InstagramリールにTikTokのようなテキスト読み上げとボイスエフェクト機能を追加

Instagram(インスタグラム)は米国時間11月10日、Reels(リール)内に「Text-to-speech(テキスト読み上げ)」と「Voice effects(ボイスエフェクト)」という2つの機能を追加した。これらの機能は、TikTok(ティックトック)ではすでに人気の機能だが、クリエイターはInstagramでも使用できるようになる。Instagramでは、クリエイターにインセンティブを与えるために巨額のリールボーナスを提供しているので、短編動画に関して、TikTokに追いつこうとするInstagramの努力が見られる。

テキスト読み上げ機能とは、視覚障害者や弱視者が文字を理解するために必要なアクセシビリティ機能だ。しかし、このロボットのような声を使った動画がTikTokで不可解なほど人気を博したため、この機能を担当した声優が、自分の録音を使用する許可を与えていなかったとしてTikTokを訴えた。訴えられた後、TikTokは声優を変更した。

クリエイターがテキスト読み上げ機能を使用するのは、アクセシビリティの観点からではなく、単調でコンピュータ化された声がコンテンツのナレーションをするのがおもしろいからだ。このテキスト読み上げツールは、リールカメラのテキストツールの中に表示されている。ビデオを録画またはアップロードした後、プレビューに移動してテキストを追加する。テキストを追加すると、画面の下部にテキストバブルが表示され、ユーザーはそのテキストを表示するタイミングを調整することができる。これまでは、3つの点のアイコンをタップすると、それぞれのテキストバブルにメニューが表示され、テキスト読み上げのオプションを追加することができていたが、現在は、3つの点のアイコンをタップすると、それぞれのテキストバブルにメニューが表示され、テキストから音声ナレーションを追加するオプションが表示される。音声は2種類の中から選べる。

しかし、ボイスエフェクトを使えば、リールをさらにクリエイティブに仕上げることができる。この機能は、投稿の音声やナレーションを変更することができるというものだ。ボイスエフェクトを見つけるには、リールを録音した後に音符アイコンをタップして、オーディオミキサーを開く。すると、エフェクトメニューが表示され、そこでリールの音声やナレーションを変更することができる。

この新機能は、現在、Instagramのモバイルユーザーに展開され始めている。

画像クレジット:Instagram

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Akihito Mizukoshi)

InstagramがTikTokクローン「Reels」への投稿に最高114万円のボーナス、ただし米国内からのみ対象

Instagram(インスタグラム)は、Reels(リール)を投稿して欲しいと真剣に考えている。もし運がよければ、Reelsへの投稿に対して最高1万ドル(約114万円)までの報酬を得ることができる。

TikTokの月間アクティブユーザー数が10億人を突破したことで、YouTubeショート、Snapchat Spotlight(スナップチャット・スポットライト)、Instagram Reels(インスタグラム・リール)などの競合プラットフォームたちが、ユーザーに短編コンテンツを自社のアプリに投稿することを奨励している。YouTubeは「ショート」のために1億ドル(約114億円)のクリエイターファンドを創設し、SnapchatはSpotlightチャレンジへの投稿に賞金を提供し、そしていまInstagramは、月次ボーナスプログラムのReels Play(リール・プレイ)を強化する。

しかし、どのような要素がInstagramからのボーナスの大きさを決定するのかについてははっきりしておらず、Instagramもその懸念を払拭しようとしていない。InstagramはTechCrunchに対し、このプログラムは実験的なものであり、まだ初期段階にあると述べている。しかし、その透明性の低さは、これらのプラットフォームを利用して生計を立てているクリエイターにとっては悩みの種となる。今週、このボーナスプログラムに不具合が発生し、対象となるクリエイターたちに「実際には支払いの対象外でした」と伝えられたことがあった。InstagramはTechCrunchに対し、この不具合は修正されたと述べている。

インスタグラムで5万2000人近くのフォロワーを持つMaddy Corbin(マディー・コービン)氏は、1カ月の間に自分のリールに対して1000ドル(約11万4000円)近くの配当を受けた。しかし彼女は、他のクリエイターに別のオファーが行われていることに気がついた。

「私よりも多くのフォロワーがいるのに、600ドル(約6万8500円)しか稼げない人もいたんです」とコービン氏はTechCrunchに語った。より少ないフォロワー数で、800ドル(約9万1400円)を受け取ったひともいた。「報酬がどのようにして生まれたのかを、もっと知りたいと思います。想像するに、過去のリールの見られ方を参考にしているのではないかと考えていますけど」。

コービン氏の半分にも満たない約2万4千人のInstagramフォロワーを持つあるクリエイターがTechCrunchに語ったところによれば、先月、その月に投稿されたすべてのリールの再生回数が170万回に達した場合に、800ドル近くのボーナスが提供されたという。このボーナスはオールオアナッシングではない。このクリエイターが、ボーナス期間中、意図的に1日1リールを投稿し、149万回の再生回数を獲得したところ、689.90ドル(約7万8800円)の配当を得ることができたという。先月Metaが所有する、Instagramを含むすべてのアプリがサーバーの問題で6時間もオフラインになったときには、彼らは残念な思いをした。

