「検索と商品だけ並べたモールはやらない」BASEがEC連動のブログポータル「BASE Mag.」を公開

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誰でも手軽にネットショップを開設できるサービス「BASE」を提供するBASE。同社は3月にリリースしたショップ向けのブログサービスをEC連動ブログポータル(BASEでは「ネットショップモール」と銘打っている)「BASE Mag.」を公開した。

BASEでは、「ショップロゴ作成機能」「商品撮影サービス」「納品書ダウンロード機能」など約30種類の拡張機能を「BASE Apps」という名称で提供している。3月にはショップ向けのブログを開設できる「ブログApps」も追加した。BASEのユーザー(店舗数)は現在約15万店舗。このうち数千店舗がすでにブログで商品の紹介などのエントリーを書いており、「3、4分に1回は投稿がある状態(BASE代表取締役の鶴岡裕太氏)なのだそう。

今回提供するBASE Mag.は、これらのブログからBASEが選んだエントリーを紹介していくブログポータルだ。エントリーには商品ページへの導線も設けるほか、カテゴリでの検索も可能だという。

僕は創業当時からBASEを取材しているのだが、代表取締役の鶴岡裕太氏にほぼ毎回する質問が「BASEはネットショップのモールを作らないのか」というものだった。毎回「作らない」と答えていた鶴岡氏だが、BASE Mag.について「2年考えて……やっぱり、検索と商品だけ並べたこれまでのようなモールは、BASEのように小さなショップにとっては正解じゃないなと思った。 基本的にBASEは『販売者=生産者』。ブランディングとか情報の発信から支援しないといけない」と語った。

DeployGateが法人向け事業を本格化——ミクシィを飛び出してでもサービスを続ける理由

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スマホゲーム「モンスターストライク」が絶好調のミクシィ。同社は1月、スマホアプリ向けのテスト配信サービス「DeployGate」の事業譲渡について発表した。事業譲渡といっても、これまでDeployGateの事業担当者らがミクシィを飛び出して新会社デプロイゲートを設立、その新会社に事業を譲渡するというものだった。

ミクシィからスピンアウトして約3カ月、AppBroadCastとの共同サービスなども発表していた同社がいよいよ本格的に法人向けビジネスを展開する。サービスの詳細、そして起業に至る経緯や想いについて、共同創業者でCEOの藤崎友樹氏と共同創業者でCOOの安田一斗氏に話を聞いた。

法人向けサービスを正式にローンチ

まずはDeployGateそのものと、3月30日に正式リリースした法人向けの「DeployGate Enterprise」について紹介したい。

DeployGateはiOSおよびAndroidアプリ向けのテスト配信サービスだ。スマートフォンアプリは通常、App StoreやGoogle Playといったアプリストアを経由しないとダウンロードできない(しかもiOSの場合、アップルの審査が入るため数週間かかる)。だがアプリをぶっつけ本番でリリースしても、問題があったり、操作感に不満があればすぐにストアで低評価をつけられてしまうし、そこからアップデートしようにも時間がかかってしまう。これでは開発者も利用者も幸せにはならない。

だがDeployGateを利用すれば、アプリのファイルをアップロードし、生成されるリンクにアクセスするだけでアプリを配布できるようになる。インストール数や利用状況のモニタリングやログの取得も可能。これによって複数人で開発中のアプリを確認したり、クローズドベータ版を配布するといった施策が非常に便利になるのだ。

今回のDeployGate Enterpriseでは、これまでにも提供していた組織・チーム向けプランの機能を大幅に強化。開発グループや開発アプリ数の制限を取り払ったほか、詳細な権限設定も用意。開発会社と外部での共同開発などでも利用できるようにしている。価格は20アカウントで月額5万円から。すでにクックパッドやはてな、リクルート、ミクシィ(もちろんモンストでもバリバリに利用されているそうだ)などがクローズドベータの段階からサービスを利用している。

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事業は黒字化するも、成長は予想を達成せず

新卒でミクシィに入社した藤﨑氏だが、2009年頃からAndroidに触れるようになり、当初は電話帳アプリなどをテスト的に開発していたそうだ。それが最終的に2010年に同社が発表した「ソーシャルフォン」として世に発表され、その後藤崎氏はAndroidの開発担当となる。そしてAndroidの開発環境の不便さを痛感し、社内向けにDeployGateの前身となるツールを開発した。

当時ミクシィでは、新規事業創出プロジェクトの「イノベーションセンター」を発足するタイミング。藤崎氏のツールが第1号案件として採択され、DeployGateのプロジェクトが始まることになった。

藤﨑友樹氏

デプロイゲートCEOの藤崎友樹氏

サービスインから約2年。個人開発者からプリインストールアプリの検証をしたい端末メーカーまで、国内外2万アカウントが利用(海外も2014年時点で90カ国以上で利用されている。先方の許可を取っていないので公開できないとのことだが、本当に著名な米国のアプリなどでも利用されているとのことだった)。実はすでに黒字化し、「ごはんは食べられるくらいには」(藤崎氏)成長していたDeployGate。しかし1月のミクシィの発表のとおり、ビジネスとしての成長スピードでは当初の予定から下振れしていたのだそうだ。

周囲を見てみると、競合サービスの「TestFlight」はアップルに買収され、2014年3月にAndroidのサポートを終了。だがDeployGateはもともとAndroidのみに対応していたものの、iOSのサポートを開始したばかり。「ミクシィという会社を考えれば(サービスを終了するという)ロジックは理解できる話。だが、開発者向けツールは浸透に時間がかかるし、(周辺環境も変わり)スタートラインに立ったところだった」(藤崎氏)「開発ツールなので『使っている』という話があまり外に出ないが、名だたるスタートアップが使ってくれていた。だから僕らとしては可能性が見えていたし、プランが徐々に見えてきていた」(安田氏)という思いから、スピンアウトを決意したのだという。

事業譲渡で「サラリーマンとして覚悟を決めた」

ミクシィは買収こそすれど、手がけてきた事業を社外に譲渡するようなことは少なくともここ数年ではなかったと記憶している。イケてないサービスは閉じて、人材を再分配していたはずだ。だからDeployGateのスピンアウトには正直驚いていた。藤崎氏には「サクッと話がまとまったのか?」と尋ねたのだけれども、同氏は「全然サクッといかなかった」と即答した。

デプロイゲートCOOの安田一斗氏

デプロイゲートCOOの安田一斗氏

ミクシィからは、DeployGateのチームに対して、サービスをピボットする、サービスを終了して別の事業にチャレンジするなど、さまざまな提案があったそうだ。そんな中で2人はスピンアウトすることを選択したという。だけどもミクシィからすれば、「社外に自社のサービスを出すのであれば、すぐに潰れてしまっても困る」と思うわけだし、簡単には譲れないだろう。

だが社内でも彼らを応援する役員・スタッフも多く、「譲歩できるモノは譲歩して、自ら持ち出しもしたが、それだけやる気を認めてもらった」(藤崎氏)のだそうだ。事業譲渡の金額についても聞いたのだけれども、具体的な額は非公開。2人は「サラリーマンとして考えるならば、覚悟を決めないといけない額だった」と語った。

DeployGateで社会問題を解決したい

そんな“覚悟”を持ってスタートしたデプロイゲート。彼らのイグジット戦略はどういうモノなのだろうか。藤崎氏に「TestFlightや(Microsoftに買収された競合サービス)HockeyAppのように、買収がゴールか」と尋ねたのだけれども、同氏はそれを否定する。

「本当にいいモノが開発者に広がっていくのが重要。そして、そのモノがどこかのプラットフォームに属していないことも重要だと思っている。グーグルやアップル、いずれかのプラットフォームでないと動かないというのでは意味がない。そんな縛りがないところで、作る人と使う人を繋ぎたい。今は売り抜けるという目標はない。僕たちの顧客が抱えるのは社会問題であり、それをどんどん解決していきたい」(藤崎氏)

安田氏もこう続ける。

「スマートウォッチやスマートテレビが出てきているが、iOSとAndroidだけを考えても、デバイスはスマートフォンにとどまらない。そうするとさまざまなデバイスで(不具合など)不幸なことは起こってくる。そんなことが起こらないように、DeployGateのようなツールが当たり前に使われて好循環が生まれればいい」(安田氏)

東京大学発。必要なキーだけを装備するカスタムキーボードのTrickeyがKickstarterキャンペーン中

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「当面はCtrl+Zしか使わないので、他のキーなど必要ない」と思うことがある(あるんじゃないかと思う)。そんなときの対処法は、もちろんある。その名もTrickeyという小さなハードウェアで、グラフィック用途やゲーム用途などで、必要となるキーだけを慣れべて利用するものだ。フルサイズのキーボードを外してこちらを使うことで、机のスペースは広くなるし、手を動かす範囲も小さくすることができる。

Trickeyのキーボードは取り外して他のキーと交換できるようになっていて、さらにどのキーにどんな機能をもたせるのかは付属のソフトウェアで定義することができる。カーソルキーだけのキーボードを作ることもできるし、ゲームなど利用するソフトウェアでの必要性に応じた特定の数字キーや数種類の文字キーからなるキーボードを用意することもできるわけだ。また、ひとつのキーに、特定のキーコンビネーションを割り当てることもできる。すなわちCtrl Zの動作をするキーを作ることもできる。

ひとつのユニットに取り付けられるキーは6個となっているが、Trickeyボードをつないでより多くのキーを使うこともできるようになっている(開発チーム曰く、20個のキーを繋いでみても問題なく動作したとのことだ)。キーは透明なパーツでできているので、キートップを自在にデザインすることができるのも魅力だ。

現在存在するのはプロトタイプではあるが、たとえば外観はこんな感じになる。なかなか面白いデザインだ。

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製作チームは、このプロトタイプを商品化するためにKickstarterにてクラウドファンディングキャンペーンを展開中だ。ゴールは3万ドルで、1ヶ月以上の残り期間で半分以上の額を集めている。

製作者のひとりである城啓介(Keisuke Shiro)氏(東京大学で工学を学んでいる)によると、このプロジェクトは東大内で行われたコンテストにて生まれたものなのだそうだ。そのコンテストからの支援もあって現在のプロトタイプの形がまとまったのだそうだ。城氏はロボティクスおよびエンジニアリングを手がけるキビテク(QibiTech)にもパートタイムで参加していて、同社の協力により商品化に乗り出しているようだ。

「大好きなゲームをしているときにひらめいたのです。そのゲームはいろいろと複雑なキー割り当てのあるものでした。割り当てを覚えるのが面倒だと感じるうち、キーボードをカスタマイズしてしまおうと考えたのです」と城氏は言っている。

「Trickeyは普通のHID USBキーボードですので、いろいろな機械に繋いで使うことができます。キーの割り当てを定義するプログラムはウィンドウズ版およびMac版の双方を用意するつもりです。現在のところ、Windows版が動作しています」。

Trickeyの開発は昨年の12月に開始された。キャンペーンを成功裏に終えた場合、9月頃にプロダクトの出荷を行いたい考えだ。早期割引への申し込みは予定数に達しているので、価格は139ドルからとなっている。この値段で、1つのベースユニットに6つのキー、そして失くしてしまった場合を考慮してひとつの予備キーを入手することができる。

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(翻訳:Maeda, H

「今年が勝負」LINE新社長が描く、米国市場“逆転のシナリオ”

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LINEの森川亮社長が3月31日付けで退任し、4月1日から現COOの出澤剛氏が新社長に就任する。国内では「LIFE」をテーマに掲げ、生活に密着したサービスを相次いで投入するLINE。2014年通期の売上は前年約2倍の863億円に上るなど、順調に推移している。

一方、海外に目を向けると、月間アクティブユーザー数(MAU)が7億人の米国WhatsApp、同5億人の中国WeChatが立ちはだかる。LINEのMAUは1億8000万人にとどまり、水をあけられているが、出澤氏は海外展開をどう舵取りしていくのか。

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――海外市場では苦戦しているように見えますが、どう攻略するのでしょうか?

