HMDが7万円台のノキアブランド5Gスマホと150時間駆動のワイヤレスイヤフォンを米国で発表

フィンランド拠点の携帯電話会社であるHMD Globalは過去4年間あまりで、Nokia(ノキア)ブランドの携帯電話で自分自身のための素敵な小さなニッチ市場を切り開いてきた。過密な市場で足場を築くために、ユーザーの認知度が高いレガシーブランドを利用する手法は、うまくいっているようだ。

価格も同社の魅力のカギで、初の5G対応スマートフォン「Nokia 8.5 5G」の登場でそれがより鮮明になった。価格は699ドル(約7万4000円)で、米国では9月23日より予約受付が開始される。同社の基準からすると安くはないが、競争力のある価格の5G携帯電話の1つであることは間違いない。

同社の端末は、次のジェームス・ボンド映画「007/NO TIME TO DIE」に登場することも決まっている。640万画素のレンズとマクロを含む4つの背面カメラを備えるなど、スペック的には最近のスマートフォンでは人気が高まっている方向性だ。 画面は6.81インチと大画面で心臓部はQualcomm(クアルコム)のミッドレンジSoCのSnapdragon 765 Gを採用する。

本日の発表でノキアは、完全にワイヤレスイヤフォン「PowerEarbud」を米国で発表した。具体的な発売時期は明らかにされていないものの、価格は99ドル(約1万円)と安価だ。最近のワイヤレスイヤフォン市場、特にローエンドの市場では激しい競争が起きているが、PowerEarbudはデザインと巨大な充電ケースによる150時間という途方もないバッテリー寿命のおかげで、価格に対してかなり高評価を得ている。

画像クレジット:HMD

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Nokia 3310フィーチャーフォンがMWCの話題をさらった理由

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Mobile World Congressが開幕したが、話題をさらったの基本的に17年前のテクノロジーのデバイスの復活だった。Snakeヘビゲーム〕がプレイできるキャンディーバーのような形をしたフィーチャーフォンだ。BlackBerry自身もノスタルジックなKeyOneスマートフォンを発表してモバイル業界の現状に挑戦している。

一見すると奇妙だ。フィーチャーフォンはこれまで本当の意味で「消えた」ことはない。スティーブ・ジョブズがiPhoneを発表したとたんにフィーチャーフォンが全滅したというようなことはない。安いフィーチャーフォンは今でも買える。そうではあっても、今年のMWCではLGが社運を賭けているらしいG6を始め、どのスマートフォンのフラグシップモデルよりもHMDのNokia 3310の方が興奮させる製品だ。

いろいろな意味でLG G6は皮肉な製品となった。同社はプレスカンファレンスでモバイル・デバイスのイノベーションはスペックにあるのではなく使い勝手にあると述べた。しかしG6は新しいアスペクト比と高機能を有し、スペックとしても強力なモデルの一つだったが―もちろんLGは正しい。スマートフォン戦争はあまりにもスペック競走に走り過ぎた。

iPhoneが登場してから10年が過ぎ、モバイル業界は一変した。専門家、一般消費者ともにディスプレイの解像度やピクセル数が改良されるスペック戦争にうんざりし始めたところだ。もちろこうした改良を続けるためにメーカーは10年間苦闘してきたわけだが、その結果がテクノロジーとしていちばん古くさいはずのフィーチャーフォンに新鮮さを感じるようになったとは面白い現象だ。

「スマートフォン疲れ」とでもいうのだろうか? 毎年のアップデートにおける小出しのスペックの改良、各社「右へならえ」のデザインに皆が飽き飽きしてきたということなのだろう。フィーチャーフォンはアメリカならもうすぐ投票権を得られるほどの年齢だが、堅実な製品として復活すれば巨大メーカーのスマートフォンの発表会を日陰に追いやるほどのインパクトがあった。

スマートフォンのユーザーの間にはシンプルなテクノロジーに戻ろうとするノスタルジックなトレンドがあり、Nokia 3310はその最初の例だったのだろう。音楽業界ではこの数年、デジタル音楽に対してレコード盤が復活を遂げているのに似ている。3310への興味はマイナーな改良をいかにも大変なブレークスルーのようにはやしたてるスマートフォン・ビジネスに対する反感の現れだろう。

Nokia 3310が発表した奇妙なデバイスがデモしているヘビゲームは暗示的だ。右に左に激しく動いて巨大化してきたものの最後には自分の尻尾を食いちぎり、スマートフォンのアップグレード競走には一時停止がかかってしまうのかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google、アイトラッキング技術を開発するEyefluenceを買収

人々が何を見ているかまでGoogleは知りたい。

本日、EyefluenceはGoogleに買収されたことを発表した。2013年に創業したアイトラッキングによるインターフェイスを開発するEyefluenceはIntel Capital、Jazz Venture Partners、Motorola Solutions Venture Capital、NHN Investmentから2160万ドルを調達している。買収額などの詳細は公開されていない。

Eyefluenceは、 ブログ記事で静かに買収について発表した。Mattermarkが最初に報じている。

EyefluenceのチームはGoogleに参加することになりました。本日、このことをお伝えできて嬉しく思います。私たちが力を合わせることで、目線によるインタラクション技術を高め、人々の潜在能力と共感する力をさらに大きく発展させることが可能になります。現状を大きく変えるイノベーションに共に取り組めることを嬉しく思います。

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Googleは仮想現実プラットフォームDaydreamとDaydream Viewヘッドセットを来月ローンチする予定で、同社の次世代型ヘッドセットへの注目が集まっている。

アイトラッキングは、仮想現実ヘッドセットの未来を作るとても重要なテクノロジーだ。この分野のSMIやTobiiといった競合他社はインターフェイス上でユーザーの意図を示す方法として目線を取り入れる開発を進めてきたが、Eyefluenceはメニューの操作や選択を完全に目のジェスチャーだけで行う技術を開発してきた。

Eyefluenceの技術で、仮想現実用ヘッドマウントディスプレイや拡張現実用の眼鏡を装着するユーザーは、目線をマウスの代わりにして、目の動きだけで項目を選択できるようになる。またアイトラッキングは、画像密度の高いディスプレイにおいてユーザーの焦点が合っている場所に基づき、低解像度で表示する領域を決めるFoveated Rendering(中心窩適応レンダリング)といった技術的なユースケースでも用いられる。

この分野の競合にはFoveがいる。Foveのアイトラッキングセンサーを搭載したVRヘッドセットは来月初旬から事前注文を受け付ける予定だ。

近くでEyefluenceの卓越した技術を見た人なら、今回の買収にはあまり驚かなかったかもしれない。私は先月のDisrupt SFで、EyefluenceのCEOであるJim Marrgraffに人とコンピューターのインタラクションの未来について話を聞いた。その時の様子がこちらだ。彼は大胆なアイディアを話していた。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

Fove、視線追跡VRヘッドセットの最新デザインを発表

Foveは、企業ブログのお知らせで、視線追跡VRヘッドセットの最新設計を公開した。Disrupt SF Battlefield 2014出身の同社は、2016年秋にこのヘッドセットをKickstarterの出資者宛に発送予定だとしている。

今回のヘッドセットは、Kickstarter用の弱々しげなプロトタイプから大幅に変化しているが、これはヘッドセットの重量を削減しながら丈夫さを改善しようとする努力によって成し遂げられたものである。同社はさらに、デザインを控えめにすることで生産効率が高まるとしている。

OculusやHTCと競合する高品質なHMDを製造しようとする小規模なスタートアップにとって、生産過程というのは難しい部分である。部品調達段階での遅れにより、同社は予定配達時期を2016年春から2016年秋へと延期せざるを得なかった。おそらく、より重大なのは、 Foveが独自システムを採用するために、HTC Viveの位置追跡機能をサポートするValveのLighthouseシステムとの統合を行わないと発表したことだろう。

FOVEのヘッドセットの旧デザイン

FOVEのヘッドセットの旧デザイン

このヘッドセットがほかのフェイスコンピュータと異なるのは、これがユーザーの視線をモニタリングする視線追跡センサを機体に直接統合した初のVRヘッドセットであるということだ。この技術により、ユーザーがインターフェイスを操作する方法を改善できるほか、ゲームのプレイ感やヘッドセットによるコミュニケーションをも変化させる可能性がある。

将来的には、ディスプレイが被写界深度のシミュレーションを行い、ユーザーの視線の中央部分にのみ最高解像度の画像を表示し続ける技術である中心窩適応レンダリングという方法によって、視線追跡によって信じられないほど高解像度のヘッドセットの性能が向上することになるだろう。

視線追跡は、多くの業界人によって次世代のハイエンドヘッドセットの主要な機能になると考えられている。したがって、Foveがこの特別な機能を持った唯一のVRプレイヤーである期間はそれほど長くはないかもしれない。視線追跡技術の老舗であるSMIは、すでにHTC Vive向けの視線追跡開発キットを公開しているし、ほかにもTobiiやEyefluenceなどの視線追跡関連企業が次世代デバイスの開発に関してVRヘッドセットメーカーとの提携を発表している。

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(翻訳:Nakabayashi)

「ソニーはこの秋PS4向けVRを発売」とGameStop CEOーライバルの脅威に

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HTC ViveとOculus Riftの市販開始が迫っており、ヘッドマウントディスプレイ(HMD〕による仮想現実〔VR〕のファンは最後に残ったメジャー企業の動向に熱い視線を注いでる。つまりPlaystation VRのことだ。

昨日(米国時間1/15)、Fox Businessのホスト、Maria BartiromoがGamestop CEO、Paul Rainesをインタビューした。この中で噂のPlayStation VRに関連して、Rainesは「われわれはこの秋にソニーのプロダクトの販売を開始する」と述べた。またOculusとHTCのヘッドセットの販売も「話し合われている」ということだ。

この発言でPSVRがこの秋に出ることは間違いないことになったが、市販開始と同時にGameStopからPSVRが購入できるようになるのか、もっと早く買える別のルートがあるのかは依然として不明だ。

以前、Project Morpheusという名前で開発されていたPSVRは既存のゲーム専用機PS4上でVRが作動するという点で、ゲームVRの世界においてユニークなアプローチだ。PS4にはPlaystation Moveコントローラーなどの周辺機器を含めて、すでに大きなシェアを確立した強力なエコシステムが存在し、PSVRはライバルに対する大きな脅威と考えられている。OculusとHTCはパソコンをベースとした製品だ。そのためメーカーは消費者にヘッドセットが作動する高価なパソコンを同時に購入させようと努力中だ。これに対してPS4はすでに3600万台も売れており、消費者はPSVRヘッドセットを買うだけで仮想現実が楽しめる。

ヘッドセットの価格については情報がないが、昨年9月、ソニーの幹部、Andrew HouseはBloombergのインタビューで「「新しいゲーム・プラットフォーム〔として適切な〕価格になる」と述べている。

この情報が正しいなら、ソニーにはOculus Rift(3月)とHTC Vive(おそらく4月)の出荷後に、消費者の反応を観察してから価格を決めるのに十分な余裕があることとになる。ソニーは最近、VRヘッドセットの出荷時期を2016年の前半と示唆していた。

〔日本版〕Gamstopはアメリカの大手ゲーム販売店。Wikipediaによると世界最大のゲームショップ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

視線追跡機能付きVRのFOVEがKickstarterキャンペーンを開始

FOVE」(フォーブ)はOculus VRのようなヘッドマウントディスプレイ(HMD)に視線追跡機能を付加したものを開発している日本発のスタートアップだ。今回のKickstarterキャンペーンに伴い FOVEについてアップデートしておこう。

fove FOVEは仮想現実(virtual reality, VR)の第3世代といわれている。第1世代はユーザーを受動的な仮想空間へと導いた。 第2世代はハンドセットとモーションセンサーを使ってユーザー側から仮想空間側への単方向の制御を可能にした。第3世代は視線追跡機能を使ってユーザー側と仮想空間側の双方向の制御が可能となった。従来のOculus Riftなどのヘッドマウントディスプレイで3次元空間内を見るとき、奥行きがわからないという問題があった。例えば、ヘッドマウントディスプレイで3次元ゲームをするときにマウスで位置をポインティングする場合、マウスは元来2次元平面上の位置をポインティングするためのデバイスなので3次元の奥行きを ポインティングするときには困るわけだ。手前の物体を選択するのか、奥の物体を選択するのかに困る。 FOVEは視線追跡機能でこれを可能にしたヘッドマウントディスプレイである。ロンドンのMicrosoft Ventures Londonアクセラレータープログラムに採択されたり、3次元ゲームや医療での利用について熱い視線を受けている。

fove3エンジェル投資家と東京大学の産学連携施設「Intellectual Backyard」からプロトタイプが作れる程度の数千万円の資金を調達して開発を進めていたが、今回5月19日から25万ドルの資金調達を目指して349ドルの予約販売価格にてKickstarterで募集を開始する。

 

小島由香CEO・共同創業者は「我々の視線追跡機能は非常に繊細なユーザーの視線を読み取ることが可能で、それを仮想空間でのユーザーの意図や感情としてうまく変換することができる。この追加認識により、仮想空間内のオブジェクトを制御するだけでなく、人間と仮想空間とのコネクションをよりリアルなものにすることができ、多くのオーディエンスに資する一つの継目のない体験に仕上げることができた」とコメントしている。

ロックラン・ウィルソンCTO・共同創業者は「我々は視線追跡機能、方向センシング、ヘッドポジショントラッキングを最先端のディスプレイに融合することができた。ゲームの他にも我々は学校や研究機関と連携し、アイプレイ(目によるピアノ演奏をする)プロジェクトで身体障害者でもピアノを弾くことを可能にした」とコメントしている。

fove2FOVEは2015年Q3に開発者向けキットを出荷する予定。 FOVEプラットフォームはUnity、 Unreal、 Cryengineとコンパチブルとなっている。開発者が既存のコンテンツに難なくFOVEエコシステムを導入でき、また安定したサポートを提供する。Kickstarterキャンペーンに伴い、 FOVEはVRコンテンツのホスティングサイト「Wear VR」とのパートナーシップも同時にアナウンスしている。 FOVEユーザーは、Wear VRのVR app storeにアクセスが可能となる。

日本発スタートアップであり、視線追跡機能をヘッドマウントディスプレイに付加した FOVEがOculus VRのつくり上げた市場にどこまで食い込めるか注目しよう。

Hiroki Takeuchi / POYNTER CEO Ph.D