Amazon、JPモルガン、バークシャー・ハサウェイがヘルスケアへ――当面社員向けの福利厚生サービス

企業が非常にビッグになると従業員の医療でさえ既存の健康保険企業を頼る必要を感じなくなるらしい。すくなくともAmazon、Berkshire Hathaway、JPMorgan Chaseはそう考えたようだ。3社は共同して従業員のための新しいまったく独立の健康保険を立ち上げることにした。この会社は3社の従業員と家族向けにあらゆる医療とヘルスケアを提供していくという。

Wall Street Journalによれば、新企業設立の目的は社員の福利厚生の増進であり、「〔一般の保険会社と異なり〕利益追求の必要がないため長期的計画に基づいたサービスが提供できる」ことが特長だという。社員のヘルスケアにおいて損益計算書に利益を計上することを主たる目的とする外部の営利企業によるサービスを利用する必要を一切なくすくのが3社の最終的な目的だ。

新企業の設立を発表した声明で、Amazonのファウンダー、ジェフ・ベゾスは、「〔パートナーの3社は〕ヘルスケア市場に参入して自らサービスを提供することの困難さを十分認識している。最終的に、経済システムにおけるヘルスケアの負担を軽減し、従業員と家族に優れたサービスを提供することによってこの努力が報われるものとしたい」と述べた。

Berkshire HathawayのCEO、ウォーレン・バフェットはこれに加えて「ヘルスケアのコストの際限ない膨張はアメリカ経済に対して貪欲な寄生虫のような影響を与えている」と述べ、JPMorgan ChaseのCEO、ジェイミー・ダイモンも「アメリカにおけるわれわれの従業員と家族に優れたヘルスケア・サービスを提供し、ひいてはアメリカ全体に利益を与えたい」と付け加えた。

現在のところ新会社については、こうした理念と目的以外に詳しいことは分かっていない。しかしパートナーの3社は新会社設立にきわめて真剣だ。プレスリリースによれば、まだ「準備の初期段階」だというが、各社のトップを含む暫定経営陣が発表されている。近く長期的視野に立った組織が発足し、新本社も開設されるはずだ。

新会社の目的は、当然ながら、ヘルスケア・システムに最新のテクノロジーを導入することでサービスの質を向上させながら大幅にコストを下げるところにある。しかしダイモンのコメントにもあるように、もしこの新しいヘルスケア・システムが順調に機能すると見極めがついた場合には、3社連合は従業員と家族だけでなく、さらに広い範囲にサービスを拡大する意図があるかもしれない。

画像:JASON REDMOND/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

億万長者のWarren Buffettが確信するウェアラブルの明るい未来とは

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このところ、ウェアラブルの状況は厳しい。Fitbitのような専業企業は苦境だし、大手Jawboneは消費者向け以外の分野に活路を見出そうとしている。そして老舗のPebbleは、もはや自力では生き残れない。でも、億万長者のWarren Buffettは今でも、ウェアラブルに未来はある、と確信しているようだ。

BuffettがCEOを務める務める世界最大の持株会社Berkshire Hathaway傘下の、いかにもそれらしい名前のRichline Groupが、今年後半に、ウェアラブルなジュエリーのブランドEla(Elegant Lifestyle Accessories)を立ち上げる予定だが、億万長者の彼の信念によれば、最近の下降傾向とは逆に、長期的にはテクノロジーは、ジュエリー業界が進むべき正しい道だ。

“ジュエリーは何世紀も続いているビジネスであり、今後も引き続き健在だ。だからそれは、安全な投資先である”、とBuffettはCNBCで語っている。“それにテクノロジーが加われば、それはみんながすでによく知っているものをアップデートするだけのことであり、現代という時代に良くフィットしていることが、好まれるだろう”。

彼のジュエリーはBluetoothを内蔵してモバイルのアプリと対話し、フィットネスの通知など、ウェアラブルとしての標準的な機能一式を実装するようだ。ZDNETの記事によると、音楽や写真などと並んで、“思い出”も共有できるのだそうだ。

ただしもちろん、ジュエリーとテクノロジーの結合自体は、かねてから難しいテーマだ。同社は利益率の高さを自慢しているが、テクノロジーのアップグレードサイクルと、高級ファッションへの高額な支出とは、必ずしも相性がよろしくない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Apple株に新たな大型投資家―ウォーレン・バフェット、10億ドルの買いと判明

2016-05-17-timcook

今日(米国時間5/16)、著名な投資家、ウォーレン・バフェットの持株会社バークシャー・ハサウェイの証券取引委員会への報告書が公開された。それによると、同社は981万株のApple株式を所有していることが判明した。これは前期末で10億7000万ドルの価値となる。昨年来Appleの株価は大幅に下げていた。

特に最近は52週間で最低の株価を記録している。特に第2四半期の決算がアナリストの期待に反していることが明らかになった際には400億ドルがAppleの時価総額から削り取られた。Apple株の下落は非常に大きかったため、短時間だがGoogleの親会社、Alphabetが時価総額でAppleを抜き返したほどだ(この両社の時価総額は50億ドルくらいしか差がなく、世界トップの座を争っている)。

バークシャー・ハサウェイがApple株を大量に保有しているということは、金融機関が現在のApple株を安いと判断していることを意味する。iPhoneの頭打ちがはっきりするにつれ、Appleの株価は調整局面に入っているが、こうした巨大企業の株価が大きく動く場合、機関投資家が好機と見るのは珍しいことではない。ウォールストリートはAppleに対し「iPhoneをもっと売るか、別のヒット商品を見つけ出せ」と迫っているが、バフェットがApple株を大量に買ったのは同社への追い風となるだろう。

以前もAppleはこうした経験をしている。2013年4月に「もの言う株主」のカール・アイカーンがAppleをターゲットしたことがあった。このときにもアイカーンは10億ドル程度を買い、ティム・クックに株主への配当を増やすよう迫った。現在のAppleの株価だと価値は9億ドル程度に下がっている。

ただバフェット(バークシャー・ハサウェイ)の場合はすぐに方針変更を求めて騒ぎ立てることはなさそうだ。10億ドルの株式といってもAppleにとっては「小さなシミ」に過ぎず、「もの言う株主」(バフェットはおそらく違うだろう)はよほど激しく主張しない限り、クックに考えを変えさせることはできそうにない。アイカーンでさえ、配当増額を強く求めたものの、この数週間でAppleと縁を切ったと述べている。

いずれにせよ、この情報でAppleの株価は上げそうだ。市場が開く前の取引ですでに2%上げているが、これはAppleのような巨大企業にとっては大きな値動きだ。バークシャー・ハサウェイはこれまでテクノロジー株を避ける傾向が強かった。それがこれだけのポジションを取ったということはAppleの将来に対してよほどの確信があるのだろうと推測させる。証券取引委員会への報告書は前四半期末の株式保有状況しか明らかにしていない。もっとも興味ある点は、バフェットが今後もAppleの株を買い進むのかどうかという点だ。

画像: Stephen Lam/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+