AppleのApp Storeではアプリ内購入をギフトにできるようになる

今週見つかったApp Store Review Guidelinesによると、近い将来、iOSのユーザーはアプリだけでなくアプリ内購入をギフトにできるようだ。デベロッパーはこれからのアプリに、ユーザーが仮想グッズや、あるいはサブスクリプションさえもそのアプリから買って、それをほかの人へのギフトにできるツールを作りこむだろう。

ガイドラインの変わった部分を水曜日(米国時間12/19)に最初に発見したのは、MacRumorsだ。そこには、変更前と後の文言が引用されている:

前: “アプリはアプリ内購入のコンテンツや機能、消費されるアイテムなどを直接にも間接にもほかの人たちへギフトできるようにしてはならない。”

後: “アプリはアプリ内購入の対象となるアイテムをほかの人たちへのギフトにできるようにしてもよい。そのようなギフトの返金は最初の購入者に対してのみ行われ、他のアイテムと交換することはできない。”

デベロッパーから見ると、知りたいのはこの変更がどう実装されるのか、だ。デベロッパーがどう対応すべきか、その詳しい情報はいずれAppleがデベロッパーコミュニティと共有するだろう。

アプリの収益化の方法が近年、有料アプリからアプリ内購入や、より最近ではサブスクリプションへ大きくシフトしているから、この方針変更は理にかなっている。

ゲーマーたちは、アプリ内通貨やそのほかの仮想グッズを、ギフトとして受け取りたいだろう。一方サブスクリプションはとても人気があるから、iOSとAndroidの両方で来年は収益に大きく貢献するだろう。両者を合わせると、アプリストア(iOS+Android)における2019年の消費者支出は1220億ドルを超える、とApp Annieは予想している。

しかしながら、一部のアプリはサブスクリプションという仕組みを悪用して、無料アプリがあるのにそれを使いづらくしたり、無料の試用版が数日後には勝手に有料アカウントになってる、などの被害が報告されている。サブスクリプションのアプリ内ギフト化を広めるためには、悪者たちに対するAppleの適切な対応が必要だ。

画像クレジット: TechCrunch

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AppleがFTCと示談へ: 親が承認しなかった子どものアプリ内購入は全額返金, 親への事前説明を義務付け

Appleは、iOSアプリケーションのアプリ内購入システムをめぐる事案に関し、FTCとの和解(示談)に達した。Tim Cookが社員に送った書簡を9to5Macが入手して公開したが、その中で経緯が説明されている。FTCも今朝、某大手テクノロジ企業との和解について声名を発表しているが、CNBCも入手したCookの書簡の方が合意の性質についてより詳細に説明している。

書簡の全文を下に引用するが、Tim Cookの説明によると、Appleから見るとFTCの申し立て(告訴内容)は、憲法が禁じている同一の訴件に対する二重の提訴*に該当する。なぜならアプリ内購入の問題は、Appleが全額返金に合意したこの前の一般市民からの訴件と同一だからである。そのときは複数の親たちが、子どもたちが行ったアプリ内購入の返金を求めていた。しかし同社は、FTCとの係争をこれ以上続けることは、あまりにも長期にわたりすぎるし、業務に支障を来すと判断した。また彼によると、AppleへのFTCの要求は、Apple自身が最初から考えていたことを、何一つ上回るものではない。〔*: double jeopardy, 二重の危険。〕

今回のFTCとの合意によると、親に無断で子どもたちがアプリ内購入で支払った額の弁済としてAppleは、少なくとも3250万ドルを払うことになる。WSJはそう報じている

さらにFTCはAppleに対して、App Storeの“15分の窓”(それを過ぎたらパスワード不要で子どもが好き放題できる)について事前に親に伝えることを求めている。ということは、これからは同社のすべてのソフトウェアが冒頭でこのルールを説明しなければならないことになる。〔親が最初にパスワードを入力してから15分以内に、アカウント保有者である親がアプリ内購入禁止などのオプトアウトを指定しなかったら、その後、子どもたちが際限もなく大金を費消することもありえる。〕