苦戦というと言葉は悪いですが、挑戦し続けている状況。キーワードはローカライズです。現地のテイストに合うことを、表層的なスタンプのデザインレベルではなくて丁寧にやっていく。それは米国型企業の戦略とは違う考え方だと思います。フォーカスする地域はアジア全域と北米、南米市場ですね。

――ヨーロッパは対象外?

今までは欧州全域が対象と言っていたんですが、今年は絞ります。これまで海外展開している中で、ある程度、地域との相性が見えてきて、反応が良くない地域は絞っていこうというのが現状です。すでに1800万人以上が登録しているスペインについては、引き続きやっていきますけど。

――地域との相性とは?

例えば、キャンペーンの反応度合いとか。スタンプが刺さるときもあれば、現地企業とのタイアップが刺さることもありますし、セレブとの取り組みが刺さることもある。いろんなローカライズをやっているので、ユーザーの反応をかけあわせながら考えている感じですね。

インドネシアの若者の心をわしづかみに

――ローカライズの成功事例は?

例えば東南アジアのLINEには、同級生を探せる機能があります。これは日本にはなくて、東南アジア独自のものです。LINEは学校のデータベースを用意しておいて、ユーザーには学校名や卒業年度を任意で入力してもらっています。

同級生機能のマーケティングもすごくハマりました。2002年にインドネシアで「ビューティフル・デイズ」という映画が大ヒットしたのですが、LINEのキャンペーンに絡めて続編的な動画を作ったんです。この映画は、高校生の男女が主人公のラブストーリーで、最後は彼が米国に留学、彼女はジャカルタに残って離れ離れになっちゃうみたいな。

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――これまた、ずいぶんとベタなストーリー(笑)

インドネシアは民主化されて間もないのですが、2000年ぐらいから文化も活発になってきた面があるんです。「ビューティフル・デイズ」はインドネシアの国産映画としては、初めて大ヒットした国民的映画のひとつなんですね。本当に若者が全員が見ているぐらいの人気で。

それでLINEは2014年秋に、その映画を題材にした10分間のYouTube動画を公開したんです。主人公2人だけでなく、脇役にも出演してもらって。あれから12年後の2人はどうなったのか、っていう内容で。ここでのミソが、LINEの同級生を探す機能。

故郷のジャカルタ行きの出張を命じられた米国在住の彼は、同級生機能で彼女を見つけてメッセージを送るんです。2日間の滞在中に会いたいと。でも返事はなく、帰国のためにジャカルタの空港へ向かうと、そこには彼女が待っていて……。「また何か始まるかも」みたいな含みを持たせて動画は終わるんです。

――映画のファンだったら胸が熱くなりそうな展開ですね。

実際にYouTubeでは550万再生を超えましたし、ソーシャル界隈でも猛烈にシェアされましたね。こうした施策が打てるのは、きちんとローカライズをやっているからこそ。現地のLINE支社に、早い段階で優秀な人にジョインしてもらって、かなりの権限を持たせて企画してもらっています。現地でウケる企画は日本人では発想できないので、現地のセンスを取り入れようと。

インドネシアはものすごく伸びていて、登録ユーザー数は3000万人を超えました。タイや台湾、スペインのように、トップシェアを狙える次の国としては一番近い市場になっています。まさにLINEのローカライズが成功した象徴的なケースといえるでしょう。


ヒスパニック経由で米国進出

――米国市場もローカライズが攻略の鍵ですか? LINEはスペイン語圏で人気があるので、ヒスパニックを「入口」にして米国進出するという見方もあります。

スペイン語圏のユーザー動向で面白いのは、スペインで流行った後に、近隣国のフランスやイタリアではなく、海を渡ってメキシコや南米で流行ったことです。ですので、米国のヒスパニックが(攻略の)糸口になるというストーリーはありえます。

――そもそも、なぜスペイン語圏で人気が飛び火したのでしょう?

