その未来志向のプロジェクトで知られる派手な起業家が、ハイパーループ計画に関する詳細を、自身のプログや今日のプレス会見に先立ってBusinessweekのAshlee Vance に説明した。結果は、狂気との境界線上にあるプロジェクトだった。彼はTesla MotorsとSpaceXを作った男であるが、このプロジェクトに関してはそもそも話題にしたことを後悔していると言い、誰か他の人が作るべきものだとさえ言った。
「言わなければよかった」と彼はBusinessweekの記事で言っている。「私にはまだSpaceXとTeslaを成功させる仕事があるし、これはとてつもなく大変だ」
ハイパーループは確かに困難で金がかかりそうだが、これは広く批判に晒されすでに開発にとりかかっている700億ドルの高速鉄道計画に代わるものだ。ハイパーループは低レベルの気圧をかけたパイプに、SpaceXインコネル合金でできた高圧高温に耐えるスキー付きカプセルが収容されている。スキーの小さな穴から吹き出す空気が作り出すエアクッションにカプセルが浮かび、エアジェットによって推進される。全体のコストはわずか60億ドル程度だとMuskは言う。
Muskのプロジェクトは、進行中の高速鉄道計画に対して経済的にみて多くの優位点を持っており、地上に建てられた塔の上につくるよう設計されている。つまり広大な土地を買収したり、農地やさまざまな建造物を破壊する必要がない。Muskの詳細計画によると、環境騒音問題も回避されており脱線の危険も少ない。カプセルを収容するパイプの上に設置したソーラーパネルによって動力も自己調達できる。一つ、残念な点がある。Muskの目論見書によると、ハイパーループの乗車にあたっては、空港でTSAが行なっているのと似たセキュリティーチェックが必須だそうだ。
物理学に深入りするつもりはない。Businessweekが実にわかりやすく解説 しており、同誌が話した第一線の物理学者はこれを実現可能と言っている(パイプが透明なら「クール]だとも)。おそらく最高の要約は、ValleywagのSam BiddleがTwitterで言ったこれだろう。
[elon muskはすごいやつだと私も思うが、ここは正直になろう。これは空想上のスペース列車であり、彼は望んだことをどうにでも描くことができる。
この話題に関する彼の 公式ブログ記事 が公開されており、(詳細目論見書のPDF は、近々修正される模様 )なかなか読み応えのある記事だ。同システムを説明する電話会見でMuskは、せめて誰かに渡すための小規模なデモ用プロトタイプは作りたかったと言った。しかし肝心なのは、自分で作る意志がなく、作るのが恐ろしく難しそうで、今後もまず間違いなく空想の産物であるものをMuskが思いついた、ということだ。実に楽しい。
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