AmazonのDynamoDBにマシン効率で勝るScyllaDBとは?

オープンソースのデータベースはたくさんあるが、NoSQLのScyllaDBは、ほかならぬAmazonのユーザーを惹きつけることによって自らを差別化しようとする。米国時間9月11日に同社は、Amazonの顧客の同社製品への移行を促進するためにAmazonのDynamoDB用のマイグレーションツール(移行ツール)を発表した。

大胆な策だが、でもScyllaはフリーでオープンソースのプロダクトとその有料バージョンを軸としながら、常に大物プレーヤーのあとを追う性癖がある。この前は、分散NoSQLデータベースCassandraのユーザーをScyllaDBに移行させるためのツールを作った。

CEOのDor Laor(ドオール・ラオール)氏によると、DynamoDBの顧客は今やコードをほとんど書き換えずにScyllaDBに移行できる。「今日DynamoDBを使ってる人でも、その同じドライバーと同じクライアントコードを使える。というより、クライアントコードは1ビットたりとも変える必要がない。アクセスを、Scyllaが動いている別のIPアドレスにリダイレクトするだけだ」とラオール氏は言っている。

AmazonのDynamoDBのユーザーがわざわざScyllaDBに移行する理由な何だろう。同氏によると、ハードウェアをもっと効率的に使っているので高速かつ安価な体験を提供するからだ。ゆえに、同じワークロードを少ないマシンでしかも高速に動かせる。もちろんコスト低減に寄与する。

同社はシリーズCのエクステンション(追加)としてEight Roads Venturesがリードするラウンドにより2500万ドルを調達した。これまでの投資家Bessemer Venture PartnersとMagma Venture Partners、Qualcomm Ventures、そしてTLV Partnersも参加した。これでScyllaの調達総額は6000万ドルになる。

同社は創業から6年めで、今の顧客にはComcastやGE、IBM、Samsungなどがいる。ラオール氏によるとComcastはCassandraを400台のマシンで動かしていたが、Scyllaでは同じワークロードをわずか60台で動かせたそうだ。

ラオール氏のデータベース歴は長いが、それはCassandraやDynamoDBなど個別の製品を使うというレベルではない。彼によると「主な目標はデフォルトのNoSQLデータベースになることだ。ビッグデータやリアルタイムのワークロードを抱える人たちが、真っ先にScyllaDBを考えるようにしたい。そうやって、デフォルトになれるだろう」とのこと。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

AWSのDynamoDBが継続的自動バックアップと事故時の即時リカバリを提供

クラウドコンピューティングはいろいろ便利だが、データの扱いもクラウドのベンダーがやってくれるのがありがたい。でもそれは、ソフトウェアをアップデートしてくれるとか、ハードウェアのスケールアップ/ダウンを勝手にやってくれる、ぐらいのことだった。しかし今日(米国時間4/4)AWSはそれを一歩進めて、Amazon DynamoDB Continuous BackupsおよびPoint-In-Time Recovery(PITR)〔継続的自動化バックアップと即時リカバリ〕なるものを発表した

この新しいサービスでは、ユーザーがバックアップツールを有効にしておくと、バックアップが自動的に行われる。あとのことはすべてAmazonが面倒を見て、ユーザーのDynamoDBデータベースにあるすべてのデータを継続的にバックアップする。

しかもそれだけではなく、バックアップシステムは記録もつける。つまり、そのおかげで、過去35日以内ならデータの“巻き戻し”ができて、その粒度は秒単位だ。しかもそのツールにはユーザーがAWS Management Consoleからアクセスでき、AWS Command Line Interface(CLI)でAPIを呼び出せる。

スクリーンショット提供: Amazon

この新しい機能を発表するブログ記事でAmazonのRandall Huntが書いている: “この機能を作ったのは、事故的な上書きや削除からユーザーとデータを守るためだ。デベロッパーがステージングではなくプロダクションに対してスクリプトを動かしたとか、どこかのファットフィンガー(fat-finger, 指が太すぎるやつ)が間違ってDeleteItemボタンを押してしまったときには、PITRが助ける。また、ユーザーにとって予想外の事態にも対応できる”。

35日のリミットが気になる人は、通常の定期的なオンデマンドのバックアップならいくらでも長期保存できることを、おぼえておこう。

AmazonのCTO Werner Vogelsが、今日サンフランシスコで行われたAWS Summitでこの新しいサービスを紹介した。そして、どれだけ大量のデータがあっても平気だ、と言った。つまりこれらの新しいサービスは、データ量がテラバイト級でも使える。“これはAWSの本当に強力な仕組みなんだ”、とVogelsは自画自賛した。

