米陸軍はレーザービーム兵器の早期実用化に本気

設立1927年の長寿の軍需企業であるNorthrop Grumman(ノースロップ・グラマン)が、かなり前から、米軍との契約でドローンを撃墜するレーザー兵器を研究開発している。

軍が望むのは、出力50キロワットのレーザーシステムをGeneral Dynamics(ジェネラル・ダイナミクス)が設計した装甲車Stryker(ストライカー)に載せたビーム兵器を、米軍の短距離防空システムの一員にすることだ。つまりこのレーザー兵器の目的は、前線の戦闘部隊をドローンの攻撃から守ること。

この計画には、Stryker装甲車にビーム兵器を組み込むことによって一種の先導機として利用し、短距離防空システムの目的である前線部隊の完全な保護を実現することが含まれている。

Northrop Grummanのミサイル防衛および防御システム担当副社長兼ゼネラルマネージャーであるDan Verwiel(ダン・ヴァーウェイル)氏は「Northrop Grummanはその革新的で実証済みの技術と統合化専門技術の蓄積を活かして、わが国の機動部隊の次世代型保護装備を強力かつ迅速に提供していきたい」と声明でコメント。

軍は全地形型車両であるStrykerの一群に、ドローンやヘリコプター、ロケット、火砲、 臼砲などに対する防御システムを載せるつもりであり、その開発をNorthrop GrummanやRaytheon(レイセオン)に委託している。つまりRaytheonも、このプロジェクトに参加している。

陸軍中将で超音波兵器ビーム兵器宇宙兵器および迅速調達担当ディレクターであるL. Neil Thurgood(L・ネイル・サーグッド)氏は声明で「今や、ビーム兵器を戦場に持ち込むべき時である。陸軍は陸軍現代化計画の一環としてレーザービーム兵器の必要性を認識している。これはもはや研究事業やデモンストレーション事業ではない。それは戦略的戦闘能力の一環であり、それを兵士たちが手中にすることは正しい方向性である」とコメントしている。

陸軍にとってレーザーは、従来の動力学的兵器につきものだったサプライチェーンのハードル(前線への弾薬の補充など)をさらに削減してくれる技術だ。5月に陸軍は、歩兵、車両、および航空機をサポートするさまざまなレーザー兵器のプロトタイピングと現場導入を加速する戦略にゴーサインを出した。

そして陸軍は、今契約しているRaytheonとNorthrop Grummanだけでなく、独自の研究成果を持つ他のベンダーからの売り込みを歓迎する、と言っている。デモに成功したら、総額4億9000万ドルの計画の一片に食らいつくことができる。そしてその技術を搭載した車両の実用化を陸軍は2022年と予定している。

陸軍の迅速配備展開部門(RCCTO)のビーム兵器担当上級研究員であるCraig Robin(クレイグ・ロビン)博士は声明で「レーザーのビーム利用に関しては軍と商用部門の両方が大きな進歩を遂げ、今では戦術的に有効なプラットホーム(装甲車など)で、十分な軍用能力のあるレーザービームを利用できる。今やわれわれは、そのための最良のソリューションを迅速にプロトタイプし、競争により最良の実装を実現して、前線の戦闘部隊に届けるべき時に来ている」と述べている。

画像クレジット: Northrop Grumman

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

太陽光とレーザーの力で羽ばたく昆虫ロボットRoboFlyは電力供給の無線化に成功

飛ぶものを作ろうと思うと、いろんなトレードオフを克服しなければならない。大きければ燃料や電池を多く積めるが、しかし図体が大きすぎると必要な揚力が得られないかもしれない。小さければ必要な揚力も小さいが、小さすぎて必要な大きさの電池を詰めないかもしれない。昆虫サイズのドローンも、この問題に悩まされてきたが、しかしここでご紹介するRoboFlyは、レーザーの力で空に飛び立つ。

虫のように小さい空飛ぶロボットは前にもあったが、しかしRoboBeeなどのそれらは、ワイヤーをつけて電力を供給する必要があった。今の電池はどれも虫用には大きすぎる/重すぎるので、これまでのデモは、‘もっと大きくすれば…電池を積めれば…自力で飛べる’というものばかりだった。

でも、外部からワイヤーを使わずに電気を供給できたら、どうだろう? ワシントン大学のRoboFlyは、それに挑戦した。RoboBeeの精神を受け継いだ同機は、搭載した太陽電池セルとレーザーから動力を得る。

“重さを増やさずにRoboFlyに大量のパワーを素早く送るには、それがもっとも効率的な方法だった”、とペーパーの共著者Shyam Gollakotaが述べている。彼が電力効率をいちばん気にするのも当然だった。彼と仲間は先月、ビデオを従来より99%少ない電力で送信する方法を公開したばかりだ。

レーザーには、ロボットの翼を駆動するのに十分以上のパワーがある。正しい電圧に調節する回路があり、状況に応じてマイクロコントローラがパワーを翼に送る。こんなぐあいだ:

“ロボットの翼が素早く前へ羽ばたくために、一連のパルスを早い間隔で送り、その頂上近くになったらパルスを遅くする。それからまた逆方向に羽ばたいて別の方向へ行く”、とペーパーの主著者Johannes Jamesが説明している。

現状ではこのロボットは、とにかく離陸して、ごくわずかに飛行し、そして着陸するだけだ。でも昆虫ロボットをワイヤレス送電で飛ばせる概念実証としては、十分だ。次のステップは、オンボードのテレメトリー(遠隔測定)を改良して、自分をコントロールさせること。また、レーザーに操縦性を持たせて本物の虫を追わせ、その方向に向けて継続的にパワーを放射できるようにしなければならない。

チームは来週オーストラリアのブリスベンで行われるInternational Conference on Robotics and Automationで、RoboFlyをプレゼンする。

画像クレジット: Mark Stone/University of Washington

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

レーザー光を照射する靴がパーキンソン病患者をふつうに歩けるようにする

テクノロジーが多くの人の生活を快適にしてくれるささやかな例が、意外なところにもある。それは、レーザー・シューズだ。そう、男の子の玩具ではない真面目な製品だ。上図のような、小さなレーザーエミッターを取り付けた靴は、最近のテストによると、パーキンソン病患者の正常な歩行を助ける。

パーキンソン病の症状のひとつに、すくみ足がある。それは、自分には前へ進む意志はあるのに、そのための一歩を踏み出せない状態だ。その状態が数秒から一分近くも続くと、不便であるだけでなく体のバランスを崩して転倒することもある。

しかし不思議なことに、足がすくんでいる人が前方の足元に気になるものをみつけて、心がそれに集中すると、それに向かって歩こうとして、すくみ状態がなくなることがある。それは、床板でも歩道の割れ目でも、なんでもいい。しかし、そんなものがつねにあるとは限らない。常時あるようにするには、どうしたらいいか?

そこで、オランダのトゥウェンテ大学のMurielle Ferrayeの想像力から生まれたのが、レーザー・シューズだ。つま先に取り付けたレーザー照射デバイスが、約45センチ前方の床に光の線を描く。するとユーザーは、その線に向かって足を踏み出そうとする。靴が動いているときにはレーザーは消えている。足が静止しているときだけ、線が描かれる。

こんな感じだ:

21名のパーキンソン病患者でテストした結果では、レーザー・シューズによってすくみ足の発生が半分近くに減り、すくみの持続時間は半分以下になった。患者の多くが、その靴を使いたいと言い、足がすくんでいないとき光が投射されても気にならないと言った。大学のニュースリリースでFerrayeが述べている次の課題は、すくみが検出されたときだけレーザーが発光するようにすることだ。

この研究は今週、Neurology誌に発表された。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

プロッター萌え必見 ― 4種のお絵かきロボットに変身するmDrawBots登場

4種類のお絵かきロボットに変身するmDrawBotsがKickstarterに登場した。製作したのはMakeBlockだ。組立玩具の「エレクターセット」にも似ているが、組み立てたあとに「お絵かき」をやらせることができる。

このロボットは、多数のキットを目的に応じて組み立てて利用する。「目的」とはすなわち「お絵かき」だが、たとえば「壁」や「床」などに描かせたりすることもできるし、あるいは卵の上に顔を描かせることもできる。絵を描く動作はプロッター風で、あちこちを動き回りながら絵を完成させる。

このお絵かきロボットにはArduinoコンパチのモジュールも搭載されているので、プログラミングして動作させることもできる。一般的には同梱のソフトウェアを利用して、用意した絵を読み込ませて使うことになるだろう。アップグレードパッケージにはBluetoothシステムも用意されていて、これを利用すればワイヤレスで絵を読みこませることもできるようになる。

4種類のロボットを作ることのできるパッケージは、早期割引(間もなくなくなる)が159ドルで提供されている。レーザーを使って描画できるモジュールを含むものも299ドルで提供される。先述の通り、本体に画像を送るmDrawというアプリケーションも同梱されている。出荷は5月を予定しているのだそうだ。

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(翻訳:Maeda, H


中国(も)、対ドローン・レーザー兵器を開発

中国が対ドローンのレーザー兵器を開発したようだ。半径2km以内を低空で飛行するドローンを撃ち落とす能力があるのだとのこと。

新華社が伝えるところによると、このシステムはChina Academy of Engineering Physics (CAEP)と共同で作り上げたものであるとのこと。小型ドローンであれば、ロックオンして5秒以内に撃墜できるのだそうだ。

対ドローン兵器としてレーザーを用いるのは、銃やヘリコプターで応戦するよりも、精確に排除するためなのだそうだ。30台以上のドローンを相手にテストしてみたところ、100%の作戦成功率を誇っているのだとのこと。

兵器はトラックに設置して移動式で利用することもできるのだそうだ。都市部で開催される重大イベントのセキュリティ対策に利用できるのだとしている。

撃墜できるドローンの最大サイズがどの程度なのかといった詳細な情報は公開されていない。ただ、高度500m以下でかつ50m/s以下の速度である必要があるようだ。より大きなドローンにも、そして対応可能距離なども広げたものを開発中であるとCAEPは言っている。

ドローンの価格は低下する一方であり、誰でも(どのような組織でも)利用できるようになりつつある。レーザー防御システムは、そのような時代背景の中で考案され構築されたものなのだそうだ。テロリストや、公衆に対する暴力行為を企図する組織も、さまざまな情報を入手して実際に攻撃をしかけることができる時代になっている。そのような相手に対し、適切な防御手段を持っている必要があると考えているわけだ。

なお、フランス電力会社(EDF)も、先月に未確認のドローンが7つの原子力発電施設の上を飛行していたとして調査を開始したのだとのこと。ドローンをコントロールしていたのが誰かについてはまだ明らかになっていない。しかしいずれにせよ、原子力発電施設のような重要施設に対するアプローチ手段が、広がってきていることは間違いない。

ちなみに米軍も対ドローン・レーザーを開発中だ。下のビデオではボーイングによるものを紹介している。ミサイル迎撃などを予定していた高出力レーザー兵器が、対ドローン兵器として用いられつつあるようだ。

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(翻訳:Maeda, H


10代の少年が強力レーザーカッターを完成…卓球ボールを数秒で切断

レーザーで物を焼き切ることに勝る満足感(そして危険性)を人に与えるものは、ほかにあまりない。レーザーのDIYを趣味とする若者Drake Anthonyまたの名Styropyroは、古いDLPプロジェクターのダイオードを利用して出力 3000mWのレーザーを完成させた。紙、プラスチック、絶縁テープなどを数秒で切ることができる。

そこらで売ってるハンドヘルドのレーザーは、出力が1,400mWぐらいだから、Anthonyのはかなり強力だ。彼はYouTube上に専用チャネルを持っていて、この破壊的技術の誇示に努めている。でも、今回のライトセーバーふうのレーザーは、これまで彼が作ったものの中でたぶんいちばん見事だろう。

筐体も電子回路も自作で、しかもまだ10代だから、Styropyroの前方には大きな未来が開けている。彼が調教したレーザー砲は、敵の戦闘艦を炎上させて、地球から見るオリオン座の右肩星を前よりもずっと明るく輝かせるかもしれない。

出典: Giz

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))