だが、今月Instagramはそのボーナスを一段と高めた。現在このクリエイターは928万回の再生で最大8500ドル(約97万1000円)を手にすることができる。先月のレートよりもペイアウト単価が高く、もちろん10倍以上稼げる可能性もある。このクリエイターによれば、自身が3万2千人のフォロワーを持つTikTok(ティクトック)で得られるものよりも、1回あたりの報酬が高いそうだ。

Instagramのボーナスオファーがどのように計算されているかを判断するのは困難だ。あるRedditユーザーは、1カ月で5800万回以上の閲覧回数で3万5000ドル(約399万8000円)近くの報酬を受けている。Instagramのフォロワー数が800人程度のTwitch(トゥイッチ)ストリーマーのMiguel Lozada(ミゲル・ロザダ)氏は、2万4000人のフォロワーを持つクリエイターと同額の8500ドル(約97万1000円)の報酬を受けた。5万9000人のフォロワーを持つ別のユーザーは、今月は850ドル(約9万7000円)のボーナスを提供されたとTechCrunchに語っている。

InstagramはTechCrunchに対して「より多くのクリエイターに報酬を渡せるように、支払いのテストを続けています。まだ始まったばかりなので変化は続きます」と述べている。「私たちは、できるだけ多くのクリエイターを支援できるように、達成可能でそれなりの収益につながる方法でボーナスをデザインしました。目標は、ボーナスが時間とともによりパーソナライズされていくことです」。

ボーナスプログラムに参加したら、自分のリールが注目されなくなったと感じたと報告するクリエイターもいる。

「ボーナスプログラムに参加した最初の3日間は、1日に40ドル(約4571円)くらい稼げていましたが、1週間後には文字どおり暴落して、1日あたり数セント(数円)から数ドル(数百円)になってしまいました」とコービン氏は語る。「コンテンツの出し方をそれほど変えていないのにこうなったことは、興味深いですね」。

Instagramのサポートページによると、これらのボーナスは「ゆっくりと展開している」とのことで、まだすべてのユーザーが利用できるわけではない。そもそも、これらのボーナスは米国内にしか適用されない。

InstagramがTechCrunchに語ったところによると、これらのプロモーションの対象となるのは、ユーザーが18歳以上で、プラットフォームのパートナーマネタイズポリシーを満たしている必要があるとのことだが、これは少し曖昧だ。このポリシーによれば、クリエイターは「十分なフォロワー数」を維持する必要があるものの、Instagramは何をもって「十分なフォロワー数」とするかを数値化していない。TechCrunchは、フォロワー数が800~5万9000人のクリエイターたちがボーナスを支給されたことは確認している。

また、Instagramは今週、ボーナスプログラムReels Surprise(リール・サプライズ)を発表した。このプログラムでは、米国を拠点とするクリエイターたちが特に感動的で楽しいリールを制作した場合に、毎週最大150人に最大1万ドル(約114万円)の報酬が与えられる。対象となるのは、米国を拠点とする18歳以上のクリエイターで、Instagramのコミュニティガイドラインパートナーのマネタイズポリシーを満たし、1000ビュー以上の既存リールを持ち、まだボーナスを受け取ったことがないことが条件だ。

ユーザーがTikTokのコンテンツを再利用するのを阻止するために、Instagramのアルゴリズムは、他のソーシャルメディアプラットフォームからのウォーターマークがあるコンテンツの評価は引き下げる。しかし、YouTube Shortsは、人気のあるクリエイターを自社のプラットフォームに誘導するために、さらに積極的な戦術をとっている。今週Business Insider(ビジネス・インサイダー)は、一部の人気TikTokプレイヤーが6カ月間で100本のYouTube Shortsを投稿することを条件に5万ドル(約571万2000円)のオファーを受けたと報じた。このプログラムは公開されておらず、YouTubeの1億ドル(約114億円)のShortsファンドとは別のものだ。Business Insiderの取材に応じたタレントのマネージャーによると、クリエイターがYouTubeにショートフィルムを投稿した後、それを他のプラットフォームに再投稿するまでには7日間待たなければならないという。

TikTokは成長を続けているが、Google傘下のYouTubeやMeta傘下のInstagramのような長年の巨人によく対抗している。そうした巨人企業にとっては個々のユーザーの短い動画に1万ドル(約114万円)を投じることは、ビジネス上の大きな出費ではないのだ。

取材協力:Sarah Perez

画像クレジット:Instagram

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(文:Amanda Silberling、翻訳:sako)

FacebookのザッカーバーグCEOいわく「我々の目標は、メタバースが10億人に到達するのを助けること」

FacebookのザッカーバーグCEOいわく「我々の目標は、メタバースが10億人に到達するのを助けること」

GLENN CHAPMAN via Getty Images

Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは、社内に対して「若年層(young adults)へのサービス提供を進むべき道だとする」よう伝えたと述べています。これは、投資家との第3四半期決算説明会で、ここ数年、若い年齢層(18~29歳)のFacebook利用が減少し、今後それがさらに加速すると予想されることに対する懸念を反映しての方針転換と言えそうです。

これままでのFacebookは「若年層に特化したものではなく、幅広い年齢層に最適なものになるよう調整されている」とザッカーバーグ氏は述べています。そして、ターゲットの変更は高い年齢層の人々のFacebook利用率を下げることになるだろうとも述べました。しかし、結果を天秤にかけて考えれば、方針転換は「正しいアプローチだと思う」として、今後FacebookアプリおよびInstagramアプリに「抜本的な変更」を加え「メタバース」のビジョンを構築するために数十億ドルを投じる構えです。ただ、先日伝えられたFacebookの社名変更については、ザッカーバーグ氏はコメントしませんでした。

再構築には数年がかかると予想され、特にInstagramの変化は動画に力を入れ、特に「Reels(リール)」機能を中心に据えたものに変わるとのこと。これはTikTokの爆発的な普及に対応した動きでもあります。またそのほかに検討されている案としては、グループ機能の刷新、就職支援ツール、ムードフィードなどがあがっています。

一方、Faebookはもう1つの主要な優先事項として「メタバース」のビジョン構築を掲げています。「我々の目標は、メタバースが10億人に到達するのを助けること」だとザッカーバーグ氏は述べ、メタバースが「数千億ドルのEC市場」を生み出す可能性があるとしています。そして、Facebookは財務報告をFacebook、Instagram、Messenger、WhatsAppといった”ファミリー向け”と、AR / VR の開発を担当するReality Labs部門に分けて行うと発表しました。Reality Labsへの投資によって、Facebookは2021年の利益がおよそ100億ドル減少したと述べ、今後数年はAR / VR分野での支出が増えると予測しています。

Facebookは現在、フランシス・ハウゲン氏による一連の内部告発への対応にも取り組んでいると述べています。ザッカーバーグ氏は、報道が組織的に「リーク文書の美味しいところだけを切り抜いて、Facebookの誤ったイメージを広めようとしている」としました。そして「これらの問題が主にソーシャルメディアに関するものでないのを明確にする必要がある」「つまり、Facebookが何をしようと、我々だけでは決して解決できない問題だ」と述べています。

(Source:BloombergThe VergeEngadget日本版より転載)

InstagramがCollabs機能、リールの新音楽機能、デスクトップからの投稿などを続々追加

Instagram(インスタグラム)は米国時間10月19日、InstagramのフィードとTikTok(ティックトック)のライバルであるReels(リール)の両方で、今週中いくつかの新機能を展開することを発表した。このクリエイター向けの機能追加により、ユーザー同士のコラボレーション、募金活動、リールでの音楽の有効活用などが可能になる。また、Instagramのデスクトップサイトの使い勝手を向上させ、ついにデスクトップのウェブブラウザから写真と1分以内の動画の両方を投稿できるようにする。

デスクトップからの投稿は以前から要望の多かった新機能で、米国時間10月21日(日本時間10月22日)から全世界のユーザーに提供される。

同社は2021年の夏にこの機能をテストしていたが、多くの人の目には触れていなかった。

画像クレジット:Instagram

その他の新機能は、米国時間10月19日の「Collabs(コラボ)」を皮切りに、1週間を通じて提供が始まっていく予定だ。

InstagramはこのCollabs機能を「テスト」と位置付けているが、フィード投稿とリールの両方を共同制作できるようになると説明している。それを行うために、ユーザーはInstagramのタグ付け画面から、別のアカウントをコラボレーターとして招待することができる。それを相手が承諾すれば、両方のアカウントが投稿やリールのヘッダーに表示され、両者のフォロワーにコンテンツが共有される。Instagramはこのテストを本日発表したばかりだが、同社は7月にこの機能の小規模なグローバルテストを開始しており、多くのInstagramユーザーがすでにアプリ内でこの機能を発見していた。

発表時、Instagramはこの機能にアクセスできるのはごく一部の人に限られると述べ、より広範囲に展開する時期については明らかにしなかった。

Instagramによれば、2人のクリエイターがコラボレーションを選択すると、両方のプロフィールグリッドに投稿やリールが表示され、ビュー数「いいね!」数、コメントスレッドが共有されるという。

また、米国時間10月20日には、Instagramは、非営利団体のための募金活動を行う新しい方法のテストを開始し、作成ボタン(画面右上の「+」ボタン)から直接募金活動を開始できる機能を導入する。このオプションをタップすると「投稿」「ストーリーズ」「リール」「ライブ」を選択する代わりに、非営利団体を選択するオプションが表示され、募金活動リンクをフィード上の投稿に追加することができる。

Instagramは以前から募金活動をサポートしており、2020年にはライブストリーム中に非営利団体の募金活動を行う機能を追加している。しかし、自身のInstagramのプロフィールからすぐに独立したスポットとして募金活動を行う方法は提供していなかった。

この機能は、開発者でありリバースエンジニアでもあるAlessandro Paluzzi(アレッサンドロ・パルッツィ)氏が、今週の発表に先立ち、9月にはすでに開発中の新しい募金ボタンを発見していた。

他にも、音楽に合わせてリールを楽しむための機能が2つ追加されている。

米国時間10月21日に、Instagramは、リール上で音楽を使って編集したりパフォーマンスを行ったりするクリエイターを支援するための、Superbeat(スーパービート)とDynamic Lyrics(ダイナミックリリックス)という2つの新しいエフェクトを投入する。Superbeatは、ユーザーの曲のビートに合わせて音楽に特殊効果をインテリジェントに適用し、Dynamic Lyricsは、曲の「グルーヴ」に合わせて3Dの歌詞を流れるように表示する、とInstagramは述べている。

これらの新機能は、4月にTikTokが発表した6種類のインタラクティブな音楽効果を追いかけるものだ(そのときTikTokに追加された機能には曲のビートに合わせて視覚効果を加えるものなどもあった)。一方、リールはこれまで、標準のクリエイティブなエフェクトの選択肢が非常に限られており、例えばタイマーや速度調整ツールなどの、基本的なものを超えるライブラリの拡張はコミュニティに頼っていた。

このリール機能は、デスクトップからの投稿機能と同時に提供され、Instagramによると、写真と1分以内のビデオに限定される。同社は今月、長尺動画用のIGTVブランドを廃止したが、いまでも60分までの動画は許可されている。現在では、ストーリーズやリールの動画ではないものは、まとめてInstagram Video(Instagram・ビデオ)と呼ばれている。

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InstagramがIGTVブランドを廃止、リール以外のビデオを「Instagram Video」フォーマットに統一

画像クレジット:Instagram

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(文:Sarah Perez、翻訳:sako)

InstagramがIGTVブランドを廃止、リール以外のビデオを「Instagram Video」フォーマットに統一

Instagram(インスタグラム)責任者のAdam Mosseri(アダム・モセリ)氏は最近「もはや写真共有アプリではない」と発言し、TikTokやYouTubeとの熾烈な競争の中で動画へのシフトを重視する考えを示した。米国時間10月5日、同社は動画をInstagramの中心的存在にするという大きなゴールへ向けた新たな一歩として、IGTVの長尺動画とInstagramのフィードの動画を「Instagram Video」という新しいフォーマットで一本化することを発表した。

長い動画も短い動画も、ユーザーのプロフィールに新たに設けられる「動画」タブに表示されるようになる。

Instagramで動画を見つけたときは、その動画をタップするとフルスクリーンモードになる。見終わった後は、スクロールしてそのクリエイターの別の動画コンテンツを見るか、戻るボタンをタップしてフルスクリーンモードを抜けることができる。

ただしこれらの変更はリールには影響しない。InstagramのショートビデオプラットフォームでありTikTokのライバルであるリールは、別のものとしてそのまま残るとのことだ。ユーザーがスクロールして見る場合、動画のフィードにリールが混ざることはない。

画像クレジット:Instagram

IGTVは今回の変更が実施される前からすでに、スタンドアローンのプロダクトやブランドとしては人気を失っていた。トラクションが少ないことから、2020年初めにInstagramのホームページからオレンジ色のIGTVボタンは消えていた。TechCrunchが以前に報じた通り、Sensor Towerの調査によれば10億人以上いるInstagramユーザーのうちスタンドアローンのIGTVアプリをダウンロードしたのはせいぜい700万人だったことから、こうした動きになった。Sensor Towerは、2021年8月31日時点でIGTVアプリのインストール数はApp StoreとGoogle Playを合わせて全世界で1800万と推計している。

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InstagramはIGTVボタン廃止の決定について、Instagramユーザーの大半はIGTVのコンテンツをフィードや「検索&発見」のプレビューから見つけているためと説明していた。しかし現実には評論家やクリエイターが主張するように、スタンドアローンのプロダクトとしてのIGTVがあることでフラッグシップであるInstagramアプリ内でわかりにくさや混乱が大いに生じ、その一方でスタンドアローンのIGTVアプリがたくさんダウンロードされることはなかった。

ただしIGTVアプリがなくなるわけではない。「Instagram Video」とリブランドし、Instagram VideoフォーマットのコンテンツとInstagramライブのビデオを配信すると同社は述べている。リールのビデオは配信されない。

今回の変更が実施されても、ユーザーはリールでないビデオをこれまでと同じ操作でアップロードすることができる。Instagramのホーム画面の右上にある「+」ボタンをタップし「投稿」を選択すればいい。最長60分間のビデオを投稿できる。

アップロード機能の変更として、トリミング、フィルタ、人と場所のタグ付けといった新機能が追加される。

画像クレジット:Instagram

これまではIGTV動画だった長尺動画は、これまでと同様にフィードには60秒間のプレビューが表示される。ただし動画が広告の対象である場合のプレビューは15秒間で、これもこれまでと変わらない。

今回の変更により「IGTV広告」と呼ばれるものはなくなり、代わりに「ストリーム内ビデオ広告」と呼ばれるようになる。クリエイターはこれまでと同様に長尺動画を収益化し、ブランドもこのフォーマットを利用できる。そしてこれもこれまで通り、動画もInstagramが実施しているクリエイターとのレベニューシェアのテストの対象となる(ただし企業が動画に力を入れてより多くの人にリーチしたい場合、60秒以内にする必要があるとInstagramは述べている)。

Instagramは、クリエイターは動画をストーリーズでクロスポストしたりダイレクトメッセージで共有したりしてもかまわないとしている。

Instagramは今回の変更によって動画のエクスペリエンスを簡素化することを目指している。しかしリールが別のものとして残っているので、動画は依然として長さで分類されることになる。これはYouTubeがTikTokの脅威に対抗している方法と似ている。TikTokの競合であるYouTubeショートは、YouTubeアプリ内に専用のボタンがある。Instagramのリールと同じだ。

Instagramによれば、今回の変更はiOSとAndroidの両方に対して全世界で公開を開始している。

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画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

