Appleはユーザーのすべての医療記録をHealthアプリに収めたい…協力医療機関とベータテスト中

Appleは、iOS 11.3における健康への新しい取り組みを発表した。すなわちHealthアプリのHealth Recordsという新しい部分に、ユーザーは自分の医療記録をすべて集めて見ることができる。そのために同社は、病院や診療所とパートナーする〔現在アメリカのみ〕。

AppleはiOS 11.3の最初のベータバージョンを今日(米国時間1/24)リリースした。そのベータテストは今後2か月にわたって行われるが、すべてのiPhoneユーザーが無料でダウンロードできるのも、もうすぐだ。

HealthアプリにはHealth Dataという部門があって、そのメニューの一つにHealth Recordsがある。このメニューの下に、CDA(Clinical Document Architecture)形式のファイルならどんなファイルでも収めることができる。そういうファイルを患者にメールで送ってくる病院もあるし、Webサイトから提供する病院もある。しかしAppleは、その送信〜受け入れの過程を自動化したい。

Johns Hopkins Medicine, Cedars-Sinai, Penn Medicineなどの病院はすでに、患者に対してこの機能をテスト中だ。Health Records(健康記録)のデータ形式やAPIは、FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources)と呼ばれる標準規格に基づいている。

つまりそれらの病院や診療所は、このデータを患者のスマートフォンに直接プッシュできる。ユーザーのiPhoneが新しい医療記録を受信したら、通知が来る。データはユーザーのスマートフォン上で暗号化されており、パスコードで保護されている。

スクリーンショットを見ると、それはとても詳細だ。自分のアレルギーや投薬歴、予防接種歴、検査結果などがすべて分かる。

コレステロールなどなどの問題で検査をたくさん受ける患者には、とても便利な機能だろう。新しい結果は、つねに最上部に表示される。

これを全米〜全世界のすべての病院や診療所に採用してもらうのはたいへんだが、ベータテストには以下の医療機関が参加している:

  • Johns Hopkins Medicine – Baltimore, Maryland
  • Cedars-Sinai – Los Angeles, California
  • Penn Medicine – Philadelphia, Pennsylvania
  • Geisinger Health System – Danville, Pennsylvania
  • UC San Diego Health – San Diego, California
  • UNC Health Care – Chapel Hill, North Carolina
  • Rush University Medical Center – Chicago, Illinois
  • Dignity Health – Arizona, California and Nevada
  • Ochsner Health System – Jefferson Parish, Louisiana
  • MedStar Health – Washington, D.C., Maryland and Virginia
  • OhioHealth – Columbus, Ohio
  • Cerner Healthe Clinic – Kansas City, Missouri

  [アレルギー ピーナッツアレルギー、投薬 サルブタモール、ワクチン インフルエンザ、検査結果 HDLコレステロール53.5mg/dL]

  1. iphone_x_apple_all_health_records_screen_01232018.jpg

  2. iphone_x_apple_health_records_screen_01232018.jpg

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Appleは睡眠追跡のBedditを買収、それでも製品とサイトは存続している

本誌TechCrunchが確認したところによると、Appleは睡眠追跡ハードウェアとソフトウェアの企業を買収した。この買収のニュースは、CNBCが最初に報じた

そのBedditのプライバシーポリシーのページで、同社も買収されたことを確認し、さらに、ユーザー情報は“Appleのプライバシーポリシーに従って収集、利用、そして開示される”、とある。

買収の条件は現時点では不明だが、今後いろいろ嗅ぎまわりたい。

Bedditが製品をAppleのストアで発売したのは2015年の後半だ。Appleのストアに並ぶ製品はアプリのアナリティクススイートの上出来の物理バージョンで、今どんな層に何が人気かを、Appleはじかに知ることができる。

フィンランドのBedditは2007年に創業され、これまでに約350万ドルの資金を得ている。最新製品のBeddit 3はセンサーを収めた薄い紐で(上図)、説明書によると、ユーザーはそれをベッドに敷いて睡眠関連のデータ…睡眠時間、睡眠効率、心拍、呼吸、体温、体の動き、いびき、室温、湿度…を測る。小売価格は150ドルで、今でもApple Storeのページで売られている。

たぶん、製品がAppleブランドになることはないだろう。むしろAppleが欲しいのは、睡眠の質を測る方法と技術だ。

現時点では、製品はあくまでもBedditの製品なので、Bedditのカスタマサービスのページが今後も残ると考えられる。現在の顧客は当分のあいだ、そのことをあてにできるだろう。ただしAppleが買収した企業を無限に放置することはないので、長期的な将来については分からない。でも、最近買収したWorkflowはアップデートして機能が増えたし、メンテナンスもしているけどね。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

このBluetooth体温計は、子作りに最適な時期を知らせてくれる

共に30代前半の専門職として働くAnna Mayer、Daniel Graf夫妻は、家族を作ろうと思った。しかし、それはふたりが想像していた以上に大変なことだった。山ほどの調査と専門家との相談と試行錯誤を経て、ふたりは自分たちの体験をITに応用しようと考え、受胎能力追跡アプリ、Ovatempが生まれた。Mayerが彼女のために作ったアプリに応用した手法から、今年元気な男の赤ちゃんも生まれた。

