Googleがスマートフォンをモジュール化するProject Araを中止、パートナーへのライセンス提供はありか?

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Motorolaで始まり、その後GoogleのAdvanced Technology and Projectsグループに移ったProject Araは、3年間開発が続いたが、このほどついに“保留”扱いとなり、実質的に中止された。

2014年にMotorolaをLenovoに売ったあとも、Googleはモジュール化スマートフォンのプロジェクトを、今のスマートフォンの設計に代わるものとしてだけでなく、未来のスマートフォンのカスタム化の方法として高く買っていた。

今回の方針変更は、Araに期待していた人びとには驚きだろう。Googleはプロジェクトにコミットしていたし、この秋にはデベロッパーバージョンが、そして消費者製品は20171年に出るはずだった。にもかかわらず、交換(取り替え)可能にすべき部位のタイプに関して、さまざまな遅れや問題が累積した。そして今それは、そんな水の中で溺死した。

Reuters(ロイター通信)の記事によると、プロジェクトは凍結されたが、GoogleはハードウェアパートナーにAraをライセンスすることを検討するかもしれない。そうなるとその機能が、未来のAndroidスマートフォンに出現することも考えられる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

モジュール構造で多様な機能に変身するスマートフォンProject Ara、Googl I/Oの歓声の中でデベロッパーエディションをデモ

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Project Araについて多くを知ってからかなりの時間が経つが、でもGoogleはこの、Motorola起源の、モジュール構造のスマートフォンを、I/Oから外す気はなかった。

Projects SoliJacquardの最新アップデートを紹介したあと同社は、Araフォーンの実働デベロッパーエディションの感動的な姿を、熱心なGoogleファンたちに披露した。彼らは同機のプラグアンドプレイ機能を見て、興奮の声をあげていた。そのデバイスは機能的にはベーシックなスマートフォンだが、モジュールのための“汎用的”スロットが6つあり、すべてのモジュールをサポートできる。

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Googleの技術部門のトップRafa Camargoは、カメラモジュールをプラグインして、ただちにオーディエンスの写真を撮った。“ステップワン、モジュールをプラグインする”、とCamargoは声を張り上げた。“ステップツー、それを使う”。モジュールをイジェクトするためには、“okay Google, eject the camera”(よーしGoogle、カメラを外せ)などと声をだせばよい。そのときは、このデモで最大の拍手喝采が起こった。

スピーカーやカメラなどベーシックなモジュールでスタートしたこのプロジェクトだが、今後はSamsung, Sony Pictures Home Entertainment, Panasonic, Toshiba, Harman, E Inkなどのパートナーと共謀して、変わったモジュールが次々と出てくるらしい。たとえば第二ディスプレイ、など。Camagoは曰く、“ただのスマートフォンじゃないよ。完全にモジュール的なコンピューティングプラットホームなんだ”。

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Araのデベロッパーバージョンは今年後半に出る。そこには、フォーンのほかに、“いくつかのモジュール”がある。そしてついに来年は、このモジュール的ハンドセットの消費者バージョンが出るらしい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

スマホがLEGOになったGoogleのProject Ara、初のプロトタイプがお目見え

Project Araの話が賑わってから、数週間になる。それは、一台の携帯電話を複数の部位(コンポーネント)で構成し、各部位をそれぞれ交換可能にする、というGoogleの取り組みだ。

GoogleはそのデバイスをI/Oカンファレンスで見せたが、でもそのプレゼンテーションは、来場者の笑いを誘う不具合に終わった

今日(米国時間10/29)リリースされたビデオでは、GoogleのPhonebloksチームがAraの最新のプロトタイプを見せている。今度はちゃんと動くし、やや遅いようだが、前回と違ってまともにブートする。

このプロトタイプの見せ場は、ビデオの2:30あたりだ(下のビデオ)。

では、何が変わったのか? そのデバイスが実際にブートし、ある程度操作できる、…外見的な違いはこれだけだ。

しかし、ビデオの終わりの方で語られるエピソードはおもしろい: 現状では、この最初のプロトタイプ”Spiral 1″の全スペースの約50%が、モジュール化〜コンポーネント化という目的だけのために使われているのだ。

しかし次のプロトタイプ”Spiral 2″では、できるだけ多くのスペースをユーザとデベロッパに明け渡し、とくにデベロッパにはいろんな試行をしていただく。東芝に作らせた専用チップを使っているので、カスタム化のためのスペースは十分に確保できる、ということだ。

ただし、その”Spiral 2″に関しては画像もスケッチも何もない。ビデオの最後の説明によると、そいつが登場するのは1月14日に行われるProject Araデベロッパカンファレンスにおいてだそうだ。このカンファレンスは、Googleがさきほど発表したばかりだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、モジュール入れ替え型スマートフォンの実現を目指すProject Araディベロッパー・カンファレンスを開催

Googleは、Motorolaによって展開されていたスマートフォンデザインの実験的プロジェクトを捨ててしまったわけではなかったようだ。Motorolaからの研究成果をATAP(Advanced Technology and Projects)にてProject Araにて進化・熟成させてきていた様子。ATAPはつい先日、3Dセンサーを活用するシステムであるTangoをリリースしたばかりだ。そのATAPが、今度はProject Ara関連のディベロッパー・カンファレンスを4月15日および16日に開催する旨のアナウンスを行った。開催場所はマウンテンビューのComputer History Museumだ。

ちなみにAraはモジュール組み込み型のスマートフォンで、自分で搭載パーツを入れ替えることで別種のセンサーや、性能の良いカメラを搭載したり、あるいはより大容量のバッテリーを利用するようにしたりといったことができるようにするものだ。Play Storeでアプリケーションを購入するような感覚で、新たなモジュールを入手して搭載モジュールと入れ替えて、より自分のニーズにあったスマートフォンに作り変えていくことができる。そうした仕組みを取り入れることで、わずかの期間のうちに、一部の機能アップデートが必要だからと新しいスマートフォンに買い直すといったことは必要無くなり、新しい機能をもったパーツ部分のみをアップデートしていくことが可能になるわけだ。

Googleによれば、年内に何度かAraディベロッパー・カンファレンスを開催していく予定だとのこと。今回は、4月にウェブ上でも公開する予定となっているAra Module Developers’ Kit(MDK)の紹介を主目的とするものだとのことだ。誰でも無料で使うことのできるプラットフォームであり、これを使って「なんでも必要なモジュール」を使うことができるようになる。カンファレンスはオンラインでも開催されるが、現地参加者も募集中だ。参加費用は100ドル(学生は25ドル)で、食事および現地でのセッション参加費用が含まれている。申し込み時に記す動機(application)にて出席の可否が決まるようだ。積極的に、熱意ある申込書を書く必要がありそうだ。

Araは、ひとつのデバイス上でモジュールをいろいろと入れ替えることで、すべてのニーズにこたえられるようにしたいとするものだ。あまりに壮大過ぎる目標だとも思えるが、ATAPとしては、あらゆるリスクを考慮しても利用者のニーズに答えていきたいということなのだそうだ。「壮大過ぎる」と言われるのは、むしろ「望むところ」であるのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H


MotorolaがあのクレイジーなProject Araで3D Systemsと提携–モジュールを3Dプリントで量産へ

Motorolaがモジュラースマートフォン(モジュール構造のスマートフォン)に本格的に取り組んでいることが知れ渡ったとき、その技術の詳細はほとんど闇の中だったが、その後、このGoogleの子会社は徐々に、このクレイジーな製品の実装方式を明かし始めた。

その基本は、3Dプリントだ。しかもそれを多用する。Motorolaが今日発表したところによると、同社は3D Systemsと独占的な提携関係を結び、Project Ara(Araプロジェクト)のスマートフォン用の基本筐体やコンポーネントなど、各モジュールを作らせる。

Project Araとは、Motorolaのモジュラースマートフォンプロジェクトの名称だ。Motorolaの連中は、これまでの、完全ブラックボックス型のスマートフォンのデザインに疑問を感じていた。ユーザに構造の細部が分かり、構成をカスタマイズできる、ブロック玩具方式、組み立て方式のスマートフォンを作ろう、というアイデアからProject Ara、すなわちモジュラースマートフォンのプロジェクトが生まれた。たぶんGoogleの傘下に入ってからのMotorolaには、奇矯なアイデアを好むGoogleの企業文化が徐々に感染したのだろう。今同社はディスプレイのある電話機本体(”endoskeleton”と呼んでいる)を作っており、これに後からユーザがいろんなものをくっつけて、自分好みのスマートフォンを‘構成’するのだ。たとえば、最新のカメラコンポーネントをつける、プロセッサコンポーネントも最新最速のものに交換する、などなど、カスタマイズの可能性は無限にある。〔サードパーティが特殊なコンポーネントを開発提供することもありえる。〕

ここで、3D Systemsの立場がなかなかおもしろい。同社は今では消費者向けの低価格3Dプリンタやスキャナにも力を入れているが、事業の本体は大きくて重い業務用製品だ。それらは、値段が高いだけでなく、仕事もはやいし、精度も高い。つまりProject Araのような仕事に向いている、ということ。おそらく同社はMotorolaからハイスピードの量産体制を求められただろう。今はまだベータテスター、いわゆる”Ara Scouts”たちからのフィードバックを集めている段階で、一般市販の日程などは発表されていないが、そのSDKであるModule Development Kitは、アルファバージョンがこの冬、ハッカーたちの手に渡る、と言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))