キーボードの欠点が消えた新MacBook Pro 13インチ、Airとの差別化はやはり悩ましい

今回のMacBook Proの登場で、Apple(アップル)は、その歴史の中で最も不遇な部品の1つを闇に葬ることになった。最新の13インチモデルは、5年におよぶバタフライ式キーボードの失敗の連続に慈悲深く終止符を打ったのだ。

ここではそれ以上は踏み込まない。過去数年間にMacBookシリーズのモデルを購入したことがある人なら、私が何を言いたいかわかってもらえるだろう。固着して打てなくなったり、逆にランダムに入力されてしまうキーのことだ。競合のプレスイベントでライブブログの準備をしている際に、それが起こってかなり焦ったことが、少なくとも1回はあった。

アップルは、このバタフライ式の問題を何度も修正しようと試みた挙げ句、ついにそれを破棄し、基本に戻って昔からある信頼性の高いシザー式に戻った。私は今それで入力している。その結果、4年間使った私のマシンを買い換えようかと、真剣に検討することになった。正直なところ、そのマシンも、キーボード以外はまったく完璧だ。しかし、キーボードがあれなのだ。ずっと平面を叩いてタイプしているような感触しかない。

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今回の発表で、13インチのMacBook Proは、MacBookシリーズとしてシザー式キーボードを採用する一連のアップグレードの3番目、そしてその最後を飾ることになった。このキーボードは、アップルが大好きな「M」で始まる単語「マジック」を先頭に付けた名前で呼ばれる。文字どおりマジックとは言えないが、その改善には即効性があり効果は絶大だ。タイプの感触は、バタフライ式よりもかなり柔らかく感じられ音も静か。やはりストロークが1mmあるのが、手に優しい。

Touch Barから独立した専用のエスケープキーの追加など、他にも見るべき部分がある。Touch Barが万能というわけではないので、これは細かいことながら、歓迎できる改善点だ。

こうして私は、このレビューの最初の数段落をキーボードの話で費やしてしまった。バカげていると思われるかもしれないし、それがそこまで重要な話題なのかという疑問もあるだろう。しかし結局のところ、それを除けば、新しいMacBookのアップグレードは、かなり平凡なものになってしまう。それでも何も問題はないし、アップグレードは、たいていそんなものだ。しかし、新モデルに買い換えようかどうか迷っている人にとっては、このキーボードの改良が、強い動機を与えるものであることは確かだろう。

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本体の見た目は、以前のモデルとほぼ同じ。おなじみの金属製のユニボディデザインで、色はシルバーとスペースグレーから選べる。画面サイズも同じ13.3インチで、解像度は2560×1600のRetinaディスプレイだ。そこまでの仕様はMacBook Airと同じだが、このProの13インチモデルの輝度は500ニトであるのに対し、Airは400ニトとなっている。そのぶん明るく目にも優しいが、バッテリー寿命には、やや不利だろう。事前の噂では、画面が大きくなった16インチモデルと同様に、13インチから14インチになるのではないかとも言われていた。それによってAirとの差別化を図るというわけだ。しかし、少なくとも今回は見送られたようだ。

ポートの構成も、4つのThunderbolt 3(USB-C)(上位モデル)と、ヘッドフォンジャックで変わっていない。私たちにとって、日常の仕事をこなすための、頼りになるラップトップであるのは確かだ。私が唯一不満なのは、外観がAirとほとんど変わらないこと。Proの上位モデルなら、かろうじてThunderbolt 3ポートの数が異なる。Airは、999ドル(日本では10万4800円)から、Proは1299ドル(同13万4800円)からで、300ドル(同3万円)もの価格の違いが外観には現れていない。

もちろん重要なのは中身だ。私自身も母親にそう言い聞かせられながら育ってきた。奇妙なのは、Airは全モデルが第10世代のインテルCoreプロセッサーを採用しているのに対し、エントリーモデルのProは第8世代のものを搭載していること。上位モデルは第10世代だし、エントリーモデルも第10世代にカスタマイズすることは可能だ。もっともProは、エントリーモデルもクアッドコア(1.4GHz)なのに対し、Airのエントリーモデルはデュアルコア(1.1GHz)という違いはある。ちなみに、このレビューモデルは、2.0GHzで動作するクアッドコアの第10世代Core i5を搭載している。

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このモデルの価格は、エントリーモデルより500ドル(同5万4000円)高い1799ドル(同18万8800円)となっている。さらに200ドル(同2万円)を加えれば、2.3 GHzのCore i7プロセッサーを選択することも可能だ。レビューしたモデルは、GeekBench 4のシングルコア、マルチコアの各テストで、それぞれ5520と18228を記録した。同じテストでAirは、5244と14672だったから、CPU性能は明らかに高い。

このモデルは、16GBのメモリと512GBのSSDストレージを備えている。エントリーモデルで比べると、どちらも8GBのメモリと256GBのSSDストレージという仕様だけに、AirとProの境界はぼやけて見えてしまう。しかし、前者の最大メモリは16GB、最大ストレージが2TBなのに対し、後者はそれぞれ32GBと4TBで、カスタマイズの上限の違いは明らかだ。

その他の点でも、エントリーモデルでは、両機種のスペックは似通っている。しかしProは、その名にふさわしいパフォーマンスを発揮できるようにスペックを拡張できる。したがって、AirではなくProを選ぶ理由は、ビデオ編集やゲームなど、より強力なプロセッシングパワーを必要とするから、ということになる。その場合には、カスタマイズによって、Proらしさが発揮できるようにする必要がある。Proのバッテリー寿命は、Airの11時間に対して最長10時間とされている。新品の状態で、何時間か日常的な作業、仕事、音楽の再生などで使ってみた。しかし、毎日さまざまな用途で使い続ける場合を考えると、10時間というのはやや誇張した数字だと感じられる。その点に関しては、もちろんAirの11時間にも同じことが言える。

繰り返しになるが、13インチのMacBook Proの最大の欠点は、いろいろな点でMacBook Airとの製品ラインの切り分けが不鮮明なこと。しかも、Airはより薄く、より軽く300ドル(同3万円)も安い。Airに対して13インチのProを選ぶ意味は、13インチに対して16インチのProを選ぶ意味に比べると弱いと言わざるを得ない。

ほとんどのユーザーにとって、ほとんどの作業ではAirで十分だろう。しかし、それほど苦労せず、また金額的にも大枚をはたかずに、少しでも強力なパワーが欲しいという人にとって、13インチモデルは確実で安全な選択肢となるはずだ。今や、キーボードの問題も解決されたのだから。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

iPad Proでノートパソコン並のタイピングを可能にするMagic Keyboard

これまでの2年以上、私が出張中に書いたほぼすべての記事は、iPad ProのSmart Keyboard Folioによってタイプしたものだ。その理由は、このiPad Proのレビューを読んでいただければわかるだろう。

今回の新しいMagic Keyboardについての評価を読む前に、以前のKeyboard Folioについて、次の2つのことだけは知っておいて欲しい。

  1. 信頼性が高く、信じられないほど耐久性があり、その点では一度も期待を裏切ったことはなかった。
  2. それ以外の点は、まったくお粗末だ。

Keyboard Folioの表面は、プラスチックでコーティングされていて、少々液体をこぼしても大丈夫だが、それによってキーの応答性は損なわれていた。そのため、キーが確かに打鍵されたことを確めるために必要なフィードバックが指に伝わりにくい。そのため私は、常にすべてのキーを思い切り力を込めて叩くという方法に訴えるようになっていた。

新しいMagic Keyboardは、それとはまったく違う。ちょうど、新しいMacBook Proキーボードが、長年物議を醸してきたストロークの浅いキーボードと、まったく違うものになったのと同じだ。このMagic Keyboardによって、新しいiPad Proの使いやすさは格段に向上する。これは昨年発売されたiPad Proにも使える。

もはや、ペナペナしたキーボードに指を叩きつけなくても済むと思うと、安らかな気分になる。これまでは、長時間速いタイピングを続けていると、指先の方からだんだん痺れてくるように感じることもあった。感触がなくなってくると言ったほうがいいだろうか。それほど苦痛というほどでもなかったが、気にはなっていた。

それに対してMagic Keyboardは、16インチのMacBook Proや、新しいMacBook Airにも負けない、きれいなバックライト付きのキートップを備えた最高のポータブルキーボードを実現している。キーを押した感覚も素晴らしい。私の感じでは、ちょうど上に挙げたMacBookの2つのモデルの中間といったところか。触感はタイトで、反応も良く、正確だ。これは間違いなく、ファーストクラスのタイピング体験と言える。

ここ数日、これら3種のキーボードを並べてテストしてみたが、いずれもキーの安定性は、いくら強調しようとしてもしきれないほど。MacBook Airも、指先をキーに触れたまま、その場でゆっくりと円を描くよう動かしても、キーはほとんど動かない。しかし、その点ではMacBook Proの方が優れている。同じようにしても、さらに動きは小さく、ほとんど認識できないほどだ。

Magic Keyboardは、16インチのMacBook Proと比べると、ややフワフワした感じがある。しかしMacBook Airよりは硬めで、反発力もやや強く、ストロークも深いと感じられる。私の感じでは、タイピング音も16インチのProより大きめだ。おそらくプラスチック製のケースが、アルミニウムよりも響きやすいためだろう。ただし、それもほぼAirと同じくらいだ。キーを戻すときの感触は、Proの方に近い。それに対してAirは、少し深い感じがするが、ちょっと頼りない気もする。

というわけで、Magic Keyboardの感触は、やはりMacBook Proと同Airの中間といったところ。いずれにせよ、ProやAirのキーボードを改善するために施されたのとまったく同じ手法が成果を発揮したものとなっている。

スタンドとしての構造

私の最大の懸念は、アップルがヒンジの設計に凝りすぎたあまり、タイピングの際にグラグラするようなものになってしまっているのではないかということだった。しかしそれは杞憂だった。可動範囲が犠牲になっている感は否めないが、かなりしっかりしたものとなっている。

実際、ヒンジ自体の可動範囲はかなり狭い。開こうとすると、期待したよりもはるかに小さな角度で止まってしまう。そこからは2番目のヒンジが動き、ディスプレイを80度〜130度の間の角度で開くことができる。ディスプレイの角度を調整できる範囲は、Keyboard Folioの2段階の固定角度に近いが、Magic Keyboardでは、その間の任意の角度で止めることができる。

アップルは、テーブル上で使う場合と、膝の上に乗せて使う場合、両方のバランスを考えて、このような角度の調整範囲を決定したものと思われる。ヒンジを2段階にしたことによって重心を移動させ、傾きを抑えながら、ついに膝の上でのタイピングを可能なものとした。また、キーボードを強く叩く必要がなくなったことも、膝に乗せて使うのを容易にしている。

タイピングに関しては、このような画面角度の調整範囲でも、ほとんどのユーザーにとって、十分満足のいくものだろう。また、固い(摩擦が大きい)ヒンジは、可動する部品は多いものの、全体としてかなり頑丈にできている。私自身、12.9インチのiPad ProとMagic Keyboardの組み合わせを、キーボード部分に手をかけて持ち上げ、あちこち持ち歩くことに何の不安も感じない。ノートパソコンを持ち運ぶのと何ら変わらないのだ。途中でグラグラしたり、外れてしまったりする心配は無用だ。

さらに、iPadを空中に浮かせるような新しいデザインにより、左手でも右手でも、わずかな力で簡単に、すばやく開くことができる。これによって、Magic Keyboardはデスクトップに置いて使うドックの類にも取って代わることができる。これも、Keyboard Folioにはできなかった使い方だ。

Magic Keyboardは、物理的なタッチパッドを装備している。これはいわゆる触覚パッドではないが、表面のどの部分でもクリックできる。これはもう、ノートパソコンレベルのトラックパッドとなっている。キビキビと、期待どおりに機能するトラックパッドを設計する方法について、アップルののエンジニアリングチームが、他のどの会社のハードウェアチームより良いアイデアを持っていることを証明するものだろう。

私は、ケース自体のソフトなコーティングが気に入っているが、これと同じような仕上げの他のデバイスの表面と同様、摩耗することは避けられないだろう。トラックパッドの両側のパームレストの部分に、光沢のあるスポットができてしまうかもしれない。

ハーフサイズながら、矢印キーは反応もよく、すばらしい。

その他の詳細、注意点、そして限界

フロントカメラは、ディスプレイの左辺に位置することになるが、iPadの左側を保持する必然性はないので、カメラを取り巻く状況は改善したと言える。キーボードと画面の距離は3センチ弱ほどで、まだ理想的とは言えないが、Zoomなどでビデオ会議をする際の視線も改善された。鼻の動きばかりが強調されるようなことはなくなる。それでもアップルは、今後iPad Proのフロントカメラの位置の変更を検討する必要があるだろう。

キーボードのバックライトの明るさは適切だが、iPad Proに接続すれば「設定」で調整できる。今回のテストでは、Magic Keyboardの消費電力は大きめだったが、それを数値で示すことができるほど長くは使っていない。Facetimeで通話中に、充電しながら使ってもバッテリーが減っていくことがあった。ただ、それはその後のテストでは再現せず、そんな気がしただけかもしれない。Magic Keyboardに設けられた充電ポートを使えば、iPad Proに最大速度で電力を供給できる。これについてはテストで確かめた。

これは、アーティストが待ち望んでいたようなタイプのケースではない。Magic Keyboardは、Keyboard Folioのように、後方に回転させて逆向きに折りたたむことはできない。つまり、画面に直接何かを描く際には、ケースから外す必要がある。実際に外すのは簡単だ。まるで「ドローイングに適した角度にセットしたり、何にでも使えるようにすることができなかったので、簡単に取り外せるようにしました」と、アップルが言い訳しているかのようにも感じられる。まあ、それでもよいのだが、次のバージョンを設計する際には、もう少しマジックを働かせて、タイピングとドローイングの両方に、1つのケースで対応できるようなものにして欲しい。

ちょっと特殊な状況かもしれないが、iPad本体をいっぱいまで後ろに倒して使っているとき、数字キーを打つ際に指がiPadの底辺部分に引っかかってしまうことがある。これは私のタイピングの姿勢によるものなのかあるいは手が大きすぎるからかもしれないが、指摘しておくべきことだと思った。

Magic Keyboardは、ちょっと重い。12.9インチモデル用で700gある。これはiPad Pro本体より重いので、合わせるとiPad本体の2倍以上になる。ほぼMacBook Airと同じ重量だ。この重量が問題となるなら、11インチモデルの方がいい。また、Magic Keyboardを装着して折りたたむと、かなり分厚いものになる。

今回登場したMagic Keyboardは、昨年発売された旧モデルのiPad Proでも使える。そのモデルを持っている人にとっては、すばらしいアップグレードの手段となる。ただし、リアカメラの周囲の切り欠きは、だいぶ余ってしまうことになる。これは、iPad本体を買い換えることなく、デバイス自体を大幅にアップグレードしたかのような効果をもたらす。アップルが、iPad Proのモジュール性を重視していることの現れだろう。アップル製品以外に目を向けても、最も目立つ新機能は、最新デバイスのハードウェアに依存していて、新モデルだけに限定されのが普通だ。その点でも、Magic Keybardが旧モデルをサポートしているのは際立っている。

Magic Keyboardの価格は、11インチモデル用が$300(日本版は税別3万1800円)、12.9インチモデル用が$350(同3万7800円)となっている。この価格は、予算に組み入れておく必要がある。今や、iPad Proにとって、Magic Keyboardがベストなキーボーであることは、紛れもない事実なだけに、iPad Proパッケージの価格の一部と考える必要があるからだ。もしそうできないのなら、そもそもiPad Proは諦めたほうがいい。そこまで言っても差し支えのないパッケージになっている。

欲を言えば、角度の調整範囲は、もっと広いほうがいい。次のバージョンでは範囲が拡張されることを願いたい。それはともかく、本当にiPadで仕事をしたいと考えている人にとって、特にその仕事の中心がタイピングとなる人にとって、Magic Keyboardは必須と言っていい。ここ数年の間に、清水の舞台から飛び降りるつもりで、iPadをメインのコンピューターとして使うことにした人間にとって、これは夢にまで見たキーボードだ。欠点がないわけではないが、新鮮で、何のごまかしもなく実現されたアクセサリーであることは確かだ。ちょっと古いiPad Proでさえ、普通のノートパソコンよりも、さらに使いやすいノートパソコンにしてくれるのだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

iPad Pro用のトラックパッド搭載Magic Keyboardが予定繰り上げ来週に出荷開始

世界的な新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックの現在、サプライチェーンはあらゆる角度からのプレッシャーにさらされている。しかし、1つの製品は少なくとも予定より早く到着する。当初5月の出荷を予定していた、iPad Pro向けのトラックパッドを搭載したMagic Keyboardは、現在予約注文を受け付けており、来週には出荷が開始される予定だ。

このアクセサリの詳細はこちらから、そしてTechCrunchによるiPad Proのハンズオンレビューはこちらから閲覧できる。ようするに、Apple(アップル)はハードウェアとソフトウェアにおけるプロダクティビティのアップデートを追加することで、iPadとMacBookの境界線をさらに曖昧にしている。

このアクセサリは、iPadOS 13.4で提供されるカーソルとマウスのサポートを利用する。また「フローティング」スイーベルデザインは視野角を130度まで調整でき、バックライト付きキーには大幅に改良されたシザー構造スイッチを採用している。さらに、充電用のUSB-Cポートも追加されているが、ここではデータ通信には対応していない。

Magic keyboardは最新のiPad Proだけでなく、2018年モデルにも対応している。ただし、価格は11インチモデルが税別3万1800円、12.9インチモデルが税別3万7800円と、決して安くはない。またアップルはアクセサリメーカーと協力し、より低価格のトラックパッド搭載ケースを提供する。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

新しいiPad Proはマウスとトラックパッドのサポートでノートパソコン化の道へ

アップルは、いくつかの新しいハードウェアに関するニュースを、プレスリリースを通してオンラインで発表した。とはいえ、すべてこの現実世界に関するものだ。今後の数週間から数ヶ月の間には、いずれも実際に手にすることができるはず。そのころにはアップルも、オンラインの世界での現実に慣れているかもしれない。MacBook AirMac miniに加えて、クリエイティブなプロ向けのiPad Proも、いくつかの新機能を装備してアップデートされた。

またiPad Pro用のオプションとして、新しいMagic Keyboardも追加された。価格は、11インチモデル用が3万1800円、12.9インチモデル用が3万7800円となっている。これは、iPadを単なるタブレットではなく、極めてポータブル性の高い生産的なデバイスに仕立てようという、アップルの長年の夢を実現するためのものと考えられる。

関連記事:アップルが新しいiPad Proを発表、iPadOSでマウスカーソルが利用可能に

この新機軸を支えるのが、新しいiPad OS 13.4だ。ノートパソコンのようなスタイルのマウスカーソルをサポートしている。新しいiPad Proは、すでにこのバージョンを搭載し、オプションのキーボードケースのトラックパッドで、カーソルが有効となる。まだiPad Proの新モデルに出資する準備ができていないという人のため言えば、この機能は、ここ2、3年の間に発売されたほとんどのiPadがサポートするはずだ。

とはいえiPadOSは、良くも悪くも、macOSではない。現にアップルも、一般的なデスクトップのカーソルとは異なったアプローチを採用したとしている。プレスリリースによれば、以下の通りだ。

Appleは、macOSでの体験をそのまま持ってくるのではなく、トラックパッドの対応はiPadのために一から作り直しました。ユーザーがトラックパッドの上で指を動かすと、ポインタが洗練された形で変形してユーザーインターフェイスの要素をハイライト表示します。トラックパッド上のMulti-Touchジェスチャーは、手を全く持ち上げることなく、システム全体で素早く、簡単に操作することができます。

iOSとiPad OSを分離することになった大きな動機として、この種のアップデートが念頭にあったのは確かだろう。こうしてiPadは、モバイルとデスクトップの間のあいまいな領域で、独自の道を切り開こうと、ますます努力しているのだ。タッチスクリーン付きのMacはまだないが、タブレットをメインのコンピューティングデバイスとして使うことを検討しているユーザーに対して、アップルは確実にその移行を容易なものにしたと言える。

新しいiPad Proは、すでに注文を受け付けている。Magic Keyboardも5月には発売予定だ。iPadOSの新バージョンも、3月24日には利用可能となる予定。このアップデートにより、システムはアップル製のMagic MouseとMagic Trackpadのおのおの最新バージョン、およびサードパーティ製のBluetoothマウスとも互換性を持つようになるはずだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

アップルが新しいiPad Proを発表、iPadOSでマウスカーソルが利用可能に

アップルは新しいiPad Proモデルを発表し、プレスリリースを発行した。内部仕様の強化に加えて、新しいMagic Keyboardも発表した。バックライト付きキー、トラックパッド、iPadの角度を自由に調整できるヒンジを備えたもの。

新しいiPad Proの外観は、従来のiPad Proとほとんど変わらないように見える。これまで同様、11インチと、12.9インチディスプレイのいずれかのモデルから選択できる。プロセッサとしては、8コアのA12Z Bionicシステムが搭載されている。以前のモデルでは、A12X Bionicシステムだった。

今回の新iPad Proは、デバイスの背面に、10MPの超ワイドカメラとLIDARセンサーを搭載している。LIDARセンサーは、拡張現実アプリなどで活用できる。標準レンズの12MPカメラセンサーも搭載している。内蔵マイクも改善されており、アップルでは「スタジオ品質」で録音できるとしている。

iPhone 11 Proと同様、Wi-FiとLTEも、それぞれわずかながら高速化されているはずだ。ディスプレイについては、以前のモデルと同様に120HzのリフレッシュレートとTrue Toneをサポートし、P3に対応した広色域をサポートする。

またアップルは、サーマルアーキテクチャの改善によって、負荷の重いアプリを、ピークパフォーマンスで長時間連続で実行できるようになったとしている。

ここで、トラックパッドについて話しておこう。以前に9to5macは、iOS 14ではマウスカーソルが完全にサポートされると報じた。これは実際には、この秋のiOS 14を待たずに実現されたことになる。

デフォルトでは、丸いカーソルを表示する。ただし、カーソルの形状は、何にカーソルを合わせるかによって変化する。たとえば、カーソルをテキストの上で移動する場合、縦棒の形のカーソルになる。またPagesのドキュメントで、テキスト領域のサイズを変更する場合には、左上と右下を向いた2つの矢印のカーソルとなる。つまり、デスクトップパソコンのカーソルと同じような挙動を示すのだ。

新しいトラックパッドはジェスチャをサポートし、アプリを直接切り替えたり、Appスイッチャーを開いたり、Dockやコントロールセンターをアクティブにしたりできる。サードパーティのアプリには、すでにトラックパッドをサポートしているものもある。しかしデベロッパーは、新しいAPIを利用して、さらにトラックバックのサポートを強化することも可能だ。

Magic Keyboardのキーボードは、セパレーションタイプの普通のキーボードのように見えるものとなった。USB-Cポートを備え、キーボードと、それに接続されたiPadの両方を同時に充電できる。これにより、iPadを充電しながら、iPad側のポートには別のアクセサリを接続して利用できるわけだ。

新しいMagic Keyboardは5月に発売される予定だ。価格は、iPad Proのサイズによって異なり、11インチ用が3万1800円、12.9インチ用が3万7800円となる。価格的には、かなり高価なキーボードだ。

iPad Proは3月25日に発売予定で、すでに注文を受け付けている。「仕上げ」は、シルバーとスペースグレーの2種類だ。128GBのストレージを搭載した11インチiPad Proの価格は8万4800円。同じ128GBのストレージを備えた12.9インチモデルは10万4800円となっている。いずれも1万7000円を追加すれば、Wi-Fiに加えてCellulerがサポートされる。さらに金額を追加すれば、256GB、512GB、1TBといったストレージ容量のオプションも選べる。11インチのWi-Fiモデルの場合、256GBでは9万5800円、512GBは11万7800円、1TBでは13万9800円となる。12.9インチのWi-Fiモデルの場合、それぞれ11万5800円、13万7800円、15万9800円となっている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Appleからテンキー付きMagic Keyboard――ワイレス・フルキーボード(日本でも発売開始)

Appleは今日(米国時間6/5)のWWDCで数々の発表を行った。しかし華々しい新機能や新デバイスの紹介に時間を食われたか、10キー付ワイヤレスキーボード、Magic Keyboardはついにステージでは紹介されなかった。その理由は理解できないこともないが、やはり許しがたい。私の見るところ、これは今回のWWDCで最大、最高の新製品だ。

なるほど最大というのはやや誇張だったかもしれないが、それでも重要な製品だ。機能は従来のMagic Keyboardとほぼ同様で、Lightningポートで充電を行い、キーはApple独自のシザー構造だ。しかし新製品はテンキーとファンクションキー、それに上下左右の矢印キー、page up/page downキーなどが追加された。要するにフルサイズキー配列となっている。

特に印象的なのはフルサイズ化された矢印キーだ。 従来のMagic Keyboardの上下キーはキー1個分を上下に分割したせせこましいサイズだった。新キーボードではナビゲーションははるかに快適になるはずだ。ウェブページをスクロールしたりスプレッドシートのカーソルを移動したりコードを書いたりするときに矢印キーは始終用いられるから影響が大きい。

Appleではバッテリーは充電後1月保つとしている。もちろんMac標準のメディアキーも揃っている。USB/Lightningケーブルも同梱される。Appleがフルサイズ・キーボードを作るのにこれほど時間がかかった理由は知る由もないが、ともかく登場したのだからありがたい。即日出荷される。

〔日本版〕Magic Keyboard(テンキー付き)-日本語(JIS)は13,800(税別)で発売中。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+