韓国、Note 7発火騒動を受けバッテリー安全基準を強化

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先月末、Samsungは長期にわたるNote 7の謝罪ツアーの中で国際記者会見を開き、数ヵ月に及ぶ社内および第三者による調査結果、ならびに同社の安全基準の強化について詳細を明らかにした。

一連の自己卑下的行動によって、スマートフォン購入層をなだめる多少の効果は見られたようだが、Samsungの母国である韓国は(最近別件でSamsungと争った)、リチウム・イオン電池関連の規制を強化する方針だ。Samsungの長びく問題に駆りたてられたものであることは間違いない。

今日午前、韓国の産業通商資源部は声明を発表し、この普遍的技術の試験を強化する意向を示した。

「業界には、安全を確実にする努力は技術革新を通じて新製品を開発するのと同じくらい重要である、という認識を共有してほしい」と、Jeong Marn-ki 副長官がReutersに提供した声明で述べた。

計画の進め方について当局は詳細を明らかにしていないが、Samsungについては、自社技術の強化を目指している企業として特に監視を強める予定だ。新しい規約では、欠陥機器の報告義務を厳格化するとともに、リコール基準も強構される見込みだ。

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Samsung、Note 7爆発の原因はバッテリーという当然の結論

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爆発、リコール、および数ヵ月に渡るマスコミでの悪評を経て、SamsungはあのGalaxy Note 7物語の幕引きをはかるべく、約束していた内部調査の結果をようやく公表した。

Samsungのモバイル事業責任者、DJ Kohはソウルで行われた満員の記者会見で、顧客とビジネスパートナーに対して「深く」謝罪した後、300万台販売されたNote 7端末の約96%が既に回収されたという、多少明るい情報も発表した。

続いてKohは同社の内部テスト方法について説明した。Samsungは爆発の原因を切り分けるために専用のテスト設備を作り、有線、無線のテスト、瞳孔スキャン、およびUSB-Cコネクターのテストを行った。いずれの方法によっても原因を特定することはできなかったが、同社は今後の安全対策を特に慎重にすると語った。

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テストによると、事故の原因はバッテリーにあり、数週間前から出回っていたリーク情報の通りだった。Kohによると、「事故の主要な原因は陰電極のゆがみ」が初期ロットのバッテリーに見られたほか、第二期ロットからは、溶接の際に起きたショートによる融けた銅も発見された。

ちなみにSamsungは700人を越える社内テスト担当者を動員したと言っている。さらに「バッテリー諮問グループ」のメンバーとして外部テスト要員も加わった。認証機関であるULの消費者事業部門責任者、Sajeev Jesudasaも同じ結論に達したと見られ、バッテリーセルの上部に欠陥があることを指適した。

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Jesudasは、回路のショートにつながる設計ミスの可能性をいくつか挙げた。高いバッテリー密度、稚拙な溶接、絶縁漏れ、鋭利な刃物等が考えられる。「引き続き調査を続ける必要があるというのがULの結論」と付け加え、原因の根幹は設計と製造にあると指摘した。

続いてExponentの主任研究員、Kevin Whiteが説明した。その中でWhiteは、Samsung自身の発見と同じく陰電極の問題を指摘した。結局、製造上の問題から複数の陰電極間に十分な間隔がなく、折り曲げる結果となりその際に正負の電極が接触してショートおよび発熱につながった。

「電子回路は、いずれのメーカーのバッテリー欠陥の原因でもなかった」とWhiteは付け加えた。

最後に、ドイツの客観的独立テスト組織、TUV Rheinland AGの製品担当執行副社長、Holger Kunzが壇上で説明した。

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Verizon、Samsungの Note 7文鎮化アップデートを強制せず。他のキャリアーは推奨へ

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今日(米国時間12/9)午前Samsungは、燃え続けるNote 7を消火するソフトウェアアップデートの計画を発表した。問題を抱えるスマートフォンを充電できなるする修正だ。しかし、誰もがこの動きに同調しているわけではない。

Verizon(TechCrunchの親会社の親会社)はすぐにこれを補足する声明を発表し、端末を完全に無効化することのリスクを強調した。Samsungの計算によると、米国で未だにしがみついているNote 7オーナーは7%にすぎないが、Verizonはこの残るわずかな人々の安全を懸念している。

今日午前の声明から主要部分を抜粋する。

Verizonはこのアップデートを推進しない。それは他の端末に交換できないGalaxy Note 7ユーザーのリスクが増すからだ。ホリデー旅行シーズの最中に、Note 7がモバイル端末として機能しなくなるアップデートを強制するつもりはない。非常時に家族や救急要員や医者と連絡をとれなくすることは当社は望まない。

Note 7と旅行とを同じ文中で言及するだけでも、いくつか問題を引き起こすのシナリオが想起されるのはもちろんだ。どうやらこの物語の命も残りわずかになったようだ。

アップデート: Sprintはアップデート計画に同調すると共に、改めて交換プログラムも実施している。T-Mobileは現時点でのコメントを拒んでいる。AT&Tにも連絡を取り、現在回答を待っている。

アップデート2:どうやらAT&Tもアップデート計画に乗ったようだ。同社は顧客に対して次のテキストメッセージを送った。

2017年1月5日、Galaxy Note 7の充電を不可能にするソフトウェアアップデートがSamsungからプッシュ配信される。以降バッテリーは充電できなくなる。このNote 7はリコール対象であり、あらゆるフライトでチェックイン、機内持ち込み共に禁止されている。お客様の安全が最優先なので、Note 7を持っている人は買った店へ持ち込んで代替品を受け取ってほしい。詳しくはatt.com/note7まで。

アップデート3:T-Mobileからも公式発表があった。

弊社はお客様の安全のために常に適切な対応を心がけており、12月27日にSamsungの最新ソフトウェアアップデートを公開する予定だ。これは現在残っているNote 7端末をすべて充電できなくするように作られている。同機は10月13日に消費者製品安全協議会(CPSC)がリコールを発行しており、使用すべきではない。今もNote 7を持っているT-Mobileユーザーは、直ちに電源を切り端末の使用を中止してT-Mobileストアに返却する必要がある。金額返金のうえ代替機を受取ることができる。

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Samsungは返品交換されず現用中のGalaxy Note 7に対し、ソフトウェアのアップデートで充電を60%に制限

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今朝(米国時間11/4)Samsungは、700件あまりの異状が報告され、あごを負傷した人も出た上蓋方式の洗濯機に関し、強制ではない随意のリコールを発表した。このハードウェア大手は、Galaxy Note 7の一連の面倒な問題をはじめとして、このところ苦難が続いているが、この洗濯機問題はさらにそのダメ押しのようだ。

週末にかけて同社のアメリカ支社は、Noteのその状況に対する新たなアップデートを申し出た(後述)。問題のスマートフォンは、1か月近く前に生産を停止しているが、それから今日までリコールが順調に進んでいる、と同社は世の中に訴えたいのだ。

同社のスポークスパーソンによれば、“今日現在でリコール対象のGalaxy Note 7の85%近くが、Note7 Refund and Exchange Program(返金交換事業)により合衆国全域で交換された。この事業への参加者の多くは返金よりもSamsungの別のスマートフォンを受け取ることを選んだ”、ということだ。

85%ということは、まだ未対策のデバイスがかなりある、ということだ。そこで、同じく今朝、同社のニュージーランド支社は、同機種によるセルラーサービスへのアクセスを遮断する、と発表した。そしてここアメリカでは、近くSamusungは、ソフトウェアのアップデートにより、“電池の充電が60%までしかできない”ようにする。

アップデートが行われるのは明後日だが、電源を入れたり充電しようとするたびに、同機の返品を促すリマインダーが画面に出る。同機を愛している人は、永遠の別れを選ばないかもしれないが。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Samsung、Galaxy Note 7の返金プログラムをオーストリアとアジアの一部で開始

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Galaxy Note 7がほどほどの製品なら話は違っていた。しかし、それは間違いなくすばらしい端末だった。そして、どう見ても非常によく売れていた。販売されていた2ヵ月足らず間に、端末は数多くの人々の手に渡っていた。

しかし、2度のリコールを含む終りのないプロセスは、製品に対する人々の感情を害するのに十分だった。そしてついに端末を送り返す時が来た ― しっかりと断熱された包みを暖炉用トングでつかんで。

一時は隆盛を誇ったファブレットの生産終了を正式に決めたSamsungは、一部の地域で返金プログラムを開始した。オーストラリアマレーシアシンガポールおよび台湾で、失望したユーザーは欠陥Galaxy Noteを返品するか、別の爆発しにくいSamsung端末と交換できる。

対象となる端末や、返金プログラムの詳細は国によって異なるため、まず注意書きをよく読むことをお薦めする。ちなみにタイでは、このあわれで絶望的なファブレットが出荷にさえいたらなかったので、Samsungは手付金を返却し、問題の少ない端末のディスカウントを提供する。

via CNET

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Samsung、Galaxy Note 7の生産を完全に終了

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Samsungは同社のGalaxy Note 7の生産、販売を完全に終了した。オリジナルモデルのバッテリー発火事故の発生を受けてリコールを実施し、バッテリーを対策部品と交換したにもかかわらず、新しいバッテリーを原因とするとみられる事故が続き、消費者の間に不安が広がっていた。

ニュースは最初にWall Street Journalで報じられ、Samsungの広報担当者がNote 7の生産中止の事実を確認した。われわれの取材に対して広報担当者は「SamsungがGalaxy Note 7の生産を恒久的に停止したという報道は事実だ」と述べた。

同社は生産中止に関してこれ以上何も明らかにしていないが、韓国当局に対して生産の中止を報告する文書中で「消費者の安全」を理由に挙げている。

昨日(米国時間10/10)、Samsungはキャリヤと販売店に対しNote 7の販売を停止するよう要請し、すでに販売された分については交換を受け付けることを発表している。Note 7の所有者は全額の返金ないし他のSamsungスマートフォンへの交換を受けることができる。また2回のリコールに対する「迷惑料」として25ドル分のギフト券を得られる。

最初のリコールは250万台前後のNote 7を対象として9月の上旬に行われた。同社はその後、Note 7の製造を一時中止していることを認めた。【略】

Galaxyブランドが傷付いたことを別にしてしても今回のバッテリーの発火、爆発によりSamsungが受けた打撃は軽くない。ReutersはNote 7の生産終了はSamsungに最大170億ドルの損害をもたらすとアナリストは推計していると報じた。

今日、Samsungの株価も8%下落した。2008年10月以來の大きな下落だ。同社の時価総額から190億ドルが消えたことになる

アップデート: SamsungはTechCrunchに対して以下の声明を送ってきた。

消費者の安全を考慮し、われわれはGalaxy Note7の販売と交換を中止し、これに伴って生産も中止することを決定した。

〔日本版〕上に引用されたツイートは「Samsungは次に生産するスマートフォンをなんと命名するだろう?」というジョーク。Galaxy Not FireやGalaxy Iceなどが提案されている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Samsung、事故続出のNote 7の生産を「調整中」と認める

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これはGalaxy Note 7の生産が停止されたという昨日のわれわれの報道をほぼ完全に認めたというに近い。今朝SamsungはTechCrunchに対して慎重に語句を選んで次のように述べた。

品質管理と安全性の確保をさらに推し進めるため、われわれはGalaxy Note7の生産スケジュールに一時的な調整を加えている。

Samsungは「停止(halt)」とか「一時中止(suspend)」という語句を使うことを避けているが、言っていることはわれわれが報じた内容とほぼ同じだ。この記事にはパーツのサプライヤーの幹部の証言内容も含まれている。この1月以上Samsungの新しいフラグシップ・デバイスは広報上の悪夢に覆われてきたが、ここにきて同社は対策のための大きな決定を行ったことを確認した。

この決定は対策部品に交換したはずのGalaxy Note 7に再び事故が起きたことを伝える多数の報道を受けて行われたものだ。乗客が持っていたGalaxy Noteから煙が出たためサウスウェスト航空のフライトはゲートに引き返して乗客を避難させる必要があった。いくつかのメディアはAT&T、T-Mobile、Verizonが問題のプロダクトの取扱を中止したというSamsungにとって大打撃となるニュースを伝えた。

その後Samsungはこれらキャリヤによるデバイスの取扱中止に関して声明を発表した、Samsungは取扱中止が事実であると認めると同時に事故件数が低くいものであるという印象を与える努力をしている。

Samsungは声明で次のように述べた。「われわれのパートナーであるキャリヤは損害が引き起こされたという報道を受けてGalaxy Note7の販売を中止し、交換を受け付けることにした。われわれはパートナーの決定を尊重する。われわれは当局、第三者の専門家と緊密に協力しており、調査が完了して明らかになった事実については公開していく。 記事の数は少ないとはいえ、われわれはどんな報道も真剣に受け取っていることを顧客に知ってもらいたい。もし製品に安全性に関する問題が存在するようであれば、SamsungはCPSC(消費者製品安全委員会)が認めた手順に従って直ちに問題の解決に当たる。」

アメリカの消費者製品安全委員会はこの問題を最初から注視しておろ、、先月中旬、公式にGalaxy Note 7のリコールを決定した(Samsung自身もこれに先立ってリコールを決めている)。同委員会は最近の事故調査にも深く関わっている。事故の発生場所は数州にまたがっているがまだリコールは宣言されていない。

続報があることは間違いない。

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Samsung、Galaxy Note 7交換品の発煙問題について声明を発表

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Samsung広報部門は、Galaxy Note 7の欠陥問題を巡る最近の報道を受け、被害を最小限の食い止めるべく対応を続けている。先週サウスウェスト航空機内で起きた事故は、以前機上で起きた問題を、いくつかの理由でさらに複雑化させている ― 以前の事故は幸いにして航空機がゲートにいる間に起きたものだった。

報道によると、問題の端末は事故発生時所有者のポケットの中にあり、客室乗務員の要請に従って電源が切られていた。さらに悪いことに、所有者によるとそのNote 7は、何十件もの欠陥報告を受けたSamsungがリコールを発行し、交換品として送った端末だった。

サウスウェストの緊急退避事故の後、本誌の質問に対してSamsungは次のように回答した:

端末が回収できるまで、この事象に新しいNote7が関わっているかどうかは確認できない。現在当局およびサウスウェストと協力して、端末の回収と原因の究明に努めている。調査結果がわかり次第、詳細な情報を伝える予定。

昨夜、広報担当者から追加の発表があり、広報的悪夢の中、その内容は以前よりも詳細だった。以下に全文を掲載する。

Samsungは、当社が提供したNote 7の交換品に関する最近の報道によって、当社のキャリアーおよび消費者が不安を感じていることを理解している。当社は引き続き、報告された件の調査を進めて原因を追及し、結果がわかり次第報告する。CPSC[消費者製品安全委員会]とは今後も密に連絡を取り続けていく。もし安全面の問題が発見された場合は、CPSCと協議の上直ちに対策を講じる。顧客に対しては、当社がいかなる報告も真摯に受け止めていることを伝えると共に、当社が全力で対応している間、辛抱いただいていることに深く感謝している」

この声明の前日、米国主要キャリアーの大半が、不安を抱えるGalaxy Note 7所有者に対して、他機種への交換に応じることを表明した。

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サウスウェスト機、Glaxy Note 7の発煙により乗客を退避

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サウスウェスト航空は、同社のルイビル発ボルチモア行きの便が、機内で端末から発煙したため、乗客を退避させ現在もゲートに停機中であることをTechCrunchに伝えた。「乗客および乗務員全員が客室扉から無事に降機した。乗客は他のサウスウェスト機に塔乗して最終目的地へ向かう予定」と広報担当者が説明した。

この事故による乗客の怪我はなかった。

航空会社は、「初期調査結果」によると問題の端末はSamsung製である可能性が高いと発表したが、機種名は特定しなかった。一方、端末の持ち主についてははるかに具体的であり、The Vergeは、機種がGalaxy Note 7であることだけでなく、以前同社が30件以上の障害報告を受けて顧客に発送したグリーンのバッテリーアイコンがついた交換ユニットであると報じている。

端末の所有者であるBrian Greenは、初期の問題が主に充電器に起因していたのとは異なり、端末は客室乗務員の指示に従い電源を切った状態だったと話した。またGreenによると、発煙が始まった時Galaxy Noteは本人のポケットに入っていた。それを同氏が床に落としたことで事態は悪化し、最終的に端末がカーペットを焼き穴をあけた。

GreenはNoteの箱を写真に撮り、バーコードの上に印刷された交換用モデルであることを示す黒い四角形を見せつけた。

このニュースは、同社の主要ファブレット機を巡って1ヵ月以上続く物語の最新事象にすぎない。同社は、塔乗の際は電源を切りケーブルを外すことを当該端末ユーザーに要求するよう、FAAから公式に警告を受けている。

アップデート:Samsungからの本件に関する回答は、予想通り曖昧な内容で、サウスウェスト社と検討しているとだけ説明している。以下に全文を掲載する。

端末が回収できるまで、この事象に新しいNote7が関わっているかどうかは確認できない。現在当局およびサウスウェストと協力して、端末の回収と原因の究明に努めている。調査結果がわかり次第、詳細な情報を伝える予定。

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Galaxy Note 7のリコール案を米消費者製品安全委員会が承認―代替品交換は9/21から

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大惨事となったGalaxy Note 7だが、そのリコール案がやっとアメリカの消費者製品安全委員会(CPSC=Consumer Product Safety Commission)から 正式に承認された。リコールされた製品と代替品の交換がスタートする日付も確定した。9月21日だ。

問題が報じられた当初CPSCは「われわれは正式なリコール案について作業を進めている」という短い声明を発表した。 しかしリコールの正式承認を待たずにユーザーは問題のデバイスの電源を落とすことが勧められた。今日(米国時間9/15)、CPSCはプレス・カンファレンスを開いてさらに詳しい説明を行った。委員長のElliot Kayeは「リコールの開始と同時に消費者に〔リコールの〕チャンスを活かすよう強く勧める」と述べた。

リコール通告の文言も同様に強い口調で「ただちにGalaxy Note7デバイスの使用を中止し、電源を切るよう消費者に求める」と述べている。その勧告に従うべきだろう。やりかけの仕事を続けたり、Instagramの写真を見たりしている場合ではない。すでに92件の爆発、過熱事故が起きており、26回の火傷と 55件の物損が報告されている。CPSCの勧告に従わなければ事故の件数が増えるばかりだ。

これはかなり長引いている問題だ。韓国に始まり世界に広がったNote 7の爆発、過熱に関してSamsungは当初個別に対応していた。Samsungは問題が「それほど深刻なものでない」という態度を取ったが、結局は全面リコールを実施する他なくなった。出荷されたNote 7は世界250万台(アメリカで100万台)存在するものと見られている。

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レビュー:Galaxy Note 7はベストのファブレット―スタイラスに加えて虹彩スキャン、大型バッテリーを追加

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Samsung Noteは当初ギャンブルだった。むやみサイズが大きい奇妙なガジェットという印象で、特にスタイラスはハードウェアキーボードといっしょに過去のものと考えられていた。しかしこの賭けは即座に大成功を収めた。Samsung Noteは最初の2年で5000万台が売れ、モバイルを代表する生産性ツールの一つなった。

NoteはSamsungのフラグシップモデルではない(それはGalaxy Sだろう)が、大型スマートフォンを代表するデバイスの一つであることは疑いない。5.3インチの画面をスマートフォンの世界に導入した立役者でもある。大画面スマートフォンが「ファブレット」と呼ばれるようになったのはSamsung Noteの成功が大きい。

その後の数世代のアップデートで画面サイズは(予想どおり)少しずつ大きくなった。最初は5.3インチ、次は5.5、そして今回 5.7インチだ。Noteはほぼ毎年かなり大がかりなハードウェアのアップデートを繰り返してきた。先月、世界の大きなイベントでお披露目された最新のNoteは、Galxy
Note 6を飛ばしていきなりNote 7となった。これはメインストリームのモデルGalaxy S7、S7 Edgeと画面サイズが異るだけで基本的に同一の7シリーズとして統一化しようというSamsungの努力を表すものだろう。

使用感は非常に良い。Noteのサイズ、Galaxy Sのデザイン言語、トップクラスのハードウェアが高いレベルで融合している。これにいくつかの新しい機能がセールスポイントとして追加された。Note 7は真に「誰にでもどんな目的にでも対応する」デバイスになったと思う。自画撮りをソーシャルメディアに投稿するカジュアル・ユーザーからシリアスなビジネス・ユースまであらゆる使い方が自信をもってカバーされている。

前世代と同じスクリーンのサイズにもかかわらず、筐体ははっきり分かるほど小さくなっている。

とはいえ、Note 7はやはり大画面でスタイラスが使えるGalaxyファミリーというのが本質だろう。今回の新製品にはテクノロジーとしてまったく新しい要素が導入されたわけではない。しかし実際の製品が発表される前の情報でも虹彩スキャンによるセキュリティーや大型バッテリー搭載の情報はわれわれを驚かすものだった。

あらゆる面で優れたNote 7だが、高機能は高コストを招くのはやむを得ない。800ドル以上とされる価格はおそらく万人向きとはいえないだろう。

まとめ

  • モニター:5.7インチ、2560 x 1440
  • メモリー:64GB(microSDで拡張可能)、4GB RAM
  • CPU:2.15GHz, 1.6GHz、クオドコア
  • 価格:キャリヤによって異る

