紛失・盗難対策トラッカーTileがモバイルアプリにストーカー対策安全機能を追加

貴重品の紛失・盗難対策トラッカーで AppleのAirTag(エアタグ)と競合するTile(タイル)は米国時間3月17日、初のストーカー対策機能「Scan and Secure(スキャン・アンド・セキュア)」を導入する。2021年10月に発表されたこの技術は、2022年初頭の導入が約束されていた。Tileのモバイルアプリを利用するユーザーは、一緒に移動している可能性のある未知のTileまたはTile対応デバイスをスキャンすることができるようになる。同社によると、この新技術を利用するためには、ユーザーがTileの所有者であったりTileの発見ネットワークに加入している必要はない。また、iOSとAndroidの両方で誰でもアクセス可能だ。

Scan and Secureを利用するには、最新バージョンのTileアプリが必要。また、Bluetooth、Location、Location Services、Precise Locationをモバイルデバイスで「オン」にしておく必要がある。Tileによると、この機能を使用するために、以上の設定やその他の許可設定を変更する必要がある場合は、モバイルアプリ内でそれを促す表示が出るという。

画像クレジット:Tile

アップデート後、新規ユーザーは、アプリのサインイン画面の右上にある「Scan」アイコンをタップすると、この機能にアクセスできるようになる。既存のユーザーも、アプリの設定から「Scan and Secure」にアクセスすることができる。

スキャンのプロセスには、ユーザーの近くにあるTileデバイスを見つけることを可能にするような「正確な場所を探す」ツールは含まれていない。Scan and Secureを機能させるためには、ユーザーは一定の距離を歩くか車で移動する必要がある。Tileによると、フルスキャンを完了し、正確な結果を出すには、連続でも最大10分かかる。家の中をただ歩いている場合や、公共交通機関の中など、近くにある他のTileを検知してしまうような人混みでは機能しない。

スキャンの結果は、完了するとアプリに表示される。ユーザーは、その結果を法執行機関に提出するために保存しておくことができるとTileは助言する。同社は、ユーザーが複数のスキャンを実行することが望ましいと指摘する。スキャン中に一時的に通過したデバイスや、実際に一緒に移動していたデバイスの可能性を排除するためだ。また、スキャンの画像を使って、見た目でデバイスの位置を特定することも提案している。残念ながら「正確な場所を探す」機能はないため、巧妙に隠れたデバイスを見つけられないユーザーもいるだろう。

画像クレジット:Tile

同社は、ストーカー行為などの犯罪行為に使われたデバイスの所有者を特定するために、裁判所命令を通じて法執行機関と協力するとしている。

TileのScan and Secure機能は、Apple(アップル)が提供するAirTagの安全性を確保するためのツール群ほど包括的なものではない。Appleは、AirTagがストーカー行為やカージャックに利用されたという多くの報告を受け、AirTagsとFind My networkをアップデートし、警告とアラートを強化した。これには、Appleがストーカーを特定し、そのデータを警察と共有することができるというストーカー予備軍への警告や、ストーカー被害者の可能性を示す詳細で先を見越したアラートなどが含まれている。さらにAppleは、今後のアップデートにより「正確な場所を探す」機能や大きな音が鳴るアラートを使って、一緒に移動しているAirTagの位置を特定できるようにすると述べた。ゆくゆくは、スピーカーを無効にしたデバイスを見つけることができるようになるという。

Scan and Secureは、Tileモバイルアプリのユーザーを対象に今後数週間かけて徐々に提供されるが、Tileアカウントの有無にかかわらず、iOSおよびAndroidのすべてのユーザーがアクセスできるようになる予定だ。

同社は、この新機能について、安全の専門家に相談したと述べている。専門家らは、ユーザーが自身でスキャンができることは有用な機能だと助言した。特に、ストーカー被害者の70%近くが加害者を知っており、その多くが被害者のパートナーであることもわかっている。

「例えば、家庭内暴力の被害者がパートナーと別れる準備をしている場合、最も安全な時間や場所を選んで、自分の位置を追跡できるデバイスがあるかどうかを前もって確認できるのは便利です」とドメスティック・バイオレンス撲滅全国ネットワークのセーフティ・ネット・プロジェクト・ディレクターであるErica Olsen(エリカ・オルセン)氏は話す。「安全性を高めるには、コントロールを彼らの手に委ねることが重要です」と同氏はいう。

ストーカー問題とは関係のないプライバシーに関する懸念が、ここ数カ月Tileを悩ませてきた。Tileの新しい親会社であるLife360が、顧客データを位置情報仲介業者に売っているとの報道があったからだ。調査の結果、Life360は販売を終了すると述べた

Tileは、他の専門家や支援団体と協力し、時間をかけて安全機能をさらに向上させていくとしている。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

Chipolo、アップルの「探す」アプリ対応の「カード型紛失物トラッカー」でTileに対抗

AirTag(エアタグ)とTile(タイル)のライバル、Chipolo(チポロ)が発表した新製品は、ユーザーが紛失したものをAppleの「Find My(探す)」アプリで見つけたり、うっかり置き忘れた時に通知を受けることができる。Chipolo CARD Spot(チポロ・カード・スポット)は、同社の既存のスマートカード製品の改良版で、同社のもう1つの紛失物トラッカーであるChipolo ONE Spot(小さな丸形デバイスでAirTagと直接競合する)と同じように、Appleの「探す」ネットワークを利用できるようになった。

新しいスリムなスマートカードは、キャッシュカード並の薄さで、サイズは3.35 x 2.11インチ(8.5 x 5.4 cm)と財布のクレジットカードポケットに入れることができる。

デバイスを追跡するには、まずChipolo CARD Spotを「探す」アプリのサードパーティ製ハードウェアアクセサリー追跡機能を使って、iPhoneまたはiPadとペアリングする。このシステムは、AppleのMFi Program(MFiプログラム)に支えられているもので、デバイスメーカーは、iPhoneなどのAppleデバイスとやり取り可能なアクセサリーを開発するために必要な仕様やリソースの提供を受けることができる。これは、AppleがAirTagで参入する前から忘れ物トラッカー市場をリードしてきたTileとの争点でもあった。

画像クレジット:Chipolo

TileはAppleが権力を乱用して市場を支配しようとしていると主張し、同社のようなデバイスメーカーが独自のモバイルアプリを経由してユーザーに直接アクセスするのをやめさせて、Appleのテクノロジーに統合させようとしていると訴えた。しかもAppleは、AirTagが発売されて顧客基盤ができあがるまでそのテクノロジーの利用を遅らせた(Tileは最近、Life360に227億円で買収された。競合が激化する中でスタンドアロン企業としての将来を見限ったようだ)。

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家族向けロケーターサービスのLife360が紛失物探索デバイスTileを227億円で買収

しかしChipoloは違うアプローチをとった。Appleと喧嘩するのではなく、同社はAppleのネットワークを活用し、AirTagに似た同社独自のトラッカーを「探す」対応にした。これによってChipoloの認知度は高まり、Appleの新製品プロモーションのおかげで紛失物トラッカーとその能力を初めて知った人たちにリーチすることができた。

Chipolo CARD Spotの発売によって、同社は「財布を追跡するスマートカード」というAppleにない「探す」対応製品の可能性に賭けている。

しかし、この新しいアクサセリーは、Tileの薄型ウォレットトラッカーであるTile Slim(タイル・スリム)と直接競合する。

画像クレジット:Chipolo

Tileのスマートカードと同じく、Chipoloカードは財布が手元を離れるとアラームを鳴らしたり、Lost Mode(紛失モード)になる。アラームは音は大きく(105dB)、カードは「探す」の200フィート(60m)範囲内で位置を特定できる。

Chipoloの新デバイスは、防水(IPX5)だが、この点ではTile SlimのIP67が上を行っている。Chipoloカードのバッテリー寿命は約2年間。その時点でユーザーには新製品を50%ディスカウントで購入できる通知が送られ、古いデバイスはリサイクルのために送り返すことができる。ちなみにTile Slimは最大3年間のバッテリー寿命を約束している。

Chipoloデバイスは1台35ドル(約4060円)、3台60ドル(約6959円)だが、TileはSlimを値下げして1台29.99ドル(約3480円)、2台で59.99ドル(約6958円)にした。

しかしChipoloの強みは、顧客は「探す」アプリで使えるデバイスを選ぶ可能性が高いということで、Tileは対応していない。

また、消費者がAirTagの安全性について懸念し始めている(デバイスがストーカー行為やカージャックに使われていると記事は伝えている)ことから、ユーザーは「探す」対応製品の方を選ぶかもしれない。Appleの同アプリは、未知のデバイスがユーザーを追いかけていると先を見越して警告してくれるからだ。Tileはまだ、アンチストーカー機能に取りかかっている段階だ。

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Chipoloの新デバイスは、現在予約受付中で、公式ウェブサイトおよびNomad(ノマド)で申し込める。出荷は2月の予定。

画像クレジット:Chipolo

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

忘れ物トラッカーTile内蔵クレジットカード「三井住友カードTile」登場、Bluetoothでスマホと接続しアプリで紛失位置確認

忘れ物トラッカーTile内蔵クレジットカード「三井住友カードTile」登場、Bluetoothでスマホと接続しアプリで紛失位置確認

忘れ物トラッカー「Tile」機能を搭載したVisaカード「三井住友カードTile」が登場しました。

「三井住友カード Tile」は、Bluetoothでスマートフォンと繋がるクレジットカードです。Tile機能を搭載しており、スマートフォンとカードの接続が切れた位置(=紛失位置)をTileアプリで確認可能。また、同カードを財布に入れておけば、財布を落とした時もTile機能を使って財布ごと見つけられます。忘れ物トラッカーTile内蔵クレジットカード「三井住友カードTile」登場、Bluetoothでスマホと接続しアプリで紛失位置確認

物理スイッチとスピーカーも内蔵。Tileアプリの操作でカードから音を鳴らしたり、逆にカードのスイッチを押せばスマートフォンの音を鳴らせます。部屋やバッグの中でカードやスマートフォンが見つからない場合でも、このスイッチを押せば音で見つけやすくなります。忘れ物トラッカーTile内蔵クレジットカード「三井住友カードTile」登場、Bluetoothでスマホと接続しアプリで紛失位置確認

Tileはスマートスピーカーにも対応しており、スマートスピーカーに呼びかけてカードの音を鳴らすといった使い方も可能です。

一般的なクレジットカードの薄さ(0.76mm)で上記機能を実現するため、超薄型バッテリーを内蔵。1000回以上の屈曲テストもクリアしています。忘れ物トラッカーTile内蔵クレジットカード「三井住友カードTile」登場、Bluetoothでスマホと接続しアプリで紛失位置確認

新開発のEMVチップは充電端子も兼ねており、付属の専用充電器でフルに充電した場合、最長半年間利用できます。万が一充電が切れた状況でも、クレジットカード機能の利用に影響はありません。

忘れ物トラッカーTile内蔵クレジットカード「三井住友カードTile」登場、Bluetoothでスマホと接続しアプリで紛失位置確認「三井住友カード Tile」は、12月16日より初回1500枚の先行予約を開始し、1月中旬以降に順次発行予定。1500件を超えた予約がある場合は抽選となります。

(Source:ソフトバンクC&SEngadget日本版より転載)

探し物トラッカーTileを買収したLife360が数百万人の正確な位置情報データを販売

探し物トラッカーTileを買収したLife360が数百万人の正確な位置情報データを販売

子供の見守りや家族との位置情報共有サービスを提供するLife360が、探し物トラッカーTileを買収したとお伝えしました。そのLife360が、数百万人ものユーザーの正確な位置情報を販売していると報じられています。

The Markup(米ニューヨークを拠点とする非営利団体)The Markupの報告によると、Life360のスマートフォン用アプリは全世界で3300万人が利用しているとのこと。そのアプリが集めた子供と大人の位置情報データが12のデータブローカーに販売され、他の第三者に提供されていたと伝えられています。

Life360の元従業員2人は、同社が業界最大級のデータ供給元でありながら、データの使用方法や悪用を防ぐためのセーフガードがない、すなわち位置情報の履歴から個人をたどれなくする予防措置が取られていないと証言。最も明白な(直接、個人に紐付けられた)ユーザー識別情報は削除されているが、プライバシー保護のためにデータを集約したり、精度を下げたりしないと語られています。

この件につきLife360のCEOであるクリス・ハルス(Chris Hulls)氏は、データは同社の中核的なサービスを無料で提供するための「ビジネスモデルの重要な一部」であると回答。つまりユーザーの位置情報データを販売することが前提で、無料サービスが成り立っていると言いたい模様です。

同じく位置情報データをブローカーに販売するX-Modeに勤務していたエンジニアいわく、Life360の提供する生の位置情報データは「データの量と精度の高さ」から、同社の「最も価値ある商品」の1つだと述べています。X-Modeは、Life360のデータ販売先としてCuebiqやArity、Safegraphとともに公開されている企業でもあります。

逆にいえば、Life360が公開していない提供先の企業もあるということ。ハルスCEOによれば、パートナー企業から透明性を求められたり「そうする特別な理由」がある場合にのみ公開されるとのこと。そうしたパートナーを公開することを義務付ける法律を支持する、とも付け加えられています。

Life360はデータ販売していることをプライバシーポリシーの細則に明記しており、秘密にしていたわけではありません。が、ここで問題視されているのは、データブローカーに提供された後、データがどのように扱われているのか、ユーザーが自覚していないかもしれない点です。一応はオプトアウト(提供を拒否)オプションもありますが、全てのユーザーがそれに気づいているとは限りません。

Life360アプリは主に親が子供やティーンエイジャーを追跡するために使うもので、その性質上プライバシーに関する懸念が指摘されていました。同社は13歳未満の位置情報は共有しないとしている一方で、13歳以上の子どもや大人のデータは(第三者への販売についても)公平に扱われています。

かたやLife360に買収されたTileは、探し物トラッカーを製造し、モノやペットを探すサービスを提供している企業です。Life360はTileと一緒になることで、ペットや人、物の位置を特定する「包括的なソリューション」を提供できると謳っていましたが、今回の報道を合わせて考えると、プライバシー保護に関する懸念が高まりそうです。

(Source:The Markup。Via MacRumorsEngadget日本版より転載)

家族向けロケーターサービスのLife360がTileを227億円で買収

Apple(アップル)のAirTag(エアタグ)と競合する遺失物追跡サービスのTile(タイル)が、家族向けコミュニケーションサービスのLife360に買収される。買収額は2億500万ドル(約227億円)。Tileのブランドは継続し、現CEOのCJ Prober(シージェイ・プローバー)氏が引き続き率いる。同社によると、現在のところTileチームの変更は予定しておらず、プローバー氏はLife360の取締役会にも加わる。

Life360にとって、今回の買収は最近のハードウェア買収としては2件目となる。同社は今年初め、位置情報機器メーカーのJiobit(ジオビット)を3700万ドル(約43億円)で買収した。その際、目標は、Life360アプリが動くスマートフォンを持つ人以外、つまり、小さな子どもや特別なニーズを持つ子ども、ペットなどにも、家族の追跡機能を拡大することだと述べた。

しかし、Tileの場合は、家族を追跡するだけでなく、家族が最も大切にする「人、ペット、モノ」を見つけるための幅広いソリューションとして事業を拡大する可能性を視野に入れている。同社は、統合プラットフォームを提供するサービスを構想している。そのプラットフォームでユーザーは、連絡を取り合うために家族を追跡するだけでなく、Tileの位置情報検索機能を利用して、財布、鍵、リモコンなどのモノも追跡できる。

またTileは、ワイヤレスイヤホンからノートパソコン、犬の首輪まで、50種類以上のサードパーティ製デバイスと提携している。これらは買収の価値を高めるものだ。そして同社は「Tile Finding Network」という巨大なネットワークを運営している。Tileの所有者がTileのモバイルアプリを立ち上げると、Bluetoothの範囲外にあるモノの位置を特定できるというものだ。同社は、これまでに4000万個以上のデバイスを販売し、42万5000人超の有料顧客を抱えているが、アクティブユーザーの総数は公表していない。

Life360は、同社の3300万人のスマートフォンユーザーが加わることで、TileのFinding Networkのリーチが10倍になると見込む。

Life360の共同創業者でCEOのChris Hulls(クリス・ハルス)氏は声明で「今回の買収は、安全性と位置情報サービスの世界的なプラットフォームになるというLife360のビジョン達成に向けた重要な一歩となります。TileをLife360ファミリーに迎え入れることができ、大変嬉しく思っています」と述べた。

このニュースに先立ち、Tileは9月に4000万ドル(約46億円)の負債による資金調達を発表した。これについてプローバー氏は、「負債は株主に希薄化をもたらさないため」理にかなっており、「『負債と株式』の混合は良いことだ」と述べていた。だが、Apple AirTagの立ち上げ以来、Tileの将来が脅かされていたことは間違いない。Tileは独占禁止法の問題でAppleを断固として批判しており、Appleがビジネスに与える影響について議員らの前で証言したこともあった。

Tileは最近、競争力維持を期待して、製品ラインを刷新した。その中には、AirTagのライバルとなる超広帯域無線の製品も含まれている

Life360とTileの共通点は、プラットフォームにとらわれないアプローチであり、iOSとAndroidの両方のデバイスに対応していることだ。Androidに対応していることが、国際的な事業拡大に役立つ可能性がある。Androidは世界中の多くの市場を支配している。

Life360は、今回の買収により、Tileを販売する2万7000以上の小売店や、Tileの技術が組み込まれている100万台以上のサードパーティ製デバイスのユーザーにアクセスできるようになる。また、両社はプレミアムサービスを提供しており、Life360は有料会員数を45%増の約160万人に拡大する見込みだ。将来的には、両社のサービスを統合し、より多くの無料ユーザーが有料会員になることを期待しているようだ。

Life360は、2019年からオーストラリア証券取引所に上場しており、以前には2022年に米国での二重上場の可能性を計画していると発表していた。今回の買収により、その目標に向け、勢いがつくとLife360は述べている。

今回の買収では、Credit SuisseとCode AdvisorsがLife360の共同財務アドバイザーを務めた。また、DLA PiperとOrrick、Herrington & Sutcliffe LLPがLife360の法務アドバイザーを務めた。Tile側は、Jefferies LLCが独占的に財務アドバイザーを、Fenwick and West LLPが法務アドバイザーを務めた。

「Tile、当社の顧客、そして従業員にとって素晴らしい日です」とプローバー氏は声明で述べた。 「今回の買収は、ミッションや価値観を共有する2つの素晴らしいチームを結びつけるだけでなく、安心・安全のための世界有数のソリューションを共同で開発する道を開くものです。これは、私たちの旅における次のステップであり、引き続き素晴らしいチームを率い、Life360の取締役会に参加できることに、これ以上の喜びはありません」。

[原文へ]

(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

TileがApple AirTagのライバルとなる次期製品Tile Ultraを含む新製品ラインナップを発表

Tile(タイル)は、先日の4000万ドル(約45億円)の資金調達に続き、Apple AirTagに対抗するために長い間期待されていたウルトラワイドバンド(超広帯域)搭載トラッカーTile Ultraを含む、最新の紛失物トラッカーのラインナップを発表した。この製品は、正式に発表されたものの、まだ購入することはできない。その代わりに、バッグ、鍵、バックパック、荷物などに取り付けるというコアとなるユースケースに対応するために、新しいデザインを採用したTileのプレミアムデバイスであるTile Proが最初のアップデートとして発表された。また、Mate、Sticker、SlimといったTileの既存のトラッカーも、音の大きさ、検出範囲の長さ、耐水性の向上などの新機能が追加されている。

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Tileは、1月に新技術に関する同社の計画を詳細に説明しており、Tile Ultraの開発には以前から取り組んできた。このデバイスは、Tile Proと同じフォームファクターでありながら、よりプレミアムなデザイン処理が施され、ステンレススチール製のリングを付けて出荷される予定だ。さらに、このデバイスにはAppleのAirTagと同じウルトラワイドバンド技術が採用され、より正確な検索機能が実現される。

Tile Ultraは、Bluetoothとウルトラワイドバンドの両方の機能を備えており、400フィート(約121メートル)離れた場所にある物体を探し出し、その位置を最新のモバイルアプリケーションのインターフェースに表示する。そして、以下の画像のように、自分の部屋やその他の場所がカメラビューで表示され、大きなARの矢印が消えたTileの位置を示してくれている。

画像クレジット:Tile

ここ数カ月の間、Apple(アップル)を厳しく批判しているTileは、Appleが自社の市場に参入し、競争面で不利になったことを訴えてきたiPhoneの新しいモデルには、U1チップによるウルトラワイドバンド機能が搭載されているが、その機能を利用することは、iOS 15が登場するまでサードパーティの開発者にはできなかった。そのため、AppleはAirTagを先行して開発した。それに比べてTileは、パートナーであるGoogle(グーグル)と緊密に協力して、新しいデバイスが、Androidに初めてウルトラワイドバンドを導入したAndroid 12でうまく動作するようにしていると述べた。

関連記事:Tileがアップルの新しいAirTagを不正競争だと非難

TileのCEOであるCJ Prober(CJ・プローバー)氏は、Tile Ultraの発売が遅れたことについて「Appleは、最初の自社製品を発売し、その製品がしばらく市場に出回るまで、ウルトラワイドバンドを試験的に利用できるようにすることを控えていました」と指摘している。このため、次期Tile Ultraの出荷は2022年初頭となる。

近い将来、Tileの他のラインアップも大幅に刷新される。

人気のTile Proは、よりスリムになった新しいフォームファクターで、見た目が大きく変わった。Tileは、社内で約16種類のデザインをテストした後、このデザインを採用した。

「このフォームファクターは、キーフォブのように鍵に引っ掛けることができるため、ユーザーの共感を得ることができました」とプローバー氏は述べている。

今回のアップデートでは、外観の変更が大きなポイントとなっており、性能面ではわずかな改良にとどまっている。また、400フィート(約121メートル)の電波到達距離と、1年間交換可能なバッテリーも引き続き搭載されている。

画像クレジット:Tile

Tileの他のラインアップも更新された。Tile Mateは、財布や鍵にもフィットするような、より洗練されたデザインに変更され、カラーもブラックとホワイトの2色になった。到達距離は250フィート(約76メートル)(従来比25%増)、防水性能の改良(IP67、水深1メートルで30分)、リングの音も大きくなり、3年間交換不能のバッテリーを搭載している。

テレビのリモコンなど、トラッカーを簡単に取り付けられないものに貼ることができるTile Stickerは、通信距離が67%向上して最大250フィート(約76メートル)になった。また、リングの音量が大きくなり、耐水性が向上し、3年間交換不能のバッテリーが搭載されるといったTile Mateと同様のアップデートが施されている。

また、財布の中に入れられるように設計されたTile Slimは、通信距離、バッテリー、リングなどの性能が同じようにアップデートされている。

ProとSlimの販売価格は34.99ドル(約4000円)で、Mateは24.99ドル(約2800円)、Stickerは29.99ドル(約3300円)だ。

画像クレジット:Tile

製品のアップデートと同時に、Tileは、Lost and Foundと呼ばれる紛失物を見つけるための新しい方法を提供するモバイルアプリをアップデートしている。このサービスは、紛失したTileのアイテムを見つけた人が、デバイスのQRコードをスキャンすると、持ち主の連絡先が表示され、返却の手続きができるというものだ。

画像クレジット:Tile

Tileは、未知のAirTagがあなたの後をつけていると定期的に警告するというAirTagのセキュリティ機能にヒントを得て、未知のデバイスが近くにあるかどうかも識別する。ただし、この機能はAppleのAirTagとは仕組みが異なる。ユーザーは、Tileアプリをダウンロードし、ボタンを押すことで、近くにある望まれないTileを手動でスキャンすることができるようになる。その際、Tileのアカウントは必要ない。この機能はまだ実装されていないが、National Network to End Domestic Violence(ドメスティック・バイオレンス撲滅のための全米ネットワーク)の勧告に基づいて設計されたものだそうだ。

「ストーカー被害者の約70%は加害者を知っています」とプローバー氏はいう。「彼らの指導は、見逃してしまうかもしれない通知を待たせるのではなく、このような安全機能をユーザーに提供する必要があるというものでした」。

Scan and Secureと呼ばれるこの機能は、2022年初めにiOSとAndroidに搭載される予定だ。

Tileは自社製品に紛失物検索機能を搭載したいと考える企業とのパートナーシップを通じて事業を拡大してきたが、Tileの収益の大部分は、依然として自社デバイスの直接販売によるものだ。Tileはこれまでに4000万台のトラッカーを販売し、42万5000人以上の有料会員を抱えているが、これはプレミアムサービスに加入していない多くのユーザーのごく一部にとどまっている。上半期の売上高は50%以上増加しているが、同社はその数字を公表していない。

Tile Ultraを除くTileの新しいラインナップは、Tile.comおよびAmazon(アマゾン)、Costco(コストコ)、Best Buy(ベストバイ)、Target(ターゲット)などの小売店で販売される。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

44億円を調達した紛失物探索デバイスのTile、新製品でAppleのAirTagに対抗

Bluetoothを利用した紛失物探索デバイスのメーカーTile。最近ではApple(アップル)を激しく非難している同社は、現地時間9月16日、Capital IP(キャピタルアイピー)から4000万ドル(約43億8000万円)の希薄化をともなわない融資を獲得したことを発表した。今回の資金調達は技術開発への投資に充てられる。また、同社はAppleのAirTagsに対抗し、新製品や機能を発表して市場の拡大を図る。

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Tileは、ハンドバッグやスーツケース、自転車、財布、鍵などのアイテムに取り付けられる小型紛失物探索デバイスの分野で長年にわたり業界をリードしてきた。ユーザーはiOS、Androidのスマートフォンアプリ「Tile」を使ってそのアイテムを追跡することができる。アイテムを紛失した場合、Tileアプリを使って、Bluetooth経由でアイテムを探索し、アイテムに取り付けられたデバイスで音を鳴らしてアイテムを見つける。アイテムが近くにない場合は、アプリをインストールしている他のユーザーやその他のアクセスポイントで構成される、より広範な探索ネットワークを利用する。Tileはこのネットワークを介して、自動的かつ匿名でアイテムの位置を持ち主のTileアプリに伝える。

画像クレジット:Tile

同社は、オーディオ、トラベル、ウェアラブル、PCなど40以上の企業について、その企業のデバイスとTileの検索ネットワークを統合するパートナーシップを締結している。代表的なブランドパートナーとしては、HP(ヒューレットパッカード)、Dell(デル)、Fitbit(フィットビット)、Skullcandy(スカルキャンディー)、Away(アウェー)、Xfinity(エクスフィニティ)、Plantronics(プラントロニクス)、Sennheiser(ゼンハイザー)、Bose(ボーズ)、Intel(インテル)などが挙げられる。Tileによると、同社のサービスが組み込まれたデバイス上のアクティベーションは、前年比で200%の伸びを示しているという。

これまでにTileは4000万台以上の探索デバイスを販売し、42万5000人以上の有料顧客を獲得している。これらの数字は今回初めて公表されたが、同社は無料と有料を合わせた総ユーザー数は公表していない。同社は2021年上半期に収益が50%以上増加したとしているが、これについても正確な数字は公表されていない。

Tileは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより、一部の市場の回復が遅れ、海外展開に影響があったことを認めているが、海外での業績は好調であり、今後も注力していく予定だという。

しかし、Tileにとっての唯一の障害がパンデミックという訳ではない。

AppleがAirTagsを発売してTileに対抗する計画を発表した際、Tileはそれを「不公正な競争」として批判した。Tileの製品とは異なり、AppleのAirTagsでは、iPhoneの新モデルに搭載されたU1チップが実現するウルトラワイドバンド(超広帯域)技術を利用して、より正確な探索が可能だ。一方、Tileは独自のウルトラワイドバンドを利用したデバイスを計画していたが、iPhoneでウルトラワイドバンドを利用することができなかった。つまり、Appleは自社の紛失物探索デバイスに、競合他社との差別化を図るための機能をいち早く、独占的に利用したのだ(Appleはその後、ウルトラワイドバンドのAPIをサードパーティ開発者に提供することを発表したが、APIが利用できるようになったのはAirTagが発売された後のことである)。

関連記事:ARで簡単に紛失物を探し出せるウルトラワイドバンド搭載トラッカーをTileが準備中

Tileのコンセプト図(社内資料)

Tileは、Appleの反競争的行為を問題視し、Spotify(スポティファイ)やMatch(マッチ)といった他のAppleに批判的な企業とともに複数の議会公聴会で証言してきた。規制当局からの圧力が強まった結果、Appleは後になってFind Myネットワークをサードパーティ製デバイスに開放し、AirTagsによって不利益を被るTileや他の競合他社を懐柔しようとしている。

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しかし、Tileは、顧客をAppleのファーストパーティアプリに誘導するのではなく、独自のアプリを使用して、独自の機能やサービスで勝負するつもりだ。Tileのサブスクリプションにその姿勢が良く表れている。基本となるTile Premiumプランは年額29.99ドル(日本では3600円)で、無料のバッテリー交換(日本では延長保証)、スマートアラート、ロケーション履歴などの機能を提供する。また、年間99.99ドル(約1万1000円、日本未対応)のPremium Protectプランでは、発見できなかったアイテムに対して年間1000ドル(約11万円)までの保険が適用される(AirTagには同様のサービスは存在しない)。

多くの差別化要因があるにもかかわらず、TileはウルトラワイドバンドのAirTagとの激しい競争に直面している。なぜなら(Appleの製品である)AirTagには、潜在的に数億人のiPhone所有者から成るAppleのネットワークを利用できるという利点があるからだ。

それでも、2018年にTileに参入したCEOのCharles “CJ” Prober(チャールズ・プローバー)氏は、AirTagは同社の収益やデバイスの販売に影響を与えていないと主張する。

同氏はAppleについて次のように話す。「……しかしそれは、Appleが私たちのビジネスを難しくしているという事実を取り除くものではありません」「私たちのビジネスは成長を続け、ユーザーに支持されています。Appleは不公平な競争をしています」。

「プラットフォームを所有している以上、参入したいカテゴリを決めて、そのカテゴリの既存企業を不利にすることで自分たちが有利になるようにすることは許されません。彼らが私たちにしたようにね」。

TileはAirTagに対抗するために、製品のリニューアルを発表する準備をしている。詳細は来週発表されるとのことだが、おそらく、これにはすでに発表されたウルトラワイドバンドバージョンのTileが含まれると思われる。より競争力を高めるために、デザイン、サイズ、形状、機能などの面でラインナップを拡大する可能性もある。

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資金調達については、Tileは2019年にグロースキャピタル(未上場株投資の一種)で4500万ドル(約49億円)を調達した。現在は融資にシフトし、今回の資金調達で、新たな融資に加えて、既存の融資の一部を借り換えているという。

「私は、融資と株式を混在させるのが良いと考えています。ですから、バランスシートにある程度の負債があることは良いことです。株主に希薄化をもたらすものでもありませんから」「私たちは、この資本選択の組み合わせが適切だと思っています」とプローバー氏。

Capital IPは、Tileが過去3年関係を築いてきたグループであり、Tileは同グループを投資家として迎えることを検討していた。「Capital IPグループは、Tileに関心を持ち続け、Tileの将来に期待を寄せている」とプローバー氏は指摘する。

Capital IPのマネージングパートナー、Riyad Shahjahan(リヤド・シャージャハン)氏は、声明の中で次のように述べる。「私たちは、Tileのチームと提携できることをうれしく思います。Tileはハードウェアおよびソフトウェアベースの革新的な技術によって探索システムのカテゴリを定義し、リードし続けています」「収益成長は素晴らしく、急速に上昇する加入者数の傾向は、Tileがプラットフォームに依存せずに提供できる価値提案を裏付けるものであり、当社が投資を決定する上での重要なポイントとなりました。Tileのチームは意欲的なロードマップを持っています。私たちは、Tileのチームが新しい市場やアプリケーションに参入し、市場でのリーダーシップをさらに強固なものにすることを楽しみにしています」。

画像クレジット:Tile

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(文:Sarah Perez、翻訳:Dragonfly)

Tileがアップルの新しいAirTagを不正競争だと非難

Apple(アップル)の紛失物発見アプリが公式に発表された現在、それと競合するTileは、Appleの最新製品に対する同社の見解を、米国時間4月21日に行われる議会での証言の前に記録に残そうとしている。同社によると、4月21日には議会でAppleの事業慣習、特に今回の紛失物追跡分野への参入を詳細に検分するよう求めるという。

Tileは、Appleが近くTileがマーケットリーダーである紛失物発見ビーコンの分野に独自のデバイスで挑戦すると知ってから、Appleを厳しく批判してきた。同社はTileに接続している紛失物、財布やバッグ、鍵、自転車、札入れなどを消費者が見つけることのできるBluetoothを利用するキーチェインドングルで、新しい市場を切り開くことに成功した。同社はまた、紛失物が持ち主のBluetoothの圏外にある場合、スマートフォンにTileのアプリをインストールしている者同士が協力してその紛失物を見つける「発見ネットワーク」も導入している。

AppleはAirTagでこれらの能力を再現しているが、もっと精密なウルトラワイドバンドの技術のサポートを加えるとともに、AirTagを同社のファーストパーティーアプリである「Find My」に統合して、紛失物発見にiPhoneの大きなインストールベースを利用しようとしている。こうなると、それはTileにとって強敵となり、Appleの全デバイスに競合するAirTagがあるだけでなく、App Storeのポリシーにより、アプリ内購入によるサブスクの収益の一部もAppleが共有することになる。

AirTagの立ち上げよりも前にAppleは、Find Myアプリへのアクセスをサードパーティーに公開して、反競争的云々の苦情を避けようとした。また同社はTileの競合他社であるChipolo ONE Spotと提携して、AirTagと競合するその他の紛失物発見ツールを不利な扱いにはしない証拠を見せつけようとした。しかしこれまでのTileの主張は、自社独自のiOSアプリで築いてきたユーザーとの直接的な関係を捨ててまで、AppleのFind Myユーザーをサポートしたくはない、というものだ。そして、Appleには最初からファーストパーティーであるという利点と、大きなエコシステムのパワーがあるため、この紛失物発見の市場に参入すると決めただけでも簡単に市場を支配してしまうとTileは主張している。

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Tileは2020年にも、Appleが非難されていた反競争的振る舞いについて議会で証言し、米国時間4月21日にはMatchやSpotifyなどAppleを批判する他社とともにそれを再現するつもりだ。

企業は、Appleが最近、小企業に対しては下げたアプリ内手数料、いわゆる「アップル税」に反対している。大企業の多くは、Appleに一切支払いたくない。売り上げも経費も全部自分で把握し処理したい。また顧客との関係も、間にAppleが入るのではなく、直接的な関係にしたい。そしてTileやSpotifyなどのケースでは、Appleが独自のファーストパーティーアプリで直接競合しているようなビジネスに関して、Appleに金を払わなければならないのはフェアでないと感じている。

またTileは、独自のウルトラワイドバンドデバイスでAirTagと競合する、と2021年初めに発表している。でも、そんなデバイスが動くために必要なAppleのU1チップへのアクセスは、まだもらっていないようだ。Appleはチップセットのメーカーのための仕様書の草案を今春リリースする。

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Appleのイベントの後でリリースした声明で、TileのCEOであるCJ Prober(C・J・プローバー)氏は再び、Tileが作った市場へのAppleの進出を批判している。

弊社のミッションは紛失物や置き忘れた物を見つけるという日常的な悩みの解決であり、世界で最も価値ある企業の1つであるAppleが、Tileが開拓したカテゴリーに参入してその価値を検証していることを誇りにも思っている。

紛失物や置き忘れた物の発見に多くの人びとがTileを選んでいるのは、私たちが顧客に提供している差別化された価値のためだ。iOSとAndroidのデバイスで動く弊社のアプリから業界トップクラスの一連の機能を提供することに加えて、弊社のサービスはAlexaやGoogleなど主要な音声アシスタントのすべてとシームレスの統合されている。またすべてのユースケースと、多様なスタイルに手頃な価格で対応する形状により、万人向けのプロダクトになっている。

Tileはまた、HPやIntel、Skullcandy、fitbitなどのトップクラスのブランドとのパートナーシップを成功させ、弊社の発見技術をノートパソコンやイヤーバッド、ウェアラブルなどの大衆的消費者製品のマスマーケットにも広げている。パートナーは現在30社を超えているが、Tileの利点を数百万の消費者に浸透して、重要な物のすべてを追跡できる体験をさらに広げたい。

競争は、それがフェアな競争であれば歓迎する。残念ながら、自己のプラットフォームのアドバンテージを不正に利用してプロダクトの競争を不公平に制限するAppleの歴史は、多くのドキュメントからも明らかであり、その姿勢は疑わしい。またAppleとのこれまでの歴史から見ても、このカテゴリーへのAppleの進出を議会が詳細に検分することは、完全に適切であると私たちは考える。明日議会の面前でこれらの問題をさらに議論する機会を、私たちは歓迎する。

それに対してAppleは、Find MyのネットワークはTileの創業以前からあると指摘し、Tileも、もし選ぶならばFind Myを利用できると述べている。同社はまた、Tileのマーケットシェアは90%もあり、それに追いつくためには膨大な量のAirTagsを売らなければならないだろう、とも述べている。

Appleの声明は、次のとおりだ。

iPhoneはそもそもの最初からユーザーの位置データのプライバシーを保護し、すべてのアプリによるユーザーの位置へのアクセスと共有に関し、透明性とコントロールをユーザーに提供してきた。AppleがFind Myを作ったのは10年以上前であり、それによりユーザーが紛失したデバイスをプライバシーを確保しながら安全に見つけられるようにしている。その後私たちは、Find Myを拡張して、ユーザーが他の重要な品物も管理できるようにしている。また、位置を友だちや家族と共有して、自転車などのサードパーティー製品も見つけられる。私たちは常に、顧客の体験を向上する最良の方法として競争を歓迎している。そして私たちは、サードパーティーのデベロッパーが栄えるプラットフォームをiOSの中に作るために、懸命の努力をしてきました。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:TileトラッカーAppleAirTagAPPLE SPRING HARDWARE EVENT 2021

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

アップルが「Find My(探す)」対応アクセサリのテスト用アプリを公開、互換性のある他社製アクセサリーも対応

Apple(アップル)が「Find My Certification Asst.」と名づけられた新しいアプリの提供を開始した。これは、MFi(Made for iPhone)のライセンスを受けたサードパーティーのアクセサリー開発者が、Appleの「Find My(探す)」ネットワークと自社アクセサリの相互運用性をテストするためのものだ。Find Myネットワークは現在「探す」アプリでiPhone、AirPods、Macなど、紛失したApple製デバイスを捜索するために使われているが、互換性のあるその他のサードパーティー製アクセサリーも、間もなく探すことができるようになる見込みだ。

今回のテストアプリの公開は、Appleが近い将来、サードパーティ製デバイス向けプログラムの開始を発表する準備が整ったことを示唆している。

このアプリの説明によると、MFiライセンス取得者は、Find My Certification Asst.を使用して、AppleのFind Myネットワーク技術を組み込んだアクセサリの「検出、接続、その他の主要な必要条件」をテストできるという。また、AppleのMFiポータル(mfi.apple.com)に掲載されているFind Myネットワーク認証プログラムに関する情報も紹介されている。このポータルでは現在、Find MyネットワークがMFiプログラムのテクノロジーとして「launching soon(間もなく提供開始)」と書かれている。

この新しいアプリのスクリーンショット見ると、デバイスメーカーは、接続性、サウンド(例えば、アイテムが置き忘れられたときに音を出すなど)、ファームウェア、キーマネジメント、NFC、電源などの分野に関してさまざまなテストを行うことができるようだ。

画像クレジット:App Storeのスクリーンショット

Sensor Tower(センサータワー)のデータによると、このアプリは米国時間4月4日に、iOSのApp Store(アップストア)で一般公開されている。新しいアプリなので、まだApp Storeのどのカテゴリー(「開発ツール」も含め)にもランクインしていない。また、現時点では評価やレビューもない。

このアプリのリリースは、AppleのFind Myネットワークをサードパーティーに開放するという大きな目標に向けた第一歩だ。Apple自身もまた、新しいアクセサリー「AirTags」の発売を計画している。

Appleは2020年のWorldwide Developer Conference(世界開発者会議)で、Find Myをサードパーティのデバイスに開放することを初めて発表したが、これは米国や欧州の規制当局から圧力を受けていたためでもある。各国の規制当局は、AppleがTile(タイル)の探し物検索デバイスの競合製品となるAirTagsの発売を控え、自らを優位に立たせようとしているのではないかということを(他の数多くの件と並んで)調査していた。

画像クレジット:FMCAアプリのスクリーンショット

Appleを批判していたTileは、AirTagsがUWB(超広帯域無線通信)を使ったAppleのU1チップと接続すれば、より正確な捜索が可能になると訴えていた。また、米国議会の公聴会では、AirTagsがAppleのデバイスにデフォルトで搭載されている独自の「探す」アプリと連動することを指摘した。これによってAppleは、Tileが何年もかけて確立し支配してきた探し物発見機器市場において、ファーストパーティとしての優位性を得ることができると、Tileは主張していた。

これを受けてAppleは2020年「NearbyInteraction(ニアバイインタラクション)」フレームワークを通じて、サードパーティーの開発者にU1チップへのアクセスを開放。その結果、Tileは2021年1月、UWBを利用した新しいトラッカーを発売する計画を発表した。

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さらにAppleは最近、「探す」アプリをアップデートし「Items(持ち物を探す)」という新しいタブを追加した。これは同アプリが、AirTagsやTileなどのサードパーティー製アクセサリーのサポートを拡大することに備えたものだ。この「持ち物」タブは、最新のApple iOS 14.5ベータ版で有効になっており「『探す』に対応しているアクセサリー」を含む「毎日使う持ち物の所在場所を確認できます」と説明されている。

しかし、AppleのFindMyプログラムに参加するには、サードパーティーのデバイスメーカーが既存のアプリを放棄し、代わりにAppleの「探す」アプリの使用を顧客に要求しなければならないことを意味するため、事実上、顧客とそのデータをAppleに引き渡すことになり、Appleの譲歩は依然として、自分たちのビジネスに不利益をもたらすと、Tile(およびその他の企業)は感じている。

また、このアプリの起動時に、ヘッドフォン、バックパック、スーツケースの3つのアイテムを示すアイコンが表示されることにも注目しておく価値があるだろう。偶然かもしれないが、Tileが最初に統合したのは、Bose(ボーズ)のヘッドフォンとAway(アウェイ)やHerschel(ハーシェル)といった鞄・バッグメーカーだった。

Appleには新アプリのリリースに関するコメントを求めているが、回答はまだ得られていない。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleiOSiOS 14Tileトラッカー

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Tileの紛失物追跡サービスがFitbitのInspire 2で利用可能に

どこに置いたかわからなくなった鍵やバッグ、財布などを探し出すのを手伝うBluetoothで駆動する人気のトラッカーを製造している紛失物ファインダーのTile(タイル)はFitbit(フィットビット)と提携し、初めてウェアラブルデバイスに追跡サービスをもたらす。米国時間3月22日からすべてのFitbit Inspire 2ユーザーはTileのBluetoothファインディングテクノロジーを追加料金なしに利用できる。

この提携の結果、Inspire 2の既存ユーザーはFitbitアプリを通じてデバイスのソフトウェアのアップデートが促され、これにより新しいTile機能が利用できるようになる。アップデートすると、ユーザーは紛失物発見機能にアクセスするためにTileのモバイルアプリをダウンロードするよう誘導される。TileのアプリからInspire 2ユーザーは、たとえばデバイスを家の中で紛失したときなどBluetoothの範囲内で置き忘れたFitbitの場所を特定できる。Bluetooth範囲外であれば、ユーザーは、すべてのTileユーザーのスマートフォンにインストールされたTileアプリを活用しているTileの広範な追跡ネットワークを利用できる。同アプリを利用している誰かが紛失物の近くにいるとき、その場所はネットワークを通じて紛失物の持ち主に共有される。

現在、195カ国で1日あたり600万ものアイテムの紛失場所を特定している、とTileは話す。

TileのサービスはFitbitユーザーや他の顧客に無料で提供されるが、Tileはデバイスの販売とアプリ内サブスク、提携の組み合わせで売り上げを確保している。Tile PremiumサブスクはInspire 2ユーザーにもオプションのアップグレードとして月2.99ドル(約325円)もしくは年間29.99ドル(約3260円)で提供される。元々Tileトラッカー所有者向けのこのサービスには、Tileデバイスの無料バッテリー交換、30日間のロケーション履歴へのアクセス、アイテム返品、大事なものを携帯せずに家を出る時に注意を促すスマートアラートが含まれる。

「Tileのテクノロジーで当社のアクセスしやすく、使いやすい運動・睡眠トラッカーInspire 2にこれまで以上に便利で使えるツールが加わります」とGoogleでFitbitデバイスのプロダクトマネジメントを担当するディレクターLarry Yang(ラリー・ヤン)氏は話した。Googleは2021年初めにFitbit買収を完了させた。同氏は「Tileと提携することをうれしく思います。当社のユーザーは置き忘れたデバイスを見つけ出せないことを心配することなく健康的な習慣の構築に専念できます。将来さらに多くのFitbitデバイスにTileの紛失物発見テクノロジーを持ってくる可能性があります」と付け加えた。

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画像クレジット:Tile

TileのFitbitとの提携は、Tileテクノロジーをオーディオ、旅行、スマートホーム、PCといった部門で活用している20社超との提携の1つだ。テクニカル的にFitbitが最初の「ウェアラブル」パートナーである一方で、TileはSkullcandy、Bose、Sennheiserといったヘッドフォンメーカーを含む家電分野の企業と協業してきた。

Apple、そしてSamsungとの新たな競争に直面し、産業パートナーを通じてリーチを拡大するTileの能力は将来さらに重要性を増すかもしれない。AppleはTileと競合するAirTagsを開発している。Appleは2020年YouTubeビデオで誤ってAirTagsを公開した。AirTagsは紛失物の場所をより正確に特定するためにBluetoothと新しい超広帯域テクノロジーを活用する。一方、Tileと競合するSamsungの最新プロダクトGalaxy SmartTagも超広帯域テクノロジーを採用し、2021年後半に発売される予定だ。

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こうした競争、特にAppleの製品はTileにとってトラブルとなりかねない。TileはAppleを対象とする米国の独禁法調査に関与している。Tileは議会の公聴会で、過去に同社の事業がAppleによっていかにマイナスの影響を受けたかを証言し、Appleが今後発売するトラッカーと自社のものの競争条件を同じにする手段としてAppleの「Find My」アプリへのサードパーティのアクセスを要求した。Tileはまた、米国内のさまざまな州でアプリストアを規制する法案を求めている団体Coalition for App Fairnessにも加わった。

Appleの競争相手Googleとの(Fitbitを介しての)提携は、TileにとってAirTagsが発売される前にウェアラブルマーケットの主要分野で自社の立場を強化する別の方法とみることができそうだ。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:TileFitbitトラッカー

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

ARで簡単に紛失物を探し出せるウルトラワイドバンド搭載トラッカーをTileが準備中

Tile(タイル)は、2021年に新製品を発表する準備を進めている。Apple(アップル)の待望のAirTag、そしてSamsung(サムスン)製を含む今後マーケットに投入される他の紛失物追跡サービスのライバルになるものだ。これまでのTileのトラッカーは、ユーザーが置き忘れた鍵など紛失物の場所を特定できるようにするのにBluetoothを活用してきたが、新製品では紛失物を見つけるのにウルトラワイドバンド(UWB、超広帯域無線)テクノロジーを駆使する。また、Tileモバイルアプリを通じてユーザーを紛失物の場所まで誘導するのに拡張現実(AR)を活用する。

UWBテクノロジーはiPhone 11モデルとiPhone 12モデル、そしてサムスンの最新デバイスを含むいくつかのAndroidデバイスで利用できる。

BluetoothやWi-Fiと同様、UWBは短距離のワイヤレスコミュニケーションプロトコルだが、かなりの高周波を使用している。空間および方向のデータをとらえるのに使われるもので、Tileのトラッカーのような紛失物を探すデバイスにとって役立つ。

アップルは2020年、サードパーティーのデベロッパーが同社のU1チップにアクセスできるようにした(iMore記事)。このチップは、iPhoneが「NearbyInteraction」フレームワークを通じて空間認識できるようUWBテクノロジーを使っている。Tileが今後発表する新製品でどの程度新しいフレームワークを使っているかは明らかではなく、先の報道によると同社は特にアップルとの協業で秘密保持契約を結んでいるようだ。

新製品コンセプトのイラストをみると、TileのUWBモデルはTile MateやTile Proなど他の小型トラッカーと似たような外観だ。四角形で中央にボタンがあり、粘着テープで取りつけられるよう背面はフラットになっている。そして他のTile製品と同様、キーチェーンにも取り付けられる。

コンセプト図(画像クレジット:Tile)

通常、Tile製品は鍵やリモコン、ハンドバッグ、ダッフル、荷物、持ち運びする小さなものに取り付けたり、電化製品や自転車のような大きめのデバイスに貼り付ける。紛失物が近くにある場合はBluetoothで、ずっと遠くにある場合にはTileの「community find」ネットワークで場所を特定できる。後者の場合は、紛失モードにセットされたTileトラッカーの場所を特定するのにユーザーのスマホにインストールされたTileアプリを活用する。紛失アイテムが見つかった時には、持ち主に通知がいく。この機能により、たとえばTileユーザーは誤って飛行機に置き忘れてきたものの位置を特定したりできる。

一方、新しいトラッカーは紛失物特定のプロセスをこれまでよりも簡単にするためにUWBを使う。

UWBは空間認識能力があるため、ユーザーがトラッカーの発信音を拾えないときでも屋内外で紛失物の場所を特定できる。これは紛失物がソファのクッションなど何かの下に埋もれているとき、あるいはタンスのようなものの中にあるときにも役立つ。また2階建、3階建といったフロアが複数ある家のような大きな空間で簡単に紛失物を見つけることも可能だ。

ユーザーは、TileアプリでARが使えるカメラビューを立ち上げることができる。これは方向を示す矢印や紛失物の場所のARビューなどのオーバーレイを使ってユーザーをその場所まで誘導するものだ。

コンセプト図(画像クレジット:Tile)

Tileの計画に詳しい情報筋によると、TileはiOS、Androidデバイス両方で使える新トラッカーを2021年後半にリリースする予定のようだ。価格はまだわからない。Tileはもちろん今後もBluetooth活用の人気デバイスの販売を続ける。というのも、マーケットに出回っているスマートフォンの多くはまだUWBに対応していないからだ。最新デバイスのみこのテクノロジーが使える。

Tileはこれまで紛失物トラッカーのマーケットをリードしてきたが、2021年はサムスンやアップルといったスマホブランドから新製品がリリースされることが予想されており、Tileは競争激化に直面することになる。

2020年に開催されたサムスンのGalaxy Unpackedバーチャルイベントで、同社は新SmartThings FindアプリにUWBを搭載する計画を明らかにした。1月4日の週に認証機関NCCに提出された画像の中には、今後発売されるSamsung Galaxy SmartTagトラッカーがあった。そのデバイスは四角形で、キーチェーン取り付け用の穴が空いているなどTileトラッカーにかなり似ている。

一方で、アナリストのMing-Chi Kuo(ミン-チー・クオ)氏による新たな調査分析によると、アップルはTileと競合する製品AirTagを2021年に発表する。アップルはすでにAirTagの存在を認めていて、また公式のサポートビデオで紛失物トラッカーに意図せず言及した。AirTagのリーク画像も今週出回り始め、AirTag発売は「間もなく」とするレポートに勢いを与えている。

UWBを搭載したトラッカーはTileがマーケットをリードする位置を保つのに貢献するかもしれない。2020年時点でTileは2600万ものTileデバイスを販売し、1日あたり195カ国で約600万のアイテムの位置を特定している。Tileのウェブサイトには、同社のデバイスは230カ国・地域で使える、とある。この規模でTileはマーケットを引っ張る存在だ。しかしアップルのAirTagは、同社の「Find My」アプリとしっかり連携するというファーストパーティのアドバンテージがあるかもしれない。ただし懸念されることもある。Tileは2020年の独禁違反の公聴会で、アップルが競争に勝つためにいかに自社プラットフォームやマーケットパワーを行使しているかに言及した。

TileのUWBデバイス計画は現時点で公にされていない。

「製品のロードマップについてコメントできませんが、当社は常に顧客エクスペリエンスの改善と、紛失物探しの弱点の解決を模索しています」とTileの広報担当はTecCrunchに語った。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Tile

画像クレジット:Tile

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(翻訳:Mizoguchi