FTCがその記者会見で説明したところによると、今後Appleは率先して、アプリ内購入のあるすべてのアプリに、警告の実装を義務付ける。それは、告訴が対象としている子ども向けアプリに限定されない。文字通り、‘すべての’アプリだ。

そのほかAppleは、親の承認なく子どもが被った課金を不服としているかもしれない親に、返金の求め方を説明したメールを送らなければならない。つまり、自分の子がSmurfberriesで20万ドル使ってしまった親は、これから毎日、メールの着信に注意した方がよいね。

この和解内容に関する広聴期間は2月14日までだ。それまでに送られてきた一般からの意見も勘案してFTCは、Appleに対する最終命令書を策定する。それには、上記のような要求が含まれることになる。なお、15分の窓に関する注意書きは、iOSのソフトウェアに今年の3月までに現れなければならない。

以下が、Tim Cookから全社員宛の書簡の全文だ:
[以下、英文ママ]

Team,

I want to let you know that Apple has entered into a consent decree with the U.S. Federal Trade Commission. We have been negotiating with the FTC for several months over disclosures about the in-app purchase feature of the App Store, because younger customers have sometimes been able to make purchases without their parents’ consent. I know this announcement will come as a surprise to many of you since Apple has led the industry by making the App Store a safe place for customers of all ages.

From the very beginning, protecting children has been a top priority for the App Store team and everyone at Apple. The store is thoughtfully curated, and we hold app developers to Apple’s own high standards of security, privacy, usefulness and decency, among others. The parental controls in iOS are strong, intuitive and customizable, and we’ve continued to add ways for parents to protect their children. These controls go far beyond the features of other mobile device and OS makers, most of whom don’t even review the apps they sell to children.

When we introduced in-app purchases in 2009, we proactively offered parents a way to disable the function with a single switch. When in-app purchases were enabled and a password was entered to download an app, the App Store allowed purchases for 15 minutes without requiring a password. The 15-minute window had been there since the launch of the App Store in 2008 and was aimed at making the App Store easy to use, but some younger customers discovered that it also allowed them to make in-app purchases without a parent’s approval.

We heard from some customers with children that it was too easy to make in-app purchases, so we moved quickly to make improvements. We even created additional steps in the purchasing process, because these steps are so helpful to parents.

Last year, we set out to refund any in-app purchase which may have been made without a parent’s permission. We wanted to reach every customer who might have been affected, so we sent emails to 28 million App Store customers – anyone who had made an in-app purchase in a game designed for kids. When some emails bounced, we mailed the parents postcards. In all, we received 37,000 claims and we will be reimbursing each one as promised.

A federal judge agreed with our actions as a full settlement and we felt we had made things right for everyone. Then, the FTC got involved and we faced the prospect of a second lawsuit over the very same issue.

It doesn’t feel right for the FTC to sue over a case that had already been settled. To us, it smacked of double jeopardy. However, the consent decree the FTC proposed does not require us to do anything we weren’t already going to do, so we decided to accept it rather than take on a long and distracting legal fight.

The App Store is one of Apple’s most important innovations, and it’s wildly popular with our customers around the world because they know they can trust Apple. You and your coworkers have helped Apple earn that trust, which we value and respect above all else.

Apple is a company full of disruptive ideas and innovative people, who are also committed to upholding the highest moral, legal and ethical standards in everything we do. As I’ve said before, we believe technology can serve humankind’s deepest values and highest aspirations. As Apple continues to grow, there will inevitably be scrutiny and criticism along our journey. We don’t shy away from these kinds of questions, because we are confident in the integrity of our company and our coworkers.

Thank you for the hard work you do to delight our customers, and for showing them at every turn that Apple is worthy of their trust.

Tim

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


アプリ内購入による売上が過去最高に。米国iPhoneアプリ売上の76%、アジアでは90%

今やモバイルアプリの多くがアプリ内購入で収益を上げていることはよく知られているが、今日(米国時間3/28)発表されたレポートは、この収益メカニズムがいかに強力になってきたかを見せつけている。2012年1月時点で、米国iPhone App Storeの売上に占めるアプリ内購入は約半分(53%)だったが、先月にはこれが過去最高の76%まで増えている。

しかしながらこの数字は地域によって異なる。例えばドイツでは、2月のアプリ内購入の割合は61%と低い。一方、アジア市場の数字は爆発的だ。香港、日本、中国、および韓国では、全アプリ売上の90%以上がアプリ内購入によるものだ。

これらの結果はDistimoによるApp Store分析の最新レポートが示しているもので、今月は特に詳細な分析がなされている。同レポートは特に米国におけるトレンドを調べ、iPhoneのアプリ内購入を利用しているアプリ販売社のビジネスモデルに注目した。

当然ながら、Distimoの調査によると、米国では大半(71%)のアプリが「フリーミアム」アプリで、アプリ自体は無料だがiPhoneにインストールされた後、バーチャルグッズ、特別なレベル、サービス、アップグレードなどを有料で提供する。5%はアプリ内購入を利用している有料アプリで、残り24%がアプリ購入を伴わない純粋な有料アプリだった。

現在80万本以上のiOSアプリがひしめくApp Storeで、デベロッパーは自分のアプリを見つけもらうことが益々困難になりつつあり、インストールされるとなるとなおさらだ。アプリ自身に値札を付けることが、今や物見高い気軽なユーザーにとって障壁となっている。AppleのApp Storeには「お試し」のしくみがないことも一因だ。AndroidのマーケットプレイスであるGoogle Playには簡単に返品するしくみやコンテンツのトライアル購読がある。時として(子供向けアプリでは間違いなく)適切な告知をせず、不誠実さらには詐欺的だとまで言われながらも、稀少なホーム画面の場所を争うデベロッパーたちはこのビジネスモデルの採用を余儀なくされている。

かくしてアプリ内購入(IAP)ベースのフリーミアムアプリの増加傾向は依然として続いている。上に書いたように、わずか1年前と比べてもこの方法で収益を上げているアプリが急増している。2013年2月のトップ10売上スアプリは、2012年1月以降にリリースされたものでその〈全部〉がフリーミアムアプリだ。

Distimoは先月、トップセールスアプリのトップ250も調査しており、ARPD(1ダウロード当たり平均売上)として知られているApp Storeでの指標を求めるためにダウンロード数と売上を推定した。こうして得られたARPDを見ると、どのパブリッシャーもこのビジネスモデルに引き寄せられてはいるが、ダウンロード当たりの実績には大きな開きがあることがわかった。トップ10のARPDは、最低が0.37ドル、最高は7.04ドルだった。

どのビジネスモデルが全体としてうまくいっているかを確かめるべく、Distimoはトップセールスアプリのベスト250を調べた。内170本が無料+IAP、53本が有料+IAP、27本が有料のみだった。(ビジネスモデルを変更したアプリは分析から除外した。広告収益も含めていない)。全iPhoneアプリの平均ARPDは0.99ドルだった。

全有料アプリの平均ARPDは2.25ドル、無料アプリでは0.93ドルだった。IAPを利用している有料アプリのARPDは2.45ドルだった。

上記はiPhone App Storeに絞ったものだが、DistimoはiPadアプリも分析しており似た傾向が見られた。ただし平均販売価格は高めだ。2013年2月のストア全体の平均価格は、4.45ドル、一方iPhoneは3.19ドルだった。

IAPなし有料アプリのARPDは4.04ドルで、iPhoneのほぼ2倍。IAP付き有料アプリでは3.72ドルだった。フリーミアムアプリは2.26ドルで、これもiPhoneより高い。

全体では、有料アプリにおける1ダウンロード当たり平均アプリ内購入売上は、iPhoneで0.98ドル、iPadで1.26とDistimoは言っている。

同レポートは米国以外にも目を向け特に日本のARPDが高いことを指摘している。同国のトップ10セールスアプリのARPDは12ドル以上だ。Distimoは、「パズル&ドラゴンズ」をこのゲームにデータが引っぱられることを防ぐために分析から外しているが、もし含めていればARPDはさらに高くなっていた。

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(翻訳:Nob Takahashi)