同じ言語だと、見ているメディアが同じだったりするじゃないですか。テレビ番組やニュースサイトだったりとか。スペインで伸びたきっかけは、あるブロガーがLINEを紹介してくれたのがきっかけなんですが、そのブログを南米の人が見たかもしれない。そういう意味では、見ているメディアが一緒というのは大きいと思います。

ヒスパニックユーザー以外にも、攻略の仮説はあります。中には、インドネシアの成功例みたく、爆発の起点となる施策が出てくるかもしれません。「これが海外展開の成功法則だ」みたいなものがあればいいんですが、国によって端末普及や通信速度、文化も違うので、1つ1つ丁寧にトライアルしていく感じですね。

非・LINEブランドのアプリが攻略の糸口に

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――ヒスパニックユーザー以外の仮説とは?

米国で言うと、ティーンネイジャーの間でセルフィーが人気なので、自撮り写真でLINEのスタンプが作成できる「ycon」が流行るかもしれません。このように、LINEブランドを名乗らないLINEのアプリがきっかけとなって、米国のユーザーに浸透する可能性もあると思っています。

LINEブランドを全面に出さないアプリとしてはほかにも、北米や中南米で自撮り専用アプリ「B612」が人気を集めていて、世界では2000万ダウンロードに達しました。ゲームでも、ディズニーキャラクターを使った「LINE:ディズニー ツムツム 」は米国で数字が出ています。

あくまでこれらがすべてではありませんが、ティーンネイジャー、LINE本体とは違うアプリ(yconやB612、ツムツムなど)、ヒスパニックといった3つ軸はあるかと思います。

今年1年が本当に勝負

――米国市場の勝算は?

まだまだチャンスはあると思いますよ。でも、そんなに長く空いているドアじゃないので、他のマーケットにしても、今年1年が本当に勝負。(長く空いているドアじゃないというのは)トップシェアを取るときに、端末普及状況を考えると、ある程度たったら固定化するので。

――米国市場のドアはほぼ閉まっているようにも思えますが。

米国はすでに固定化している可能性もありますが、固定化するとひっくり返せないかというとわからないですし、逆に日本でもひっくり返される可能性もはらんでいますので、そこはチャンスはあると思います。

――日本ではマネタイズが進んでいますが、他国の状況は?

日本はまだ「面」を広げるのが主眼です。まずはプラットフォームとして、使っていただく接点や時間を増やすことを目指していて、まだまだマネタイズは抑制している段階。ユーザーに使っていただくシーンを増やすのがプラットフォームとしては正しいと思います。

line04――森川さんと出澤さんの戦略で異なる点は?

方向性としては、2014年1月にCOOになって、昨年4月から代表権を持ってやっているので、基本的に大きな変更はありません。LINEのユーザーファーストのカルチャーやスピード感は、森川時代から言っていることで、それはDNAとして定着しています。私はこれまでの動きをさらに速いスピードで成功させて、世界で認められるステージに持って行くのがミッションだと思っています。

――出澤イズムみたいなのはあるのでしょうか?

どちらかというと私は現場が長いですし、LINEの各事業に関してもハンズオンでやってきました。そういう意味では、現場感というか、自分も一緒にプレイしながらまとめていくスタイルかもしれません。森川さんは、経営寄りなスタンスで大所高所から見る部分がありましたが、私はより、現場に近い目線でスピードを上げていく。提携交渉はもちろんですが、実際にビジネスを進めるところでも、なんでもやっていく感じです。

――ところで、LINE Musicはいつ始まるのでしょう?