Ovatempは、排卵の始まりをモニターするデジタル体温計、ONDOを発売する。女性の受精周期は一ヵ月間の体温に基づいて計算できるという考えによる。この体温計はOvatempプラットフォームの上に構築することによって、手作業による基礎体温管理から当て推量をなくす。

使い方は、舌の下に体温計を置くだけ。体温情報はBluetooth経由でiPhoneに送られ、AppleのHealthKitに統合される。

Ovatempアプリは、Glowの受胎能力追跡アプリに似ている。ユーザーの女性は自分の周期、気分、栄養摂取その他の要因を記録する。どちらも、妊娠しようとする人たちを支援するためのコミュニティーを提供している。違うのは、Ovatempが伝統的漢方医学及びFAM(Fertility Awareness Method)に基づいているのに対して、Glowは特定の手法を挙げていない点だ。

「私たちが自然妊娠できたのはFAMのおかげだったので、OvatempとONDOは徹底してFAMの原理に基づいて開発した。デジタルツールを使うことによって、女性が簡単に情報を追跡して自然妊娠できるようにしたかった」とMayerは語った。

Ovatempのファウンダーたちは、ONDOはOvatempとGlowの両方をつなぐテクノロジーでもあると言っている。どちらも、自然な手法によって避妊または妊娠を助け、どちらもアプリ経由で基礎体温を追跡する。Ovatempによると、ONDOデジタル体温計は、Glowのプラットフォームとも統合して女性の排卵周期に関する追加情報を得ることができる。

ONDOは、Ovatempのウェブサイト、Amazon、およびWalgreensで今日から発売される。体温計は149ドル、アプリは無料だ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


AppleはHealthKitで人間の福利全般をプラットホームのアドバンテージにする気だ

AppleのHealthKitがiOS 8にやってくるが、このソフトウェアの現在のベータバージョンに関する報道の多くは、これを空の容器として描写している。この入れ物にいずれデベロッパが、ユーザの健康データを何らかのハブに結びつけたり、ほかのアプリから提供されるデータを利用したり、ユーザの医療健康ソフトウェアやフィットネスソフトウェアに情報を提供したりするためのフックを構築していく、というのだ。しかしAppleは、誰かが何かを構築することを待ってはいない。すでに楽屋裏で同社は、Mount SinaiやThe Cleveland Clinic、Johns Hopkins(大学病院)などの大病院や、EHRプロバイダのAllscriptsなどとの話し合いを開始している、とReutersの最新の記事は報じている。

AppleはこのプラットホームのパートナーとしてこれまでにもMayo ClinicやEHRソフトウェアのメーカーEpicを発表している。しかしAppleが上位のヘルスケアプロバイダたちとの協議を、それよりもさらに拡大している現状は、AppleがHealthKitの内容についてきわめて真剣であることを物語っている。’NikeFuel’などのフィットネスデータでその空の容器を満たしても、人間の健康にそれほど本格的に貢献するわけではないからだ。

Appleが本格的な医療機関や研究機関をパートナーにしたがっていることは、大きな課題を同社にもたらすだろう。医師をはじめ、これらの専門機関の職員たちの多くがすでにiPadのユーザだが、今後iPadがますます、本格的な医療情報デバイスになってくれば、政府の規制という名の傘の下に入らなければならないし、また顧客や患者のデータを保護するための安全ネットも要求される。たとえばAppleのHealthKitが本物の医療記録を保存し、ほかのアプリに提供するようになれば、当然、HIPAAへのコンプライアンスが必要になる。

スタートアップたちが保健医療関連のソフトウェアやサービスでイノベーションを実現しにくいのも、こういったハードルがあるからだ。議会への影響力も強く、1600億ドルのキャッシュをはじめとしてリソースにも恵まれているAppleが、どこまでのイノベーションを実現できるだろうか。

そもそもHealthKitは、保健医療関連の規制に触れる部分を今および今後あちこちに分散させたくない、一箇所に閉じ込めたい、という動機から設計された。その初期にAppleがFDAと協議したのも、HealthKitに政府方面から要求されるであろう要件について、打診するためだった。

HealthKitが本格的な医療目的に役立つようになるためには、今後の時間と投資が必要だが、そうなったときにAppleが獲得する利益は巨大だ。Googleなどの競合他社がせいぜいフィットネスのハブのような機能(Google Fit)を提供している中で、Appleはユーザに、そんなささいなものではない、生涯の本格的な福利(wellbeing)のためのデバイスとシステムを提供できることになる。そうなるともう、カメラが良いとか、画面が大きいとかの、従来までの競合要因は、どうでもよいものになってしまうのだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Fitness関連アプリケーションの利用率は、他ジャンルを87%上回る速度で成長中

