ベネズエラが暗号通貨を発行して通常通貨と連結、ブロックチェーンの専門家は詐欺と呼ぶ

ハイパーインフレやそのほかの経済問題と格闘しているベネズエラが、前例のない思い切った手段に出た。同国の通貨を大幅に減価して名前を変えただけでなく、国が発行する暗号通貨Petroに連結した。後者は原油価格に応じて変動するが、この措置が何をもたらすのか、まだ誰も知らない。

Petroは今年の初めから、プライベートのバイヤー、次いで一般バイヤーに段階的に提供され、外国政府や、おそらく一部のプライベートバイヤから30億ドルを調達した。トランプ大統領は、アメリカの関与を禁じた

それは原油価格を反映する流動資産と想定され、もちろんシステムを大まかに説明するホワイトペーパーもあるが、そこに技術的詳細は欠けている。議会は国が発行する暗号通貨を憲法違反とし、ブロックチェーンの専門家たちはそれを詐欺と呼び、またロシアの陰謀説も捨てきれないようだ。Bloombergはマドゥーロ大統領の談話などを含む良質なまとめ記事を載せている。

マドゥーロ大統領の政権が作り出したこの企画は、同国の通貨の信用と安定性に寄与することが目的のようだ。強かったボリバルは、最近の10年間でその価値を90%以上失い、sovereign bolivarと改名され、インフレ前の価値に人為的に戻された。つまり2012年に100ボリバルだった食パンは先週10万ボリバル、理論的にはそれが100に戻るのだ。実際にそうなるのかは、わからないし、ブラックマーケットのインフレ率はもっと大きいだろう。これも、結果を誰も知らない。

なお、ぼくは経済学者ではないし、そうなるつもりもない。でも、国の法定通貨が国が発行する暗号通貨に連結されたのはこれが初めてであり、その意味ではブロックチェーンの世界における歴史的瞬間だ。これは国際社会にとって、いろんな意味でおもしろいが、今回のベネズエラのやり方はとうてい、理想的なやり方とは言えない。

実際には、おもしろいとは名ばかりで、ベネズエラの多くの人びとにとって原油価格と結びついた暗号通貨よりも欲しいのは、瓶入りの水や、赤ちゃんのおむつ、そしてこの国から出るための列車の切符だ。今後の結果は、どんな結果であれ教訓的だと思うが、路上にあふれているのは人道的危機であることを、忘れないようにしよう。ここでも、助けになるのは寄付だ

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ベネズエラ政府、大統領暗殺未遂に爆発物搭載ドローンが使用されたと主張

低予算の兵器化されたドローンによる攻撃が起きるディストピア的未来はすでにやってきたのだろうか? BBCおよびAPによると、ベネズエラ政府は、同国大統領の暗殺未遂事件に爆発物を搭載したドローンが複数使用されたと主張している。

ニコラス・マドゥロ大統領がカラカスで行われた軍隊行事で演説中、事件は起こった。行事はテレヒで生中継されていた。

BBCウェブサイトによる演説のビデオによると、大統領は将校らに守られ、夫人も近くに立っていたが、演説の最中に彼らの上空で爆発したなにかによって中断された。

動画に写っている人々は驚いて空を見上げていた。ビデオの音声は爆発場面の直前から削除されている。

別のカメラアングルのビデオには音声も入っていた。人々が押し合い、画面の外に走って出ていくところが見える。兵隊らは隊列を乱し叫び声が聞こえる。

ベネズエラ当局の発表によるとこの事故で7名の兵士が負傷し、後に数名の人物が逮捕された。ロドリゲス通信情報大臣は、爆発物を積載したドローン2基が大統領の近くを通過したのを見たと発言した。

マデュロ大統領は後の国民に向けた演説で、「飛行物体が私の近くで爆発した。大きな爆発だった。数秒後に第2の爆発が起きた」と語った。

しかし、爆発物搭載ドローンが爆発の原因であることを示す第三者による検証は行われていない。また、APによると、爆発現場にいた消防士らは政府の発表に異論を唱えている。

記事によると、演説会場近くのアパートでガスタンク爆発があり、窓から煙が流れ出るところが見えた可能性がある、と市当局は語っている。しかしAPは、どうやってその結論に達したかの詳しい説明は提供されていないことを付け加えた。

ドローンを使用した攻撃について、責任を追求する未確認情報もある。

BBCとAPは、Soldiers in T-shirtsと呼ばれるほぼ無名のグループが、爆発物を積んだドローン2台を大統領に向けて飛ばしたが、標的に達する前に兵士らによって撃ち落とされた、と言っていると報じた。

両ニュース機関共、このグループは取材に応じていないと言っている。

ベネズエラ大統領はこの襲撃についコロンビアを避難した——コロンビアは「根拠がない」としてこれに反論した。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook