Samsungはこのところ、“何でも一番乗り”の名誉を入手するためなら、どんなクレイジーなことでもする気でいる。最近では、二つのクレイジーを達成した。ひとつは、”fonblet”というひどい言葉をひねり出したこと、もう一つは人間の視力の限界を超えたディスプレイを次期新製品として発表したことだ。韓国のソウルで行われたアナリストデーで同社は、同社の将来計画をいつも以上に率直に語った。企業の将来の健全な成長を、投資家たちに強く印象づけるためだ。
発表の中には、同社がこれから“fonblet”の市場を創造する、という宣言があった。この言葉は今年の初めに、Samsungの新製品の名前として噂されていた。fonbeltは、telephone(電話機)の’phone’ + tablet(タブレット)の’let’という造語のようだが、Samsung以外の世界では’phablet’(tele[ph]one + t[ablet])と呼ばれているカテゴリーで、もっと正気の人たちは‘大型携帯電話’(large phones) と呼んでいる。ただしfonbeltが独特なのは、単純に大型ディスプレイ+(がんばれば)携帯性であるだけでなく、手書き文字を認識することだ。それが、fonbeltとphabletを区別し、Samsungが、Galaxy Noteにおいてうちが発明した、と主張できる根拠のようだ。
壁が黒板でできている超高層ビルから猫が落ちたとき、爪が壁をひっかく音が、fonbeltという、人の耳にとって快適な音になるかもしれない。それはさておき、fonbeltは”tablet”と”fone”を組み合わせた言葉で、まだどの辞書にも載っていない最新の造語だ。phoneじゃなくてfoneなのは、手書き文字による差別化を意識しているのかもしれない。
Samsungがもう一つ口を滑らしたのは、二年後の、スマートフォンのディスプレイの解像度の大幅増大だ。まず、来年はWQHD(2560 x 1440)のディスプレイを出す。そして2015年には3840 x 2106(Ultra HDとも呼ばれる)を出す。すばらしいことのように聞こえるが、でもわずか5インチの画面だ(fonbletはそれよりやや大きいか)。ぼくよりも頭の良い人(科学者で写真家のBryan Jones)がこの記事で説明しているが、平均的な人間が通常の使用距離で個々の画素を見分ける能力の限界に、すでにApple製品は到達しており、それはiPhone 4の326ppiのレティナディスプレイである。
だから画素密度が500ppi以上になると、“なぜそんな無意味なことを?”のジャンルに入ってしまい、進歩のための進歩と言われる。目を画面に接近させると違いが分かるかもしれないが、ふつうの距離で見ると、人の目が感じる画質の向上は想像力がそう思わせるにすぎない。ただし仕様書に書かれる数字は明らかに向上しているから、消費者をワクワクさせることができるだろう、とSamsungは期待するのだ。
Samsungは、ソフトウェアの力で画板の時代に戻る、もっと有能な画板に、とも言っている。絵でも文字でもすべて手書きをサポート、ということ。この話は、まじめに受け止めてもよいのではないか。スーパーマンのためのディスプレイや、おそろしい造語趣味は、たぶん要らないだろう。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))