三井物産傘下のSpaceflightが衛星ライドシェア打ち上げ用の軌道輸送機を発表

シアトルを拠点とする衛星ライドシェアサービスプロバイダーのSpaceflightは米国時間7月15日、次世代軌道輸送機のSherpa-FXを発表した。この新しい輸送機は衛星ライドシェアロケットの打ち上げで複合ペイロードを展開するための宇宙船として機能し、基本的にはロケットが結合されたペイロードを展開する地点から各衛星の実際の目標展開軌道まで、ラストマイルの輸送を提供する。

Sherpa-FXは2020年12月に予定されているSpaceX(スペースX)のライドシェア・ミッションでの初飛行を予定している。同機の初飛行では、NASAのや南フロリダ大学応用工学研究所向けを含む、多くの異なる企業や組織からなる16機の小型衛星を運ぶことになる。

これは、SpaceXのようなプロバイダーによる契約ロケットからの一次ペイロード展開から、ペイロードの展開と管理のための次世代技術の開発と展開に特化した、SpaceflightsのSherpa-NGプログラムから生まれた最初の輸送機だ。1機のロケットに複数ペイロードを搭載することは打ち上げコストの削減には最適だが、衛星が実際に運用される軌道に確実に到達するには理想的ではないことから、ライドシェアビジネスがペイロード運用者にとって確実に機能するための重要なステップである。

Rocket Lab(ロケット・ラボ)は専用のライドシェアモデルをメインビジネスに採用しているが、単一の顧客向けに大規模なペイロードを配備する事業者と同様に、独自の軌道上の移動手段を持っている。SpaceflightはスペースXやロケット・ラボのような企業に必要な技術とサービスを提供し、1回の打上げでより多くの衛星の展開をサポートするという点で、より柔軟性と最適化を提供することを事業の目標としている。

Spaceflightは日本の三井物産に今年買収されたが、ビジネスは変更せずに米国本社から独立して運営を続けている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

スペースXの最新Starship試作機が圧力テストに失敗

まったく新しい宇宙船を設計、テストし建造するプロセスは確かに困難で、いくつかの問題に直面するに違いないものだ。SpaceX(スペースX)が建造する、完全に再使用可能な巨大宇宙船であるStarshipも例外ではない。「SN3」と名付けられた最新のStarshipのプロトタイプは、試験飛行中に宇宙船が体験する圧力をシミュレートするための極低温実証試験の最中に、致命的な失敗を起こしてしまった。

SpaceXの最初のプロトタイプであるMk1も、燃料タンクの圧力試験中に破壊され、次のフルスケールのプロトタイプであるSN1も、2月下旬の圧力試験中に破壊された。もう1つのプロトタイプであるSN2は、極低温試験のために簡素化され極低温試験を通過したが、次のフルスケールのプロトタイプであるSN3は、テキサス州ボカチカにあるSpaceXの発射台での極低温試験中に再び失敗した。

NASAspaceflightのMary(@BocaChicaGal)によるYouTube動画では、極低温圧力テストの最中にSN3型の機体が崩れる瞬間を確認できるが、このプロトタイプを作り直して再利用することはおそらくないだろう。当初の計画では、SN4を高高度飛行用のプロトタイプにすることになっていたが、今回の試験結果を考えるとその可能性は低い。

スペースXの創設者かつCEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は、SN3の失敗は宇宙船自体の問題ではなく「テスト設定のミスだった可能性がある」とTwitterで語った。マスク氏は、午前中に一度だけデータレビューを受けると述べている。

これは確かに後退ではあるが、宇宙船開発では珍しいものではない。スペースXはこれまでの開発プログラムで成功を収めており、その中にはStarshipや最終的にはSuper Heavyブースターの推進力に使用されるRaptorエンジンの基本性能を証明した「Starhopper」のサブスケールプロトタイプのテストも含まれている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

米航空宇宙産業が衛星打ち上げのライドシェア事業を三井物産と山佐に売却

Spaceflight(スペースフライト)とBlackSky(ブラックスカイ)のオーナー企業であるSpaceflight Industries(スペースフライト・インダストリー)は、Spaceflightの事業を日本の大手商社の三井物産とパチスロメーカーで航空機や船舶のリースも手掛ける山佐に売却する。買収成立後のSpaceflightは、2社の持ち株比率50対50のジョイントベンチャーになるが、シアトルを拠点とする独立企業として米国で操業を続け、引き続き小型人工衛星のペイロードのライドシェア事業を展開する。

元親会社のSpaceflight Industriesは、売却益(金額非公開)を、地球観測衛星事業のBlackSkyに再投資する。現在それは軌道上の4つの衛星で稼働しているが、年内にさらに8つを加えることを計画している。

三井物産は日本最大級の商社として、インフラやエネルギー、IT、食品、消費者製品、鉱業、化学など多様なセクターがあり、これからはロケット打ち上げのライドシェアがそのメニューに加わる。三井には航空宇宙部門があり、そこは衛星の開発と打ち上げと運用サービスを提供しているが、本日のプレスリリースによると、Spaceflightは買収完了後に同社の宇宙戦略の「要石」になるようだ。

Spaceflightはそのサービスを2010年から提供し、これまで29回のロケット、計271基の衛星を打ち上げた。2020年だけでも、10回のミッションが予定されている。打ち上げプロバイダーと小型衛星の運用事業者はどちらも近年の成長産業であり、従ってSpaceflightの事業も今後の成長が見込まれる。多くの業界予測によると、2030年に始まる10年間には軌道ベースの事業が急上昇するという。

今回の協定も、宇宙産業の未来を示唆しているようだ。今後ますます若い企業の参入が続き、そのそれぞれが独自の成長および投資の戦略を追求して、ミッションの維持を目指すだろう。たとえばSpaceXは、そのStarlink事業の継続と今後の一般公開を目指すことを確認しており、その意向は今後のより大きな投資を招き、人間を複数の惑星にまたがる生物にするという目標に向けて、そのコアビジネスであるロケットと衛星の打ち上げにも資金が還流されるだろう。

Spaceflightのこれまでの事業が国家のセキュリティに関わる可能性があるので、今回の取引は対米外国投資委員会(Committee on Foreign Investment in the United States、CFIUS)が精査する。精査には数カ月を要するので、すべてがOKなら完了は2020年Q2になるとSpaceflight Industriesは考えている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

初の宇宙旅行会社Virgin Galacticが最初の乗客に対し宇宙飛行士準備事業を開始

Virgin Galactic(バージンギャラクティック)が、同社の「宇宙飛行士準備事業」(Astronaut Readiness Program)を開始した。それは最初、Under Armour(アンダーアーマー)のグローバル本社で行われる。Under ArmourはVirgin Galacticのパートナーとして、同社の宇宙飛行士が着る公式の宇宙制服を作っている。初めてお金を払って宇宙を旅する旅人たちは、同社の最初の地球外への旅でその宇宙服を着る。

宇宙飛行士準備事業は、Virgin Galacticの旅客が同社の軌道外宇宙船VSS Unityに乗って旅する前に必ず受けなければならない準備的課程だ。そこではVirgin Galacticのチームメンバーによるガイダンスと教育が行われる。先生はチーフ宇宙飛行士インストラクターであるBeth Moses(ベス・モーゼス)氏やチーフパイロットのDave Mackay(デイブ・マッケイ)氏らだ。この二人は、Virginが2月に行ったデモ飛行で宇宙へ行ったから、彼らの相当な量の経験と専門知識だけでなく、同社の有料宇宙観光客が乗るのと同じ実機に乗った経験に基づく知見もシェアできる。とくにモーゼス氏は、宇宙船の正しい乗り方も教えるだろう。

Under Armourは、旅客が着る宇宙服以外でも協力する。まず、宇宙飛行士は準備段階でどんな栄養を摂り、どんなフィットネスやって宇宙の旅とアドベンチャーに備えるべきか。これらに関しては、Virgin Galacticの専属医療チームも旅客に個別にコンサルする。Virginの顧客はNASAの宇宙飛行士のような厳しい肉体的フィットネスを強いられることはないが、でも同社によると旅路における旅客の健康と元気を確保することにはフォーカスする。

Virgin Galacticの初期の顧客は、ボルチモアで行われるこのような訓練プログラムに参加するだけでなく、今後同社がこのプロセスの開発と磨き上げを行なっていくための貴重なデータも提供する。

Virgin Galacticのプレスリリースはこう言っている: 「今週のボルチモアからのフィードバックを利用して、そのモデルをベースに構築していきたい。これまでも弊社は、宇宙飛行を待っている者と経験者の両方にとって、教育訓練とコミュニティのベストの形を共に議論してきた」。

同社のこのSpaceShipTwoには、すでに600名の顧客の搭乗申し込みがある。そのカーゴジェットをカスタマイズした軌道外宇宙機は、1人25万ドル(約2700万円)のチケットで90分の飛行を行う。有料顧客のためのその最初の飛行は、来年の前半を予定している。

画像クレジット: Virgin Galactic

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

三菱重工業のH-IIBロケット再打ち上げは9月24日を予定

先週、打ち上げ台上の火災でつまずいた三菱重工業(MHI)が再び、国際宇宙ステーションに備品などを運ぶ補給機HTV-8のミッションに挑戦する。打ち上げは当初9月11日を予定していたが、火災の後始末や原因調査などもあり、新たな打ち上げ日は日本時間の9月24日午前1時30分に決まった(米国東部時間9月23日午後12時半、太平洋時間午後9時半)。

火災は消火されロケットにも積荷にもダメージを残さなかったが、調査によると原因は静電気の蓄積による可能性が極めて高い。静電気の発生は、ロケットエンジンへの推薬補給時に排気口から滴下する酸素によるものと思われる。MHIはすでに対策に着手しており、ロケットと打ち上げ用施設設備は今や完全な機能性があって、二度目の打ち上げへの準備が完了している。

打ち上げに使われるH-IIBロケットはMHIのM-IIシリーズロケットの推力が最も大きい構成で、ISSの備品のほかに、さまざまな学術および商用の顧客のための複数の小型衛星とそのCubeSatランチャーも運ぶ。H-IIBは中心に1基のブースターがあり、エンジンは液体酸素を推薬(推進剤)として使用、そしてロケットの底部にある4基の固体燃料ブースターがさらなる推力を与える。静止遷移軌道への最大積載量は、8200キログラムである。

H-IIBのミッションは、来年あともう一度ある。その後、MHIは完全に使い捨ての打ち上げ機H3に注力する。これは主に商用の顧客の利用を目指していて、中程度のペイロードではコスト的にSpaceXなどの競合相手と互角に勝負できることを目指している。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

イーロン・マスク、今度は風船とバウンスハウスでロケットを回収か

Elon Musk は日曜日(米国時間4/15)夜に、SpaceXの上段ロケットの新しい回収方法をTwitterで発表した。風船 —— Muskの表現を直接引用すると “giant party baloon” —— がロケットの一部を空気で膨らませたバウンスハウスへと運ぶ。これは冗談ではない。

他の誰がこのアイデアを提案したとしても無視されただろうが、最近のElon Muskは狂気のアイデアを現実にする術を持っている。

SpaceXが初めてロケットを打ち上げたのは、ついこの間の2012年だったが、その後ロケットはどんどん大きくなっていった。そして今年SpaceXは、高速ボートと巨大な網でロケットの一部を捕獲する方法を試みた —— ただしまだ成功はしていない。

ロケットの回収に風船が使われるのはこれが初めてではない。伝説のプログラマー、John Carmack のロケット会社が、2012年に風船を使ってロケットの本体とノーズコーンを取り戻そうとした。計画どおりには進まず、 当時の関係当局によると、ロケットはニューメキシコ州のSpaceport America敷地周辺に「ハードランディング」した。

SpaceXの自動着陸ロケットや巨大ネット船と同じように、目的は部品を再利用してロケット打ち上げコストを削減することだ。この最新計画がいつ実施されるか明らかではないが、将来SpaceXが少なくともテストしてみる可能性は高い。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SpaceXがFalcon 9の50回目の打ち上げとミッションに成功、重量6トンの通信衛星を軌道へ運ぶ

SpaceXがFalcon 9ロケットの50回目のミッションを打ち上げた。搭載したのは静止衛星ペイロードとしてはこれまで最大のHispasatユニットで、そのサイズは都市バスぐらいある。

打ち上げは今朝(米国時間3/5)フロリダ州ケープカナベラルから行われ、計画通り進行してHispasat 30W-6をそのターゲットの静止遷移軌道に配達した。そのStandish衛星は重量が6トンあり、この宇宙企業のこの種の衛星向けとしては新記録となった。

これは、Falcon 9ロケットにとって大きな節目となる。このロケットは、最初のバージョンがSpace Xのためのサービスを2010年に開始した。Space Xはまた最近、初めて同社のFalcon Heavyを打ち上げ、さらに次世代の打ち上げ機BFRを目指している。BFRは、語呂合わせで‘big f*cking rocket’と呼ばれることもある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

SpaceX、50回目のFalcon 9で最大サイズの衛星を打ち上げへ(ライブ中継あり)

SpaceXは、Falcon 9ロケットの50回目の打ち上げに向けて準備中だ。積荷も新しい節目にふさわしい。2時間の打ち上げ目標期間が始まるのは3月6日0:33 EST(日本時間同日14:33)からと夜遅いが、SpaceXが歴史を作るところを目撃したい人にとっては必見だ。

今夜Falcon 9が運ぶのは、静止トランスファ軌道に向かう人工衛星、Hispasat 30W-6だ。これまでにSpaceXが静止軌道に送り込んだ中で最大の衛星で、重量は6トン、大きさは市内バスほどもあるとSpaceX CEO Elon Muskは言っている。

Hispasatはスペインの衛星会社で、SpaceXは最近のミッションでも同社が運用する積荷を運んだことがあり、SpaceXが将来国際ブロードバンドインターネットサービスに使おうとしている同社初のデモ用衛星も同じロケットで運ばれた。

SpaceXはこのロケットについは回収を試みない予定で、これはフロリダ州海岸沖の悪天候が理由だ。打ち上げはフロリダ州ケープカナベラル航空基地にあるSpaceXのSLC-40打ち上げ施設で実施される。何らかの理由で延期された場合は3月7日水曜日の0:33 ESTからの予備期間を利用する)。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SpaceX、次期Falcon 9で自社の衛星ブロードバンドサービスをテスト

SpaceXは次期Falcon 9の打ち上げを2月17日に予定している。主要な貨物はスペインの地球観測衛星、Pazだが同乗するもうひとつの積荷の方が興味深い。SpaceX自身は衛星を利用したブロードバンドインターネット通信サービスをテストするために、自社の通信衛星2基を軌道に送り込む。

ロケットに載せられるのはMicrosat-2AおよびMicrosat-2B(via TheNextWeb)という小型の衛星で、稼働期間はわずか20カ月だ。いずれもKu帯ブロードバンド無線送受信機を備え、低地球軌道から地球上に通信環境を提供する能力をテストする。

SpaceXは長期利用可能な本格的ブロードバンド通信衛星を打ち上げる前にこのテストを行う。同社はロケット発射事業に加えて、宇宙ベースの安価なブロードバンドを地上に提供することを新たな収入源として考えている。衛星インターネットサービスが利益を生めば、同社が構想する野心的火星ミッションなどのプロジェクトを賄うことができる、とSpaceX CEO Elon Muskが同社の長期計画の概説で語っていた。

Microsatを軌道に打ち上げることは、同社のブロードバンド事業を現実にする最初の一歩にすぎないが、SpaceXの壮大なビジョンが進展していることを示す良い兆候だ。SpaceXは、今月始めにFalcon Heavyの初飛行に成功し、今年中に有人宇宙船Crew Dragonの打ち上げを予定している。2018年はMuskの宇宙ベンチャーにとって記念すべき年になるだろう。

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SpaceX、ロードスターを運転するスターマンを宇宙ライブ中継(録画あり)


SpaceXは、火星を目指す模擬宇宙飛行士として同社の新しいユニホームを着たダミー人形をライブ中継する。ダミーが「運転」しているTesla Roadsterには複数のカメラが装着されている。この車は今日(米国時間2/6)ほぼ完璧に打ち上げられたSpaceXのFalcon Heavyの主たる積載物だ。

ライブ中継は、車のボンネット、飛行士の肩の後ろ、および地球を見下ろす位置にそれぞれ設置されたカメラを切り換えながら放映される。

これはこれまで宇宙に送り込まれた中で、いちばん楽しい荷物であることは間違いない。グッドジョブ、イーロン。

【日本語版注:ライブ中継終了後はビデオで視聴可能】

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SpaceX、Falcon Heavyのブースター3基とも軟着陸を目指す

SpaceXのFalcon Heavyの歴史的初飛行のすぐ後には、歴史的初着陸の試みが控えている。先週末Elon Musk率いる民間宇宙会社は、今回のテスト飛行ではロケットを軌道に運ぶ3基のブースターコアの回収も試みることを発表した(via Space.com)。

ロケットの両側に装着された2つのコアはいずれも、フロリダ州のケープカナベラル空軍基地の地上着陸地点、LZ-1およびLZ-2に帰還し、中央のコアは、大西洋上のSpaceXが浮遊着陸場所として利用している無人ドローン艀(はしけ)、”Of Courcse I Still Love You”に着地を試みる。

SpaceXのFalcon HeavyはFalcon 9ロケット3台相当の推進力を持ち、総積載重量は約12万ポンド(約54トン)になる。現在フロリダ州ケープカナベラルから初の離陸を目指しているところだ(TechCrunchチームは現地から打ち上げの模様を報告する)。

この打ち上げでブースター3基すべてを着陸させようという試みは、この野心的初飛行にふさわしい大胆な挑戦だ。これはSpaceXの有人軌道ミッションおよび軌道内打ち上げゾーンを構築する舞台を整えるものだ。将来この打ち上げゾーンから火星に向けて飛び立ち、いずれは基地を造り、さらには人間の共同体を作ることを願っている。

Falcon Heavyの発射は、2月6日(火曜日)の1:30 PM EST(日本時間 3 AM)に予定されており、今のところすべては順調に進んでいるようだ。

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SpaceX、Falcon Heavy初のテスト飛行を2月6日に設定

SpaceXは、Falcon Heavyの初めての打ち上げ予定日を2月6日に設定した。Falcon Heavyは同社が制作中の新型大容量ロケットで、一度のミッションでこれまでの3倍近い積載量を軌道に運べる、今回が初めてのテスト飛行となる。

土曜日、SpaceX CEOのElon Muskは打ち上げ目標日をツイートし、近くの土手から誰でも打ち上げの様子を見学できることを付け加えた。発射されるのはケネディー宇宙センターの39A発射台で、SpaceXはこの大型ロケットのために発射台に修正を施した。また、ここはかつてNASAのアポロやスペースシャトル計画に使われた中心地でもある。

2月6日という日付は先週後半に噂されていた。以前SpaceXは、ロケットの静止噴射テストに成功してから約一週間後に打ち上げると言っており、テストは1月24日に行われた。このたびMuskが正式に認めたことで、具体的な日付がはっきりした。

SpaceX初のFalcon Heavyの飛行は、現実世界での飛行をテストすることが主目的だ。同社は数多くの準備とシミュレーションを重ねてきたが、ロケットが空中でどう振る舞うかは実際に飛ばすまでわからない。Muskは、ロケットが打ち上げ後、軌道に乗る前に爆発する可能性も示唆していたが、かりにそうなったとしても、SpaceXのこの大型ブースターロケットにとって大きな一歩だ。

このミッションの積載物はチェリーレッドのTesla Roadsterオリジナルモデルだ。すべてが順調に運べば、将来火星の軌道に送り込まれる予定で、Muskのベンチャー精神が生んできたものと、将来達成するであろうことへの賛意を表している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SpaceXの宇宙船ドラゴン、ISSから2度目の帰還

SpaceXのDragonカプセルが、約一カ月間ドッキングしていた国際宇宙ステーションから予定通り帰ってきた。このDragon宇宙船は、以前ISS再補給ミッションで飛んだことがあり、これで2度目の往復飛行に成功したことになる。

Dragonは約6時間前に宇宙ステーションから切り離されて出発し、数時間後に軌道脱出噴射を終え、着陸用パラシュートを開いて土曜日(米国時間1/13)午前に着水した。

このカプセルは12月15日に打ち上げられ、約2.2トンの補給物資を宇宙ステーションに運んだ。科学実験器具など、ステーションに滞在している宇宙飛行士のミッションに必要な物資だ

Dragonは帰路にも多くの貨物を積載しており、実験結果は地上の多くの科学者らによって分析される。

これはSpaceXにとって大きな意味を持つ出来事だ。「飛行証明済み」再利用可能宇宙船プログラムの実証結果がまたひとつ増えたからだ。上記の通りこのDragonは以前再補給ミッションに使用されており、今回使われた第一段ブースターのFalcon 9も以前飛んだことのある再利用ロケットだった。

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SpaceX、2018年初の打ち上げは謎の宇宙船Zuma(ライブ中継)


まもなくSpaceXが2018年最初の打ち上げを行う。打ち上げ可能期間は、米国時間1月7日 5 pm PST(日本時間1/8 10 am)から2時間で、予備期間は翌日の同じ時刻。当初この打ち上げは昨年末に予定されていたが、発射に用いられたフェアリングに関連するデータをSpaceXが見直したいという理由で延期された。

今回の積荷である宇宙船 ‘Zuma’ は米国政府のトップシークレットで、Northrop Grummanが依頼を受けている。Zumaについては、低地球軌道のどこかの挿入位置を目標としていること以外殆どわかっていない。

SpaceXはZumaの打ち上げにFalcon 9を使う(今月中に同じフロリダ州ケープカナベラルで打ち上げ予定のFalcon Heavyではない)。

今日の打ち上げでもロケットの回収が試みられる。SpaceXはFalcon 9の第一段ブースターをケープカナベラルのLZ-1パッドに着地させる計画だ。

SpaceXのライブウェブキャストは、発射予定期間開始の15分前(4:45 PM PST/日本時間 1/8 9:45 AM)頃から始まる予定。

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イーロン・マスクはFacon Heavyの初飛行にTesla Roadsterを本当に載せる

今日(米国時間12/24)Elon Muskは自身のInstagramで、大型ロケットFalcon Heavyの初飛行に積載される貨物の画像を掲載した。それは、赤いTesla Roadsterだった。SpaceX CEOは以前、この車を打ち上げると発言してからジョークであることを匂わせたが、後にSpaceXが再度これを認め、今回この投稿でついに正式となった。

Muskによると、初飛行時の積載物は実際の貨物を想定して重量を提供するだけであることが普通で、コンクリートや鉄のブロックが使われるという。彼はもっと面白いことをしたかったので、来年初めに打ち上げ予定で現在ケープカナベラルで最終試験中のFalcon Heavryには、Tesla Roadster(当初のモデルで、最近発表された改訂版ではない)が搭載されている。

載せられたRoadsterは、計画通り発射されればデビット・ボウイのスペース・オディティを流しながら「10億年続く火星の周回軌道」に入る。ただし、スムーズにことが運ばない可能性はゼロではない。Musk自身、Falcon Heavyが離陸後に爆発を起こすかもしれないと示唆している。

いずれにせよ、Tesla車が実際にFalcon Heavyの初飛行に搭乗することがわかった。ロケットはMerlinエンジン27基によって推進される。これはFalcon 9エンジンを3体まとめたものに相当する。

SpaceXはIridium ミッションの打ち上げにも 成功し、2017年を締めくくった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ペギー・ウィットソン飛行士、288日間の宇宙滞在から帰還

記録破りの宇宙飛行士、Peggy Whitsonが、宇宙滞在累積日数の記録保持者として宇宙から帰ってくる。地球着陸の模様はライブストリーム中継される。

軌道離脱噴射は今晩(米国時間9/2)5 pm PT(西海岸時刻)に始まり、着陸予定時刻は6:22 pm(彼女が着陸するカザフスタンでは日曜日の7:22 am)。

Whitsonは、288日すなわち約10カ月間を宇宙で過ごし、その間宇宙ステーションは4623回軌道を周回した。これは米国の宇宙飛行士Scott Kellyの宇宙滞在連続340日に次ぐものだが、Whitsonは累計665日を宇宙で過ごしており、宇宙経験はどのアメリカ人よりも長い。

6月の帰還を予定していたが、今年になってロシアの宇宙開発組織、RoscosmosがISSミッションからクルーを引き上げたため、3カ月の期間延長を快諾した。

Whitsonは、ロシアのミール宇宙ステーションと国際宇宙ステーション(ISS)の両方に滞在した数人のロシア人記録保持者をランキングで追っている。しかし、Whitsonはほかにいくつもの印象的記録をもっている。ISS初の女性コマンダー(船長)を務め、最長宇宙遊泳 60時間を記録したことに加え、宇宙へ行った女性としては最高齢の57歳だ。

現在3回目のISSミッション遂行中のWhitsonは、4月に宇宙初の4Kストリーム中継を、ラスベガスで行われていた全米放送事業者協会ショウに向けてビデオを送信した。

Whitsonの帰還便には、同じくISSを離れる米国宇宙飛行士Jack FishcerおよびロシアのFyodor Yurchikhinも同乗する。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook