Facebookがタイ君主制に批判的なページへのアクセス制限強要に法的措置で対抗

Facebook(フェイスブック)はタイの君主制に批判的な内容の投稿を行った人気のグループのページへのアクセスを制限したが、同社は不法なものとしてコンテンツを制限することを強制されたとしてタイ政府に対して法的措置を取る構えだ。

米国時間8月24日にRoyalist Marketplaceへのアクセスがタイ国内で遮断されているとロイターは報じた。Royalist Marketplaceはメンバー100万人超を抱えるが、タイ国内から同グループのFacebookページにアクセスしようとすると、アクセスは「デジタル経済社会相からの要請によりタイ国内では制限されている」とのメッセージが表示される。

TechCrunchに電子メールで送られてきた発表文の中で、フェイスブックの広報担当は「注意深くレビューを行い、当社はタイ政府が不法だと考えているコンテンツへのアクセス制限を強制されたとの結論に至った。今回のような要請は著しい国際人権法侵害であり、表現の自由に萎縮効果を及ぼす。当社は全インターネットユーザーの権利を守るために働いており、今回の要請に対し法的措置を準備している」。

広報担当はまた「今回のような政府の過度な行為は、オフィスの維持や従業員の保護、フェイスブックに頼っている事業者の直接的なサポートを含め、タイにおける当社の投資活動を阻害するものだ」と付け加えた。

Royalist MarketplaceはPavin Chachavalpongpun(パビン・チャチャバルポンプン)氏が2020年4月に立ち上げたグループだ。パビン氏は反体制として日本に亡命し、現在は京都大学の東南アジア研究センターで准教授を務めている。

同氏はロイターに対し、Royalist Marketplaceは「民主化プロセスの一部であり、表現の自由のためのスペースだ。これ(アクセスの制限)を行うことでフェイスブックは権威主義の体制に協力して民主化を阻害し、タイに独裁主義を根づかせている」と語った。

Royalist Marketplaceの地域限定の制限は、バンコクで何千もの抗議者(Yahoo! News記事)が厳格な不敬罪法(BBC NEWS記事)などを含む君主制の改革を要求したことを受けてのものだ。不敬罪では、君主一族の名誉や尊厳を害した者は最高15年の禁固刑を受ける。

パビン氏はタイの君主制を大っぴらに批判してきた。2020年8月初めに国際関係機関のウェブサイトで公開された文書(CFR投稿)の中で、同氏は「何十年もの間、タイの立憲君主制はたびたび憲法規範と規則が定めるもの以上の力を誇示してきた」と書き、現在の国王であるMaha Vajiralongkorn(マハー・ワチラロンコーン)氏が軍部と近しい関係を築いて政治に干渉しているとも指摘した。

2014年にニューヨークタイムズ紙に寄せたオピニオンで、パビン氏は民主的に選ばれたYingluck Shinawatra(インラック・シナワトラ)政権を同年に転覆させた軍事政権によって、自身に対して逮捕状が出ていることを明らかにした。パビン氏はまた、京都にあるアパートで侵入者に襲われた。この事件について同氏は「考えを引き続き表明するという私の立場に対する警告だった」と確信している。

タイユーザーのRoyalist Marketplaceへのアクセス制限の3週間前には、タイのデジタル経済社会相のPuttipong Punnakanta(プティポン・プンナガン)氏が、政府のコンテンツ制限要求に素早く応じていないとしてフェイスブックに対して措置を取ると脅していた(REUTER記事)。

2016年にタイはコンピューター関連犯罪法を制定した。この法律については、人権NGOのヒューマン・ライツ・ウォッチが「言論の自由を制限し、監視や検閲を可能にし、活動家に報復する過度な力を政府に与える」と警告している(Human Rights Watch投稿)。

フェイスブックはまた、同社にとって最大のマーケットであるインドでも厳しい調査の対象となっている。インドで公共政策の責任者を務める同社のAnkhi Das(アンキ・ダス)氏がヘイトスピーチ規則をNarendra Modi(ナレンドラ・モディ)首相率いる党のメンバーに適用することに反対した、とThe Wall Street Journalは報道している。

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(翻訳:Mizoguchi

ツイッターのポリシー違反対応措置が2019年下半期に増加、新設されたTwitter Transparency Centerがレポート

Twitter(ツイッター)は、2020年8月19日に新設したTwitter Transparency Center(ツイッター透明性センター)から年2回の同社サービスにおける透明性に関するレポートを発表した。同社によると(Twitterブログ)、同センターはレポートへの理解とアクセスを容易にするデザインとなっている。立ち上げのタイミングは、今回の報告期間である2019年下半期をカバーする最新の透明性レポートのリリースの遅れに合わせて調整された。リリースが遅れたのは、新型コロナウイルス(COVID-19)の健康危機と新しい透明性センターの稼働準備作業が原因だという。レポートはツイッターがポリシーの実行にこれまで以上に力を入れていると主張している。例えば、誹謗に関するポリシー違反により措置の対象となったアカウントが95%増加、アカウントのロックと停止が47%増加、悪意ある行為に関するポリシー違反のために措置の対象になったアカウントが54%増加した。

ツイッターは、人間によるレビューのためにコンテンツ違反を「プロアクティブに」公表することが詳細なポリシー、改善されたレポートツール、その他の要因とともにルール適用強化に役立つと主張している。

結果として、今回の報告期間において、ツイッターの誹謗に関するポリシーに基づく措置の対象となったアカウント数の増加は最大となった。これはツイッターが主張するように優れたテクノロジーによるものかもしれないが、おそらくオンライン上の言説の内容が変化していることもある。

ツイッターは、ヘイト行為を示すアカウントに対する措置が増えているのは、2019年7月9日に発表された新しい「非人間的に扱うことに関するポリシー(dehumanization policy)」に一部起因していると考えている(Twitterブログ)。

ツイッターは今回の報告期間中、他の領域でルールの適用を強化した。センシティブなメディアやアダルトコンテンツの投稿(措置実施が39%増加)、自殺および自傷行為(措置実施が29%増加)、ドキシング(他人の個人情報をネット上にさらすこと、措置実施が41%増加)、合意のないヌード(措置実施が109%増加)などだ。減少した唯一の領域は身体的脅迫であり、ポリシー違反のために措置実施に至ったアカウント数は5%減少した。

ツイッターはまた、規制対象の商品やサービスに関するポリシー違反により、6万807のアカウントに対して措置を取った。

オンラインでの嫌がらせは、ツイッターの普及にともない大きな課題となっている。現在のソーシャルネットワークは幅広く一般市民が利用しており、テックおたくの間で「twttr」という一種の公開SMSとして知られていた初期の時代とは異なる。今日、「オンラインの町の公共広場」というツイッターの理想的な目標は、モデルの限界にぶつかっている。これはツイッターの現状に対する間違った(未訳記事)あるいは妄想的な類推(Medium投稿)だとの批判が高まっている。

ツイッターは多くのソーシャルメディアと同様、科学的根拠の薄い傍流の主張、言い争い、有害コンテンツを過度に増幅(The New York Times記事)し、コミュニケーションの健全性を損なう恐れがある。ユーザーの意見の二極化を助長しかねない(PNAS記事)。キャンセルカルチャー(過去の問題発言や行動が掘り起こし、その人物を糾弾する動き)の温床となる(USA TODAY記事)。

同社自身は最近、ある考えについて議論する際に世界を「1つの部屋」にまとめることにともなう問題と、その結果誤情報を増幅するリスクに気づき始めたようだ。

ツイッターは2020年7月に、傍流の陰謀論やQAnon(Qアノン)のアカウントを一時停止した(The New York Times記事)。またトランプ氏のツイートにフラグを立てスクリーニングし、同氏による誤情報の拡散を一時凍結した。プロダクトの面では、ツイッターはツイートに価値をもたらさないリプライをユーザーが非表示にできるツールを公開した。先週、一般ユーザーではなく友達やフォロワーに限定してツイートできる機能も公開しているている(未訳記事)。

2019年下半期に起こった大きな変化は誹謗に関するポリシーの導入だけではない。ツイッターによると、政府からのユーザーデータの請求も増加している。

今回の報告期間では法律に基づく情報請求は米国が最も高く、全世界の26%を占めた。2位は日本で22%を占める。全体として、2019年7月1日~12月31日の政府からの請求は21%増加し、請求の対象となったアカウント数は63%増加した。

いずれの指標もツイッターが2012年に透明性レポートの発表を開始して以来最大となったとツイッターは指摘した。

ツイッターはまた、9万8595のアカウントのコンテンツを削除するよう2万7538件の法律に基づく請求があったと発表した(Twitterリリース)。これも過去最多だ。請求の86%を日本、ロシア、トルコが占める。

「当社は常にたゆみなく、全社を挙げて透明性への取り組みを強化している。コンテンツの管理、データの開示、その他の重要な領域に関して当社が実践していることやポリシーの仕組みについて、引き続き認識と理解の向上に努める」と新しいセンターに関するブログ投稿で述べた。「さらに当社はあらゆる機会を利用して、ツイッターや世界中で当社のサービスを利用する人々に影響を及ぼす法執行機関、政府、その他の組織の行動に光を当てていく」と述べている。

スパム、テロ、児童搾取、過激主義などに関するより多くの指標が新しいTwitter Transparency Centerで入手可能だ。

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(翻訳:Mizoguchi

米ベストセラー作家が5Gと新型コロナの陰謀論がはびこる理由を解き明かす

米国時間8月20日早く、Facebook(フェイスブック)は、数百のQAnon(キューアノン)関連グループを削除したことを発表した。さらに多くのグループ、数百のページ、1万件のInstagram(インスタグラム)アカウントにも制限を加えたと話している。

The New York Timesが伝えているように、結成4年目になるQAnonは、かつては取るに足らない動きであったが、たとえば世界はドナルド・トランプの失脚を企てる小児性愛者に支配されていているとか、5Gモバイルネットワークが新型コロナウイルスを広めているとか、明らかに眉唾な、多岐にわたる陰謀論を振りまいているにも関わらず、この数カ月間に社会の本流に現れるようになった(The New York Times記事)。

なぜ、こんなことが起きるのだろうか?我々は今週たまたま、プロポーカープレイヤーからベストセラー作家に転身したことでも有名なAnnie Duke(アニー・デューク)氏(Newyorker記事)に話を聞く機会があったので、人々はこれまでになく陰謀論に感化されやすくなってしまったのか、そうだとしたらその理由は何かを聞いてみた。デューク氏は現在、著書「How to Decide: Simple Tools for Making Better Choices」(いかに決断するか:よりよい選択のための簡単なツール)を間もなく出版するなど、決定理論を教える学者でもある。

同氏の話がとても興味深かったので、ぜひ読者に伝えるべきだと考えた。ここで紹介する以外にも、デューク氏の新著について、またそれが起業家や投資家にどのように役に立つかについて、長く語った内容を、いずれまとめて紹介しようと思うので、お楽しみに。

私たちの脳は無作為性を好みません。私たち人類は、無作為な類のものの原因や結果を常に導き出そうとします。それでも気に入らず、点と点をつないで、存在するはずのない因果関係を作り上げるのです。

陰謀論を信じることと、知性とは関係がありません。物事の道理を理解すれば結果を左右できるという幻想を求める強い気持ちに対して、「そんなこともあるさ、ときとして人生とは無作為なもので、何をやるにも運が大きく関わってくる」と言い切ってしまえれば楽だという気持ちに基づく、まったくの別物なのです。

「新型コロナが流行して人々が死に、自分は家に閉じ込められるといった無作為なことは、いつでも起こり得る」とわかっていても、自分の人生に対する(自分の支配する)力の程度が示唆されてしまうため、すべては運任せだとは思いたくない。私たちの物の考え方は、大変に決定的です……。そのため、常に物事を結び付けることで、決定と結果と物事が、実際よりもずっと決定的に感じられるようにしているのです。

私たちはまた、そこにパターンなど存在していなくても、自然のパターンを見いだすことができます。それだからこそ、私たちは「前にあの平原へ行ったとき、ライオンがたくさんいた(だから安全のためにもう行くべきではない)」とある程度予測できるのです。世界は見た目とは異なること、そして私たちが常に世界に何かを押しつけていることを理解するのは困難なのです。

【編集部注】ここでデューク氏は、動いているように見えて実際には静止している2つの立方体による目の錯覚について話した

私が見たなかでもっとも強烈な錯視。反対方向に回転しているように見える2つの立方体は、じつはまったく動いていない。

立方体は確かに動いていると思えてしまうため、本当のことを知っているという確証が揺らぎます。そこで(ひとつの解決策は)、真実を知っていると自信過剰にならないことです。真実がそれ自身を私たちに押しつけてくるのに対抗して、自分が自分の真実を世界に押しつけているのだと自覚することです。

陰謀論は最近始まったのものではありませんが、いずれにせよ、長い間留まるものです。現在の最大の問題は、いとも簡単にそれが増幅されてしまうことです。

あることが真実か否かを見極める際に、私たちに備わっている発見的手法は、処理の流暢性です。つまり、そのメッセージをどれだけ簡単に理解できるかです。あることを何度も繰り返し聞かされると信ぴょう性が高まると、Stephen Colbert(スティーブン・コルベア)は言っています。写真を加えると……。例えばばキリンは世界で唯一ジャンプできない動物だと私が話すときに、キリンの写真を添えてやれば信ぴょう性が高まります。

それが、ソーシャルメディアのどこに利用されているかがわかるでしょう。陰謀論と反復。それが、真実かフィクションかの見分けづらくしているのです。

近々、デューク氏からは、なぜ会議がいつも間違った方向に進むのか、なぜ物事が正しい方向に進むときのことを十分に研究せずに損失にばかりこだわるのかなど、もっといろいろな話を聞く予定だ。

画像クレジット:JAE C. HONG / AP

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(翻訳:金井哲夫)

TikTokのライバルである中国発のLikeeはグローバル月間ユーザーが1.5億人に増加

TikTok(ティクトック)の運命が定まらない中、ライバルのLikee(ライキー)は世界中でユーザーを増やし、6月の月間アクティブユーザー(MAU)は1億5000万人となった。

この数字は、Likeeを所有する中国インターネット企業のJoyy(ジョイ)の決算報告書で明らかになった。参考までに、情報通の投資家がTechCrunchに明らかにしたところによると、TikTokは2020年初めにデイリーアクティブユーザー2億人を達成している。つまりMAUはこれよりかなり多い。TikTokは新型コロナウイルスの感染満面で人々が家にこもるようになって以来、爆発的な成長をみせている。米国での使用禁止と事業売却が迫っていても、TikTokの成長はわずかに落ち込んだに過ぎない

LikeeのサービスはTikTokとは少し異なる。インフルエンサーがファンから受け取るバーチャルギフトで稼ぐことを容易にしている。一方のTikTokはコンテンツ消費者を重視している。

「クリエイターは、コンテンツに対してお金を払ってほしい、収益を上げたいと思っているはずだ」とアプリ分析のApptopiaの副社長Adam Blacker(アダム・ブラッカー)氏はTechCrunchに語った。

地政学

TikTokのようにLikeeも中国を起源とするアプリに対する厳しい調査から逃れられない。LikeeがTikTokや他の中国アプリとともにインドで禁止なるまで、同国はLikeeにとって最大のマーケットだった。Likeeの姉妹アプリBigo Liveもまたインド政府によって禁止された。

にもかかわらず、Joyyは売上とマーケティング支出を減らすことでフォーカスをインドから他のマーケットに移したと述べた。つまり、インドの使用禁止が短期的にユーザー数に影響を及ぼしても、「Likeeの全体的な戦略と収益化は影響を受けない」(Seeking Alpha記事)とJoyyのCFOを務めるBing Jin(ビン・ジン)氏は第2四半期決算会見で述べた。

同社にとって2番目に大きなマーケットである米国では、LikeeはTikTokにとって最も急成長しているライバルの1つだ。7月初めから8月初めにかけて、Likeeは725万回ダウンロードされ、ハリウッド発のTriller(トリラー)、TikTokのかつてのライバルDubsmash(ダブスマッシュ)、Vine(バイン)の続編Byte(バイト)を凌いだことがApptopiaの調査で明らかになった。

Likeeはまた、ロシアとインドネシアでも急成長している。現在も続いている地政学リスクを懸念し、Likeeは「さまざまな国の政府に協力してローカルオペレーションを進めている」とジン氏は話した。

ライブストリーミングの開拓者

Nasdaq(ナスダック)に上場しているJoyyは、ホームマーケット以外ではあまり知られていない。2005年に設立され、フラッグシップサイトYYを通じてライブストリーミング中にバーチャルギフトを贈るという現象を大衆化した。視聴者はインフルエンサーにバーチャルの「花」などをプレゼントでき、インフルエンサーは受け取ったものを現金に変えられる。YYの収益化モデルはかなり成功し、似たようなライブストリーミングのライバルが登場することになった。そして中国マーケットが飽和状態となり、同社は海外に目を向けた。

Joyyの創業者でCEOのLi Xueling(李学凌)氏は2016年にシンガポールに別会社のBigoを立ち上げた。YYの成功をもう一度と、ライブストリーミングアプリBigo Liveをデビューさせた。ショートビデオがとてつもなく人気になったとき、BigoはLikeeの展開を開始した。2019年6月から2020年6月にかけて、Likeeは世界中でMAU7000万人を獲得した。

6月時点で、JoyyのモバイルMAUは4億5700万人に達し、その91%が中国外マーケットのユーザーだ。Bigoが収益を上げるようになり、Joyyは昨年Bigoを完全買収して統合(未訳記事)した。

Bigoの海外でのたくましい成長ぶりはJoyyにとって自信となったに違いない。しかし市場を独占するためにTikTokと戦いたいかと地元のメディアに尋ねられたとTencentニュースサイト記事)とき、李氏は「倒すことはできないだろう」と語った。そして彼は、TikTokの親会社ByteDance(バイトダンス)の創業者Zhang Yiming(張一鳴)氏は「今まで会った中で最も先見の明のある人物だ」と謙遜の言葉を続けた。

画像クレジット: Likee

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(翻訳:Mizoguchi

フェイスブックが新型コロナによる在宅勤務措置を2021年7月まで延長

Facebook(フェイスブック)もGoogle(グーグル)と同様に(未訳記事)、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによる従業員の在宅勤務を2021年半ばまで認めると明らかにした。

「衛生当局と政府の専門家のガイダンス、そして当社の内部協議の結論に基づき、従業員が任意で引き続き2021年7月まで自宅で働くことができるようにする」とフェイスブックの広報担当はReutersに語った

フェイスブックはまた「ホームオフィス需要」に使える追加の1000ドル(約10万1000円)を従業員に支給するとも述べた。

2020年7月下旬にグーグルは新型コロナ措置のリモートワークを延長した(未訳記事)。2021年6月末まで在宅勤務を続けることができるとしている。

2社とも世界中の多くの都市に大きなオフィスを構えている。パンデミックのために通常よりもかなりフレキシブルな勤務体系を提供せざるを得なくなったにもかかわらず、両社はオフィスを維持し続け、職場の提供をアピールしている。(オフィスをさまざまなことができるプレイグラウンドに変えるのに2社がこれまでいくら費やしたのかを考えた時、これはおそらく驚くことではないだろう。スタッフを長時間留められるよう、オフィスには無料のスナックや食事、昼寝ポッド、ビデオゲームアーケード部屋、健康センターすらも用意されていた)。

例えばフェイスブックは2020年8月初めに、ニューヨークにあるアイコン的なビルにメーンオフィスを確保した(未訳記事)。220万平方フィート(約20万平方メートル)ある既存のオフィスに73万平方メートル(約6万8000平方メートル)を追加するというものだ。グーグルは英国の首都ロンドンのキングクロスエリアでメインオフィスの開発を引き続き進めている。予定しているロンドン「ランドスクレイバー」本部の場所で先月勤務を再開した(The Guardian記事)。

2020年7月下旬にApple(アップル)は少なくとも2021年初めまで従業員がオフィスに戻らないことを明らかにした(San Francisco Chronicle記事)。その際、オフィスへの出社は効果のあるワクチン、あるいは有効な治療が利用できるようになっているかどうか次第だとした。つまりアップルは新型コロナによる在宅勤務が長期にわたることを覚悟しているようだ。

オフィスの将来について疑問が渦巻いているが、人間同士の接触は公衆衛生のリスクだ。逆説的にいえば、資金潤沢なテック大企業は従来の職場をすべて捨てて、オフィスワークをリモートで行える現代テクノロジーに全面移行するつもりはないことを示している。

Twitter(ツイッター)は例外だ。パンデミック第1波の間、同社は完全リモートワークを導入し、5月には望むならずっと在宅勤務を続けることができる、と従業員に伝えた

最近の同社アカウント侵入にリモートワークが影響したかどうかはわからない。ツイッターは、ネットワークアクセスクレデンシャルの入手を目的にスタッフを騙すのに電話スピアフィッシングが使われた、と述べた。

もちろん、多くの従業員がパンデミック期間にリモートで働くことによるリスクについて、セキュリティ懸念を抱いた。リモート環境は会社のファイアウォールの外にあるかもしれず、攻撃に弱い。

フェイスブックの広報は、同社が永久にリモートで働くオプションを従業員に提供するかどうかについて回答しなかった。しかし同社はこれまでのところ、そこに踏み込む準備はできていないようだ。少なくとも、かなりのオフィススペースの新規契約にサインしていることからするとそうなのだろう。

フェイスブックは2020年5月にデンバー、ダラス、アトランタに新たなハブを設けると発表するなど、新型コロナパンデミックを受けてオフィスへのアプローチを修正してきた。

またサンディエゴやポートランド、フィラデルフィア、ピッツバーグなどで、オフィス周辺エリアでの新たな人材探しに注力すると明らかにした。

CEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は今後10年内に従業員の半分が完全リモートで働くようになるかもしれない、と述べた(Facebook投稿)。ただしハードウェア開発、データセンター、人事採用、ポリシー、提携などの部門の一部の業務では完全リモートワークはできないと話している。

関連記事:Facebookが社員半数をリモートワークに、シリコンバレー外に複数の拠点開設へ

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(翻訳:Mizoguchi

Snapchatが動画に音楽を付けられる新機能を今秋展開、TikTokユーザー取り込み狙う

Snapchat(スナップチャット)がTikTok(ティクトク)を狙っている。Snapchatは米国8月3日、ユーザーがスナップ(動画)に音楽を付けられるTikTok似の新機能のテストを開始すると発表した。トランプ政権がデータプライバシーの懸念から中国テック企業の禁止を検討しているためにTikTokユーザーは代わりのアプリを探していて、Snapchatは新機能でそうしたユーザーの一部を取り込めるかもしれない。

TikTokユーザーが代替アプリを確保するにつれByte(バイト)、Triller(トリラー)、Dubsmash(ダブスマッシュ)、Likee(ライキー)などのアプリがアプリストアのランキングで順位を上げている。Instagram(インスタグラム)もまたTikTokユーザーのニーズを満たすために音楽を取り込んだReelsという機能を立ち上げた。

Snapchatの場合、ユーザーはSnapが約束している「しっかりとした」音楽カタログから音楽を選び、ビデオを撮る前後に追加できる。これはWarner Music Group、Warner Chappell、Universal Music Publishing Group、NMPAパブリッシャー会員、Merlinなど音楽産業パートナーとの提携によるものだ。こうしたパートナーがSnapchatアプリでの音楽使用のライセンスを与える。

新しいスナップを音楽付きで受け取った人は、スワイプしてアルバム画像や曲のタイトル、アーティスト名を閲覧できる。そして「Play This Song」リンクも利用できる。クリックすると、スニペットではなくユーザーがSpotifyやApple Music、SoundCloudといったお気に入りのストリーミングプラットフォームで曲をフルに聴けるようにするLinkfireのウェブビューが開く。

これはTikTokとは異なる点だ。TikTokでは、ビデオクリップの「サウンド」リンクをクリックすると、同じ曲を使った他のビデオクリップを特集するページにジャンプするだけだ。しかし、人気のミュージッククリップを制作したアーティストにユーザーを完全につなげる機能がTikTokになくても、ユーザーはお気に入りのTikTokアーティストをストリーミングサービスで追跡していたため、TikTokのパワーはヒットを生み出し続けてきた。

ただSnapchatは、音楽機能でファンがアーティストや音楽とさらに深い関係を築くことができると話す。親しい友人向けのツールであることも影響力があり、強みだと語った。これは主に、若いユーザーが友達から友達へのレコメンデーションに価値を置くからだ。Snapchatは今では米国の13〜24才の90%にリーチしていて、この割合は Facebook、Instagram、そしてMessengerを合わせたよりも大きいとSnapchatは話す。13〜34才でも75%にリーチしている。TikTokは世界に多くのユーザーを抱えるが、Snapchatは公開されているデータをもとに、同社の米国人ユーザー数はTwitterとTikTokの合計よりも多いと主張する。

新機能に関連して、Snapchatの広報担当は「当社は絶えず音楽産業と関係を構築しており、アーティスト、レーベル、ソングライター、出版社、ストリーミングサービスなど音楽エコシステム全体が我々との提携に価値を見出せるようにしている」と述べた。

Snapchatは新機能を今秋、英語圏マーケットで展開するとしている。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

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(翻訳:Mizoguchi

豪州がフェイスブックとグーグルにニュース使用料支払いを義務付け

オーストラリアは、アドテク大手のFacebook(フェイスブック)とGoogle(グーグル)に、自社のソーシャルメディアプラットフォームに表示したニュースコンテンツであげた収益をニュースコンテンツを所有するメディア機関に支払わせる、法的拘束力のあるフレームワークを導入する方向だ。

オーストラリア政府は、テック大企業とメディア機関に自主的な協議と合意を働きかけたが進展が見られず、テック大企業の広告売上高をメディア機関に分配することを義務付ける指針を作成すると4月に発表していた。

7月31日、オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)は記事使用料に関する草案を明らかにした(ACCCプレスリリース)。そこには「地元ニュース機関と2大アドテク大手のフェイスブックとグーーグルの間にある「深刻な交渉力の不均衡」を解決するものだ」とある。

「ACCCは幅広いオプションについてのフィードバックを反映させた構想を5月に発表し、協議を重ねて今回の草案に至っている。40件以上の具申があった」とACCCは述べた。

草案では、ACCCはプラットフォームが支払い交渉を長引かせようとするのを回避する方法として、拘束力のある「最終決定」の仲裁プロセスを盛り込んだ。3カ月間「交渉と調停」を行い、それでも結論が出ない場合は独立した仲裁人が、双方が出す支払い提案のどちらが「より合理的か」を45日以内に決める。

「これにより、コンテンツ対価に関する意見の相違が素早く解決される。草案が法制化されれば、仲裁が必要となった場合、支払いに関する交渉は6カ月以内に妥結する」とACCCは書いている。

この規則は、メディア機関(ローカル、地域の出版会社など)が大手プラットフォーム上での自社コンテンツの使用について、良い条件が得られるよう合同で交渉できるようにすることも目的としている。

拘束力に関し、草案では誠実に交渉しない、最小限の関与を実行しないなどの不履行は罰金につながる、としている。罰金は最大1000万ドル(約10億円)、もしくは得た利益の3倍、または過去12カ月の豪州マーケットでの売上高の10%とされている。つまり、フェイスブックとグーグルは、そうした規則を破ったと認められた場合、何百万ドルもの罰金に直面する可能性があることになる。

規則適用の対象は広く、Google Newsなどのニュース専門のプロダクトを単にスイッチオフにすることでプラットフォームが支払いを回避するのを防ぐ意図がある。グーグルは実際、スペインでニューススニペット再使用で対価を支払う代わりにオフにした(まだオフのままだ)。しかしACCCの草案はGoogle検索とDiscoverも対象としていて、グーグルがコンテンツ代の支払いを避けるにはあらゆるオーストラリアのニュースコンテンツの表示を見合わせなければならなくなる。これはオフにするにはかなり大きなスイッチだ。

このほか草案で興味深い点は、ニュースやペイウォール対象のニュースのランキングへの口コミによるアクセスに「実際に影響を及ぼしそう」なアルゴリズムの変更を、1カ月(28日)前にニュース機関に通知することをプラットフォームに義務付けていることだ。ニュースの表示やプレゼンテーション、そしてニュースに直接関連する広告への「相当な」変更も通知義務付けの対象となる。

もう1つ注意をひくのは、プラットフォーム上でのユーザーのニュースコンテンツやり取りを介して集めるデータについて、「明確な情報」をニュース機関に提供することをプラットフォームに求めている点だ。ここでの情報とは、ユーザーが記事にどれくらいの時間を費やしたのか、特定の時間内に何本の記事を閲覧したのか、プラットフォームサービスでのユーザーのニュース閲覧に関するデータなどだ。

主要プラットフォームはインターネットユーザーがいかにコンテンツを扱っているかについての情報にコンテンツ制作者がアクセスするのをブロックすることでデータへのアクセスを独占できるようにしているが、アテンションエコノミーを支配し続けるために主要プラットフォームがマーケット支配力を使うという問題に取り組むためのもののようだ。

フェイスブックのようなプラットフォームは、他社のコンテンツを自社の都合のいいところに集めようとしてきた。インタラクションデータに自社だけがアクセスできるところにコンテンツが投稿されるようマーケット支配力を使っている。これによりニュース制作者とニュース視聴者のつながりは絶たれ、ニュース制作者が記事に関する分析を行ったり、変更や消費者動向のトレンドに対応するのは困難になる。

相当量のユーザーデータから遮断されると、ニュース機関は視聴者との緊密な関係の構築が難しくなる。視聴者との関係構築は、例えば購読などさらなる収入源の確保においてかなり重要だ。

「ニュース機関と主要なデジタルプラットフォームの間には深刻な交渉力の不均衡がある。これは部分的にはニュース機関がプラットフォームと取引せざるを得ないためであり、コンテンツや他の問題に関する支払いでプラットフォームと交渉する力はほとんどない」とACCCの委員長を務めるRod Sims(ロッド・シムズ)氏はコメントした。

「草案を作成する中で、ニュース対価を確保しようと取り組んだ海外の規制当局や議会のアプローチを参考にした。我々は深刻な交渉力の不均衡を解決し、コンテンツに対する正当な支払を実現するモデルを求めていた。非生産的で長々と続く交渉を回避し、グーグルとフェイスブック上でオーストラリアのニュースが引き続き利用できるようにするものだ」

「草案はこうした目的を達成していると確信している」と同氏は付け加えた。

草案には、アドテク大企業2社とメディア機関の間の力の不均衡をなくすことを目的とした提案も含まれている。1つには、サービス上でオリジナルのニュースコンテンツがわかるようにするということだ。これはExclusive(独占)ラベルのようなもので、「ファクトチェック」ラベルとともにプラットフォームは必要に応じて適用できる。

2社はまた、プラットフォームに投稿された個人のコンテンツへのコメントをオフにできるなど、ACCCが言うところの「フレキシブルなユーザーコメントモデレーションツール」をニュース機関に提供する必要がある。

ここでの意図は、ニュース機関と大手プラットフォーム2社がコンテンツをめぐる議論を形成するより良い方法を持てるよう仲介を増やすことだ。

規制の適用についてACCCは、「制作したオンラインニュースコンテンツが『オーストラリア国民にとって公益性がある問題を調査・説明するもの』、あるいは『オーストラリア国民が公に議論していて民主的な政策決定を示すもの、またはコミュニティや地元の出来事に関連する問題』であれば、プラットフォームのコンテンツ再使用に対してニュース機関は支払いを求めることができる」としている。

他にも、専門的な編集基準の最低レベルの維持、「適切な」編集の独立性の維持、主にオーストラリア人に提供するために国内で事業展開していること、年間売上高が15万ドル(約1600万円)以上であることなどが要件となる。

まずはフェイスブックとグーグルにのみ適用されることになる規制は(ACCCは2社と同様のマーケット支配力を持つ他のプラットフォームも対象となり得ると書いている)、ドラマやエンターテイメント、スポーツ放送など非ニュースコンテンツ制作会社を対象とするものではない。

草案についての声明で、グーグルのオーストラリア責任者であるMel Silva(メル・シルバ)氏は深い失望を表明した。

規則が前向きなもので、より良い未来に向けてニュース機関、デジタルプラットフォームの両方が協議することを促すようなプロセスを我々は期待していた。なので、我々はかなり失望していて、規則草案ではより良い未来の構築が達成できないと懸念している。政府の行き過ぎた干渉はオーストラリアのデジタルエコノミーを妨げ、我々がオーストラリア国民に提供できるサービスに影響を及ぼす。

規則は、Googleがニュース機関に提供しているかなりの価値を過小評価している。当社はオーストラリアのニュース機関に毎年何十億ものクリックを無料で提供していて、この価値は2億1800万ドル(約230億円)だ。マーケットを機能させるのではなくオーストラリア政府が干渉するという懸念すべきメッセージを事業者や投資家に送っている。また、2030年までにデジタルエコノミーを主導する存在になるというオーストラリアの野心に悪影響を与える。メディア部門を刷新するために誤った道をとることになり、デジタル時代に合うビジネスモデルを創出するための基本的な問題を何一つ解決しない。

オーストラリアの消費者の益になり、ウェブで生み出される共有の恩恵を守り、小さなニュース機関を犠牲にして大きなニュース機関のに有利とならないよう、最終的な規則が実用的なものになるよう議員に求める。

Facebookは、オーストラリア・ニュージーランドの責任者William Easton(ウィリアム・イーストン)氏が「『業界や我々のサービス、オーストラリアのニュースエコシステムへの投資に与える影響を理解するために』草案をレビューしている」との短いコメントを出した。

次のステップとしては、8月にさらに規制草案の審議が行われる。「その後すぐに」法制化される、とACCCは説明している。

草案の詳細はこちらで閲覧できる。

テック大手に適用する規制は複数の国で検討されている。米国の議員はかなりパワフルな米テック大手のマイナス要素を議論している。

ニュース広告売上を分配するというオーストラリアのアプローチで考えられる問題要素の1つは、FacebookとGoogleの監視資本主義という乱用モデルに取り組むものではないことだ。この問題は欧州当局が調査を続けている。大手プラットフォームは、行動ターゲティング広告のために消費者からプライバシーを奪うことで成り立っているデータマイニングビジネスモデルでメディアをさらに取り込むようだ。

時間潰しのクリックベイトから民主主義を歪める誤情報、ヘイトスピーチに至るまで、批評家は行動ターゲティング広告の多くの害を論じた。その一方で、さほど侵入的でないタイプのターゲット広告も利用可能だ(未訳記事)。

「プラットフォームユーザーのプライバシー」について草案で触れられている部分には次のようにある。「規制草案の最低基準は、デジタルプラットフォームにニュースコンテンツを通じて現在集めているデータについて明確な情報を提供することを求めている。ただし、規制はデジタルプラットフォームがニュース機関とのユーザーデータ共有を増やすことを要件としていない。したがって、規制はデジタルプラットフォームユーザーに適用される現在のプライバシー保護に影響を及ぼさない」。

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(翻訳:Mizoguchi

Twitterが白人至上主義団体KKKの元リーダーのアカウントをついに永久追放

Twitter(ツイッター)は、白人至上主義団体のKu Klux Klan(クー・クラックス・クラン)の元リーダーであるDavid Duke(デービッド・デューク)氏のアカウントを永久に凍結したことを明らかにした。

デューク氏は何年にもわたりTwitterのプラットフォーム上で自由に活動してきた。約5万3000人のフォロワーを擁し、最近はトランプ大統領の再選を支持するとツイートした(Gizmode記事)。現在、同氏の@DrDavidDukeアカウントページに行くと「アカウント停止」のお知らせが表示される。

Twitterの広報担当者はTechCrunchに対し、デューク氏追放は恒久的な措置であると認め、次の短い声明を電子メールで送った。

あなたが参照したアカウントは、悪意ある行為に関するTwitterのルールに繰り返し違反したため永久に停止されました。この強制措置は、最近更新された有害なリンクに関するガイダンスに準拠しています。

この動きはどこでも「反ナチス」によって歓迎されたが、Twitterが「KKKの顔」を追放するのにこれほど時間がかかったことを喜んでいる人はいない。同社は長い間、プラットフォームにおける悪意ある行為を禁止するポリシーについて主張してきたが、一方で独自ルールの実際の施行には何年もかかった。

Twitterはポリシーに定義されている「許容される行為」の制限に関して積極的に行動しないことで悪名高い。同社は長年にわたり、誹謗や有害なヘイトスピーチを実質的にチェックせず、それらが蓄積され、拡がるのを許してきた。 最終的に同社は、ユーザーが怖がって逃げていく動きを止めるために自社の行動指針の整理を余儀なくされた。2017年にTechCrunchが指摘(未訳記事)したように、これはどんな基準によっても優れたリーダーシップの定義に当てはまらない。

それから数年の間にTwitterは施行の準備を徐々に進めてきた。2018年には、Jack Dorsey(ジャック・ドーシー)CEOによる「対話的健全」(未訳記事)に向けた動きがあり、ヘイト行為に関するポリシーをさらに拡大した。施行の状況は依然つぎはぎ(未訳記事)で、まだら模様(未訳記事)だが、今年は大きく前進したようだ。それは悪名高い英国の右翼ヘイトコメンテーターの追放で始まった。

Twitterによる2020年の施行の原動力は、パンデミックと関係が深いかもしれない。Twitterは3月、新型コロナウイルスの偽情報がオンラインで広まることを懸念し、新型コロナデマと戦うためのステップとして、有害なリンク、または「悪意あるURL」の拡散をゼロにすべくルールを変更(@TwitterSupport投稿)した。

公衆衛生上のリスクがTwitter本部を施行に集中するよう後押ししたようだ。プラットフォームの誰もがその恩恵を受けるはずだ。

Twitterは最近、右翼の陰謀論グループQanon(Qアノン)を取り締まり、今月初めに7000アカウントを凍結した。同社はトランプ米大統領によるプラットフォーム乱用に対応する方法もついに見つけた。トランプ氏はプラットフォームを利用して暴力的な脅しを拡散し、人種戦争をあおろうとしている(そして政治的偽情報を広めようとしている)。同社は表示方法ファクトチェックラベルをトランプ氏のポリシー違反のツイートに適用することにした。

7月には新型コロナのパンデミックに関して命を脅かしかねない誤った主張を行う動画を共有したとして、大統領の息子であるDonald Trump Jr.(ドナルド・トランプ・ジュニア)もアカウントに一時的な制限が適用された。

これはトランプ氏に放つ意図的な警告ショットのようにみえる。つまり、Twitterは公職に就いているため大統領自身を追放するつもりはないかもしれない(未訳記事)が、トランプ氏が一線を越えれば息子を追い出すつもりだ。

Twitterのリンクのブロックに関するポリシーでは、マルウェアやスパムなどの悪質なものに加えて、テロ、暴力、悪意ある行為を含む多くのコンテンツカテゴリーに関連するリンクの拡散を制限するための措置を講じることができるとしている。さらに「当社がブロックするコンテンツを共有するアカウントやリンク共有ブロックを回避しようとするアカウントは、停止を含む追加措置の対象となる場合がある」としている。

Twitterは以前、デューク氏がKKKを去ったため追放の対象とならなかったと述べた(Washington Times記事)。これにより同氏は実質的に悪意あるURLの拠点となる力を得たようだ。巧妙に人間の体裁をとり、同氏のアカウントを利用して憎しみの福音を説くコンテンツへのリンクを広めた。

パンデミックの嵐の中でも密かに恩恵を受けた者がいたわけだ。

似たような右翼のヘイトスプレッダーと同様、デューク氏はTwitterのアカウントで批判者を脅し、嫌がらせをしていた。Twitterで同氏を支持する「ネット荒らしのナチス軍」を個人の中傷に向かわせた。彼らのツイートが大量に報告されることによりTwitterのシステムを騙し、彼らのアカウントが停止されるよう仕組んだ。

言うまでもなく、デューク氏もすべてのナチスと同様、見逃されることはない。

また、Twitter独自のコミュニティ基準への挑戦に関心が集まったのは、7月に行われた「#StopHateForProfit」広告ボイコットの影響であることは間違いない。ヘイトスピーチの排除に失敗したことに対する抗議として、主要なソーシャルメディアプラットフォームで複数の著名な広告主が広告を取り止めた(未訳記事)。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Mizoguchi

米国の成人の大半はニュースをソーシャルメディアに頼っている

Pew Research(ピュー研究所)の最新のレポートは、ニュースの大半をソーシャルメディアプラットフォームで得ている米国の成人をより理解し、最近の出来事や政治情勢をどの程度理解しているのかをテレビやラジオ、ニュース出版物を情報ソースとしている人と比較しようという試みだ。同研究所によると、調査結果の最も注目すべき点は、ニュースをソーシャルメディアに頼っている人はニュースをさほど熱心に追いかけない傾向にあり、結果としていくつかの重要なテーマで情報不足となっていることだ。

これは、もちろん多くの人がすでに感じていることを裏付けている。それは、たとえば主にFacebook(フェイスブック)でニュースを得ている人はさほど情報が十分ではない、ということだ。

しかしピュー研究所がなぜこうした結論に至ったのかを理解し、データでは明確ではないが、そうしたプラットフォームにどの程度落ち度があるのかを議論することは重要だ。

ピュー研究所はまず、通常どのようにニュースを得ているかを人々に尋ねた。

おおよそ5人に1人(18%)が世間の動向を把握するためにソーシャルメディアを使っている、と答えた。この割合は、ローカルテレビ(16%)、ケーブルテレビ(16%)とほぼ同じだが、ニュースウェブサイトまたはアプリで直接チェックすると答え人(25%)より少なかった。他の13%はネットワークテレビと答え、新聞を読むと答えた人はわずか3%だった。

画像クレジット:Pew Research

はっきりさせておくと、自身がどれだけ何かをやっているかをユーザーに答えてもらう調査は、消費者が実際にやっていることについてのハードデータを集める調査ほど有益ではない。平たくいうと、ニュースの大半をテレビから得ていると考えている人たちは実際にはソーシャルメディアで費やしている時間を過小評価しているかもしれない。その逆もまた然りだ。

「主に」ソーシャルメディアニュースの消費者グループの8%だけが2020年米国大統領選の主要ニュースを「かなり熱心に」フォローしていると答えた。これに比べ、ケーブルテレビ視聴者では37%、印刷媒体を利用するユーザーは33%だった。ソーシャルメディアグループは、ローカルテレビグループ(11%)に近かった。

新型コロナウイルスに関しては、主にソーシャルメディアニュースに頼っている人のおおよそ4分の1(23%)が、新型コロナ(COVID-19)のニュースを「かなり熱心に」フォローしていると答えた。他のグループはまたしてもこのトピックに関する割合は高く、ケーブルテレビ利用者で50%、全国ネットワークテレビ利用者も50%、ニュースウェブサイト・アプリ利用者で44%、ローカルテレビ利用者で32%だった。

こうした結果に関連して、調査参加者はまた、トランプ大統領の弾劾や新型コロナパンデミックなどを含む最近のニューストピックに関する29種の事実ベースの質問を尋ねられた。こうしたトピックで最もスコアが低かったのは、ニュース源を主にソーシャルメディアに頼っていると答えた消費者だった。

基礎的な政治知識に関連する9つの質問では、ソーシャルメディアユーザーの17%のみが9つの質問で8つ正解という「高い政治知識」のスコアとなった。27%が「中程度の政治知識(6~7問正解)」、57%が「低い政治知識(正解は5問以下)」だった。「低い政治知識」割合が最も高かったのはローカルテレビのグループだった。

画像クレジット:Pew Research

一方、ニュースを主にウェブサイトやアプリから得ている人の45%が「高い政治知識」を有していた。ラジオでは42%、印刷出版物で41%、ケーブルテレビで35%、ネットワークテレビで29%だった。

ソーシャルメディアに頼るグループはまた、他のグループよりも陰謀論にさらされる傾向にあった。陰謀論とは、例えば新型コロナパンデミックは意図的に計画されたものだった、というような考え方だ。主にソーシャルメディアで情報を得ている人の4分の1近く(26%)が陰謀論について「かなり」見聞したと答え、81%が少なくとも「少しは」と答えた。この割合は他のニュースプラットフォームよりもかなり高く、陰謀論がいかにソーシャルメディアで多く拡散するかを示している。

画像クレジット:Pew Research

にもかかわらず、ソーシャルメディアを利用するグループは、作られたニュースの影響についてさほど心配していない、と答えた。おおよそ10人に4人の割合(37%)で、たとえば2020年大統領選に関する作られたニュースの影響について「かなり憂慮している」と答えた。これは、ローカルテレビ視聴者(35%)を除いて、他のグループよりも低い。ケーブルテレビ視聴者は58%と、最も憂慮していた。

おそらく最も心配なのは、そうした陰謀論が人々の心を支配するパワーだ。ソーシャルメディアニュース利用者の一部は新型コロナ陰謀論を認識していて、ソーシャルメディアで新型コロナ情報を頻繁に得ている44%が陰謀論のセオリーは少なくとも「おそらく正しい」と答えた。新型コロナ情報でさほどソーシャルメディアに頼っていない人では33%にとどまった。

画像クレジット:Pew Research

この調査ではまた同様の手法で、新型コロナ影響やそれに関する健康問題ニュースといったトピックについて、ソーシャルメディアニュース利用者の知識を他のソース利用者のものと比較した。そしてまたしても、ソーシャルメディアグループは知識の欠如を示した。

画像クレジット:Pew Research

今回の調査の結論はというと、ソーシャルメディアユーザーは情報を多く得ていないということだ。これはこうした特定のテーマに関してはかなり正確のようだ。しかし、結論が暗示するところ、少なくとも一部の人がこのレポートから得ることは、主要情報源としてソーシャルメディアに頼っているから情報が不足しているということだ。しかしこのデータからするに、それは必ずしも真実ではない。

そうした結論の問題の1つは、ソーシャルメディアの人口統計だ。ピュー研究所の踏査ではまた、ソーシャルメディアを主要ニュースソースとする人は若く、48%が18〜29才だ。彼らはまた受けた教育が高等ではない傾向にあり、カレッジを卒業している人は26%にとどまる。対照的に、ニュースウェブサイトを利用する人でカレッジ卒は47%、出版メディア利用者では49%だ。もちろん、高等教育の欠如は部分的にはソーシャルメディア利用者が若い世代に多いという事実と結びついている。

画像クレジット:Pew Research

これまでもそうだが、若い人は年配の人と同様には政治に関心持たない。また投票にも熱心ではない。彼らは大学や新たな仕事のために引っ越したり、あるいは投票する習慣がなかったり、そして往々にして有権者登録の期限を過ぎたりするため、地元の政治にさほどかかわらない。そもそも市民の義務について十分に教育を受けていなかったり、年配の人が受けてきた教育とはギャップがあったりするのかもしれない。若者の多くが政治から疎外されていると感じていたりする。

他のトピックに関しても、若い人は同様に距離を感じてさほどかかわらないのかもしれない。たとえば、多くの若年成人が新型コロナは年配の人にだけ影響を及ぼすと考えていつものような行動をとり、感染拡大に無頓着だ。

そうであれば、ニュースについての知識の欠如は使用しているプラットフォームのせいではなく、彼らの全般的な話題への関心や関わりの欠如のせいなのかもしれない。

画像クレジット: SuperStock / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

TikTokが特許侵害でライバルのTrillerに提訴される

ソーシャルビデオプラットフォームのTriller(トリラー)は、最大のライバルであるTikTok(ティックトック)と親会社のByteDance(バイトダンス)に対して特許侵害訴訟を起こした。米テキサス州西部地区の連邦地裁への提訴では、TikTokがTrillerの米国特許第9691429号を侵害したと主張している。この特許は「音声トラックと同期する音楽動画を作成するためのシステムと方法」を対象としている。

この特許は、Trillerの共同創業者であるDavid Leiberman(デビッド・リーバーマン)氏とSamuel Rubin(サミュエル・ルービン)氏を発明者として認めている。もともと2015年4月11日に出願され、2017年6月27日に登録された。

この特許は、ある音声トラックが流れているときに複数の動画が再生される場合などに、音声と同期させた動画を作成する方法を記述している。同社によれば、TikTokでは現在、同じ音声トラックに対し複数の動画をつなぎ合わせることができるため(特許による)機能を侵害しているという。

Trillerは訴状で、動画といっしょに再生する単一の音声トラックを選択する点でTikTokがどう機能するかについて説明している。また、2019年12月11日付のTikTok Newsroomブログの投稿についても指摘している。TikTokは新しい「グリーンスクリーンビデオ」効果を紹介した。この投稿では、ユーザーが撮影した動画を背景に流し、曲と同期させる方法の効果について説明している。訴状の中ではこれを侵害的な利用例として提示している。

Trillerは訴状で、2020年7月27日に電子メールでTikTokに侵害の通知が送達されたと述べている。

TikTokは音声トラックに動画を同期するアプリを提供する唯一の会社ではないが、最大の会社だ。アプリストア情報会社のSensor Tower(センサータワー)のデータによると、TikTokアプリの現在のインストール数は米国で1億8900万件を超えているが、Trillerは2300万件超だ。Trillerよりもインストール数が多い競合他社はDubsmash(ダブスマッシュ)のみで、これまでに米国で4150万件ダウンロードされた。米国でのインストール数はLomotif(ロモティフ)が2120万件、Likee(ライキー)が1600万件、Byte(バイト)が250万で、いずれもそこまでの影響力はない。

TrillerはDubsmash、Instagram(Reels機能)、Lomotifなど、他の競合他社に対しても同様に特許訴訟を起こす可能性がある。ただし、個々のアプリのエクスペリエンスの侵害状況を弁護士が詳細に調査するため、提訴は一度に全部ではなく1社ごとに行われる可能性がある。

Dubsmashにコメントを求めたところ、Trillerからは何も受け取っていないと答えた。

「Dubsmashの立ち上げがTrillerのApp StoreとPlay Storeでのサービス開始6カ月前だったことを踏まえると、彼らが訴えるとしても無理があると思う」と、Dubsmashの共同創業者兼社長であるSuchit Dash(スチット・ダッシュ)氏は述べた。TikTokはこれまでのところ、コメントの要請に回答していない。Instagramもコメントしていない。

執筆時点でTrillerによる他の提訴案件はない。

Musical.ly(ByteDanceが買収したTikTokの前身)には、2016年出願、2017年登録の「リップシンクビデオの生成と共有」に関連する特許があるが、この特許については訴状では言及していない。

この訴訟に必要な資金をどう調達するつもりなのかTrillerに問い合わせたところ、同社は「複数の世界最大級の金融機関の支援がある」と回答し、法廷へ持ち込む準備は整っているという。

実際Trillerには、Lowercase Capital(ローワーケースキャピタル)、Carnegie Technologies(カーネギーテクノロジーズ)、映画制作会社のProxima Media(プロキシマメディア)、台湾のFubon Financial Holding Co.(富法金控)、インドネシアのGDP Venture(GDPベンチャー)(The Wall Street Journal記事)が出資している。WSJ(ウォールストリートジャーナル)は2019年にTrillerがベンチャーキャピタルから2800万ドル(約30億円)を調達し、事業が1億3000万ドル(約140億円)で評価されたと報じた。Crunchbaseによると同社は現在までに3750万ドル(約40億円)を調達している。

Trillerによる訴訟のニュースは、The Wrap(ザ・ラップ)とBloomberg Law(ブルームバーグロー)が最初に報じた。

訴訟は、TikTokのアプリが米国で厳しい視線にさらされているタイミングで行われている。

Steven Mnuchin(スティーブン・ムニューシン)財務長官は米国時間7月29日に対米投資委員会がTikTokのアプリを調査中であると認めた(CNBC記事)。同氏の発言はMike Pompeo(マイク・ポンペオ)国務長官の発言に続くものだ。ポンペオ氏は2020年7月初め、米国が国家安全保障上の懸念からTikTokやその他の中国のソーシャルメディアアプリの禁止を検討していると述べた。

禁止されればTrillerにとってはプラスだ。こうした背景を考えれば提訴のタイミングはまったく偶然ではない。

同社はまた、新たな資金調達を計画していると報じられた。Fox Business(フォックスビジネス)は、TikTok禁止が話題になる中、Trillerは2~3億ドル(約210~320億円)を調達する予定だと報じた。

特にTrillerの経営陣は、TikTokがユーザーにTikTokのプラットフォームだけに動画を投稿するようインセンティブを与えていることに驚いている。

「TikTokはインフルエンサーがTrillerに投稿しないよう、実際にはTrillerへの投稿を禁止するために、インフルエンサーファンドの資金からインフルエンサーに金を払っていることを知りショックを受けた」とTrillerのCEOであるMike Lu(マイク・ルー)氏は語った。7月29日の反トラスト法(独占禁止法)の公聴会で明らかになったような大手テック企業に対するネガティブな感情の高まりが利用できると期待して、ルー氏はTikTokの動きが反競争的だと付け加えた。

「それは倫理的でも合法的でもないというのが当社の意見だ」とルー氏は述べた。「もしすべての『200B企業(時価総額2000億ドル=約2兆1000億円以上の企業)』が顧客に金を払って競争相手のスタートアップに行かないよう促すなら、米国の起業家精神は死に絶え、新しい企業は存在できなくなるだろう」。

Triller v TikTok by TechCrunch on Scribd

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Mizoguchi

ツイッターがトランプ大統領息子のアカウントを制限、新型コロナ誤情報の共有で

Twitter(ツイッター)は、Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領の息子であるDonald Trump Jr.(ドナルド・トランプ・ジュニア)氏が偽りの内容を含むビデオと、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックについて命を脅かす可能性のある主張を共有したとして、同氏のアカウントを一時的に制限した。

「これは見るべき!!!みんなが同調しているものとだいぶ異なる」とツイートしてバイラルビデオへのリンクをシェアした後、トランプJr氏のアカウントは米国時間7月28日朝に制限がかかった。

「件のツイートは当社のCOVID-19誤情報ポリシーに反する」とツイッターの広報担当はTechCrunchに語った。同社はトランプJr氏のツイートがCOVID-19誤情報についてのルールを破り、削除する必要があったと述べた。同氏のアカウントは一時停止ではないが、利用できる機能が12時間制限される。

ビデオはBreitbart Newsによって広範に宣伝されていて、白衣に身を包んだ多くの自称「米国の最前線医師」を特集している。ビデオの中で、そうした人たちは様々な嘘や危険な主張を展開している。そこにはマスクはウイルス拡散を防がないという主張や、新型コロナウイルスへの効果が確認されていない薬剤ヒドロキシクロロキンの擁護が含まれる。

ビデオの中心人物の1人であるStella Immanuel(ステラ・イマニュエル)氏は過去に奇妙な非科学的主張を展開しているとDaily BeastのWill Sommer(ウィマー・ソマー)記者は報じている。主張には「エイリアンのDNA」がいくつかの治療に現在使用されている、一部の婦人科問題は悪魔のような「魂を持った夫と妻」がセックスしている結果だ、というものがある。

トランプ大統領は7月27日の夜、ツイートの中で複数回ビデオをシェアした。それらのツイートは現在、大統領のタイムラインで「no longer available(利用できません)」となっている。削除されたツイートは、ヒドロキシクロロキンを「ゴールドスタンダード」「ゲームチェンジャー」と擁護するまだ残っている多くのツイートの間に割り込んでいる。リツイートはまた、ホワイトハウスのパンデミックアドバイザーであるAnthony Fauci(アンソニー・ファウチ)博士の信用性を攻撃している。

Facebook(フェイスブック)とYouTube(ユーチューブ)もバイラルビデオを含むコンテンツの洗い出しに取り組んでいる。バイラルビデオはフェイスブック上で1400万回超閲覧され、同社が削除という行動に出る前、同プラットフォームで最も人気の投稿の1つになった。

関連記事:新型コロナ偽情報の動画「Plandemic」にYouTubeやTwitter、Facebookなどが緊急対応

画像クレジット:David Paul Morris/Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

各国政府からTikTokへのユーザーデータ要求は今年上半期だけで500件

昨年後半にTikTokの親会社ByteDance(バイトダンス)は、各国政府からのユーザーデータ要求件数と、要求に応じた件数の詳細を公開する多数の米国テック企業の仲間入りを果たした。この動きは、TikTokの中国とのつながりについての懸念と、TikTokは繰り返し否定しているが、米国の国家安全にとって脅威になるという非難が渦巻く中、同社に対するかなり懐疑的な見方に対応するものだ。

米国7月9日に公開された同社2回目となる最新の透明性レポートの中で、TikTokは各国政府から今年上半期に緊急リクエストも含め計500件の法的な要求を受けたことを明らかにした。この数字は前年同期比67%増だ。

TikTokはまた、コンテンツ削除の要求を45カ国の政府から受けた。最も要求が多かったインドは、今月初めに安全保障上の懸念を理由に同国でTikTokを禁止した。

しかしこのレポートで目を引くのは、TikTokは利用できないものの親会社のByteDanceが本社を置いている中国についての記載がないことだ。これはそう珍しいことではない。Facebook(フェイスブック)、そしてTwitter(ツイッター)も中国では利用できず、両社とも中国政府から要求を受けたり、要求に応じたりしたことはない。その代わり、ByteDanceは中国本土のユーザー向けに別のビデオアプリDouyinを展開している。

TikTokの広報担当であるHilary McQuaide(ヒラリー・マクキード)氏は「当社は中国政府にユーザーデータを提供したことはなく、もし要求があっても提供はしない」とTechCrunchに語った。「中国政府からの要求でコンテンツを削除したりしないし、削除したこともない。要求されても削除しないだろう」とも述べた。

しかし米国テック業界における透明性確保の動きと一致した同社の取り組みは、議員を含め同社を批判する人々が長らく抱いている恐れを抑制することにはならなさそうだ。議員たちは昨年、米国当局に同社を調査するよう求めた。

TikTokは引き続き、同社が脅威ではなく米国に深く根差していると主張している。今週初め、同社は中国政府が新安全維持法を施行したことを受けて香港から撤退すると発表した。

画像クレジット: Lionel Bonaventure / AFP

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(翻訳:Mizoguchi

デートアプリS’Moreのビデオチャットは最初の2分間相手の顔をぼかして人柄をわかりやすくする

パンデミックはデートアプリS’Moreの足を引っ張っていない。少なくともCEOのAdam Cohen-Aslatei(アダム・コーエン・アスラテイ)氏はそう語っている。同氏によると3月のDAU(1日のアクティブユーザー)は倍増し、その後も減っていない。

「家で仕事をしていれば、人との関わりに費やす時間も多くなるからね」とコーエン・アスラテイ氏はいう。

S’Moreという名称は「Something More」の短縮形で、2019年秋にローンチしたこのアプリ(未訳記事)は、これまでに5万近いユーザーを集めた。「Something More(それ以上のもの)」という名称はアプリの目標を表現していて、それはその他多くのデートアプリのように相手のルックスだけを重視する薄っぺらさを止めようという意味だ。

コーエン・アスラテイ氏によると、チームは、人種の多様性と性的指向性の多様性の両方に対するマーケティングに相当な時間を費やすことによって、多様なユーザーを集めることができた。S’Moreでは相手を人種でフィルターすることができず、ユーザーの15%はLGBTQを名乗っている。

健康のリスクがあるときに初めての人とデートするのはかなり難しいものだが、同氏によるとS’Moreのユーザーはとてもクリエイティブで、例えばお互いに気に入っているレストランのテイクアウトを利用するリモートディナーというデートのやり方もある。そして一部の州では再び閉鎖が進んでいるが(未訳記事)、店舗などが再開したら「このバーチャルな関係をリアルなものにするのはどうすればいい?」と尋ねればいいのだ。

画像クレジット:S’More

S’Moreは最近ビデオ通話機能を追加し、ユーザーの対話方法を増やした。しかしコーエン・アスラテイ氏によると、女性は相手は良い感じかどうかわからなければ、その男性に会いたいとは思わないため、S’Moreのビデオ通話では最初の2分間、相手の顔などがボケた状態で表示される。最初はほとんど会話だけを交わし、相手がどのような人物なのかを把握できるようになっている。相手の容姿が確認できるのはその後になる。このやり方はNetflixのデート番組「Love is Blind」に似ている(未訳記事)。

さらにS’Moreは先週からボストン、ワシントンD.C.、ニューヨーク、シカゴに加えてロサンゼルスでも利用できるようになった。そして同社のビデオシリーズをInstagramのIGTV、S’More Happy Hourで見られるようになっている。そこではセレブたちがデートのアドバイスをしてくれる。

「デートアプリには、否定的な行為や偽の画像、なりすましといったネガティブな歴史がある。しかし我々はそろそろ、本人であることを軸とする新しい時代へ進むべきだ。S’Moreは、ユーザーをその方向へ誘う新しいデートアプリの1つだ」とコーエン・アスラテイ氏は語る。

関連記事:S’More is a new dating app that looks to suspend physical attraction for something more(未訳記事)

画像クレジット:PM Images / Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ドイツがオンラインヘイトスピーチを取り締まる法律を厳格化

オンラインヘイトスピーチに関する法律は表現の自由の観点から違憲だとフランスの憲法評議会が判断した一方で、ドイツはヘイトスピーチに関する法律を強化する。ユーザーから指摘があった時点で犯罪が疑われるコンテンツを直接連邦警察に届けることをプラットフォームに義務付ける条項を盛り込む。

この動きは、右翼過激主義の高まりとヘイト犯罪に対するドイツ政府の幅広い取り組みの一環だ。ヘイト犯罪はオンライン上でのヘイトスピーチの拡散と関係している。

ドイツの既存の法律「Network Enforcement Act」(別名NetzDG法)は2017年に発効し、ソーシャルネットワークプラットフォームに明白に違法と分かるヘイトスピーチを24時間以内に削除することを義務付けた。違反した場合の罰金は最大5000万ユーロ(約60億円)だ。

6月19日にドイツの議会はプラットフォームに特定の種の「犯罪的なコンテンツ」を連邦刑事庁に報告することを義務付けることを加えた改正案を可決した。

NetzDG法の幅広い改正が並行して進行中で、これはユーザーの権利と透明性をさらに確固たるものにするのが狙いだ。ここには、ユーザーノーティフィケーションを簡素化したり、人々がコンテンツ削除に異議を唱えやすくしたり、主張が認められたコンテンツを復活させられるようにしたりといったことが含まれる。必須事項の報告に関するさらなる透明性もプラットフォームに求めている。

NetzDG法は常に議論の的になってきた。罰金のリスクを取るよりコンテンツを削除する方向にプラットフォームを誘導することで表現の自由を制限することになるのでは、との批判もある(言い換えると、過度の表現制限のリスクだ)。2018年に人権NGOのHuman Rights Watchは欠陥のある法律、と指摘した。「不明瞭で過度だ。そして高額な罰金を避けようとする民間企業による検閲が行き過ぎになるものであり、ユーザーは司法の監視ができず、主張する権利も失われる」と批判した。

ヘイトスピーチ法律への最新の変更もまた議論を巻き起こしている。現在の懸念は、国が市民に関する膨大なデータベースを構築するのをソーシャルメディア大企業が確たる法的正当化なしに手伝っているということだ。

最新の法改正に関する多くの変更案が却下された。ここには、指摘されたソーシャルメディアへの投稿の作者の個人データが自動的に警察に送られないようにする、という緑の党が提出したものも含まれる。

緑の党は、新たな報告義務が乱用され、実際に犯罪的なコンテンツを投稿していない市民のデータが警察に送られることになるリスクを懸念している。

また、多々ある批判の中でも、すでにデータが警察に送られた要注意の投稿をした作者にその旨を伝える必要性が確保されていないことも議論の的となっている。

緑の党は、警察に直接送られることになる投稿コンテンツは、真に調査する必要があるものだけにすべき、と提案した。警察はこれまでプラットフォームに個人データを要求できていた。

ドイツ政府のヘイトスピーチ法の改正は、難民受け入れ賛成の政治家Walter Lübcke(ヴァルター・リュブケ)氏が2019年にネオナチ過激派によって殺害された事件を受けてのものだ。殺害に先立ってオンライン上で標的型攻撃とヘイトスピーチがあったとされている。

ドイツのメディアによると、今月初め警察はリュブケ氏に関する「犯罪的なコメント」を投稿したとして多くの州にまたがるヘイトスピーチ疑い犯40人を検挙した。

政府はまた、オンライン上でのヘイトスピーチは言論の自由に萎縮効果をもたらし、標的を脅すことでデモクラシーに有害な影響を及ぼすと主張する。つまり人々が恐怖心なしに自由に表現したり社会に参画したりできなくなることを意味する。

EU全体では、テック企業がEU Code of Conduct on hate speech(欧州ヘイトスピーチ行動規範)に自発的に同意した後、欧州委員会はヘイトスピーチをなくそうと何年もの間プラットフォームに報告の改善を強制してきた。

扱うコンテンツにテック企業がどれくらいの責任を負うのかを示すことになる今後導入される予定のデジタルサービス法のもとで、欧州委員会はプラットフォームの規則とガバナンスについて幅広い変更を加えることを検討している。

画像クレジット: Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

元フェイブック幹部「大手テック企業は規制により今後10年間で解体される」

投資家のChamath Palihapitiya(チャマス・パリハピティヤ)氏は、Facebook(フェイスブック)で財産の一部を形成した。同氏は4年以上副社長を務め、2012年のIPOの1年前に去った。

同氏は以前の雇用主について何度も懸念を表明してきた(The Verge記事)が、ユーザーが重要な情報を報告・拡散する上でフェイスブックが積極的な役割を果たしてきたとも考えている。例えばGeorge Floyd(ジョージ・フロイド)氏の悲劇に多くの米国人が気づき、米国の他少なくとも12カ国の市民が人種差別に対する抗議活動を組織できたのは、ソーシャルメディアがあったからこそという部分もあるのではないかと語る。同氏が信じているのは、そうしたプラットフォームがなければ、米国では内戦が発生する可能性さえあるということだ。

だからといって、フェイスブックや他の巨大企業が規制からまったく自由でいられるわけではない。同氏は少なくともそう思っている。今朝のCB Insightsのイベントで同氏はフェイスブックについてこう発言した。「フェイスブックは解体されるのか。そうだと思う。各国政府はそれに続くか。もちろんだ」。

同氏がより具体的に予測するのは、フェイスブック、Amazon(アマゾン)、Google(グーグル)、Apple(アップル)がもはやリバイアサンとはいえない存在になるまで、世界中の規制当局は調査や罰金を続けるということだ。同氏は「まず課税され、次に信頼を失う」と述べた。

同氏はそうなるまでにそれほど長くはかからないと考えている。

投資家は現在、企業が大きく衰えることなく「長寿化」することで報われている一方、パリハピティヤ氏は「マージンに関しては、今後10年間、規制当局が自分たち望む方向に誘導するだろう。巨大インターネット企業は規制当局がやりたいこと、つまり権力を邪魔しているからだ。末端まで力と情報を行き渡らせるほど、規制当局の標的になりやすい」と語った。

同氏は、独占禁止法の規制対象にならなかった唯一の大手テクノロジー企業はMicrosoft(マイクロソフト)だが、同社も永遠に無傷ではいられないと示唆した。同社は2002年の同意判決後、商慣行の一部が制限された。2011年に期限切れになったが、パリハピティヤ氏は同社がひと息つく間を与えられているにすぎないと考えている。

興味深いことに、今後のフェイスブックの規模に関係なく、パリハピティヤ氏は「Twitter(ツイッター)という振り子が米国沿岸部の都市に振れると同時に、フェイスブックという振り子は米国中部へ振れる、つまりソーシャルメディア版Fox Newsのようなものになるだろうと考える」と述べた。「巨大プロダクトの中で起こっている人口統計学的セグメンテーションがすでに容易に見出せる」と同氏は述べた。

この傾向は最近特に顕著かもしれない。テクノロジー、ビジネス、文化が交差する論点をカバーするThe New York Times(ニューヨーク・タイムズ)のコラムニストであるKevin Roose(ケビン・ルーズ)氏は、フェイスブックにおける人気上位の投稿についてツイートすることがある。2020年6月17日の検索結果は、よくあることだが、保守的な人物やテーマに大きく偏っていた。

フェイスブックがこの比較にどう反応するかについてFTのインタビュアーであるRobin Wigglesworth(ロビン・ウィグルスワース)氏にしつこく聞かれ、パリハピティヤ氏はさまざまなプラットフォームに関して次のように述べた。「コンテンツは、それを利用する人の傾向を強める。あなたが今日、MSNBC、CBS、Fox Newsのどれを観るか選択するのと変わらない」。

画像クレジット:Michael Kovac / Getty Images for Vanity Fair / Getty Images

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Twitterが音声ツイートのテストをiOSで開始、最大140秒を録音可能

Twitter (ツイッター)が新しいタイプのツイートをプラットフォームに導入する。音声ツイートだ。ユーザーは自分のフィードから音声で考えをシェアできる。この機能が現在利用できるのは一部のiOSユーザーのみだが、同社は全iOSユーザーが「数週間以内に」アクセスできるようになる、としている。Androidやウェブでの展開についてはまだ言及はない。

新機能へのアクセスがあるユーザーのために説明すると、この機能は極めてシンプルだ。ユーザーは通常通りツイートを書き込めるが、写真やビデオを添付するオプションの横に新しいボタンがある。そのボタンをタップして短い音声メッセージを録音できる。Twitterは同社のオフィシャルアカウントのツイートで全体の流れをシェアした。

「過去数年、写真、ビデオ、gif、特殊な文字などを使ってユーザーは自分の会話にセンスやパーソナリティを加えることができた」と新機能を発表したTwitterのブログ投稿にはある。「しかし時に280文字は十分ではなく、言い換えの中で会話のニュアンスが失われることもある。なので今日から我々はTwitter使用方法にさらなる人間味、つまりユーザーの声を加えられる新機能のテストを開始する」。

Twitterの簡潔さは常に限界を抱えていて、同社はその限界を新プロダクトで拡大しようとしてきた。2017年に同社はツイートの文字数を140字から280字に拡大することを発表した。今回の新機能では音声クリップの制限時間は140秒で、より多くの考えをツイッター上でシェアできることになるようだ。140秒に達した時にまだ話し終わっていない場合は、そこでカットされるのではなく、新たなツイートがオリジナルツイートの下にスレッド表示される。なので、思いを語り続けることができる。

それでも録音の上限を設定しているのは興味深い。Twitterがポッドキャストプラットフォームになろうとしているわけではないことを示している。その代わり同社は、既存の会話の流れにしっくりくるような新たなタイプのコミュニケーションを新機能で実現したいと考えている。

ただ、明らかに未解決の問題がある。Twitterの乱用問題だ。文字のみのツイートでは、機械学習ツールを使って自動的にハラスメントにフラッグを立てるのは比較的簡単だ。音声スニペット内の乱用を解読するのは、こうしたシステムではかなり高いハードルとなる。そのうえ、マニュアル作業でコンテンツを精査するのはコンテンツ・モデレーターにとってもっと時間のかかる作業となる。

音声はSNSでトレンドとなっている。過去数年間、スタートアップやコンテンツの買収にかなり投資しているSpotify(スポティファイ)のような企業もあり、ポッドキャストはホットな分野になっている。最近では、ここ数カ月多くの注目を集めている音声ベースのソーシャルネットワークClubhouseにシリコンバレーの投資家たちは競って出資した。

画像クレジット: Twitter

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米ニュースメディアRedditの新取締役はY CombinatorのサイベルCEOに、創業者アレクシス・オハニアン氏の後任

米国6月5日に、Reddit創業者で前CEOAlexis Ohanian(アレクシス・オハ二アン)氏はReddit(レディット)の取締役会から退くと発表した。「辞任は、現在力を持つ人々のリーダーシップの行為になると確信している」と同氏は述べた。「分断された我々の国を正すために闘っている人へ:止まってはいけない」。

Redditの新取締役に就任したマイケル・サイベル氏(Photo by Kimberly White/Getty Images for TechCrunch)

この動きは、ミネアポリスの警察によるGeorge Floyd(ジョージ・フロイド)氏殺害を受けて米国中のコミュニティが社会的正義を求めて行進していた最中のものだった。声明の中で、オハ二アン氏はRedditに対し、後任に黒人を据えるよう求めた。そして米国6月10日、RedditはY Combinator(Yコンビネータ)のCEOであるMichael Seibel(マイケル・サイベル)氏の指名を発表(Reddit記事)した。サイベル氏はY CombinatorのCEOに昇進する前、2014年にY Combinator初の黒人パートナーになった。そして本日6月10日、Redditの新取締役になった。

「機会をくれたスティーブ、アレクシス、そしてReddit取締役会に感謝したい。私は2007年からスティーブとアレクシスを知っていて、その時以来Redditユーザーでもある」とサイベル氏は声明で述べた。「この間、私はRedditがインターネットのコアなファブリックの一部になるのを見てきた。Redditが引き続き成長し、コミュニティを集わせることの課題に取り組み、幅広いオーディエンスにスのものとなるために、アドバイスやガイドラインを提供することに興奮している」。

サイベル氏の長いスタートアップ歴には、Socialcam(ソーシャルカム)やYCがサポートしたJustin.TVの創設などが含まれる。同氏はJustin.TVのCEOを務めた。Justin.TVは後に、より親しみのあるTwitchに名称を変えた。ニュースリリースによると、YC時にサイベル氏は1800社超のスタートアップに資金を提供し、アドバイスした。またエンジェル投資の長いリストを持ち、ここにはRedditも含まれる。そして多様性とインクルージョンの強固な支持者でもある。そして直近では、世界が新型コロナウイルスによる規制と格闘する中で、YCがオンライン限定のデモデイに移行(未訳記事)するのをサポートした。

RedditのCEOで共同創業者のSteve Huffman(スティーブ・ハフマン)氏は「マイケルのように、テック業界での豊富な経歴を持ち、また我々や彼が直面している課題や機会を熟知している人は少ない。ゆえに、彼がRedditに加わることを光栄に思う。言うまでもないが、彼はテック業界で最もスマートで優しい人物だ」と述べた。

ハフマン氏とRedditはサイトのコンテンツポリシーで批判されてきた。同氏は先週オープンレターで「人として、社としての我々の信念と、我々のコンテンツポリシーにあるものの間には受け入れ難いギャップがある」と、批判されてきた事実を認めた。

関連記事:Reddit創業者アレクシス・オハニアン氏が役員を退任、後任に黒人の指名を要望

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Reddit創業者アレクシス・オハニアン氏が役員を退任、後任に黒人の指名を要望

米国6月5日、Reddit(レディット)の創業者で前CEOのAlexis Ohanian(アレクシス・オハニアン)氏が役員から退いた。ミネアポリスの警察が武器を所持していなかった黒人男性のGeorge Floyd(ジョージ・フロイド)氏を殺害したのち、警察の残忍な行為に対し米国全土で抗議が展開されている中での発表だ。

オハニアン氏は彼が創業した会社に対し、後任には黒人を指名するよう求めている。これは、人種問題に関して不安定な道を辿ってきた同社にとって明確に態度を示すステップとなる。

「辞任は、現在力を持つ人々のリーダーシップの行為になると確信している」とオハニアン氏は発表の中で述べた。「分断された我々の国を正すために闘っている人々へ:止まってはいけない」。

今回の決断とともに、同氏は自身が保有するReddit株の今後の利益を「主に人種の憎悪に取り組む」黒人コミュニティに投資することも明らかにした。信頼できる情報筋によると、その額は5000万ドル(約55億円)ほどになりそうだという。最初の取り組みはアメリカンフットボール選手Colin Kaepernick(コリン・キャパニック)氏が立ち上げた組織のKnow Your Rights Campに100万ドル(約1億1000万円)を提供する。この組織はブラックとブラウンコミュニティの自己啓発と安全に注力している。

テック業界の多くのリーダーが、根深い人種差別に取り組むそれぞれの方策を持つよう業界に求めている。オハニアン氏の動きはそうした取り組みを増幅させることになりそうだ。

テック企業は最高幹部レベルに黒人を含んでいないとして長らく批判されてきた。この黒人幹部の欠如が人種をめぐる多くのポリシー失敗の原因となってきた。実際、Facebook(フェイスブック)が白人至上主義を禁止した(未訳記事)のは1年前だ。

「私は15年前に人々がコミュニティと帰属意識のようなものを探すことができるようRedditを共同で創業した。正しいことをするためにずいぶんと時間がかかった。私は自分のために、家族のために、そして国のために実行する」とオハニアン氏はTwitter(ツイッター)に書いた。「黒人である私の娘が『父さんは何をしたの?』と尋ねた時に回答できるようにしておく必要がある父親としてこう語っている」

アップデート:RedditのCEO、Steve Huffman(スティーブ・ハフマン)氏は、オハニアン氏の後任として黒人の役員をメンバーに加えてほしいという要望(Raddit記事)を社は尊重すると述べた。

オハニアン氏は2018年にRedditでの日々の任務からは退いた(Wall Street Journal記事)が、役員会には席を残していた。自信が創業した社の業務から離れるという変化は、最後の数年間少しずつ進んでいた。というのも、共同創業したアーリーステージのベンチャーファンド、Initialized Capital(イニシャライズド・キャピタル)により時間を費やすようになっていた。近年、同氏はまた有給育児休暇のような規則(Medium記事)を声高に推進するようになっていた。より公平でフレキシブルな育児休暇規則を求め、父親としての自身の経験も語っていた。2017年、彼の妻でテニス界のレジェンンドであるSerena Williams(セリーナ・ウィリアムズ)氏との間に娘が生まれた。

ソーシャルメディアプラットフォームの中でRedditはユニークな位置にいる。FacebookやTwitterといったプラットフォームが浴びているスポットライトは避けてきたが、問題がないわけではなかった。注目を集めてはこなかったが、Redditは近年有害なコンテンツへの対応を迫られた。r/blackpeoplehateやr/The_Donaldなどのようなサブコミュニティでの人種差別コンテンツをホストしているものだ。そうしたコミュニティに対し、Redditはすぐさまそれらを禁止(未訳記事)したり、「隔離」措置(未訳記事)にしたりと対応してきた。隔離措置になると、そのコミュニティは検索やレコメンデーションで表に出てこず、閲覧するにはユーザーはクリックしなければならない。

経営陣を多様化させる同社の歴史は紆余曲折がある。2015年に社内騒動とユーザーからの批判を受け、暫定CEOのEllen Pao(エレン・パオ)氏が辞任(Guardian記事)する事態となった。2016年にTechCrunchが報じたように、12人以上の古株の従業員(彼らの多くは女性、有色人種だった)が社を去り、騒動となった(未訳記事)。暴力やヘイトスピーチを取り締まるために遅きに失した取り組みを続け、Redditは昨年、Porter Gale(ポーター・ゲイル)氏を初の女性役員として迎えた(Variety記事)。

Redditへの投稿の中で、ハフマン氏は暴力的で極度の人種差別的コンテンツをプラットフォームで野放しにしてきた同社の問題ある歴史を認めた(Raddit記事)。

「2018年に私は、人種差別はルールを破っていないが『Redditでは歓迎されない』という紛らわしい発言をした。我々のコンテンツポリシーと価値観のギャップは、Reddit上のヘイトや人種差別との戦いという点で効果を蝕んできた。この責任はすべて私が負うものだ」とハフマン氏は述べた。

同氏はまた社のポリシー決定に関して従業員が持っている懸念も認めた。ハフマン氏がジョージ・フロイド氏殺害や現在も続いている抗議について送った電子メールに対し、今週、従業員から懸念が示された。「真の痛みからきている、そして私が心に留めているこうした疑問は、声明そのものだ。人として、社としての我々の信念と、我々のコンテンツポリシーの間には受け入れ難いギャップがある」とハフマン氏は述べた。

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ジョージ・フロイド事件と新型コロナでTwitterのインストール記録が更新

Apptopia(アップトピア)とSensor Tower(センサータワー)の2つのアプリストア情報会社のデータによると、全国に広がったGeorge Floyd(ジョージ・フロイド)氏の事件への抗議運動による不穏な情勢により、Twitter(ツイッター)の新規インストール数は米国時間6月1日の週、記録を塗り替えた。両社の調査による新規ダウンロード数や記録更新時期は正確には異なるが、Twitterアプリにとって世界全体で過去最高の週になった点では一致した。

Twitterの利用増加は、そのプラットフォームが提供するニュースの即時性によるものだ。抗議者がデモ、火災、略奪、警察の残虐行為などをライブとビデオで共有する際にTwitterを利用したため、需要が伸びた。一方、抗議に参加しない人々もTwitterアプリをダウンロードして、事件の展開を直接見届け、フィルターがかけられていない最新のニュースを確認しようとした。

Sensor Towerのデータによると、Twitterの米国時間6月1日月曜日のインストール数は100万強、翌火曜日も100万近くだった。同社がアプリストアのデータを取り始めた2014年1月1日以降、1日のインストール数としては6月1日が過去最多となった。米国における今週のインストール数はピークを迎え、4年ぶりの記録となった。Sensor Towerによると、6月3日水曜日にTwitterのインストール数はわずかに減少し、アプリストアのグローバルチャートにおけるランクもわずかに下落したようだ。

一方、Apptopiaによると、Twitterは6月3日水曜日のインストール数で世界のダウンロード数が67万7000を記録し、これまでの記録を上回ったという。この記録には米国での14万インストールという過去最高記録に近いダウンロード数が含まれるほか、英国、インド、ブラジル、メキシコなどの海外市場のインストールも多数含まれている。ただしApptopiaのデータによる米国のダウンロード数は、Twitter史上過去2番目に多いインストール数だという。

画像クレジット:Apptopia

真実は、おそらく2社が発表した異なる数値間のどこかにある。Sensor Towerの数値は、いつもApptopiaより大きい。だが大きく見れば、2社のデータは全体的に同じ傾向を示す。今週の場合、どちらもTwitterのモバイルアプリのダウンロード数急増により記録的な週になったことを示した。

Twitterが米国以外の市場で多くのインストールを記録したのは奇妙に思えるかもしれないが、これは世界中が事件の展開を注視していることの現われだ。だが、これはおそらくTwitterの需要にとって完璧な嵐のようなものだ。ジョージ・フロイド氏の事件に関する不穏な情勢だけが世界中でインストールが増えている要因ではないからだ。

多くの国が新型コロナウイルス(COVID-19)に対処しており、特にブラジルは現在大打撃を受けている。それがTwitterアプリへの関心を高めている可能性もある。Twitterはニュースが推進力となる特徴があるからだ。

Apptopiaによると、ダウンロード数の記録更新に加え、6月3日には米国におけるデイリーアクティブユーザー(DAU)の記録も塗り替えた。米国では約4000万人がアプリにログインしたという。

Twitterの発表によると、2019年第4四半期の米国の「収益化可能な(monetizable)」デイリーアクティブユーザー(mDAU)は3100万人に上り、2020年第1四半期には3300万人に増えた。mDAUはデイリーアクティブユーザーと同じ指標ではない。広告が表示されるプラットフォームにログインしたユーザーを数えるためにTwitterが開発した測定基準だ。mDAUはTwitterがユーザーデータとして発表する唯一の指標であるため、比較可能なデータとしては最も性質が近い。

インストール数と利用量の急増がどの程度続くかは不明だ。Twitterが次の四半期決算で最新の指標を発表するまで詳細はわからない。

画像クレジット:TechCrunch

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Snapchatがトランプ大統領の投稿をDiscoverタブに掲載しないと発表

Snap(スナップ)は米国6月3日朝、先週のトランプ大統領のTwitter(ツイッター)投稿を受けて、大統領のコンテンツをDiscoverタブに掲載しないと発表した。ツイートの中で大統領は「抗議する者は『獰猛な犬』と『不吉な武器』に直面するかもしれない」と脅した。

Snapchat(スナップチャット)の対応は多くの理由で注目に値する。中でも、ソーシャルメディアプラットフォームは人気のアカウントがプラットフォーム利用規則を破ったら注意するだけにとどまる傾向にあったことを考えると、かなり興味深い。Snapchatユーザーは、トランプ大統領のフィードを購読したり、アカウントを検索したりすればコンテンツにアクセスできる。今回Snapは単に大統領のアカウントをオーガニックリーチに限定し、Snapが管理するフィードから排除しているだけだ。

「我々は人種暴力や不平等を煽動する人にDiscoverでの無料宣伝を提供することでそうした人の声を拡散させることはしない」とSnapchatの広報担当は声明で述べた。

Snapchatの対応について、トランプ大統領の陣営は「有権者の抑圧に積極的に関与している」と非難(トランプ大統領のウェブサイト)した。

SnapchatのパーソナライズされたDiscoverフィードは、ニュースメディアやSnapchat上のアカウントのコンテンツをソースとしているが、TwitterのMomentsスレッドのような競合するプロダクトに比べてよりエンターテイメントのニュースに偏っている。一方、Momentsはニュース速報に重きを置いている。

今週はじめに、SnapのCEOであるEvan Spiegel(エヴァン・シュピーゲル)氏は最近の抗議についてのレターを共有し、その中で「米国の黒人と有色の人の扱いに心を痛め、憤りを感じた」と記した。Snapのサイトに投稿されたレターの中で、シュピーゲル氏はまた「真実、調停、賠償に関する多様で、党派に属さない委員会」の設置を求めた。

Snapの決断は、Twitterが「暴力の称賛」を禁止するTwitterのルールを破っているとしてトランプ大統領のミネアポリスの抗議についてのツイートの1つを非表示にしたことを受けてのものだ。Twitterはその前に郵送投票に関連するトランプ大統領の2つのツイートに「要事実確認」の警告を表示した。

Facebook(フェイスブック)はCEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏がTwitterに投稿されたのと同じコンテンツをニュース価値があるとして同プラットフォームからの削除を却下し、同社は今週内部からの批判を浴びた。一部のFacebook従業員がリモートでのストを実行し、ザッカーバーグ氏を含む経営陣にこの件について社内会議を開催するよう要求する事態に発展した。

画像クレジット: Getty Images

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