外貨両替大手のTravelexがマルウェアの被害でサービス中断

外貨両替店の大手Travelexが、12月31日にマルウェアの被害に遭い、一部のサービスを停止したことを確認した。ロンドンに本社があり全世界に1500店あまりを持つ同社によると、同社は「データを保護するための予防的措置として」システムをオフラインにし、マルウェアの拡散を防いだ。

同社の英国のサイトでは現在、オフラインで「重大事故」(Server Error)と書かれたページが表示されるだけだ。同社の企業サイトは「システムのアップグレードをしている間オフラインにする」と公表していた。Travelexからのツイートは、「ウェブサイトでもアプリでも通常の取引業務ができない」と説明している。一部の店舗では手作業で顧客の要求に応じている。一部のサービスをTravelexに依存している企業、例えばTesco Bankもこの間、問題を抱えている

Travelexの英国のウェブサイトは現在オフラインだ(スクリーンショット提供:TechCrunch)

同社によると、「これまでのところ」顧客のデータは侵害されていない、というが、その証拠などは示されていない。同社は「現在捜査中なのでマルウェアの種類などをお教えできない」と説明する。昨年は、著名企業がランサムウェアにやられる事故が増加した。それは、被害者のデータを暗号化して利用不能にし、身代金を払えば元に戻してやると迫るマルウェアだ。アルミニウム製造の大手Norsk Hydroと英国のPolice Federation(警察組合)が3月に、Arizona BeveragesAebi Schmidtが4月に、宅配のPitney Bowesは10月に被害に遭った。

市や州など一部の地方自治体も、ランサムウェアにやられた。そのため先月ニューオーリンズは非常事態宣言を公布した。Travelexのスポークスパーソンから、声明以外のコメントを得られなかった。

画像クレジット:Bloomberg/Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

オーディオストリーミングのMixcloudから2000万人以上のユーザーデータが漏洩

英国のオーディオストリーミングプラットホームのMixcloudが不正アクセスにより2000万のユーザーアカウントを流出させ、データが闇サイトで売りに出された。闇サイトの売り手はデータの一部をTechCrunchに見せ「本物であることを確認しろ」と伝えてきた。事件が起きたのは11月の初めだ。

データにはユーザー名とメールアドレスとパスワードが含まれていたが、パスワードはSHA-2のアルゴリズムで暗号化されていて解読はほとんど不可能だ。データにはそのほか、ユーザーの登録日付時刻と最前のログイン日付時刻、登録した場所の国名、IPアドレス、プロフィールの写真のリンクが含まれていた。

TechCrunchでは、データの一部のメールアドレスを同サイトのユーザー登録機能を使って調べた結果、本物であることを確認した。盗まれたデータの総量はわかっていない。その売り手によると2000万件というが、闇サイト上では2100万と書かれている。しかしTechCrunchが調べたデータからは、2200万に達するとも思われる。データは4000ドルないし約0.5ビットコインで売られている。その闇サイトのリンクをここに載せるのは控える。

Mixcloudは昨年、メディアを対象する投資企業であるWndrCoから1150万ドルを調達した。その投資ラウンドはハリウッドのメディア事業者であるJeffrey Katzenberg(ジェフリー・カッツェンバーグ)氏がリードした。

このところ著名企業の不正アクセスが相次いでいるが、これはその中でも最新の事件だ。盗んだデータを売っているのは同じ闇サイトで、スニーカーや衣料品のオンラインストアであるStockXへの不正アクセスについてもTechCrunchに警告してきた。StockXは当初、システムアップデートのための全顧客のパスワードリセットしたと表明していたが、その後ハッキングされたことを認めて400万件あまりのデータが流出したことを明らかにした。TechCrunchは盗まれたデータの一部を入手した

Mixcloudのプレス用メールアドレスへ問い合わせたが、メールは宛先不明で戻ってきた。同社のPR代理店に問い合わせたところ、すでにMixcloudとは契約していないとのことだった。MixcloudのスポークスパーソンであるLisa Roolant(リサ・ルーラント)氏はコメントを差し控えた。

ロンドンの企業なので、Mixcloudは英国とヨーロッパのデータ保護規則に従う。ヨーロッパのGDPRの規則に違反すると、年商の最大4%を罰金として払わなければならない。

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Google StreetViewの撮影車がロンドンの大気汚染を地図化

来月から二台のGoogle StreetView撮影車が、大気の質を調べるセンサーを乗せてロンドン中を走り回り、イギリスの首都の空気のクォリティを30メートル間隔で地図に落としていく。

またとくに汚染が激しい地区や、汚染があってはいけない地区には街灯や建物などに計100個のセンサーを取り付け、ロンドン市長のSadiq Khanが“世界に類がないほど高度な”という、大気質監視ネットワークが出来上がる。

この1年がかりのプロジェクトの目標は、ハイパーローカルなデータを得てそれらを政策に反映させることだ。Khanは、大気汚染対策を優先課題の上位に挙げている。

StreetViewの撮影車が汚染の監視に利用されるのは、これが初めてではない。3年前には、サンフランシスコのスタートアップAclimaが作ったセンサーを載せた撮影車が、ベイエリアの大気質を地図化した。

ロンドンのプロジェクトは、イギリスのAir Monitors社が作ったセンサーを使っている。

この大気質監視プロジェクトは、大ロンドン政庁(Greater London Authority)とC40 Citiesネットワークの共同事業だ。後者は、気候変動を調べ健康と福利を増進することを目的とする世界中の大都市の連盟だ。

このプロジェクトは慈善団体Environmental Defense Fund Europeが指揮し、Air Monitors, Google Earth Outreach, Cambridge Environmental Research Consultants, University of Cambridge(ケンブリッジ大学), National Physical Laboratory, そしてアメリカのEnvironmental Defense Fundのチームが賛助する。

King’s College Londonは、学校にフォーカスした関連研究を行う。

結果はC40 Citiesネットワークのメンバーと共有され、世界中の何百万もの都市住民のために大気の質を良くしていくための政策に反映される。

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iZettleのカードリーダーでロンドンのストリートパフォーマーがキャッシュレスでチップをもらう

決済のデジタル化が進むにつれて、ロンドン名物ストリートパフォーマーたちの収入が現代化しつつある。

新市長Sadiq Khanの支援もあって、イギリスの首都のバスカーたち(buskers, 路上で音楽や芸をする人たちの総称)は、チップを伝統的なキャッシュやコインだけでなく、クレジットカードから受け取ることができるようになる。

この方式はスウェーデンの決済企業iZettle(近くPayPalが22億ドルで買収)を使い、バスカーたちにカードリーダーを与えておくと、通りすがりの歩行者や通勤者たちが寄付できる。最近行ったトライアルを、今度はロンドンの登録バスカーたち全員に拡大する、とBBCが報じている。テストに参加したバスカーのCharlotte Campbellは、非接触型の決済が加わったことによって、いただけるお金の額が相当増えた、と言っている。

“これまでよりもずっとたくさんの人たちが、私が歌ってるときに寄金をタップした。一人がすると、ほかの人たちもする”、とCampbellは言う。

これはiZettleにとっても、絶好のビジネスチャンスだっただろう。これまでも目立たない形で、イギリスの決済のデジタル化に貢献してきたのだが。

iZettleは決済の超大手PayPalにとって、最大の買収になる。同社はこれまで、ヨーロッパ、メキシコ、ラテンアメリカなど計12の市場で操業してきた。イギリスではモバイルによる新しいタイプのPOS方式でとくに強く、そこではスマートフォンやタブレットにつけたカードリーダードングルが活躍した。アメリカのSquareと似たやり方だが、こういうドングルがあれば従来型のPOSシステムを導入してない零細企業でも簡単にカード決済によるPOS処理ができるようになる。

これをベースにiZettleは零細企業への財務サービスを拡大し、今では在庫管理やローンなどの分野も手がけている。

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ウェアラブルは次のレベルへ―かわいいデバイスでハトが大気汚染をモニター

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ウェアラブルデバイスは次の段階に進む準備ができたようだ。Plume LabsDigitasLBiは面白い実験を行うために協力した。ラッシュアワーのロンドンの大気の状態を調べるために小さなバックパックを背負ったハトが上空を飛び回ってサンプルを集めるというアイディアだ。

パブで酩酊しているときに思いついたというわけではないらしい。とにかく現在そのデバイスを装着した10羽のハトがロンドンの空を飛び回っている。実験はあと3日続けられるそうだ。

このエアー・パトロール隊員のハトは特別に作られた小さなパックを背負う。これはごく軽くて、羽根一本くらいの重さだ。このパックで採取された大気はオゾン、二酸化窒素、その他大きく変化する微量成分を分析される。ハトの飛行記録も記録される。それになんといってもかわいい。

ただしこのハトはそのへんにいるハトではない。エンジニアのチームはBrianの協力を得て、この任務に適したレース用ハトを借りだした。また獣医がハトの健康状態を定期的にチェックしている。ロンドン在住の読者はTwitterでハトの位置をモニターできる。また居住地区の最新の大気の状態を知ることもできる。

Plume Labsは以前から大気汚染の予測を手がけてきた。Plume Air ReportはiOSとAndroidのアプリになっており、都市部の大気汚染の最新情報と24時間後の予測を知ることができる。カバーしている都市は全世界数百にもなる。大気汚染版の天気予報アプリと考えればいいだろう。

チームは現在、既存の気象予報サービスから得られるオープンソースのデータを利用しているが、今後はウェラブルデバイスを利用したデータ収集を行いたいとしている。ハトの大気汚染調査員はおおいにマーケティングに寄与しそうだが、同社ではクリップで止められる小型の大気採取パックを開発している。このパックは、残念ながらハトではなく、人間用だ。

ロンドン・インペリアル・カレッジはPlume Labsと提携して大気を調査するE-Plumeというプロジェクトを計画している。ロンドン居住者100人が大気採取パックを装着して汚染のパターンをモニターすることになる。いわば

Plume Labsの共同ファウンダー、CEOのRomain Lacombeは私の取材に対して「このプロジェクトはいわば『大気汚染調査版の』Waze』だ」と説明した。さらに正確な情報が得られれば予報も精度を増すことになる。

Plume Labsは資金集めのためにクラウド・ファンディングを始めた。支援者はチームが今年予定している大気汚染調査のための各種の実験に協力することが求められる。

〔日本版〕Plume LabsのiOS/Androidアプリは東京始め日本の13都市をカバーしている。かなり多くの情報へのアクセスを求められるが許可しなくても大気情報は表示される。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+