この新しいサービスは今日からいくつかのリージョンで可利用になる。それらがどことどこか知りたい人は、このページを見てみよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Amazon、DynamoDBでJSONをサポート―無料枠を25GB、2億リクエストに一挙拡大


今日(米国時間10/9)、AmazonはDynamoDB NoSQLデータベースサービスにメジャー・アップデートを実施したことを発表した。これによって無料で利用枠が大幅に拡大され、JSONフォーマットの文書をデータベースの単一アイテムとして格納することが可能になった。

他のAmazonのクラウド・サービスと同様、これまでもDynamoDBはトライアル用の無料版を提供してきた。DynamoDBの無料版の制限はかなり厳しく、記憶容量は100MB、読み出し10ユニット、書き込み5ユニットとなっていた。試用には使えるが、意味のあるアプリケーションを動かすことは不可能だった(無料枠はもちろん試用に設けられているのだが)。しかし今日からその制限は大幅に緩和される。なんとデータ容量は25GB、月間2億リクエストまでが無料で利用できるようになった。

AmazonのCTO、 Werner Vogelsによれば、これだけの能力があれば、月間アクティブ・ユーザーが1万5000人あるゲーム・サイトや月間50万インプレッションの広告プラットフォームを運営することが可能だという。

これに対してGoogleのNoSQLデータベース・サービスCloud Datastoreの無料データ容量は1GBだ。またMicrosoftのJSONベースのDocumentDBサービス(現在プレビュー版)はオープンソース・デベロッパーのみに無料版を提供している。

Vogelsはまた今回のアップデートについて次のように説明している。最近、多くのNoSQL、リレーショナル・データベースが(MicrosoftのDocumentDBのように)JSONスタイルのドキュメントを扱えるようになった。これまでもDynamoDBにJSON文書を格納することは可能だったものの、デベロッパーは格納された文書の内容を直接操作することができなかった。その点が今日から変わる。

今回のアップデートで、デベロッパーはAWS SDKのJava、.NET、Ruby、JavaScriptを用いてJSONデータをDynamoDBの固有データ・タイプにマップすることができるようになり、DynamoDBはフル機能を備えた本格的ドキュメントDBに生まれ変わった。これによってデベロッパーの負担は大幅に軽減されることになる。JSONオブジェクトのサイズは大きくなりがちなので、 AWSは1レコードのサイズの上限を400KBに引き上げた。

今回のアップデートはJSONオブジェクトのサポートが目立つが、Vogelsは「DynamoDBは新しいトランスレーション・レイヤーを介してデータ・タイプとしてHTMLとXML文書をサポートするようになった」と強調した。技術的詳細についてはこちらを参照

新機能はAmazonのUS East (北バージニア)、US West(オレゴン)、Asia Pacific(東京)、EU(アイルランド)の各リージョンで直ちに利用可能。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


AmazonのDynamoDBは各月に数兆のリクエストを処理, SimpleDBは姿を消しそうだ

今日(米国時間11/12)のAWS re:InventカンファレンスでAmazonの役員が、NoSQLデータベースDynamoDBは今では一(ひと)月に数兆のリクエストに対応している、と言った。なお、AWSのもう一つのNoSQLデータベースSimpleDBは、 AWSのプロダクトページから姿を消している。世界最大のクラウドサービスは、今後NoSQL DBをDynamoDBに一本化するつもりだろう。

その役員、AmazonのJames Hamiltonが見せたスライドには、DynamoDBの成長の軌跡が描かれている。月間リクエスト数は、2月の1.2兆から10月には約2.2兆になった。しかもそれは、一つのリージョンの数字だ。

DynamoDBは2012年にローンチし、NoSQLデータベース市場で早くも先頭集団を走っている。SSDを使っているので高速であること、使い方がシンプルであること、高性能でしかもインターネットに対応した十分なスケーラビリティが、好調の原因だ。

最近までAWSは、SimpleDBをほかのデータベースと一緒にリストに載せていた。 Amazon RDS、Amazon DynamoDB、Amazon ElastiCache、そしてAmazon Redshiftが‘ほかのデータベース’だ。今では、所在を知ってる人か、検索して見つけた人しかアクセスできない。

AWSがSimpleDBをローンチしたのは2007年で、性能やスケーラビリティの要求が高くないユーザには十分利用できた。

その後Amazon DynamoDBが市場に闖入し、MongoDBやCassandraなどNoSQL DBの既存勢力を脅かし始めた。

SimpleDBの今後についてAWSに問い合わせたが、まだ回答はない。しかし、今日明日突然に消えてなくなることは、ないだろう。

一方DynamoDBは、トップクラスのNoSQLデータベースサービスとして、上述のように利用が増大している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))