今日(米国時間11/8)Google Cloudが、KubeflowパイプラインとAI Hubを発表した。この二つのツールは、データサイエンティストが、自分の作ったモデルをいろんな組織や企業で共通的に利用できるようにすることが主な目的だ。
Google CloudでAIとML製品を担当しているプロダクトマネージメントのディレクターRajen Shethによると、同社は、データサイエンティストたちが、モデルを作るけどそれが一度も使われない、という経験をしょっちゅうしていることを知っている。Googleによると、機械学習を団体競技にたとえるなら、モデルはデータサイエンティストから、それらを使ってアプリケーションを作るデータエンジニアとデベロッパーにパスされなければならない。
対策としてGoogleが発表したのが、Kubeflowパイプラインだ。それはKubeflowのエクステンションで、KubeflowはKubernetesをベースとするオープンソースの機械学習用フレームワークだ。パイプラインは要するにコンテナ化されたビルディングブロックのことで、機械学習のエコシステムに属する人たちを連係させて機械学習のワークフローを作り、管理する。
そうやってモデルをコンテナに入れたら、その後データサイエンティストは必要に応じてその中のモデルを単純に調整し、継続的デリバリのようなやり方で再ローンチできる。Shethによると、これによって企業内のモデルの利用の可能性がさらに広がる。
“Kubeflowパイプラインはユーザーに、いろんなパイプラインで実験する方法を提供し、信頼性があって再現可能な環境の中で最良の結果を作りだすものはどれか、を決められる”、とShethは、この新しい機械学習機能を発表するブログ記事に書いている。
同じく今日発表されたAI Hubは、その名のとおり、データサイエンティストがそこでいろんなMLコンテンツを見つけられる場所だ。そこには、KubeflowパイプラインやJupyterノートブック、TensorFlowモジュールなどなどがあるだろう。それは一種の公開リポジトリになり、Google Cloud AIやGoogle ResearchなどGoogleのさまざまなチームが素材を提供し、研究開発に関わるGoogleの専門的知識技能をデータサイエンティストが利用できる場になる。
しかしGoogleはこのハブに、公開ライブラリ以上のものを求めている。同社の見方では、そこはチームが自分たちの企業内で情報をプライベートに共有できる場にもなって、二重の目的に奉仕する。これによって、重要なビルディングブロックが中央的なリポジトリで可利用になるから、モデルの利用の拡大に大きく貢献するだろう。
AI Hubは今日からアルファで利用でき、Googleからの初期的コンポーネントの一部や、内部的リソースを共有するためのツールが提供される。そして今後は徐々に、提供物と能力の拡大が定常的に行われる予定だ。
Googleによると、これによってモデルが汎用のビルディングブロックになり、それによりモデルを容易に共有できる方法が提供され、モデルがさまざまに実用される機会が増えるだろう。これらのツールは、それを達成するための第一歩だ。