新型コロナウイルス患者の免疫反応に関する新たな研究が治療のヒントに

科学雑誌Nature Medicineに掲載された新しい研究(Bloombergも報道)は、中国の武漢で新型コロナウイルスに感染し、オーストラリアのメルボルンで発症した患者の事例を検証している。それによりなぜ特定の人たちが他の人たちよりもウイルスに強く反応してしまうのか、その原因と状況をより包括的に知ることが可能となりそうだ。

この患者は「軽症から中等度」の症例とされ、入院中は脱水症状を抑えるために点滴のみで治療された。他の薬剤は投与されず、人工呼吸器を装着する必要もなかった。したがって彼女の症状は入院を必要とするほど重いものではなく、科学者にとっては新型コロナウイルスに対する彼女の身体の良好な免疫反応を詳細に観察する機会が得られることになった。

Peter Doherty Institute for Infection and Immunity(ピーター・ドハティ感染および免疫研究所)の研究者は、他の何人かの被験者とともにその患者からも研究への参加の同意を取り付け、免疫反応がどのように機能しいつ活性化したかの手がかりとなる血液サンプルを採取することができた。その結果、患者の症状が完全に消失する前に血液中に抗体が発生し始め、感染症が消失してから少なくとも7日間は、抗体が存在し続けることがわかった。

このケースだけでは確定的な情報を得ることはできず、さらなる研究や他の患者についての調査も必要となる。それでもどの患者はより重篤な症状に至るか、またどの患者の症状は軽くて済むかということを、COVID-19患者の治療に携わる医療従事者が早い段階で見極めることにつながる重要なステップとなる。また、新たな医学的治療介入の開発の手がかりを与え、最終的に患者の重症度を軽減したり最大限の効果を発揮するワクチンの開発にも役立つはずだ。

この研究は、COVID-19に対して、病後に免疫がどのように機能するのかを、よりよく理解するのにも役立つ。風邪やインフルエンザのように、一般的なコロナウイルスでは予防接種の効果は一時的なものとなっている。そのため、シーズンが来るたびごとに注射しなければならない。回復したCOVID-19患者に対して、免疫がどのように機能しているのかについて、まだ詳細はわかっていない。この研究により、その点についてもより多くの洞察を得ることができそうだ。

画像クレジット:dowell/Getty Images

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

この小さなワイヤレス水分センサーが熱中症を予妨する

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ノースカロライナ州立大学の研究員らが、ウェアラブルなワイヤレス水分センサーを作った。胸に貼ったパッチや手首に巻いた装置で、喉の乾き具合を知ることができる。

このデバイスは、脱水による熱中症の怖れがあることを知らせるように作られている。

「喉の乾き具合を定量的に測ることは難しいが、これは軍人からスポーツ選手、消防士まで、現場やトレーニング中に熱中症にかかるリスクのある人全員にとって重要な問題だ」と研究者のJohn Muthは語る。

デバイスは「ユーザーの皮膚水分をリアルタイムで」測定し、アスリートの能力を高めるほか、脱水を防ぐために水を飲むことのできない高齢者の水分状態を追跡するのにも使える。

「化粧品の保湿効果を測ることもできる」と研究員のYong Zhuは言った。

センサーは銀ナノワイヤーを使って皮膚の電気特性を感知する。小さなセンサーが、現在水分測定に使われている大型で複雑なセンサーと同等の働きをする。従来の製品は8000ドルもするが、この新しいセンサーは約1ドルなので、水分センサー分野にとって大きな一歩であり、様々なセンサー用途への道を開くことだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook