MicrosoftがWindows ServerのDockerコンテナサポートのために、新たな仮想化ハイパバイザ層とWSの極小化コアNano Serveを提供

コンテナはアプリケーションの書き方や展開の仕方を急速に変えつつある。このバスに乗り遅れたくないMicrosoftは昨年10月に、Windows Serverの次のリリースでDockerによるコンテナをサポートする、と発表した。そして今日(米国時間4/8)同社は、Windows Server上のコンテナの安全を確保するためのハイパバイザと、Windows Serverから余計なものをそぎ落として極小化し、クラウドとコンテナ向けに最適化したバージョンを発表した

Microsoftでクラウドプラットホームのマーケティングを担当しているマネージャMike Schutzによると、このところMicrosoftでも、コンテナ技術のサポートを求める顧客からの要望が日に日に増えている。またMicrosoft自身も、本来はLinuxの技術であったDockerをAzureやWidows Serverなど同社のプラットホームでサポートするための技術を、十分な実用レベルにまで育ててきた。

今日の発表は2014年に発表されたWindows ServerのDockerサポートと、Windows Server Containersの発表に次ぐものである。後者Windows Server Containersは、.NETなどのWindows技術で書かれたアプリケーションを、コンテナにパッケージして動かすための技術だ。

Schutzによると、今日発表されたHyper-V Containersは、コンテナとオペレーティングシステムを隔離する仮想化層によりセキュリティを強化して、Windows Server上のコンテナの展開に新たな次元を加える。そしてそれらはすべて、既存のDockerツールと共存できる。

“デベロッパがコンテナの利点を大きなアプリケーション集合に適用しようとするとき、新しい要求が生まれることに気づいた”、とSchutzは語る。それは、もっと良好な隔離とともに、“もう少しコントロールの幅を広げたい”という欲求だ。

Hyper-V Containersは、まさにそれを提供する。とくに大企業では“エンタプライズシステムやホスト環境においてより高いレベルの信頼性が要求される”、とMicrosoftは指摘している。

Windows Server Containersのアプリケーションは、無変更でこの新しいHyper-V Containers中へ展開できる。

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またWindows Serverの極小化バージョンNano Serverは、Schutzによると、フルサイズのWindows Serverの1/20のフットプリントしかない。それはコンテナへの関心に応えるだけでなく、軽量級のクラウドサーバを動かすためのオペレーティングシステムとしても利用できる。Microsoftは長年、Windows ServerのGUIのない最小インストールをServer Coreとして提供してきたが、Nano Serverはそれをさらに徹底させて、目的をクラウドの展開に絞り、軽量でベアメタルなハイパバイザとしても利用できるようにした。

なおNano Serverは、単独のバイナリとして提供されるのではなく、Windows Serverの次のバージョンのインストールオプションなので、サービス規約も料金モデルも本体WSと同じになると思われるが、その件に関してMicrosoftからの公式発表はまだない。おそらく詳細は、来月行われるデベロッパカンファレンスBuildで発表されるのだろう。同社はNano Serverのプレビューを来月提供する、と約束している。

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JoyentがDockerの展開と管理を容易化する多様な複合的コンテナインフラストラクチャサービスTritonをローンチ

コンテナに特化したPaaS/IaaS Joyentが今日(米国時間3/25)、Dockerアプリケーションの展開を容易にするコンテナインフラストラクチャTritonのローンチを発表した。それはオンプレミスのクラウドや、Joyent自身のパブリッククラウド上で利用できる。ほぼ1年半前に同社が、それまでの1億2000万ドルの資金調達に加えて新たに、1500万ドルの資金調達を発表したとき、まさにこの種のサービスのリリースを目標として掲げていた。

Joyentの主張によると、Dockerは開発と展開を大幅に効率化するが、同時に、複数のコンテナやホストの管理、ネットワーキングの実装への対応、セキュリティといった複雑な問題ももたらす。

Tritonは複数のコンポーネントで構成され、その中にはJoyentの既存のプロダクトも含まれる。サービスの中心にあるのはDockerのコンテナで、それらはTriton Docker Engineが管理し、Triton Container Hypervisorの上で動く。Tritonには独自のSDN(software-defined networking)インフラストラクチャサービスと、そのサービスを管理するためのDevOps Portalがある。

下図は、オープンソースのツールも含むJoyentの提供物全体の中での、Tritonの位置づけだ。

Joyentによると、Tritonでデベロッパとdevopsのチームがデータセンターの全体を単一のホストのように扱えるようになり、コンテナにまつわる複雑性はバックグラウンドで管理される。それと同時に、仮想化レイヤSmartOSにより、Dockerコンテナにベアメタルなパフォーマンスがもたらされる。またTritonにはリアルタイムモニタリング機能とポストモーテム(post-mortem, クラッシュ直後, 検死)デバッギング機能、およびコンテナを容易にサイズ変更したりスケールする機能もある。

Joyentが他の類似サービスと異なるのは、課金が仮想マシン単位ではなくコンテナ単位で行われることだ。今回のローンチの一環として同社は、これまでのローエンドマシンよりもさらに低料金の新しいインスタンスを導入する。

JoyentのプロダクトマネージャCasey Bissonに、同社のサービスと、GoogleのKubernetesなど既存のDocker管理ツールとの相性について尋ねると、彼はこう答えた: “Joyentではコンテナをマルチテナントのベアメタル上でセキュアに動かせるため、そのパフォーマンスと料金面のアドバンテージは他と比べて別格である。ネットワークの仮想化も同様の利便性とパフォーマンスのアドバンテージを提供するが、これもまた、他の類似サービスの追随を許さないものである”。

SmartOSについては、“これらのアドバンテージを提供する弊社の能力の核心であるが、これらのアドバンテージが実際に現れるDockerコンテナのホスティングは、他に見られない新しい技術と重要なイノベーションの数々を体現している”、ということだ。

Tritonは今、Joyentのパブリッククラウドの顧客にプレビューとして提供されている。オンプレミスでこのサービスを動かしたい企業は、自分のデータセンターでTriton Enterpriseをデプロイできる。

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Dockerコンテナのデータ管理サービスを提供するClusterHQが$12Mを調達

ClusterHQが今日(米国時間2/5)、シリーズAで1200万ドルの資金を調達した。このラウンドの幹事会社はAccel Partners London、これにCanaan Partnersと既存の投資家たちが参加した。

同社はまだほとんど無名に近いかと思われるが、しかしそのFlockerツールはデベロッパたちにとって気になる存在になりつつある。このツールを利用すると、Dockerコンテナの中で動くアプリケーションとそれらのデータを、容易に移動できるようになるからだ。基本的にDockerは、ステートレスなサービスを扱う技術だ。つまりアプリケーションのロジックは扱うが、データには無関心だ。

そこで、FlockerはDockerのエコシステムを拡大して、デベロッパがDockerのクラスタの中でデータボリュームを管理できるようにし、それらをDockerコンテナと同じようにポータブルにする。それは、よく使われているデータベースのほとんどと、キー-ヴァリューストア、それにメッセージキューイングサービスをサポートし、ほとんどのクラウドコンピューティングプラットホームの上で使える。近くCoreOSとCloud FoundryとMesosphereもサポートされる。

Flockerのほかに、同社はPowerstripも作っている。こちらはDockerのエクステンションのプロトタイプを作るためのツールだ。

同社は、コンテナが騒がれ始めた2013年に100万ドルのシード資金を調達した。CEOのMark Davisは前にストレージサービスのVirsto Softwareの協同ファウンダだったが、それは2013年にVMwareに買収された。ClusterHQの協同ファウンダでCTOのLuke Marsenは、TweetDeckのインフラストラクチャエンジニアだった。

Davisによると、同社のビジネスモデルはそのほかのオープンソース企業とよく似たものになるだろう、という。すなわち、いくつかの有料ツールとコンサルティングサービスの組み合わせだ。そこで今回の資金も主に、技術開発と並んで市場開拓のためにも使われる。とくに目の前の課題は、Flockerの機能の増強だ。また今後は、“コミュニティと一緒にいろんなプロジェクトに積極的に取り組んで、いずれはいくつかのパートナーシップも芽生えるだろう”、という。

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GoogleがDockerのプライベートなリポジトリとしてGoogle Container Registryを提供開始

Googleの今日(米国時間1/23)の発表によると、同社のCloud PlatformのためにGoogle Container Registryをベータでローンチした。このサービスによりデベロッパは自分たちのDockerコンテナのプライベートなリポジトリをホストし共有し管理できる。

Dockerにはデフォルトでパブリックなイメージレジストリがあり、デベロッパはそれらのイメージから、ベーシックで簡素なUbuntuマシンや、すでにWordPress、mongoDB、Hadoopなどさまざまなサービスがセットアップされているサーバなど、何でも素早くインストールできる。しかし企業の多くは、自分のコンテナをパブリックなレポジトリへパブリッシュすることに関心がなく、自分でプライベートなリポジトリを設けるか、クラウドサービスのQuay.ioなどを利用したりする。そこで今回のGoogle Container Registryは、Googleのクラウドコンピューティングプラットホームを使っている企業のためにプライベートリポジトリの場を提供するものだ。

それはGoogleのCloud Platformのプロジェクトだから、例によってベータのときには無料ですべてのデベロッパが利用できる。

Googleは、次のようなアドバンテージを挙げている:

  • アクセス制御(セキュリティ): このレジストリサービスは、ユーザのプライベートイメージを、ユーザのGoogle Cloud Platformプロジェクトの一環であるGoogle Cloud Storageからホストする。したがってデフォルトでは、そのプロジェクトのメンバーだけがそのプライベートイメージにアクセスできる。それは、Google Cloud SDKのコマンドラインからセキュアにイメージをプッシュしプルすることになる。そしてコンテナのホストVMは、特段の努力不要で、セキュアなイメージにアクセスできる。
  • サーバサイド暗号化: ユーザのプライベートイメージは自動的に暗号化されてからディスクに書き込まれる。
  • 高速で信頼性の高い展開: ユーザのプライベートイメージはGoogleのCloud Storageに保存され、弊社のデータセンターでキャッシュされて、Google Container EngineのクラスタやGoogle Compute Engineのコンテナ向けに最適化されたVMsへ、Google Cloud PlatformのAndromedaベースのネットワークファブリックにより展開されていく。

Googleは早くからDockerに賭けている。もともとGoogleは、自分のインフラの中核としてつねにコンテナを使ってきたからだ。同社はまたKubernetesのようなオープンソースのプロジェクトに重点投資し、昨年11月にはコンテナ専用のContainer Engineサービスをローンチした。

その昨年11月には、AmazonがEC2のContainer Serviceをローンチした。しかしAmazon自身は今のところレジストリサービスを提供していない。ユーザは、サードパーティのDockerレジストリを、どこのものでも利用できる。

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Dockerが初の商用製品と三つのオーケストレーションツールを発表

【抄訳】

今日(米国時間12/4)はDockerが、アムステルダムで行われたDockerCon Europeで大量の発表を行った。それらは、デベロッパの仕事を楽にする一連のオーケストレーションツールと、“ターンキー”タイプのエンタプライズプロダクト(同社初の商用製品)、そしてIBMとの新たな合意事項だ。

まず、オーケストレーションツールは、Docker Machine、Docker Swarm、そしてDocker Composerの三つだ。いずれも、これまで手作業が必要だった工程を自動化して、ユーザ(とくにデベロッパ)の時間と労力を節約する。

Docker Machineは、サードパーティのインフラストラクチャベンダのユーザにコンテナを使いたいデベロッパが増えてきたときに、彼らにレディメイドのマシン環境を提供し、ベンダやデベロッパがとくに大仕事をしなくても簡単にコンテナを使えるようにする。Dockerのマーケティング担当VP David Messinaは、これはデベロッパが使用するDocker Engineを、インフラのベンダ側が迅速に用意するための方法だ、と説明した。

彼は曰く、“新たに使用するインフラストラクチャの上でDocker Engineを使えるようにするためのセットアップ時間が、デベロッパにとってかなりの負担だった。Docker MachineをVMwareやDigitalOceanなどのインフラプロバイダが利用すると、ラップトップからの単純なコマンドでデベロッパやオペレータのためにエンジンを可利用にできる”。つまりこのツールは、インフラをDocker対応にするために要する時間を短縮し、とくにデベロッパ側ではそれがほぼゼロになるのだ。

Docker Swarm(Docker群団)は、これを使うと、複数のコンテナを複数のインフラ上に配備していくとき、そのもっとも効率的なやり方をデベロッパが定義できる。このツールからデベロッパは一連のAPI集合にアクセスしてMesosphere日本語過去記事〕などのツールにリンクし、リソースのプールをもっとも効率的なやり方で管理できる。Messinaは、“クラスタリングに際し、複数のホストにまたがるリソースプールの使い方を定義して、リソースの要件に応じてコンテナをいつどこで動かすかを最適にスケジューリングする”、と説明する。

3つ目のオーケストレーションツールDocker Composerは、アプリケーションがコンテナの集合から成り立っているときに、そのコンテナ構成(コンフィギュレーション)ファイルをデベロッパが作るためのツールだ。いったん作った構成ファイルへのコンテナの加除も、容易にできる。Messinaは、このツールにより、一つのアプリケーションに所属するコンテナの集合を簡単に定義できる、と説明する。“コンテナの集合があり、それぞれの担当サービスが決まっているとき、デベロッパはこのツールを使ってそれらを編成し、離散的な分散アプリケーションを作れる”、と。

次にご紹介するDockerのエンタプライズプロダクトDocker Hub Enterpriseは、企業がファイアウォールの背後にインストールできるターンキーソリューションだ。それはDockerの初の商用製品で、とくに金融業などセキュリティに厳しい企業のニーズに対応し、それらの企業が自社内でDockerの利用を開始できるようにする。この製品に関しては、すでにAmazon Web ServicesとIBMとMicrosoftがパートナーだが、製品のリリースは2月を予定している。

最後に、IBMとの契約。Dockerの発表によると、IBMが各種Dockerプロダクトのリセラー(再販業者)になってくれる。Messinaは、IBMのような企業がパートナーになってくれたことは、Dockerのような若い企業にとって強力なお墨付きになるから大歓迎だ、と述べた。

このように今回のDockerの発表は、一連のデベロッパツール、エンタプライズプロダクト、既存大企業とのパートナーシップなど、盛りだくさんだった。同社にとっても、コンテナ技術の王者の地位にもはや安住できない厳しい競合環境が育ち始めているから、カンファレンスのステージでこれぐらい頑張るのも当然なのだ。

〔訳注: Dockerの発表内容の紹介以外の、雑談的な部分は訳を省略しました。〕

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Dockerコンテナの集合をSDNでネットワーキングするWeaveworksが$5Mを調達

今、Docker関連の企業のエコシステムが急速に成長しているが、ここでご紹介するWeaveworks(元Zettio)も、その一員だ。ファウンダのAlexis RichardsonとMatthias Radestockは、メッセージブローカーRabbitMQを作った人たちだが、Weaveworksはアプリケーションをコンテナ化したいと考えているデベロッパを支援するサービスだ。

同社は今日(米国時間12/3)、Accel Partners率いるシリーズAのラウンドにより、500万ドルを調達したことを発表した。Accel PartnersのKevin ComolliがWeaveworksの取締役会に加わる。同社によるとその資金は、製品開発チームの増員と、ロンドンのチームを補完する合衆国の組織の拡充に充てられる。

現在のWeaveworksのサービスの主軸は、Dockerのコンテナを複数のホストにまたがってネットワーキングさせるSDN(software-defined network)の構築だ。それは基本的に、仮想イーサネットスイッチによって、ネットワーク上のさまざまなコンテナを接続する。このサービスは、Dockerエコシステム内のそのほかの主力選手たち、たとえばCoreOSやKubernetesなどとも良好に統合する。

Weaveworksは今年の9月にローンチしたばかりだが、すでにGitHub上のDocker関連プロジェクトの中で上位につけている。

同社が最近プレビューをローンチしたweaveDNSは、Weaveworksのネットワークのための分散DNSサービスで、IPアドレスの代わりに名前を使って、ネットワーク上のサービスをより見つけやすくする。

WeaveworksのCEO Alexis Richardsonは、次のように語る: “アーリーアダプター(early adopter, 初期採用者)たちはすでに、コンテナ化による費用節減効果がそれまでの10倍に増幅された、と報告している。Weaveworksは、今後使いやすさに注力することによって、そのようなメリットをもっと多くのユーザ企業にお届けしたい。うちのツールやサービスの構成は、UNIXやインターネットですでに実証されている、モジュール化設計(modular design)とそれらのAPI集に従っているから、顧客は新しいスキルを勉強したり、未実証の運用ツールを使ったり、それにまた、アプリケーションを根本からリライトする必要がない”。

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CoreOSがDockerを”基本的に欠陥あり”と批判し、独自のコンテナランタイムRocketをローンチ

Dockerのコンテナは、このところもっともホットな技術であり、きわめて大規模なサーバ展開のためのLinuxベースのオペレーティングシステムCoreOSも、その中心的な技術として利用するだけでなく、Dockerのプロジェクトに積極的に貢献してきた。しかし同社は今日(米国時間12/1)、Dockerの基本的な方向性には同意できないので独自のコンテナランタイムを今作っている、と発表した

CoreOSのCEO Alex Polviは、今日の発表声明の中でこう述べている: “Dockerはわれわれみんなが同意できるシンプルなユニットなっていく、と考えていた。しかし今のDockerは、シンプルで再利用可能なコンポーネントではないものになりつつある。今のDockerは、クラウドサーバやクラスタシステムを構築するためのツールとして、多様な機能を持ちつつある…イメージの構築、イメージの実行、アップロード、ダウンロード、そして最終的にはオーバレイネットワーキングまでも。そしてこれらがすべて単一のモノリシック(一枚岩的)なバイナリへとコンパイルされ、主としてサーバ上のrootとして動いている”。

Polviによると、初期のDockerは標準的なコンテナアーキテクチャを目指していて、それによってデベロッパ(やCoreOSのような企業)の効率や生産性に貢献するものと思われた。しかしその後、とくに巨額な資金を調達してから以降のDockerのミッションは大風呂敷になり、Dockerのエコシステムに属する企業がすでに作っているようなツールも作り始めた。Polviは曰く、“Dockerはもはや単なるコンテナではなく、Dockerという名のプラットホームになってしまった。彼らはもはや、われわれが期待していた、シンプルで自由な組み合わせのできるビルディングブロックを目指していない”。

そこで今CoreOSは、同社が”アプリケーションコンテナと呼ぶコマンドラインツールRocketを使って、そのようなビルディングブロックを作ろうとしている。そのコンテナの詳細仕様はまだ流動的なようだが、これをめぐる議論の現状はここで一望できる。

Rocketの基本的な機能はDockerと同じだから、ではなぜCoreOSは単純にDockerをフォークしなかったのか? オープンソースだから、やろうと思えばできたはず。でもPolviに言わせると、それをするとDockerの“基本的に欠陥のある”プロセスモデルを使わなければならない。もっと良いプロセスモデルを実装するためにはDocker全体をリライトしなければならないから、むしろ新たにゼロから作った方が容易だし、またコンテナというものをフレッシュな視点で見直すこともできる。

…という次第だけれども、CoreOSは今後もDockerのサポートを続ける。Rocketの最初のバージョンは、GitHubで入手できる

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Joyentがクラウドプラットホーム上のエンタプライズ級のDockerサポートのために$15Mを調達

今日まで、クラウドインフラ企業Joyentは、複数回の資金調達ラウンドにより合計1億2000万ドルを調達してきた。いちばん最近のシリーズD、2012年の8500万ドルが、額としては最大である。シリーズDまで行く企業はそんなに多くないが、しかしクラウドプラットホームプロバイダJoyentは今日、既存の投資家Intel Capital、Orascom TMT Investments、El Dorado Ventures、EPIC Ventures、LGI Venturesなどなどから、さらに1500万ドル(シリーズE)を調達したことを発表した。

Joyentの計画では、この資金は、Dockerとコンテナベースのインフラストラクチャという
最近のトレンドを、同社の機会として生かすために使われる。Joyentはプラットホームとしてのコンテナを10年あまり前から提供しているが、Dockerがクラウドインフラストラクチャの寵児としてもてはやされるようになるまでは、コンテナという技術の知名度はきわめて低かった。

JoyentのCEO Scott Hammondは今日の声明文の中で、次のように述べている: “弊社の顧客は今、我先にとDockerを採用してアプリケーションコンテナを作っている。そして彼らは、この新しい技術をJoyentの、すでに実証済みのインフラストラクチャコンテナの上で使いたいと願っている。アプリケーションコンテナとインフラストラクチャコンテナを組み合わせるという、この特別な技術により、データセンターが完全にディスラプトされ、ビジネスアプリケーションの作られ方と配布のされ方が変わる、とわれわれは信じている”。

Hammondは本誌のメールインタビューで、“市場もやっとコンテナの利点に注目するようになった”、と言っている。しかし彼はまた、今の企業はDockerと競合するようなコンテナ技術には関心がない、とも言う。“そこでうちは、これまでの経験を生かしてJoyentをDockerのコンテナを動かすための最良の場所にしたい”、と彼は語っている。

JoyentはSmartOSと呼ばれる独自のオペレーティングシステム仮想化層を使っている(OpenSolarisとLinuxの仮想化技術KVMを組み合わせたもの)。Hammondによると、この方式ではDockerのコンテナがベアメタルで動くため、“アプリケーションコンテナのためのランタイム環境として最良であり、弊社は、これらのコンテナを、エンタプライズ級のネットワーキングによりベアメタルのスピードでセキュアに動かすためにデータセンターの運用者が必要とする機能を提供する。また弊社のOS仮想化技術は高密度のワークロードを可能にする”。

Joyentは今後も、同社のコアビジネスであるパブリッククラウドプラットホームの提供を続けるが、それに加えて、ベアメタル上のコンテナを管理する必要のあるdevsやopsたち向けに新たなプロダクトやサービスを作っていく。それについてHammondは詳細を語らないが、要は、“Dockerをサポートし統合するためのプロダクトとサービスを開発していく”、ということだ。

ではなぜ、同社は、今というタイミングで増資を必要としたのか? “すべてはスピードのためだよ”、とHammondは言う。“これから技術のシフトが猛スピードで始まろうとしている”。VMWareがデベロッパのテスト環境からメジャーな普及に至るまで数年を要したが、今日の技術はもっと速いスピードで大量普及に到達するだろう。“今回のラウンドで開発をスピードアップし、ディスラプティブな技術の次の大きな波を、それに呑まれるのではなく、それを率先して動かしていく企業になりたい”。

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MicrosoftがDockerをWindows Serverでサポート…Docke社にとっても大きな商機

コンテナ技術のDockerは最近のもっともホットなデベロッパ向け技術のひとつで、今では大手のクラウドベンダのすべてが、何らかの形でサポートしている。しかし本来、DockerはLinuxのコンテナをベースとする技術だ。言い換えると、Linuxサーバ上の技術。しかしMicrosoftは今日(米国時間10/15)、Windows Serverの今後のリリースでDockerをサポートする、と発表した

Microsoftのエンタプライズ向けクラウドサービス担当EVP Scott Guthrieが今日の発表声明の中で、“顧客が今日のモバイルファーストでクラウドファーストな世界でイノベーションを志向するとき、そのために必要な柔軟性を提供して行くことはきわめて重要である”、と言っている。

Microsoftの発表によると、Windows Serverの次のリリースでDocker Engineをサポートし、それがコンテナの作成、稼働、およびオーケストレーションを担う。そのDocker Engine for Windows Serverは、Dockerのオープンソースコミュニティが協力して開発され、Microsoft自身も一コミュニティメンバとして参加する。このエンジンのイメージ(バイナリ)もDocker Hub(Dockerのイメージのコミュニティによるメインのリポジトリ)から入手できる。

Microsoftはこれよりも前に、クラウドコンピューティングサービスAzureでDockerのサポートを始めているし、DockerとMicrosoftはAzure上のコンテナオーケストレーションをDockerの次のリリースに統合する作業を進めている。また今日のMicrosoftの発表では、Docker HubがいずれAzure Management PortalとAzure Galleryに直接統合され、“ISVたちとクラウドデベロッパから成るMicrosoftの大きなコミュニティがDockerのコミュニティの最良の成果にアクセスでき、Windows ServerとLinuxの両方で迅速なイノベーションを実現できるようにする”、のだそうだ。

Microsoftが今明らかに気にしているのは、コンテナとポータビリティと、ソフトウェアを複数のマイクロサービスで配布するという、最新のトレンドだ。エンタプライズにおけるWindows Serverのシェアはまだまだ大きいが、バスに乗り遅れるわけにはいかない。Microsoftは”Drawbridge“と呼ばれる独自のコンテナ技術を最近の数年間で開発し、このところ、その名をちらほらと、あちこちで見かけるようになった。今日発表されたDocker移植の件と、このコンテナプロジェクトとの関係は不明だが、 Microsoftは当面、Dockerに賭けることに決めたのだ。その大きな勢いを、無視することはできなかった。

Dockerにとって今日の発表は、Windows Serverを使っている大きなエンタプライズへの今後の進出を意味する。DockerのファウンダでCTOのSolomon Hykesは今日の声明で、“エンタプライズ市場におけるWindows Serverの強さと、それがDockerのプロジェクトに加わることは、Dockerのコミュニティとエコシステムにとって大きな転機となる”、と述べている。

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