SEOとCROの両立は可能か?共に取り組む意義とその障害とは

Webページ改善には、SEO(検索エンジン最適化)とCRO(コンバージョン率最適化)があります。
SEOが「検索エンジン」に対して、Webサイトを最適化する取り組みならば、
CROは「ユーザー」に対して、Webサイトを最適化する取り組みと言えます。

Googleをはじめとした検索エンジンが、ユーザーを満足させることを望んでいるのならば、究極的にこの二つの考え方はどこかで交わりを持つはずです。

しかし、この二つを同時に実現することは本当に可能なのでしょうか?
「ABテストって、SEO的に考えるとクローキングにならないの?」
「SEOでは見出しにキーワードを含めるけど、ユーザー体験としてはどうなの?」
世界のエキスパートは、この問いにどう答えるのでしょうか。

— SEO Japan

SEOとCROの交点

読者の方々は、CRO(コンバージョン最適化)とSEO(検索エンジン最適化)の相性は良いはずである、と思っているだろう。

理論的には、コンバージョン最適化が狙いとしているのはユーザー体験(UX)の改善であり、ありがたいことにGoogleが検索トップの結果で実現したいと思っていることでもある。そのため、サイトのテストと改善を行えば行うほど、検索順位も高くなるだろうということなのだ。まるで終わりのないホッケーのスティック型のようなサイクルの中で、トラフィックやコンバージョンが増加し、収益も増えるだろうというわけだ。

もちろん、ことはそこまで単純ではない。

CROとSEOとの間の矛盾はどこにあるのかというマーケターからの質問を耳にしたことがある。加えて、チームの役割が明確化され、予算に制約がある環境では、CROとSEOのどちらに投資をするかについて、取捨選択しなければならない場面もあるはずだ。最終的にはウェブサイトのテストと最適化をどのように実行するのか重要なのだ。

そこで、私はCROとSEOの交点はどこにあるのか探るべく、成長と最適化において長い経験を持つ人たちに、「トラフィック獲得とコンバージョン最適化のバランスをどのようにとっているか」という質問をしてみた。

CROとSEOは完璧なパートナーなのか?

CROとSEOの相性は完璧なはずで、矛盾などはないはずである。

Googleにとって、ユーザーにとって最適な検索結果を提供することは自己利益のうちだ。そのため、アルゴリズムを宗教的なまでに熱心にアップデートをしている。また、最近の傾向では、UX要素のほうがキーワード密度など従来の要素よりも重要視されている。管理者によってページ読み込み速度が速められると、同様に検索結果も改善される。なぜなら、読み込みが速いページは人々に好まれるし、Googleもそれがより良い体験につながることを知っているからだ。

ほとんどのケースでは、CROがSEOと矛盾することはありません。むしろ、お互いを補完し合う存在なのだ。

この古典的な例が、「人間向けに書くか、それともGooglebot向けに書くか」という問題だ。Googleのアルゴリズムも進化してきているので、両者はかなり同じレベルに達しています。ありがたいことに、キーワードスタッフィングはGoogleから見ると(そして読む人にとっても)愚かな行為となっており、自分が売っている商品を買ってくれる人向けに書くべきなのだ。

俯瞰してみても、SEOとテスティングに矛盾はもともと存在しない。Googleには独自のテスティングツールがあり、A/Bテストも行っている。Googleが、自分たちでサービスとして提供しているものに対してペナルティを与える理由はないだろう。

Googleはより良いUXにペナルティを与えたいわけではない

SEOとCROの相性が良いというのは直感的には理解できるであろう。それでも、これを信じられないというマーケターは少なくない。あるいは少なくとも、テストやSEOの技術的な側面については懐疑的に感じているマーケターはいるようだ。

VWOの創設者であるパァラァ氏が、Quoraでこの問題について答えてくれた。彼によると、A/BテストがSEOに影響を与えることはないそうだ。

Paras Chopra

パァラァ・チョップラ氏

「Google自体がA/Bテストをしていて、またそのためのツールも持っているのだから、Google側でも他社が同様にA/Bテストを行うことは十分想定していると考えられるだろう。

そのため、Google(ほかの検索エンジンも同じように)がA/Bテストを行っているウェブサイトにペナルティを与える可能性はとても低い。万が一に備えて、テスト結果から検索ボットをフィルタリングしたいというのはあるかもしれない(でも、検索エンジンのほとんどはテストのバリエーションではなくオリジナルのページだけを見るので、これもあまり必要ないだろう)。」

基本的にはとてもシンプルな「とあるルール」を守っているならば、A/Bテストによってせっかくの検索順位が台無しになるという心配は無用だ。

Googleのテスティング「ルール」に従う

昨今では減少傾向にあるものの、かつてA/Bテストによって検索結果に悪影響があるのではないかという声は多くあった。多くの場合、心配されていたのは次の4項目だった。

  • コンテンツクローキング
  • URLとコンテンツの重複
  • リダイレクトの誤り
  • ウェブページの読み込み問題

第一に、JavaScript経由で要素を大幅に変えるA/Bテストの実行は、コンテンツクローキングではない。コンテンツクローキングとは、1990年代において効果的で一般的だったSEO手法であり、Googleボット向けに大量のキーワードを詰め込んだバリエーションが作られていた。そして、実際の訪問者にはそれとは違うよりユーザーフレンドリーなバージョンを表示するようしていた。もしあなたがA/Bテストを行っているなら、コンテンツクローキングとみなされる心配は不要だ。Googleがあなたに求めているのはダイナミックな体験を提供することであるのだから。

第二に、コンテンツの重複も問題ではない。パァラァ・チョップラ氏の数年前の記事投稿を見てみよう

Paras Chopra

パァラァ・チョップラ氏

「ここで注目したい重要ポイントは、検索エンジンからのペナルティがあるのは、異なるドメインからコンテンツを盗んだり転用したりしたときだけだということだ。バリエーションページすべてが自分のサイト上でホストされていて、なおかつそのコンテンツが「自分の」ものなら、何をしても良いのだ。

現在、ダイナミックウェブサイト(ショッピングカートやディレクトリなど)の多くが、さまざまなフォーマットで同じコンテンツをホストしている。あるコンテンツがそのドメイン内だけに置かれているものであれば、検索エンジンがそうしたサイトにペナルティを与えることはない。A/BテストURLについても同様である。コンテンツを盗んだわけではないので、悪いことは起こらない。すべてあなたのものなのだから!」

もし心配なら、canonicalタグを使うと良いだろう。

第三に、301(恒久的な)リダイレクトを避け、302リダイレクトを使おう。

最後にページの読み込み速度だ。これが唯一、懸念事項と呼べそうなものであるが、ほとんどの場合これも大して重要ではないと言える。

まとめると、テスティングには問題なく、それどころか推奨されているくらいだが、次の基本ルールは守らなければならないということだ。

  1. クローキングしないこと
  2. rel=”canonical”を使うこと
  3. 301リダイレクトではなく302リダイレクトを使うこと
  4. 実験は必要なときだけすること

クライアント側、サーバー側どちらの実験をしているかも問題になるのかという問いについては、マット・カッツ氏がノーと言っている。マット氏は数年前、HackerNewsのスレッドに、「A/Bテストはサーバー側、クライアント側どちらの技術でも可能だ。ただどちらのケースでも、Googleボットだけ違う扱いはしないようにした方が良い。Googleボットをほかのユーザーと同じように扱い、我々のユーザーエージェントやIPアドレスをはじいたりするためにコーディングを行うのはやめてほしい。」と書いていた。

ほかの点については、A/BテストについてのGoogleの公式声明を読んでみるとよい。基本的なルールに従っていれば心配することはほとんどない。

コンバージョンを伴わないトラフィックは無意味である

vanity metrics(=無益な指標)
の内容と、これを避ける方法はよくご存じだろう。

コンバージョンや収益がなければ、Twitterのフォロワー数もダウンロード数も、ページビューも意味を成さない。

そのため、SEOが効果的ではなく、よりインパクトのある「現在のトラフィックへの最適化」に集中すべきケースもあるだろう。

例を挙げるとすると、ランク入りしているキーワードがバリュープロポジションとまったく関係がない場合、少なくともページ単位でみると最適化しづらいミスマッチが潜在的に存在する。これはたいていSEOのトラフィックのコンバージョン率が、他の流入チャネルよりかなり低いときに見られるケースである。テストを実行していて、オーガニックでのみ上昇が見られない場合、キーワードのインテントは低くなっていると言える。

ところで、無関係なトラフィックが必ずしも悪いものということではない。収益への悪影響がないからだ。しかし、それがテスト実行を通じたRPV(1人当たり売上高)を増やすうえでの障壁になることがあってはならない。

さらに、オーガニック流入が最もコンバージョンしやすいチャネルであるという点も押さえておいてほしい。Googleがそのアルゴリズムをますます洗練させているため、インテントとマッチは非常に高くなってきている。

トラフィックとコンバージョントラフィック

出典

では、SEOとCROはどこで矛盾するのか?

Googleの検索順位で1位から陥落したらどうなるだろうか。ビジネスを成長させる上では、間違いなく阻害要因となるだろう。検索順位1位のではトラフィックの33%を得られるとされていることからも分かるように、見込み客の多くを失う可能性がある。
Percentage of Traffic by Google Result Position

出典

さて、これまで見てきた通りSEOとCROの間に矛盾はないはずだ。しかし、実際には矛盾が存在している。ランド・フィッシュキン氏に聞いてみたところ、矛盾はごくまれに発生するとのことだ。

Rand Fishkin

ランド・フィッシュキン氏

「確かに矛盾はあるが、それはほんのわずかだ。SEOに関していうと、ページ上でキーワードや文言を、検索者が使う言葉に合わせて賢く用いること(たとえば、「あなたの本の収納に関する問題を解決します」よりも「ランドの本棚」のほうが賢明と言える)は今でもとても大切だ。

ときにCROテストによって、あまり明確・ダイレクトでない言葉のほうが実際のコンバージョン率が高い、という結果が出てくることが稀にある。そうはいっても9割以上のケースでは、ちょっと妥協すれば良いバランスを見つける方法がある(たとえば、「ランドの本棚はあなたの本の収納に関する問題を解決します」など)。」

リアルな世界の例としてLawnStarter Lawn Careを挙げてみよう。LawnStarterは地元の芝生ケア会社を検索する人々から多くのSEOトラフィックを得ているので、Googleでの牽引力を失うというのは同社の顧客獲得において悪影響をもたらすことになる。より顧客対し価値をもたらすバリュープロポジションを見出しでテストすることは可能だろうか?答えは、イエスである。しかし、H1タグに特定のキーワードを含めなければならないという条件の下で、かつ明確で価値提供型の見出しへと変更する場合、トラフィックを失う可能性は現実にある。

LawnStarter Lawn Care

出典

LawnStarter Lawn Care創設者のライアン・ファーリー氏が語ってくれたところによると、Googleのアルゴリズムは確かにある一定の流れでは進歩しているかもしれないけれど、完璧なUXと一致しているとは言えないそうだ。

Ryan Farley

ライアン・ファーリー氏

「SEOとは可能な限り訪問者に合わせてにウェブサイトを作るべきであると、SEOコミュニティ界隈ではよく言われている。それが本当なら、SEOとCROはぴったり合うはずだ。しかし、実際にはそれほどうまくはいかない。

現実では、GoogleのアルゴリズムはまだH1タグ内やbodyテキスト内のキーワードなど、非UX系のシグナルに大きく依存している。H1タグ内にキーワードを入れていなければ、SEOでは負けを喫することになるだろう。そうでなければページを適切にカテゴライズできないからだ。

たとえば、当社のJacksonvilleのページを見てもらうと分かるように、Adwordsでもっとコンバージョン率の高い見出しがあったとしても、見出しに「芝生サービス」や「Jacksonville」というキーワードを含めないわけにはいかない。

検索順位のブーストから得るものとコンバージョンで失うものとを計算しなければならないのだ。」

コンバージョンの最適化だけに焦点を絞ってしまうと、この2つのバランスを取って十分な情報に基づく決定を下すのは難しいことだ。たとえば、検索順位が上がったことによって得られるトラフィック量とコンバージョン量の増加の方が、コンバージョン率を高めることよりも、収益の増加に寄与するのならば、収益が高いほうに徹するべきなのは非常に明白だ。

Optimize Smartのヒマンシュー・シャーマ氏は、「本当の意味で収益を最適化するには、マーケットセグメント、製品カテゴリ、その他成果のポートフォリオごとに、平均注文額(AOV)とトランザクション数を増加させる必要がある。」と話している。

しかしご存知の通り、コンバージョン「率」最適化は行うべきではない

それでもランド氏も言及しているように、簡単な妥協方法はおおよそ常に(90%以上のケースにおいて)存在する。クリエイティブに考え、検索エンジンと顧客の両方を満足させることが求められる限り、二者択一で済む話ではない。

テストアセットは残しておくべきである

実際、「テスト実施時にSEOトラフィック量をもたらしている要素を、新しい要素を配置する代わりに削除した場合、トラフィックを失うリスクがあるのではないか」という懸念はある。

これに対し、Mozの記事ではこのように書かれている

「SEOの観点から言うと、たとえばきれいなモデルよりもトラフィック量の多い私の画像などを削除した場合、Googleに対して空白を生み出してしまう。そこでGoogleが削除されたアセットを再スキャンしようとすると、サーバー側が404エラーが表示し、そのページまたは画像、動画は存在しないとGoogleに伝えてしまう。

テストに使った商品画像がGoogleの画像検索で1位に表示され、それで月間100人の訪問者が生まれるかもしれない。そのため、画像を削除すればGoogleもそれを検索結果から削除をするので、100件のユニークユーザーが失われるということになる(そして訪問者がその商品を探している場合、売上もかなり落ちるだろう)。

こうした理由から、私自身はほとんどのテストアセット(動画、画像、音声)を残すようにしている。唯一の例外は、単純にテストのためだけにユニークページを設定し、あとで消去して301リダイレクトで元に戻す場合だ。それはもちろん、Googleにこのようなテストページに注意を払ってほしくはないからだ。テストアセットを消去するというのは、私にとっては戦略的目的というよりはクリーンなシステムをキープしたいという強迫観念に近いものがある。URLの正規化とnoindexの使用をしっかりしていれば問題ないだろう。」

もう一度言うが、少なくともアーカイブと学習が目的なら、テストアセットは残しておくべきである。しかし、SEO的な見方からすれば、正規化とnoindexの使用が万全であれば、心配することは何もないと言えるだろう。

製品レビューがコンバージョンに悪影響を与えている場合

これは私が今まで考えさえもしていなかった問題だ。Experiment Engineルイス・センチネリオ氏が、この分野にはたまに矛盾が生じることもあると教えてくれた。

Luiz Centenaro

ルイス・センチネリオ氏
「多くの人びとが論じてこなかった問題の一つに、製品レビューがある。製品レビューはSEOとCROに効果的だといつも言われている。しかし次の場合はどうだろう?製品詳細ページ(PDP)で複数のバリエーションのテストを行ったとする。その結果、コンバージョンや1人当たり売上(RPV)に貢献していた、レビューやソーシャルプルーフなどを削除したバリエーションが最も良い結果であったとしよう。

それを実装するだろうか。それとも構造化マークアップや、製品レビューを設置することで得られるSEOメリットを失うというリスクを負うだろうか。

月間数千件の訪問を生み出す30件以上の製品レビュー(リッチコンテンツを含む)が、裏でコンバージョン率を10%低下させていたらどうだろうか。それでも成果の高いバリエーションをキープするだろうか。

その答えは各eコマース企業によって異なるが、SEOトラフィックを頼りにしている場合、製品レビューを削除してまでそのバリエーションを実装することはないだろう。」

しかし、私自身はこのケースに関してはやり方次第だと言いたい。レビュー内容がひどく、レビューによってコンバージョンが低下しているならば、駄目な点を修正して、さらに良いレビューを得るべきである。それを価値のある定性データとして利用すれば良いのだ。

そして、もしそれが何らかの理由によって邪魔になってしまっているなら、もっとうまく実装しなければならない。レビューを使ってコンバージョンを増やす方法はそれこそ星の数ほどあるのだ。

バランスを取ること

RoverPassの成長部長のベンジャミン・ベック氏は、コンバージョン最適化やSEOに詳しい。ベンジャミン氏は、過去には大企業に勤め、長期成長を最大化するためのトレードオフまたはバランスがあるのではと考えた。ベンジャミン氏に聞いてみよう。

Benjamin Beck

ベンジャミン・ベック氏
「通常、SEOとCROは企業が成功するためのワンツーパンチ的存在だ。SEOはコストを掛けずにトラフィックをもたらし、CROはそのコンバージョンを行う。

SEOとCROの間には適切なバランスがなくてはならない。どちらか一方に偏りすぎると、もう一方は劇的なダメージを被ってしまう。

CROに偏りすぎてSEOが犠牲になる例:

  • コンバージョンに注力しすぎて、コンバージョンが行われない限り価値を得られないページ。たとえば、フォームに入力しなければ価値のあるレポートが見られないなど。ページそのものに価値がないと、フォームページを自然検索結果でランクインさせることは難しい。
  • ページ(特にタイトルやURL)に主なキーワードが含まれていない。

SEOに偏りすぎてCROが犠牲になる例:

  • コンテンツにあまりにも多くのキーワードを入れようとする。商品を買うのはロボットではないので、人間によるコンバージョンを得られるようなキャッチコピーを書くこと。
  • リンクを含めたことにより、ユーザーがコンバージョンする代わりにページを離れてしまう。

どうすればCROとSEOが相性良く機能するようになるのか

たとえ大規模でセグメント化された組織内であったとしても、CROとSEOのワンツーパンチが相性良く機能する方法が存在することは明らかだ。大企業と中小企業の両方でコンサルタントとし勤務したことのあるベンジャミン氏が、これは通常どのように行われるのか、自身の経験を披露してくれた。

Benjamin Beck

ベンジャミン・ベック氏

「私がさまざまな企業と関わった経験からすると、たいていトラフィックに従事する部門とコンバージョンに従事する部門に分けられており、両方を担当していることはあまりなかった。

  • SEO - トラフィックがゴール
  • ソーシャル - トラフィックがゴール
  • コンテンツ - トラフィックがゴール
  • Eメール - コンバージョンがゴール
  • PPC - トラフィックとコンバージョンがゴール(コンバージョンへの投資対効果を見る)

チームがゴール別にセグメント化されているということでOKだろう。しかし、これは全体の成長にとっては良いことだろうか。悪いことだろうか。利害衝突が生じることはないのだろうか?

Benjamin Beck

ベンジャミン・ベック氏
「利害衝突が起こるのは良い考えとも、必須であるとも思わないが、コンバージョンユーザーの元をたどるのはとても大変だ。

PPC広告はたいていランディングページを隔離させており、オン・オフの切り替えができるので、追跡したり辿ったりすることは簡単だ。

ソーシャル、Eメール、SEOなどはすべてコンバージョンに貢献しうるが、どのチャネルがコンバージョンをもたらすかは企業によって大きく異なる。

RoverPassの場合は、Facebookチャネルが多くのユーザーをもたらすものの、コンバージョンには至らない。しかし、そうしたユーザーのEメールアドレスを取得してまとめると、将来のコンバージョンにつながる。それでも半分はソーシャル(Facebookコミュニティ)によってもたらされたものと考えなければならない。」

セグメント化されたチームの外に出てみると、SEOとCROの共存はさほど想像に難くない。我々はこの2つがお互い助け合っている例を目にしている。どちらか一方を無視しないことが大切になってくる。ランド氏も次のように述べている。

Rand Fishkin氏

ランド・フィッシュキン氏
「SEOは今でもウェブ上で最大のトラフィック流入元の一つである(SimilarWebによると、ウェブ上の口コミによる全アクセスの最大28%は検索によるもの)ので、訪問者を得たいと考えているものにとって、検索で良い順位を取るのは必須である。ここではCROが助けとなる。というのは、GoogleはポジティブなUXと有望なクエリを非常に重視しており、CROはこれに強いのだ。検索で訪問者を獲得し、CROでコンバージョンさせるというのが基本である。」

ところで、SEOチームとCROチームがしっかりと意思疎通を取れているなら、障壁を取り除いて双方で成功を収めることが可能だ。例としてV9SEOが、コンバージョン最適化につなげるための3つの主要なクエリの使い方について説明してくれた。

「SEOとしてはクエリを非常に重視している。クエリには主に3種類あり、それぞれが別々のユーザーインテントによって支えられている。

  • ナビゲーショナル(案内型)クエリ - ウェブサイト名の検索に使われる。インテントは特定のウェブサイトへのアクセス。
  • インフォメーショナル(情報型)クエリ - 特定のトピックについて情報を検索する。インテントはあるトピックについての情報取得。
  • トランザクショナル(取引型)クエリ - 購入する製品やサービスについて検索する。インテントは購入すること。

これら3種類のクエリはコンバージョン最適化に影響力を持つ。コンバージョン最適化を行うならば、(1)最適なコンバージョンアクションは何か、(2)コンバージョンを引き起こすコンバージョンアクションは何か、(3)コンバージョンに至るようユーザーを説得するための最適な方法は何か、を知るために特定のページにランディングしたユーザーのインテントを理解しなければならない。」

CROとSEOはいろいろな面でつながっている。分断されたチーム内の溝を埋め、上で説明したような情報を共有することにより、双方のマーケティングテクノロジーを育てることができる。

SEOとCROの未来

自然の摂理では、このブログ記事も短命だ。Googleのアルゴリズムは常にアップデートされていて、2年以内(または2カ月以内)には上で挙げた問題の多くが存在しなくなっているということもあり得るだろう。また、新しい問題が生じてくる可能性もある。

しかしSEOと最適化の現状すら、大変に楽観的なものである。ランド氏にSEOとCROはどのようにお互いを補完しているのか聞いたところ、希望を持てる答えを返してくれた。

Rand Fishkin氏

ランド・フィッシュキン氏
「CROは質の低い文言やユーザービリティー、良くないUXの識別に役立つ。これらはすべて、検索者にとってのより良いエクスペリエンスにつなげることができ、すると検索エンジンでもパフォーマンスが良くなる。すばらしい相互利益サイクルが生まれるのだ。」

私は何も未来を透視しているのではない。毎年数百件もの記事が投稿され、さまざまな業界について新しい予測を披露しているにもかかわらず、物事がどこへ向かっているのか確実に予想することは、誰にとっても不可能なのだ。

そうは言っても、「検索エンジン最適化(SEO)」と呼ばれるもの全体の方向性については、今日でもそのヒントを示してくれるものがいくつかあるようだ。

これは大まかに言ってしまえば、SEOとCROとの間の矛盾が少なくなっていき、一方にとってのメリットがもう一方にとってもメリットになるということだ。ベンジャミン氏も、物事がそちらの方向に向かっているのが見えると述べている。また飽和によってSEOが混雑した高額なチャネルとなるため、将来的にはコンバージョン最適化への投資が増えるとも確信しているそうだ。

Benjamin Beck

ベンジャミン・ベック氏
「SEOとCROは今後もどんどん密接になっていくと思う。

SEOは通常「無料のトラフィック」として見られているが、検索順位とトラフィックを得るための時間とコストは甚大なものになるだろう。SEOの競争が激しくなり続ける限り、コストをコンバージョンによって相殺しなければならないPPCのようになっていくであろう。

そのため、企業は多くのオーガニックトラフィックを獲得できているページから、より多くの利益を得るためにCROへの投資を増やしていくと思う。」

検索体験最適化(Search Experience Optimization)

今年の2月にForbesに記事を寄せたマイク・テンプルマン氏は、検索エンジン最適化の時代は終わったと述べている。その代わりに、SEOの略語の代わりとしての意味を含めて台頭してきているのが、「検索体験最適化(Search Experience Optimization)」最適化だ。その理由がこちらだ。

Mike Templeman

マイク・テンプルマン氏
検索エンジンがロジックを書き、大量のユーザー行動指標に基づく機械学習アルゴリズムを統合し始めことによって、ウェブサイト上のUXはどうあるべきかということが予想されるようになった。

現在測定されている基準としては、サイト読み込み速度やモバイル最適化、サイトの構造、コンテンツ、そして検索ユーザーがウェブサイトに期待しているものを得られているかの大量のシグナルなどがある。」

テンプルマン氏の未来予想には、「質問に対して答えを提供する」「モバイルを重視する」ということが含まれている。これは一般的な顧客体験にとっては良いことになるだろう。テンプルマン氏は例として、「スノータイヤ」という検索用語が「2008 Ford F150にとって最適なスノータイヤはどれか」に進化したことを挙げてくれた。

そのため、顧客からの質問に答える企業は検索順位も勝ち取っている。これは、サイト内でのキーワードの言及回数について悩むのをやめ、代わりに顧客が探しているものを見つけるためのサポートにより集中するべきだということである。

結論

必ずしも共にあるとは言えないコンバージョン最適化と検索エンジン最適化は、敵同士などではまったくない。事実、コンバージョン最適化への投資によって検索順位は上がるはずだし、実際そうしたことはよくあるのだ。同じように、SEOへの戦略的なブローチによりコンバージョン量やターゲット訪問者の数も増加する。

H1タグ内のキーワードや、コンバージョンには悪影響だが SEOには効果的なレビュー、テスト要素の欠落といったわずかな問題も、簡単に解決することができる。それに加え、A/BテストによってSEOが犠牲になる可能性を恐れる合理的な理由はないのだ。むしろ、より良いユーザーエクスペリエンスの提供は、Googleにも推奨されていることだ(そしてそれこそがGoogleがユーザーに届けたいサービスなのだ)。

最大の障害となるのは、結局のところ組織的なものだろう。ゴールが別々でコミュニケーションが不足しているチームなら、せっかくのポテンシャルを発揮できない可能性もある。成長の最適化に対し、双方の面からアプローチを取れば、コンバージョン獲得と流入獲得の両方で成功することができる。


この記事は、CXLに掲載された「The Intersection of SEO and CRO (and How to Maximize Long Term Growth)」を翻訳した内容です。


おわりに

弊社アイオイクスはSEO黎明期よりサービスを提供して参りましたが、Googleのアルゴリズムの進化に合わせ、より深くユーザーの分析に踏み込んだCROサービスの提供を開始いたしました。

そんな中でこの度、DLPO株式会社様と共同で海外CRO最先端事例セミナーを開催することとなりました。
日本ではまだ一般的ではないコンバージョン改善のフレームワークや、米国CRO業界を牽引してきたトップストラテジストが語るベストプラクティスをご紹介いたします。
croセミナー

お申込み、詳細の確認はこちらのページより。

URL 検査ツールなど、Search Console に新機能を追加しました

数か月前に新しい Search Console をリリースしましたが、その後も機能の拡充を続けています。ここでは、その最新の状況についてお知らせします。

「URL 検査」ツール

Search Console に関するご要望で最も多かったものの 1 つが、「Google 検索が特定の URL をどう認識しているのか、もっと詳しく知りたい」というものでした。こうした声にお応えし、Google 検索をより透明性の高いものにするため、本日新しいツール「URL 検査」のリリースを開始いたしました。URL 検査ツールを使用すると、各ページのクロール、インデックス登録、検索結果の配信に関する詳細情報を Google のインデックスから直接入手できます。

所有するページの URL を入力すると、最終クロール日とそのステータス、クロールやインデックス登録のエラー、そのページの正規 URL などがわかります。ページが正常にインデックス登録されていれば、ページ内で検出された拡張機能(リンクされている AMP バージョン、レシピや求人のリッチリザルトなど)の情報やステータスもわかります。

有効な AMP 拡張機能でインデックス登録されている URL

ページがインデックス登録されていない場合は、その理由を調べることができます。新しいレポートには、ページの noindex robots メタタグと Google の正規 URL に関する情報が追加されています。

HTML 内の noindex メタタグが原因でインデックス登録されていない URL

ワンクリックで同じ問題が発生しているページの一覧が開きますので、問題を分析して、修正するのに役立ちます。

新しい URL 検査ツールが、Google インデックス内の新規ページや既存のページの問題解決に役立つことを願っております。本日より順次リリースを開始し、数週間以内にはすべての方にご利用いただけるようにする予定です。

その他の変更点

URL 検査ツールのほかにも、Search Console に新しい機能やレポートを追加しています。

フィードバックをありがとうございます

Google では、皆様からお寄せいただいたフィードバック、アンケートの回答、使用統計情報などに常に注意を払い、Search Console の改善に役立てています。インデックス カバレッジ レポートや AMP レポートの新しい問題検証フローも多くの方にご利用いただいていており、これまでより迅速に問題を修正できているように思います。また、メールや [検証の詳細] ページによる検証プロセスの改善も高く評価いただき、チーム一同大変喜んでおります。

こうしたフローの改善やバグの修正には、皆様からのご意見、ご要望が欠かせません。フィードバックをお寄せいただいたすべての方に感謝いたします。

今後の展開

新しい Search Console はまだベータ版ですが、毎月のように機能やレポートを追加しています。さまざまなフィードバック方法を用意しておりますので、今後もご意見、ご要望などございましたらぜひお知らせください。

士業やクリニック、EC、スクールなど10人以下の小規模企業向け!自社サイト集客セミナー

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ウェブスパムに対する Google の取り組み – ウェブスパム レポート 2017

Google が常に心がけているのは、Google 検索で情報を探しているユーザーにできる限り質の高い検索結果を提供することです。しかし、検索結果の掲載順位を操作し、そこから利益を得ようとする悪質な行為も後を絶ちません。こうした行為は、「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」という Google の使命とは相反するものです。Google は長年にわたって、こうした検索における不正行為やスパムとの闘いに多大な労力を費やしてきました。ここでは、2017 年に Google がどのように不正行為と闘っていたかを紹介します。

Google では、ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)に違反するさまざまなタイプの不正行為をまとめて「スパム」と呼んでいます。独自に分析したところ、ユーザーが検索結果からアクセスしたサイトがスパムサイトだった割合は長年 1% を下回っており、さらにここ数年は 0.5% 以下に抑えることができています。

2017 年のウェブスパムの傾向と Google の取り組み

スパムとの闘いはまさにイタチごっこです。対策をとれば、スパマーたちがそれをすり抜ける方法を編み出してきます。2017 年を象徴する傾向の 1 つが、掲載順位の操作やマルウェアの拡散を目的とするウェブサイトへのハッキングの増加でした。ハッキングされたウェブサイトは、ユーザーにとって重大な脅威となります。ハッカーはサイトを完全な支配下に置いて、ホームページを改ざんしたり、有益なコンテンツを削除したり、マルウェアや有害なコードを挿入したりできるからです。また、パソコンなどのキー入力を記録したり、オンライン バンキングや金融取引のログイン認証情報を盗んだりすることもあります。2017 年はこの脅威を軽減することに力を入れ、ハッキングされたサイトの 80% 以上を検知して検索結果から除外できるようになりました。しかしハッキングは、検索を行うユーザーだけでなく、ウェブサイトの所有者にとっても深刻な脅威です。そこで Google では、所有者がウェブサイトを安全に運営できるよう、サイトのセキュリティを強化するための実践的なガイドを提供するとともに、サイトがハッキングされたときの対処方法をまとめたガイドも一新しました。このガイドは 19 の言語でご利用いただけます。

Google は、堅牢なコンテンツ管理システム(CMS)の重要性も認識しています。多くののウェブサイトは、主要な CMS のいずれかで運営されています。そしてスパマーは、ユーザー生成コンテンツを悪用する(たとえばコメント欄やフォーラムにスパム コンテンツを投稿する)方法を見つけることで、CMS のセキュリティ上の弱点を突いてきます。Google は、主要な CMS を提供している WordPress や Joomla がフォーラム、コメント欄、ウェブサイトを悪用するスパム行為への対策を取れるよう緊密に連携し、支援しています。

他にも典型的な不正行為として挙げられるのが「リンクの操作」です。リンクは、Google 検索での掲載順位を決める基礎的な要素の 1 つです。2017 年は、ランキング手法の改善と手動による対策の強化を通じて不自然なリンクの削除に力を注ぎ、スパムリンクを前年比でほぼ半数にまで減らしました。

より快適なウェブの実現に向けたユーザーやウェブマスターとの連携

Google は皆様からの報告を歓迎します。スパムの検出やブロックは自動化されたシステムにより常に行われていますが、「フィッシングの疑いがある」といった報告はいつでもお寄せください。検索スパムに関するユーザーからの報告は、昨年 1 年間で 9 万件近く寄せられました。

スパムやマルウェアなどの問題を Google に報告していただくことは、サイトの所有者や検索ユーザーを不正行為から守ることにつながります。報告フォームは、スパムフィッシングマルウェア用にそれぞれ用意しています。これまでにご報告いただいたすべての方に感謝するとともに、今後も引き続きご協力いただきますようお願いいたします。

さらに Google は、ウェブ エコシステムの健全性を維持するため、ウェブマスターのみなさまとも積極的に連携しています。

昨年は、ウェブサイトに問題があることが特定されたサイトの所有者宛てに、Search Console を通じて 4,500 万通のメッセージを送信しました。そのうち 600 万通を超えるメッセージが手動による対策に関わるものです。透明性のあるコミュニケーションにより、ウェブマスターのみなさまがウェブサイトが手動による対策の対象になった理由や問題を解決する方法を理解することができるようにしています。

新しい Search Console のベータ版をリリース(英語)したのも昨年でした。当初は一部のユーザーに限定してリリースし、その後すべての Search Console ユーザーに公開しました。ユーザーの皆様が何を必要としているかをお伺いして、検索パフォーマンス レポートや、インデックス カバレッジ レポートなど、要望の多かった機能から順に追加しています。こうした機能の拡充により、Google 検索での掲載の最適化がさらに簡単になっています。

Google は、セーフ ブラウジングの保護機能を強化し、不正なコンテンツ等からユーザーを保護しています。昨年は、この機能を大幅に改良しました。macOS 端末(英語)への保護対象の拡大、Chrome へのフィッシング予測保護機能(英語)の追加、望ましくないモバイル ソフトウェア(英語)への厳正な対処などのほか、不正な Chrome 拡張機能のインストール(英語)からユーザーを保護するために大幅な改善を加えました。

ウェブマスターの皆様とコミュニケーションするためのチャンネルも多数ご用意しています。オンラインやオフラインで皆様のお話を伺う専門スタッフを配置するとともに、オンライン オフィス アワー、オンライン イベント、オフライン イベントは世界 60 以上の都市で 250 回以上開催し、22 万人を超えるウェブサイトの所有者、ウェブマスター、デジタル マーケティング担当者の皆様にご参加いただきました。また、公式のヘルプ フォーラムでは、さまざまな言語で寄せられた膨大な数の質問にお答えしています。昨年 1 年間にフォーラムで生成されたスレッドは 6 万 3 千件にのぼり、世界中の 100 人以上のトップレベル ユーザーが 28 万件もの回答を投稿してくれました(詳しくはこちらの投稿をご覧ください)。フォーラムブログSEO スターター ガイドに加え、Google ウェブマスターの YouTube チャンネルでもさまざまなヒントやアイデアを紹介しています。新たに SEO スニペットという動画シリーズも始まりました。SEO に関する具体的な質問に、スペシャリストが簡潔かつ的確にお答えしています。この機会にぜひチャンネル登録してください。

以上のように、昨年 1 年間でさまざまな改善を施しましたが、もちろんこれで終わりではありません。Google が追い求めるのは、不正行為を一切心配する必要のないユーザー エクスペリエンスの実現です。これからもウェブ エコシステムに関わる皆様のご協力をいただきながら、引き続き改善に取り組んでまいります。

【新任SEO担当者向け】成果を出すためのSEOの考え方とは?ナイルの先輩社員に聞いてみました

こんにちは。ナイルの2018年卒新卒社員の大西と申します。

いきなりですが、正直なところ私はまだSEOに本格的に取り掛かり始めて1年程度と、そんなに時間も経っていません。SEOの知識は研修やお客様とのコンサルティングを通じて、ある程度はついたという実感はありますが、「ビジネスに貢献するSEO」を考えるのがなかなか難しいと感じる日々です。

今回は、同じような課題感を感じている方のためにSEOを主軸としたコンサルティングを担当している平井 完(たもつ)さんに、『ビジネスに貢献するSEOを行うにはどうすればいいのか?』ということを相談してきましたので、SEO HACKSブログにその内容と学びを書かせていただきます。

※この記事を読むポイント:デジタルマーケティングの手法のひとつであり、このメディアの主題でもある「SEO」ですが、皆さんは「どうしたら成果が出たと言えるのか?」「どうやってビジネスの成果に貢献するのか?」をどこまで理解しているのか。という点に着目して読んでいただければ幸いです。

 

–平井さん、今日はお願いします。

平井:よろしくおねがいします。

プロフィール:平井 完(たもつ)

SEOコンサルタントとして、大手求人サイトから個人ECまで企業規模・業種問わず幅広いクライアントを30社以上を担当。自社メディア「SEO HACKS」の運営・SEO技術開発プロジェクト・業務効率化プロジェクトなど、コンサルティング業務だけでなく社内プロジェクトにも幅広く活動中。

–早速なんですけど、「SEOで成果が出る」ってどういう状態のことを指しますか?

平井:「売上やCVにつながる検索流入が増える」こと。それが「SEOで成果出てる」って言える状態だね。ユーザーのロイヤリティ向上も目的のひとつではあるけど、メインは売上への貢献。

 

–なるほど。お客様からは「このキーワードで1位になりたい」という要望をいただくことも多いと思うんですけど。

平井:そのキーワードがお客さんのビジネスに繋がるものなら全力を尽くすけど、的はずれなキーワードだと売上貢献にならないから、「やってもいいけど優先度は後」になるね。実際にCVしているかどうかの判断は大事。

仮に、「1位になっても売上貢献 0円」のキーワードと「1位になったら売上貢献100万円」のキーワードがあったとしたら、後者を頑張る方が絶対に良いじゃん。もちろん「営業・ブランディングのためにCVしてなくても1位を取ることが重要」というときは、施策の優先度は加味するけどね。それも「本当にそうなのか?」というところから検証する。

売上に貢献するSEOの考え方

成果を出すSEOの考え方

–ビジネスの成果につながるSEOをする上で、「まずこれをする」というアクションはありますか?

平井:まずはビジネスモデルの確認からだね。同じ業界の会社でも、ビジネスモデルは全然違うから、「このお客さんはどこで売上を作っているのか」は絶対確認する。

例えば求人業界だと、「成果課金」のサービスもあれば「掲載課金」のところもあるし、「掲載課金+成果報酬」みたいなハイブリッドのモデルもある。

 

–確かに、成果課金と掲載課金だと、求人サービスの対象になる企業のイメージは違います。

平井:そう。で、マネタイズの仕方を確認したら、「どういうユーザーが一番お客さんの売上に貢献しているのか」を考えるかな。

 

–会社に一番お金を払ってくれてるのは誰?っていうのをイメージする感じですか?

平井:お金を払ってくれない人を頑張って集めてもしょうがないじゃん。少なくとも最優先で集めたいわけではないよね。だから、1CVあたりの単価が高いユーザーとか、LTVが高いユーザー像を考える。

で、その「売上につながるユーザー」は「どんなキーワード」で検索してるかを考える。集めたいユーザーが、どんな意図でどんなキーワードで検索しているか。それを考える手間をかけないと、SEOで成果を出すことは難しいね。ユーザー理解は本当に大事。

「キーワード」ってそんなに大事なの?

SEOキーワード

–でも、「SEO=細かい技術的な施策の集合」というイメージを持っている人って多いですよね。

平井:多いねぇ。「売上につながらないなら、SEOをやる意味ないよね」とは思ってるけど、実際にSEOをやったことがないと、「こういうキーワードは売上につながる」っていう発想を持てないんだ。

例えばうちのサイトなら、メインキーワードの「SEO」で検索して入ってきた人から、「SEOで1位だから」という理由でお問い合わせをいただく(売上につながる)ことももちろん多いんだけど、

他にも、用語集やブログ記事から入ってきて問い合わせをしてくれる人もたくさんいる。

 

–「このメインキーワードで1位が取れるかどうかが全て」という単純な因果関係ではなく、いろいろな要素が絡んで売上につながる、と。そういう、間接的に売上につながるキーワードを考える技術が無いと、「売上につながる施策はできない・わからない」ということですね。

平井:うん。キーワードを理解するってことはユーザーを理解することなので、またそこにつながる。起点になるのはやっぱりユーザー。

 

–ユーザーが思い浮かばない時はどうやってキーワードを考えるのがいいんでしょうか。

平井:自分がコンサルするなら、お客さんのサイトのアクセス解析をしたり、コンセプトダイアグラム※を書いて一緒にペルソナを固めるね。で、そのユーザーが検索するキーワードを想像したりツールで出したりする。toCのビジネスモデルだったら実際に自分が使ってみるとかね。お金に余裕があるなら笑

※コンセプトダイアグラム:顧客が最終的なゴールを達成するまでの行動・体験を可視化した図式のこと。

参考:ユーザーの検索体験を「SEO成果指標」として可視化する方法(概念と準備編)

 

–そこまでしっかり時間とお金をかけてやる必要がある、と。ユーザーとキーワードを明らかにする作業って超重要ですね…

平井:間違いない!キーワード外したら終了。

 

–一般的にはそんな危機感ないかもしれませんね笑

逆に言うと、「売上にめちゃくちゃ貢献するキーワード」みたいなものが発見できて、そこで1位取れたらものすごく儲かるかもしれない、と。

平井:そうだね。それはお客さんの商品の単価やビジネスモデルにもよるけど、その1キーワードに数千円のコストをかけた結果、数万円の売上が出るなら、そのキーワードが月に10回しか検索されてなくても取りに行くべき。

 

–業界と、ビジネスモデルとユーザーと、キーワードの兼ね合いによって、どれだけお金をかけるべきかが決まると。

平井:だから、SEOの施策を考える「前」の段階がすごく大事。

 

–むしろこの「ビジネスとユーザーについて考える技術」の方が必須なんですね。

平井:どんな仕事でも大事だね。SEO云々以前にマーケティングを担当しているなら特に。

「キーワードを考える技術」の養い方

カスタマージャーニーから考えるSEOキーワードの一例

※皆さんはこの中でどのフェーズ・どういうキーワードが「おいしい」と思いますか?

参考:素人にありがちなパッチワーク的SEO施策はもうやめよう

 

–「キーワードを考える」って、具体的にどういうことを考えるんですか?

平井:こういう人はこういう言葉で検索するだろうな、とか、こういうキーワードはコンバージョンしそうとかを考える。

 

–市場の気配を察知する能力というか…消費者感覚というか。

平井:「AとB、どっちのキーワードの方がコンバージョンしそう」とか「こんなキーワードは検索されてないだろう」とか。「普通に考えればこれ(が狙うべきキーワード)だろうなー」って感じ。

 

–その感覚ってどうしたら身につくんでしょう?

平井:自分の感覚が当たり前、と思わないことが大事かな。

自分が検索するキーワードでしか考えられないと、「大学を出た20代半ばのベンチャー企業に勤務している男性」のキーワードでしかないから。

「自分じゃ検索しないけど、この商品のお客さんならこういうキーワードで検索するだろうな」っていう想像力を持つことが大事だね。「異性」の検索キーワードとか。

 

–その感覚とか想像力の養い方ってありますか?事業会社の方でも、自社の商品のターゲットが自分じゃないこともあると思いますし。

平井:自社サービスだったらお客さんと話してる営業にめっちゃ聞くのが大事だと思う。

あとは、自社のインタビュー記事とか自社事例を読んで把握するかな。

 

–自社にある情報からちゃんと理解しておこう、と笑

平井:自分のことはね笑

自社のこととか関係なしに「特定のセグメントのユーザーについて知りたい」っていう話だったら、SNSをウォッチしたり、noteでシェアされてるアプリマーケティング研究所の記事で女子大生のこと知るとか、この間Yahoo!さんが出してた「新社会人の悩み※」の記事読んだりとか、やっぱり各方面にアンテナを貼ることが重要だと思うなぁ。一見自分にとって重要じゃないことだと思っても目は通すようにしてる。

参考:新社会人もベテラン社員も必見!ビッグデータで新社会人の悩みを先に知る – ビッグデータレポート – ヤフー株式会社

 

–あれは面白かったですね。6月頃の悩みで「仕事辞めたい」キーワードが出てくるっていう…笑

平井:そうそう。やっぱこのタイミングなんだなーみたいな笑 大西も気をつけてな。心配してないけど笑

まとめ:自社のSEOで成果を出すには、ユーザーとビジネス理解が必要である

–今回はビジネスに貢献するSEOの考え方について、平井さんに「SEOで成果を出すにはどうすればいいのか?」というお話を伺いました。

今回はありがとうございました!

平井:せっかく改めていろいろ聞き出したんだから、さっそく現場で活かしてね笑

まとめ

  1. 自社事業のマネタイズポイントを把握し、一番売上に貢献しているユーザーを探す
  2. 自社のユーザーの感覚になって、キーワードを想像する
  3. ユーザーの感覚やキーワードがわからない時は社内の情報に当たってみる
  4. これらを固めてからSEOの課題出しをすること(むしろ固めないと成果が出にくい)

ということが、今回のインタビューの学びとなりました。私としても、いままで「SEO施策ありき」で考えることが多かったと感じていて、「本当にWebサイトの先にいるユーザーとビジネスのことを考えられているか?」という点が根本的に抜け落ちていたように感じます。

今後は上記の1・2・3を意識して事前調査に重点をおいたうえで、4(事前調査を入念に行った上でSEOの課題だしを行うこと)と施策を考えていきたいと思います。

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【新任SEO担当者向け】成果を出すためのSEOの考え方とは?ナイルの先輩社員に聞いてみましたナイル株式会社 - SEO HACKSで公開された投稿です。

アルゴリズムアップデートの影響は早いが、テクニカルな変更は影響が遅い

サイトの順位が変動するのには、Googleのアルゴリズム変更、自社サイトのコンテンツや技術仕様の変更、競合サイトの台頭、など様々な理由があります。Googleのジョン氏は、アルゴリズムのアップデートがサイトに影響を与えるのは、自サイトにテクニカルな変更を加えるよりも素早く影響を与えると述べました。
— SEO Japan

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Goolgeのジョン・ミューラー氏はウェブマスターハングアウトで、「もしサイトの順位が一日で大きく下落して、Googleのアップデートだと周りで騒がれていれば、おそらくそれは検索順位アルゴリズムの変更が完了したことに関係しているであろう」と述べた。ジョン氏はさらに、「サイトに技術的な変更を加えた時、一般的にはそれらの変更がサイト(の順位)に影響を与えるのは数週間から数か月かかる。これはアルゴリズム変動の影響よりも何倍も時間がかかる」と付け加えた。

なので、例えばURLの命名規則を変更したあとGoogleが全ての301を認識するまでのプロセスには時間がかかり、一晩で順位が下落するという事はない。その変動が影響するまでにはより長い期間かかり、より長く影響を持ち続ける。

しかしもしGoogleのアルゴリズムアップデートが、あなたのサイトを以前ほど良くないと判断した場合は、数日などの短い期間で即座に影響が出るだろう。

より抽象化していうと、全てのテクニカルな変更が長い期間を要するわけでは無い。もしGoogleからのサイトのアクセスを全てブロックした場合、すぐに順位は下落する可能性はあるだろう。
さらに全てのアルゴリズムがサイトに対して即座にインパクトを与える訳でもない。いくつかのアルゴリズムは世に出されるのに時間がかかり、新しいクロールと処理のみ取り上げるのである。

Glenn氏が以下のようにまとめてくれた。

(Glenn氏ツイート)アルゴリズムのメジャーアップデートによる影響は、直近の変更だとは限らない。大きいサイトであれば、Googleのアルゴリズムがサイトの変更に対応するのには時間がかかるだろう。再クロール、再インデックス、再処理を行うのに数か月かかる可能性もある。


この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「Google: Algorithm Updates Impact Sites Quickly, Technical Changes Take A While To Impact A Site」を翻訳した内容です。


本文中でも述べられているように例外は存在しますが、サイトに技術的な仕様変更を加えた場合は、適切な経過観察期間を設けることが必要なのかもしれません。
— SEO Japan

Google I/O 2018 における Google 検索の発表内容をご紹介します

今年で 10 回目となる Google I/O(英語) が先日開催され、盛況のうちに終了しました。本日はそのハイライトを振り返ってみましょう。

I/O で検索チームが実施した内容

このイベントは、世界各地の様々なコミュニティの多数のユーザーと出会い、アイデアを交換し、意見を集める素晴らしい機会となりました。さまざまなウェブ セッション(英語)コードラボ(英語)、オフィスアワーに加えて、私たちは検索に関する 2 つのセッションでコミュニティと情報を共有しました。

これらのセッションでは、モバイル フレンドリー テスト ツールの JavaScript エラーレポートを発表し、ダイナミック レンダリングについて紹介し(これについては今後の投稿で詳しく取り上げる予定です)、CMS で Indexing API や Search Console API を利用してユーザーに情報を提供する仕組みについて説明しました。たとえば、Wix では、ユーザーがホームページをインデックスに送信(英語)すると、すぐに検索結果に反映されます。また、Squarespace では、見込みのあるユーザーが何を検索しているのかウェブマスターが理解するのに役立つ、Google 検索キーワード レポート(英語)を作成しました。

また、イベント開催中に、サンドボックス エリアで新しい Search Console を公開し、ユーザーに試していただきました。AMP ステータス レポートについて興味を持った方から、検索に適したコンテンツの改善方法を探している方まで、前向きなフィードバックを多数寄せていただき、嬉しく思います。

実践的なコードラボ、事例紹介など

構造化データの追加とテストを体験していただける構造化データ コードラボ(英語)を実施しました。I/O では完了回数の多かったコードラボのトップ 20 にランクインし、大変感謝しています。構造化データを使用するメリットについて詳しくは、事例紹介(英語)をご覧ください。

直接お会いするオフィスアワーでは、HTTPS、モバイル ファースト インデックス、AMP など、さまざまなトピックへの関心が高いことがわかりました。この形式のオフィスアワーは、毎月実施しているウェブマスター オフィスアワー ハングアウトに加えて、素晴らしい機会となっています。寄せられたご質問やご意見は、誰にとってもわかりやすく使いやすいようにドキュメントやツールを調整するために活用させていただきます。

ハイライトと主なポイント

ウェブ デベロッパーの皆様にウェブサイトを構築する際に注意していただきたい主なポイントもお伝えしました。

  • インデックス登録とレンダリングは同時には行われません。レンダリングは後に延期される場合があります。
  • 検索に表示したいコンテンツに、メタデータ、正しい HTTP ステータス、想定どおりの canonical タグが存在することを確認してください。
  • シングルページ アプリ ルーティング向けの JavaScript History API を採用するため、ハッシュベースのルーティング(「#」を含む URL)はサポートを終了する必要があります。
  • Googlebot がリンクを適切にたどれるように、リンクには URL を指す href 属性を指定してください。

サイトのインデックス登録、ダイナミック レンダリング、トラブルシューティングについて詳しくは、こちらのトーク セッション(英語)をご覧ください。CMS やテーマ作成者としてできることや構造化データについて詳しくは、こちらのトーク セッション(英語)をご覧ください。

今回の I/O や世界中で開催された I/O Extended(英語)で皆様とお会いし、検索に関する最新情報を共有できて嬉しく思います。今後の最新情報を入手するには、ウェブマスター フォーラムに参加してください。また、TwitterGoogle+YouTube で Google ウェブマスター チームをフォローしてください。

GoogleのSEOはかつてより難しくなった?ここ数年で何が変わったのか。

Googleのアルゴリズムは日々進化を繰り返していますが、振り返ってみるとここ数年でSEOの難易度は上がっています。どのような変化がGoogleの攻略をかつてよりも難しいものにしているのでしょうか?
— SEO Japan

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いまWebmasterWorldでは、「GoogleのSEOはここ数年で何が変わったのか」という興味深いトピックが持ち上がっている。
特に、2016年に使われていたテクニックがなぜ効果がなくなってきているかの話題が盛り上がっている。

過去数年でSEOがどれだけ変わったのか、そしてGoogleのトラフィックが減ったのか、増えたのか、変わらなかったのかについて色々と考えさせられた。

なので、Google Analyticsにて一昨年の同時期のトラフィック数と比較してみたが、Googleからのオーガニックトラフィック数は20%上昇していた。

もちろんデータをめちゃくちゃにしてしまうようなものの可能性もあり、GoogleAnalyticsはこれを除外はしてくれない。
これは予想だが、おそらくGoogleからのトラフィックはそこまで変わってはないはずだ。なぜか?ここ数年でそこまで大きな変更はしていないからだ。

もちろん、書いている中で私のライティングが良くなっていることは望ましいことだ。Googleもそれを良しとしている。

しかし、15年間SEOとGoogleのアップデートを見て、書いてきて、特にここ数年では何が変わったのか?過去数年では効果があったのに、現在人々が困っていることは何だろうか?

私が思いつく限りで、SEOは数年でこのように変わってきたように思う。

  • コンテンツの質
    Googleは良い品質のコンテンツを望んでいる。特に英語ではその傾向が強い。
    数年前よりも良いコンテンツを決定することにおいて、はるかに成長している。
    もちろんと時に誤りは犯すが、だからこそより良くするためにアルゴリズムのアップデートを継続している。
  • レス イズ モア
    たくさんの質の低いコンテンツよりも、少ない質の高いコンテンツの方が良いとされている。
    これはパンダアルゴリズムアップデートによるものであったが、より多くの領域で語られるようになった。
    他の人間がが何と言おうとも、コンテンツプルニング※(Conent pruning)は現実的な選択肢である。
    ※コンテンツプルニング・・・質の低いコンテンツ等を「Noindex」などを利用してGoogleの評価対象から外すこと。
  • リンク
    アルゴリズム、そして手動により、Googleは良くないリンクに対しては評価を下げている。
    リンクファーム(※1)やPBN(※2)を活用して数日でランキングが上がるという簡単なものではなくなった。
    ※1 リンクファーム・・・相互に大量のリンクをもったウェブサイト群を人為的に大量生成し検索エンジンスパムに活用する、というかつて有効であったSEO手法の一つ
    ※2 PBN(Private Blog Networks)・・・保有する小規模なブログ(プライベートブログ)をネットワーク化したもの。オーガニックトラフィックを増加させることを目的として使用される。
  • ユーザー体験
    かっこよく、簡単なUXが優れたサイトがパフォーマンスを発揮するようになっている。
  • 競争の激化
    数年前より、同一のキーワードに対してより多くのウェブページがしのぎを削るようになっている。
  • GoogleのUIの変化
    もちろん強調スニペットや、広告の位置の変更、音声検索、新しいユーザーインターフェースなどが該当する。
    Googleからのトラフィックにおいて、これらは何かしらの役割を担っている。

要約すると、同じことを延々と継続していては、悪くなることはあっても良くなることはないだろう。
常に改善をしつづけずに、なぜ検索エンジンで上位を維持することが出来ようか。継続した改善が必要だ。
10年前は素晴らしかったが、その後ヒット作に恵まれなかった俳優のようになってしまう。
時には自分自身を再開発し、認知されるためにあっと言わせるようなことをしなければならない。

皆はどう思うだろうか?


この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「SEO For Google Now Harder? What Has Changed Over The Past Few Years?」を翻訳した内容です。


記事中では、特に英語においてコンテンツの質が求められると書かれていますが、日本語でも同様、もしくはそれ以上にコンテンツの質が求められているように感じます。
地道な努力の積み重ねこそが、今日のSEOにおけるベストプラクティスかもしれません。
— SEO Japan

バズ部は爆発的なコンバージョンをどのように生み出しているのか「バズ部式!コンバージョン獲得実践講座」

こんにちは。バズ部の山本です。 「コンバージョンの質をとにかく上げたい」 「もっともっと問い合わせ数を増やしたい」 「マーケティングの最終目標である売上になかなかつながらない」 バズ部にはこうしたコンバージョンに関する相 […]

バズ部は爆発的なコンバージョンをどのように生み出しているのか「バズ部式!コンバージョン獲得実践講座」

こんにちは。バズ部の山本です。 「コンバージョンの質をとにかく上げたい」 「もっともっと問い合わせ数を増やしたい」 「マーケティングの最終目標である売上になかなかつながらない」 バズ部にはこうしたコンバージョンに関する相 […]

バズ部は爆発的なコンバージョンをどのように生み出しているのか「バズ部式!コンバージョン獲得実践講座」

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そのデータの解釈、正しいですか? 「データドリブンSEO」のために知っておきたい5つのこと

はじめに

こんにちは、デジタルマーケティング事業部でアナリストをやっている森です。普段はアクセス解析やユーザーテスト、データ分析などを主に行っています。

多くのお客さまからご相談をいただく中で、「SEOの多くの数字を追っているが、施策への繋げ方がわからない」「データに基づく施策を行っても成果につながっていない」という声をよくいただきます。

データに基づく意思決定をする上で、正確なデータをとれていることは当然必須ですが、そのデータを正しく解釈できているかも重要になります。

そこで「データを解釈する際に注意しなければならないこと」をSEO対策の文脈からご紹介します。

  • データを見てもどう施策に落とせば良いかわからない
  • 自分のデータの見方が正しいか不安
  • データから意思決定した施策を行っているつもりでも成果が出ている実感がない

という方、ぜひご覧いただければと思います。

前提:SEOにおけるデータに基づく意思決定の難しさ

日々サイト運営をする中で、

  • 「外部リンク数もコンテンツ量も負けていないのに競合より順位が低い」
  • 「サーチコンソール上での平均順位は上がっているのにセッションは増えていない」
  • 「施策の結果良くなった指標も悪くなった指標もあり、結局横展開して良いか判断できない」

など、データにまつわる悩みを持つことは多いのではないでしょうか。

自社・競合問わず様々な数値を見れるツールが日々登場していること、またページスピードのようにGoogleが順位評価に用いると明言する指標も増えていることから、SEOにおいてデータを扱う難しさは年々増していると言えます。

またデータの解釈の際には人間の心理的なバイアスと、基本的な統計知識の双方を踏まえることが重要です。双方について、日々業務に追われる中でも最低限知っておきたいポイントをご紹介します。

データ分析をする際におさえておきたい5つのポイント

①人間の持つバイアスについて意識的になること

人は合理的に判断しているつもりでも、実際は当人の考えや周囲の環境の影響で無意識のうちに偏った認識や判断をしています。これを認知バイアスといいます。特に下記のようなバイアスはSEOの実務の場でもよく起こりがちです。

確証バイアス

確証バイアスとは、「人は意見の是非を判断する際に、自分の考えを立証する情報ばかり集めてしまい、反証する情報に注目しない傾向にある」というものです。

例として、複数のキーワードの順位に影響するような改修を行った後、効果検証を行うと想定します。

あるキーワードでは順位が向上し、別のキーワードでは下落していた際に、上昇しているキーワードばかりに着目し成功だったと判断してしまう、ということはよくあるでしょう。

こうした結果、実際には失敗であったり、効果のない施策であるにも関わらず、成功だとして横展開してしまう、という恐れがあります。

対策としては、「判断をする時はまずは反証となる情報から探す」「自分の主張を支持するデータが見つかっても、反するデータがないかを意識的に検討する」といったことが挙げられます。

認知的不協和

認知的不協和とは、「有する複数の情報に矛盾が生じた時、人は不快感を抱き、矛盾を解消しようという動機が生じること」です。

多大なコストを支払い、成果が出ると喧伝してリニューアルを行ったにも関わらず、数ヶ月たっても順位も流入も右肩下がり、となったとします。

「失敗できないプロジェクトなのに失敗した」という矛盾する認知を抱えた時、人は

  • 実は最初から自分も成功する確率は低いと思っていたと言う。
  • 失敗したのではなく、向上している数値もあるのでこれは成功だと認識する。

のように、どちらかの認知を変えて不協和を解消しようとします。

この結果、対応策を打つべきなのに現状への認識が阻害されることで対処が遅れる、という悪影響が起こりえます。

このように、人の認識には合理的でない部分が非常に多く存在します。回避することは難しいですが、普段から自分の思考や判断をできるだけ客観的に捉えることで、少しでも正しい分析をできるようにしましょう。

②仮説思考をもつこと

データを見る際に犯しがちな過ちとして、「まずは色々な数値を漠然と見てから何が問題か考えよう」としてしまうことがあります。

SEOにおいて追うことのできるデータの種類は膨大のため、このアプローチでは忙殺されるうちに目的を見失ったり、時間ばかりかかって時期を逸することがあります。

またアルゴリズムは多数の変数により成り立っているため、SEOにおいて1つの指標が決定的に悪いということに必ずしもならず、データを眺めても結局何が課題かは見えてきません。

データを見る際には、

  • 掲載されている求人数が上位サイトに負けているのではないか
  • テキスト量で劣っているのではないか
  • 各テンプレートのページスピードにおいて競合に劣っているものがあるのではないか

など、検証可能な仮説を持った上で分析を行うべきです。

成果のために大事なことは改善すべきポイントを見つけ、改善し効果検証を行うというサイクルを繰り返し行うことです。

③「平均」だけを見ないこと

データベース型やメディア型のサイトでありがちですが、

  • 「一覧ページに対応するキーワードの順位状況を見たい」
  • 「特定カテゴリの各記事の流入推移を見たい」

といった時に、平均順位やセッションの平均を見ることは多いと思います。

しかし、平均は「極端に大きい・小さい数値(外れ値と言います)の影響を受けやすい」という欠点があります。

例として、施策前後での効果検証を対象キーワードの順位で判断するとします。下記のように5キーワード中1キーワードだけ変化が大きかった場合、好調だったキーワードの下落を平均しか追わないことで見逃す恐れがあります。

順位の変化

これを避けるためには、

  • 分析前に、データ全体の分布を見ること
  • 分布や目的に合わせ、平均値・中央値・最頻値といった数値の中から適切な代表値を選ぶこと

が必要です。

データの分布を見る

データの分布を見る際にはプロットや箱ひげ図が効果的です。視覚的にデータを表すことで、データの偏りを直感的に理解することができます。

下記はある記事メディアサイトでの事例です。ページごとにある指標をスコアリングし、スコアごとの月間自然検索セッション数を図示しています。

※一部マスキングしています。

※両グラフは同じデータソースを使用しています。

プロット

プロット

箱ひげ図

箱ひげ図

箱ひげ図は、データの分布を表すのに使われるものです。中央の線が中央値、箱の上が第1四分位点(大きい順に並べた時に上から1/4の数値)、箱の下が第3四分位点(上から3/4の数値)を表します。上下のひげ部分は上位・下位25%の領域を表し、線の上端が最大値、下端が最小値を表します。この表し方をすることで、平均からは判別できないデータのばらつきや傾向を把握できます。

このように2種の図示を行うことで発見があります。プロットの場合、どのスコアの場合にセッション数が増加するか判別できません。しかし箱ひげ図を見るとスコア7までは大きくは分布が変化しないですが、スコア8からは第1四分位点、中央値ともに上がっていることがわかります。また8から12までは大きくはセッション数が増加していません。

このことから、

  • セッション数を高めるためにはまずはスコア8まで上げることが必要
  • スコア8から先は12まであまり効果は出ないため、8まで到達したら他の施策の優先度を高めるべきでは

といった仮説を持つことができます。

このように分析を行う前に図示することで、データの分布を直感的に理解し、大まかな傾向を把握することができます。

適切な代表値を決める

データの全体感を掴んだ後は、どの数値を追うかを決めます。データの特徴を表す数値(代表値)の主なものは平均値・中央値・最頻値の3点です。

  • 平均値とは「全ての数値の和をデータ数で割ったもの」
  • 中央値とは「数値を順に並べた時に中央に来るもの(例:データ数が49個なら25番目の数値)」
  • 最頻値とは「最も出現回数が多い数値」

を指し、それぞれデータの分布や目的により適切なものは変わります。

例として

  • 同じ階層のランクインページに対応する各KWの順位推移を見たい場合、外れ値が多くないのであれば平均値で追うことが良いです。ただし常に外れ値がないか検証した上で、必要に応じて除外するなどの処理が必要になります。
  • 記事メディアで、カテゴリ内の各記事の流入状況を見たい場合、流入は記事により多いものからほぼ0のものまでばらつきが大きくなります。そのため、平均値で見るよりは中央値で追ったり、「一定セッション以上の記事数」などで追うことが良いでしょう。
  •     

※上記ケースも一概には言えず、状況により最適な代表値は異なります。

このように、ただ平均を使うのではなく、データに合わせて追う数値を適切に選ぶことが必要です。

④相関と因果を取り違えない

SEOにおいてデータ分析を行う際に避けられない「特定キーワードの上位表示要因調査」を行うと想定します。

その結果、例としてある記事コンテンツに対応するキーワードで 「上位サイトはどれも滞在時間が長い一方、下位サイトは滞在時間が短い。滞在時間の長さこそが上位表示の要件だ。よって滞在時間を伸ばすためにページ内に動画を入れよう」という考察を行ったとします。これは正しいでしょうか。

こうした分析の際に抑えなければいけないのは「因果関係」「相関関係」「擬似相関」の3点です。

  • 因果関係とは「Aの結果Bが起こっている関係」
  • 相関関係とは「Aが変化すればBも伴って変化する関係」
  • 疑似相関とは「隠れた変数Cが変化することでA・Bが共に変化することにより、実際はないにも関わらずAとBに因果関係があるかのように見えること」

を指します。

因果と相関

これを踏まえると、冒頭の例は「ページ内のテキスト量(=C)が多くなるほど順位(=A)も滞在時間(=B)も上がり、少なくなると順位も滞在時間も悪化する」という、順位・滞在時間ではない変数による疑似相関の可能性があります。

そのため、「滞在時間が長くなれば順位も向上するはずだ」は成り立たず、コストをかけて動画を作成しても成果に繋がらない可能性があります。

※もちろん、動画の追加により別のランキング要素に好影響が及ぼされることで順位が変化し、結果的に成果が出ることはあります。

こうした事態を避けるために、一見因果関係がありそうな複数の変数が見られても、別の可能性がないか検討することを忘れないようにしましょう。

⑤正確な順位シミュレーションは原理上不可能

多く寄せられるご相談として、「施策を実施した場合の順位/流入/CVのシミュレーションを行ってほしい」というものがあります。社内報告や稟議のために予測を求められる担当者の方も多いでしょう。

しかし、SEOにおいて正確な順位のシミュレーションを求めることは原理上できません。

理由としては

  • Googleのアルゴリズムが日々変化している以上、どんなに精度の高い予測を行おうともそれは現時点でのアルゴリズムに基づく予測であり、今後行われるアルゴリズムの変化は予測しえないため
  • 予測のためにキーワードを選定しても膨大な流入キーワードの一部でしかなく、多くのロングテールキーワードを加味できないため

の2点が大きな理由となります。

もちろん、投資判断や社内稟議のために
キーワードの検索ボリューム×(目標順位のCTR-現状順位のCTR) (×CVR) の総計
のように簡易的ですがある程度のレンジでの流入やCV予測を行うことは良いでしょう。 (投資のリターンが百万円台なのか千万円台なのか億を超えるのか、くらいのレンジです)

しかし、それ以上に正確な予測を行おうとしても不可能であり、仮にモデルを構築してもすぐに変わってしまいます。実際、弊社にご相談いただいて予測を行う際も、正確性を求めすぎるのではなく投資判断できる程度まで算出する形をとることがほとんどです。

成果を出すためにはアルゴリズムの解明や予測に意識を向けるのではなく

  • Googleのガイドラインスターターガイドに従い、ユーザーのためになる施策を行うこと
  • 改善と検証のサイクルを手数多く行い、より効果のある施策を見つけ出すこと

などを通し、長期的にユーザーにとって利便性の高いサイトにしていくことが重要でしょう。

※2018/5/25 追記

「アルゴリズムがブラックボックスであること」がシミュレーションが困難である要因ではという意見をいただきました。確かにアルゴリズムがブラックボックスであることは要因の一つではあります。しかし仮に変動がなかったり、変動頻度が少ないのであればモデルを組むことである程度解明できるでしょう。変動が激しいことが最も大きな要因と言えます。

総括

以上、いずれも基本的な話ですが、SEOでデータを扱う上で最低限意識したいことをまとめました。

計測できるデータ量を増やしたり、そのダッシュボード化をしたりすることに意識が向けられやすい風潮ですが大事なことはその上で正しい考察を導きだすことです。

正確なデータと、そのデータの正しい解釈があって初めてデータドリブンな意思決定をすることができます。

成果を出すためにも、上記のような考えを踏まえて日々施策に取り組んでいただければと思います。

備考

弊社ではWebアナリティクスの第一人者である清水誠氏を顧問に迎え、「検索顧客の体験」を可視化し分析を行う「カスタマーアナリティクス」を応用したコンサルティングを行っています。以下記事をご覧ください。

カスタマー視点とアナリティクスでSEOはこう変わる ※清水氏寄稿

ユーザーの検索体験を「SEO成果指標」として可視化する方法(概念と準備編)

そのデータの解釈、正しいですか? 「データドリブンSEO」のために知っておきたい5つのことナイル株式会社 - SEO HACKSで公開された投稿です。

Google アシスタントにあなたのレシピを届けましょう

昨年発売した Google Home は、料理のレシピや詳しい手順を音声で案内する機能を備えています。Google Home を日常的に利用するユーザーが増えてきたことにあわせて、レシピを音声ガイド対応にするための新しいガイドラインを公開しました。これによりユーザーは Google Home の Google アシスタントを利用してあなたのレシピを発見することができるようになるため、あなたのレシピはより多くの方に発見されるようになるかもしれません。新しく追加された構造化データ プロパティ(英語)を利用してレシピについての詳しい情報を提供し、さらに良質なトラフィックをサイトに呼び込んでください。

レシピのプロパティを更新してレシピを見つけやすくする

このたび、レシピに関するデベロッパー向けドキュメント(英語)を更新しました。このドキュメントに沿ってレシピのプロパティを指定することで、Google 検索や Google Home においてレシピが見つかりやすくなり、サイトへのアクセスをさらに増やすことができます。ユーザーがいろいろな方法でレシピを検索できるようにするには、レシピについての情報をできるだけ詳しく指定する必要があります。特におすすめのプロパティを紹介します。

  • video: 料理の手順を解説する動画を配列として指定できます。
  • recipeCategory: 食事の種類やコース料理での位置付け(「ディナー」、「デザート」、「メイン ディッシュ」など)を指定できます。
  • recipeCuisine: 何料理のレシピかを指定できます(「地中海料理」、「アメリカ料理」、「広東料理」など)
  • keywords: レシピに関連するキーワードを追加します。たとえば、季節(「夏」)、行事(「クリスマス」、「ひな祭り」)、特別なイベント(「結婚式」、「誕生日」)、その他の説明(「クイック」、「低カロリー」、「オーセンティック」)などを追加すると効果的です。

新たに追加された recipeInstructions を使用すると、料理の詳しい手順を記述できます。1 つ 1 つの手順は、HowToStep プロパティを使用して記述します。HowToSection プロパティを使用すると、こうした手順をセクション単位にまとめることができます。

Google アシスタント用に手順と材料を追加する

レシピを Google Home の Google アシスタントで利用できるようにするには、recipeIngredient プロパティと recipeInstructions プロパティを追加する必要があります。これらのプロパティを追加すると、レシピが Google アシスタントに対応して、ユーザーがアシスタントを通じてレシピを見つけることが可能になります。これらのプロパティを指定しない場合、レシピは Google アシスタントの音声ガイドでは利用できませんが、Google の検索結果には表示されます。

詳しくは、レシピに関するデベロッパー向けドキュメント(英語)をご覧ください。機能についてご不明な点がありましたら、ウェブマスター ヘルプ フォーラムで質問してください。

ウェブマスターとコンテンツ クリエイターの方々のお役に立つために

魅力的なウェブサイトは、有益なコンテンツやサービスを世の中に届けようとご尽力されている、サイトを運営する皆様の努力が実を結んだものです。ウェブサイトの運営は、数年前に比べれば効率化されましたが、それでも骨の折れる仕事であることに変わりありません。私たちが Google 検索の改良に膨大な時間と労力を費やしている理由はそこにあります。ユーザーがコンテンツを見つけるまでのところは Google にお任せいただき、皆様にはユーザーの役に立つ魅力的なコンテンツを作ることに集中していただきたいのです。

Google 検索でどんな処理が行われているかは、あまり気にしても仕方ないと考えていらっしゃる方が多いかもしれません。確かにコンテンツを公開しておけば、Googlebot が自動的に見つけてクロールし、コンテンツを理解してインデックス登録し、サイト内の適切なページにユーザーを誘導してくれます。しかし、技術的なことを理解しているのとまったく知らないのとで、大きな差が生まれることもあります。

Google は、サイト所有者様向けのサポートやリソースの充実に力を注いできました。Google に質問したいと感じたときや、なぜそういう結果になったのか疑問に感じたとき、技術的な問題を解決する方法がわからないときは、世界中の Google エキスパートが力を合わせて作成しているこれらのリソースをぜひご覧いただけたらと思います。

最初におすすめしたいのが Google ウェブマスターです。すべてのサポート リソース(多くのコンテンツは 40 の言語に対応しています)を 1 か所にまとめ、探している情報に簡単にアクセスできるようにしました。例えば次のようなコンテンツがあります。

サポートが必要なときの 2 つ目の選択肢が Google ウェブマスター ヘルプ フォーラムです。現時点では、16 か国語(日本語英語スペイン語ヒンディー語フランス語イタリア語ポルトガル語ドイツ語ロシア語トルコ語ポーランド語バハサ インドネシア語タイ語ベトナム語中国語韓国語)で運営されています。フォーラムには専任の Google 社員がおり、皆様の質問にきちんと回答が寄せられているかどうか目を配っています。フォーラムを管理する Google 社員のほかに、トップレベル ユーザー プログラムのメンバーとして、コミュニティを積極的にサポートしてくれるユーザーがいます。彼らには、個別のウェブサイトのコンテンツに関する情報提供や分析など、Google ではなかなか難しいきめ細かい対応をお願いしています。フォーラムは基本的に公開されたディスカッションの場ですが、必要に応じて非公開で個別に返信することも可能です。

ウェブサイト所有者が利用できる 3 つ目のサポート手段が、オンラインのウェブマスター オフィスアワーです。現在のところ、日本語、英語、ドイツ語、トルコ語、ヒンディー語、フランス語で開催しています。ウェブマスター オフィスアワーでは、Google 検索でのウェブサイトの掲載についてなど、皆様からの質問に Google 社員ができる限りお答えします。カンファレンスやイベントの一番の醍醐味は参加者との質疑応答ですが、オンライン形式のオフィスアワーは、遠方でイベントに参加できない方々と意見交換できる貴重な機会となっています。今後のウェブマスター オフィスアワーやイベントの予定については、Google ウェブマスター カレンダーをご覧ください。

これらのリソース以外にも、How Search Works (検索の仕組み)というウェブサイトを頻繁に更新し、検索を利用したいと考えているすべての方が必要な情報を確実に見つられるよう、努力しています。

ウェブ上に公開したサイトは誰でも見ることができます。しかし状況によっては、ウェブサイトの問題についてフォーラムでオープンに議論したくない場合もあることは承知しています。特に慎重な対応が必要な問題で詳細を公にしたくない場合には、フォーラムの「非公開での返信」機能を使用して、経験が豊富な少人数のエキスパートに、必要最小限の情報を提供するかたちでサポートを受けることもできます。

Google 検索とウェブサイトに関連して他にご提案などございましたら、フォーラム、オフィスアワー、Twitter(@googlewmc)宛にお知らせください。

Google Dance Tokyo 2018 を開催しました

2018 年 4 月 3 日、Google 東京オフィスにおいて、Google の検索チームとウェブマスターやサイト運営に関わるみなさんを結ぶイベント、Google Dance Tokyo 2018 を開催しました(Google Dance Tokyo は、米国 Google 本社で開催されている、検索などオンライン マーケティングの担当者を対象としたソーシャル イベントである Google Dance の日本版です)。

Google Dance Tokyo 2018 Logo
イベントには例年通り当ブログでの告知からご応募いただいた方々や、Advanced Hosting Meetup の参加者、ウェブマスター ヘルプ フォーラムトップ レベル ユーザーや注目ユーザーのみなさんをご招待し、今年は昨年までの 2 倍を超える 220 名の方々にご参加いただきました。

イベントは徳生裕人(製品開発本部長)による Breakout Session から始まり、Google アシスタントを拡張する Actions on Google の最新情報をご紹介し、続く Special Session では長山一石(Ninja Spamologist)が「Webmastering 201」と題して、SEO 中級者になるために知っておくべき Tips をお話しました。

そしてQ&A タイムは、金谷武明(Senior Search Evangelist)と小川安奈(Mobile Solutions Consultant)が司会を務め、Gary Illyes (Webmaster Trends Analyst)と長山一石も加わり、今年はウェブマスター オフィスアワーとして会場からライブで中継しました。AMP や PWA に関するご質問から新しい Search Console、モバイル ファースト インデックスなど様々なご質問にお答えしました。

Google Dance Tokyo 2018 での #ウェブマスターオフィスアワーの様子

同時に開催した参加者によるライトニング トークはテクノロジーに関するもの、検索に関するもの、キャリアに関するものなど様々なトピックについて楽しいトークが披露され、大変盛り上がりました。イベント後に行ったアンケートでもどのライトニング トークも評判が高かったのですが、その中でも特に評判が高かったトークは「Google は教えてくれない「○○」のやりかた - 辻正浩」、「Twitter 廃人による Twitter フォロワー(オーディエンス)の増やし方(2018 年版) - 千代田まどか(ちょまど)」、「サーチコンソール + SNS を駆使した、読まれるコンテンツの作り方 - 湊川あい」(すべて敬称略)となりました。ご登壇いただきましたみなさん、ありがとうございました!

ソーシャル タイムでは大倉務(Software Engineer, Tech Lead Manager in Search)や今泉竜一(Engineering Director in Search)、長崎あずさ(Technical Program Manager in Google Assistant)も参加し、Google の検索チームと参加者のみなさんとで交流を深めました。

その他、当日の会場の様子に関しては、今年もハッシュタグ #GoogleDanceTokyo で多くの感想やコメントが投稿されましたので、ぜひご覧ください。

最後に、今年もみなさんから沢山のフィードバックやコメントを頂き、Google の検索チームとしても非常に有益なイベントとなりました。頂いたフィードバックは今後の検索エンジンの改善に役立てていきたいと思います。

お越しいただきましたみなさん、ありがとうございました!
またイベントやウェブマスター オフィスアワーでお会いしましょう!

※ 残念ながら当日お越しいただけなかったみなさん、検索のご質問はウェブマスター ヘルプ フォーラムやウェブマスター オフィスアワーでも受け付けておりますのでぜひご利用下さい。また、様々なイベントに参加しておりますのでぜひ直接イベントにお越し頂き、その際にご質問いただければと思います。

Posted by Takeaki Kanaya (Senior Search Evangelist), Kazushi Nagayama (Ninja Spamologist), Gary Illyes (Webmaster Trends Analyst), and Anna Ogawa (Mobile Solutions Consultant)

コンバージョン率最適化とA/Bテスト : SMX West2018 ワークショップ

その名の通り、SEO(検索エンジン最適化)とCRO(コンバージョン率最適化)には密接な関係があります。SEOで得た流入をコンバージョンへと変換してこそ、ビジネスゴールを達成できるはずです。今回参加したSMXでは、12年間に渡り米国のCRO業界を牽引してきたアヤット・シューケイリー氏のワークショップに参加し、さらにSEOJapanとして独占インタビューをしてきました。– SEO Japan

コンバージョン率最適化とA/Bテスト

アヤット・シューケイリー氏について
米国で2番目のCROベンダーであるInvespの共同創業者。代表著書として、オライリーの「Conversion Optimization」がある。
アヤット・シューケイリー氏

あの企業ではどれくらいのテストが行われているのか

Netflix・・・年間1200以上のテストを実施
Booking.com・・・1000テスト以上が現在行われている
Facebook・・・99%の確率で10個のテストに巻き込まれている
Amazon・・・2011年には、7000テストが実施されている
Google・・・昨年は10万のテストが行われた

過去の経験からの学び

  • UIの要素を単体、パターン、機能でテストするということはない。特定ユーザーに対して特定のシナリオの中でテストを行うのである。
  • 他のサイトで上手くいったことが、あなたのサイトで上手くいくとは限らない

多くの人が弱いところ

  • 専門家としての見解
    • 整然としていない
  • 定性調査
    • 現実味がない
    • ランダムに実施される
    • 明確なネクストステップがない
  • 定量調査
    • イベントが適切に設定されていない・・・ゴミデータからはゴミアウトプットしか返ってこない
    • 当たり前すぎる
    • 現実を表していない
  • 優先付け
    • ランダムに優先順位付けをしている
  • 仮説設計
    • 意味のある仮設設計になっていない
  • テスト
    • 統計を理解していない
    • ユーザビリティテストをしていない
  • テスト後分析
    • 結論の導き出し方
    • 訪問者の理解の仕方
    • 勝者ばかりを見てしまう
    • 資料化、学習、そして興奮を共有すること

SHIPメソッド

CROを実施する過程をScrutinize(調査)、Hypothesize(仮説設計)、Implement(実行)、Propagate(展開)に分類。Invespが提唱するCROメソッド。

SHIPメソッド

Scrutinize(調査)

調査の過程で発見された課題点は、以下の4つのカテゴリに分類される

  • FIX IT RIGHT AWAY(即座に直すべき)・・・簡単なユーザビリティの改修など、テストをするまでもなく直すべき点(出血を止める)
  • INSTRUMENT(計測)・・・Google アナリティクスやタグマネージャーでの追加の設定が必要
  • RESEARCH OPPORTUNITY(調査可能)・・・テストをして検証をすべき領域
  • INVESTIGATE FURTHER(より深い調査)・・・顕在化はしていないが、ユーザーに何かしらの影響を与えている可能性がある領域。ユーザーに与えている影響を判断するために、別の調査が必要

調査フェーズ仕分け

シナリオ設計

誰をターゲットにするかは明確にしなければならない。
なぜなら、我々はこうあって欲しいという姿を顧客に求めてしまうからだ。あなたはあなた自身の顧客ではないのだ。

ぺルソナの設計(例:スーザン)
Suzan
ユニークな贈り物を友達にするためにウェブサイトを見ている
年齢、仕事、家族構成、年収、居住地域、パーソナリティ
生い立ち、贈り物をする背景
トリガーとなる言葉、目的、懸念事項、オンラインショッピングでの行動、モチベーション

定性調査

調査の流れ

  • 調査プランニング・・・調査のゴール、聞くべき質問、使用する手法、参加者数を選定
  • 調査実施・・・調査を実施し、データを集める
  • 調査結果分析・・・集めたデータを分析し、パターンを導き出し、行動可能なインサイトを得る

調査手法の種類

1体1インタビュー グループインタビュー ユーザビリティテスト 市場調査
収集できる情報の種類 深いペルソナに関する情報 市場に関するおおまかな見解 マーケットの情報は得られない 限られた市場の情報
市場に関するおおまかな情報 ×
ウェブサイトの機能に関する情報 ×
参加者への関与 ×

調査事項

  • モチベーション
    • なぜウェブサイトにやってきたか?
    • ウェブサイトで何をするつもりか?
    • どのようにしてウェブサイトを知ったか?
    • 今日はどうやってサイトにアクセスをしたか?
    • このページで何を見つけたいと思っているか?
  • 障害
    • 購入を完了する妨げとなったものはあるか?
    • 購入を断念しそうになった要素はあったか?
    • このページで改善した方が良いと思うことはあるか?
    • このサイトで注文する上での最大の懸念点は何か?
    • 今日注文をしない場合、その理由は何か?
    • 購入を完了する前に何か疑問点はなかったか?
    • このサイトを使いやすくするためには何をすれば良いと思うか?
    • このサイトを使っていて、予想と違う動作などはなかったか?
  • フック
    • なぜ我々から購入しようと思ったか?
    • 我々のサイトで最も気に入った点はどこか?
    • あなたにとって必要不可欠なものとなるために、必要な機能は何か?
  • 満足度
    • 友達に我々のサービスをどれだけおすすめしたいと思ったか?
    • 今日のウェブサイトでの体験を5段階で評価すると?
    • 我々のウェブサイトはあなたの期待に応えられたか?
    • このサイトを使っていて、予想と違う動作などはなかったか?

iPhoneのケースを販売しているECサイトの例
購入を阻害しているものは何か?

質問:購入を阻害しているものは何か?

  1. 必要な情報が見つからない
  2. 自分のスマホのサイズに合うか分からない
  3. 他の色が欲しい
  4. 送料の表記が見つからない
  5. 価格を比較したい

これらの質問の回答に対して、対応方法を分類していく。

対応方法

回答 テスト すぐ直す 調査 実行 備考
必要な情報が見つからない 何が情報として不足しているのか?
自分のスマホのサイズに合うか分からない 表記の仕方を変更する
他の色が欲しい バリエーションはあるが、適切に表記されていない
送料の表記が見つからない どうしたら視認してもらえるか
価格を比較したい

コンバージョンを増加させたデザインはこちら
勝ちデザイン

理由

  • ソーシャルプルーフを目立つところに配置
  • 最大4つの商品の利点を紹介
  • 論理的なペルソナのために機能を更に表示
  • 対応機種を明確に表記

表層意識と潜在意識
調査の回答には往々にして、「顕在化している意識」や、
「考えたり感じたりすることはできるが、口には出したくないこと」などが現れる。

しかし行動を左右していた考えなどは、潜在的な意識に落ちている可能性は現実にあり得る。
「感じることはできるが言葉には言い表せない」
「まだ気づいていないが、言われれば気づくことが出来る」
「認識はしていないが、自分の行動や感情に確実に影響している」
ことなどがそれにあたる。

1950年代ニューヨークで、エレベーターの待ち時間が長いことが問題となっていたが、
これを解決したのが「鏡」を設置することであった。
mirror

これは人々が抱える潜在的な課題を解決した良い例である。

Hypothesize(仮説設計)

PIEフレームワーク

ページ階層ごとに、3つの指標をウェイト付け。

  • Potential(ポテンシャル)・・・どれくらい改善の余地があるか?
  • Importance(重要度)・・・そのページにとってトラフィックがどれくらい重要か?
  • Ease(容易さ)・・・テストを、ページやテンプレートに実装するのはどれくらい技術的に、社内政治的に大変なものか?

PIEフレームワーク
※ホームページ、チェックアウトフォーム、商品ページに対して3つの指標からスコアリング。上記の例では、PIEスコアが最も高いのはホームページであった。

ここから各問題点毎に、優先度付けを行っていく。Invespでも独自の優先度付けモデルを使用している。
優先度付けモデル

問題点の要素

  • 潜在的なインパクト
  • 調査のどの過程で見つかったか?
  • アボブザフォールド(ファーストビュー)

テストアイディア

  • テストを実施することで主要コンバージョンに良い影響はあるか?
  • 実装の難易度はどれくらいか?(社内政治的な意味でも)
  • 訪問者の信頼を向上させるものか?
  • テストアイディアはユーザーのFUDs(恐れ、不安、疑念)を減少させるものか?
  • 訪問者の行動を促すものか?
  • エンゲージメントを高めるものか?
  • 変更の種類は?
  • ページの種類は?
  • どれくらいのページを閲覧したか?

優先度付けを行い、最終的には以下の形に集約する。
PostPrioritization
※各サイト内の課題点毎にグルーピングを行い、右列のPriorityで優先度をまとめている。

Implement(実行)

仮説設計が完了したら、テストを通して検証を行う。しかしABテストを行う際は、統計的に適切なサンプルサイズを対象としなければ、誤った帰結を得てしまう可能性がある。

偽陽性と偽陰性

テストを行い、誤った帰結を得てしまうパターンには、大きく分けてFalse Positive(偽陽性)、False Negative(偽陰性)の2種類がある

  • False Positive(偽陽性) / タイプ1エラー・・・誤っていることを正しいと結論づける。 (例:あなたは妊婦ですという医者。事実、患者は妊婦でない。)
  • False Negative(偽陰性) / タイプ2エラー・・・正しいことを誤っていると結論づける。 (例:あなたは妊婦ではないという医者。事実、患者は妊婦。)

Type1Error

検出力(Power)と有意(significance≒confidence)

  • 検出力(Power)・・・もし検出力を80%に設定すると、タイプ2エラーを起こす確率が20%くらいということになる。実際は正しいのに、誤っていると判断してしまうリスクを下げるためには検出力を高く設定する。
  • 有意(significance≒confidence)・・・有意を95%に設定すると、タイプ1のエラーを起こす確率が5%以下という事である。実際は誤っているのに、正しいと判断してしまうリスクを下げるためには有意を高く設定する。

テスト期間の試算

AB test size calculatorより試算を行うことが出来る。
テストページからのコンバージョン率を入力
キーとなる指標の予測改善率を入力
該当ページのユニークユーザー数を入力
検出力(Power)と有意(significance≒confidence)を選択
以上の手順から、ABテストに必要な期間を試算することが出来る。

Propagate(展開)

テスト結果が得られたら、そこからの気づきを展開していく。
Propagate

明らかにすべきこと

  • 結果はどのようなものだったか?
  • そこから何を学んだか?
  • 次のステップは何か?

セグメント分けは重要

常にデバイスでのセグメントは行う
セグメントをしすぎる前に、トラフィックの量を考慮する
トラフィックが十分だったか

次のステップ

  • 反復する
  • ピボット(妥当でない仮説が得られた場合)
  • より深く調査する(Investigate Further)
  • 他の調査可能範囲(Research Opportunity)に対して、新しくテストを行う
反復

反復には様々なアプローチの方法がある。

  • バリエーションをテストするセグメントを選びなおす
  • そのセグメントでは適用されなかった他のバリエーションを試してみる
  • 勝ちパターンvsオリジナルパターンの2者でテストをやり直す

反復のサイクル
反復サイクル
※(上から順に)改善するコンバージョンを決める ⇒ 仮説の変更 ⇒ 変数を特定し生成する ⇒ テストを実施する ⇒ 結果を測定する

ピボット

妥当でない仮説が得られてしまった場合、どこが誤っていたかを調べる。

  • 仮説が誤っていたのか?
  • データセットが誤っていたのか?
  • 解決策が誤っていたのか?
より深く調査する(Investigate Further)

テスト結果を解析し、ユーザーに影響を与えているというデータが十分に集まっているのならば、ABテストやユーザビリティテストなどでの調査可能範囲(Research Opportunity)として扱う。

エントリーフォームの例

Before

このページにおける離脱率が高く、カスタマーインタビュー等でこのページの情報には懸念があることを表していたので、
我々はページをより読みやすくシンプルにし、インセンティブを含むことで、離脱率を低下させ、コンバージョン率を10%上げることが出来ると考えた。

そして、この仮説を基にテストを実施した。

After1

しかしテストの結果、コンバージョン率が10%低下してしまった。

そこで、計算式の箇所の情報がユーザーの認識を低下させていると仮説を変更し、計算式の箇所のシンプル化を行った。

After2
その結果、コンバージョン率は35.4%向上した。

他の調査可能範囲(Research Opportunity)に対して、新しくテストを行う
  • 貴重な情報はテストのインサイトから来る
  • その情報を優先度付けシートに入れ込む
  • すでにテストで検証された項目ごとに、優先順位をつけて実施する。

世界が取り組むCRO


「実験の数を100から1000に増やすことが出来たならば、生み出すイノベーションの数も劇的に増えるであろう。」― Amazon CEO ジェフ・ベソス氏
ジェフ・ベソス氏

「Facebookのフロントのメンバーは、上司の許可なく1~10万規模のユーザーに自身で考えたテストをして良いことになっている。実際、Facebook上では常に何万もの実験が行われている。この仕組みは官僚的な階級制度や、無駄なミーティング、政治を排除している。」― Facebook CEO マーク・ザッカーバーグ氏
マーク・ザッカーバーグCEO
コンバージョン最適化はリニアではなく、顧客ドリブンなものである。

アヤット氏インタビュー

世界のトップレベルCROストラテジストと話す絶好の機会という事で、ご本人に直接インタビューをしてきました。

アヤット氏インタビュー

SEO Japan:早速ですが、13年間アメリカでCROの推進をしてきた中で、どのような障害に直面しましたか?日本ではSEOとCROの管轄部署の違いなどが課題になっています。

アヤット氏:私がCROを始めたころは、責任者に話をしても「CRO?何の略?SEOじゃないの」という感じだったわ。だからまずはこういうカンファレンスでCROのイントロダクションなどを通して彼らを教育して、興味を持ってくれるような会社に対してはなぜCROが重要なのかを伝えるところから始めたわ。
でも彼らからマーケティングの予算をとる時は、オンラインでのデータ等を見せるようにしていたわね。

SEO Japan:では、そのデータをベンチマークとして企業に提示していたんですね?

アヤット氏:その通り。証拠を見せるのが最も簡単なコミュニケーションの方法だからね。特に「これだけ収益を逃しているのよ」というデータは効果的ね。「なんでみすみすこれだけのユーザーを見逃してしまっているの?」ってね。

SEO Japan:それは理解しがたいですね。

アヤット氏:そう。彼らには「今あなたたちはたしかにこれだけの収益を上げているけど、本来は○○ドル上げられるチャンスがあるのに見逃してしまっているの。」と言ったわ。日本なら、円(YEN)ね 笑。 彼らにとっては切実な問題だから、サイトに訪れた後のコンバージョンを改善してあげる必然性が生まれるのね。

SEO Japan:なるほど。

SEO Japan:もし提案先がSEO対策もしておらず、十分なトラフィックを得ていない小さな企業のような場合はCROサービスは提供していなかったのですか?

アヤット氏:もちろん流入のある大きな会社に対してもそうだけど、小規模な会社に対してもユーザビリティの改善等は行っていたわ。
たとえ規模が小さかったとしても、決定的な欠陥が無くユーザーが使えるようにするのはトラフィックを増やすのと同じようにやるべきことなのよ。

SEO Japan:(ワークショップで言及していた)「Fix it Right Away(すぐに直すべきこと)」を無くせってことですね?

アヤット氏:小さな会社ならば、大体がRight Away(すぐにやるべきこと)ね。

SEO Japan:CROの提案をするにはどれだけのトラフィックが必要と考えてましたか?

アヤット氏:私たちはコンバージョンに基づいて、提案するかを考えていたわ。ワークショップで見せたスライドで100~150CVくらいと見せたけど、統計的優位性を考えるとそれくらいね。
でももし、この水準に達していない会社に提案をすることになったとしましょう。それでもテストをしなければならないときは、ページ単位での遷移を見たわ。購入だけがコンバージョンではないの。

SEO Japan:つまりマイクロコンバージョンを設定したと?