もうすぐだと思います(苦笑)。始まると言いつつ、なかなか始まらないのは、ユーザーにとって良いものを届けるために調整しているためです。

――レコード会社との条件で交渉決裂みたいな話はないのですか?

レーベルさんとは非常に友好的な関係でやっていて、そのフェイズはとっくに超えています。あとはアプリの完成度を調整している段階。合弁自体はうまくいっていますよ。上半期にはリリースできるかと思います。

スマートニュースが12億円を追加で資金調達、米国での人材採用を積極化

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すでに本家TechCrunchでも報道されているが、ニュースアプリ「SmartNews」を手がけるスマートニュースが1000万ドル(約12億円)の資金調達を実施したことが明らかになった。評価額はプレ(調達前)で3億2000万ドル(約384億円)、出資したのは既存投資家のグリー、グロービス・キャピタル・パートナーズ、Atomico、ミクシィ、Social Venture Partnersとなっている。

スマートニュース ヴァイス・プレジデント 財務担当の堅田航平氏曰く、今回の調達はいわゆるブリッジファイナンス(独立した資金調達ラウンドではなく、次のラウンドまでのつなぎの資金調達)で、2014年10月にリリースしたSmartNews米国版や2015年2月にリリースしたインターナショナル版の順調な成長を受けたもの。この資金をもとに米国拠点の人材を強化。米国サンフランシスコの拠点において、マシンラーニングや自然言語処理に長けたエンジニアを積極採用していく。日本のスタッフや役員も出張ベースで積極的に米国とコミュニケーションを取るとしている。

スマートニュース代表取締役の鈴木健氏によると、SmartNewsのMAU(月間アクティブユーザー)は日本で400万人、米国では100万人。提携メディア数も当初の10社から75社まで拡大。日米ともに「数字は順調に伸びている」(鈴木氏)のだそうだ。米国でニュースアグリケーションアプリと言えば、Flipboardが圧倒的なダウンロード数を誇っているようだが(直近の数字は公開していないが、Google Playでは世界で1〜5億ダウンロードとなっている)、スマートニュース代表取締役の浜本階生氏曰く、「ランキングに基づいて言えば、あまり突き抜けている(競合)アプリはない」とのこと。

また米国のアプリストアについて、「CNNやBuzzFeedなど1媒体を閲覧するアプリがランキングの上位を占めている。日本でも3年ほど前はそんな状況だったが、今ではアグリゲーターが上位を占めている。今後はそういった傾向が出てくるのではないか」と語った。

2014年12月に国内で本格的に広告ビジネスをスタートしたスマートニュースだが、米国でのマネタイズはまだまだこれからのようだ。「国内でもMAUが400万人を超えてやっと広告を始めた。米国でも同じように成長していく必要がある」(浜本氏)

日本を見てみれば、競合サービス「Gunosy」を手がけるGunosyに上場承認が下りたばかり。鈴木氏にイグジット戦略について聞いたところ「今のところ時期などは考えていない。まずは米国を頑張るというところ」ということだった。

日本は4K TVの本放送を早くも2014年に提供

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今年のCESでみんなを圧倒した4K TV、その3840 x 2160画素のテクノロジは、まだ世界の多くの人にとっては予兆にすぎない。しかし日本は、早くも2014年に衛星から4Kを放送し、テレビ業界にかつてなかったほどの速いペースで最先端技術の一般供用を開始するようだ。

Asahi Times誌によると、日本の総務省は、ブラジルで2014年に行われるサッカーのワールドカップの4K放送を送信する。使用するのは放送衛星ではなく日本の通信衛星だ。

Sonyなどが4Kの受像器を発表しており、価格は約25000ドルだ。リビングルームの壁に800万画素をぶら下げるだけのお金のない人は、しらけるだけかもね。

出典: BroadbandTVNews

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

日本のモバイルビジネスがiOSとAndroidに本格的にシフト中(App Annie調べ)

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これまで日本の携帯電話のエコシステムは高度に発達した無数のフィーチャーフォンのおかげで「ガラパゴス島」と揶揄されるような特異な状態にあった。それが最近ついにAndroidとiOSを中心とする方向に本格的に動き出した。日本人がこれまでモバイル・アプリとゲームに非常に高いレベルの支出を続けてきたことを考えると、世界のAndroidとiOSデベロッパーにとって見逃せない動きといえる。

たとえば、昨年秋、日本はアメリカを抜いてGoogle Playで「いちばん儲かっている市場」になった

北京に本拠を置くモバイル・アプリの市場調査会社、App Annieが日本市場に関する詳しいレポートを発表した。この10年間日本は世界でも最高レベルに携帯電話が普及している地域であったにもかかわらず、皮肉にもスマートフォンへの転換の速度は比較的遅かった。2011年末のスマートフォン利用率はわずか23%にとどまった。

日本ではNTT、DoCoMo、Softbank、KDDIといったキャリヤの影響力が決定的に強い。他の国でもそうだが、キャリヤは配信されるコンテンツを全面的に管理し、収益の分配を受けている(Appleの30%ほどの高率ではないが)。これによりフリーミアム・タイプのビジネスモデルを持つモバイル・ソーシャルゲームのGREEやDeNAが、アメリカ市場より早く何十億ドルもの売上を誇る大企業に成長させた理由だ。

しかしこれも世界の他の地域でと同様、iPhoneがキャリヤの影響力を弱めつつある。NTT DoCoMoはiTunesストアを通じたコンテンツ販売をコントロールできないことをを嫌ってAppleと提携していない。重要な収益の柱を失うことを恐れているわけだ。その代わりにDoCoMoはむしろAndroidに集中し、ポータル、dmenuをプロモートしている。こにはインターネット・ベースのコンテンツに加えてビデオ、書籍、アプリなどの有料コンテンツを販売するdmarketが用意されている。

一方、KDDIとSoftbankはiPhoneを販売しており、DoCoMoからユーザーを奪うことに成功している。

こうした市場の力学から日本のスマートフォン市場の3分の2はAndroidで占められ、残りの3分の1がiPhoneとなっている。ただし売上高ではAppleのAppStoreがGoogle Playよりはるかに多い。しかしその差は世界の他の地域同様、縮まりつつある。

もう一つ日本市場の特徴は、外国企業の参入が極端に困難であることだ。トップの5社(すべて日本企業)が全市場の3分の1を占めている。フィーチャーフォンでの日本メーカーの成功はそのままスマートフォンにも持ち越されている。こと売上に関しては日本市場は日本企業のほぼ完全な独占といってよい。例外は韓国系のメッセージ・サービスNHN、フランスのモバイル・ゲーム・デベロッパー、Gameloft、それにAppleくらいのものだ。

top-20-ios-publishers-japan売上をカテゴリー別にみると、他の国と同様やはりゲームが圧倒的なトップだ。アメリカでもゲームはトップだが、売上のシェアとしては59%と比較的少ない。

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滞在時間ではゲームとソーシャル・ネットワーキングがトップだが、売上に関しては日本ではFacebookはトップ・アプリではない。トップはメッセージ・サービスのLineだ。このサービスは最近1億ユーザーの大台を達成した。現在のところ収入はステッカーやチャット用絵文字の販売によっている。このビジネスモデルで昨年1月から9月の間に383%の売上増を実現している。

Facebookの日本における売上は、主として広告によっているので、金額の推定は難しい。Appleはアプリ経由の広告売上に関する情報を発表していないのでアプリ・ダウンロードの順位から推定することも困難だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+