Facebookリールは米国内でのベータを終了、再生回数の多い動画のクリエイターに対する報酬支払手段を提供

Facebook(フェイスブック)は、2021年8月にベータテストを開始したばかりの機能「リール(Reels)」を、米国時間9月29日、iOSとAndroidの両方で、米国内のすべてのFacebookユーザー向けに提供を始めた。この機能は、TikTok(ティックトック)に対するFacebookからの回答だ。クリエイターは、音楽やオーディオ、ARエフェクト、タイマーやカウントダウンの使用といった、さまざまな編集ツールを使って短編動画コンテンツを作成し、共有することができる。今回の公開によって、クリエイターはFacebook上で直接リールを作成することができるようになり、また、Instagram(インスタグラム)で公開したリールをFacebookにも共有することで、両方のアプリでフォロワーを増やすことができるようになる。

またFacebookは、リールの制作をどのように強化していくかについての、より詳細な計画を公開している。

同社は、他の人がリールを見たときに、そのクリエイターに報酬が支払われるような新しいボーナスプログラムを導入する。このプログラムには、2022年までにクリエイターに10億ドル(約1120億円)以上を投資するFacebookの大きなコミットメントの一部として資金が投じられる。また、クリエイターが特定の種類の広告を掲載する場合や、Facebookスター(仮想チップ)による支払いを受ける場合などにも報酬が支払われることになる。

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Reels Play(リール・プレイ)ボーナスプログラムは、InstagramのReels Summer(リール・サマー)ボーナスを拡張したものだ。対象となるクリエイターには、FacebookとInstagramでのリールの再生回数に応じて報酬が支払われ、30日間で1000回以上の再生回数を記録したリールに対して支払いが行われる(ただし、Facebookは最終的な支払い額については言及していない)。

この新しいプログラムは、米国のクリエイターのみが対象で、当面は招待制である。最終的には、より広くグローバルマーケットに展開する予定だ。

Facebookによれば、クリエイターがリールから収益を得るための他の方法の開発にも取り組んでおり、スタンプ広告やバナー広告などの新しい広告フォーマットをリール内でテストする予定だ。また、仮想チップシステムであるFacebookスターをリールに統合し、ファンがお気に入りのリールクリエイターに直接支払いができるようにすることも検討している。
また、TikTokの広告のように、リールの間に表示されるフルスクリーン広告や没入型広告をテストすることで、プロダクトとしてのリールの収益化も図る予定だ。こうした広告を通して、ユーザーはブランドや他のスモールビジネスつながることができるようになる、とFacebookはいう。また、視聴者はリール自身と同様に、すでにInstagramリールに表示されている広告に対して、コメント、いいね!、閲覧、保存、共有、スキップすることができる。

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InstagramリールをFacebookへオプトインで共有(画像クレジット:Facebook)

Facebookユーザーがリールを作成できる場所はいくつか用意されている。ニュースフィードをスクロールすると表示される新しいリールセクションの中の「作成」ボタンや、リールを見ているときやニュースフィードの上部にある「リール」をタップすることでも作成することができる。一方、ユーザーはニュースフィードからリールを見ることができる(ここには、Instagramから共有されたリールも加わる)。また、一部のページやグループでもリールを見ることができる。

当初リールは、TikTokのクローンのようなものとして、ちょうど1年前に世界のユーザーに向けてローンチされた。現在、リールはTikTokと同様の機能を提供しており、オーディオや音楽の大規模なカタログへのアクセス、タイマーやカウントダウン、ARエフェクトなどを使って動画を編集するツール、速度調整やクリップをつなぎ合わせるためのツールなどが含まれている。リールの編集ツール、特にARエフェクトのラインナップはTikTokには及ばないが、クリエイターが他社の編集アプリで作成した動画をそのままリールにアップロードすることも簡単にできる。また、TikTokのウォーターマークが表示されたリールは、アルゴリズムによってランクダウンされるものの、現在のところ、複数のサービスにクロスポストされたコンテンツが禁止されることはない。

グループ内のリール(画像クレジット:Facebook)

Facebookは、TikTokの台頭を自社のビジネスにとっての脅威と考えていることを明言してきた。競合他社に直接言及しない企業もある中で、Instagramの責任者であるAdam Mosseri(アダム・モセリ)氏は2021年6月に、Instagramがより多くの動画を含むように進化している理由の1つとして、TikTokを具体的に名指ししている 。さらに同氏は「私たちはもはや写真共有アプリでも、単なる正方形写真共有アプリでもありません」とユーザーに訴えた。

一方、TikTokの成長には目を見張るものがある。それは、2020年に最もダウンロードされたアプリとなった。7月には、Facebook以外のアプリとしては初めて、全世界で30億ダウンロードを達成。そして今週、TikTokは月間アクティブユーザー数が10億人に達したことを発表している。これに対して、Facebookのアプリ群の月間アクティブユーザー数は現在35億1000万人に達している。

Facebookのリール機能は、米国時間9月29日から米国のユーザーを対象にFacebookのモバイルアプリ上で展開される。

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TikTokの月間アクティブユーザーが10億人に到達

画像クレジット:Facebook

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(文:Sarah Perez、翻訳:sako)

TikTokの月間アクティブユーザーが10億人に到達

米国時間9月27日、TikTok(ティックトック)はブログ記事で1カ月の利用者数が10億人になったと発表した。つまり地球上のおよそ7.5人に1人が、ダンスや危険な「牛乳ケースチャレンジ」、さらには実際に役立つ教育コンテンツなどのショートビデオを定期的に視聴していることになる。

比較のためにいうと、Facebook(フェイスブック)は2021年6月に月間アクティブユーザーが前年同期比7%増の29億人であると発表した。しかしTikTokは急激に成長している。2020年7月の月間アクティブユーザーは6億8900万人で、そこから45%増えている。さらにアプリ調査会社のSensorTowerによると、TikTokアプリは2021年7月にFacebookアプリ以外では初めて、全世界で30億ダウンロードを達成した。

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TikTokは明らかに欧米のテック大手に競争を突きつけている。Facebook傘下のInstagram(インスタグラム)は重点分野を抜本的にシフトし、もはや写真共有アプリではないと宣言している。InstagramはTikTokそっくりのリールを強烈に推進しているし、ディスカッションフォーラムのReddit(レディット)でさえショートビデオのフィードの誘惑にひかれている。Instagramはクリエイターに対し、TikTokの透かしが入ったビデオをリールに再利用した投稿は見つけにくくするとアドバイスしている。

TikTokによれば、親会社ByteDance(バイトダンス)の本社は中国だがTikTokの最大のマーケットは米国、ヨーロッパ、ブラジル、東南アジアだという。よく知られているように、近年のTikTokは厳しい規制の問題に直面している。米トランプ前大統領は米国の企業とTikTokとの取引を禁止しようとした。13億6000万人を擁するインドでは2020年以降、TikTokは禁止されている

こうした状況にもかかわらず、TikTokはめざましい成長を見せ続けている。つい最近の2021年8月には、TikTokの親会社であるByteDanceがVRハードウェア起業のPicoを買収し、今後VRに進出していく可能性を示した。FacebookのCEOであるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏が1兆ドル(約110兆円)規模のプラットフォームであるFacebookを「メタバース」企業にしたいと考えているのは偶然ではない。みんな、大成功したいようだ。

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画像クレジット:TikTok

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Kaori Koyama)

TikTok風のショート動画サービス「YouTube ショート」がクリエイターへの報酬支払いを開始

TikTok風のショート動画サービス「YouTube ショート」がクリエイターへの報酬支払いを開始

YouTube

YouTubeが、7月13日に開始したTikTok風の短尺動画サービス「YouTube ショート」のクリエイターに対し、報酬の支払いを開始しました。これはYouTubeがクリエイター向けの支払いのために設立した1億ドル規模の「YouTube Shorts Fund」からのもので、YouTubeは報酬支払いに関する詳細をヘルプページで解説しています

YouTubeは今後2022年までに数千人の「適格な」クリエイターをYouTube ショートに招待する予定としています。報酬に関しては動画の視聴数やその他指標に応じ、月額で下は100ドル(約1万1000円)から、上は1万ドル(約110万円)までになるとのこと。また、報酬はYouTubeパートナープログラムに参加しているクリエイターに限らず、ショート動画投稿者なら誰でも受け取る資格があります。

もちろん投稿した動画は支払い対象になるためにYouTubeのコミュニティガイドラインや著作権に関するポリシーを遵守しなければなりません。またGoogleは他の同種のサービス、たとえばTiktokやSnapchatなどにすでに投稿、公開されている動画の再アップロードは求めておらず、それらサービスの透かしロゴ入りの動画を投稿した場合も、報酬の支払い対象外になります。

TikTokなどは、昨年から最大で2億ドルのファンドをクリエイターのために展開しています。これはYouTube ショートのファンドの倍の規模のものですが、クリエイターたちにはさらに評価が高くなるような作品の提出が求められました。

もちろんクリエイターにとってはパフォーマンスに見合う以上の収益が欲しいところであり、ショート動画ひと筋で勝負するつもりならTikTokのほうが良いかもしれません。しかしYouTubeにはショート動画以外にも収益化のための方法が9種類もあるのが大きな利点です。

ちなみに、ショート動画似限って言えば、、Facebookもまた最近10億ドル規模のプログラムを立ち上げ、メインのFacebookサービスだけでなく、Instagramにもクリエイターを引き入れようとしています。Facebookは2022年まで収益のマージンを取らない(つまり収益分はすべてクリエイターの懐に入る)としており、Facebook / Instagramがこの分野での遅れをカバーしようとしていることがわかります。

TikTokのすでに得ている人気と、金にものを言わせるFacebookの間で、YouTubeはクリエイターに報酬を分配する手段を提供し続ける必要があります。YouTubeは今回の1億ドルの基金の支払い開始に関してYouTube ショートを収益化するための最初の一歩だとしています。

TikTok風のショート動画サービス「YouTube ショート」がクリエイターへの報酬支払いを開始

(Source:YouTubeEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:ネットサービス
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InstagramのTikTokクローンReelsが最大60秒の動画をサポート

ねぇ聞いた?今のInstagramはもう写真共有アプリじゃないって?米国時間7月27日のInstagramの発表によると、これからのユーザーは、TikTokと競合する同社のプラットフォームReelsに、60秒の動画をアップロードできる。

このアップデートでReelsに字幕ステッカー機能が加わる。音声をテキストに書き起こしてくれる。この字幕ステッカーはStoriesを加えたときに、InstagramがReelsのためにテストしていた。それによってこのプラットフォームは耳の不自由な人や聞き取り能力の弱い人にもアクセシビリティが向上し、またアプリを消音モードで利用できる。現在のところ英語圏のみだが、その他の言語にもじきに対応するとInstagramはいう。TikTokにはすでに、同様の機能がある。

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Reelsは今日から最大60秒。

それまでInstagramの動画は最大30秒までだったが、最近TikTokは3分までOKとなった。でもReelsの60秒も、TikTokをはじめいろいろなプラットフォームに作品を投稿しているクリエイターにとっては役に立つ。ソーシャルメディアで生活が成り立っているクリエイターは最近ますます多いが、今のようにプラットフォームの数が多くなると、作品をなるべくあちこちに投稿するのが賢明な策だ。Pinterestですら、短編動画に投資している。Instagramのクリエイターで、TikTokにもフォロワーのいるクリエイターにとって便利なだけでなく、Reels自身のアクセス向上にも貢献する。InstagramのアルゴリズムではTikTokの透かしのあるコンテンツを宣伝できないが、しかし利口なユーザーはそれなしで動画をリサイクル利用するやり方を知っている。

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現在、YouTube ShortsとSnapchatのSpotlightも60秒の動画をサポートしている。5月にYouTube Shortsは1億ドル(約110億円)のクリエイターファンドを立ち上げて、2021年から22年にかけてShortsの上位クリエイターにばらまくつもりだ。SnapchatはTikTokクローンSpotlightのヴァイラルなクリエイターに、Spotlightの11月終わりの立ち上げから2020年末まで、1日に100万ドル(約1億1000万円)ずつ配布した。FacebookとInstagramも、デジタルクリエイターへの投資にコミットしてきた。

この60秒ビデオ機能は「新しいReelを作る」へ行ってから、画面左の下向きボタンを押すとメニューが現れる。そして「長さ」をタップして15秒、30秒、60秒のどれかを選ぶ。まだメニューに60秒がないユーザーもいると思うが、全員に出るのも、もうすぐだろう。

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hiroshi Iwatani)

TikTok広告価格上昇の中、Instagramがライバル機能「リール」広告をグローバルに展開

Instagram Reels(インスタグラム リール)に広告がやってくる。Instagramは米国時間6月17日、TikTokのライバルでもあるショート動画プラットフォーム「リール」での広告を、世界中の企業や広告主に向けてローンチすると発表した。広告の長さはリールと同じ最大30秒で、フォーマットはInstagram Stories(ストーリーズ)で見られる広告と同様に縦型のフォーマットとなる。また、リールと同じようにこれらの新しい広告はループし、ユーザーはリールの他の動画と同様に、リール広告をいいね、コメント、保存、共有することができる。

同社は、2021年初めにインド、ブラジル、ドイツ、オーストラリアなどの一部の市場でリール広告の試験導入を行い、最近ではカナダ、フランス、英国、米国にもテストを拡大した。BMW、ネスレ(ネスプレッソ)、ルイ・ヴィトン、Netflix(ネットフリックス)、Uber(ウーバー)などのブランドが、この新しいフォーマットをいち早く採用していた。

Instagramによるとこれらの広告は、ユーザーがリールコンテンツを閲覧するほとんどの場所(リールタブ、ストーリーズで公開されているリール、発見タブで表示されるリール、Instagramフィードのリールなど)に表示され、ユーザーが投稿した個々のリールの間にも表示されるとのこと。ただし、リール広告が表示されるためには、ユーザーはまず、没入感のある全画面スクリーンのリールビューアーに入っている必要がある。

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同社はユーザーがリール広告をどのくらいの頻度で目にするかについては言及しておらず、視聴者がInstagramをどのように利用するかによって、目にする広告の数は異なるとしている。しかし、Instagramは広告自体に対するユーザーのセンチメントや、リールの全体的な商業性をモニタリングしているという。

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Instagramの他の広告商品と同様に、リール広告はオークションベースのモデルでローンチされる。しかしこれまでのところInstagramは、テストに基づく広告パフォーマンス指標の共有を拒否している。また、広告主がリール広告を始めるのに役立つクリエイターツールやテンプレートも提供していない。その代わりに、リール広告がInstagramの競合他社を含む他の縦型動画広告と似ていることから、同社は広告主がすでにクリエイティブアセットを持っているか、その作り方を知っていると考えているようだ。

縦型動画はすでに消費者をECショッピングサイトに誘導する可能性を示しているが、Instagramはまだリール広告を利用してユーザーを内蔵EC機能であるInstagramショップに誘導していない。同社はアプリのさまざまな部分を結びつけようとしているので、それは自然な次のステップと思われまる。

しかしおそらくその前に、Instagramはリールをより魅力的な目的地にする必要があるだろう。これは、Snap(スナップ)やYouTubeなどのTikTok(ティックトック)のライバル企業が、クリエイターコンテンツに直接資金を提供することで実現していることだ。一方Instagramは、TikTokのスターたちに直接オファーを出していた

リール広告の開始は、TikTokの広告価格上昇のニュースに続くものだ。Bloombergが2021年6月に報じたところによると、TikTokは第3四半期の時点で、米国でホームページのテイクオーバー広告に140万ドル(約1億5000万円)以上を要求しており、第4四半期には180万ドル(約2億円)、さらに休日には200万ドル(約2億2000万円)以上に跳ね上がるという。同社はまだ広告チームを構築中であり、広告主らはまだ動画予算の大部分を同アプリに割り当てていないが、それはユーザー数の増加に追随する傾向がある。そして今やTikTokは、米国で1億人以上の月間アクティブユーザー(MAU)を擁している。

現在、InstagramとTikTokのアプリは、グローバルベースで10億人以上の月間アクティブユーザーを抱えているが、リールはより大きなInstagramプラットフォームの一部に過ぎない。ちなみにストーリーズ機能は約5億人のユーザーに利用されており、アプリのさまざまな領域にトラフィックを誘導するInstagramの能力を示している。Instagramは、6月17日の時点でリール機能のユーザー数を公表することは控えた。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

Instagramのリールが新機能「Insights」でクリエイター待望のオーディエンス分析データ確認が可能に

2020年、InstagramはInstagram ShopShopping in Reelsなど、独立したクリエイターの生計を助けるための機能をたくさん追加した。そして米国時間5月24日、InstagramはProfessional Dashboardに、ReelsとLiveの「Insights」をローンチして、企業やクリエイターに彼らのコンテンツのリーチに関する重要なデータを提供する。Reelsはこれらのツールによって、すでにユーザーに詳細な分析データを提供しているライバルのTikTokに追いつくことになる。InstagramとTikTokのこのような追いかけっこが続くのは、収入をこれらのプラットフォームの利用に依存しているインフルエンサーや小企業にとってうれしいことだ。

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それまでInstagramのクリエイターたちは、視聴数やいいねの数、Reel上のコメントなど一般的に入手可能なデータを見ることしかできなかった。今後は、コンテンツが獲得したアカウント数や、自分のReelsの保存数や共有数などにアクセスできる。さらにInstagramは、Liveの動画の視聴者数をカウントする「同時に見ている視聴者数のピーク時の数」もシェアする。アプリのAccount Insights(アカウント詳細情報)では、自分のコンテンツがどのような種類のアカウントにリーチしているのか、そしてどのようなコンテンツが最も多くのエンゲージメントを獲得しているのかを知ることができる。

ソーシャルコマースの上でビジネスをしている起業家やコンテンツクリエイターにとって、このような分析はあまり重要ではないかもしれないが、プラットフォームの利用は確かに簡単になる。Reelsのショッピング機能でアプリ内販売が簡単にできるようになったが、これまで潜在的な顧客に確実にリーチするために動画などをカスタマイズする際に参照するデータが、ほぼなかった。一方、TikTokの分析はかなり前から動画の平均視聴時間や、トラフィックのソース(どっから来たのか)タイプ、場所(国など)による視聴数の違いといったデータをクリエイターに提供している。口コミで広まるこの動画アプリは2021年5月初めに、ストリートウェアのHypeなど特定のブランドと協力してアプリ内販売をテストする、と発表している。これでInstagramとの競争は激化するだろうが、本機能の一般公開スケジュールは未定だ。そこで、InstagramのInsightsによって、これまでのアプリ内ショッピングと組み合わせることでコンテンツクリエイターは、目的とするオーディエンスにもっと到達しやすく、収益化もしやすくなるための、強力な戦略を作り出せるようになる。

ロサンゼルスでハンドメイドのジュエリー工房KIKAYを経営しているQuinn Jones(クイン・ジョーンズ)氏は「Insights for Reelsがないのはおかしい、と前から思っていました。それがないと暗闇で銃を撃つようなものです」という。彼のショップは9万以上のInstagramとTikTokを合わせてフォロワーがあるが、一般的にZ世代のクリエイターはソーシャルメディアを利用してオーディエンスを広げ、売上を増やしている。KIKAYが口コミ的に利用しているのはTikTokだが、ジョーンズ氏は、小企業がフォロワーを獲得する方法としてはInstagramの方が良いという。

「Insightsは今後確実に便利なツールになるでしょう。これまでは、自分の動画がどのような人たちにリーチしているのか、まったくわかりませんでした。しかしInsightsがあれば、フィードバックに基づいてコンテンツを改良することができます」とジョーンズ氏は語る。

インフルエンサーにとっても、ブランドと協力してスポンサーつきコンテンツを作ったりする際、これらの分析が役に立つ。

LGBTQ+のコンテンツクリエイターで、マイクロインフルエンサーでもあるCara Cochran(カラ・コクラン)氏は「Insights for Reelsを随分長く待っていました。それまで視聴数といいねの数とコメントしか見れませんでした」という。彼女によると、Instagramがインタフェイスのデザインを変更してからは、クリエイターに頼んでReelsの動画を作らせるブランドが増え始めていたそうだ。

「これから分析も確認できるため、ブランドもInstagramに静的コンテンツをポストするだけでなく、Reelsにどんどん動画をポストするようになるでしょう。そうなれば、彼らのプロダクトも新鮮に見えるようになり、静的な広告ではなくコマーシャルのような効果を発揮するでしょう」とコクラン氏はいう。

Instagramは米国時間5月24日からInsightsを展開する。また数カ月後には、一定の期間内のエンゲージメントを計測できるようになり、さらにデスクトップでもInsightsをサポートするという。

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hiroshi Iwatani)