最も理想に近い「ポータブルXbox」をiPhoneとゲームパッドBackbone Oneの組み合わせで実現

2020年末にこちらの記事で紹介したiPhone用ゲームパッド「Backbone One(バックボーンワン)」が、ゲームアクセサリとしては究極の提携を果たした。米国時間6月28日、Xbox Cloud Gaming(エックスボックス・クラウド・ゲーミング)の提供開始に合わせて、iOS向けXbox Game Pass Ultimate(エックスボックス・ゲーム・パス・アルティメット)にバンドルされることになったのだ。

この提携の一環として、Backbone Oneは「Designed for Xbox」のスタンプが押された新しいリテールパッケージで、Xbox Game Passとバンドルして販売される。Backbone OneとiPhoneの組み合わせは、我々がこれまで見た中で最も「ポータブルXbox」に近いものだ。

前回書いた記事では、Backbone OneがiOSに組み込まれているアクセサリーAPIを巧みに利用して、専用アプリのダッシュボードに非常に洗練された機能が提供されていることを紹介した。今回、そのダッシュボードがアップデートされ、所有するゲームの表示や、新しいゲームの紹介、クリッピング機能で友人とキラープレイを共有するといった機能がさらに使いやすくなった。これは、筆者がこの数年間にiOSで見た最高のゲームアプリの1つであり、世界で最も多いゲームユーザーのために、世界で最も大きな遊び場を作る可能性を大いに秘めている。

画像クレジット:Backbone

Backbone Oneに備わるキャプチャー・ボタンは、Xbox Cloud Gamingと連携し、リンクとして共有することができる。新しいXbox Game Passのフィードを表示したり、同じインターフェイスでXboxとiOSのゲーム間を移動することも可能だ。また、現行機ではまだ十分に活用されていないが、実際には非常に優れた機能であるXbox Remote Play(Xbox リモートプレイ)機能も大きく取り上げられている。

パッケージにはAppClip(アップ・クリップ)が使用されており、店頭でパッケージを見ると、Xbox Cloud Gamingを実行中のBackbone OneがARで表示される。

Backboneチームは、その巧妙で洗練された統合と確かな直感で、引き続き感銘を与えている。チームにゲームコントローラーの血統があることは明らかだが(オリジナルのXbox 360コントローラーを開発したチームメンバーの何人かがBackboneに携わっている)、最も印象的なのはソフトウェアの面だ。Backboneが「Warzone(コール・オブ・デューティ・ウォーゾーン)」や「Minecraft(マインクラフト)」のようなAAA級のiOSゲームと、XboxやPlayStationのリモートプレイ、そして今回対応したネイティブなxCloudゲームという異なるゲーム体験を統一させた方法は、これまでApple(アップル)を含め誰も上手くできなかったことであり、モバイルゲームの未来のあり方を感じさせる。

画像クレジット:Backbone

Xbox Cloud Gamingはウェブベースであるにもかかわらず、Backboneの非常によくできたダッシュボード内ではネイティブアプリとして扱われ、表示される。筆者は個人的にBackboneで、Stadia(ステイディア)を介して「Destiny 2(ディスティニーツー)」を長時間プレイしたが、非常にすばらしかった。現在のXbox Cloud Gamingのタイトルと同じように、このダッシュボードにより直接的に統合され、クリッピングやソーシャル共有できるようになるのが待ち遠しい。

Backboneがインストールされていると、ゲームを発見し、ダウンロードして、プレイするという体験は、チームがキュレーションに力を入れていることもあり、Apple Arcade(アップル・アーケイド)よりも優れている。非常に洗練されたリンクの仕組みも取り入れられているので、アプリのクリップがフィードで共有されているのを見たら、すぐにApp Store(アップ・ストア)からアプリをダウンロードすることができる。インターネットネイティブのプレイヤーは、このような形で新しいゲームを見つけてすぐにプレイしたいと思っているはずだ。ゲームやストリームが継続的にハイパーリンクされた世界では、いちいち手動で検索する手間をかけずとも、ゲームを見たり、フォローしたり、プレイしたりすることが可能になる。

そしてそれはまた、将来的にはゲームを発見して「ダウンロード」するだけなく、友人が共有したゲームプレイの映像を見たら、それをタップするだけで、ゲームを購入する前に最初のレベルや試合を、体験プレイして夢中になれるような世界の到来を感じさせる。それは新たなプレイヤーを引き寄せる大きな入口となるはずだ。

今回のMicrosoft(マイクロソフト)との提携により、Backbone Oneを公式ウェブサイトまたはマイクロソフトストアから99ドル(約1万900円)で購入した人は、Game Pass Ultimateを3カ月間利用できる。Game Pass Ultimate3カ月分の価格だけで45ドル(約5000円)することを考えると、これは新規顧客にとって非常にお得な条件といえるだろう。そしてこの提携は、まだ歴史の浅いスタートアップ企業であるBackboneにとっても、大きな後押しとなるに違いない。

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マイクロソフトがXboxクラウドゲーミング専用ハードを近く発売予定
Surface Duoの2つのスクリーンがゲーム画面+バーチャルコントローラーとして使用可能に

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Backbone OneiPhoneXbox Game PassMicrosoftiOSアプリ

画像クレジット:Backbone

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(文:Matthew Panzarino、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

最も理想に近い「ポータブルXbox」をiPhoneとゲームパッドBackbone Oneの組み合わせで実現

2020年末にこちらの記事で紹介したiPhone用ゲームパッド「Backbone One(バックボーンワン)」が、ゲームアクセサリとしては究極の提携を果たした。米国時間6月28日、Xbox Cloud Gaming(エックスボックス・クラウド・ゲーミング)の提供開始に合わせて、iOS向けXbox Game Pass Ultimate(エックスボックス・ゲーム・パス・アルティメット)にバンドルされることになったのだ。

この提携の一環として、Backbone Oneは「Designed for Xbox」のスタンプが押された新しいリテールパッケージで、Xbox Game Passとバンドルして販売される。Backbone OneとiPhoneの組み合わせは、我々がこれまで見た中で最も「ポータブルXbox」に近いものだ。

前回書いた記事では、Backbone OneがiOSに組み込まれているアクセサリーAPIを巧みに利用して、専用アプリのダッシュボードに非常に洗練された機能が提供されていることを紹介した。今回、そのダッシュボードがアップデートされ、所有するゲームの表示や、新しいゲームの紹介、クリッピング機能で友人とキラープレイを共有するといった機能がさらに使いやすくなった。これは、筆者がこの数年間にiOSで見た最高のゲームアプリの1つであり、世界で最も多いゲームユーザーのために、世界で最も大きな遊び場を作る可能性を大いに秘めている。

画像クレジット:Backbone

Backbone Oneに備わるキャプチャー・ボタンは、Xbox Cloud Gamingと連携し、リンクとして共有することができる。新しいXbox Game Passのフィードを表示したり、同じインターフェイスでXboxとiOSのゲーム間を移動することも可能だ。また、現行機ではまだ十分に活用されていないが、実際には非常に優れた機能であるXbox Remote Play(Xbox リモートプレイ)機能も大きく取り上げられている。

パッケージにはAppClip(アップ・クリップ)が使用されており、店頭でパッケージを見ると、Xbox Cloud Gamingを実行中のBackbone OneがARで表示される。

Backboneチームは、その巧妙で洗練された統合と確かな直感で、引き続き感銘を与えている。チームにゲームコントローラーの血統があることは明らかだが(オリジナルのXbox 360コントローラーを開発したチームメンバーの何人かがBackboneに携わっている)、最も印象的なのはソフトウェアの面だ。Backboneが「Warzone(コール・オブ・デューティ・ウォーゾーン)」や「Minecraft(マインクラフト)」のようなAAA級のiOSゲームと、XboxやPlayStationのリモートプレイ、そして今回対応したネイティブなxCloudゲームという異なるゲーム体験を統一させた方法は、これまでApple(アップル)を含め誰も上手くできなかったことであり、モバイルゲームの未来のあり方を感じさせる。

画像クレジット:Backbone

Xbox Cloud Gamingはウェブベースであるにもかかわらず、Backboneの非常によくできたダッシュボード内ではネイティブアプリとして扱われ、表示される。筆者は個人的にBackboneで、Stadia(ステイディア)を介して「Destiny 2(ディスティニーツー)」を長時間プレイしたが、非常にすばらしかった。現在のXbox Cloud Gamingのタイトルと同じように、このダッシュボードにより直接的に統合され、クリッピングやソーシャル共有できるようになるのが待ち遠しい。

Backboneがインストールされていると、ゲームを発見し、ダウンロードして、プレイするという体験は、チームがキュレーションに力を入れていることもあり、Apple Arcade(アップル・アーケイド)よりも優れている。非常に洗練されたリンクの仕組みも取り入れられているので、アプリのクリップがフィードで共有されているのを見たら、すぐにApp Store(アップ・ストア)からアプリをダウンロードすることができる。インターネットネイティブのプレイヤーは、このような形で新しいゲームを見つけてすぐにプレイしたいと思っているはずだ。ゲームやストリームが継続的にハイパーリンクされた世界では、いちいち手動で検索する手間をかけずとも、ゲームを見たり、フォローしたり、プレイしたりすることが可能になる。

そしてそれはまた、将来的にはゲームを発見して「ダウンロード」するだけなく、友人が共有したゲームプレイの映像を見たら、それをタップするだけで、ゲームを購入する前に最初のレベルや試合を、体験プレイして夢中になれるような世界の到来を感じさせる。それは新たなプレイヤーを引き寄せる大きな入口となるはずだ。

今回のMicrosoft(マイクロソフト)との提携により、Backbone Oneを公式ウェブサイトまたはマイクロソフトストアから99ドル(約1万900円)で購入した人は、Game Pass Ultimateを3カ月間利用できる。Game Pass Ultimate3カ月分の価格だけで45ドル(約5000円)することを考えると、これは新規顧客にとって非常にお得な条件といえるだろう。そしてこの提携は、まだ歴史の浅いスタートアップ企業であるBackboneにとっても、大きな後押しとなるに違いない。

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E3 2021まとめ「Xbox Game Pass、ゼルダは息を吹き返す、ソニーはまた不参加」
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Surface Duoの2つのスクリーンがゲーム画面+バーチャルコントローラーとして使用可能に

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(文:Matthew Panzarino、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

E3 2021まとめ「Xbox Game Pass、ゼルダは息を吹き返す、ソニーはまた不参加」

E3 2021はE3 2022のお知らせで幕を開けた。そのちょっとおもしろい開幕の挨拶は、Eric Garcetti(エリック・ガーセッティ)市長による「2022年にはここ天使の街(Los Angeles)で、直接お会いできることを楽しみにしています」という言葉で締めくくられた。また、この市長のゲームショーアナウンスに使われた紙吹雪やミニオンの数が、州の再開を告げるスピーチのものよりも少なかったのはちょっとおもしろかったが、それはまた別のストーリーだ。

もちろん、E3の主催者が2022年の話題を真っ先に出したことは理解できる。2021年のショーは、この1年半の他の多くの物事と同様に、歴史的には異例の出来事だった。2020年のショーを心ならずもスキップした後、彼らは最初の、そしてとりあえずは最後の(つもりの)完全バーチャルイベントを実施した。

バーチャルイベントはいつでも良いアイデアのように思える、理屈の上では。だが実際には、コンテンツをはじめとするさまざまな要素によって、結果は大きく異なってくる。多くのイベントが、完全オンライン化には苦戦している。CESは、ショーの規模による理由もあるものの、内容的にも苦戦したと思う。なにしろ家電製品はどこにでもあるので、インターネット上では、Apple(アップル)やSamsung(サムスン)以外の会社のプレゼンテーションを積極的に見たいという人はほとんどいないだろう。

関連記事:バーチャル開催中E3 2021(ひとまずの)まとめ

E3にはその問題はない。数年前に、それまでの産業界のみを相手にするショーから、よりハイブリッドなショーへと移行していたことで、イベントはすでに有利な位置を手に入れていた。私が定期的に参加している他のイベントとは異なり、E3が開催されるとロサンゼルスのダウンタウンの人たちは、ちょっとした浮かれた雰囲気となる。誰もがゲーマーとなり、ほとんどの人が発表される何かのニュースに期待している。その週にはUber(ウーバー)やLyft(リフト)のドライバーは、喜んでその話をしてくるほどだ。

それは、この番組のオンラインでの存在感が絶大なためだ。予告編を見る人、予告編について議論する人、予告編についてストリーミングする人、自分のストリームで他の人の予告編について議論する人など、イベント前の数日間はE3関連のコンテンツがあちこちでトレンドになっていた。これは、特にパンデミックの中で、最新のXboxやPlayStationが発売される前でさえ、すでに業界が記録を更新していた1年の後では、バーチャルイベントを成功させるためのレシピといえるだろう。

ビッグ3の中では、マイクロソフトの圧勝だった。ソニーの場合、残念ながら勝負しないことには勝ちようがない。任天堂は堅実だったが、華がなかった。しかし、それについては後ほど説明する。

Xboxのプレスカンファレンスについては、前回の記事でかなりお伝えした。しかしひと言でいうなら、マイクロソフトは、膨大な物量とGame Pass(ゲームパス)タイトルという2つの側面で勝利を収めた。この最後のものは、私たちは現行世代のゲーム機の中では、銀の弾丸に近いものと感じている。近いうちにソニーも独自のバーチャルイベントを開催することになるだろうと思うが、同じやり方を真似するのは難しいと思う。

マイクロソフトがそのサブスクリプションサービスにすべてをまとめることに対して疑う向きもあったが、今回発表された全部で30本のゲーム(と冷蔵庫)のうち、27本がGame Passで提供される予定だ。そしてもちろん、このイベントがマイクロソフトとBethesda(ベセスダ)のイベントとして開催されたという事実もあり、この巨大な買収がXboxの将来にとっていかに重要だったかを物語っている。

任天堂に関しては、正直に言おう。長い間噂されていたSwitch Pro(スイッチ・プロ)が発表されなかったことには失望した。4年前に発売された初代Switch(スイッチ)は、Switch Lite(スイッチ・ライト)やバッテリー追加などのマイナーアップグレードを乗り越えて、今や大きなアップグレードの必要な時期を迎えている。そろそろHDスクリーン登場のタイミングだ。もしそれが発売されたら、次のホリデーシーズンには爆発的に売れるだろう。

忘れてはならないが、Switchには2020年に華々しい出来事が起きた。当初はサプライチェーン上での供給が追いついていなかったが(これは現行の3社のゲーム機に共通して言えることだ)、待望の「あつまれ どうぶつの森」の新作が登場したこともあって、パンデミックの最中にSwitchは大成功を収めたのだ。ふわふわした動物たちが登場する、プレッシャーの少ないこのソーシャルなタイトルは、2020年、まさに世界が必要としていたものであり、任天堂は喜んでそれを提供した。

また、任天堂が新しい部品に関して、継続するサプライチェーンの問題に取り組んでいる可能性もある。ということでProが登場する可能性は高いと思われるが(参照:「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の新作)、おそらく2022年まで待たなければならないだろう。

関連記事:任天堂「ゼルダの伝説 BoW」続編は2022年発売、ゼルダのゲーム&ウォッチも登場、新作「メトロイド」も

また、「ブレス オブ ザ ワイルド2」は来年まで待たなければならないが、少なくとも、多くの人に愛されている「ゼルダの伝説」が2021年登場する。もちろん、現行システムのためにも、すばらしいタイトルの数々が用意されている。いくつかのハイライトをご紹介する。

昔ながらの2D横スクロールが魅力の「メトロイド」の新作。

「ゼルダ」シリーズのゲーム&ウオッチ。

2017年から予告されていた待望の「真・女神転生V」。

100種類のミニゲームを収録した「マリオパーティー・スーパースターズ」は10月29日に登場。

「Super Monkey Ball Banana Mania」は10月5日に登場する。「Super Monkey Ball」の最高傑作だ。

前回紹介したスクウェア・エニックスとユービーアイソフトのラインナップに加えて、カプコンは「モンスターハンター・ストーリーズ2 破滅の翼」と「バイオハザード ヴィレッジ」の最新情報を提供した。

こんな感じだろうか。2022年、LAでお会いしよう。でも、ミニオンのコスチュームは家に置いて来た方がいいかもしれない(失礼、市長さん)。

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タグ:E3E3 2021バーチャルイベントMicrosoftXbox任天堂Xbox Game Passサブスクリプション

画像クレジット:任天堂

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(文:Brian Heater、翻訳:sako)

バーチャル開催中E3 2021(ひとまずの)まとめ

私のように、E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)開催期間中のロサンゼルスのダウンタウンを懐かしく思い出しながら、この週末を過ごした人もいるに違いない。フィッシュタコス、The Last Bookstore(ザ・ラスト・ブックストア)、派手な照明のホテルのロビーでバスケットボールのプレーオフを観戦。そしてもちろん、次から次へと行われるビデオゲームのプレスカンファレンス。

だが、このゲームショーは2年連続で2021年もバーチャルな開催となった。その理由はご存知のとおり、我々の過去1年半の人生に大きな影響を及ぼしたウイルスのせいだ。2020年のショーは完全にキャンセルされた(が、いくつかの企業はオンラインでスケジュールどおりに発表を行った)。主催者が、1つのデジタルイベントとして開催することは不可能だと考えていたからだが、率直に言って、彼らがその限界を理解していたことは、結果的に最善だったと思われる。

米国時間6月12日に開幕したE3 2021は、初めてのオールバーチャル版イベントとなった。そして今のところ、バーチャルで開催されるのはこれが最後となる予定だ。Eric Garcetti(エリック・ガーセッティ)市長は、2022年にE3がLAコンベンションセンターに戻ってくることを発表してショーの幕を開けた。

ゲーム業界は2020年も好調だった。世界の一部地域ではウイルス感染が収束していないため、成長は鈍化しているものの、成長それ自体は継続している。米国時間6月14日朝に市場調査会社のNPDがタイミングよく発表した数字によると、2021年5月のゲームへの支出は45億ドル(約4950億円)で、前年同月比で3%の成長となった。年初来では17%増となっている。

2020年のショー開催中止は、ハードウェアの観点からは確かに不幸なタイミングだった。E3で次世代ゲーム機の発表は大規模なイベントとなるからだ。2020年にはPlayStation 5(プレイステーション5)とXbox Series X(エックスボックス・シリーズX)が登場したが、発表はSony(ソニー)とMicrosoft(マイクロソフト)の自社イベントにとどまった。だが、それによってメーカーは、大きなイベントですべてを公開する代わりに、少しずつ詳細を明らかにしていくことで、消費者の興味を引っ張ることができた。このような戦略には、大規模なイベントよりも、バーチャルなプレゼンテーションやブログ記事の方が適している。

@XboxP3をはじめとするチームのみなさん、すばらしいショーケースおめでとうございます。ゲーマーにとってすばらしい時代に。

ソニーは今回のE3も参加を見送っている。同社が2021年の夏に、大規模な「State of Play」のバーチャルイベントを開催する可能性は高いものの、それはE3とは無関係だ。しかし、PlayStation Studios(プレイステーション・スタジオ)の責任者であるHermen Hulst(ハーメン​・フルスト)氏のようなソニーの幹部は、この機会にTwitter(ツイッター)で「すばらしいショーケース」とマイクロソフトを祝福した。それはすてきなことだ。

ビッグ3の中で、今回のE3で発表を行った企業は、今のところマイクロソフトだけである。任天堂は米国時間6月15日(日本時間6月16日午前1時)に「Nintendo Direct | E3 2021」の放送を予定しており、このイベントでは有機ELディスプレイと内部をアップグレードした「Switch Pro(スイッチ・プロ)」が登場する可能性がある。そしておそらく、発売から4年が経つゲーム機の新バージョン登場に合わせて、数々のアップグレードされたコンテンツが発表されるだろう。

一方、マイクロソフトはゲームに力を入れてきた。最近Xbox Series Xが発売されたばかりであることを考えれば当然だろう。そしてこのようなバーチャルなイベントは、たくさんのトレーラーを公開する機会として最適だ。同社は今回、全部で30本のゲーム(と冷蔵庫)を発表した。そのうち27本は「Xbox Game Pass(エックスボックス ゲームパス)」に含まれるといえば、Xboxのゲームが将来的にどのような形になるか、想像がつくだろう。マイクロソフトが2021年初めにBethesda(ベセスダ・ソフトワークス)を買収したこともあり、今回のイベントは「Xbox & Bethesda Games Showcase」という名前で行われた。

「成長を続ける私たちのファミリーである23のスタジオは、私たちみんなが愛するメディアを発展させることに専念しています」と、マイクロソフトは述べている。「お伝えできてうれしいお知らせがあります。この週末から年末まで、Xbox Game Passでは、ホリデーシーズンにリリースされる『Halo Infinite(ヘイロー・インフィニット)』を含むXbox Game Studiosの5つのタイトルを筆頭に、毎月連続で新作ゲームを初日からお楽しみいただけます」。

ハイライトを以下にご紹介しよう。

「Halo Infinite」は、トレーラーとマルチプレイヤーのゲーム中の映像が公開された。Xboxの主力人気ゲームの最新作が2021年のホリデーシーズンに発売される。

「Starfield(スターフィールド)」は、2022年(ため息)11月11日に発売予定。この広大な宇宙を舞台にしたタイトルは、発売時にはXbox独占タイトルとなる。

「Forza Horizon 5(フォルツァ ホライゾン5)」は11月に発売される。この人気レースシリーズの最新作は、メキシコが舞台だ。

クロスプレイ対応の「Sea of Thieves(シー・オブ・シーヴス)」は、映画「Pirates of the Caribbean(パイレーツ・オブ・カリビアン)」とコラボレートし、キャプテン・ジャック・スパロウなどが登場するゲームプレイが追加になる。

「Age of Empires IV(エイジ・オブ・エンパイアIV)」は拡張版トレーラーとともに発売日が発表された。10月28日だ。

「Battlefield 2042(バトルフィールド2042)」は初めてゲームプレイ映像が公開された。魅力的な新しいウィングスーツも確認できる。

マイクロソフトの「Flight Simulator(フライトシミュレーター)」は、7月27日に「トップガン」の拡張コンテンツとともに新型Xboxに登場する。これは2021年公開予定の映画「Top Gun:Maverick(トップガン マーヴェリック)」を記念したものだ。

Square Enix(スクウェア・エニックス)も、日曜日に恒例の大規模なショーケースを開催した。このパブリッシャーは、Marvel(マーベル)の新作タイトルを続々とリリースする。ハイライトは以下の通り。

待望のアドベンチャータイトル「Guardians of the Galaxy(ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー)」は、2021年10月に発売予定。

一方「Marvel’s Avenger(アベンジャーズ)」では、ブラックパンサーをテーマにした拡張コンテンツ「War for Wakanda」が8月に配信される。

スクウェア・エニックスのイベントには「Final Fantasy(ファイナルファンタジー)」のスピンオフ作品が欠かせない。この長年愛されてきたRPGから、新作「STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN(ストレンジャー・オブ・パラダイス ファイナル・ファンタジー・オリジン)」が誕生。2022年にさまざまなプラットフォーム向けに発売される予定だ。

Ubisoft(ユービーアイソフト)は6月12日に「Avatar(アバター)」の新作「Avatar:Frontiers of Pandora(アバター:フロンティアズ・オブ・パンドラ)」の映像を初公開して話題を呼んだ。

「Tom Clancy’s Rainbow Six:Extraction(レインボーシックス エクストラクション)」は9月16日に発売予定。元々のタイトルは「Rainbow Six:Quarantine(隔離)」と呼ばれていたが、明らかな理由で名前が変更された。

Capcom(カプコン)とTake-Two(テイクツー)は米国時間6月14日夜、Nintendo Direct(ニンテンドーダイレクト)とBandai Namco(バンダイナムコ)は15日にショーケースを行う。Electronic Arts(エレクトロニック・アーツ)は米国時間7月22日に独自イベント「EA Play Live」を開催する予定だが、6月中に「Battlefield 6(バトルフィールド6)」に関する何らかの発表があることを予告している。さて、最後にご紹介するのは、新型Xboxの冷蔵庫の動画だ。新しいハードの発表がないなんて、誰が言った?

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画像クレジット:Microsoft

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

マイクロソフトがXboxクラウドゲーミング専用ハードを近く発売予定

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間6月10日、ゲームストリーミングのための専用デバイスを近日中に発売すると発表した。また、いくつかのテレビメーカーと協力して、インターネット接続TVにXboxエクスペリエンスを組み込むことも計画している。さらにマイクロソフトは、2021年後半にPC用のXboxアプリにもクラウドゲーミングを導入する予定で、そこでは購入前にお試しプレイできるシナリオに重点を置くという。

これらの新しいゲームストリーミングデバイスがどのようなものになるかは不明だ。マイクロソフトは詳細を明らかにしていない。しかし、Chromecast(クロームキャスト)のようなストリーミングスティックか、Apple TVのような小型ゲーム機のどちらかである可能性は高いと思われる。また今のところ、どのテレビメーカーと提携するのかもわかっていない。

マイクロソフトがクラウドゲーミングに関して積極的なのは周知の事実だ。例えば「Xbox Game Pass Ultimate」では、サブスクライバーがAzureクラウドからストリーミングされた100種類以上のコンソールゲームをAndroidでプレイできるようにしている。数週間後にはすべてのXbox Game Pass Ultimateサブスクライバーが、Edge、Chrome、Safariのブラウザ上でクラウドゲーミングができるようになる(現在は限定的なベータ版)。また、2021年後半には、オーストラリア、ブラジル、メキシコ、日本でもGame Pass Ultimateを提供する予定だ。

多くの点で、マイクロソフトはゲームとハードウェアのアンバンドリングを進めている。これは、Google(グーグル)がStadiaで試みていること(その試みは今のところGoogleにとっては失敗に終わっているが)や、Amazon(アマゾン)がLuna(ルナ)で試みていることに似ている。ここでのマイクロソフトの主な強みは人気ゲームの膨大なライブラリであり、それはNVIDIA(エヌビディア)のGeForce Nowプラットフォームを除いて、競合サービスにはほとんど見られないものだ。ただしNVIDIAのプラットフォームはサブスクリプションではなく、SteamやEpicストアなどのサードパーティストアで購入したゲームをプレイできるようにすることに重点を置いているため、ビジネスモデルが異なる。

マイクロソフトは明らかに、高性能な専用コンソールの販売台数が減ったとしても、Xboxのエコシステム全体を拡大したいと考えている。これは、音楽業界が聴き放題のサブスクリプションモデルに支えられたクラウド型サービスへと移行していることに似ている。

マイクロソフトのXbox事業を率いるPhil Spencer(フィル・スペンサー)氏はこう述べた。「私たちは、ゲームやインタラクティブエンタテインメントは、ハードウェアやソフトウェアではないと考えています。ピクセルの話ではありません。ゲームは人々を結びつけるものです。ゲームは人と人との架け橋となり、絆を深め、世界中の人々との共感を生み出します。喜びとコミュニティ、それが私たちがここにいる理由です」。

なお、マイクロソフトは専用ゲーム機を廃止するわけではなく、すでに次世代のコンソールハードウェアの開発に取り組んでいるとのこと。だが、新しいXboxコンソールがすぐに登場することは期待しないほうがいいだろう。

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Aya Nakazato)

Surface Duoの2つのスクリーンがゲーム画面+バーチャルコントローラーとして使用可能に

2020年12月にMicrosoft(マイクロソフト)が掲載した「Surface Duo(サーフェイス・デュオ)の今後1年」と題したブログ記事には、このデュアルスクリーンデバイスが米国以外の地域(カナダ、英国、フランス、ドイツ)でも発売予定であることや、いくつかの機能が紹介されていた。だが、このデバイスを使ってみたことがあるほとんどの人(我々を含む)は、このデバイスがまったくの未完成であることを認めている。

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マイクロソフトは米国時間5月24日、Android版「Xbox Cloud Gaming(エックスボックス・クラウド・ゲーミング)」のアップデートを行い、この製品のエンターテインメント性の一部を解放した。これまでベータ版として提供されてきたこの機能は、マイクロソフトの中で議論が続けられ、プレビューも行われていたが、今まで隠された機能の1つだった。

本日、#SurfaceDuoをご利用のお客様にとてもクールなアップデートが公開されました!@Xboxと協力して、私たちはその2つ目のスクリーンにタッチ式コントローラーを搭載しました。@xboxGamePassのアルティメットメンバーなら、50種類以上のゲームがタッチ操作で遊べるようになりました。

このアプリは、あなたがSurface Duoに期待する通りの使い方を実現する。横向きのCompose Mode(コンポーズモード)にすると、上の画面にゲームが表示され、下の画面はバーチャルなXboxコントローラーに変わる。もちろん、タッチスクリーンでできることは限られているが、ゲームが2画面あると便利なアプリケーションであることは確かだ。

Engadgetによると、このタッチコントローラーはXbox Game Pass Ultimateに加入しているユーザーが利用できる50以上のタイトルに対応しているという。

従来の折りたたみ式フォームファクタに代わる製品として大いに宣伝され、非常に期待されていたSurface Duoだが、発売当初は期待外れだった。マイクロソフトはその後、この製品の価格を1399ドル(約15万2000円)から999ドル(約10万9000円)に値下げしている。つまり、あまり売れていなかったということだろう。しかし、今回のようにソフトウェアのサポートが続けられているということは、初期の失敗にも拘らず、同社が今後もこの製品をサポートしていくという意思の表れなのかもしれない。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:MicrosoftXbox Game Pass折りたたみスマートフォンSurfaceSurface Duo

画像クレジット:Microsoft

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

XboxクラウドゲーミングのベータがiOSとPCに提供開始

大手テックプラットフォームがクラウドゲーミングを発表した数年前にはすぐにでも大ブレイクしそうな勢いだったが、その時代はまだやってきていない。2021年になりテック最大手のほとんどが参入しているにもかかわらず、依然としてそれほどの市場は見当たらない。

MicrosoftはXboxクラウドゲーミングのベータを複数のプラットフォームにわたって広く時間をかけて公開しているが、それはおそらく他の新興プラットフォームとは異なり、急いで先頭になることにそれほどのメリットはないと考えているからだろう。4月19日の週に同社はGame Pass UltimateユーザーにiOSとPCでのサービスを提供開始する。一部のユーザーに対して招待が送られ、時間をかけて広げていく。

XboxのCatherine Gluckstein(キャサリン・グラクステイン)氏はブログの投稿で「限定ベータは我々がテストし学ぶ期間です。対応している全22カ国のプレイヤーに次々に招待を送り、フィードバックを評価し、エクスペリエンスの向上を続け、さらに多くのデバイスに対応していきます。迅速に開発を回して今後数カ月でXbox Game Pass Ultimateの全メンバーに公開し、多くの方々にXboxをまったく新しい方法で楽しんでいただけるようにする計画です」と述べている。

このサービスは2020年からAndroidユーザーにベータが公開されているが、Android以外のプラットフォームへの拡大は遅れていた。

この遅れは、Appleがクラウドゲーミングプラットフォームのプロバイダーに対して強硬な姿勢をとっていることによるところが大きい。クラウドゲーミングプラットフォームのビジネスモデルは、App Storeのゲームの売上を大きく脅かす。Appleはクラウドゲーミングプラットフォームに対しApp Storeとアプリ内購入のフレームワークへの依存を継続するカーブアウト規定を発表したが、Appleの解決策に満足したプロバイダーはないようだ。この結果、XboxクラウドゲーミングはiOSのモバイルSafariを用い完全にウェブで動作するものになる。

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タグ:MicrosoftXboxXbox Game PassクラウドゲームiOSSafariApple

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(文:Lucas Matney、翻訳:Kaori Koyama)