだ。実際に世にでるときは、もっと洗練された外見になる予定なのだそうだ。

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(翻訳:Maeda, H