メリット

  • カーブしたエッジ・ツー・エッジの画面は美しくデザインされている
  • バッテリーは大容量化された
  • 虹彩アンロッキングなどセキュリティーも強化

デメリット

  • 高価

美しいデザイン

Samsung Galaxy Note 7

Note 7の外観はシンプルで洗練されている。簡素な命名どおり、ファブレットのフォームファクターとGalaxyファミリーのデザインが融合している。今回のハードウェアのアップデートで目立つのはGalaxy Edge由来の側面まで回りこむカーブした画面の採用だ。これにともないサイドのベゼルは事実上姿を消した。これにより筐体をダウンサイジングしながら5.7インチの画面を搭載することに成功している。【略】

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デバイスの裏面は表面と同様にカーブしており、同様の素材、CorningのGorilla Glass 5が使われている。Samsungはこの1.6mの高さから落下させた場合80%の確率で耐えるとしているが、正直言って私自身そのテストをする勇気はなかった。小さな点だが裏面は指紋を磁石のように引き付ける。幸い私はセーム皮をいつも携帯しているので大きな問題にはならなかった。

筐体全体がカーブしているので側面はかなり狭いが、左側にボリューム、。右側に電源ボタンが配置されている。【略】

Samsung Galaxy Note 7

ただのスタイラスではない

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Note 7のセールスポイントは大画面に加えてSamsungがS Penと呼ぶスタイラスが装備されていることだ。 実際、Note発表の当初からSamsungは「これはスタイラスではない」と主張してきた。実際タッチ画面に反応させることしかできないプラスチック製のスタイラスと周辺機器であるS Penの機能は大きく異る。

S Penの新しい機能のひとつはデバイスを起動しなくても画面に書き込めることだ。 スタイラスを内蔵スロットから引き出してそのまま画面に文字やスケッチを書き始めることができる。黒バックに白い線がなので見やすい。バッテリーには負担となるが、この機能を利用するには設定からディスプレイのAlways On機能を有効にしておく必要がある。

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ソーシャルメディアへの投稿に熱心なユーザーははクイックGIF作成機能はキラーアプリかもしれない。使い方は簡単だ。ビデオを表示させ、望みの箇所まで早送りする。そこでS Penを取り出してボタンをクリックすると自動的に6秒のGIFファイルが作成され、標準の方法で共有できる。【略】

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S Penは本体と同様、防塵防滴仕様だ。

A/V club

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【略】

Guts and glory

Galaxy Note 7

【略】

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【略】

セキュリティー

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もちろん当初からSamsungのセキュリティーは昔のBlackBerryほど強固ではなかった。しかしモバイルをターゲットにするハッカーやマルウェアの横行が激しくなるにつれてSamsugも対処の必要を感じてきたようだ。ファイルのセキュリティーには従来どおりKnoxが使えるが、プライバシーの強化策として虹彩スキャナーが加わったのは特筆されるべきだろう。虹彩スキャナーは指紋スキャナー、パスワード、PINと並んでデバイスのアンロックに用いることができる。

大半のユーザーにとって虹彩スキャンは目新しい経験だろう。ロックスクリーンをタップするとデバイスはユーザーの両目を撮影する。データの照合に成功すると即座にスクリーンのロックが解除される。虹彩スキャナーの作動は非常に速いため、ビデオに撮影しようとしてわれわれはかなり苦労した。【略】

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問題は価格

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Note 7のレビューを締めくくるにあたって一つの重要な問題が残っている。発表イベントでもSamsungはこの問題に触れるのを嫌がる様子だった。実際の値段は国によって、またキャリヤによって変わる。しかしどこで買うにせよNote 7は高価なデバイスだ。

AT&Tの最安モデルは879ドル、契約は月額29.34ドルからだ。T-Mobileでは849ドルで頭金69ドル、月額32.50ドル/月だ。どのキャリヤを選ぶにせよ、高機能を得るにはそれなりのコストを負担しなければならない。

しかし高価ではあっても機能はそれに見合う。Note 7はNoteシリーズとGalaxy Sシリーズの最良の部分を合体させ、さらにいくつかの魅力的な機能が追加されている。虹彩スキャナーなどはいささか「やり過ぎ」の感もあるが、全体としてNote 7がすばらしい製品であることは間違いない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+