Googleは、同社のデータサイエンスの技術をリアルタイムで試してみたいようだ。今週末(米国時間3/30〜)同社は、サンアントニオで行われるファイナルフォー(Final Four, 全米男子大学バスケ選手権)で、データ分析と機械学習の技術を駆使して、試合中にさまざまな予測を行う。そしてハーフタイムに放映されるテレビコマーシャルでは、そのゲームの後半戦について予言する。
その詳しい計画は同社の今朝(米国時間3/30)のブログ記事に載っていて、そこでは、Googleのクラウド技術を使ったスポーツデータの統計分析などで同社とNCAA(全米大学体育協会)はすでに関係があり、今回の企画もそのご縁から生まれた、と言っている。そしてGoogleはこの機会を、NCAAのデータのより高度な活用の機会と捉えている。
チームはデータサイエンティストと技術者とバスケットボールのファンたちで構成され、GoogleはGoogle Cloud PlatformとBigQuery、Cloud Datalabなどの技術を利用するデータ処理のワークフローを構築した。データは非常に細かくて、各人の毎分のショットブロック数、動物をマスコットにしているチームの逆転負け率、などもある。Googleはそれらのデータを総動員して、今行われているゲームの経過や結果を予想する。そのためには、ゲームの前半から得られたデータをリアルタイムで分析し、それに基づく予想を数分後にコマーシャルで発表する。
Google Cloudのチームが試合中の会場にいて、前半のデータをワークフローに放り込み、NCAAの過去のデータも利用して分析する。ハーフタイムになったら、データをさらに分析して予想を作りだす。その技術的な詳しい説明は、Google Cloud Big Data and Machine Learningのブログで共有されている。
ハーフタイムが終わる前にGoogleは、出来立てほやほやのテレビコマーシャルをCBSとTurnerに渡し、後半が始まる直前にそれが放映される。
“スポーツイベントの実況中に自社のリアルタイム予測分析技術を利用してコマーシャルを作る企業は、うちが世界で初めてだろう”、とGoogleは言っている。
この実験はGoogle Cloudなどの技術を宣伝する方法としても巧妙だが、ファイナルフォーの予想をするテクノロジー企業はGoogleだけではない。
すべてのバーチャルアシスタント(スマートアシスタント、音声アシスタント)が、独自の予想をしている。GoogleのGoogle Assistantだけでなく、AmazonのAlexaも、MicrosoftのCortanaも、AppleのSiriも。でもそれらの一部は、本物のデータサイエンスを利用した予測というより、人が書いた意見のようだ。
このGoogleとNCAAのデータサイエンス/機械学習の実験には、そのためのWebサイトもある。