アヤット氏:そうマイクロコンバージョン。だからゴールは「このボタンをクリックするか」というところになるわね。

SEO Japan:サブスクリプションに結び付くかなどもこれに入るわけですね。

SEO Japan:最近巷ではAIに関連する商品やサービスなどがあふれていると思いますが、AIとCROが組み合わさるとどのようなことが起きるでしょうか?

アヤット氏:実際、AIを使って次にテストすべきことを予想するようなテストエンジンなどはもう生まれているわよね。でも、私はこれに対しては少し懐疑的だわ。
なぜならCROで大事なのは顧客に「共感」することだと考えているからよ。これはロボットにできるかしら?
ロボットはデータをアウトプットすることには優れているかもしれないわね。でもCROではそのデータから意味を導き出して、顧客のインサイトを理解することが必要。その点においては人間の方が優れているから、AIにCROストラテジストの仕事をさせるのは難しいと思うわ。
それらの技術をどのように使うかをどう使うかを考えるべきだけど、少なくとも現状のAIには限界があると思う。でも、特に日本はエンジニアが優秀なエンジニアがいるから、優れたものが生まれると思うわ。

SEO Japan:Optimizely、VWO、Google Optimizeなど様々なCROツールがあると思いますが、アヤットさんから見て、最も有用なツールは何でしょうか?
アヤット氏:それぞれにプロコンがあって、費用も違うから一概に言うのは難しいわね。マーケティングのツールは市場に6000もあると言われていて、それぞれが必要なシチュエーションにおいて役割があると思うわ。


米国では名だたる企業が実践しているという事もあり、CROの重要性は日本以上に認識されているなと感じました。
アヤット氏は物腰が柔らかく、突然のインタビューにも関わらず快く応じてくださりました。また、Invespのブログ記事の紹介に関してもご快諾いただけたので、今後SEOJapanでも記事をご紹介して参りたいと思います。
— SEO Japan

Symantec の PKI の無効化について: 要対応確認

この記事は Chrome セキュリティ チーム、Devon O'Brien、Ryan Sleevi、Emily Stark による Google Security Blog の記事 "Distrust of the Symantec PKI: Immediate action needed by site operators" を元に翻訳・加筆したものです。また、Google Developers Japan ブログに投稿された記事のクロスポストです。詳しくは元記事をご覧ください。

以前にお知らせしたように、Chrome での Symantec の認証局(Symantec が所有する Thawte、VeriSign、Equifax、GeoTrust、RapidSSL などのブランドも含む)への信頼が無効化される予定です。本投稿では、サイト運営者が今回の無効化によって影響を受けるかどうかを判断する方法と、影響を受ける場合、いつまでに何をする必要があるのかについて説明します。対象となる証明書の置き換えを行わないと、Chrome などの主要なブラウザの今後のバージョンで、サイトを正しく閲覧できなくなります。

Chrome 66

2016 年 6 月 1 日より前に発行された Symantec の SSL/TLS 証明書を使っているサイトは、Chrome 66 で動作を停止します。これにより、すでにユーザーに影響が出ている可能性があります。

サイトで対象となる証明書を使っているかどうかわからない場合は、Chrome Canary 版で変更をプレビューして、サイトが影響を受けるかどうかを確認できます。サイトに接続した際に、下のような証明書エラーや DevTools での警告が表示される場合、証明書を置き換える必要があります。新しい証明書は、どの信頼されている CA からでも取得できます。最近 Symantec の CA ビジネスを買収した Digicert も利用できます。

2016 年 6 月 1 日より前に発行された Legacy Symantec SSL/TLS 証明書を使っている場合に Chrome 66 ユーザーに表示される可能性がある証明書エラーの例。 


Chrome 66 のリリース前に、証明書を置き換える必要がある場合に表示される DevTools のメッセージ。

Chrome 66 は、Canary チャンネルと Dev チャンネルですでにリリースされています。そのため、これらの Chrome チャンネルを使っているユーザーは、すでに影響を受けている可能性があります。影響を受けるサイトが 2018 年 3 月 15 日までに証明書を置き換えなかった場合、Chrome ベータ版のユーザーにもエラーが発生し始めます。Chrome Canary 版から現在のサイトを開いてエラーが発生する場合、できる限り早く証明書を置き換えることを強くおすすめします。

Chrome 70

Chrome 70 以降、他のすべての Symantec SSL/TLS 証明書が動作しなくなり、前述のような証明書エラーが発生します。お使いの証明書が影響を受けるかどうかを確認するには、現在の Chrome を使ってサイトにアクセスし、DevTools を開きます。証明書を置き換える必要がある場合、そのことを通知するメッセージがコンソールに表示されます。

Chrome 70 のリリース前に、証明書を置き換える必要がある場合に表示される DevTools のメッセージ。

DevTools にこのメッセージが表示される場合は、できる限り早く証明書を置き換えてください。証明書を置き換えないと、早ければ 2018 年 7 月 20 日より、サイトで証明書エラーが発生し始めます。最初の Chrome 70 のベータ版リリースは、2018 年 9 月 13 日頃を予定しています。

Chrome のリリース予定スケジュール

下の表は、Chrome 66 および 70 の最初の Canary 版、ベータ版、安定版リリースの日程を示しています。リリースによって受ける影響は、最初の Canary 版リリースのタイミングから発生しはじめます。それ以降、ベータ版、そして最終的に安定版がリリースされるにつれて、対象端末が徐々に広がります。サイト運営者の方には、Chrome 66 および 70 の最初の Canary リリースが行われる前、遅くともベータ版のリリース日までに必要な変更を行うことを強くおすすめします。

リリース
最初の Canary 版
最初のベータ版
安定版リリース
Chrome 66
2018 年 1 月 20 日
~ 2018 年 3 月 15 日
~ 2018 年 4 月 17 日
Chrome 70
~ 2018 年 7 月 20 日
~ 2018 年 9 月 13 日
~ 2018 年 10 月 16 日

特定のバージョンの Chrome のリリース スケジュールに関する情報は、Chromium 開発カレンダーにも掲載されています。リリースのスケジュールが変更になった場合は、このカレンダーが更新されます。

特定の企業ユーザーのニーズに対応するため、Chrome 66 以降では、Legacy Symantec PKI の無効化を停止する Enterprise Policy も実装されます。2019 年 1 月 1 日には、このポリシーは利用できなくなり、すべてのユーザーに対して Legacy Symantec PKI が無効化されます。

特記事項: Chrome 65

以前のお知らせにありましたように、2017 年 12 月 1 日以降に Legacy Symantec PKI から発行された SSL/TLS 証明書は信頼されなくなります。対象となる証明書は、DigiCert と特別な契約を結んでいなければ取得できないので、これによって影響を受けるサイト運営者はほとんどありません。Chrome 65 時点で、対象となる証明書を使っているサイトにアクセスすると、エラーが発生してリクエストはブロックされます。このエラーを回避するには、対象となる証明書が Chrome などのブラウザではなく、以前の端末のみに対してサービスを提供するようにします。


Reviewed by Eiji Kitamura and Yoshifumi Yamaguchi - Developer Relations Team

4次元的SEOのススメ 〜多角的なSEOの捉え方〜

こんにちは、ナイルの渡邉です。先日書いた記事の反響がわりとよかったので調子にのってもう1記事書きました。今回のテーマは“4次元的SEOのススメ”。「何言ってるんだ、こいつは」という声もあるかもしれませんが、まあ読んでみてください。

伝えたいこととしては「一般的に言われている“SEOはコンテンツが重要です”的な表面的な言葉だけに踊らされずに、色んな角度からSEOを捉えてみよう」ということです(“4次元”の定義や使い方がおかしいといった意見はあるかもしれませんが、キャッチーさを重視しているので定義とかあんま気にしてません)。

こんな方に読んでほしいです

  • SEO=記事コンテンツを作ることだと思っている方
  • 技術的なSEO施策にばかり目を向けてしまっている方
  • 上手くいっている競合サイトを真似すれば成果がでると思っている方

背景:SEOにおける「虫の目、鳥の目、魚の目」とその限界

物事の捉え方として、「虫の目、鳥の目、魚の目」というのを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。以下の3つの視点です。

  • 虫の目:現場にいって「細部」を見る、ミクロな視点
  • 鳥の目:俯瞰して「全体感」を見る、マクロな視点
  • 魚の目:物事の「動きや流れ」をみる視点

もともと自分自身も上記の視点でもってSEOを考えてきました。しかし、それだけではなんか足りてない気がするなあと感じていました。そこで色々考えた末に「時間軸」も加えて4次元的に考えてみようというところに至りました。それぞれの考え方自体は皆さんもおそらく普段やっていることだと思いますが、以下説明していくので思考の整理もかねて読んでみてください。

1次元:点で捉えるSEO

対象項目:キーワード、ページ、内部調査項目 etc.

例えば、キーワードが何位にいるか、ページがあるかないか、titleタグはどうだ、index状況はどうだといった各項目について1つひとつ調べて対策を考えていく、つまり各項目を「点」として捉えていきます。

180408_1次元_点のSEO

3つの視点でいうと、「虫の目」的な考え方です。「個別の項目について現場目線で細部まで徹底的に調べる」のがポイントです。 180408_SEO内部調査項目上記のような内部SEO調査をやっている人は普段こういった考え方でSEOに取り組んでいる印象です。

2次元:線と面で捉えるSEO

点と点を結ぶと「線」になり、もう1つ点を足すと「面」になります。2次元SEOにはこの「線」と「面」という2つの考え方が内包されています。

線と捉えるSEO

3つの視点でいうと「動きや流れ」に着目した「魚の目」的な捉え方です。

対象項目:カスタマージャーニー、「SEOの一連の考え方」 180408_2次元_線のSEO

カスタマージャーニーに現れるユーザーの「動き」

180408_2次元_カスタマージャーニー

SEOの一連の「流れ」
SEO一連の流れ カスタマージャーニーにおいてはユーザーの心理状態や行動をステップで考えますし、前回の記事で紹介した「SEOの一連の考え方」ではキーワード→ページ→コンテンツ…といった流れで施策項目を順番に考えていきます。

参考)素人にありがちなパッチワーク的SEO施策はもうやめよう

面で捉えるSEO

SEOを考えるときに意外に忘れがちなのがこの「面」という「カタマリ」で考えるやり方です。

対象項目:キーワードグループ、ページグループ 180408_2次元_面のSEO

180408_2次元_グループの考え方

1つのキーワードや、1ページに焦点を当てもわからなかったものが、複数のキーワードグループやページグループというカタマリで捉えてみるとその共通項が見え、より状況が鮮明になります。キーワードやページのグループ単位での課題や施策方針が考えやすくなります

3次元:立体で捉えるSEO

「面」に対して1つ点を追加すると「立体」になります。3つの視点でいうと「鳥の目」的な捉え方です。俯瞰した視点でサイトの全体観を見る時に使います

対象項目:サイト全体観、コンテンツボリューム、コンテンツ同士のつながり180408_3次元_立体のSEO
180408_3次元_コンテンツ位置関係

 

サイトを立体的に捉えてみると、今狙っているキーワードがどこになるのか、対象となるコンテンツはどの位置にあるのか、コンテンツのボリュームはどこが多いのか、サイトのもつリンクパワー(リンクジュース)をどうやったら注力コンテンツ(ページ)に流せるのか、といったことがイメージしやすくなります。

4次元:時間で捉えるSEO

最後に「時間軸」という概念を取り入れた考え方です。なぜこれをやるのかというと、すでに成果が出ている競合サイトを真似すれば成果がでるわけではないからです。

対象:サイト全体 180408_4次元_時間のSEO 180408_4次元_競合サイトの模倣

数年前にキュレーションメディアやアグリゲーションメディアが流行った時に、「あのサイトみたいにしたい!」と色んなサイトが勃興し、先行している競合サイトの取り組みを参考に施策を行っている会社さんが「同じことやっているのに思うような成果が出ないのでなんとかしてほしい」という相談がよくありましたが、それでは上手く行きません。なぜならドメインの運用歴やページ数、コンテンツやリンク施策など複合的な要素が影響して、その集大成として順位やトラフィックという成果が出ているからです。

私がコンサルティングで関わらせて頂く場合でも、「競合サイトはこういった観点で評価されています」という調査分析や考察はもちろん行いますが、それに対して「ただ、貴社のサイトで同じことやるのは今じゃないです」という見解を出すことも多いです。それはこの時間軸という考え方が前提としてあるからです。

こういった視点をいれてみると、「競合よりもインデックス数が少ないからとページ数を増やそうと躍起になること」や「競合を真似てつくったコンテンツで思うようなトラフィックを得られなくて思い悩んだりすること」が杞憂だと感じるのではないでしょうか。

終わりに

昨今のSEOにおいて言えるのは、キーワードやコンテンツ、技術的な施策云々…という次元ではなく、複合的な要因がSEOの成果是非を決めているということです(昔よりも技術的な最適化や、コンテンツやリンクの質量問題の比重が下がったとも言いかえることができると思います)。

180408_SEOに影響する要素

めちゃくちゃ大変そうな感じで書いてはいますが、とは言えやるべきことは以前とそれほど大きくは変わっていません。”やること”というよりは”捉え方”が変わったと個人的には思っています。

180408_4次元SEOまとめ表だからこそ、「ひたすらキーワードの検索ボリュームを調べてコンテンツを作る」という手法論に陥るのではなく、上記のように多角的な視点で捉えた上でそれぞれにおける課題と実施すべき施策を考えていくという取り組み方が必要になってきているのではないでしょうか。

参考)SEO=「ユーザーにとって役に立つコンテンツを作る」に対する違和感

 

※4/12追記:優秀な新卒メンバーから「渡邉さん、点は0次元ですよ。なので定義が間違ってます」と冷静なツッコミをもらいました。ということで、定義は下記の通りらしいです。勉強なりました。

・0次元:「点」

・1次元:「線」

・2次元:「面」

・3次元:「立体」

・4次元:「時間」

 

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