最近リリースされたFlurry Analyticsのレポートによると、2014年になって、健康およびフィットネス分野のアプリケーションが他ジャンルのものと比べて急速に伸びているのだそうだ。調査は6,800のiPhoneおよびiPadアプリケーションを通じて行われた。その調査によると、全体の利用率の伸びが33%であるのに対し、健康およびフィットネス分野のものは62%の伸びを示しているのだそうだ(セッション数比較)。成長速度が、他ジャンルのアプリケーションに比べて87%上回る計算になる。

AppleおよびGoogleも、フィットネス系アプリケーションとウェアラブルを連携させるエコシステムの拡大を目指している。HealthKitGoogle Fitを通じて、ウェアラブルデバイスのデータは簡単にシェアできるようになり、さらにそのデータを加工するアプリケーションなどが作りやすくなる方向性がある。

今年の後半になれば、そうしたプラットフォームを活用したプロダクトが登場することとなり、さらに関連アプリケーションの開発が進むことになるだろうと思われる。但しAppleはiOS 8で利用可能となるHealthKitおよびHealthの登場を待つだけでなく、最新の広告では、既に利用可能な健康管理ないしフィットネス関連のアプリケーションを紹介している。

Flurryのレポートでは、健康およびフィットネス分野アプリケーションの利用者につき、さらに詳細な分析を試みている。それによると中年女性が主要なターゲットであると言えそうで、全体の平均よりも3倍の頻度でこの分野のアプリケーションを利用していることがわかる。主要利用者層のうち62%が女性で、とくに25歳から54歳の層が平均より多く利用している。

原文へ

(翻訳:Maeda, H


Apple CEO、ティム・クックはiWatchの細部に興味がない(NYT紙)

Apple CEO Tim Cookは、今日(米国時間6/15)のNew York Timesにその人物像が取り上げられ、彼の経営者として、および人権・環境問題への取り組みに関する背景が詳しく紹介された。しかし、そこにはさらに、噂されるiWatchプロジェクトに関する情報も載せられている。どうやって作られているのか、いつ販売されるのか。

Cookは、前CEO、スティーブ・ジョブズと比べと、製品開発に直接口を出さないと言われている。ジョブズは、新デバイスのごく些細な部分にさえ狂気じみた関心を示したことで知られている。iWatchについて、NYTの情報源は、Cookは製品開発の細部に関する責任を、他の幹部、例えばデザイン責任者のJony Ive等に委譲することを好むと言う。

そしてCookは、心拍等の重要な生命信号の監視能力や、どうやってそれが、医療を情報に基づいた効果的なものにするのに役立つか等、iWatchの「巨視的意味あい」に集中していると言われている。これを踏まえれば、HealthおよびHealthKitが、消費者にiWatchが届けるものの中で重要な部分を占めると予測することは理にかなっている。

Apple自身はその開発の事実さえ認めていないが、来たるべきiWatchに関する最新情報が記事に書かれている ― NYTの情報源によると、第4四半期中に発売されるらしい。これは、9月に新しいiPhoneハードウェアと共に発売されるとする予想や、日本のビジネス紙、日経による10月単独発売説などの過去の噂とも符合する。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


曲面OLEDディスプレイを搭載し、健康情報管理などに利用できるApple製iWatchは10月に登場(日経記事より)

Appleは今年もWorldwide Developers Conferenceにて、いろいろな情報を提供してくれた。ただiWatchに関しての情報は出てこなかったようだ。しかし日本の新聞社である日経からの情報によれば、iWatchは10月リリースにむけて着々と準備を行っている最中なのだそうだ。曲面OLEDディスプレイを搭載して、OSにはiOS 8を採用していると、日経はレポートしている。

これまでにもiWatchに関する情報は流れてきていた。iWatchは着信履歴やメッセージの通知を行うのみならず、睡眠時の心拍数や、また消費カロリー、あるいは血中糖度および血中酸素濃度などを利用者に通知するようになっているとのことだった。さらに、NikeがFuelBand部門のレイオフを行っているとの情報が流れて以来、これはAppleとNikeが協業していることによるものだという噂があった。日経の報道はこの点についても肯定的な情報を流している。

これまでに流れた噂を肯定するだけの記事のようでもあるが、リリース日を予測している点で新たな情報であるということができよう。曰く、新型iPhoneと同時に、10月にリリースされるというのだ。いつか登場するはずだという話は何度も出てきていたが、これまでで最も限定的な期日を予測した記事であるといえるだろう。ちなみに日経は以前にも公式アナウンス以前にリリースデートを正確に言い当てたことがある。

WWDCではHealthおよびHealthKitがアナウンスされた。健康およびフィットネス管理を行うためのプラットフォームとなるものだ。HealthKitを通じて、Healthで収集した各種データを活用するプログラムを作成できるようになっている。健康/フィットネス関連の情報を統一的に扱う仕組みが用意されたのだ。またAppleの提供したアプリケーションだけでも、各種健康関連の情報を入手することができ、また必要なときに医療関係者などに示すための情報を集約することができるようになっている。

そうした情報を一括で管理して活用するために、Apple発のウェアラブルが出てくるという「噂」が、そろそろ現実化しそうだという話なわけだ。

原文へ

(翻訳:Maeda, H