衆院選の歴史をまとめたレスポンシブ・インフォグラフィック

昨日ご紹介した新会社エコンテにて早速インフォグラフィックを作ってみたので紹介します。 — SEO Japan

アイオイクス時代と同じインフォグラフィックでは進化がない、ということで、インタラクティブ&スマホ対応(レスポンシブ)にしてみました。

衆院選の歴史をまとめたインタラクティブ・インフォグラフィック

1890年から始まった衆議院選挙の歴史を見やすく表現できるよう、インタラクティブ・チャートを利用しています。チャートでは各党議席数を比較できるよう、前回の結果もあわせて表示。数値や一枚絵では気付きにくいデータの変化や傾向を、直感的に把握させてくれるデータ・ビジュアライゼーションを目指しました。

第1回から最新の選挙まで、衆議院選挙のインタラクティブ・チャートを通して見る、日本の選挙の歴史をお楽しみください!

米国を中心に始まったデータ・ジャーナリズムが日本でも注目されていますし、このようなインタラクティブなインフォグラフィックの活用法は今後進んでいくのではないでしょうか。またスマホ全盛時代の今、PCはもちろん、スマホ、タブレットでも快適に閲覧できるレスポンシブルなインフォグラフィックも今後必要となっていくのではと思います。エコンテでは他に先駆けてこういった新しい取り組みを積極的に行っていきたいと思います。 — SEO Japan

パンダとペンギンに生活を左右される日々の終わり

2015年も始まりましたが、昨年後半期待された?大型イベントといえばペンギンアルゴリズムのアップデートでした。予想以上に盛り上がらなかったのは想定の範囲内、といった感じだったかもしれませんが、そんな内容から改めてペンギン&パンダの最新状況を考える記事を。SEO業界を揺るがしてきた2大アルゴリズムの今とは。 — SEO Japan

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ペンギン 3.0(日本語)が登場してから数か月が経過した。「大きな影響を与えていない」、と言うのが大方の見方だ。事実、検索結果に変化が生じたのは1%に満たないとGoogle自身が報告している。

ペナルティーを受けたと主張するサイト全体で同じ様な結果が出ていた。私がマーケティングコンサルタントを務めるRankAboveでは、大量のデータを用いて分析を行っている。この中には、クライアントのデータもあれば、有益な情報を得るために、弊社自身が集めているデータもある。

ペンギンのインパクトを受けたサイトに対する、追跡中の25,000点近いキーワードにおいて、ほとんど変化は見られなかった。

Ranking Delta after Penguin

ペンギン 3.0後のランキングデータ

と言うことは、前回のアップデートが行われ、一部のウェブサイトを奈落の底に突き落とした時点から状況はほとんど変わっていないことになる。

ペンギン 3.0によって、窮地に陥った多くの小規模なオンラインビジネスが救われるのではないか、と言う期待があった。しかし、この期待を裏切る結果が出ている。今後も、過去の大きな変化と同じようなレベルの変化は生じない可能性が高い。ペンギン 3.0は安定期に入っており、新たな標準が確立されたと言えるだろう。

しかし、赦免を求めていたオンラインビジネスはどうなってしまうのだろうか?なぜか回復しなかったのだろうか?

ペンギン & パンダの仕組み

ペンギンとパンダのリリースによって、検索エンジン結果ページ(SERP)の再編成が行われた。これは必要とされていた変化であった。当時、ガラクタのようなページやスパムがSERPに蔓延していたためだ。そして、このようなウェブページは今も健在である。

ペンギンとパンダのアップデートはスパムの問題を解決するために行われた。不正をしているサイトの価値を低く評価することが可能なシステムを導入し、GoogleはSERPを揺るがした。その結果、様々な取り組みによって得た「妥当」なポジションを失うサイトが現れた。

最大の誤診であった可能性もある。しかし、実際に上位に値しないサイトもあった。つまり、不正な取り組みによって人為的に上位にランクインしていたサイトのことだ。

そのため、このタイプのサイトを運営しているなら、そもそも、人工的に到達したランクに戻ることが出来るなどと期待するべきではない。現在のペンギン後の位置こそが相応しい場所だと言える。

サイトがペンギンに捕まるとどうなるのかに関して、様々な推測が行われている。悪質なリンクによるメリットを全て失い、ペナルティーが新たに科されるのか?あるいは、SERPの本来あるべき位置まで落とされるだけなのだろうか?

Devalued Links vs Penalty Links

最新のアップデートによって、不正な手を用いたサイトは妥当な、粉飾されていない場所に落ち着いた、と私は見ている…追加のペンギンペナルティーが科されなければの話だが。

ペナルティーであれ、ペナルティーではないのであれ、サイトが被ったランキングの落下においては、その差はたいして重要ではないと思う。

実際の「ペンギンペナルティー」は幾つかの理由で、それほど大きな影響を与えていないと私は推測している:

  1. データを参考にする限り、SERPにおいて大きな変化が見られないため。
  2. ペンギンにつかまった大半のサイトはリンクプロフィールを整理したものの、ランキングはほとんど上がっていないため。

また、SERPにおける変化が少ない理由に関して、リンクの年齢と鮮度を考慮する必要もありそうだ。2012年より前にスパムリンクを日常的に構築していたウェブサイトは、新しい品質の高いリンクの獲得にほとんど時間を割いていなかったはずだ。

そして、2012年以降は、スパムリンクを整理する作業に力を入れ、新しい質の高いリンクを入手する取り組みはまだ行っていないのではないだろうか。要するに、過去2年間で被リンクのオーソリティは弱体化したのだ。簡単に言うと、2011年に得たリンクは、2014年に得たリンクほど価値が高くない。

Graph of Ranking Change Speculation

 

パンダとペンギンに生活を左右される日々に終止符

最終的に妥当なランキングに落ち着いたのではないだろうか。パンダとペンギンは2、3年間に渡ってSEO業界を揺るがしてきた。この2つのアルゴリズムのことを良く知る時間は十分にあり、また、過去の手法が効かなくなったことは明白である。

古いリンク構築の手法、そして、古い例レベルなコンテンツは効果がなく、求めている結果を得ることは出来ない。

リンク構築はマーケティングに過ぎない。ペンギンとパンダはこの点を私達に気づかせ、本来の検索エンジンによるリンクへの対応を反映させただけだ。

優れた、質の高いコンテンツを作る。その良質なコンテンツを基に、関連性があり、信頼のあるリンクを獲得する。このプロセスを繰り返し、鮮度を維持して、質が高く、有益で、価値の高いコンテンツをコンスタントに与えていく必要がある。

アルゴリズムのアップデートを気にする必要はない。(スパマーを除いて)その時期は終わったと言える。

これは新たな標準として確立されただけでなく、現実であり、そして、あるべき姿でもある。そのため、「回復しなかった」ことを嘆き悲しむのではなく、前向きな取り組みを行うべきだ。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Is This The End Of The Penguin & Panda Era Shakeups And Recoveries?」を翻訳した内容です。

パンダとペンギンに生活を左右される日々に終止符が打たれた、というのはSEOを長くやってきた方であれば既に何となく実感しているのではないでしょうか。検索ユーザーにもウェブマーケッターにもポジティブなこととも思いますが、かつてのトリック派には少し物足りない時代かもしれません 汗 だからこそのコンテンツマーケティングだったりするわけなんですけどね。我々も新会社まで作ってしまいましたし、SEOの形は変われどより地道に着実に努力していきたいと思います。– SEO Japan

コンテンツマーケティング専業会社「株式会社エコンテ」を設立しました。

この度、新たにコンテンツマーケティングに特化した専業会社を設立しましたので、SEO Japanでも紹介させていただきます。 — SEO Japan

【概要】
ウェブマーケティング事業を手がけるアイオイクス株式会社は、インフォグラフィック制作やネットリサーチ、メディア運営等を含めたコンテンツ関連事業を分社化し、コンテンツマーケティング事業に特化した株式会社エコンテを新たに設立いたしました。

【背景と目的】
ソーシャルメディアやモバイルデバイスの急激な普及、そして検索エンジンの進化に伴うSEO(検索エンジン最適化)市場の変化に伴い、ウェブマーケティングにおける、コンテンツマーケティングの重要性が高まっています。アイオイクスでは、主事業のSEOサービスの一環として、古くからネットリサーチを活用したコンテンツ制作を行い、また2010年から開始したインフォグラフィック制作の実績も100本を超えるなど、いち早くコンテンツマーケティング事業に取り組んできました。コンテンツマーケティング事業を専業会社化することで、拡大するコンテンツマーケティングの需要に応えてまいります。SEOのリーディングカンパニーとして培ってきたサイト集客や分析力も加え、「リサーチ」「コンテンツ」「集客」「分析」を駆使した、専業会社ならではの統合的なコンテンツマーケティング施策、オウンドメディア構築サービスを提供いたします。

【新会社の概要】
商号 株式会社エコンテ
所在地 東京都渋谷区恵比寿3-46-3
設立 2014年12月17日
代表者 代表取締役社長 滝日伴則
資本金 1,000万円
事業内容 コンテンツマーケティング事業
URL http://econte.co.jp/

【事業内容】
株式会社エコンテは、大量生産型のコンテンツマーケティングとは一線を画した、他社との違いを生み出す「ひとつひとつの物語を描く」コンテンツ制作にこだわります。特に得意分野のインフォグラフィックでは、デバイスの多様化や今日のユーザー行動に合わせて進化した次世代型のインフォグラフィック作成にも挑戦していきます。またサービス事業だけではなく、コンテンツマーケティングのノウハウを活かした独自のオウンドメディア運営やテクノロジーソリューションの開発も行っていく予定です。コンテンツマーケティング市場のさらなる活性化と、インターネット上における質の高いコンテンツ創出に貢献していけるよう尽力してまいります。

上記はプレスリリースとほぼ同じ内容なので、コメント欄にて何点か補足させていただきます。

SEO Japanでも最近はSEO以上にコンテンツマーケティング関連の記事を多く配信しているように、SEOとコンテンツマーケティングは近年切っても切れない関係になりつつあります。アイオイクスでは、他社に先駆けてコンテンツマーケティングに取り組んできましたが、ブランド的にも社内体制にもSEO色がどうしても強くなり、SEOのためのコンテンツマーケティング、という関わり方になりがちでした。

今回、分社化・専業会社化することで、よりコンテンツファーストなウェブマーケティング会社を作りたいという想いが強くあります。SEOはもちろん、インフォグラフィック、リサーチの実績を元に、他ではできないコンテンツマーケティングサービスを提供していきたいと思っています。

アイオイクスから分社化しての会社設立は一昨年のデータアーティスト以来です。エコンテは当面私が代表を兼務しますし、我々にしかできない新たな取り組みに果敢にチャレンジしていくつもりです!アイオイクス、データアーティストに続き、エコンテもどうぞよろしくお願い申し上げます。 — SEO Japan

2015年、Googleに死角なし

2015年も始まりましたが、今年もGoogleはその圧倒的な存在を検索や広告市場はもちろんそれ以外の分野でも示し拡大していけるのでしょうか?ネイティブ広告の台頭でGoogleのシェアが弱まるという話もあったりします。今回はGoogle評論家といえばこの人、SEO Bookによる大変興味深い分析記事を紹介します。Googleの進む道を理解せずしてSEOのみならず、ウェブマーケティングにも勝利なし。 — SEO Japan

Googleは検索業界で頂点に立っている。しかし、検索以外の分野においては無能なのだろうか?

数週間前、テクノロジー戦略の専門家のエン・トンプソンがGoogleはピーク時のIBMとMicrosoftと同じ道を歩み、恐らく、検索広告はネイティブ広告に圧倒されるのではないかと示唆していた。

Forresterによると、デジタル広告の支出は、2、3年後にTV広告の支出を上回るようだ。確かに、ここ最近スポンサードコンテンツの台頭は目立つものの、ネイティブ広告にはカテゴリーすら与えられていないのが現状だ。

ネイティブ広告は曖昧であり、広告かどうか分からないアイテムもある。明らかな広告もあるが、その場合でもYouTubeの動画広告等、複数のカテゴリーにまたがる場合もある。 また、比較的新しく、規模が小さ過ぎるタイプのネイティブ広告もある。Amazonは支払いサービス & プライム配送契約を第三者の企業のサイト(AllSaints等)にも拡大し、このようなサイトの在庫をAmazon.comに表示し、CPCベースでトラフィックを売っている。この取り組みはネイティブ広告に含まれるのだろうか?また、在庫をメタ検索サイトに同時配信するチケットの仲介業者やホテル予約サイトもネイティブ広告に含まれる可能性がある。

このように、ネイティブ広告には曖昧な部分が多い。また、Googleは既にDoubleClickでネイティブ広告の管理機能を提供し、BuzzFeed等のネイティブ広告で成功しているサイトと提携を結んでいる。

検索におけるペニーギャップがもたらす影響

Timeは来年全てのメジャーなメディアで有料制をテストし、第三者と協力して、People.com等のサイトにアフィリエイト広告を統合する。

因みに、上の文の2つ目のリンクは、ペイウォール(有料)記事に向かう。Twitterでウォールストリートジャーナルの記事に向かうリンクをクリックすると、有料の記事に到達することが多い。有料の記事に記載された重要な情報が瞬く間に広がることもあるが、通常は、有料記事の内容をレポートする、競合する無料サイトの方がシェアされることは多い。また、無料サイトの記事は、ソーシャルメディアでさらに拡散され、Hacker News等のフォーラムやディスカッションサイトで取り上げられ、TechMeme等のアグリゲータで注目を浴びる。その結果、より多くのリンクを獲得し、SERPで上位にランクインし、当該のストーリーのデフォルト/正規のソースになる。

コストの食い違いが生じることで、大幅に金銭的なコストを上回る点が、ペニーギャップの問題点の一つとして挙げられる。支払いに注目を集めることが出来るなら、至るところで少しづつユーザーに課金するよりも、ユーザーの行動を観察し、収益化する方が、通常、多くの収益を得られる。

有名なサイトは無料版を提供しなければ、マーケットのポジションを確保することは出来ない

様々なサイトに対する購読を盛り込むサイトも存在するが、その一部はHighbeam Researchのように、記事の一部のみを表示して、残りの記事を読む料金を請求していた。しかし、この手のサイトは、パンダによって壊滅的なダメージを受けていた。コンテンツにアクセスする障害が大き過ぎると、エンゲージメントはごく僅かになり、ペナルティーを科される可能性がある。一部のサイトにおいては、一般的な登録プロセスであってもアクセスする際の障壁となる。GoogleはGoogleに表示されるコンテンツをエンドユーザーにも見せるべきだと要求している。この要求が満たされていない場合、クローキングを行っていると見られてしまう — ただし、Googleが提供するコンテンツに鍵をかける消費者調査を使って収益化している場合、特別扱いしてもらえる。

各種の第三者のコンテンツに対して、継続的な購読料金を要求することが可能な需要を得るには、ある程度の規模が必要となる。この規模に達することが出来るのは、どんなビジネスなのだろうか?例えば、楽曲を提供する少数のビジネス(Apple、Spotify、Pandora等)、そして、動画を提供する少数のビジネス(Netflix、Hulu、Amazon Prime)が挙げられる。この手のサービスを除くと、大半の購読サイトは、金融等のニッチなトピックに限られ、規模は小さい。その上、ペイウォールによって蓋をされたコンテンツは、無料で見ることが可能な公開されている広範なマーケットと比較すると、見てもらえる機会は圧倒的に少ないと言わざるを得ない。

購読ベースのモデルがうまくいく広範なニッチの業界に属していても、Googleとの戦いには苦戦を強いられる可能性が高い。Googleの最高事業責任者がSpotifyの経営陣に加わったことで、SpotifyはGoogleから睨まれずに済むはずである。ただし、何やら雲行きは怪しい…

プレミアムコンテツに対するGoogleの影響

私は以前から、Googleが好都合なメディアの契約を得るために、著作権侵害を活用してきた点を指摘してきた(このインフォグラフィックの2つ目のポイントを見て、確認しておこう)。私の考えを皮肉と取る人もいたが、著作権を侵害する行為との「継続的な戦い」にGoogleが言及した際に、真っ先に挙げたのは、広告ユニットを増やす取り組みであった。

無料のオプション、有料のオプション、そして、その中間のオプションもある。GoogleとYouTubeは後者を採用し、その一方で、ビジネスモデルをテストし、有料のオプションへのトラフィックの流れを収益化している。

「テクノロジー企業は長期に渡るプレミアムコンテンツの価値を認めていない」 — ジェシカ・レシン

大きな価値のズレが生じており、その結果、多くのビジネスが何度も何度も戦略を練り直さなければならない状況に直面している。グレイエリアは常に変動するためだ。

多くのビジネスの利鞘は10-15%程度だ。オンラインパブリッシングを生業とする会社は、トラフィックの20%が消えると、持続可能であったビジネスモデルが、一夜のうちに自転車操業に陥る。一方、思い通りにオンラインのトラフィックを動かす/向きを変えることが可能な企業は、「支配者」になる

ドイツでは、一部のパブリッシャーがGoogleに対してインデックスへの掲載料を取ろうとした。その結果、Googleはこのパブリッシャーのリスティングの近くにスニペットを表示しなくなった。さらに、ニュース検索を通常の検索結果に統合する方法を見直し、Reddit等のソーシャルサイトを含む広範囲のソースを盛り込む決断を下した。すると、Google検索のトラフィックは40%落ち、さらに、Google ニュースのトラフィックは80%落ちたため、アクセル・シュプリンガー(インデックス料を求めた企業の一つ)は以前の状態に戻してもらいたいとすぐにGoogleに要請せざるを得なくなった。その結果、同サイトのスニペットは再び掲載されるようになったものの、「ニュース内」の変更は撤回されなかった

弱者に与えるGoogleの影響

Googleは大手メディアのアクセル・シュプリンガーに対して大きな影響力を持つ。それでは、その他の規模の小さい、弱いビジネスに対しては、一体どれぐらいのインパクトを与えることが出来るのだろうか。

この問いに対する答えを知りたいなら、Demand Mediaが直面したシチュエーションを振り返ると良いだろう。

Demand Mediaはピーク時に19億ドル以上の価値があると言われていた企業だ。同社は、ドメイン名の管理部門をRightside Groupとして切り離したものの、コンテンツ部門は事実上全く価値がないと見なされるほど落ちぶれてしまった。現在、Demand Mediaは4000万ドルの現金および現金等価額を持つ。今年の始め、同社はSaatchi Artを$1700万ドルで買収し、昨年はEコマースサイトのSociety6を9400万ドルで買収していた。前四半期の収益が発表されると、株価は16.83%値下がりし、先週の木曜日にはさらに6.32%下落し、時価総額は1億200万ドルになった。

最近の業績報告で、Demand Mediaの重役は次のように説明していた:

  • 2014年の年末までには、良質な視覚素材とリライトによって5万本以上の記事が改善される。
  • 品質を重視する取り組みを実施中であり、第4四半期中に18億ドル相当のパフォーマンスの低調な記事を削除する。
  • 最高のユーザー体験を作り出す取り組みとして、既に2つの広告ユニットを削除し、1月1日までに3つ目のユニットを削除する。
  • (上の2点に関して)この変更によって、収益にネガティブな影響が出ると見ており、年換算で約1500万ドルのEBITDA(利払い・税金・償却前利益)を調整した。
  • 第3四半期を通して、コンテンツの修正に1100万ドルを投資し、第4四半期にはさらに100万ドル、そして、来年の第1四半期と第2四半期には200万ドル~400万ドルの投資を見込んでいる。
  • ビジター数を確認すると、モバイルの領域が成長していることが分かるが、その結果、モバイルに関連するCPMが低下している。また、デスクトップでは価格帯の縮小が起きている。
  • 広告の密度が高過ぎるサイトは、オーディエンスを怒らせるだけでなく、検索インデックスのランクに関してペナルティーを科される可能性もある。

Googleは2011年の4月にeHowを抹殺した。3年以上が経過した今も、Demand MediaはGoogleに戦略を決めさせており、場合によっては過去の投資を取り消すために多額の支出を行っている。

しかし、Googleの検索結果を見ると、Googleは全く反対の戦略を実施しているように見える: 第三者のコンテンツをさらに盗み、広告ユニットの増加 & 拡大を行っている。

盗んで、販売するプログラム内のソースのリンクは薄い灰色であった。あるジャーナリストが青いリンクに関するストーリーを取り上げて初めて、色を青く変更したのであった。

ブレンド

検索結果は一部の領域を調和させ、その一方で一部を目立たせる。また、定期的に色を変え応答率を好きなように変えることが出来る。

パブリッシャーはページに掲載する広告を追加して、CPMの低下を食い止めると、バナー広告は酷評されるうようになった。Googleインフラ稼働していれば、大量のバナー広告を繰り出している(そして、計測している)。

検索広告のパフォーマンスは、バナー広告とは異なり、低下していない。

唯一、Googleが苦戦を強いられたのは、AdBlock Plusの人気が高まった時のみであった。このサービスは検索広告をブロックするため、GoogleはAdBlock Plusを禁止し、その後、第三者サイトの広告をブロックする一方で、料金を支払い、Google上では広告を表示する契約を結んだ後、最終的に復旧させることに同意した。

検索自体が究極のネイティブ広告プログラムである。

Googleはホテル等の分野において3連のローカルリスティングを優先し、ローカルカルーセルを廃止している。ホテルのリスティングのいずれかをユーザーがクリックすると、Googleは当該のホテルに対してナレッジグラフを差し込み、さらに検索結果に予約用のアフィリエイトリンクを組み込むため、自然な結果は押し下げられてしまう。

上のグラフィックをご覧になれば分かるように、通常のテキストを用いる「Website」リンクがページの右側に掲載され、そのすぐ傍に画像が配置されることによって広告のように見える。実は、広告に見えるように意図的に配置されているのだ。そのために無視されてしまう。一方、実際の広告は左側に掲載され、通常のテキストのリンクのようみ見える。広告と表示されているが、この表記と実際の広告の間には2行の線が引かれており、紛らわしさを増している。

Googleはこのような極端な形式でレイアウトを変える権限を持っている。しかし、その他の全ての領域においても、誰が敵で、誰が味方なのかを特定することが出来る。SEO業界は様々なマーケティングの手法における「倫理」に関してチマチマと話し合っているが、その一方で、Googleは目標の達成に力を入れ、SEOのエコシステム全体を消し去ろうとしている。

Googleが広告と自然なリスティングをナレッジグラフで混合する*以前*に、そもそもユーザーは両者の違いを区別することが出来ない。これが、バナー広告とは異なり、検索広告の利用が低下を免れている大きな理由の一つだ。

モバイルも同じ考え方で再編されている。Googleの取り組みは上部に配置され(そして、収益化され)、残りは下の方に追いやられる。

「ナレッジ」と広告の境界線が曖昧であるため、Googleは次々とカテゴリーでテストを行い(例えば、検索結果から直接医師に電話をかける機能) & Googleがデータを集める一方、各種のテストに対する料金を広告主に要求している。

また、Googleは第三者のサイトから情報を収集する一方で、収益化する機会を得られるなら、当該のサイトのリスティングに表示する情報を減らすことが出来る。2009年、Googleはスポンサーではないリスティングからマップ上の電話番号を削除していた。そして、今回の3連のリスティングに至っては、上半分のコンテンツは全て収益化されている…

「その一方で、3つのリスティングを表示するオリジナルの検索結果には、合理的に考えて、ユーザーが求めるであろう情報が欠けている:

  • 電話番号
  • 住所
  • 地図
  • レストランのウェブサイトへのリンク

大半のユーザーが求める情報は意図的に隠されている、もしくは、クリックをしなければ到達することが出来ない」 – デイブ・オレムランド

Googleはユーザーを優先していると主張し、「盗んで、置き換える」プログラムを正当化している。しかし、収益を増加させる機会を得るために、意図的に一部の情報を隠している。Googleは現在隠されている基本的な機能の一部を再び加えるかもしれないが、スポンサーのローカルのリスティングの一部に限定されるだろう。

結局 – 全ての問題を解決するには広告を出す必要がある

検索結果内のブランドのバナー広告は反応率が低いだろうか?あるいは、広告主は多額の資金投入に難色を示しているだろうか?その場合、Googleはテストを終了させ、代わりに検索結果に製品カルーセルを盛り込み、トラフィックをGoogle Shoppingにもたらす可能性がある。

「これはGoogleによる新たな収益化の手段だと私は見ている。クライアントは通常PPC ブランド広告のクリックと比べて、商品リスト広告のクリックに400-500%多く料金を支払っている。Shoppingのキャンペーンでは全く同じキーワードをネガティブに指定するつもりだ。」 – バーブ・ヤング

Googleによる収益化の取り組みは事実上無制限に行われる。

クリックカジノ

キーワードは部分一致がデフォルトとなった。さらに、キャンペーンの「強化」が行われ、広告主はモバイルデバイスで質の低いクリックを受け入れなければならなくなった。

続いて、曖昧な完全一致のターゲティングが登場し、具体的に特定の用語にターゲットを絞ったキャンペーンを実行するためには、広告主は品質の低い検索のバリエーションを購入し(そして、不要な新しい解釈を引き続き受け入れざるを得なくなり) & 多数のネガティブキーワードを加えなければならなくなった。

過去、一部のPPCの専門家は、自然検索の曖昧化を問題視していなかった。「所詮他人事」だと考えていたのだろう。

しかし、楽観視し過ぎていたようだ。

言うまでもなく、Googleは広告を競売にかけるだけでなく、支出を管理するSEMプラットフォーム化を望んでおり & 自動入札機能の「メリット」を活用するべきだと提案している。

広告主はGoogleの自動入札機能を強烈に非難している: 「やっと1回クリックしてもらえた。このクリックに362.63ドルも費やした」

唯一このパフォーマンスを上回るのは、子供向けの無料モバイルタップゲームに掲載されるバナー広告だけだ。

干渉を強める

先程、Googleは自分の都合の良いようにAdBlock PlusのエクステンションをPlayストアで配信禁止にした、と伝えた。Googleは繰り返しDisconnect Mobileの配信も禁止した。配信を携帯電話に頼っているなら、Googleを回避することは不可能に近い。さらに、Googleはパフォーマンスのデータを集め、密かに競合するアプリをローンチし、そして、第三者のアプリに力を入れる。その上、広範なネットワークにおける各種の広告料金をコントロールする権限も持つ。

「それなら、検索とモバイルを避けて、Eメールを利用すればいいじゃないか」と考える方もいるかもしれない。しかし、結局同じ問題に遭遇することになる。GmailではソーシャルのEメール、あるいは、プロモーション用のEメールはほとんど見てもらえない場所に追いやられてしまうためだ:

「規模が大きなオンラインストアは、ネックになり得るものの、Googleにも同じことが言える…事実、Googleは毎日投稿するブログの記事をプロモーションフォルダに誤って送信していた。しかも、(この記事を除けば)この誤りを指摘する手段が私にはない – セス・ゴーディン

1年前、ある四半期の成果が芳しくなかった原因として、GrouponはGmailのタブを挙げていた。スタートアップに対する、このフィルタリングのインパクトはさらに強烈だ。オーディエンスの目に触れる機会が少し変わるだけで、成長率は1を下回り、自然に広めるのではなく、知ってもらう機会に資金を投じなければならないためだ。

このタブの他にも、スパム扱いされる、あるいは、セキュリティの警告を受ける等、多くのリスクが存在する。Search Engine Land等、大勢のGoogleの従業員がチェックしているサイトでさえ、ニュースレターがGmailで警告を受けていたことがあった。

Googleはさらに

  • 検索ランキング、バーティカルの検索結果での置き換えを行い、(先程も触れたように)事業に関連する情報を隠している。さらに、検索クエリを提案し、ウェブブラウザを利用して消費者の意図を転換することで、ウェブサイトへの干渉を強めている。
  • 広告の視聴を自然の視聴としてカウントし、関連性の判断基準を変更し、競合するチャンネルを調査している。さらに、契約の一環としてオーディエンスに見てもらえる機会を優先することで、YouTubeの動画への干渉を強めている。 YouTubeは視聴数の半数以上が、スクリーンの小さなモバイルデバイスに集中しているため、Googleによるランキングの好みが変化すると、クリックの分布に大きな変化が現れる。
  • デフォルトバンドリング契約を用いて、Googleのアプリをデフォルトに設定することをメーカーに条件として突きつけることで、モバイルアプリへの干渉を強めている。
  • そっくりなバンドリングベースのビジネスモデルを禁止することで、ビジネスモデルへの干渉を強めている(バンドリングはGoogleのみに許される取り組みである)
  • その他諸々。

自然の検索キーワードのデータを隠すキーワード(not provided)の導入は、自然な検索に対する干渉である。Google がHTTPSをランキングシグナルとして公表した時、 Netmegは「これは広告ターゲティングを行うため、そして、ユーザーのプロフィールを作る権利を主張するための行動に過ぎない。この点を良く覚えておいてもらいたい」と言っていた。

Facebookが広告プラットフォームのAtlasを再び立ち上げると発表するや否や、Googleはデータへのアクセスを取り締まり始めた:

Googleは、Krux、BlueKai、そして、Lotame等のデータ管理会社と今週協議を行い、特定の広告におけるピクセルの利用禁止を宣言した。デジタル広告内に埋め込まれたピクセルは、マーケッターがターゲティングを行う上で、そして、特定のユーザーが広告をインターネット上で見た回数を把握する上で役に立つ。

「GoogleはGoogleのディスプレイネットワークを通じて、データ管理プラットフォームが提供する広告で、そして、購入したインプレッションでのみピクセルの利用を認めている。つまり、Googleは狭い範囲に利用を限定している」と、Kruxのチーフ・ソリューション・オフィサーを務めるマイク・モローは述べている。

同時期、Googleはデータ共有の取り締まりも始め、様々なデバイスで消費者のターゲティングを実施する機能の提供を開始し、広告主が特定のウェブサイトを訪問するオーディエンスに狙いを絞ることが可能なカスタムアフィニティの導入を発表した。

Googleは情報を整理する(曖昧にする)特別な役目を持つだけでなく、アナリティクスを通してマーケティングの効果を計測する取り組みも行っている。そのアナリティクスは定期的に新しいレポートを導入しているが、過剰に自ら貢献をアピールし、その一方で、その他のチャンネルの貢献を低く見積もることで発生する、アクティビティバイアスから収益を得ている。ラストクリックアトリビューションが検索広告への支出を決める目安として常習的に利用されており、数年前からディスプレイ広告の価値を落とす要因となっている。

競合者への投資

Googleはエコシステムのランキングを決めるだけでなく、積極的に投資も行っている。

GoogleはYelpの買収を試みた。Facebookのゲームの人気が爆発的に高くなると、Googleは疑わしい経歴を持つZyngaに投資し、データにアクセスしていた。Grouponが、60億ドルの買収提案を受け入れないことが分かると、Googleは10社以上のGrouponの競合者と手を組み、検索結果内に新たなオファーの広告ユニットを作成した。

YouTubeのエコシステム内部においても、MachinimaやVevo等の一流のパブリッシャーの株式をGoogleは保有している。

投資が特別な扱いを受ける疑わしきは罰せずの原則を受ける、あるいは、公開されていない情報にアクセスする事態が実際に生じている。

例えば: 「Baiduのマップアプリでは、アプリを内でホテルを見つけ、部屋の空き状況をチェックし、予約することが出来る。つまり、検索エンジンを去る必要がない。」これはパブリッシャーにとって恐ろしいシナリオである。

実は、この恐ろしいシナリオは既に表面化している。Googleの即日発送サービスの統括者がUberに移り、GoogleはUberの集荷と見積もりをモバイルマップアプリに加えた。

当然、GoogleもUberに投資していた。Uberが成功していることは疑いようもない。ただし、勝ち名乗りを上げる者がいる一方で、悔しい思いをする者もいる:

Googleはまるでディスプラションこそが長所とでも言いたげにディスラプションに投資し & 内部のデータを活用して投資を動かしている:

「計測、数値化することが出来ないなら、ソリューションに取り掛かることなど夢のまた夢だ。Googleは世界最大級のデータセットにアクセスすることが可能であり、クラウドコンピュータのインフラは史上最大の規模を誇る。勘に頼って投資を行うのは愚かだ」とGoogle Venturesのマネッジングパートナーを務めるビル・マリスは指摘している。

検索エンジン、ウェブブラウザ、アプリのストア & モバイルOSから利用データを組み合わせると、あらゆるビジネスに関して圧倒的な情報を得られる。

Googleはデータのためだけにマージンの少ない領域に数十億ドル規模の投資を行える数少ない企業の一つだ:

Googleの重役は公のクラウドにおいて、Googleのアプリを動かすデータセンターと同じぐらいのパワー & スピードを実現するようにエンジニアに要請している。 この取り組み、そして、その他のセールスおよびテクノロジーの戦略は、増加するクラウドの収益を手に入れるためだけに行われるのではない。このようなサービスから、次にどんな製品を作るべきか、どの会社を購入するべきか、そして、消費者のその他の好みに関する重要なデータを得られるとGoogleの経営陣は確信している。

Googleは5億ドルもの資金を投じて買い物の即日配送サービスを宣伝している。

そして、現在、Google Fiberでは事業向けインターネットサービスを推進している。イーロン・マスクは元Googleの従業員と手を組み、衛星インターネットサービスの提供を計画している。

大詰め

現在、Googleは他のどの企業よりも連邦政府のロビー活動に力を入れている。Googleの経営陣が副チーフテクノロジーオフィサーチーフテクノロジーオフィサー、そして、特許商標局の局長に就任している。Googleのソフトウェアエンジニアがオバマ大統領に次のような提案を行うほどGoogleの勢いはとどまるところを知らない。

  • 政府の職員全員に年金を全額与えて退職させてしまおう。
  • 管理の権限をテクノロジー業界に委譲しよう。
  • エリック・シュミットをアメリカのCEOに任命しよう。

このエンジニアは常軌を逸しているか、注目を集めたいだけなのかもしれないが、この悪夢ようなシナリオが現実にならなくても、特定の会社の職員が規制する側に回れば、Googleが規制によってダメージを受ける可能性は限りなく低くなる。

オバマ大統領はオープンなインターネットの重要性を指摘している:「インターネットサービスのプロバイダーに、最高のアクセス環境を制限させることも、サービスとアイデアにおける市場の勝ち組と負け組を決めさせることも認めてはならない。」

Googleの職員が政府で重要な役割を与えられているなら、Googleに関する重要な不満は聞き届けてもらえらないはずだ。

先日、Fortune誌はラリー・ペイジをビジネスパーソン・オブ・ザ・イヤーに選出した:

「ペイジが自分自身が描く未来のビジョンを周りに押し付ける典型的な例だ。ラリー・ペイジが挑戦する様々な取り組みは、他社を寄せ付けないものがある。このようなビジネスのリーダーが誕生したのは、GEのトーマス・エジソン、または、HPのデビッド・パッカード以来のことだ」 — ベン・ホロウィッツ(アンドリーセン・ホロウィッツ社)

Financial Timesに掲載されたラリー・ペイジの最新のインタビューから際限のない野望が感じられる:

  • 「世界最強のインターネット企業は検索を牛耳ることで得たキャッシュを引き換えに、次世代のテクノロジーにおける金塊を掘り当てようとしている」…「野心がなければ何も達成することが出来ない — そして、その野心こそが世界に不足している。」
  • 「世間はディスラプションに遭遇しているものの、前向きなものとも、生活を一変させるものとも考えていない…自分が参加していると感じないことが問題だと私は思う」– ラリー・ペイジ
  • 「仕事におけるディスラプションが発生しても、短期間においては、必要とする物事のコストが引き下げられることで穴埋めされるかもしれない。この点は重要であるにも関わらず、議論されていない」– ラリー・ペイジ
  • 「資本主義のシステムでは、テクノロジーを通して効率の悪さを除去することは、当然、行わなければならない」– ラリー・ペイジ

しかし、同時に暗い面、つまり、テクノロジーの夢想家ならではの副作用も存在する。

例えば、ユーザーを処方箋が必要な調剤に釘付けにして、思考の流れを増強 & 収益化することも考えられる:

例えば、気分を反映するキッチンの壁によって、抗鬱剤の広告が導かれ、ウェブでも付きまとわれるケース、従業員の精神状態を雇用者に通告するケース、もしくは、Facebookのページに表示するケースは、容易に思い浮かぶ。書籍「コンテキストの時代―ウェアラブルがもたらす次の10年」の著者、ロバート・スコブルとシェル・イスラエルによると、Facebookはニーズを推測するシステムを作りたがっているようだ。

もしくは…

Googleの貯蓄は、リフキンが提唱した第三次産業革命において重要な意味を持つ。と言っても、単純に、消費者製品の価格を下げるポテンシャルを持っているからではなく、– 生産性を上げるために人間の労働力を増やす — 資本主義社会の大原則を初めて根本から覆すためだ。また、生産が労働力から解放されると、資本主義は思想的にも、そして、現実的にも成立しなくなる、とリフキンは説いている。

ただし、テクノロジーが原因で「誰もが損をする」わけではない。大きな成功を収める者も現れる。

ミシェル・ファンはYouTubeでの人気を活かして、メイクアップ購読サービスをスタートさせ、8400万ドル/年間を稼ぎ出している。

層の一番上にいる者はテクノロジーによってさらに勢いを得ることが出来る。このような極端な成功を収めた人物はオフラインの世界で宣伝を行い、さらにプラットフォームにビジターを引き寄せることが出来る。

Googleは日本のYouTubeクリエイターをテレビ、インターネット、そして、印刷媒体の広告で大々的に宣伝している。さらに大勢のビジターを獲得しようと目論んでいるのだろうか?

「人気ベース」の報酬システムはほんの一握りのユーザーを裕福にするものの、その他大勢のパブリッシャーは作業に力を入れても金銭的なメリットは得られない。最悪なのは、「バイラル化」のサクセスストーリーは多額の広告予算によって作られていることだ。

Googleは、アテンションエコノミーにおける収入の不平等を調査によって把握していた – しかも、この調査はブランドの優遇を始める前に行われていた。

次々にカテゴリーが商品化され、次々にプラットフォームにGoogleから資金が流れていく。そして、最終的にプラットフォームで仕事をしている従業員は、クラウドソースならではの宿命ではなく、違法な談合によって給与が引き下げられていた時代を切望するようになる:

代わりに、従業員は移動の自由、そして、活動時間を自分で自由に決めることが出来ると言う上辺だけのメリットを得るようになった。しかし、健康保険を支払うことが出来ない状況でも、あるいは、次にヒットする製品が幾ら支払ってくれるのか分からない状況でも、そして、実際にいつになったヒットするのか分からない状況でも、その価値はあるのだろうか?アプリの利用規約が、労働契約とほとんど変わらない状況でも、仕事の注文がスマートフォン経由で行われ、すぐに応答しなければ二度とチャンスをもらえない状況でも、そして、仕事について誰にも話をすることが出来ず、最低限の賃金を稼ぐために休みなしで作業をこなさなければならない状況でも、その価値はあるのだろうか?

人が商品化されるように、価値のその他の層も商品化されている:

SEO業界では、以前から大勢の専門家がブランド化を万能薬として推奨してきた。しかし、上半分に掲載され100%収益化されるホテルの検索結果を考慮すると — ブランドを持っていたとしても、参加するための費用を支払わなければならない。現在、Google ショッピングの広告が、ブランドのナビゲーショナルクエリでテストされているケースを考慮しても同じ結果が見えてくる。

Googleはさらに収益化する固有名詞に対して広告のターゲティングを行う技術の特許を取得している。

ブランドを作るために資金を投じ、Googleに再び資金を渡さなければ参加する権利すら与えてもらえない。

Googleの広告製品を回避し、広告費と売り上げの差で稼ぐ方法を控える手もあるが、Googleは収入を得るためには喜んで不公平な条件を突き付けてくるだろう。

例えば、イギリスで商標用語[cheapflights]を検索すると、一般的な検索用語の[cheap flights]に転換される。公式サイトは自然なランキングでは2位につけているものの、左側の列で、このサイトの上には、クリック可能なページが19ページもある。

ブランドは強みだが、誰かがそのブランドを探す際に毎回表示してもらうために料金を支払わなければならないなら、負担になる

モバイルアプリを使ってGoogleを回避することが出来るかもしれないが、GoogleがOSを所有しており、メーカーとのバンドリング契約を介して、広範な分野でGoogleを自らをデフォルトのサービスとして確実に配置させることが出来る点を覚えておくべきだ。また、モバイルに関しては、OSに付属する新しい通知機能がアプリを切り離している点、そして、Googleが様々な分野に直結しているGoogle Now等のアプリを持っている点を肝に銘じておこう。

SEO業界は長年Googleのエコシステムを採用するべきだと推奨してきた。しかし、Googleが創り出す価値よりも多くの価値を占拠するようになると、SEO業界はGoogleのエコシステムを推奨していては利益を得られなくなる。Googleの

  • 資金力
  • ロビー活動
  • 政府の要職にいる元従業員
  • 動画、モバイル、アプリ、マップ、Eメール、アナリティクス(と検索)への支配
  • 広範な投資対象

…を考慮すると、Googleがピークに達しつつあるとは言い難い。


この記事は、SEO Bookに掲載された「Peak Google? Not Even Close」を翻訳した内容です。

基本Googleに批判的なSEO Bookではありますが、三歩下がって読んだとしてもGoogleの圧倒的な力を改めて感じられる内容でした。検索にしろ、広告にせよ、または携帯電話であれ、やはりプラットフォームを押さえていると強いですね。途中で日本のユーチューバーCMの話が出てきましたが、いわれてみると、確かに「サクセスストーリーは多額の広告予算によって作られている」側面もありますし。Google大帝国の成長はどこまで続くのでしょうか。 — SEO Japan

ブログを書く時に問うべき40の問い

コンテンツマーケティングはブログだけじゃないと書いておきながら、やっぱり基本はブログということで、今回はそのブログをより有益な存在にするためのアドバイス記事をカリスマブロガーのニール・パテルに学びます。 — SEO Japan

content marketing

コンテンツマーケティングの長所は、多数のソーシャルシェア、新たなEメールの購読者、そして、コメントをもたらしてくれる点だ。ただし、前提として、コンテンツの質が高く、また、コンテンツマーケティングを適切に実施する必要がある。

しかし、コンテンツマーケティングのタスクはあまりにも多く、失念してしまうこともある。

そこで、この取り組みを成功に導くため、チェックリストを策定した。これから紹介するリストのアイテムの大部分を実施していれば、コンテンツは有効に働く。

タイトル

以下に、タイトルを作成する際に問い掛けてもらいたい質問を挙げていく:

  1. Googleで検索してもらえるか? – してもらえるなら、検索経由のトラフィックが流れ込んでくる可能性が高い。
  2. タイトルは好奇心をくすぐるか? – 好奇心を喚起するヘッドラインはクリックしてもらえる確率が高い。
  3. タイトルは簡潔で、要点を反映しているか? – タイトルが57文字以上(注:日本語の場合、30文字程度)なら、Googleの検索結果ページで省略されてしまう。
  4. タイトルは分かりやすいか? – 分かりやすさは大事だ。コンテンツの内容が分からないなら、直帰されてしまう。
  5. 感情を利用しているか? タイトルで一般的な欲望を掻き立てることが出来ると、より大勢の人達を魅了することが可能だ。
  6. タイトルには人気の高いキーワードやフレーズが盛り込まれているか? – 盛り込まれていない場合、Googleで上位にランクインすることは難しい。

導入部

ブログの記事には必ず導入部が用いられる。導入部を作る際に、問い掛けてもらいたい質問を挙げていく:

  1. 読者を魅了しているか? – 導入部の段落で質問を投げ掛けると良いだろう。
  2. 簡潔にまとめられているか? – 出来るだけ早く本文に到達したいところだ。段落は3つあれば十分だ。
  3. 要約を提供しているか? – 導入部を読み終えた時点で、読むべきかどうかが分かる程度の情報を与える必要がある。
  4. 写真を盛り込んでいるか? – 何らかのメディアを導入部で利用してもらいたい。写真であれ、動画であれ、クリックを促すアイテムが必要だ。

本文

ブログの記事を作る際に問い掛けてもらいたい質問を挙げていく:

  1. 小見出しを使っているか? – 小見出しを使うと読者は記事を読みやすくなり、飛ばし読みすることが可能になる。
  2. 各段落は5行以下に収まっているか? – 段落は5-6行以下に収める必要がある。このリミットを越えてしまうと、気軽には読めなくなる。
  3. 読者と対話しているか? – コンテンツでは「私/僕」と「君/皆さん」を利用しよう。会話をしている気分にさせる効果があるためだ。
  4. 疑問にイタリック体を用いているか? – 記事内の問いにはイタリック体を使おう。コンテンツに個性を加えることが出来る。
  5. ストーリーを伝えているか? – 常に魅了しなければ読者に飽きられてしまう。そのためには、ストーリーを聞かせる手が一番有効だ。
  6. メディアを使ってコンテンツを強化しているか? – チャート、画像、動画、そして、オーディオに至るまで、メディアは記事に個性を与えることが可能だ。
  7. コンテンツは簡潔にまとめられているか? – どうでもよい情報が大量に詰め込まれているなら、誰にもコンテンツを読んでもらえない。
  8. 賢く見せようとしているか? – 難解なワードを使い、読者を見下した態度の文章を綴ると、あっと言う間に嫌われる。
  9. 何らかの時事ネタに結び付けているか? – GoogleニュースやYahoo!ニュースを用いてトレンドを特定すると、トラフィックをもたらすコンテンツを作りやすくなる。
  10. どの感情に訴えかけているのか? – ユーモアや怒り等、特定の感情に訴えかけるべきだ。1つか2つ選んで、コンテンツ全体で利用しよう。昼ドラのように感情を常に揺さぶることを目標に掲げると良いだろう。
  11. 記事を正しくフォーマットしているか? – 箇条書き、引用符等、ブログのプラットフォームが提供するフォーマットツールを使えば、さらに読みやすくなる。
  12. 外部のサイトにリンクを張っているか? – 適切な場合、外部のウェブサイトにリンクを張るべきだ。すると、記事を配信した際にサイトのオーナーにEメールを送り、ソーシャルメディアのアカウントでシェアを要請することが可能になる。
  13. 記事の中で専門家に言及しているか? – 記事の中に他の専門家の発言や意見を盛り込んでおくと、コンテンツに対する信頼が増す。また、取り上げた専門家に連絡を取り、ソーシャルメディアでのシェアをお願いすることが可能である。
  14. 主張を裏付けているか? – 何らかの主張を行うと、必ず疑いを持たられる。スタッツとデータを用いて、読者に信頼してもらえれば、エキスパートとしての地位を確固たるものにすることが出来る。

結論

記事をまとめる際に問い掛けてもらいたい質問を挙げていく:

  1. 問いで記事を結んでいるか? – 問いで記事を終えると、コメントを多く獲得する効果が見込める。問いの部分をイタリック体で入力することを薦める。
  2. 3つの短い段落で記事をまとめているか? – 短く、要領を得た結論を作り、記事の要点を読者に提供する。
  3. まとめは200ワード以下か? – 200ワード(注:日本語で400文字程度)を越えると長過ぎる。出来れば100ワードから150ワード(注:日本語で200~300文字程度)にまとめておきたいところだ。
  4. 読者の意見を受け入れているか? – 最終的な決定を下すようなトーンは避けるべきだ。代わりに、読者に会話に参加してもらおう。
  5. 記事を読みたいと思うような結論になっているか? – 本文を読む前に結論を読む人もいる。魅力的なら、導入部まで戻って読んでくれるはずだ。

宣伝

記事を投稿する前に問い掛けてもらいたい質問を挙げていく:

  1. 理想的な日時に投稿しているか? – コンテンツマーケティングには科学的な要素もある。このチャートに目を通し、コンテンツ配信の適切なタイミングを把握しておこう。
  2. 自分のサイトに投稿するべきか、または、別のサイトに投稿するべきか? – 通常は、他のサイトに質の高いコンテンツを投稿する方が効果は高い。この記事を読めば理由が分かる
  3. Eメールアドレスを集めているか? – Eメールアドレスを集めていないなら、コンテンツを配信するべきではない。Eメールはサイトに戻って来てもらう上で強力な手段となる。
  4. リードマグネットを持っているか? – リードマグネットは、Eメールアドレスを引き寄せる効果がある。EメールアドレスとEブックやPDFを交換すると良い。
  5. 記事全体にソーシャルシェアボタンを散りばめているか?Flare等の自動スクロール型ソーシャルプラグインやリンクをツイートするツールを利用し、出来るだけソーシャルシェアを呼び掛けよう。
  6. 同分野の人物のソーシャルネットワークリストを作成しているか? – 記事を投稿する度に、コンテンツのシェアを要請するべきだ。私のブログは毎月大勢のビジターを獲得しているものの、いまだにこの取り組みを行っている。
  7. ソーシャルメディアのメタタグを使っているか?使っていない場合、使っている時と比べ、メジャーなソーシャルネットワークでシェアされた際のパフォーマンスが落ちる。
  8. シェアする際にエキスパートの情報源に言及しているか? – ツイート内でユーザーネームを盛り込むと、RTしてもらえる確率が高くなる。
  9. LinkedInでインフルエンサーに直接メッセージを送っているか? – 単純だが、シェアを増やしてくれる可能性がある。この記事でLinkedIn向けのメッセージのテンプレートを紹介している。
  10. コンテンツを再利用しているか? – ブログの記事をPDFやスライドにまとめ、ウェブでシェアすると、より多くのトラフィックを稼ぐことが出来る。Slideshare等のサイトに投稿すれば、さらにトラフィックは増える。ただし、コンテンツの重複によるペナルティーから逃れるためにコンテンツを調整しておく必要がある。
  11. 1回以上コンテンツをシェアしているか? – Twitter等のソーシャルメディアで少なくとも2回はシェアするべきだ。最初のツイートを全てのフォロワーが見るとは限らないためだ。

結論

今回紹介した40点の問いに答えれば、コンテンツマーケティングを成功に導く上で必要なタスクを実施しているかどうかがすぐに分かる。

全ての取り組みを実施していなくても構わない…事実、この記事を作成する際、全ての手段を活用したわけではない。しかし、実施するタスクが多ければ多いほど、良い結果を得られる。

その他にも記事を投稿する前に問い掛けるべき質問をご存知なら、教えてもらいたい。


この記事は、Quicksproutに掲載された「The Ultimate Content Marketing Checklist: 40 Questions to Ask Yourself before Publishing Your Next Blog Post」を翻訳した内容です。

このリスト、かなり良くできているのではないでしょうか?!LinkedInの話以外はほぼ日本語でもそのまま使えるように思います。ブログ初心者はもちろん、日常的に書いている人でも一読すると何か新しい気づきがあるかもしれません。コンテンツマーケティングを活用する上でもまずが基本が大事ですよね。 — SEO Japan

最新調査から読み解くB2Bコンテンツマーケティング戦略の秘訣30

先日紹介した米国の2015年コンテンツマーケティング調査レポートから、B2Bコンテンツマーケティングに参考になるポイントをまとめたお役立ち記事を紹介します。コンテンツマーケティングというとブログばかりが注目されている日本ですが、その手法は多種多様、米国では既に様々な手法が活用されていることがわかります。いずれ日本でもそうなるであろう近い未来、今から先取りして差をつけてみませんか? — SEO Japan

今すぐ使える30点の実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス

2015 B2B Content Marketing Tactics
2015年に向けて、利益をもたらす様々なB2Bのコンテンツマーケティングの手法を組み合わせ、コンテンツマーケティング戦略を策定しているだろうか?

答えを出す前に、Content Marketing Institute(CMI)とMarketingProfsが合同で実施した2015 B2Bコンテンツマーケティング 予算、基準、トレンド(北米版)調査を基に、他のマーケッターが利用している手法をチェックしていこう。

2014年、マーケッターは平均で13通りのコンテンツマーケティングの手法を用いている。また、今後の1年間で8つの新たなコンテンツの取り組みを行う計画を立てている。つまり、1ヶ月に実施する取り組みは2つを下回ることになる。

マーケッターの70%は2013年よりも多くのコンテンツを作成している。さらに、 マーケッターの42%は新しいコンテンツを毎週、または、毎日、複数配信している。

Change in B2B Content-2015 B2B Content Marketing Benchmarks


2015年 B2Bコンテンツマーケティングの有益な手法

2015 B2B Content Marketing Tactics


効果的なコンテンツマーケティング戦略を策定するには、様々なコンテンツマーケティングの手法を組み合わせる必要がある。2015年のコンテンツマーケティングを確実に成功に導くため、2015年に使える24点の有益なコンテンツマーケティングの手法、そして、推奨する実用的なコンテンツマーケティングの手法を併せて紹介していく。

B2B Content Tactics Used-2015 B2B Content Marketing Benchmarks


B2Bマーケッターの92%はソーシャルメディアのコンテンツを利用している(ブログは含まない) 。

ターゲットのオーディエンスに接触するため、オーディエンスが時間を過ごす場所にコンテンツを配置する必要がある。eMarketerによると、アメリカのインターネットユーザー(成人)はコンピュータ & モバイルデバイスを介して、ソーシャルメディアを平均で1日に67分間利用するようだ。

Time Spent with Social Media per Day - eMarketer


ソーシャルメディアは、B2Bのコンテンツを効果的に配信する上で鍵を握っている

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • コンテンツマーケティングを各ソーシャルメディアプラットフォームに合わせる。コンテンツマーケティングの効果を高めるため、各ソーシャルメディアサイトに対して、コンテンツマーケティングを適応させ、最適化しよう。

B2Bマーケッターの83%はEメールのニュースレターを利用している。

多くの会社が、Eメールをコミュニケーションの頼みの綱として用いている。顧客のEメールリストを使って、定期的に有益な情報を提供しよう。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • Eメールのニュースレターのフォーマットをスマートフォンのユーザーに合わせる。Eメールの多くは、時間に関わらず、スマートフォンで読まれるためだ。

    Email Opens By Time Of Day-2Q2014-Movable Ink


B2Bマーケッターの81%はウェブサイトで記事を利用している。

品質の高いコンテンツを会社のウェブサイトに掲載し、検索結果で上位にランクインさせよう。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • 検索エンジンとユーザーに対してウェブサイトのコンテンツを最適化する。段落を短くまとめ、太字を使い、キーワードに焦点を絞った情報とナビゲーションを活用してもらいたい。

B2Bマーケッターの80%はブログを利用している。

(注記: Social Media Examinerによる2014年の調査ではブログを利用したと回答した参加者は55%であった)

5つの基本的なタイプのコンテンツを介して、ブログはウェブサイトの情報を補う役目を持っている。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • ブログを会社のウェブサイトに統合する。 Orbit Mediaのアンディー・クレストディナは、MarketingProfsが主催した2014 マーケティング B2B フォーラムでこの手法を推奨していた。ブログをナビゲーションに明確に反映させ、ビジターが発見しやすい環境を作ろう。

B2Bマーケッターの77%は直に会うイベントを利用している。

コンテンツの観点で見て、ライブイベントの主催、後援、プレゼン、参加を組み合わせて活用しよう。各取り組みから複数のコンテンツを作成することを目標に掲げてもらいたい。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • 事前にイベントのアクティビティを計画し、コンテンツを作るチャンスを最大限に活用する。リー・オデンは、カンファレンスを開催する前にEブックを作成することで有名だ。Eブックは究極のキュレーションコンテンツに挙げられる。

    The Future of B2B Marketing eBook - MPB2B Forum


B2Bマーケッターの77%はケーススタディを利用している。

ケーススタディは、以前からB2Bマーケティングの必需品として重宝されてきた。他の会社(実際の顧客)が製品をどのように利用しているのかを紹介すると、顧客候補が選択する際の判断材料を与えることが出来る。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • 出来るだけ具体的なケーススタディを作成する。可能な場合は、会社名、そして、数字を用いて、結果等、具体的な情報を加える。ただし、ケーススタディを配信する前に許可を得る必要がある。

B2Bマーケッターの76%は動画を利用している。

製作価値の高い動画を作ろうとすると高額なコストがかかるものの、スマートフォンやコンピュータを使って、魅力的なコンテンツを作るアプローチを検討してみよう。例えば、Spin Sucksのジニ・ディートリヒは、ラップトップで作った短い動画を使って、Facebookで週に1度質問に答えている。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • 従業員と顧客の動画を撮影する。動画は文章を作る手間を省いてコンテンツを作ることが可能な優れた手段である。
  • 利用許可書を用いる。許可を取ってから動画を投稿する必要がある。

B2Bマーケッターの69%はイラスト/写真を利用している。

視覚的な情報は一瞬のうちに脳に取り込まれる。視覚的な情報には、注目を集め、複雑なコンセプトを簡素化する効果がある。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • イラストや写真を使って画像をテキストのコンテンツに挿入し、読者により長い時間コンテンツに触れてもらう。見せ掛けのストック写真の利用は回避しよう。実際の人物の写真を利用するべきだ。

B2Bマーケッターの68%はレポートを利用している。

顧客候補を魅了するために、最高の情報を提供しよう。例えば、Kelly Servicesは1点のレポートを3点のSlideShare向けのコンテンツに変換し、250名の顧客候補を獲得した。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • 視覚的な訴えを活かして、より魅力的なレポートを作成する。画像と太字を駆使して、コンテンツを見てもらえるように工夫しよう。
  • レポートをSlideShareで配信し、接触範囲を広げる。通常の会社のウェブサイトと比べると、このB2B向けソーシャルメディアサイトは遥かに多くのトラフィックを獲得している。レポートには、登録して、より詳しい情報を得られる手段を顧客候補のために用意する必要がある。

B2Bマーケッターの65%はオンラインプレゼンテーションを利用している。

顧客候補、その中でも、購入する製品のリサーチを開始したばかりの顧客候補が求める情報を提供して、セールスのリードを増やすことが出来るため、直感的にこのアプローチは理にかなっていると考えられる。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • プレゼンテーションの価値を拡大させる。配信する場所によってコンテンツを作り直し、見つけてもらう確率を高めるためのツールを加える。

B2Bマーケッターの62%はインフォグラフィックを利用している。

インフォグラフィックの利用が大幅に増加している。ニール・パテルは、自身のインフォグラフィックが時間の経過と共に成果が落ちていることを指摘し、この傾向を裏付けている(ニール・パテルは今もインフォグラフィックを利用しており、結果が出ていることは疑いようがない)。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • 特別な配信網を作り、インフォグラフィックの接触範囲を広げる。PRとインフルエンサーへの接触を行おう。

B2Bマーケッターの61%はオンラインセミナーやウェブ放送を利用している。

オンラインセミナーは、強力なコンテンツであり、事前に再利用の計画を練って、出来るだけ良い結果を出し、投資を最大限まで活用しよう。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • インフルエンサーに参加してもらう。重要なソートリーダー(新たな考えを示すことが出来る人物)をオンラインセミナーに招待し、接触範囲を拡大する(注記: 取り組みに対する見返りを用意しておく必要がある)。
  • オンラインセミナー後に送る一連のEメールを作成する。Eメールアドレスの取得は、この手法を用いる大きなメリットであるため、オンラインセミナー終了後に送信するEメールを事前に作成しておき、この機会を最大限まで活かすべきだ。

B2Bマーケッターの48%は調査レポートを利用している。

人間はデータが大好きな生き物だ。有益で、魅力的なチャートと分析データを用意しよう。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

B2Bマーケッターの47%はマイクロサイトを利用している。

特定のカテゴリーの顧客を引き寄せるため、マイクロサイトはターゲットを絞ったコンテンツを提供する。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • 用途に合わせたランディングページを利用する。コンテンツとベースに一貫性を持たせ、ビジターにさらに読んでもらえるよう促そう。

B2Bマーケッターの38%は独自のコンテンツツールを利用している。

ここでは、単純な問題を解決するオンラインツールを指す。このツールは製品に関連する具体的な問いに答える。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • オーディエンスが持っている疑問に対して自動的に答えを与えることが可能な場所を決める。セールスリードとして顧客候補をコンテンツへと誘うツールを活用しよう。

B2Bマーケッターの37%はEブックを利用している。

様々な長さと形式のEブックが存在する。マーケッターはこのタイプのコンテンツを外部に依頼することが多い(この手法を用いるマーケッターが少なくて驚いた)。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • 既存のコンテンツを魅力的なEブックに編集する。多数の記事を単純にまとめればいいわけではない。新たな見やすいフォーマットで有益な情報をキュレートすると良い。

B2Bの32%は雑誌を利用している。

ターゲットを絞った(印刷)雑誌は、B2Bマーケティングの主力として以前から利用されている。例えば、Content Marketing Instituteは、的を絞った雑誌「Chief Content Officer」を作成している。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • 記事を業界の重要な雑誌に掲載する。明確な意図を持って編集者に接触し、問い合わせる。
  • 広告の関係を活用する。広告を掲載している雑誌で関連する記事の掲載を要請しよう。

B2Bマーケッターの30%は本を利用している。

個人の取り組みであることが多いが、(印刷)本を出版すると、会社、そして、会社の取り組みを支える関連するイベントにプラスに働く。本を出版すると、重役に講演の依頼が舞い込むこともある。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • 狙いのハッキリしたマーケティングキャンペーンを行い、本の宣伝を行う。一流のB2Bマーケッターであっても、書籍が行き届く範囲と生産性を最大限に高めるため、裏方の力に頼っている。

B2Bマーケッターの30%はモバイルアプリを利用している。

モバイルアプリは、開発、ダウンロードの宣伝、そして、ダウンロードしたユーザーへの利用の要請を行う必要がある。オーディエンス側にアプリを利用する理由がある場合、とりわけ効果は高くなる。例えば、MarketingProfs 2014 Marketing B2B Forumは、モバイルアプリを使って、最近のカンファレンスで参加者に情報を伝え、また、積極的な参加を呼び掛けていた。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • ダウンロードと定期的な利用を促す。これは、継続的なコミュニケーションの一環として行うことも、あるいは、特別な狙いを持つメッセージを作って実施することも可能である。

B2Bマーケッターの27%はデジタルマガジンを利用している。

デジタルマガジンは、ハイパーリンクの力と追加の情報を提供する力を活用する。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • 第三者のプラットフォームを活用する。例えば、AmazonやApple。
  • 代わりにキュレーションを試す。Scoop.itPaper.liを使うと、定期的な配信が楽になる。

B2Bマーケッターの23%は仮想イベントを利用している。

仮想イベントはオンライン版のカンファレンスである。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • イベントの前、最中、後に提供するコンテンツを企画する。顧客候補が求めるイベント関連の情報を提供しよう。

B2Bマーケッターの22%はポッドキャストを利用している。

ポッドキャストは、コンテンツマーケティングを行う機会をもたらす。以前からポッドキャストを実施しているマイク・ステルツナー等の一流のマーケッターの取り組みを参考にすると良いだろう。パット・フリン曰く、ブログのビジターの20%はiTunesのポッドキャスト経由でアクセスしているようだ。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • 人気の高いポッドキャストでゲスト出演する。他の誰かのポッドキャストを使って、ポッドキャストを試してみよう。
  • 自社メディアでポッドキャストの宣伝を行う。第三者のサイトとソーシャルメディアでのプロモーションに加え、ウェブサイト、ブログ、Eメールでポッドキャストを大々的に宣伝しよう。

B2Bマーケッターの21%は紙媒体のニュースレターを利用している。

その他の印刷媒体と同じように、ニュースレターの利用も減少している。しかし、郵便物を受け取る機会が減っているため、紙媒体のニュースレターは飛躍的な効果をもたらす可能性がある。

実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

  • 紙のニュースレターを始める、または、継続を決定する前にメリットとコストを計算する。製作費、印刷費、そして、郵便代金に加え、増えていくメリットを評価しよう。

B2Bマーケッターの12%はゲーム、または、ゲーミフィケーションを利用している。

ゲームとゲーミフィケーションは、消費者向けのアイテムであることが多く、B2Bマーケッターはこの手法をあまり魅力的だとは感じていない。

上位にランクインしたコンテンツマーケティングの手法

慌てて、24点の手法を全てマーケティングの計画に加える前に、上位にランクインしている手法を振り返ろう。

B2B Content Tactic Effectiveness-2015 B2B Content Marketing Benchmarks



Change in B2B Content Marketing Tactic Use-2015 B2B Content Marketing Benchmarks


  1. 直に会うイベントは、5年連続でB2Bコンテンツマーケティングの手法において1位を獲得した。会社を飛び出し、人と会って関係を構築する必要があるため、当然と言えば当然である。
  2. 2番人気はオンラインセミナー。ライブイベントと同じように、オンラインセミナーでは、ターゲットのオーディエンスが必要とする有益な情報を提供する。オンラインセミナーの開催には、Eメールアドレスを獲得し、別のコンテンツを用いて関係の構築を継続することが出来る効果がある。
  3. 動画はB2Bコンテンツマーケティングにおいて3番目に多く利用されている。動画の人気は高い。YouTubeに投稿して、検索を強化しよう。YouTubeは世界で2番目に大きな検索エンジンであり、その接触範囲は広範に及ぶ。
  4. 4番目に利用が多かったのはブログであった。ブログでは、検索のトラフィックをもたらし、顧客の疑問に答える情報を提供すると良いだろう。

 

今回紹介した「2015年版 コンテンツマーケティングの手法」を組み合わせれば、コンテンツマーケティング戦略にプラスに働く。

具体的な手法を選択する際は、ターゲットのオーディエンスに接触し、事業の目標を達成する上でどのように効果があるのか特定するべきである。また、利益の増加をもたらすために必要とされるコストを算定する必要もある。

競争に勝つために、毎月、コンテンツマーケティングの取り組みを1つか2つ企画し、編集カレンダーに盛り込んでおこう。

今回紹介したB2Bコンテンツマーケティングの手法のリストから、どの手法を採用して来年のコンテンツマーケティングを進めていくつもりだろうか?その手法を選んだ理由も聞かせてもらいたい。

この記事は、Heidi Cohenに掲載された「Top 2015 B2B Content Marketing Tactics」を翻訳した内容です。

コンテンツマーケティングのチャンネルは多数、コンテンツをブログだけでなく様々な方法で発信していくことが重要と思わせる内容でした。しかし効果的な手法でイベントが一位といわれると、そうなのか?という気がしなくもないですが、、、私もデータアーティスト社にてイベントを主催したりもしていますし、もちろん効果は実感していますが、それも普段の地道なコンテンツマーケティングあっての気もします。その場で人と話せるだけに体感的にそう感じる人が多いのかもしれませんが、本当にコンテンツマーケティングを活用できているのか?という気にならなくもない私でもありました。 — SEO Japan

昨年末起こった押さえておきたい米国ウェブ業界ニュース – 災難続きのSonyからメディアが抱える信用問題まで

毎週恒例の米国ウェブ業界最新事情ですが、昨年末紹介し忘れたというか忙しくて配信できなかった内容を。色々と見逃せないネタが詰まってます。 — SEO Japan


今週のウェブマーケニュースでは、・終わりの見えないSonyの悲劇 ・Timeがデジタル化を推進 ・スペインのパブリッシャー、Google ニュースから姿を消す ・マーケティングのスキル ・2015年に注目すべき企業とトレンド ・Instagramがアップデートを敢行 ・SecretとMediumの今後の方向性 ・Serialが最終回を迎える ・データを取得してPRプログラムを改善する方法 ・メディアが抱える信用問題等の話題を伝える。

それでは、デジタルマーケティング業界に影響を与える重要なリンクをまとめて紹介していく。

毎週、経営者の方々が、最新の変化、レポートする価値のあるアイテム、そして、仕事で役に立つ可能性があるコンテンツを把握することが出来るように、テクノロジー、ソーシャルメディア、モバイル、デジタルコミュニケーション、そして、マーケティング業界の現在のイベントとトレンドに関するリンクを集めて、ニュースレターを提供している。ニュースレターを購読することも可能だ。

また、Flipboardを利用しているなら、This Week in Digital Magazineを購読すると、同じリンクを手に入れることが出来る。

ウェブマーケティング

  • ご存知のように、Sony Entertainmentでは騒動が続いている。Eメールを送れなくなり、財務データ、そして、個人のデータを勝手に公開され、企業の機密情報および知的財産も公にされてしまった。Sonyは高給取りの弁護士を雇い、削除通知を発行した。すると、今度はハッカーに2001年の911のような攻撃を行うと宣告され、映画「The Interview」の公開を取りやめなければならなくなった。
  • 一部の専門家は、これは戦争でもなければ、テロリズムでもなく、(規模は大きいものの)データの漏洩、つまり、サイバー攻撃であり、Sonyのリアクションを過剰だと主張した(Motherboard)
  • ジョージ・クルーニーは断固とした姿勢を感じられるレター、そして、注目に値するインタビューを通じて、Sonyがハッカーの要求をこれ以上飲まないように同業者に呼び掛けた – ただしハリウッドの映画業界はジョージ・クルーニーのリクエストを完全に無視した(Deadline Hollywood)
  • Time Inc.のチーフコンテンツオフィサーを務めるノーマン・パールスティーンはデジタルエイジの難題に直面し、レポーターに対して最後通告を突きつけた。会社は多くのトラフィックを稼ぎ出すレポーターの雇用を続ける権利があると語った。恐らく、トラフィックをもたらさないレポーターを解雇する権利もあると言いたいのだろう(Washington Post)
  • コンテンツのヘッドラインとテキストの一部をGoogle ニュースで提供する行為がスペインの裁判によって禁止されたことを受け、GoogleはGoogle ニュースのインデックスからスペインのパブリッシャーを除外した(12月22日の時点)。その結果、スペインのニューサイトのトラフィックは激減した。最初からこうなることは分かりきっていたはずだ。Timeには同じ轍を踏んでほしくない(GigaOm)
  • 2015年に注目すべき15社のソーシャルメディアをチェックしておこう(Forbes)
  • 2015年に注目すべき5つの世界的なPRのトレンドの中には、マイクロネットワークに力を入れるトレンド、そして、東洋と西洋の統合が進むトレンドが挙げられている(The Holmes Report)
  • 今年の総括を行っているの私だけではない。Googleも2014年に検索されたフレーズをまとめている
  • プラットフォーム

    • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • 匿名アプリのSecretはコメントを匿名で投稿する機能を携え、今年の3月にダウンロード数が最も多いアプリとしてトップに躍り出たものの、徐々に利用するユーザーは減少している。そこで、Secretはチャット機能を持つソーシャルネットワークとして再出発するようだ(The Verge)
  • いまどき、1700万名以上のユーザーを抱えるサービスは決して珍しくはない。しかし、Mediumを立ち上げたエバン・ウィリアムズはこのサービスをさらに改善する計画を立てている。なぜなら、Mediumには、モノローグに近い形で会話に貢献する意義深いコンテンツが投稿されるためだ(USA Today)
  • コラボレーティブエコノミー

    • Uber
    • Uberは先週の暴風雨に便乗した値上げに飽き足らず、今度はシドニーでの人質事件を理由に、都市部の顧客に対して値上げを行った。アルゴリズムを非難する専門家もいたが、広報部門は何が起きているのか明確に把握していたはずだ(Mashable)
    • 先週、ニューデリーでUberのドライバーが婦女暴行事件を起こしていたが、今度はボストンのUberのドライバーが車の後部座席で乗客を強姦した( Huffington Post)
    • 世界的な安全対策のプロがUberに加わった。Airbnbでセーフティプログラムを実施したフィル・カルデナスがUberに入社したのだ。カルデナスはブログの中で2015年のUberが目指す安全対策を説明している — テクノロジーの改善、身元調査における新しい適性審査の方法の導入、24時間体制のカスタマーサービスとサポートシステムの導入、顧問およびトレーニングのための提携の締結がこのプログラムに含まれている。
    • 中国では少なくとも3つのタクシー配車アプリが存在する。そんな中、先週、UberとBaiduが提携を結んだ。UberがBaiduを必要とする理由を学んでおこう(Fast Company)
  • カーシェアリングアプリの人気が高まることで、自動車メーカーの収益に影響は出ているのだろうか?(Reuters)
  • 消費者を対象としたシェアエコノミーはメディアで取り上げられる機会が多いものの、実はピア・ツー・ピアの企業レベルの取引がB2Bの世界で急成長している(strategy+business)
  • オーディオ



    計測基準/測定/ビッグデータ

    法律/人事

    • Sonyを巡る騒動は終始する気配を見せず、重役、製品、そして、一部の映画スターに関するデータがハッカーによって公開されている。この問題に対してSonyは、高額な弁護士を雇い、メディア各社に情報の削除を要請し、全ての情報のコピーを管理と破壊を「アレンジ」するだけであった(Krebs on Security)

    コンテンツ

    • TED Talksを通じて素晴らしいアイデアが世の中に伝えられている。The Year in Ideas: TED Talks in 2014で特に優れたプレゼンを視聴しよう(TED)

    重要な記事、動画 & オーディオ

    最近のメディアは信頼に関する問題に直面しているようだ。一部のジャーナリストやメディアの品位を疑いたくなるような問題が続出している。だらしなさ(タイトなスケジュールが原因?)と倫理観の欠如が要因に挙げられる。それでは最近の問題を幾つか紹介していく:

    • Rolling Stone誌が、男子学生の社交クラブによる女子学生への婦女暴行を詳しく綴った衝撃的な記事「キャンパスで起きたレイプ事件」を配信した。その後、同誌は「読者の皆様へ」と題された記事(どう考えてもポジティブな内容は期待できない)で、情報源を検証することが出来ないと認めた(Rolling Stone)
    • 女優/活動家のレナ・ダナムが大学の友人「バリー」に強姦された体験を赤裸々に本に綴ったものの、肝心のバリーを特定することが出来ない事実が判明した。また、他にも確認出来ない情報が幾つかあり、このストーリー自体の真実味が疑われている(Washington Post)
    • 大手出版社のPenguinは、有名YouTuberのゾーイ・サグのデビュー作が、JK ローリングのハリー・ポッターの第一作の売り上げを上回ったと主張していた。しかし、ゾーイ・サグの作品を大々的にアピールした後、ペンギンは「ゴーストライターの存在」を認めた(Daily Mail)
    • 今週の始め、ある高校生が投資クラブでの活動を通して、7200万ドルを手に入れたと自慢していた。その後、すべて嘘であったことを認めた(New York Observer)

    • この記事は、Scott Montyに掲載された「This Week in Digital December 19th 2014」を翻訳した内容です。

      時間がある時、読んでみたい紹介記事が目白押しでした。今週末、頑張ります。 — SEO Japan

    2014年の検索業界の総括月別まとめ

    2015年、検索マーケティングに取り組む前に改めて総括しておきたい2014年。そそんなあなたのためにDistilledが素晴らしい記事を書いてくれました。 — SEO Japan

    本サイトでハンナ・スミスが2013年の検索を総括してから、早くも1年が経過した。しかし、なぜか分からないが、その実感は湧かない。それでも、総括を行う時期が再びやって来た。今年も色々なことが検索業界では起きたが、SEOは健在だ。しかも、今まで以上に面白味を増している。それでは、2014年を振り返り、大きな変化をまとめていこう。

    1月: ゲスト投稿とリンクネットワークにとどめの一撃 & AI

    Googleのウェブスパムチームは、SEOコミュニティの疑わしいグループに対して宣戦布告を行い、新年をスタートさせていた。以前から拡大可能なゲスト投稿はGoogleの取り締まりの対象になっているのではないかと疑ってきたが、Googleのウェブスパム対策を統括するマット・カッツが個人で運営するブログの記事の中で、ハッキリと認めた。続いて、マット・カッツは、検知不能を売りにしていた複数のリンクネットワークを公の場で批判し、閉鎖に追いこむのであった(そもそもGoogleを表立って挑発するのは得策とは言い難い)。

    これとは別に、Googleは4億ドルでAI事業を営むDeepMindを買収し、2014年の新たな方向性を示していた。

    2月: FacebookがWhatsAppを買収 & ダン・バーカーが最高のツイートを投稿

    FacebookはWhatsAppを190億ドル(キャッシュ & 株式)で購入した。この出来事は世間を驚かせた。Instagramを10億ドルで買収した取引が、色褪せて見えてしまうほどの大金だ。マーケティングを全く行わない状態で急激にユーザーを増やしたWhatsAppの実力がこの金額に反映されていると言える。この買収から10ヶ月が経過するが、何も手を加えず、今までの方向性を維持すると言うFacebookの約束は守られている。ただし、この取引の数日後にWhatsAppはクラッシュしていた :)

    その他にも、2月にはダン・バーカーが投稿したこのツイートが注目を集めていた。その理由は読んでもらえれば分かるはずだ :)

    マット・カッツ
    Googleでスクレイパーのサイトがオリジナルのコンテンツのソースよりも上位にランクインしているなら、Googleに連絡を下さい。

    ダン・バーカー
    見つけました。コンテンツのテキストがそっくりです。

    3月: ゲスト投稿が再びニュースになる

    SEOサービスを提供するドック・シェルダンがGoogleによるペナルティーを受けた。個人のサイトで配信したゲスト投稿の最後に掲載されていた1本のリンクが原因だと見られている。当該の記事は確実にゲストによる投稿であったが、ペナルティーを課すほどのスパム行為と見なされたとは考えにくい。

    次にゲストブロガーのコミュニティサイト、MyBlogGuestにペナルティーが与えられたことが明らかになった。Googleは2014年の年明けにマット・カッツが行った脅しと警告を着実に実行に移しているようだ。

    4月: 驚異的な成長を続けるモバイル & ヴィック・ガンドトラがGoogleを退社

    Facebookはモバイルデバイスを利用する同サイトのユーザーが10億人を超えたと報告した。この傾向は2014年を通じて見られた。この件に関して、その数ヶ月後にロンドンで行われたSearchLoveでモバイルの脅威に関するプレゼンを当サイトのウィル・クリッチローが行っている。

    また、4月にはヴィック・ガンドトラがGoogleを辞めたことがニュースとして報じられた。ヴィック・ガンドトラはGoogle+の開発を指揮していた人物として知られている。Google+には当初から懐疑的な見方、そして、批判的な見方があったが、ローンチから3年以上が経過した今も健在である。

    5月: パンダ 4.0、Facebookが不気味な試みをスタート & 忘れてもらう権利

    5月になると大規模なパンダアップデートがリリースされた。このアップデートはパンダ 4.0と呼ばれるようになった。パンダ 4.0はペイデイローンアップデートと同時期に展開され、SEOサイトのMozを代表するライター、Dr. ピートが行った分析によると、大幅なランキングの変更があったようだ。今年はペンギンアップデートに関する話題も多かったが、ペンギンがニュースになるのはこの数ヶ月後である。

    FacebookはモバイルデバイスのマイクをONにして、ステータスアップデートの供給源として利用する新しい不気味な機能を発表した。一部の専門家は、ユーザーが良く聞く音楽、そして、良く見るテレビ番組に関するデータをFacebookが集め、広告を提供する際に活用するようになるのではないかと推測していた。

    さらに、5月には、EUが「忘れられる権利」をユーザーに与えた — 要するに、自分の名前を言及する特定のページを自分の名前に対する検索結果から削除するようGoogleに要請することが出来るようになったのだ。Googleは、この要請を受け入れるようになってから、24時間で1万2000通を超えるリクエストが寄せられたことを認めた。その結果、次のようなメッセージがより頻繁に表示されるようになった:

    ヨーロッパのデータ保護法の下、一部の結果は削除された可能性があります。詳細はこちらをご覧下さい。

    6月: Google+のオーサーシップの写真が検索結果から削除

    Google+のオーサーシップの利用を一生懸命クライアントに薦め、必要なマークアップを整えたものの、Googleは検索結果からオーサーの写真を削除すると宣言した。この件に対する公式の発表は、とても簡潔な内容であった。Mozのサイラス・シェパードはもう少し詳しくこの件を伝えている。

    7月: 成長を続けるモバイル & Googleの新しいローカルアップデート、その名はピジョン

    今年の4月に明らかになったトレンドは7月になっても続いていた。ShareThisによるレポートで、スマートフォンとタブレットのシェアの数が2014年の第二四半期で30%増加したことが判明した。

    ローカル検索を対象とした最新のGoogleによるアップデートの名前を見た時、思わず笑ってしまった。不評だった2012年のエイプリルフールのジョークを思い出したためだ。実は真面目なアップデートだと分かって初めて詳しく調査する気になった。この記事を書いている時点で、このアップデートは米国のみで展開されており、英国ではリリースされていない。しかし、その他の国で展開されるのは時間の問題だと思う。

    因みに、ちょうど同じ頃、マット・カッツが休暇を取った。

    8月: Googleがhttpsを推奨 & アイスバケットチャレンジが煩わしいくらいバイラル化

    Googleは2011年からhttpsへの移行をスタートされていたが、今年の8月、httpsを採用するサイトは検索結果で優遇されると発表した。ただし、その後すぐに、大幅に優遇されるわけではないと忠告した。

    また、8月には、ALS アイスバケットチャレンジがバイラル化し、チャリティーであったとしても若干煩わしくなるレベルに達した。俳優のパトリック・スチュワートが最高のアイスバケットチャレンジを行った:

    これが本当のアイスバケットチャレンジだ。

    因みにマット・カッツはまだ休暇を楽しんでいる。

    9月: 新しいシグナルを持つ最新のパンダアップデート & Yahoo! ディレクトリの閉鎖が決定

    比較的規模の大きなパンダアップデートが再び行われた。しかし、今回のアップデートでは、Google曰く、より多くのシグナルを見つけ、品質の低いコンテンツをより正確に特定することが可能になり、アルゴリズムが改善されたようだ。

    同じく9月にはYahoo! ディレクトリが閉鎖され、私は少し悲しくなった。私がSEOを始めたばかりの頃、このディレクトリはスパム良質なリンクを構築する上で効果的であった。

    マット・カッツはまだ休暇から戻っていない。

    10月: ついにペンギンアップデートが行われるものの、規模は意外と小さい

    前回確認されたアップデートから1年以上が経過した10月、Googleは待望のペンギンアップデートを行ったと告知した。しかし、Dr. ピートによる分析、そして、SEO業界の一部の専門家によるフィードバックを見る限り、期待されたほどインパクトは大きくなかったようだ。

    その後、このアップデートは徐々に展開されていくことが明らかになった。アップデート導入時のインパクトが思ったよりも小さかったのは、このためだと推測される。

    マット・カッツはまだ休暇から戻っていない。

    11月: Yahoo!の逆襲 & 感謝祭の休日に現れたペンギン

    Firefoxがデフォルトの検索エンジンをGoogleからYahoo!に変更したと発表した。対象はアメリカのみだが、この変更は元Googleの従業員、マリッサ・メイヤー率いるYahoo!にとって大きな勝利だと言える。

    また、感謝祭の休日の前後にランキングの変動に関するニュースが出回っていた。これは、10月に行われたペンギンアップデートのドミノ効果であることが分かった。一部の専門家はペンギンは継続的なアップデートに移行しているのではないかと推測し、この推測は12月に入って 確認されることとなった。

    マット・カッツは休暇中

    12月: Google ニュースがスペインを去る

    スペインで新たな法案が可決され、検索結果に、たとえ一部であったとしても新聞の記事を表示する場合、検索エンジンは料金を支払わなければならなくなった。Googleはこの法律に従うことを拒んでいるため、Google ニュースはスペインから姿を消す

    また12月、Googleが、モバイルフレンドリーなウェブサイトを優遇するため、新たなステップを踏むことが明らかになった — 国内外の検索結果に「スマホ対応」が表示されるようになる:

    モバイルに力を入れ、同じことをするウェブサイトを優遇するトレンドは1年を通じて続いたことになる。

    今回の総括を楽しんでもらえたら他に何も言うことはない。ただし、万が一、メジャーなトレンドを見逃していたら、コメント欄で気軽に指摘してもらいたい。


    この記事は、Distilledに掲載された「The Year in Search | A Round Up of 2014」を翻訳した内容です。

    改めて去年の動向を振り返られる、大変わかりやすいまとめ記事でした。一読して今年につなげたい。 — SEO Japan

    2015年のB2Cコンテンツマーケティングを成功に導く3つの取り組み

    昨日、コンテンツマーケティング調査を元にした記事を紹介しましたが、今回はB2Cのコンテンツマーケティングに特化した記事を。コンテンツマーケティングはよりB2Bで活用されているという話もありますし、B2CはB2Cならではの難しさもあるようですが、さてB2Cマーケッターが考えるコンテンツマーケティング成功の秘訣とは。 — SEO Japan

    2015年 B2Cコンテンツマーケティングのトレンド: リサーチ & チャート

    2015 B2C Content Marketing Trends-3 Elements
    現在、常にネットにつながり、情報に溢れた時代を迎えており、コンテンツなしでは、B2Bのマーケティングは成立しない。

    Content Marketing InstituteとMarketingProfが共同で行った2015 B2C Content Marketing Trends調査によると、B2Cマーケッターの77%はコンテンツマーケティング戦略を用いて、明確に狙いを絞ったオーディエンスに価値をもたらす情報を作り、配信しているようだ。

    コンテンツマーケティングを活用しているB2Cマーケッターがこれほど多いことを知ると、B2Cのマーケッターは何の問題も抱えることなくコンテンツマーケティングを実施している、と思うかもしれない。

    しかし、2015 B2C Content Marketing Trends調査では、正反対の結果が出ている。コンテンツマーケティングの利用が効果的だと感じているマーケッターは37%に過ぎないのだ。


    2015 B2C Content Marketing Trends-


    2015年のB2Cコンテンツマーケティング計画に盛り込むべき3つの不可欠な要素

    コンテンツマーケティングを採用するだけでは十分とは言い難い。セールスと利益を増やすために、次の3つの不可欠な要素をコンテンツマーケティングの計画に取り入れる必要がある。

    2015 B2C Content Marketing Trends-3 Elements


    1. コンテンツマーケティング戦略の文書化

    コンテンツマーケティングを成功に導く上で、コンテンツマーケティングを文書化する取り組みは欠かせない。ただしこの戦略を利用しているB2Cマーケッターは27%のみである

    2015_B2C_Research-Have content marketing strategy


    コンテンツマーケティングを文書化する戦略は有効である。戦略を文書化したB2Cマーケッターの43%はコンテンツマーケティングからセールスを得ている。

    コンテンツマーケティング戦略に対する、次の3つの要素を重役に納得してもらう点に関して、大勢のマーケッターが尻込みしているようだ。

    • コンテンツマーケティングの目標が企業の目標と一致している。 目標では、顧客の獲得と維持(リード生成とセールス)に的を絞ってもらいたい。

      2015 B2C Content Marketing Trends


    • 顧客、顧客のインフルエンサー等、オーディエンスを絞る。そのために、現在の顧客を理解し、また、マーケティングペルソナを作る必要がある。このリサーチに基づき、B2Cのマーケッターは、通常、4タイプのペルソナを用いて、ターゲットのマーケットを網羅する。
    • プログラムの成功を判断するコンテンツマーケティングの計測基準。出来れば、セールスを主要な業績の視標の一つに含めてもらいたい。

    反対にマーケッターの50%は文書化していない(あるいは口頭で済ませている)。 文書にまとめるか否かは、パフォーマンス & コンテンツマーケティングの成功に大きな影響を与える。

    実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

    • オーディエンスをターゲットにしたコンテンツマーケティング戦略を策定する。コンテンツマーケティングの計画の一環として、コンテンツの作成および配信に加え、コンテンツマーケティングの評価、そして、コンテンツのキュレーションを行おう。
    • コンテンツマーケティングの計画をチーム一丸となって遂行する。品質の高いコンテンツを作る上で必要なツールを従業員に与えよう。写真と動画の利用も忘れずに行うべきだ。公の場で恥をかく恐怖心を拭い去ることが鍵を握る。

     

    2. コンテンツマーケティングのリソース: スタッフと予算

    マーケッターは平均で予算の25%をコンテンツマーケティングに費やしている(人材は除く)。


    2015 B2C Content Marketing Trends


    予算が多ければ多いほど結果は良くなる。

    • 良好な成果を上げているB2Cのマーケッターは平均でコンテンツに予算の29%を投じている。
    • 良好な成果を上げていないB2Cマーケッターは平均でコンテンツに予算の17%をに投じている。

    平均的なB2Cマーケッターの45%はコンテンツマーケティング専用のスタッフを抱えている。

    • B2Cマーケッターの17%は個別のユニットとして動くコンテンツマーケティングの人材を抱えている。
    • B2Cマーケッターの28%は社内で横並びに組み込まれたコンテンツマーケティングの人材を抱えている。

    成功するためにはリソースは欠かせない。良好な成果を上げているマーケッターの63%はコンテンツマーケティング専用のスタッフを抱えている。


    2015 B2C Content Marketing Trends-headcount


    マーケティング部門の一部がコンテンツマーケティングを担当する会社は、B2Cの会社の約1/3を占める。小さな規模の会社では、経営者がコンテンツマーケティング(およびコンテンツの作成)を担当する。


    2015 B2C Content Marketing Trends-headcount


    基本: 専用のリソース、スタッフ、予算を用意することで、コンテンツマーケティングの成果は良くなる。

    興味深いことに、成功や規模に関わらず、マーケッターの60%は今後12ヶ月間でコンテンツマーケティングの予算を増額する計画を立てている。


    2015 B2C Content Marketing Trends-Budget


    3. コンテンツマーケティングの計測基準(コンテンツマーケティングのROIを含む)

    ビジネスの面で、セールスと利益は成功へのとなる。

    • B2Cマーケッターの54%はセールスを計測している。2014年度の調査から比べると10%アップしている。
    • B2Cマーケッターの39%はコンバージョン率の増加を計測している。コンバージョン率が良くなると、各コンテンツに対して成立するセールスが増えるため、この計測基準は収益に関連すると言える。
    • B2Cマーケッターの39%はSEOのランキングを計測している。コンテンツマーケティングはSEO戦略を支えるため、検索マーケティングの経費の削減につながる。


    2015_B2C_Research-Content Metrics-1


    信じられないことに、B2Cマーケッターの5名に1名はコンテンツマーケティングのROIを計測していない。


    2015 B2C Content Marketing -ROI success


    Hubspotが実施した「2014 Inbound Research」により、ROIを計測するだけで収益が改善されることが判明している。コンテンツ戦略の文書化と同じように、従業員はセールスと利益について検討せざるを得なくなるためだ。


    Hubspot Inbound 2014-ROI


    ROIに関連しているため、Hubspotの「State of Inbound 2014」調査の結果を精査したいなら、このコンテンツマーケティングのROIの分析に関する記事に目を通しておこう(注記: インバウンドマーケティングはコンテンツマーケティングとは異なる。前者はSEO、ソーシャルメディア、そして、コンテンツマーケティングを網羅している)。

    実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

    • コールトゥアクションを加える。顧客に次に取ってもらいたい行動を本人に突き止めさせるのではなく、購入プロセスの次のステップを踏んでもらえるように要請する必要がある。
    • 適切な追跡ツールを実装する。コールトゥアクションをクリックした人数を計測することが出来る環境が求められる。
    • コンテンツの特徴をランディングページにも反映させる。同じブランディングおよびコンテンツの同じ要素を維持し、読者がコンテンツマーケティングのルートから脱線していないことを把握してもらう必要がある。

    コンテンツマーケティングの計測基準を詳しく知りたい方は、53点のコンテンツマーケティングの計測基準を確認しておこう。

     

    コンテンツマーケティングで成功するB2Cマーケッターが少ない理由

     
    コンテンツマーケティングを通じて順調にセールスを得ているB2Cマーケッターは25%を下回った。 B2Cマーケッターがコンテンツマーケティングに力を入れているにも関わらず、なぜ成功しているマーケッターは少ないのだろうか?

    その答えは知るには、マーケッターの力の及ばないコンテンツマーケティングにおける難問を理解する必要がある。

    • 成功の判断はコンテンツマーケティングの難点として最も多く挙げられていた。マーケティングの取り組みがうまくいっている点を証明しなければ、リソースを確保するのは難しくなるため、辻褄は合う。
    • (予算および人材の面で)リソースの欠如を挙げるマーケッターは2番目に多かった。魅力的なコンテンツの製作の難航、一貫したコンテンツの製作の難航、そして、各種のコンテンツの製作の難航は、コンテンツマーケティングが予算と人材の面で足りていない兆候である。
    • B2Cマーケッターの約1/3が重役の支援の欠如に直面している。この状況では、コンテンツマーケティングの全ての取り組みが難航してしまう。

    実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:

    • 重役がコンテンツマーケティングを支持することに難色を示す原因を探り、その問題に対処する。さもなければ、コンテンツマーケティングを成功に導く上で必要なリソースを永遠に得ることは出来ない。

    しかし、マーケッターが絶対に持つべきではない領域が1つある。それは、マーケティング部門の取り組みにおいてである。

    • コンテンツマーケッターの1/3はマーケティング部門全体の結束が欠ける問題を抱えている。マーケティング部門全体が同じ方向を向いている必要があるため、この問題は目立つ。また、コンテンツマーケティング戦略をマーケティングの計画のその他の要素に統合して、コスト効率よく結果を改善することはそれほど難しくないはずである。


    2015 B2C Content Marketing Trends-Challenges


     

    2015年のB2Cコンテンツマーケティングを成功に導きたいだろうか?

    それなら、コンテンツマーケティング戦略を策定 & 文書化し、(人材および予算の面で)リソースを与え、そして、コンテンツマーケティングのROIを計測しなければならない。

    2015年のB2Cコンテンツマーケティングにおけるトレンドにおいて、何が鍵を握ると思うだろうか?


    この記事は、Heidi Cohenに掲載された「Does Your 2015 B2C Content Marketing Plan Include These 3 Elements?」を翻訳した内容です。

    成功の秘訣という意味では、そこまで大きくB2Bと変わるわけではないようですね。私はどちらかというとB2BよりB2Cのコンテンツマーケティングに携わることが多いですが、B2Bと比較し、ターゲットユーザーの範囲が広く、ピンポイントでコンテンツの制作を行うことももちろん大事ですが、ネットでバズる要素を求められる点がチャレンジといえばチャレンジに感じます。もちろん、またそれが面白くもあるわけですが。。。さて皆さんに少しは参考になるデータはあったでしょうか。 — SEO Japan

    2010年代におけるGoogleの進化とSEO衰退の歴史まとめ

    ペンギン・パンダ等のアルゴリズムの進化、そして手動の取締り強化により、SEOを巡る状況は英語圏のみならず日本でも大きく変わりました。今回はそんなGoogleの進化とそれに伴うSEOの衰退を整理してまとめてくれた記事をサーチエンジンランドから。もちろんSEOの概念や必要性がなくなることはないでしょうが、専門職としての役割と需要は、Googleの進化と共に減ってきているのは紛れもない事実と思います。業界関係者には是非読んでほしい内容。 — SEO Japan

    google-white2-algorithm-seo-ss-1920

    SEO業界は2010年以来劇的な変化に直面しているが、今度どのように進歩するのだろうか?

    賢くなったGoogle

    Googleは常に賢いサービスであった。立ち上げられたばかりの頃、ページランクアルゴリズムによって、Googleは検索業界を一変させた。あまりにも革命的であったため、今となっては誰も覚えていないその他諸々の検索エンジンを次々と葬っていった。カフェインが導入される前の、初期のGoogleも賢く、2010年以降に登場するGoogleの前任者としては申し分のない製品であった。

    過去を振り返ると、Googleの品質保証、つまり検索エンジンの結果ページ(SERP)を保護する取り組みは力に頼っていた。相互リンク、有料テキストリンク、アーティクルリポジトリのリンク等、迷惑なリンクを特定して、ウェブスパムを識別し、対処するプログラムを書くのが常套手段であった。インフラに対するビッグダディアップデートが行われる前は、特にこの傾向が強かった。

    インデックスのインフラを対象としたカフェインアップデートが2010年に導入された際、マイリー・オイェはウェブマスターセントラルで「ウェブ全体が拡大、そして、進化を続けており、カフェインを投入することでGoogleも共に進化することが可能になる」と話していた。この言葉は嘘ではなかった。カフェインが導入されると、Googleは好みのサイトをより正確に特定することが可能になった。

    例えば、Googleは、上位にランクインしているコンテンツを書き直し、反復するのではなく、新しい情報、アイデア、あるいは、考えを当該のトピックに与えるコンテンツを求めている。

    確かに、Googleはさらにパワフルな武器も導入している(パンダやペンギン等)。しかし、現在のGoogleはより知的な行動を取る気がする。ページランクアルゴリズムとパトロールが強化されただけではない。

    初期のGoogleに話を戻す。10年以上前のGoogleと同じく、SEOコミュニティもまた賢かった。相関関係を誰かが発見するずっと前に、SEOコミュニティは重要なランキングファクターを特定することに成功していた。

    SEOコミュニティはGoogleの裏をかくこともあった。SEO業者に欠けていたのは、知識、あるいは、知識だと思っていたモノを体系化するプロセッサとストレージだけであった。

    その後、ムーアの法則が追いつき、クラウドが登場した。MajesticとMoz等の会社がウェブの広範囲をクロールするようになり、ベールを取り払い、Googleの隠し味の多くを明らかにする取り組みを始めた。

    SEOの知識がピークに達したのは、カフェインが導入された時期と一致すると主張する声もある。当時、Googleはあらゆる情報を公開していた。

    しかし、現在、SEO業界はGoogleの発表に関して既に持っている知識を精査することに専念している。同時に、Googleは共有するデータの量を減らしている。

    今年の10月、Googleは — 「利用を止めた」ではなく、– ページランクに別れを告げると言った。また、Googleはキーワードの分析機能を取り上げ、さらに、キーワードツールのレベルを低下させた。知識と影響の比率において、2010年と現在を比べると、現在、SEOに対する知識の量は低下している可能性がある。

    それでは、カフェイン導入後5年目に差し掛かろうとしている現在、SEOはどこに向かおうとしているのだろうか?

    SEOの終焉

    SEOに関して、ウェブサイトのオーナーは次の3つのタイプのいずれかに当てはまる:

    1. SEOをマーケティングのチャンネルの一つと考える。このタイプの見解を持つサイトのオーナーは、トラフィックを増やす手段としてSEOを実施する。SEO目的で、コンテンツを作り、ページを最適化し、リンクを構築する。
    2. SEOのトラフィックを、SEO以外の取り組みを全て適切に実施した褒美と考える。キーワードを選び、コンテンツを最適化するものの、コンテンツ、ソーシャルメディア、そして、宣伝を活用し、エンゲージメントとアウェアネスを高める取り組みに力を入れる。このタイプの人達は、SEO以外のタスクを全て正しく実施すれば、結果として、自然なトラフィックが増えると考えている。
    3. SEOを実施しない。 このタイプのウェブサイトのオーナーは認める認めないに関わらず、我流を貫く。デザイン、アーキテクチャ、そして、サイト上のコンテンツにSEOのベストプラクティスを反映されることはない。SEOが結果的に効果を発揮することを望むものの、その準備を行わない人達もこのグループに属する。

    様々な理由で3つ目のタイプの見解を持つサイトのオーナーが増えつつある。最新のHTML5/CSS3/JavaScriptのデザインに夢中になり、何も変えたくない人もいれば、単純に諦め、豊富な資金を持つブランドとは勝負にならないと考えている人もいる。

    大勢のSEOの関係者がこの業界を去りつつある。コンテンツマーケッターに転身した人もいれば、インバウンドマーケッターに転身した人もいる。このタイプに当てはまる場合、今でもSEOを仕事の一環として行っているが、仕事の範囲を拡大している。SEOのみでは、あまりにも仕事が限定されてしまうためだ。

    SEOのみを生業とする業者は今でも存在するが、業界全体としては撤退する傾向が見られる。

    Googleが有名な企業に大きなアドバンテージを与えるため、中小規模のビジネスは苦戦を強いられるようになり、とりわけ国内のみで営業する小さな会社は大きな規模のライバルに対して闘志を燃やすようになった。スタートアップ、そして、大企業レベルであっても、SEOをその他の部門に組み込む動きが進んでいる。

    SEO専門の業者は確実に実在するものの、雇用の機会は減少を続けている。現在、SEO専門のエキスパートはエージェンシーか個人か企業社内のポジションに限られる。

    ページランクの終焉

    ページランクのアップデートを終了すると言うGoogleの発表は、少し拍子抜けした感が否めなかった。この発表を行うまでに、なぜこんなに時間がかかってしまったのだろうか?それよりも重要なことhな、貴重な情報がまた一つ取り上げられてしまったことだ。

    Googleはアドワーズのキーワードツールを没収した。アナリティクスでは(随分前の話だが)キーワードのリファラー情報の提供を停止した。Googleはウェブマスターツールを気が向いたら強化しているものの、重要なアップデートを頻繁に行う必要のある本格的なソフトウェアプロジェクトのようには扱っていない。

    現在、Googleの利益に貢献しない取り組み、あるいは、PCCの投資を減らす取り組みは、全て粛清の対象になってしまう気がする。

    オーサーシップが思ったような効果を発揮しなかったら、修正するのではなく、諦めた方が良い。Google+の+1が期待したほど指標としての役目を果たさなかったら、断念しよう。今後も、Googleは情報を隠す手段を次々に考案していくはずだ。

    キーワードターゲティングの終焉

    ハミングバード(および、エンティティの基本的な概念)のおかげで、1つのページに関連する全てのキーワードとそのバリエーションを詰め込む最適化の手法が編み出された。

    この展開に行き着く前、SEOのエキスパートはキーワードごとにページを作る方針を採用していた。Googleはリスクの分散を認めなていない。うまくやれば、多数のキーワード、キーフレーズ、あるいは、バリエーションで上位にランクインすることが出来る。失敗すると、沈没する。

    また、Googleは既に他の誰かが言ったことを繰り返すのではなく、新たな考えを提示せよと注文をつけている。 これは効果的なSEOコンテンツを作る上で、大きな障害を作り出している。多くのページを1つのページにまとめ、オリジナルのテキストではなく、オリジナルの考えを詰め込まなければならないのだ。

    ちなみに、SEOエージェンシーに勤めている/経営している方に言っておくことがある。今なら、ハミングバード以前のコンテンツをエンティティに変えるタスクを、製品として提供することが出来る。パンダから復帰させるサービスと組み合わせると良い。ただし、上位にランクインし、多くのトラフィックを獲得しているウェブサイトを台無しにすることがないように注意してもらいたい。

    リンク構築の終焉

    リンク構築は今まで以上に重要になったのだろうか?それとも、息絶えたのだろうか?Googleは有料のリンクを無視、または、罰っし、その一方で、無料のリンクを評価する方法を見出したようだ(ペンギンさんの登場)。

    トッド・マイコートが作成したリンクベイト講座を読み直してもらいたい(その際は、フレーズ「リンクベイト」を無視しよう)。

    Googleはウェブサイトのオーナーに対して、オーディエンスを獲得し、リンクとソーシャルメディアのシェアでオーディエンスから見返りを与えてもらうシステムを提案している。コンテンツがオーディエンスのアクティビティ、または、会話を促さないなら、リンクを得ることは出来ない。

    そのため、ブログでのコメントやソーシャルメディアでのシェア等の指標に注目する必要がある。ただし、全ての記事、投稿、または、ページがバイラル化するわけではない。10本のうち2本がリンクをもたらしているなら、高く評価するべきだ。3本リンクを獲得したなら表彰状ものだ。

    リンク構築のプロ — と言ってもウェブサイトの管理者に勧誘電話をかける人達ではなく、戦略的にリンクを構築することが可能な有能な人達 — つまり、お互いに助け合うグループをまとめることが出来るネットワーカーには、生き残る道がまだあると私は考えている。

    個々のグループは大きな影響力を持たないかもしれないが、雪だるま式に膨らんでいくと、読者やフォロワーはコメントを残したくなり、シェアしたくなり、そして、リンクを張りたくなる。

    最高のネットワークは最高のコンテンツに勝つ。インフルエンサーの仲間で構成されたソーシャルネットワークに属するインフルエンサーこそが、最高のリンクビルダーになれる。

    マット・カッツの終焉

    …と言っても、マット・カッツがもうすぐあの世に旅立つわけではない。十分に値する休養を終えた後、ミスター Googleとして、SEOコミュニティ専門の広報として、復活を遂げるだろう。期待しているが、復帰する確率は50%程度だと私は見ている。

    マット・カッツが提供する情報は、GoogleのエンタープライズのPPCアドバイザーが提供する情報よりも、非エンタープライズのサイトを助けてくれる。そもそも、ウェブが若く、流動的であった時代と比べると、小さな事業を大規模な広告スポンサーに成長させることは難しくなっており、Googleには、公式の発表とアップデートを提供する以外にSEOを助けるインセンティブが存在しない。

    また、個人、エージェンシー、そして、スモールビジネスのSEO担当者は、大企業のSEO担当者よりも鋭い質問、または、不満を投げ掛ける傾向がある。従って、雲隠れすることで、気まずい雰囲気を作らずに済む。

    そもそも、Googleは質問に答える必要はあるのだろうか?Googleのエキスパートがこの役目を果たしている。Mozu等の会社は、そのツールと調査を駆使して、SEOに関してGoogleが今まで提供した情報よりも多くのデータと答えを提供している。

    Googleの他の従業員もネット上で質問に答えているものの、Moz等のサービスは随分前からこの取り組みを行ってきた。事実、マット・カッツの穴を埋めるほどの働きをしている従業員はいない。アダム・ラスニクがウェブマスター Q&Aの動画を撮影している姿を見たことがない。Googleのエンジニアによる講演の機会が減る可能性は十二分にある。

    最後に

    質問は多いが、まともな回答はほとんど得られない。2020年にはGoogleはページランク、そして、リンクベースの検索エンジンから、オーソリティよりもクオリティを優先する検索エンジンへと姿を変えているのではないだろうか。

    しかし、Googleのブランド贔屓が直ることはないだろう。つまり、大きな企業は今後もSERPで幅を利かせ、小さなビジネスが上位にランクインするのはますます難しくなっていく。大半のSEOの関係者はこの業界から足を洗い、ウェブディベロッパー、デザイナー、そして、コピーライターのスキルの一つに成り下がる可能性が高い。

    この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


    この記事は、Search Engine Landに掲載された「The Decade Is Half-Over: Where SEO Has Been & Where It’s Going」を翻訳した内容です。

    SEOの衰退を断定的に言い切ってしまっていることには、反論を持つ方もいるかもしれませんが、SEO業界(SEOに専門に携わる人または会社、また彼らによるビジネス)全体の市場は一時に比べ確実に下がってきているのは間違いないでしょう。いわゆるわかりやすいスパム業者が事業撤退せざるえないのは仕方ないとしても、コーディングやキーワードリサーチ等のテクニカルな専門知識も、以前と比べ求められる専門性はより薄くなっていると思います。重要でない、という意味ではなく、通常のウェブデザイナーやコンテンツマーケッターが考慮すべき基本要素の一つに過ぎないというか。

    もちろん、特殊ケースに対応できる職人的技や、検索経由のトラフィック獲得に注力したウェブマーケッターという意味でSEO専門職のニーズはあり続けると思いますが、それなりのレベルに達していなければ、これまでのようなビジネスを続けることは相当難しいのではないでしょうか。

    私自身も昨年から新規サイトを幾つか立ち上げていますが実質やっていることの大半はコンテンツマーケティングですし、結果として従来のテクニック寄りのSEO以上に検索経由のトラフィックを伸ばせています(それ以上にソーシャル経由のトラフィックが多かったりもしますが)。もちろんベースにSEOの知識があることでコンテンツの価値を最大限活かせていると思いますが、コンテンツマーケティングやソーシャルメディアと切り離された「従来のSEO」は、既にその価値をほぼ失っているのでは、と思う最近です。SEO業者の代表がこんなことをいっていいのか、とも思いつつも汗、覚悟を決めて今年SEOに取り組んでいきたいと思う私です。 — SEO Japan

    【2015年版】大胆過ぎるSEOの予想10選

    コンテンツマーケティングの2015年のあるべき姿を考えた後は、やっぱりSEOについても考えてみたいですね。ということで、サーチエンジンランドによる今年のSEOに関する自称大胆な予想を10選。 — SEO Japan

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    ブログとソーシャルメディアに新年の予測を行う記事が氾濫する素晴らしいシーズンが到来した。ソーシャルメディア2015年推測する記事、そして、SEOどのように 来年 変わるのかを推測する記事さらには範囲の広さが売り物のデジタルマーケティング2015年におけるトレンド予想する記事もある。ただし、すべて出尽くした感があり、そして、トピックによっては何度も登場するものもある。

    しばらくすると、予測は一年中聞かされてきた内容とほぼ同じになる。しかも、最も優れた推測であっても結果を正確に言い当てるとは限らない。ほとんどのサイトが次のテーマの(全てではないなら)多くを取り上げることになる:

    • モバイルは今後も成長を続ける
    • 完全一致のキーワードの利用は少なくなる(少なくするべき)
    • ナレッジグラフのおかげでGoogle.comにとどまるユーザーが増える
    • グレイ/ブラックハットからすぐに足を洗うべき
    • 人が好むウェブサイトをデザインせよ
    • 偽のリンクはさらに役に立たなくなり、本物のリンクを得るのはさらに難しくなる(そして、さらに有益になる)– ただしGoogleが今後もリンクを混同するなら話は別だ

    私はこの取り組みを非難しているわけではない — 事実、私自身も2015年の予想を行い、さらに、ハロウィン版まで試している。

    しかし、今回は、その他大勢とは一線を画した非主流の推測を幾つか取り上げていこうと思う。

    刺激的で、賛否両論を巻き起こす、クレイジーと言われてもおかしくない予測が目白押しだ。その多くは思い切り外れるはずだろう(外れることを強く願う予想もある)。それでは、推測コミュニティで異彩を放ち、誰も予想していないものの、実は迫りつつある変化の兆候を明らかにする可能性のある予言を紹介していく。

    外部の自然なリスティングが一つもないテストの検索結果が現れる

    2014年のマーケティング業界を揺るがす6つの予言

    Googleは継続的にナレッジグラフ、視覚的な広告、そして、直接回答を提供する試みをアグレッシブに行っており、従来の、外部に向かう自然なリンクが一つもない検索結果が時折現れるようになる。実現したら、大勢のマーケッターが恐怖で凍り付くはずだが、実験/限定的な導入を越えたレベルには到達しないだろう(希望的観測?)。

    ランド・フィッシュキン

    「恐怖で凍り付く」は、マーケッターの心理を正確に描写した表現だと思う。ヨーロッパでGoogleに対する独占禁止法の裁判が長引いていることを考慮すると、このテストが実際に行われるとしたら、アメリカ以外に考えられない。

    この影響は計り知れない。マーケッターは確実に抗議する。また、ユーザーも拒絶する可能性が高い。事実、検索エンジンのユーザーの86%は広告よりも自然なリスティングを信頼している。.

    コンテンツ主体の事業は負けを見る

    エキスパートの見解: 2015年にSEO業界で起きる3つの大きな変化

    Googleはさらに多くの答えを結果ページに表示するようになるため、情報提供を生業とするウェブサイトは失速する。オーディエンスに答えを提供する事業を行っているなら、Googleと競合するため、辛い1年を迎えることになるだろう。

    ダン・ペトロビッチ

    要するに、ウェブサイトで答えを提供する取り組みで収入を得ているなら、その上で最も重要な資産(コンテンツ)は、既に競合者(Google)に渡ってしまっていると言うことだ。

    また、Googleは矛盾を全く意に介してない。

    スマート化が検索マーケティングの進歩に貢献する

    SEOのプロならスマートデバイスを最適化せよ – IoTの悲痛な叫び

    IoT [モノのインターネット]は検索マーケティングの定義を変えていくだろう。ビーコン、センサー、GPSを始めとする情報をプルするよりもプッシュするテクノロジーを介した自動識別が、検索の未来において重要な意味を持つ。

    ローリー・サリバン

    幸いにも、Googleを含む検索エンジンが、完膚なきまでに現在のSEOの概念を叩き潰しているとしても、SEOのプロにはモノのインターネットの世界で事業を立て直すチャンスがありそうだ。

    Apple WatchがSEOの戦略を変える

    Apple WatchがローカルSEOの世界を変える仕組み

    Apple Watchは新たなトレンドを生み出す。ビジネスの経営者、そして、マーケッターはとりわけBingとApple マップに対する最適化に時間を割き、また、超具体的なローカル検索の台頭に備えなければならない。

    ジェイソン・デマーズ

    私には、いまだに未確認の新製品がBingに大量の検索アクティビティをもたらし、マーケッターが間もなく劇的な変更を実施するようになるとは、どうしても思えない。

    ウルトラブックが期待に応えられなかった時のことを思い出してもらいたい — ウルトラブックは祖先にあたるタブレットに完敗していた。Apple Watch等、装着可能なデバイスの成功を断言するのはあまりにも時期尚早である。

    Apple Watchが絶対にコケないとは言い切れない。また、その一方で、Google Glassが認知法律の難題を克服し、大ヒットする可能性もある。あるいは、数年後にまだ表舞台に出ていないデバイスがユビキタス化するかもしれない。

    IoTの世界を制覇するのが何であれ、マーケティングと検索に大きな影響を与えることは目に見えている。しかし、装着可能なデバイスが絶大な影響力を持つようになる日はしばらくやって来ない気がする。

    マーケッターはHTTPSに時間を無駄に費やす

    こちらも同じく、「エキスパートの見解: 2015年にSEO業界で起きる3つの大きな変化」から

    SEO業者は必要以上にHTTPSに切り換えるクライアントに対応しなければならなくなる(ビジターにとっても、ウェブサイトにとっても重要なアイテムを守る効果はない)。調査の結果によると、ウェブのユーザーはHTTPSを重視していないようだ。HTTPSが何なのかすら分かっていない。HTTPSを支持するSEO業者はクライアントから、トラフィックが劇的に改善されなかった理由を説明するよう求められる。

    マイケル・マルティネス

    確かにユーザーはHTTPSを重視していない。しかし、Googleは重視している。他に何か理由がいるだろうか?ユーザーの大半はHTTPSが何かも、何をするのかも知らないかもしれない。しかし、Googleは近いうちにHTTPSに関して一騒動を起こそうとしている気がする。

    Googleの非協力的な姿勢が鮮明になる

    デブラ・マスタラー: Alliance-Linkの代表取締役

    Googleはツールの削除、および、分析機能の縮小を継続して行う。

    デブラ・マスタラー

    この預言は現実のものとなる。GoogleがSEOに与えるデータが少なくなると、手っ取り早いブラックハット/グレイハットのカラクリを編み出し、上位にランクインする手立てがなくなる。

    すると、スパムまがいの戦略に対応する手間が省け、収益を増やす取り組みにより力を入れることが可能になる。当たり前のことだ。

    Googleのアップデートが減る

    2015年のGoogleを大予想: 16名のエキスパートはこう考える

    敢えてリスクを冒し、かつてないほどアルゴリズムの変更が多かった2014年と比べて、アップデートが減ると言っておこう。

    ケイレブ・ドネガン

    あくまでも、パンダの機械学習ベースのシステムによるコンスタントなアップデート、あるいは、自己学習ベースのアップデートを除けばの話だ。Googleが先日買収/雇用したAI開発集団はまだ発展途上の段階にある。

    「アップデート」の数は減るかもしれないが、変化は増えていく。

    Google+がついに消滅する

    こちらも、「2015年のGoogleを大予想: 16名のエキスパートはこう考える」から

    2015年、Google+は失速し、閉鎖される。既存のGoogleの製品との統合は解除されるか、あるいは、任意になる。写真のシェアやハングアウト等のGoogle+の人気の高い機能は、Google+から外され、個別で利用することが可能になる。G+の利用は時間の経過と共に減少の一途をたどるだろう。

    ラリー・キム

    Google+は確かに落ち目かもしれないが、恐らく、あと数年は生き永らえるだろう。Googleの経営陣が本気で閉鎖を望むなら、ほぼ全てのGoogleの製品から切り離さなくてはならず、ある程度時間が必要になる。

    個人的にはかつてGoogle Voiceであった機能がどのような扱いを受けるのか知りたい。?

    今後の10年間で推測検索が答えを出す

    2005年に実施した3つの予測は当たったのか?2015年の検索も推測してみる

    未来の検索では、ただ単に、Siriのような製品に情報を求める、あるいは、ヘッドアップ装置(Google Glassではなくコンタクトレンズに近い)で質問について考え、答えを受け取るだけではなく、推測検索の答えの応用が鍵を握る。つまり、調達されるビッグデータは個人や状況を明確に理解し、ユーザーが必要とする前に、高い精度および関連度で情報を提供するようになる。
    リー・オッデン

    ランド・フィッシュキンが同じことを「考えていることは全て筒抜け: 目に見えない心を読むドローン」と、巧みに表現している — いつの日か検索は [たった今思いついた形容詞]になる。

    Appleは独自の検索エンジンを立ち上げる

    現時点では大それた予測と思われるものの、あらゆる おいて、GoogleとAppleの争いは激化する一方であり、また、以前からこの関係は続いているため、何が起きてもおかしくはない。

    マット・カッツが永遠にGoogleに戻らない

    これもまた大それた予想だが、ひょっとしたら、ひょっとするかもしれない。マット・カッツはウンザリしており、Googleが自分なしでもやっていけるかどうかをA/Bテストの一環として実行に移しているのかもしれない。

    それでは、最後は打って変わって、お決まりの頼み事でこの記事を結ばせてもらう — とんでもなく斬新だと感じた予想をコメント欄で教えて欲しい。

    この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


    この記事は、Search Engine Landに掲載された「Glimpses Of The Future: 10 Fringe SEO Predictions For 2015」を翻訳した内容です。

    よくある少し知識のある人であれば「いわれなくともわかってます!」的な予測記事に比べるとはるかに刺激的で示唆にもとんだ内容でしたね。どれもその背景や今後の進化について自分なりに考えてみると、検索やウェブの未来について色々と思いを巡らすことのできる内容ばかり。週末に再度読み直してじっくり考えてみたいと思います。 — SEO Japan

    コンテンツマーケティング調査レポートに学ぶ、2015年、コンテンツマーケティングを成功させる3つのポイント

    2015年もよろしくお願いいたします!ということで、SEO Japan新年最初の記事は時代を反映してコンテンツマーケティングに関する話題を。毎年米国で行われているウェブマーケッターにコンテンツマーケティングに関して行ったアンケート調査を元に2015年のコンテンツマーケティングを成功させる術を考えます。 — SEO Japan

    2015年 コンテンツマーケティングのトレンド[リサーチ/チャート付き]

    2015 Content Marketing Trends2015年のコンテンツマーケティングは、成功に向かって順調に前進しているだろうか?

    この問いに答える前に、まずはコンテンツのマーケティングにおける成功を定義しておく必要がある。

    大半のマーケッターは、この問いに対して答えを出すことが出来ていない。

    Content Marketing Institute(CMI)とMarketingProfsによるレポート「2015 B2B コンテンツマーケティングの予算、ベンチマーク、トレンド(北米編)」の結果を見れば一目瞭然だ。2015のコンテンツマーケティング戦略を妨げる事柄、そして、データを、利益をもたらすコンテンツマーケティングに変換する方法をこれから紹介していく。また、「2015 年版コンテンツマーケティングの技」でも関連する情報を提供している。

    リサーチに基づく2015年のコンテンツマーケティングのトレンド

    2015 Content Marketing Trends


    2014年、B2Bマーケッターの86%はコンテンツマーケティングを利用した。昨年の93%から少し減少している。

    コンテンツは増え続けているのに、コンテンツマーケティングの利用が減ったのはなぜだろうか?Contents Marketing Institute(CMI)は、コンテンツマーケティングの定義を変更していた。CMIは、今年の調査でコンテンツマーケティングの成功に影響を与える2点の大事な要素を明確に定義している。

    1. 明確に特定したオーディエンスを集め、維持する。事業の目標を達成するには、不特定多数のオーディエンスではなく、特定のオーディエンスに向けてコンテンツを作らなければならない。

    不特定多数のオーディエンスに向けてコンテンツを作ると、力のないコンテンツが生まれる。企業が作った文書を読めば、私の言いたいことが分かるはずだ。反対に、良質な記事を作るには、具体的で詳しい情報が必要になる。この具体性によって、真のコンテンツが生まれ、オーディエンスが増えていく。

    実用的なコンテンツマーケティングの手法:

    効果的なマーケティングペルソナを各オーディエンスに用意する。時間を割いて、主要なオーディエンスを明確に特定してもらいたい。これは、マーケティング部門だけではく、組織全体にまたがるグループによる取り組みである。つまり、重役、マーケティング、営業、カスタマーサービス、製品、経営が一体となって取り組む必要がある。

    マーケティングペルソナを作る際の目的: 従業員に主要な顧客を理解させる必要がある。マーケティングペルソナは、顧客を描写するだけのタスクではない。事業の改善に組織を向かわせる効果がある。マーケティングペルソナの力は、マーケティングの他の取り組みにも行き渡る。

    何名のペルソナを作ればいいのか問われることがよくある。特徴のある顧客の区分を網羅し、それぞれに異なるマーケティング戦略を適用することが可能な人数が必要である。

    B2Bビジネスには、4つのタイプの顧客のオーディエンスが存在することが、リサーチにより明らかになっている

    2015 B2B Content Marketing Benchmarks-Target audiences-1


    2. 利益をもたらす行動を促す。広範なコンテンツの計測基準をチェックしていくことが出来るものの、コンテンツが適切なリードとセールスを生み出し、利益をもたらすパターンを見出す必要がある。要するに、利益がコストを上回る必要がある。

    実用的なコンテンツマーケティングの手法:

    事業の目標を特定し、重要な計測基準と関連付ける。特定の行動項目、そして、計測する術のない目標設定は、失敗を自ら望んでいるようなものだ。ドミニカン大学のゲイル・マシューズ博士がこの点を証明している。

    目標を記録し、他の誰かと共有し、そして、毎週最新の状況をその人物に伝えると、報告する義務がない状態よりも、書き出した目標を達成を達成する確率は平均で33%高くなる

    2015年 コンテンツマーケティングの効果

    • 2014年、B2Bマーケッターの38%はコンテンツマーケティングを「効果あり」と評価した。昨年同じ評価をしていたのは42%であった。
    • B2Bマーケッターの約5人に1人がコンテンツマーケティングを「効果なし」と評価していた。個人的には信じ難い。


    2015 B2B Content Marketing Benchmarks-Content Marketing Effectiveness-2


    2015年のコンテンツマーケティング戦略を策定する

    コンテンツマーケティングを成功に導く上で、コンテンツマーケティング戦略を策定し、記録する作業は当たり前だと思うかもしれない。しかし、CMIとMarketingProfsの調査では反対の結果が出ていた。

    • B2Bマーケッターの35%はコンテンツマーケティング戦略を文書に残している。
    • B2Bマーケッターの48%はコンテンツマーケティング戦略を策定したものの、記録していない。
    • B2Bマーケッターの17%はコンテンツマーケティング戦略を持っていない、あるいは、持っているかどうか分かっていない(これはひどい)。6名のうち1名はコンテンツマーケティング戦略を持っていないことになる。


    2015 B2B Content Marketing Benchmarks-Have Content Marketing Strategy


    実用的なコンテンツマーケティングの手法:

    毎年マーケティングの計画を立てるプロセスの一環として、コンテンツマーケティング戦略を策定しよう。コンテンツマーケティングは片手間で実施するような取り組みではない。ビジネス全体に組み込む必要がある。これは様々なプレゼンで私が主張しているポイントでもある。

    コンテンツはマーケティングの計画において重要なパーツであり、顧客候補と顧客に向かって「買ってくれ!」と叫ぶ行為を回避する上で必要である。

    Nielsenによる「広告に対する信頼 2013年版」レポートによると、あらゆる広告の形式よりも、品質の高いコンテンツを消費者は信頼している。この点を忘れないでもらいたい。

    • 顧客の69%はブランドのウェブサイトを信頼している。
    • 顧客の67%は記事を信頼している。

    コンテンツ作成の取り組みを社内全体に広めよう…と言っているのは私だけではない。コンサルタントのジェイ・ベールとマーカス・シェリダンもこのアプローチを推奨している。

    会社全体で取り組むことで、組織の垣根を壊し、顧客と製品を熟知している従業員の力をフル活用することが可能になる。

    このアプローチは、リソースの制約を受けるマーケッターにとっては特に重要である。別の部門の予算を使うことが出来るためだ。

    マーケッターの42%はコンテンツ戦略がコンテンツの作成をしっかりと導いていると答えた。残りの58%のマーケッターに尋ねたいことがある。コンテンツがビジネスの目標に貢献していることをどのように裏付けているのだろうか?

    2015 B2B Content Marketing Benchmarks-Strategy guides Content Efforts-1


    2015年 コンテンツマーケティングの目標

    マーケッターは、ブランドアウェアネスをコンテンツマーケティングで最も優先する目標として挙げている。「もっと予算を貰う理由が必要だが、他に思いつかない」ため、この目標が使われることがある。セールスと利益に貢献しなければ、効果的なコンテンツマーケティングとは呼べない。そのため、次のような目標を主に設定するべきである:

    • マーケッターの83%はセールスのリードを生み出すことを求めている。
    • マーケッターの75%はセールスを増やすことを求めている。
    • マーケッターの74%はリードを促進することを求めている。
    • マーケッターの69%は顧客を維持することを求めている。
    • マーケッターの52%はアップセル、または、クロスセルを求めている。

    大半のマーケッターは、新しい顧客の獲得に力を入れている。しかし、セールス後のマーケティングを用いて、コスト効率よくセールスと顧客の生涯価値を高める機会を見逃している。

    2015 B2B Content Marketing Benchmarks-Content Marketing Goals-1


    実用的なコンテンツマーケティングの手法:

    • コンテンツのシリーズを作り、最近製品を購入した顧客にEメールで送る。初めての顧客なら、会社と製品に大きな期待感を持っているはずだ。このチャンスを活かして、製品の利用を改善し、関連する製品のクロスセルを実施しよう。

    2015年 コンテンツマーケティングの計測基準とROI

    マーケッターは、簡単に入手可能なデータ、つまりトラフィックを計測する傾向がある。これは一歩目としては申し分ないものの、トラフィックが、セールスや利益をもたらす原動力だとは限らない。

    4つの重要なコンテンツマーケティングの計測基準をチェックしているマーケッターは5割に満たない:

    • マーケッターの49%はセールスのリードの質をチェックしている。
    • マーケッターの48%はより高いコンバージョン率を計測している。
    • マーケッターの43%はセールスを計測している。
    • マーケッターの40%はセールスのリードの量をチェックしている。


    2015 B2B Content Marketing Benchmarks-Content Marketing Metrics


    実用的なコンテンツマーケティングの手法:

    • コンテンツマーケティングの目標に関連する計測基準を特定する。つまり、セールスの数に数値を割り当てる、もしくは、質の高いセールスのリードの特徴をチェックする。
    • 追跡可能なコールトゥアクションを盛り込む。購入を呼び掛けるだけで、結果は良くなる。プロモーションコードを使って、計測しやすい環境を作っておこう。

    大勢のマーケッターは、コンテンツマーケティングのROIを理解することに苦戦しているようだ。

    • マーケッターの21%はコンテンツマーケティングのROIを計測することに成功している。5名に1名しかROIを正しく計測していない計算になる。
    • マーケッターの25%はコンテンツマーケティングのROIを計測することに失敗している、もしくは、コンテンツマーケティングのROIを計測していない。つまり、マーケッターの4名に1名がROIの計測において問題を抱えていることになる。


    2015 B2B Content Marketing Benchmarks-Content Marketing ROI Success-2


    しかし、Hubspotのインバウンドの現状調査 2014年版によると、コンテンツマーケティングのROIを計測する行為は、計測する対象と同じぐらいROIを高める上で重要度が高いようだ。

    実用的なコンテンツマーケティングの手法:

    要素、とりわけコンテンツマーケティングの利益を左右するセールスとコストの計測を始める。手が込んだ追跡システムは不要だ。製品種目別にセールスの合計と売れた数を算出し、コンテンツの製作費とアイテムを販売するコストを特定しよう。スタッフの時間も考慮する必要がある。

    2015年 コンテンツ作成専用のリソース

    品質の高いコンテンツを一貫して作成するには、人材および予算において、専用のコンテンツのリソースを用意しなければならない。

    マーケッターの47%はコンテンツマーケティング専用のチームを編成している。このリソースを用意するメリットは、コンテンツの量を増やすことが出来るだけではない。その他の社内のコンテンツの作成を支援し、既存のコンテンツを最適化することも出来る。

    • マーケッターの12%は単独で機能するコンテンツマーケティングのユニットを編成している。
    • マーケッターの35%は組織全対で横並びで機能するコンテンツマーケティングのユニットを編成している。

    5つの会社のうち2つ弱の会社がコンテンツマーケティング専用のリソースを用意していない。このリソースの欠如により、コンテンツの作成、収集、そして、配信において、常に他社に後れを取っていると感じるようになる。

    2015 B2B Content Marketing Benchmarks-Dedicated Content Marketing Group-2


    実用的なコンテンツマーケティングの手法:

    人事部と連携し、組織全体でコンテンツの作成を促進する。コンテンツに対するマーケティング、および、コピーライティングの先を見据えるべきだ。

    • コンテンツマーケッター扱いされていないコンテンツクリエイターのいる場所を特定する。マーケティング、PR、コミュニケーション、セールス、カスタマーサービス、そして、ソーシャルメディアに関して、幅広く考える。
    • 品質の高いコンテンツの作成に貢献するよう従業員を奨励する。 編集および技術的なサポートを用いて、コンテンツ作成の障害を取り除くと良いだろう。

    会社の規模によっては、経営陣、そして、マーケティング部門が、コンテンツの作成において中心的な役割を果たす傾向があるものの、社内の全従業員に参加させることも出来る。仕事の内容にコンテンツの作成を盛り込むには、人事部の助けが必要になる可能性がある。

    コンテンツマーケティングの重役への報告が行われている企業は、たった3%である。これは、コンテンツマーケティングが、事業単位で統合されている点が要因になっていることが多い。マーケッターの5%はコンテンツがどこで作られているのか把握していない。これはどうにかする必要がありそうだ。

    2015 B2B Content Marketing Benchmarks-Who creates content marketing-1


    コンテンツマーケティングの成果を改善するため、2015年のコンテンツマーケティングのトレンドに基づいた強固な戦略のコアを形成する次の3つのシンプルな手法に従ってもらいたい:

    • 事業の目標と関連するコンテンツマーケティングの目標を設定する。最終的にセールスと利益につながることを確認しよう。
    • 4通りの主なコンテンツのオーディエンスを特定する。各タイプにマーケティングペルソナを作成しよう。
    • コンテンツマーケティングの成果を計測する。少なくとも、セールスとコストを計測しよう。

    2015年のコンテンツマーケティングにおいて、何が最も大きな障害になると思うだろうか?


    この記事は、Heidi Cohenに掲載された「How To Succeed At Content Marketing In 2015」を翻訳した内容です。

    調査自体は私も既に見ていましたが、こうして改めて解説してもらえると大変ありがたいですね。結論をシンプルにしてくれているのも、取り組みやすいといえば取り組みやすいです。今年こそは本格的にコンテンツマーケティングにチャレンジしようと思っている方には参考になる記事だったと思います。 — SEO Japan

    2015年、確実に成果を出すためのSEOの方程式

    土居です。この記事では僕がSEOに携わるときにほぼ例外なく考えているイメージを可視化してお伝えします(脳内整理も兼ねて)。初心者の方は全体観を把握するために、実務者の方は思考の整理に、それぞれ一助になれば幸いです。

    2014 年もウェブマスター向け公式ブログをご覧頂き、ありがとうございました。

    2014 年もウェブマスター向け公式ブログをはじめ、ウェブマスター ヘルプ フォーラムWebmaster Japan コミュニティ、そして Webmaster Hangout/Office Hour など、ご愛読、ご参加いただきありがとうございました。

    ウェブマスターのみなさまにとって今年はどんな一年でしたでしょうか?今年公開した人気記事のランキングとともに今年一年を振り返ってみたいと思います。上位 5 つの記事を見てみましょう。

    第 1 位:HTTPS をランキング シグナルに使用します
    第 2 位:リンク プログラムによるガイドライン違反について
    第 3 位:ウェブページをより深く理解するようになりました
    第 4 位:検索ユーザーがモバイル フレンドリー ページを見つけやすくするために
    第 5 位:検索エンジンとの相性を考慮した無限スクロールのベストプラクティス

    今年一番注目された記事は「HTTPS をランキング シグナルに使用します」でした。HTTPS のサイトへの導入については、多くのウェブマスターの方々からご質問を頂きましたが、ランキングのシグナルとして使用しているからというだけでなく、ユーザーにサイトをもっと安全に閲覧していただくためにもぜひ導入を検討していただければと思います。また、今年もう一つ注目を集めたのはモバイルではないでしょうか。今年は他にも「Google の検索結果に、誰もが表示できるウェブサイトを」など、モバイル ユーザーの利便性を意識した改善をたくさん行っています。日本でもモバイルの検索結果に [スマホ対応] と表示されるようになりましたので、ぜひ一度モバイル フレンドリー テストであなたのサイトがモバイル フレンドリーかどうかチェックしてみてください。モバイル フレンドリー サイトの作り方についてはGoogle のウェブマスター向けモバイル ガイドや、2 年前の記事となりますが、「Google がお勧めするスマートフォンに最適化されたウェブサイトの構築方法」をぜひご覧ください。

    いかがでしたでしょうか?見落としていた記事はありませんか?見落としていた記事がある方は、ぜひ冬休み中、お時間があるときに目を通してみていただけたら幸いです。また、最近日本でもハッキングの被害が引き続き増えています。年末のお休みに入る前に、こちらの記事なども参考にしながら、ぜひ担当されているサイトがハッキングの被害に遭わないように設定を再度ご確認されることをお勧めします。また、年末年始の時期を狙い、詐欺サイトでオンライン ショッピングのユーザーを騙したり、低品質なアフィリエイト サイトで営利を稼ごうといった悪質な行為を行うケースも残念ながら増える傾向にありますのでご注意ください。また、そのようなサイトを見かけた際はスパム レポートでお知らせください(関連 Google+ 記事)。

    今年もありがとうございました。それではみなさん、よいお年を!

    Takeaki Kanaya, Kiyotaka Tanaka and Kazushi Nagayama, Search Quality Team

    App Indexing の実装に不可欠な 4 つのステップ

    ディープ リンクは、オーガニック検索内で最近見かけるようになった「新入り」ですが、目を見張るような速さで普及しています。ユーザーがログインしている場合、Android での Google 検索結果のうち、15% が App Indexing によるアプリ ディープ リンクを表示しています。前四半期だけで、アプリ ディープ リンクのクリック数が 10 倍に急増しました。

    App Indexing を今年 6 月に公開して以来、デベロッパーの皆様からさまざまなフィードバックが寄せられました。ほとんどの実装はうまく行きましたが、うまく行かなかった実装からも多くを学ぶことができました。この記事ではそうした経験を踏まえ、App Indexing の実装を成功させるうえで欠かせない 4 つのステップについて解説します。また、アプリのパフォーマンスを把握したり、アプリの利用を促進したりするための便利な新機能も紹介します。

    1. デベロッパーにウェブマスター ツールへのアクセス権限を付与する

    App indexing は、ウェブマスターとアプリ デベロッパーが協力して取り組む必要があります。ウェブマスター ツールには、デベロッパーが必要とする情報も表示されます。現時点で表示されるのは以下の情報です。
    • アプリ内のインデックス登録済みページのエラー
    • Google 検索でのアプリ ディープ リンクのクリック数とインプレッション数(週単位)
    • サイトマップに関する統計情報(アプリ ディープ リンクをサイトマップで実装した場合)
    今後これらの他にもさまざまな情報を追加する予定です。

    しかしながら、ウェブマスター ツールへのアクセスが許可されているデベロッパーは非常に少ないようです。アプリ関連の問題の修正に必要な情報を確実に伝達するには、デベロッパーにウェブマスター ツールへのアクセス権限を付与することが不可欠です。

    確認済みのサイト所有者であれば、新しいユーザーを追加できます。付与したい権限レベルに応じて [制限付き] または [フル] を選択してください。

    2. 検索結果からのアプリへのアクセス状況を把握する

    ユーザーは、検索結果からアプリにアクセスしてくれているでしょうか。アプリ ディープ リンクのパフォーマンスをトラッキングする方法として次の 2 つを追加しました。
    • ウェブマスター ツール アカウントのメッセージ センターに、週ごとのクリック数とインプレッション数が送信されるようになりました。
    • アプリ ディープ リンクによってどれくらいのトラフィックがアプリにアクセスしたかを、リファラー情報(具体的には ACTION_VIEW インテントのリファラー extra)を使用してトラッキングできるようになりました。将来的には、この情報を Google アナリティクスに統合して簡単にアクセスできるようにする予定です。デベロッパー サイトでは、リファラー情報をトラッキングする方法(英語)について解説しています。

    3. アプリの重要なリソースがクロール可能であることを確認する

    ウェブマスター ツールのクロール エラー レポートで、「コンテンツの不一致」エラーが発生する大きな原因の 1 つがリソースのブロックです。クロールでは、アプリ ページをレンダリングするために必要なすべてのリソースにアクセスする必要があります。これにより、アプリ ページのコンテンツが、関連付けられているウェブページと同じかどうかを確認できます。

    アプリ ページのレンダリングに不可欠なリソースにアクセスできない場合に、どのリソースがブロックされているかを簡単に特定できるようになりました。アプリで「コンテンツの不一致」エラーが発生した場合は、詳細ダイアログの手順 5 に沿ってブロックされているリソースの一覧を確認してください。

    4. Android アプリのエラーに注意する

    アプリのインデックス登録時のエラーを簡単に特定できるようにするため、検出されたすべてのアプリ エラーをメッセージとして送信することになりました。また、そのほとんどがクロール エラー レポートの [Android アプリ] タブにも表示されます。

    従来の「コンテンツの不一致」エラーと「インテント URI が無効」エラーに加え、以下の 3 つのエラー タイプを追加しました。
    • APK が見つからない: アプリに対応するパッケージが見つからない
    • First Click Free(英語) がない: アプリへのリンクがコンテンツに直接つながっておらず、ログインしないとアクセスできない
    • 戻るボタンの違反: アプリへのリンクをたどって移動した後、戻るボタンで検索結果に戻ることができない
    これまでの経験から、エラーの大部分はアプリの一般的な設定が原因であることがわかっています(リソースがブロックされている、ユーザーが検索結果からアプリを開こうとすると地域選択のポップアップが表示されるなど)。これらの点に注意することで、関連する URI の問題をすべて解決できるはずです。

    App Indexing 実装がうまく行くことを願っています。ご不明な点がありましたら、いつでもウェブマスター ヘルプ フォーラムまでお寄せください。

    ペンギンアップデート3.0は上位サイトを華麗にスルー

    事前の話題の割に全く盛り上がらなかったペンギンアップデート3.0ですが、それなりに変化はその盛り上がらな度が実際の結果で理解できるような記事を。検索順位のリアルデータを元に、今回のアップデートの順位変動の度合いを分析し、そこから見えることを考えます。 — SEO Japan

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    最新のペンギンアップデート3.0(日本語)が、広範囲にわたって展開されたのか、あるいは、限定的に展開されたに関して、何度も議論が行われてきた。この記事では、規模について結論を出すわけではないが、集めた情報を整理し、今後何が起きるのか推測していきたいと思う。

    GoogleのアップデートはあくまでもGoogleに対するアップデートである。この点には満場一致で納得してもらえるはずだ。そして、私達の知る限り、ペンギン 3.0は英語のクエリの1%以下に影響を与えている。SEOに関してはお馴染みのことだが、自分達が持っている情報を用いて、自力で謎を解明していかなければならない。

    そのため、大きなアルゴリズムの変更が行われる度に、出来るだけ多くの情報を集め、その後、データをつなぎあわせて、何が起きたのか、そして、次に何が起きるのかを理解する試みを行うことになる。

    弊社、AWRはGoogle アルゴリズム変更ツールの開発に伴い、アルゴリズムの変更の影響を独自で調査している。
    Philip-Petrescu-Fig1
    私達が集めたデータによると、ペンギン 3.0によって、ランキングに大きな変化が生じていたようだ。とりわけ、10月18日と10月19日の変化は激しかった。総合的に見ると、ランキングの変化の規模は4.4に該当する。

    ちなみに、今まで最も大きなランキングの変更の規模は5.6であり、 ランキングシグナル — HTTPS/SSLアップデートが行われた最中であった。

    チャートの説明: Ranking Changes Factor(ランキング変化の要因)は、弊社のデータで判明した変化を基に算出された値である。このデータには、様々な業界にまたがる1万点のキーワード、そして、50万本のURLが含まれる。 また、データは毎日アップデートされており、変更の激しさを表している。

    Overall(総合)セクションは、弊社独自のアルゴリズムを用いて導き出されるRanking Change Factorを表示する。Top 10-50のセクションは、(以前の日時と比べて)ランキングが変わったウェブサイトの数と%(ウェブサイトの総数と影響を受けたウェブサイトの数の比率)を表す。

    インパクトを受けるウェブサイトが多ければ多いほど、アルゴリズムのアップデートの重要度は高いと言える。チャート内の青い線は弊社が計測する全てのウェブサイトの自然なSERPのビジビリティを表しており、サイトのランキングがアップすると上がり、ランキングが落ちると下降する。

    ペンギン 3.0、低いランキングのウェブサイトを攻撃

    Ranking Change Factorの計算に加え、私達は検索結果の範囲におけるインパクトに注目した。その結果、今回のアップデートは、とりわけ、SERPの2ページ目以降のサイトを狙っていることが判明した。

    1ページ目に掲載された10サイトのうち、ランキングが5つ以上変動したサイトは1サイトのみであった(スクリーンショット 1)。しかし、範囲を広げて50位までの結果を盛り込んだところ、影響を受けたサイトの%は大幅に高くなり、36.2%に達することが分かった(スクリーンショット 2)。

    Philip-Petrescu-Fig2

    Philip-Petrescu-Fig3

    ペンギン 3.0はSERPにおいて劇的な変化を多数起こしたわけではない。データを見る限り、10位以内のページで10以上ランキングを下げたページは1ページにも満たない(7.7%):

    Philip-Petrescu-Fig4

    この数値が高かったら、激震が走っていたはずだ。10位以内のサイトが10以上ランキングを落とすと一大事だが、ランキングの低いサイトは変動しやすい。

    国によって異なるペンギンの動き

    ペンギンアップデートは全世界に展開されているため、世界の言語および地域がこのアップデートのインパクトを受けている。しかし、ペンギン 3.0に関しては、アメリカ国内と国外では動きが異なることが明らかになっている。

    Google.com(アメリカ)ではペンギン 3.0の影響はアップデート直後の10月18日に現れていたが、その他の国にこのアップデートが展開されたのは少し時間が経ってからであった。例えば、Google UKでは影響が表面化したのは10月20日に入ってからだ:

    Philip-Petrescu-Fig5

    Google Germanyでは、ペンギン 3.0は検索結果に大きなインパクトを与えていない:

    Philip-Petrescu-Fig6

    現時点では、実験段階であり、数ヵ国のデータしか処理していない。しかし、これは調査を行う上で面白い方向性であり、また、Google.com(アメリカ)以外を利用するサイトのオーナーにとって、ランキングの変動時の目安として参考にするには、うってつけのデータだと言える。

    結論

    ペンギン 3.0がサイトに与える影響は、ランキング、そして、SERP上のライバル(そして、その他の多くの未知の要因)に左右される。

    Googleの動きに注意していなければ、何が起きたのかを理解することは出来ない。弊社は常にGoogleの動向に注目しており、何か変わったことがあれば報告する。

    最後に、コメント欄、そして、Twitter(Google Algorithm Changesに#gacを利用している)を介して意見を聞かせてもらいたい。

    この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


    この記事は、Search Engine Landに掲載された「How Google’s Penguin 3.0 Is Playing Out Across The Web」を翻訳した内容です。

    米国中心だったのはともかく、順位が高いサイトへの影響が少ないとなれば、盛り上がりませんよね。。。アルゴリズムの多様化とテクニックに頼るSEOの衰退で、Googleのアップデートに一喜一憂する必要自体がそもそも必要なくなってきていますが、それを象徴するような出来事だったかもしれません。 — SEO Japan

    欧米のスタートアップ起業家が語るアジアの現状

    久々のThe Next Webから、欧米人の視点から見たアジアのスタートアップ環境について書かれた記事を。日本人が東南アジアで起業するケースも増えていますが、それと照らし合わせて読めるかも。東京発のGENGOのケースもあり、日米の文化比較について書かれている内容が興味深いです。 — SEO Japan

    asia

    スタートアップを立ち上げた2名の米国人のファウンダーが「サンフランシスコからセントルイスに移らなければ、会社は潰れていた」と指摘する記事を最近読み、私は衝撃を受けた。主な根拠として、セントルイスの方が物価が安いことが挙げられていたが、その他にも様々なメリットがある。

    この2名のファウンダーの発言を機に、ある考えが浮かんだ。米国を飛び出し、ビジネスを立ち上げる起業家は多くはない。しかし、グローバルな事業をスタートさせ、コストの削減と優秀な人材への接触を優先する人達にとって、急激に魅力を増している地域がある — それはアジアだ。

    この点を考慮し、アジアで実際にスタートアップを経営する西洋出身の設立者に連絡を取り、アジアで起業するメリットとデメリットを尋ねた。

    意外な答えも中にはあり、それぞれの起業家が、独自のビジネス、そして、意見を持っていた。詳しく知りたい方は、読み進めていってもらいたい。

    ヘッダーの画像: Thinkstock

    ジャン・ジョーンズ: Oozouのファウンダー — タイ バンコク

    Jan 730x1031 4 Western founders discuss what its like to run a startup in Asia

    Oozou.com

    The Next Web(TNW): まず、どのような会社を経営されているのか教えて下さい。また、会社の所在地はどこですか?いつから会社を経営されていますか?スタッフは何名ですか?

    ジャン・ジョオーンズ: Oozouは、ウェブアプリおよびモバイルアプリの開発会社であり、バンコクを拠点に営業しています。多くの米国、そして、ヨーロッパのスタートアップに対して、デザインと開発(Rails/Node/iOS/Android)を最初から最後の工程まで提供しています。

    今年、設立後5年を迎えました。現在、30名(タイ人と外国人)のデザイナーとディベロッパーがバンコクの会社で勤務しており、今後、支社を国外に展開していく予定です。

    TNW: どのようなクライアントを抱えており、また、クライアントが多く存在する地域はどこですか?

    ジャン・ジョーンズ: 西海岸の会社が多いですが、東南アジアの会社(とりわけシンガポール)もここ最近増えています。東南アジアでは、スタートアップの事業が活性化しています。基本的に、資金を獲得した初期のスタートアップが多いですが、Twitter、そして、500 Startupsをはじめとする有名な会社も幾つか抱えています。

    投資を受けていないスタートアップの依頼は受けないようにしています。製品ではなく、利益に力を入れ過ぎる傾向があるためです。事実、この会社を立ち上げた頃、製品を構築することに資金を使い果たし、営業とマーケティングを実施するリソースを失ってしまったスタートアップに何度か遭遇したことがありました。

    投資を受けたスタートアップには、通常、良いアドバイザーがついています。また、適切な取り組みを行うための資金も抱えています。

    TNW: アメリカで事業を運営することが出来たと思いますか?可能であったなら、どのようなことに魅力を感じて、アジアで会社を経営しているのですか?

    ジャン・ジョーンズ: 可能でしたが、地域の差が生む利益が、このビジネスモデルを可能にしています。米国/欧州のクライアントは、本土の会社と同じ質のサービスを遥かに安価な価格で受けられます。私達の会社にとって品質が生命線であり、妥協はしません。

    TNW: 地元の人材を採用する際に問題に直面したことはありましたか?海外の人材も採用していますか?アジアに迎える上で、あるいは、本国を去る点を納得してもらう上で、苦労したことはありましたか?

    ジャン・ジョーンズ: スタッフの大半はこちらで採用していますが、数名のスタッフは国外で採用しています(ロシア、オーストリア、ドイツ、アメリカ、イギリス)。タイのスタッフは、タイ人の中でも特に「西洋のスタイル」を理解している傾向があり、(デザインや開発のスキルを持っていることに加えて)英語が堪能であることが採用条件の一つになっています。コミュニケーションは、優れた技術力と同じぐらい重要なのです。

    TNW: アジアで事業を運営する主な欠点を教えて下さい。

    ジャン・ジョーンズ: 時差です。時差を気にせずに、クライアントとコミュニケーションを取る素晴らしい一連のツールと技術を導入してきましたが、今でも深夜や早朝の電話は避けることが出来ません。

    Screenshot 2014 08 08 15.02.47 730x397 4 Western founders discuss what its like to run a startup in Asia

    TNW: 事業を、アジア、アメリカ、または、別の地域に拡大する予定はりますか?

    ジャン・ジョーンズ: シンガポールとアメリカ(サンフランシスコ)に展開する予定です。

    TNW: アジアにビジネスを移すことを考えているファウンダーに、あるいは、アジアで事業を始めようとしているファウンダーに、どんなアドバイスを送りますか?

    ジャン・ジョーンズ: アジアは、ビジネスを立ち上げる場所としての魅力に溢れていますが、リサーチは必要です。採用に際して考えなければならない文化的な事柄があり、また、事業の所有権、海外のスタッフのビザ、就労許可等の法律や規制も多いです。

    現地の知識を豊富に持ち、ビジネスを立ち上げる上で信頼することが出来る優秀なコンサルティング会社を探すと良いでしょう。

    ロバート・ラング Gengoの共同ファウンダー 東京/日本

    Gengo.com

    TNW: まず、どのような会社を経営されているのか教えて下さい。会社の所在地はどこですか?いつから会社を経営されていますか?スタッフは何名ですか?

    ロバート・ラング: Gengoは、翻訳プラットフォームおよび翻訳APIサービスを提供しています。私達は、楽天、TripAdvisor、Alibabaを含む大企業や中小企業のクライアントによる海外展開を支援しています。現在、Gengoのプラットフォームを介して、35ヶ国の言語の翻訳が依頼され、1万1000名以上の翻訳家が対応しています。

    2009年に東京でGengoを立ち上げました。「Gengo」は日本語で、言葉を意味します。私達はシリコンバレーと日本文化に親しんでいました。共同ファウンダーは、日本人とアメリカ人のハーフであり、私の親は英国人とオーストラリア人です。現在、50名以上の従業員を抱えていますが、その3分の2は東京のオフィスに、そして、残りの従業員はサンフランシスコのベイエリア地区で仕事をしています。

    rob talking 02 730x434 4 Western founders discuss what its like to run a startup in Asia

    TNW: どのようなクライアントを抱えていますか?また、クライアントが多く存在する地域はどこですか?

    ロバート・ラング: 楽天、TripAdvisor、そして、Mozilla等の大企業、YouTube、Fliplingo等、翻訳をユーザーに販売するチャンネルパートナーをクライアントに抱えています。さらに、多くの中小企業にも利用してもらっています。クライアントは、API、または、ウェブサイトを通じてGengoのサービスを利用しています。クライアントの大半は日本と米国の会社ですが、世界各地にクライアントがいます。事実、Gengoは、世界のほとんどの国の言葉の翻訳に対応しています。

    TNW: アメリカで事業を運営することが出来たと思いますか?可能であったなら、どのようなことに魅力を感じて、アジアで会社を経営しているのですか?

    ロバート・ラング: アメリカでも営業は可能ですし、実際に米国に営業オフィスを設けています。ただし、私達の会社は日本生まれであり、従業員の3分の2も日本で仕事をしています。

    しかし、どちらかと言うと、文化的な面が、こちらで事業を運営する判断に影響しています。日本では、日本人であれ外国人であれ、言語のバリアを乗り越えようとします。アメリカでは、そうはいきません。また、Gengoは優秀な技術者のチームを東京で編成していますが、シリコンバレーで同じチームを作るには高額なコストがかかり、維持することも難しいのです。Gengoは、シリコンバレーのスタートアップと日本の考え方をミックスした企業だと言えるでしょう。

    また、非英語圏のインターネット、アメリカ以外のEコマースプラットフォームの発展が、Gengoの成功に大きく貢献しています。アジア圏のクライアントは今後の5年間で大幅に増えていくと思われます。

    TNW: 地元の人材を採用する際に問題に直面したことはありましたか?海外の人材も採用していますか?アジアに迎える上で、あるいは、本国を去る点を納得してもらう上で、苦労したことはありましたか?

    ロバート・ラング: 当初、現地での採用活動は難航しました。日本では、スタートアップの評判は芳しくありません(改善の兆しは見られます)。そのため、日本人の採用に苦戦しました。しかし、現在、会社の規模は拡大し、(全国的なメディアで取り上げられ、NTT Docomo等から資金調達を受けたことがプラスに働きました)社会的な地位も上がりました。その結果、日本人と外国人の従業員の比率も改善されました。この方法で、今後も成長を続けることが出来ると私は確信しています。

    Gengoは、アメリカ、イギリス、さらには、南アフリカから人材を招いています。Gengo、そして、日本の双方を愛していることが条件であり、外国人の採用は容易ではありません。しかし、この2つの条件は最強のコンビだと言えます。海外での生活には不安が付きものであるため、やはり外国人の人材の採用は容易ではありません。そのため、外国人の採用には慎重に対応し、長期間にわたる移住を実施(& 支払い)する前に、内定者に移住する国を「試す」手段を考案するアプローチを薦めます。

    TNW: アジアで事業を運営する主な欠点を教えて下さい。

    rob close 520x520 4 Western founders discuss what its like to run a startup in Asiaロバート・ラング: 以前、日本で資金を調達するのは非常に大変でしたが、この状況は少しずつ改善されています。それは嬉しいのですが、実際に、日本で資金調達に成功したスタートアップはほんの僅かです。この状況が改善されるように、産業革新機構等の政府機関にはベンチャーファンドに資金調達してもらいたいと思っています。

    また、スタートアップを理解する人材を見つけることが出来ずに苦労しています。Gengoに応募する人材は、自らこの会社を選んでいますが(スタートアップを好む傾向がある)、シリコンバレーの文化に精通している人がもっと増えてくれると嬉しいです。

    日本の採用活動はアメリカとは異なります。シリコンバレーよりも採用にかかるコストは低く、他のスタートアップと人材の取り合いをするために、ヨガクラスや寿司の食べ放題や執事サービス等、余分に福利厚生を充実させなくても済むことに満足しています。ただし、シリコンバレーには、スタートアップを愛する超優秀な人材が集まっています。東京にも同じぐらい優秀な人材はいますが、非常に希少です。そのため、確実に採用しなければなりませんし、油断して優秀な人材を見逃すような失態は許されません。

    TNW: 事業を、アジア、アメリカ、または、別の地域に拡大する予定はりますか?

    ロバート・ラング: 予定はあります。アメリカと日本のチームの規模は拡大していますが、ヨーロッパにも多くのクライアントがいるため、ヨーロッパでも従業員を採用する予定です。恐らく、ロンドンで事務所を開くことになるでしょう。2年前に、アメリカでオフィスを問題なく立ち上げているため、今回も成功させる自信があります。長期的なプランでは、アジアでもさらにビジネスを拡大するでしょう。Gengoは、「世界がより自由にコミュニケーションを取ること」を目指しているため、世界全体が私達にとってフィールドなのです。

    TNW: アジアにビジネスを移すことを考えているファウンダーに、あるいは、アジアで事業を始めようとしているファウンダーに、どんなアドバイスを 送りますか?

    ロバート・ラング: シリコンバレーであれ、アジアであれ、アイスランドであれ、その場所にいる明確な理由が必要です。「コストが安く済む」だけでは不十分です。その場所を愛する必要があり、長期的に移転を価値のあるものにするための重要な根拠があることが大前提になります。この根拠があるなら、会社を設立する上でアジアは素晴らしい場所だと言えますし、それに見合う資金も存在します。

    スティーブン・ジャガー PayrollHeroの共同ファウンダー ウィスラー/カナダ & マニラ/フィリピン

    Payrollhero.ph

    TNW: まず、どのような会社を経営されているのか教えて下さい。会社の所在地はどこですか?いつから会社を経営されていますか?スタッフは何名ですか?

    スティーブン・ジャガー: PayrollHeroは、時間、出勤、スケジュール、人事管理、分析、給与管理プラットフォームであり、東南アジアの企業を対象としています。私達は、幸せを通して、作業の効率化を行うことに力を入れています。

    Payrollheroは、2年前に設立したスタートアップであり、多国籍の17名の従業員が所属し、フィリピンのマニラとカナダのウィスラーにオフィスを構えています。

    stephen jagger 730x421 4 Western founders discuss what its like to run a startup in Asia

    TNW: どのようなクライアントを抱えており、また、クライアントが多く存在する地域はどこですか?

    スティーブン・ジャガー: 東南アジアのレストラン、小売店、BPO/オフィス業界に的を絞っています。PF Changs、iHOP、The Coffee Bean and Tea Leaf、The Picture Company、Candy Corner、Tate Publishingを含む多くのクライアントを抱えています。

    TNW: アメリカで事業を運営することが出来たと思いますか?可能であったなら、どのようなことに魅力を感じて、アジアで会社を経営しているのですか?

    スティーブン・ジャガー: 可能だったと思います。アメリカのチームにプラットフォーム等を開発してもらうことも可能でした。事実、このためにカナダのウィスラーにもオフィスを構えています。当初はフィリピンで技術者を雇用する予定でしたが、難航したため別のアプローチを採用したのです。

    私達は方針を切り替え、Adventure Engineeringプログラムを作る決断を下しました。このプログラムでは、ウィスラーでオフィスを開設し、現地の山々、フレキシブルなスケジュール、そして、冒険を餌に、現地の人材を魅了しました。バンクーバーを選ぶことも出来ましたが、給与額のみでの勝負を避けたかったため、バンクーバーの会社と差別化する道を選んだのです。

    プラットフォームはアメリカでも利用可能であり、実際に北米にもクライアントはいますが、東南アジアをターゲットにしています。私達は、台頭するマーケット、そして、そのマーケットがもたらすチャンスに魅力を感じているのです。

    東南アジアの会社の大半は、コンピューティング、スマートフォン、そして、クラウドソフトウェア革命を今まさに経験している最中です。そのため、私達は、クラウドが従来のソフトウェアよりも望ましい理由、または、システムの導入が金銭的な面で理にかなっている理由を説明しながら製品を販売しています。

    TNW: 地元の人材を採用する際に問題に直面したことはありましたか?海外の人材も採用していますか?タイに迎える上で、あるいは、本国を去る点を納得してもらう上で、苦労したことはありましたか?

    スティーブン・ジャガー: 先程も申し上げた通り、Adventure Engineeringプログラムで解決しました。

    TNW: アジアで事業を運営する主な欠点を教えて下さい。

    スティーブン・ジャガー: 東南アジアには、独特の要素があります。文化、言語、腐敗、通貨 — 全て一筋縄ではいきませんが、この課題は、素晴らしいチャンスを与えてくれます。

    TNW: 事業を、アジア、アメリカ、または、別の地域に拡大する予定はりますか?

    スティーブン・ジャガー: 現在、東南アジアに焦点を絞っており、今後もこの地域での存在感を高めていくつもりです。現時点で、10ヶ国以上の国々で製品を購入してもらっており、さらに拡大を続けていきます。

    TNW: アジアにビジネスを移すことを考えているファウンダーに、あるいは、アジアで事業を始めようとしているファウンダーに、どんなアドバイスを送りますか?

    スティーブン・ジャガー: 東南アジアには、巨大なチャンスがあちこちに転がっています。現地の企業は急速に成長し、マーケットは好調で、テクノロジーを導入することに意欲的です。まずは、現地に足を運び、自分の目で確かめると良いでしょう。以前、「フィリピンでビジネスを始めるべき理由」を説明した動画を作成したので、ご覧になって頂きたいと思います。

    ロブ・ゼペダ Playbasisのファウンダー – バンコク/タイ

    Playbasis.com

    TNW: まず、どのような会社を経営されているのか教えて下さい。会社の所在地はどこですか?いつから会社を経営されていますか?スタッフは何名ですか?

     4 Western founders discuss what its like to run a startup in Asiaロブ・ゼペダ: Playbasisは、ゲーミフィケーションをサービスとして提供しています。開発者が、APIの能力を引き出し、ユーザーエンゲージメントを改善するために考案された様々な機能(ポイント、バッジ、スコアボード、通知、ミッション/チャレンジ、バーチャルクレジット、アイテムショップ、アプリ内分析、ソーシャルログイン)を使って、アプリを改善/強化することが出来るように支援しています。

    また、簡単に統合可能なAPIを介して、その他にも数多くの機能を提供しています。

    事業展開のしやすさ、そして、スタートアップに優しい環境のおかげで、Playbasisは、シンガポールで2012年12月に法人化しました。

    シンガポールは、アジア全土に進出する上で大きな足掛かりになります。小さな国ですが、経済がとても安定し、発達しており、スタートアップを法人化させるメリットが多数あります。また、著作権法がしっかりと整備されており、さらに、英語が公用語になっているため、外国人にとっては好条件が揃っていると言えるでしょう。

    Playbasisは、タイのバンコク以外の地域にも進出していますが、私にとっての故郷はバンコクであり、実りある生活を過ごすことが出来る場所だと感じています。比較的物価は安いです。この点は、Playbasisのようなリーンスタートアップにとっては重要です。12名のスタッフのうち11名がバンコクで仕事をしています。今後も、製品と事業の開発をバンコクで行う予定です。

    TNW: どのようなクライアントを抱えており、また、クライアントが多く存在する地域はどこですか?

    ロブ・ゼペダ: クライアントは全てタイの大企業です。現在、タイの複数の大手銀行、電話会社、小売業者をクライアントに抱えています。シンガポールとマレーシアでも、事業を展開しており、間もなく、この地域でも大きな企業に製品を購入してもらえそうです。

    ターゲットのマーケットはアジアの企業であり、今後もアジアのクライアントを増やしていくつもりです。しかし、マーケットの需要が大きいため、アジア以外の地域にも製品の一部を売り込む計画を立てています。

    TNW: アメリカで事業を運営することが出来たと思いますか?可能であったなら、どのようなことに魅力を感じて、アジアで会社を経営しているのですか?

    ロブ・ゼペダ: 既に米国では、複数のゲーミフィケーションのプラットフォームが確固たる地位を確立していますが、アジアでビジネスを運営する最大の面白さは、消費者の特徴にあります。アジアの消費者は、ソーシャルメディアとモバイルデバイスを多用し、ゲームに熱中し、若者の層が多く、新しいことを積極的に試します。Playbasisのようなスタートアップにとって、これは素晴らしい環境だと言えます。事実、ゲーミフィケーションのコンセプトは、タイの消費者に幅広く受け入れられています。

    スマートフォンの浸透率が順調に伸び、ローカライズされた製品とサービスが求められており、タイは、Playbasisにとって最高のマーケットなのです。

    アジアで偶然大成功を収めたアメリカの企業もあれば、西洋では成功しているものの、アジアのマーケットでは苦戦している企業もあります。 どちらのケースにおいても、地元のオーディエンスに製品を合わせれば、成功する可能性は大幅に増えます。また、反対に、多くの典型的なアジア生まれの機能やイノベーション(ステッカー、バーチャル通貨等)が西洋社会に進出しています。このように、アジアでは興味深い現象が起き始めています。

    Screenshot 2014 08 08 14.59.53 730x320 4 Western founders discuss what its like to run a startup in Asia

    TNW: 地元の人材を採用する際に問題に直面したことはありましたか?海外の人材も採用していますか?タイに迎える上で、あるいは、本国を去る点を納得してもらう上で、苦労したことはありましたか?

    ロブ・ゼペダ: かつて、有望な卒業生が、大きな、有名な企業にほぼ自動的に就職していた時代、あるいは、 家族が経営する会社を継いでいた時代がありました。しかし、時代は変わり、ある程度軌道に乗っていることが条件ですが、スタートアップが優秀な人物を引き寄せられるようになりました。最初の数名を採用するのは、今でも大変です。雇用される側は、企業の価値ではなく、報酬を重視します(リーンスタートアップの弱点)。しかし、一般的な意見ですが、誰もが格好良い仕事を求めています。また、スタートアップ業界で活躍する人達の大半は愛着の少ない、若い世代であり、年を重ねた落ち着いた人達よりも、リスクを取る余裕を持っています。

    確実に、アジアに活躍の場を見出す海外の人材は増えており、エコシステム全体に大きな影響を与えています。経済が停滞し、機会が枯渇しているヨーロッパ等の地域から、アジアに機会を求めて若い人材が押し寄せているのです。私達の会社の従業員の多くはタイ人ですが、ヨーロッパ出身の社員も数名いますし、私自身もカリフォルニア出身です。

    TNW: アジアで事業を運営する主な欠点を教えて下さい。

    ロブ・ゼペダ: 当然、タイで営業をすることで発生する問題もあります。例えば、政情が安定していないことです。しかし、大方、西洋のメディアは事実を誇張して報道しています。言語も障害になり得ますが、ビジネス、そして、スタートアップの世界では英語が幅広く用いられています。もちろん、特定の業界には規制がかけられ、海外の起業家が立ち入ることが出来ない聖域もあります。

    一部のマーケットでは、クレジットカードの浸透率が今でも低く、また、誰もがスマートフォンで3Gや4Gのデータプランを契約しているわけではありません。しかし、このような問題は全て対応可能であり、毎年状況は改善されています。

    TNW: 事業を、アジア、アメリカ、または、別の地域に拡大する予定はりますか?

    ロブ・ゼペダ: Playbasisはアジア太平洋地区に力を入れています。たとえ中国とインドを除外しても、大きな市場だと言えます。ヨーロッパと米国に大々的に進出するとは思いませんが、可能性はゼロではありません。Playbasisの企業の顧客は、多国籍のグローバルな大企業である点を考慮すると、東京、ソウル、香港、そして、シドニーへの進出は理にかなっていると言えます。事実、次回リリースする開発者プラットフォームに関しては、世界展開していきます。

    TNW: アジアにビジネスを移すことを考えているファウンダーに、あるいは、アジアで事業を始めようとしているファウンダーに、どんなアドバイスを送りますか?

    このアドバイスが全てのスタートアップに当てはまるとは思えませんが、消費者を対象とするスタートアップにとって、アジアは恐らく世界で一番重要な地域であり、消費者の行動と文化面のニュアンスを理解することは、成功する上で絶対に必要です。

    まさにこの理由で私は4年前アジアにやって来ました。私にとって人生で最高の決断でした。アジアのマーケットは規模が大きく、ユーザー一人当たりの収益は低いですが、ユーザー獲得にかかるコストも低い傾向が見られます(発展した一部の国々を除く)。その結果、サービスを賢く収益化する方法を解明すれば、大きな利益を得られるのです。

    スタートアップを運営し、初期のユーザーベースを獲得する取り組みに関して、タイのような場所はコスト効率の面で有利です。この地域のユーザーを収益化するためには、フリーミアムモデルを採用し、パートナーとスポンサーを探し、バーチャル通貨やバーチャルグッズの導入等を巧みに実施する必要があります。このような技術は、米国やヨーロッパ出身の起業家にとっては盲点ではありますが、アジアで成功を抑える上では欠かせません。

    ビジネス戦略、そして、この地域で人気の高いソーシャルアプリを調査し、利用可能なシステムを確認して、アプリに導入しましょう。このようにしてPlaybasisは生まれました。皆さんの成功を心より祈っています。


    この記事は、The Next Webに掲載された「4 Western founders discuss what it’s like to run a startup in Asia」を翻訳した内容です。

    皆さん、それぞれ、様々な理由でアジアでスタートアップをしているようですが、誰もインタビューとはいえ夢と希望に満ちていて私が起業した頃を思わず思い出してしまいました。東京、地方、東南アジアの新興国、そして米国であっても何らかの障害は必ずあるわけで、それを乗り越えメリットを生かして頑張りたいですね。 — SEO Japan

    オーディエンスを考慮しないSEOはSEOに非ず

    究極のリンク構築ガイドからSEO関連記事を書かないまま年末を迎えそうな雰囲気なので、気合を入れてSEO関連記事を1つ。テクニカルな知識でお馴染みのSEO by the Seaがあえてオーディエンス、つまりユーザーを考えることの重要性について語ります。 — SEO Japan

    HTML ウェブ、そして、セマンティックウェブに対する最適化を行う際、別々のタスクを実施する。この2つのタスクはお互いを補い、そして、この2つのタスクは多くのメリットをもたらす可能性を秘めている。しかし、このタスクを誰の為に行っているのかを忘れているなら、大きな効果は期待できない。

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    数週間前、あるオンラインセミナーに参加した。このセミナーは、ソフトウェアを使って、ページ上のメッセージ、そして、ランディングページと広告で利用しているワードを精査し、その後、意味において関連する用語を提案して、ランディングページや広告に盛り込むアプローチを取り上げていた。

    このオンラインセミナーには、質疑応答を行うセクションがあった。私は「オーディエンス」と言うワードが一度も登場していないことが気になっていた。

    そこで、オーディエンスに関する質問を投げかけてみた。

    オーディエンスに全く対処しないのは、重大な過失だと私は感じたのだ。

    製品やサービスを提供する相手のことを全く考えていないなら、ランディングページや広告を作成することはもちろん、何かをオファー(提案)することすら不可能だと思う。少なくとも、魅力的なオファーを策定することは出来ないはずだ。トピックにおいてコンテンツ内のワードに関連する用語を教えてくれるソフトウェアがあれば、確かに、検索エンジンにとっては、ページを見つけ、内容を理解しやすくなるかもしれない。

    しかし、検索エンジンは、いいね!をするわけでもなく、恐らく、ソーシャルネットワークでシェアするわけでもない。

    検索エンジンは、製品やサービスの「エバンジェリスト」となり、他の人達に伝えることも、チェックするよう推奨することもない。

    検索エンジンは、ページにセマンティックソフトウェアが盛り込んだジョークを見つけても、腹を抱えて笑う可能性は低い(…さすがにジョークを挿入するとは思えないが)。

    セマンティックソフトウェアは、特定の業界を取り上げたページにおいて理想的なワードやフレーズを巧みに描写すること、そして、ページやサイトにアクセスするビジターを増やすことが出来るかもしれない。なぜなら、当該のページにビジターを導く上で、適切なワードを選択することが出来るためだ。

    しかし、適切な問いに答えていると言えるのだろうか?

    自分のサイトが、取引をする相手として適している点をビジターに説得しているだろうか?

    オーディエンス、そして、オーディエンスが解決する必要がある問題、もしくは、オーディエンスが持つ希望を考慮していないなら、正しい問いに答えず、そして、説得もしていない。

    ウェブページに存在するデータに関する情報を集め、シェアした後、HTMLベースの検索、そして、セマンティックベースの検索に焦点を絞るアプローチは、確かに賢い手法だと言えるだろう。

    ただし、ウェブページの対象のオーディエンスを把握せずに、コンテンツを作成する方法は誤りだ。


    この記事は、SEO by the Seaに掲載された「When Optimizing for SEO and the Semantic Web, Don’t Forget Your Audience」を翻訳した内容です。

    短い記事でしたが、常に忘れたくない視点でした。SEOでも検索ユーザーを考えることは多いと思いますが、時にはそのペルソナまで踏み込んでより深いユーザーの理解にチャレンジしてみることもまた新たな発見があるのではないでしょうか? — SEO Japan

    スタートアップ起業家がするべき5つの過ち

    スタートアップ起業が増えてきた日本のネット界隈。成功もあれば失敗もある、多分後者が限りなく多い、わけですが、失敗から学べることも数多くある、ということで、今回はイスラエルの投資会社の役員が語るスタートアップ起業にありがちな失敗とその対処法についてまとめた記事を。 — SEO Japan

    「成功を祝うことに問題があるわけではないが、失敗から得た教訓に耳を貸すことの方が重要である」- ビル・ゲイツ

    過ちを犯すことに対して、スタートアップのファウンダー達に忠告を試みる人達は多い。「過ち 起業家」とGoogleで検索すれば、ファウンダーとスタートアップの成功を阻むよくある落とし穴や過ちを厳しく警告する記事を多数見つけることが出来るはずだ。

    ここで一呼吸置いて、考えてもらいたいことがある。誰もが「失敗から教訓を得た」と言うセリフを今まで何度も耳にしてきたはずだ。私自身、起業家として、そして、投資家として大きな過ちを何度か犯したことがある – また、私の経験上、成功よりも、遥かに過ちからの方が多くのことを学べる。wrong-decision

    それなら、なぜ失敗を必死になって避けようとするのだろうか?矛盾しているかもしれないが、条件によっては、間違いは犯す価値があり、また、実際に積極的に犯すべきでもある。

    そこで、スタートアップのファウンダーとして体験すべき失敗をリストアップしてみた。結局、過ちを犯すことになる。過ちからは多くの教訓を得られるため、起業の出来るだけ早い段階で失敗を味わうべきである。また、ミスを犯したにするべき行動についても、幾つかアドバイスを送る。

    1. メチャクチャにされる

    順風満帆に行くはずがない。誰か – パートナー、共同ファウンダー、従業員、投資家、あるいは、今後の構想に絡む関係者に、ビジネスをメチャクチャにされることになる。信頼を裏切る、口頭、または、書面の契約を破る、報酬をカットする、株を盗む、もしくは、会社全体を破壊する(あるいは、その全てを実施する)人物が現れる。誰かがとんでもないミスを犯し、計画を断念しなければならなくなる。

    避けられない問題を受け入れ、やって来る打撃に備え、痛み、または、ダメージが回復可能な程度であることを祈るのみだ。 通常、スタートアップは、運命により、そして、遠くの動くターゲットを狙う状況により、様々なタイプの人間(アイデアを出す人間、技術を持つ人間、投資する人間等)がごっちゃ混ぜになって誕生する。このターゲット、そして、ターゲットへのルートと道のりが明確に見えたとしても、他の人物には別のルートが見ているかもしれないし、自分とは違う躊躇する理由、または、動機を持っているのかもしれない。その結果、摩擦が生まれ、関係者の力のバランスによって、誰かが – それは皆さん自身かもしれない – 苦労することになる。

    ミスを犯した後の行動: 「メチャクチャにされることが、なぜ「過ち」なのだろうか?私は何も悪いことはしていない」と思う方もいることだろう。鏡を見てみよう。よく考えてみると、災難をもたらした原因が、自分がしたこと、または、しなかったことである点に気づくはずだ。 メチャクチャにした人 – メチャクチャにされた人の関係は、少なくとも2名の人物がいなければ成立しない。そして、すべてのストーリーに2つの側面が存在する。明らかに自分の「せい」ではなかったとしても — 酷い、ひねくれた人物に遭遇してしまった結果 — その人物と事業を共に行う決断を下した理由を問うべきである。その人物の行為は事前に予測出来なかっただろうか?パートナー/従業員/投資家を事前に調査しなかったのだろうか?何をした、あるいは、何をしなかったために、メチャクチャにされたのだろうか?ジョージ W. ブッシュの名言「私を騙したのが一度だけなら君が悪い。でも、二度騙したなら…それは私に問題がある。」を心の糧にしてもらいたい。そして、The Whoの歌にあるように「再び騙されてはならない」。一度ズタズタに引き裂かれれたら、理念を妥協することに関して、あるいは、後々自分を利用する可能性がある人物と仕事をすることに関して、今後は慎重に判断することが出来るようになるだろう。

    2. リベンジを誓う

    これは上の過ちに付随する過ちである。噛まれると、本能によって噛み返したくなる。何か(目に見えるもの、感情的なもの、未来のポテンシャル、あるいは、その全て)を失い、加害者がもたらした被害、あるいは、加害者が、損失をもたらすことで得た満足感を否定したくなる。誤った方向に導かれ、反射的に今度は相手を誤った方向に導こうとする。

    一度やってみればよい。失敗するだけでなく、大方、何も起きないか、最悪の場合、反動が返ってくる。メチャクチャにされたと言うことは、同等のリベンジを実施する行動力、力量、あるいは、スキルを持っていない可能性が高い。通常は、自分の未熟さ、安っぽさ、汚らわしさを痛感し、そして、嫌な気分を何度も思い出し、二度とリベンジをしたくなくなる。

    ミスを犯した後の行動: 後ろではなく、前を見よう。スタートアップを立ち上げる目的は、勝つためであり、2回負けを喫しても、勝利とは言えない。過去にこだわるのではなく、「未来でリベンジを果たす」べきだ。成功することが最高のリベンジになる。自分に起きた出来事を新たな推進力として活用し、メチャクチャにした人物、そして、世界に対して、自分がもっと優れた人材である点、そして、もっと優れた結果を出せる点を証明しよう。

    3. 「ステルス」モード

    手持ちのカードを見せたくない気持ちはよく分かる。アイデアを盗まれることを恐れているのかもしれないし、説得力をもって説明することが出来るほど、製品に対して自信がないのかもしれない。テクノロジー産業は、「ステルスモード」と言う聞こえの良い表現を生み出した。これは、不安に満ちた新人ではなく、スパイのように内密に動いている印象を与える。

    「ステルスモード」は、大方、過ちに近い。まず、仰々しい、あるいは、不安を抱えていると解釈され、信頼に傷をつける可能性がある。また、その人物を信じていないことを暗に伝え、ネガティブな感情を与えてしまう。そして、この感情は、今後、詳しく伝える時期がやって来ても消えていない可能性が高い。しかし、何よりも大事なことは、自らのネットワークを用いて、製品やベンチャーを形作り、発展させ、そして、進化させる掛け替えのない機会を見逃してしまう点である。知り合いになる、出会う、あるいは、話をする人は全員、ベンチャーの成功のキーパーソンになる可能性がある。

    ミスを犯した後の行動: 「堂々と伝える」モードに切り替える。今話をしている人物が、その新しい優れた製品を買ってくれるかもしれないし、投資してくれるかもしれない。それよりも、買ってくれる、もしくは、投資してくれる人を知っている方が可能性は高い。大袈裟に表現することなく、好奇心の種をまき、テリトリーを探し回り、そして、ターゲットにしているマーケットを示唆することは可能である。スティーブ・ブランクも提唱しているように、ファウンダーは出来るだけ早い段階で(実際の、または、バーチャルの)オフィスの外に出て、フィードバックを直接もらい、そのフィードバックを基に製品をアップデートしていくべきである。何もかも秘密にしておくと、製品/マーケットの適合、提携、または、ベンチャーへの投資を行う人物と関係を構築する機会を逸してしまう。取り組んでいるプロジェクトとターゲットにしているマーケットを率直に伝え、マーケットの問題点と弱点を確認し、関心を引き出し、大事なコネを作ることが可能な「ティザー」を考案すると良いだろう。

    EverMinderを設立した際、開発が完了する前であっても、私は誰とでも製品に関する話を大っぴらにしていた。素晴らしいフィードバックをもらい、その結果、製品を立ち上げる前に、紹介を経由して、3名のエンジェル投資家に出会うことが出来た。

    4. 都市伝説「作ったら、ユーザーはやって来る」を信じる

    映画「フィールド・オブ・ドリームズ」によって、「(球場を)作れば、やって来る」と言うフレーズが一般的な表現として、とりわけ大勢の影響を受けやすいスタートアップのファウンダーの間で定着した。このフレーズは有名であり、(そして、ケビン・コスナーが球場を作ったところ、魔法のように、実際にこの世を去った野球選手が姿を現したため)、一部のファウンダーは、スタートアップの世界でも優れた製品を作れば、ユーザーは自然と集まり、その他の製品に圧勝することが出来ると信じている。

    確かに、このハリウッド映画では、幽霊の野球選手が実際に球場に姿を現したものの、現実として、製品を作っただけでは、ユーザーはやって来ない。スタートアップのセオリーでは、「ユーザー」が「やって来る」ことを「マーケットプル」と呼ぶが、これはアーリーアダプターの間であっても自然に発生するわけではない。マーケットプルには、製品デザイン、製品/マーケットの適合、そして、ターゲットのマーケットへの実践的な「テクノロジープッシュ」を集中的に、そして、繰り返し実施するアプローチが求められる。このアプローチが成功して初めて、マーケットプルは功を奏する。マーケットに気づいてもらい、重要視してもらうために真剣に取り組み、そして、個人的に初期のユーザーと個別にやり取りを行わなければならなくなるだろう。それで良い。製品/マーケットの適合が実現したら、「ユーザー」は姿を現してくれる。しかし、その前に、まずは、アーリーアダプターの人達を積極的に勧誘し、魅了しなければならない。

    ミスを犯した後の行動: この浅はかな映画が起きた現象が、スタートアップの世界でも起きるなどと妄想するのは止めよう。「作れば、やって来る」を信じているなら、テクノロジープッシュ、マーケティングプル、最低限の製品の作成を十分に理解しているとは言い難い。映画を見るのではなく、時間を割いて真剣に勉強するべきだ。スティーブ・ブランク、ショーン・エリス、アンドリュー・チェン、このブログ、そして、効果的な製品開発および顧客開拓を提唱するその他の優れた作品をじっくりと読み、出来るだけ早く目を覚ましてもらいたい。

    (映画から刺激を受けるタイプなら、「幸せのちから」を見よう。トウモロコシ畑で意味のない声に耳を澄ますのではなく、困難に立ち向かい、奮闘し、製品と顧客を熱心に理解し、気遣い、そして、執拗に目標を達成しようとする気迫が、勝利につながる)。

    5. 「私の好きな過ち」

    この過ちは私のお気に入りだ。なぜなら、シェリル・クロウの歌の一節にあるように、複雑だからだ。そして、私自身頻繁にこの過ちを犯している。

    好きな過ちは、自信と謙虚のバランスが取れていない状態で起きる。この2つは陰陽の関係であり、ロケットを飛ばそうとすると、時折、どちらかに傾いてしまうようなものだ。

    スタートアップのファウンダーはほどほどに自信を持つべきである。いや、もっと、つまり、己惚れるぐらいの方がいいのかもしれない。提供するソリューションが、大ヒットすると心から信じる必要がある。しかし、自信過剰は極めて危険である。なぜなら、傲慢だと受け取られ、人間関係にダメージを与えてしまう可能性があるためだ。また、根拠ない自信となり、ビジョンや分析を曇らせてしまうこともある。優れたファウンダーは、ある程度謙虚な姿勢も持ち合わせている。自分よりも優れた人物がいることを理解している。ただし、謙遜し過ぎてしまうと、自分自身、そして、ベンチャーを引っ込めてしまう可能性がある…。

    偉大なタルムード(ユダヤ教の教えを解析した文書)には、「誰もが2つのポケットを持ち、適切な状況において参照にすべきメモをそれぞれのポケットに入れておくべきだ」と書かれている。 片方のポケットには、「世界は自分のために作られた」と書かれたメモを、もう片方のポケットには、「私は大地の管ようなものだ」と書かれたメモを入れておこう。

    (シェリル・クロウとタルムードを一緒に言及したのは、私が初めてだと思う)。

    ミスを犯した後の行動: 残念ながら、このミスに対する明確な助言を送ることは出来ない。自信と謙遜のコントロールは、「押す」と「引く」の関係であり、毎日調整しなければならない。それぞれの状況を評価し、どちらのメモが該当しているのか特定しよう。

    私は初期段階で投資を行うため、自分達(そして、そのベンチャーが)が素晴らしいことを私に認めさせようとする起業家に頻繁に出会う。この行為自体は問題ない。しかし、経歴を誤魔化す行為は受け入れられない。過ちと失敗について腹を割って話してもらいたい。何を学んだのか(そして、別の人の資金を使ってミスをしたこと)を聞きたいのだ。優秀な起業家は、成功と失敗の双方を伝える。そして、優秀な投資家は、ネガティブにとらえることなく、過ち、そして、得た教訓を知りたがっている。

    ありふれた表現だが、完璧な人など存在しない。ミスは必ず起きる。皆さんもきっとミスをする。ミスを予測し、受け入れ、分析するべきだ。なぜなら、過ちから得た教訓は、自分自身、そして、会社が成長する上で、重要で、永遠に消えることのない基盤となるためだ。

    …と言うことで、行動を起こし、少しミスを犯し、ミスから学ぼう。それが、勝利を導く。

    ライター紹介: ベン・ウィーナー(@BeninJLM)はスタートアップのファウンダーであり、エルサレムを拠点に活動し、初期段階のスタートアップに資金を調達する小規模な投資会社のJumpspeed Venturesで役員を務めている。


    この記事は、OnStartupsに掲載された「5 Mistakes Every Startup Founder SHOULD Make」を翻訳した内容です。

    イスラエル出身の筆者のせいか?、良くあるこの種の記事と違う味わい深さがあった気がします。失敗の理由はともかく、そこから何かを学んで次に活かすことが大事なのは間違いありません。とはいえ、私も15年近くビジネスをしていますが、相変らず日々失敗を繰り返していますけど・・・たまに学習能力ないんじゃないか、と不安になる最近です 汗 — SEO Japan