Appleの2013年Q1決算は悲喜半ば:売上545億ドル17.7%増、利益545億ドル横ばい、1株当たり利益13.81ドル

Appleが2013年第1四半期の決算を発表した。売上545億ドル(前年同期比17.7%増)、純利益131億ドル(横ばい)、1株当たり利益13.81ドルだった。

あらゆる投資家、アナリスト、評論家たちが、クパチーノの会社から何らとんでもない数字が出てくることを期待していた。なにしろ1年前の同四半期にAppleは、驚異の売上463億ドル、純利益130.6億ドルを記録している。今期のAppleに関するウォール街の共通見解は(Bloombergによる)は、1株当たり利益13.55ドル売上549億ドルだった。

「540億ドルを超える売上と、7500万台以上のiOSデバイス販売を1四半期で達成できたことを喜んでいる」とCEOのTim Cookは決算報告書で語った。「イノベーションに焦点を当て世界一の製品を作り続けることによって、われわれは当社の製品パイプラインに強い自信を持っている」

apple-q113a

ご想像の通り、Appleのこの好調な財務実績は、同社のハードウェア事業の急成長と強く結びついている。第1四半期が始まった直後、同社はその製品ラインに大量のアップグレードと新製品を投入した。これ以上ないタイミングだった。iPhone 5を別にしても、iPad miniの発売は(iPodとMacBookの魅力的な改良と共に)、年末商戦が本格化した際にAppleがあなどれない存在になることを意味していた。

Appleの最近のハードウェア販売状況は、関連する業績報告からある程度把握されていた。Verizonの決算報告で、同社が当四半期に販売したiPhone 640万台のうち1/4がiPhone 5だったことが明らかになった。しかしAppleも、ついに具体的数字を公表した。当四半期のiDeviceおよびMacの売上実績については、Jordan CrookとDarrell Etheringtonが詳しく解説しているが、短かく言えばこうだ。AppleはiPodを1270万、iPhoneを4780万台、iPadを2290万台売った。

Appleは過去1年間、全般的に好調な財務実績を残してきたが、同社の株価は少々波乱に満ちている。年初は400ドル前後を漂っていた株価は、やがて急上昇して2012年9月中旬には705ドルまで上り詰め、その後今月初めの500ドル以下まで下り坂を続けてきた。恐らく最近人々の頭の中を巡っていたのは、果たしてAppleがこの十分好調な四半期成績をもって株価を上昇させられるかどうかだった。長期的影響は未だに不明だが、本稿執筆時点で、Apple株は時間外取引で終値から5%以上下げている。

apple-stockprice

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

Twitterが買収したVineを利用してビデオ共有のテスト―ディック・カストロがタルタルステーキのビデオをアップ

282626544_9f0bf31634_z

昨年10月にTwitterはあまり知られていなかったビデオ共有サービスのスタートアップ、Vineを買収した。 AllThingsDによると、この買収を率先して進めたのはジャック・ドーシー自身だったという。ドーシーはTwitterの将来の発展にとってビデオ共有は非常に重要だと考えているらしい。ドーシーはまたInstagramの買収を熱望していたというが、こちらは実現しなかった。

今日(米国時間1/23)、TwitterはVineを利用したビデオ共有機能の実験を始めたようだ。CEOのディック・カストロ自身がビデオのリンクを投稿している。

くこうした短いビデオ・クリップの共有は間違いなく世界のTwitterユーザーが待ち望んでいた機能だ。

 

ツイートを拡張表示すると、ビデオが自動的にループ再生される。〔日本版:日本語環境ではビデオはエンベッドされないようだ。Twitterを訪問するかVineのリンク先を訪問すると表示できる。〕 残念ながら、ご覧のとおり、見た目に非常にうるさい。Twitterには早くちゃんとした「再生」ボタンを取り付けてもらいたい。

Financial Reviewが指摘しているとおり、これは「ビデオ版Instagram」だ。AndroidやiPhoneにはTwitterやYouTube向けのビデオ共有アプリが無数に出まわっている。FinancialReviewの記事によると、Twitterオリジナルのビデオ共有機能は6秒間限定で、現在のところスタンドアローンのアプリになるのか、Twitterの現在の公式アプリの一部になるのか不明だという。

Financial ReviewがTwitterのエディトリアル・ディレクター、Karen Wickreにビデオ・サービスのローンチについて取材したところ、Wickreはこう答えた。

…Vineの話だと思いますが、 … [サービスの公開は]まだしていないと思います。 ただ私はプロダクトの担当ではないので詳しいことはわかりません。

Vineが買収されたとき、われわれはTwitter自身とユーザーにとって善悪両面あると論じた。何百万という人々に対して撮ったビデオを即座にリアルタイムで公開できる能力というのは、ひとつ間違えばプライバシーの致命的な侵害にもなりかねない。

この機能が一般公開されれば、必ず近い将来に決して公開されてはならないようなビデオが公開されることになるだろう。どんなことが起きるか想像してみるのは難しくない。強力なツールには重い責任が伴う。ビデオはきわめて強力なメディアであるだけに、その運用にあたっては最大限の注意が払われねばならない。

Twitterの以前のメディア提携先、 Photobucketにもビデオ共有機能がああったが、TwitterはPhotobucketとたもとを分かってAviaryと新たに提携した。Vineを買収したからにはビデオ機能が近く公開されるのは理屈としては当然だ。

われわれもTwitterにコメントを求めているが、今のところ返事がない。

[写真:Flickr]

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

高精細度競争激化へ―Samsungも次世代Galaxy S IVにRetinaを超す440PPIディスプレイ搭載のもよう

GalaxySIV

最新の情報によると、SamsungのAndroidスマートフォンの次世代フラグシップ・モデル、Galaxy S IVには4.99インチ 440ppiスーパーAMOLEDディスプレイが搭載されるという。一言でいえば、Samsungとして過去最高品質のディスプレイが投入されるわけだ。

これに加えて、部品の情報に詳しいDigiTimesの記事によれば、 SamsungのAMOLED液晶パネルには新しいピクセル・レイアウトが用いられているという。この情報は確認されていないし、どのみちGalaxyS IVが(多分4月に)発表されるまで確認されないだろう。しかし、Galaxy S IVが440ppiのディスプレイを備えるという情報はそうとう前から出まわっている。次世代Glaxy Sにはスーパー高精細度ディスプレイが搭載されると期待してもがっかりしないですむのではないか?

Samsungの新しいピクセル・レイアウトは六角形あるいはダイヤモンド型だという。従来の正方形の格子型よりも単位面積あたりのピクセル密度を高められるのだそうだ。

快適に見ることができるスクリーンサイズでは440ppiが在来型(正方形)のピクセル配置の限界だという(もっとも5インチというサイズが「快適」かどうかは主観の問題だが)。

しかしこの記事によるとSamsungが開発した新レイアウトでは、小型のスクリーンで440ppi以上の表示密度が可能になるという。新テクノロジーでスマートフォンの希少な表示スペースを拡大できるとなればディスプレイをめぐる競争は一層激化することになるだろう。

しかしピクセルの密度はディスプレイのパフォーマンスを測る一要素にすぎない。平均的なユーザーの視力では300ppi程度が視認できる限界だと言われているiPhone4が326ppiのRetinaディスプレイで初めてこの限界を破ったとされる。〔日本版:Wiredの記事によれば、視認性の限界は「12インチの距離で477ppi前後」というのが正しいという〕。

それ以来、スマートフォン・メーカーはディスプレイの高精細度競争を繰り広げてきた。ピクセル数を増やすためにディスプレイを大型化するという方法も採られた。しかしディスプレイを大型化すればピクセル密度は下がる。悪循環だ。

Galaxy S IVに事実440ppiディスプレイが搭載されるなら、上述の限界をはるかに超えたスーパー高精細度だ。しかしこのクラスのディスプレイを搭載するのはGalaxyだけではない。すでに発表されたSonyのXperia ZHTCのDroid DNAはどちらも5インチ440ppiディスプレイを搭載する。

GS4はライバルの5インチ・スマートフォンに比べてだいぶ後発となるが、なにしろ人間の目には限界があるわけで新ピクセル・レイアウトが一般消費者の目にどれほどの差となって映るか注目だ。

スマートフォンの大画面化は少々行き過ぎとおもわれるが、ピクセル数の競争も同様の傾向ではなかろうか?

[via UberGizmo]

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

フランスのアーチストが自作ロボットのパーツを無料で配布

inmoov robot head 3d print466

フランスのアーチストGael Langevinが、あなたにロボットをあげたいそうだ。それは彼が作ったヒト型ロボットの各部分の3Dプリンタファイルで、それらを利用すると、誰もが自作ロボットを比較的簡単に作れる。あなただけのお手伝いさんまたは愛人を作るために、そのほかに必要なものは、ABS樹脂とArduinoのボードいくつかとモーターいくつかだ。

今現在Thingiverseで入手できるのは手の部分だけだが、今後数か月でそのほかの部分も順次リリースしていく。彼のビルドログがここにある。ロボットは完全にオープンソースで、図面もすべてダウンロードできる。どの部分もご自分の3Dプリンタでプリントできるはずだが、Makerbotでは無理かな、と思う大きいのもある。

このロボット自体は、なんだか皮膚がおかしいSonny from I, Robotみたいで、ちょっと気持ち悪いが、でも家庭の3Dプリンタでロボットが作れることは画期的だ。3Dプリンタ観が、大きく変わってしまう。完成時には、Gaelのおかげで世界のロボットマニアがぐんと増えていることだろう。それも、すばらしいことだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

コンピュータ科学とプログラミングの全国民“一般教科化”を目指すCode.org

logo (1)

ハッカソンで何かを簡単に手早く作ってしまうプログラマたちを見ていると、世の中の一般人は、宅配ピザの空き箱とRed Bullの缶が散乱したHarvard(ハーバード大学)の学生寮の、薄暗い一室を想像するかもしれない。なぜなら、世界の、サンフランシスコとニューヨークを除くあらゆる部分で、人びとはプログラマという人種を映画“The Social Network”でしか見たことがないからだ。Hadi Partovi/Ali Partovi兄弟は、今日(米国時間1/22)非営利事業として立ち上げたCode.orgでもってこの状況を変え、コンピュータ科学とプログラミングを誰もがアクセスできるものにしたい、と考えている。誰もがとは、プログラミングをしたい人という意味ではなくて、文字どおり、誰でも、世の中の人すべて、という意味だ。

文章を書くことに比べてコンピュータのプログラムを書くことには、なぜ今のような大きな格差があるのか、昨日Hadiに会ったぼくは、まずそれを聞いてみた。彼は、“それは放っておいてよい格差ではなく、この国が解決しなければならない重要な問題だ”、と言った。格差の原因の一部は、本当なら今や誰もが学ぶべきコンピュータ科学を、学校が教科として教えないことだ。また教師をはじめ今の世の中の一般人は、プログラミングが読み書きと同格の必須スキルであることを、理解していない。Partoviは、この大きな問題に挑戦することを自分のライフワークとし、そのための行動の一環として Code.orgを立ち上げた。

Partoviはこれまでの経歴がすばらしくて、iLikeやTellmeのファウンダの一員だったし、FacebookやDropboxやAirbnbなどにも投資やアドバイスを提供している。

私はこの業界で過ごした経験から貴重なものを多く学び、そして、ソフトウェアというもののおかげで世界が完全に変わってしまったことも知った。そこでは、新しい仕事が増えているだけでなく、産業の形も大きく変わっている。にもかかわらず、学校は逆の方向を向いている。しかし、世界でもっとも高い給与をもらっている人に、世界でもっとも低い給与の仕事をやってもらうことは、困難である*。

〔*: もっとも高い給与をもらっている人==プログラマ(など)、もっとも低い給与の仕事==学校の先生。〕

スタートアップという仕事は、必ずしも収入の良い仕事ではないが、そのことも学生たちのあいだでコンピュータに人気がない理由かもしれない。でも、誰もがある程度コードを書けるようになったら、これまでアイデア倒れに終わっていたような発想にも、実現に向かう道が開けるはずだ。コンピュータプログラミングは、ふつうの仕事に就いた若者にも、そのための道具や武器を与える。

実はPartoviのこのCode.orgプロジェクトを紹介する短編ビデオには、自分のアイデアをプログラミングを通じて大きく実現した人物像のモデルとしてMark Zuckerberg(Facebook CEO)が、出演する可能性もある。Zuckerbergと並んで、Bill Gatesも出演するらしい。このビデオの目的は子どもたちに、コンピュータのプログラミングは勉強する意義のあるすばらしいものであり、しかも、考えていたよりも楽しいことを、伝えることにある。楽しみとしてのプログラミングはそろそろ、親の家の地下室に住む“スーパースマートキッズ”たちの独占を脱し、広く一般に開放される必要がある。

なお、この短編ビデオを作ったLesley Chilcottは、Code.orgのチームの一員であると同時に、映画“An Inconvenient Truth”や“Waiting For Superman”のプロデューサーでもあった人だ。

そのビデオは、制作時の契約に基づいて、全米で50万以上のクラスに寄贈される。先生たちは、それを教室で再生するだろうか? それはまだ未知数だが、ビデオには先生たちに対する啓蒙の意味もある。Code.orgがやっていることに関心のある先生や親たちは、寄贈対象になってなくても、ぜひそのビデオをもらうべきだ。

数字が語る真実

hadi-partovi

Partoviによると、コンピュータ業界にはおよそ140万の仕事があるが、これまでコンピュータ科学を専攻して大学を卒業した者の合計はわずか40万だ。その差は、小学生にも分かる、約100万だ。コンピュータを仕事とする人材が、絶対的に不足している。だからこそ、これからは、プログラミングを義務教育の必須教科にしていくことが重要なのだ。Partoviは次のように言う:

オバマ大統領は、税金を上げる必要も、歳出をカットする必要もない。子どもたちをしっかり教育して、それらの仕事が海外に逃げて行かないようにすればよいのだ。

code-infographic
[インフォグラフィック訳:
2020年にはコンピュータ関連の仕事の数がコンピュータ科学専攻学生の数より100万多い。

コンピュータ科学は大卒の中で二番目に高収入の学位、コンピュータプログラミングの仕事は全国平均の倍以上の成長率。

仕事はコンピュータ科学に多く、しかし専攻学科はコンピュータ科学がとても少ない。

大卒でコンピュータ科学の学位取得者は全学卒の2.4%以下、しかも10年前よりも減少。

高校教師でコンピュータ科学専任は1000人中6人。

あなたの学校をcode.orgに登録しよう。
]

数字の話の続きとしてPartoviとぼくは、スタートアップとテクノロジ企業を全部合わせると今後の雇用機会はどれぐらいになるのか、という話をした。関連してレストランやバーといったサービス業の開業や雇用機会も増えることを、忘れてはならない。Justin KanのExecのようなサービスは、各種サービス業のプロたちと、彼らへのニーズを結びつける。

平等公平なアクセス

photo 20

重要なのはアクセス性だ。Code.orgも、そこから始める。Partoviは次のように説明する:

だから、本当は100万以上もの新しい雇用機会がある。それによって、この国の最大の問題が解決できる。しかしその機会に実効性があるためには、すべての子どもや児童生徒学生たちが、全員、簡単にプログラミングを学べるのでなくてはだめだ。

もちろん、プログラミングができることイコール、プロのプログラマになることではない。どんな仕事でも、今および将来は、コンピュータとネットワークと日常使うアプリケーションを正しく理解して、数行のスクリプトぐらい自分で書けることが重要なのだ。医師も弁護士も、クラウドについて、あるいはドキュメントがどこに保存されているかについて、基本的なことを知っているべきだ。Partoviの説では、農家の人たちでさえ、農業は今やテクノロジと無縁ではないから、コンピュータ科学の基礎を理解していないと次世代のイノベーションについて行けなくなるだろう。

Partoviの話は、だんだん熱を帯びてくる:

これは、一業界の問題ではなく、国家の問題だ。宇宙開発に着手したときと同じぐらい、あるいはそれ以上に重要な、全国民の抜本的な能力開発だ。やるかやらないか。今やらなければ、アメリカはずっと後方に置き去りになる。これからの子どもたちには、何を備えさせてやるべきか、真剣に考えよう。わが国の教育システムは150年間変わっていない。その間、新しいものは何一つ加わっていない。だから、今加えるべきものが、ものすごく重要なのだ。

Code.orgが今やろうとしているのは、何らかの形でプログラミングを教えているクラスのデータベースを作ることだ。高校、大学、子どもたちの週末行事、などなど。このデータベースの作成には、誰もが参加できる。うまくいけばそれは、この種のデータベースとしては世界最大のものになるはずだ。今は、まだ始まったばかりだが。

Screenshot_1_22_13_7_54_AM

学ぼうと思えば、公立校の11歳のヒスパニックの少女でも学べるのに、今はまだ、たとえば2〜3人の少女たちがコンピュータを囲んでプログラミングをしている、なんて、ありそうな画像が実はまったくない。この状況をこそ、変える必要がある。

Codecademyなどのサービスも、この問題の克服に取り組んでいる。それは、浅瀬で足を濡らしてみるのに適したサービスだし、また友だちを誘うのにも適している。

テクノロジは多くのドアを多くの人びとに開放しているし、個人にとっての参入障害はほとんどまったくない。コンピュータとインターネットへの接続があれば、今すぐにでも勉強を開始できる。次の”Mark Zuckerberg”は、Zuckが思わず感心してしまうような子どもたちの中から、出現するだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

年末年始のゲームプレイ時間調査:子供の世界でも人気を集めたのはやはりAngry Birdsシリーズ

angry-birds-star-wars-splash_wide-4_3_r560スマートフォンやタブレットを教育用に使おうという目的のゲームやアプリケーションが数多く登場してきている。しかし実際にプレイするゲームはどのようなものかといえば、やはり「教育的」なゲームよりも、純粋に面白いゲームが選ばれる傾向にあるようだ。少なくともKytephoneの調査によればそのような結果が出ている。

KytephoneはAndroidにペアレンタルコントロールを導入して、子供にも安全にAndroidフォンを使わせようとするアプリケーションを提供している。同社は、プレイ時間による人気ゲーム調査を展開し、それによるとリリース以来最もプレイされたゲームはRovioのAngry Birds Star Warsとなるらしい。他にもRovio発のゲームがいろいろとランクインしている。

Kytephoneが調査対象としたのは8歳から14歳までで、70ヵ国に住む13000名の子供たちだ。Kytephoneの共同ファウンダーであるAnooj Shah曰く、調査結果に地域差はあまり見られなかったとのこと。「どこに住んでいるかに関係なく、みんなRovioが大好きなようだ」とのこと。調査は年末のホリデーシーズンにまず行い、そこからの変化があるかどうかを確認するために年明けにも再度行われた。

ホリデーシーズンにおけるAngry Birdsシリーズ内での比較を見てみよう。Angry Birds Star Warsは、Angry Birdsの40%しかインストールされていないはずなのだが、プレイ時間はStar Wars版の方が51%長かった。またStar Wars版とSpace版の比較では、前者のインストール数は57%に過ぎないはずなのだが、プレイ時間は197%長かったのだそうだ。

同調査による人気ゲームは以下の通りだ。

  • Angry Birds Star Wars
  • Angry Birds
  • Bad Piggies
  • MineCraft (demo)
  • Angry Birds Seasons
  • MineCraft
  • Angry Bird Space
  • Temple Run
  • Logo Quiz

そして年初の調査では若干の変化があった。トップスリー自体はStar Wars、Bad Piggies、オリジナルのAngry Birdsということで変わらない。しかしBad Piggiesのプレイ時間が伸びて首位に踊りでたのだとのこと。

ちなみにAngry Birds Star Warsのインストール数はBad Piggiesに比べて60%多い。そしてホリデー期間にAngry Birds Star Warsのインストール数が60%伸びたのに対し、Bad Piggiesは50%の伸びだった。

しかしゲームプレイ時間でみるとBad Piggiesの方のプレイ時間は、インストール台数あたり1.12時間ということになった。Star Warsの方はインストール台数あたり0.8時間なのだそうだ。オリジナルのAngry Birdsの方は0.27時間ということになっている。

プレイ時間による比較データというのは、なるほどダウンロード数やアクティブ数とは違った側面を教えてくれる。Kytephoneは、ゲームが眼に触れた頻度っではなく、実際にプレイされた時間でランク付けしようと試みているわけだ。面白い調査ではあるが、少々注意も必要だ。というのもKytephoneは現在のところAndroidのみを対象に提供されているサービスなのだ。そしてiOSプラットフォームでは、ゲームも子供向けアプリケーションも、Android環境よりも多様なものが提供されている。またKytephoneの調査が、やや年齢層の高い子供を対象としていることも意識しておくべきだろう。すなわち、自分のスマートフォンを持っている子供が対象となっているのだ。パパやママからスマートフォンを借りて、ちょっと遊ぶというスタイルはかなり一般的なものだと思われる。しかしKytephoneの調査では、そういうシーンにおける人気アプリケーションの情報はわからないことになる。また、iOSベースのスマートフォンのみならず、iPadが調査対象外となっているのは大きい。iPadこそ子供向けゲーム環境だとして、注力しているゲームプロバイダーも多いのだ。

しかしそうはいっても、この調査は面白い。少なくとも子供たちの世界においてはRovioのゲームが人気で、習慣性を持つものであることが証明されたわけだ。

原文へ

(翻訳:Maeda, H)

実際のところ、Androidは安いけれども出来が悪い

初めてAndroidが出てきた時、私にはヒットの予感があった。初期のOSはいただけなかったが ― G1はSidekickの増強版みたいだった ― 私にはAndroidデバイスが世界を覆いつくすであろうと考える単純な理由があった。それが無料であり、キャリアーはJavaスタックや出来の悪い自家製OSの心配をする必要がなくなるからだ。代わりに彼らは、ほぼ全世界中のAndroid機と同じように動くスマートフォンを売ることができる。それは、あらゆる方面からの競争に面していた業界に対すGoogleからの贈り物だった。

そして計画は成功した。しかし、なぜ「フリー」仮説が通用するのか私はかねがね疑問だった。

今日(米国時間1/23)、GizmodoのSam Biddleは、なぜそこまでAndroidが人気なのかを調べたすばらしいレポートを発表した。その電話機は安価であらゆる地域のユーザーに広く受け入れられている。一方iPhone(黒いメタルと豪華なガラスの風貌)はよくて299ドル、キャリアー契約なしなら500ドルはする。Motorola Atrix HDなら契約込みで99セントだ。

Biddleがこう書いている。

常に高価で羨望の的の美しく面取りされたiPhoneと、それ以外全てとの違いは明白だ。iPhoneは広く一般に良いと考えられている。それ以上のAndroid機も十分に良いと考えられている。しかし端的に言ってしまえば、価格の割には十分良いということだ。そしてこの特質は、他のどんな新機能よりもGoogleの〈人民のための電話メーカー〉としての役割を保証している。それは民主的ガジェットであり、一方Appleは、その特権的立場を、眼力のありすぎる上部階層の裕福な財布と繋ぐことに成功したにすぎない。

要するに、スマートフォンの普及にかけて、GoogleはOSを誰にでも無料で与えることによって完璧にこなしている。それは本質的に「完全無料」のソフトウェアであり、メーカーは使える確かなOSを、遅くて出来の悪いハードウェアに載せて安く売ることができる。その結果のAndroid(およびSamsung)人気は、上部より下部の階層によって支えられている。

Biddleは記事の中でさらに深く堀下げているが、このiOSとAndroidの極めて重要な差異を覚えておくことは重要であると私は思う。Androidは勝ち続けている。これは紛れもない真実であるが、Androidは市場のローエンドを猛スピードで吸い込むことによって勝ち続けているのである。 根っからのiPhoneボーイである私でさえ欲しくなるような美しい旗艦スマートフォンでも出て来ない限り、Androidは、最高だからではなく、最安値であることによって世界を征服しつつある。しかし、一たびAndroidがその両方の要素をものにすれば、これは要注意だ。RIMとMicrosoftは叩きのめされ、Appleは、その筋金入りのファン層にもかかわらず、いよいよ真の競争に曝されるだろう。酒飲みなら誰でも言うように、この世には良いウィスキーと安いウィスキーがあり、ごく稀に安くて良い酒もある。Googleは、そのスイートスポットを捕える必要がある。そうなったとき市場はいよいよ軌道に乗るだろう。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

Wishscope×カラオケの鉄人が始めるカラオケ好きのソーシャルネットワークohacoが事前登録を開始

2011年のTechCrunch TokyoのファイナリストだったクラシファイドのWishscopeは現在も成長中で登録会員数が4万人程度まで来ている。会員数としては少ないかもしれないが、その月間のアクティブ率は6割程度とまずまずの数字となっている。そのWishscopeを開発するザワットがカラオケルームを運営する鉄人化計画と組んで新たにカラオケのソーシャル化事業に参入する。

彼らが鉄人化計画と共同でリリースする予定のohaco(オハコ)はカラオケに特化したソーシャルネットワークだ。今日からその事前登録の募集が開始される。ところで、なぜカラオケのソーシャルネットワークなのかのか。その背景について、ザワットの代表取締役CEOの原田大作氏が教えてくれた。

最近は音楽の多様化によってカラオケを歌いにいったとしても歌いたい歌が人々によって異なってきていのだそうだ。それは、共通で楽しめるヒット曲みたいなものがなくなっているからだという。ただ、カラオケ好きというの一定層いて、どうしても自分の歌いたい歌がある場合は、ひとりでカラオケに行くのだそうだ。そういった自分が歌いたい歌の共通の趣味を持つ人たちをマッチングさせようというのがohacoの狙いだそうだ。

アニメソングだけを歌いまくりたいだとか、特定のビジュアル系バンドの曲だけを歌いたいだとか、仕事や学校の友達同士ではなくて、共通の音楽趣味を持つ人同士でのカラオケはこれまでの掲示板などで成立していたが、それを加速させようというわけだ。カラオケは確かに15年前のピークに比べて市場規模は半減しているが、そのニーズがなくなったわけではない。実際、Twitterで「カラオケ行きたい」と検索するだけでも驚くほどの結果が返ってくる。そういったニーズをマッチングさせるだけでもチャンスは大きい。

興味深いのは鉄人化計画が運営するカラオケルームのカラオケの鉄人のほうかもしれない。彼らはドワンゴと提携してボーカロイド系の楽曲をカラオケルームで配信するなど、ほかの大手カラオケルームとは違ってたくさんの楽曲を揃えている。このため、ニッチなファン層を満足させるだけの設備を提供できるわけだ。鉄人会計画の有料の会員制のモバイルサイトも順調に成長していて、ohacoはこのサイトと連携を図っていく。なお、ohacoは当初はiPhoneアプリでの提供になるとのことだった。

ザワットではWishscopeだけでなく、こういったニッチなソーシャルメディアを立ち上げることでWishscopeとの連携を図って相乗効果を高めていこうとしているのだそうだ。実際、ohacoに投稿された「〇〇の歌を一緒に歌ってくれる人募集」といった内容のものをWishscope側にも掲載していくという。今後はカラオケだけではない分野にも参入したいとのことだった。

ザワットはこれまで5,500万円の資金調達をしている。主な投資家はサイバーエージェントベンチャーズ、Net Capital Partners、松山太河氏(個人)、みずほキャピタル、SMBCキャピタルなど。

Yahoo、ニュース版PinterestのSnip.itを買収。人材獲得目的でサービスは既に停止

The Snip.it teamMarissa Mayer指揮の下YahooはM&Aの動きを活発に続けているようだ。優秀な人材によるスタートアップに、とくに注目している。そしてそのような動きの中、今回のターゲットとなったのは、サンフランシスコで活躍中のSnip.itだ。Snip.itはウェブ上の情報をクリッピングして、Pinterest風の形でまとめて表示するウェブアプリケーションを提供していた。買収交渉は数週間にわたって行われてきたらしい。最初に報じたのはAllThingsDのLiz Gannesだった。内容についてはSnip.itおよびYahooの双方から確認がとれているようだ。

こちらに入った情報によると、買収額は1000万ドルで、アーンアウトのオプションがついているそうだ。情報筋曰く、1人を除いた約10名のフルタイムスタッフはYahooに移籍することになるのだそうだ。

Snip.itのサービスは現在利用できないようになっており、利用者に対してはデータのダウンロードを行うためのインタフェースが提供されている(2月21日まで)。Snip.itチームはYahooにて新しく「ソーシャルニュース」関連のプロジェクトに携わることになるのだそうだ。Snip.itからのアナウンスはこちらに掲載されている。

買収額や、サービスが直ちに停止されたところを見ると、これは「acqui-hire」(人材獲得目的の買収)であるとのことのようだ。サービのスタートは2011年10月のことだった。Khosla Ventures、True Ventures、Charles River Ventures、およびSV Angelsなどの有名どころが出資していた。しかしどうやら想定してほどには利用者が集まらなかったということのようだ。

しかし、Snip.itは使っていてなかなか面白いサービスではあったように思う。昨年6月にはCEOのRamy AdeebTechCrunch TVで話をすることができた。話の中で、Adeebが技術面およびビジネス面の双方に優れた若者であることが見て取れた。Yahooから見ても、この点が非常に魅力的に見えたということなのだろう。彼が今後が非常に楽しみだ。

昨年夏にインタビューを行なって、Snip.itのハンズオンを行なってもらった際のビデオを再掲しておこう。

本稿ではKim-Mai Cutlerからの情報も記事中に取り入れている。

原文へ

(翻訳:Maeda, H)

ヌード写真を検索できるからダメ!, AppleがApp Storeから写真共有アプリ500pxを外す

500px-iphone3

トロントの写真共有スタートアップ500pxが今日(米国時間1/22)、同社の二つのアプリ500px for iOS同社が最近買収したISO500が共に、ヌード写真に関する懸念によりApple App Storeから下ろされた、と報告した。500pxのCOO Evgeny Tchebotarevによると、二つのアプリ合わせてダウンロード数は100万を超えており、内訳はメインの500pxが100万弱、ISO500が20万強だ。

これらのアプリは、東部時間で今朝の1時ごろApp Storeからの削除が決まり、お昼頃にはすでに影も形もない。昨夜は、Appleのリビュワー(査定官)の手に渡っていた500px for iOSの新バージョンに関する議論が行われ、その直後に削除の決定が行われた。

Appleのリビュワーは500pxに対して、そのアップデートは承認できない、なぜならユーザがそのアプリ内でヌード写真を検索できるからだ、と告げた。それはある程度正しいが、しかし500pxはそれ(ヌード写真の検索)を難しくしている、とTchebotarevは説明する。彼によると、新規のユーザがそのアプリを立ち上げただけでは、ヌード画像を見つけることはできない。そのほかのソーシャル写真共有サービス、InstagramやTumblrなどでは簡単にそれができるのに、逆に500pxでは、デフォルトのモードが“セーフ(安全)検索”になっていて、それ的な写真は隠されている。ユーザがセーフ検索を解除するためには、同社のデスクトップのWebサイトへ行って、モードの変更を意識的に行わなければならない。

Tchebotarevによると、それは、子どもなどが偶然ヌード写真に出会ったりしないためだ。“アプリを使うのが大人だけとは限らないから、デフォルトではセーフ検索にしてある”、と彼は言う。

しかも、500pxの“ヌード写真”は、そのほかの写真共有コミュニティにあるようないわゆるヌード画像ではない。つまり、500pxのは、ポルノ性がない。“ポルノ的な画像は許可しない。それはうちのサービス規約に違反しているから、投稿されれば削除する”、とTchebotarevは言明する。

彼によると、500pxはプロの写真家や高度な写真ファンのコミュニティだから、ヌード写真はあるとしても“芸術的な”、作品としての写真に限る。“ポルノではなくて美術作品だ”、と彼は力説する。

現在500pxは、不適切な画像の発見をコミュニティに依存しているが、同社が今開発中の顔認識技術は、ヌード画像の検出にも使えるという。ということは、将来はヌード写真の発見を自動化できる、ということ。そしてそれらを、検索結果から外すこともできる。そういう技術は将来の話だが、 Tchebotarevによると、今でも、ヌードなど、既存の分類カテゴリーに当てはまらない写真はすべて、アプリの新規ユーザに対しては隠される。

同社は昨日Appleに対して、アプリを改作して問題の解決を図る、それにより、アプリのAPIを呼び出している10あまりのほかのアプリに対しても自動的に対策が行き渡る、と告げた。それらの中には、FlipboardやGoogle Currentsなどの大物もいる。しかしその新たなアップデートには丸一日かかるので、それを待ちきれないAppleは、アプリの取り外しを選んだ。

“App Storeに2011年の10月から半年近くあったアプリが、今急に外されるなんて、そんなの想像できる?”、とTchebotarevは不平をぶつける。アップデートは昨年11月に行われてインタフェイスが豪華になったが、ヌード写真を見つけやすくするための改造などは行われていない。彼によると、Appleに申し出た改作はもう完了して、結果をApp Storeに提出済みだ。それで再び、アプリがApp Storeに戻ってくるとよいのだが。

ユーザたちも一様に、信じられない!という反応を寄せている。ほかのアプリではもっと簡単に、いくらでもヌード写真を見つけられるのだから。いや、アプリだけでなく、Webブラウザでも。

アップデート: 以下は、500pxの削除に関するAppleの公式声明だ:

このアプリはポルノグラフ的な画像や素材を提示しており、弊社のガイドラインに明らかに違反するため、App Storeから削除された。弊社はまた、児童ポルノの疑いがあるとの、顧客からの苦情を受け取った。弊社はデベロッパに対し、ポルノグラフ的な画像と素材を防ぐための安全措置を設けることを求めた。.



[ツイート訳: Redditも外すべきだね。
       Safariブラウザも外すべきだよ。何と愚かな連中だろう。
(後略)
]

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

大画面廉価版iPhone 5Sというバカげた噂。しかも複数モデルだって!?


DigiTimes
(Appleサプライチェーン関連ニュースに特化した中国の当たるも八卦ブログ)が伝えた最新の噂によると、Appleは今年、大型廉価版iPhoneを出す〈のではなく〉、新しい4インチモデルを2機種デビューさせるという。

一つはiPhone 5Sと思われるiPhone 5のアップグレード版で、もう一つは、廉価版iPhoneでおそらく陽極酸化アルミニウムの代わりにプラスチックのカバーを使用する。

しかし、これ以上深入りする前に、これは一つの噂を別の噂で塗り替えているだけで、Appleが発表するまでわれわれは新製品について殆ど知らないということをお忘れなく。しかし、少々の憶測は誰も傷つけない。

まず、最初の噂である大型廉価版iPhoneからスタートして、その後われわれが得た最新情へと移ることにしよう。

大型、廉価版iPhone

iphone5smockInfo:

DigiTimesは、この情報をリークした情報筋が完全に間違っているとは言っていない。この大型モデルは開発中らしいが、今年は出てこないということだ。果たして当初の報道のようにこの大型機種が低所得層を狙ったものなのかどうかは不明だ。

賛:

最新データによるとAppleは米国内で市場シェアおよび販売全般共に好調だが、ヨーロッパや新興諸国は依然としてAndroidが支配している。もしこの大型廉価版iPhoneが新興国向けであるとするなら、少なくとも新スマートフォンユーザー獲得というAppleのゴールとは一致してしているはずだ。

Androidメーカーは、Androidの市場シェアが増すにつれ徐々にかつ着実に画面サイズを大きくしているので、Appleとしてはたとえ本来の方針に反していても、大型機種への移行は論理的な選択といえる。iPad miniも、長い間あり得ないと思われてきた。

否:

Appleは、業界で最も利益性の高い会社であり、それは旧機種を新興国のスマートフォン新規導入層に最適な商品として仕立てることに成功してきたからだ。米国では旧機種価格がキャリアー契約込みで100ドルまで値下がりし、市場によっては一部の国でも値下げが行われている。これはAppleのコストを下げる。なぜなら、1年に1回しかiPhoneの製造・販売を行っていないにも関わらず、ある種の低価格モデルを商品ラインに追加できるからだ。

旧世代iPhoneの売上を食うような新機種を作ることは、Appleのスタイルとは思えない。加えて、大画面の電話機を作るコストは大きいので、それを低価格で売ることはAppleの利益率を下げる。

そうそう、Appleが3.5インチ画面を捨てるのにどれだけかかったかを思い出してほしい。近い将来画面サイズに関するこれ以上の譲歩があるとは私には予想できない。

2013年中に4インチiPhoneが2機種

Screen Shot 2013-01-22 at 3.13.58 PMInfo:

巷ではAppleが今年、iPhoneを1モデルではなく2モデル出すと噂されている。どちらも4インチのインセル型タッチパネル内蔵画面と言われている。

賛:

長年Appleは、すっきりと整頓された製品ラインで知られてきた。

ごく最近になって、iPad 4がiPad 3から微妙に仕様強化され、iPhone 5の直後にiPad miniが発表された。史上初めて、Appleはその商品群を多少分散化させたが、理由は単にLightningコネクターへの統一であり、製品の機能強化ではない。

iPhoneは、まちがいなくAppleの宝で最も利益率の高い製品であり、最も多様化から遠い存在だ。しかし、iPhone 5の部品を陽極酸化アルミではなくプラスチック製の殻に詰め込んでやや安く売ることはさほど困難ではない。それは、もっともらしく、論理的ですらあるが、私としては期待するものではない。

否:

既に書いたように、AppleはiPodやiPadなどいくつかの製品で多様化を開始しつつあるように見える。しかし、それは必ずしもiPhoneに同じような機種の多様化が〈必要〉であるという意味ではない。

iPhone 4Sは、さほど魅力的な新機能がなかったにもかかわらずiPhone 4よりも売れた。iPhone 5は4Sより売れた。iPhone 5のプロセッサーをアップグレードし、もしかしたらSiriやAppleマップのような驚きと喜びを与える、クールな(しかしめったに使われない)機能を付加して、5Sとして市場に出す以上のことをする理由はあるのだろうか。

もう一つの新iPhoneはプラスチック製のカラフルな筺体

info:

以前の、DigiTimes以外の報道によると、もしAppleが、予想されるiPhone 5Sと共に第2のiPhoneモデルを出すとすれば、iPhone 5の陽極酸化アルミニウムでもiPhone 4/4Sのゴリラガラスでもなく、プラスチック製の筺体を使うという。この報道には矛盾があり、裏面はやはり陽極酸化アルミニウムにプラスチッムまたはゴムのベゼルで作られるという意見と、裏面全体がプラスチックだとする意見がある。カラーバリエーションまであるという可能性もある。

Screen Shot 2013-01-22 at 2.09.48 PM

賛:

私には到底プラスチックiPhoneを支持する気になれない。理由は上と下に挙げた。

しかし、カラフルiPhoneというアイディアは完全には捨て切れない。iPodファミリーとの相性は良さそうだし、iPodタッチが未だに(プラスチックではなく)アルミニウム製であることを思い出してほしい。Appleが黒い羊から「メー」と鳴く羊の群れになった今、カラーバリエーションは理にかなっている。

クローズドなエコシステムとわずか2色のカラーしかない中、形状にせよ外観にせよAppleユーザーに何らかの方法で差別化する方法を与える意味はある。カラーは、デバイスに対するわずかな制御権を消費者に与えつつ、色を選ぶ以上の本質的制御権は与えない最も費用効果の高い方法に思われる。

否:

Apple製品を持つことは一種のステータスシンボルだ。しかしAndroidの主力モデルが機能その他でiPhoneと肩を並べ(時には凌駕し)、どこにでもiPhoneがある今、そのシンボル価値は少々下がり気味だ。AppleのiDevice群にプラスチックがないという明白な特徴は、このレベルのステータスを維持する重要な役割を担っている。

もちろんプラスチックiPhone採用の主目的は消費者にとっての低価格だが、Appleには、製品に対する一切の犠牲も許さない伝統がある。たとえそれがユーザーにとっては意味があっても。

私は次期iPhoneのカラーバリエーション説には同調するが、クパチーノから近い将来プラスチックが出てくること関しては強く疑念を抱いている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

Verizonの2012年Q4報告:スマートフォン販売台数中63%の620万台がiPhone。うち半数がiPhone 5

iPhone-5Verizonの直近四半期の収益報告を行った。それによると、Verizonが取り扱っているスマートフォンの中では、iPhoneがトップセラーであったのだそうだ。Appleのスマートフォン売上げが、Verizonの全スマートフォン売上げ中で63%を占めている。全機種の売上台数は980万で、Appleが620万だったとのこと。Verizon CFOのFran Shammoによれば、この620万のうち、半数が4G対応のもの(すなわちiPhone 5)であったそうだ。

前四半期と比較してみると、iPhoneの売上げはかなり伸びている。これは直近四半期がホリデーシーズンを含むものであったことを考えれば当然のことと言えよう。2012年の第3四半期では、Verizonは全機種販売680万台中、310万台のiPhoneを売り上げている。Appleの占める割合は45%だったことになる。すなわち割合的にも最近の四半期の方が大きくなっており、この伸びを主に支えたのはiPhone 5であるようだ。と、いうのもQ3段階では31%に過ぎなかったiPhone 5が、Q4では50%程度に伸びているのだ。もちろんこれには、登場時期がQ3途中であったことも影響している。

ちなみに、昨年同時期のiPhone 4Sと比較してみるためのデータはない。2011年Q4には420万台のデバイスを売上げ、やはりAppleがかなりの割合を占めていた。しかし当時はiPhone 4Sと、それ以前のモデルを別にカウントしていなかった。したがって売上台数のうち、どれだけが旧機種であったのかがわからないのだ(iPhone 5については、「4G対応」ということで、他の機種と区別して考えることができる)。

いずれにせよアメリカ国内におけるiPhone需要にはまだまだ大きなものがあると言うことができると思う。Verizonの統計を見れば、むしろ拡大しているということすら言えそうだ。iPhone 5用の部品発注を削減しているということが言われている中、なかなか興味深いデータとなっている。

原文へ

(翻訳:Maeda, H)

Windows 8フルバージョン搭載のMicrosoft Surface Proが2月に北米市場に登場へ―64GB版が899ドルから

SurfaceProRight

いくらなんでもそろそろ出てもいい頃だった。

MicrosoftはSurfaceシリーズを去年の6月18日に発表した。8ヶ月も待たせた後、Microsoftはフル機能のWindows 8を搭載したIntel版のSurfaceProをアメリカ、カナダ市場で2月9日から発売すると発表した。

Surface ProはSurfaceシリーズのトップ・オブ・ザ・ライン・モデルだ。499ドルでWindows RTを搭載した従来のモデルとは異なり、899ドルの Surface Proは標準のWindows 8が走る。ウルトラブックに搭載されていてもおかしくないハイパワーのCPUだ。簡単にいえば、Surface Proは「まとも」なマシンである。

MicrosoftはSurface ProをWindows 8タブレットの標準機として開発した。Microsoftとしては止むを得ない選択だったといえるだろう。HP、Dellなどの昔ながらのパートナーにすべてを委ねるのがイヤならデバイスを内製する他ない。ライバルのWin8タブレットの出来栄えを見ると、内製は正しい選択だったと分かる。

Microsftが昨年夏にロサンゼルスでSurfaceを発表したとき一番ショックを受けたのはWindowsマシンのOEMメーカーだっただろう。Microsoftが一夜にしてパートナーから深刻なライバルに変貌してしまったからだ。

もっともSurfaceがWindows 8タブレット市場を支配していると言ってはいいすぎだろう。HPとSamsungもまだ死んだわけではない。爆発的な売れ行きではないにせよ、SurfaceはWindows 8タブレットの存在に注意を集めるには役だった。Surface Proのローンチでいよいよパーティーが始まりそうだ。

しかし私自身はSurface RTのファンではない。3ヶ月前にレビューしたが、アプリの数が少なすぎ、タッチカバーのデザインが貧弱であることにすぐに気づかかざるを得なかった。数週間前からさらに長時間テストした結果は一層いらだたしいものだった。まずハードウェアのパフォーマンスが悪すぎる。Windows8の能力は驚異的だが、ARM CPUのSurface RTはこのOSを作動させるだけで手一杯だ。Surface Proなら今私が列挙した欠点のほとんどが解消されているだろう。私はWindowsユーザーなのでSurface Proには多いに期待している。私はLogitechがiPad用に作っている超薄型キーボード兼用カバーをSurface用に作ってくれればいいと思っている。

2月9日の北米発売が楽しみだ。Microsoftストア、microsoftstore.com、Staples、アメリカのBest Buy、カナダのFuture Shopで発売となる。64GB版が899、128GB版が999ドル。どちらもSurface Pen Touchカバーがついて くる。Typeカバーはそれぞれ119ドル、129ドル増し。

それからSurfaceには新しいアクセサリがついてくる。 3種類の限定版のTouchカバーと―なんとマウスだ。タブレットにはマウスがつきもの―なのだろうか? ともあれ、初めてSurfaceにわくわくさせるような製品が登場した。Windows 8ユーザーには朗報だ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

Twitter、ツイートのエンベッドを強化―表示コンテンツを増やし、使い勝手も改善

3616155715_498abcc768_z

昨日(米国時間1/20)はアメリカで7時間にわたってサービスの運用が断続するなどTwitterにとって散々な一日だった。サービスを正常に稼働させるという観点からすると散々な週だったといってもよい。これまでもTwitterに新機能が導入されるたびにサービスに何か異常が起きていたことを考えると、今日発表されたTwitterの機能強化が昨日の異常の原因だったかもしれない。

今日Twitterが発表したのはツイートがエンベッドされたときに表示されるコンテンツの強化だ。なぜエンベッドの強化にこだわるのか? ユーザーがツイートを引用するのに、スクリーショットというありがたくない方法を取ってもらいたくないからだ。Twitterは昨年9月にTwitterストリーム(タイムライン)を表示するウィジェットを公開している。

エンベッドされたツイートの例。〔日本版:日本からのアクセスではまだアバターや写真のサムネールなどは表示されないようだ。本来は下の2番目のスクリーンショットのように表示されるはず。〕


今日、われわれはツイートのエンベッドに関していくつかの機能強化を行いました。内容が豊富になりスピードもアップしました。

コンテンツとコンテクストの強化:エンベッドされたツイートには写真、ビデオ、記事のサムネールなどのコンテンツがtwitter.com上で表示されるのと同様に表示されます。またツイートを理解するうえで重要なRTの内容なども読みやすく表示されるようになりました。

読み込みの高速化:サイト上でエンベッドされたツイートが読み込まれるスピードが大きく改善されました。

エンベッドがより簡単に:twitter.comでどのツイートでも「その他」ボタンをクリックすると「ツイートをサイトに埋め込む」というオプションが表示されます。TweetDeckでも同様。

ツイートをエンベッドするには提供されたコードをブログなりウェブサイトなりのソースコードにコピペするだけでよい。

Screenshot_1_22_13_10_12_AM

Screenshot_1_22_13_10_13_AM

自分のコンテンツを他人のサイトで表示しようとすると、相手のサーバの状態や読み込み速度がわからないので、いろいろと難しい問題を引き起こす可能性がある。過去数ヶ月Twitterのスピードが落ちたり不安定になったりていたのはエンベッド問題が関係していたのではないかと私はにらんでいる。世界的な巨大サイトがツイートを片っ端からエンベッドし始めたらTwitterのサーバの負荷は急上昇する。

これは仮定の問題ではない。ニュース・メディアはTwitterを引用する際に写真、リンク、RTなど関連コンテンツも表示しようとする。読者にツイートの背景をできるだけ正確に理解してもらいたいからだ。私は変造されたスクリーショットを見たことがある。オリジナルのツイートへのリンクがなければ読者は果たして信用していいものか悩むことになる。エンベッドならその問題はない。クリックすするだけでオリジナルのツイートにジャッンプできる。

オリジナルのツイートと同様に写真やビデオなどが表示されていれば読者はクリックする価値があるツイートかどうか判断しやすくなる。クリックしたが行った先に何も新しい情報がなかったというのは苛立たしい経験だ。一方、InstagramがTwitter Cardsのサポートを止めたのはトラフィックをみすみすTwitterに流すのを嫌ったからだ。

[写真:Flickr]

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

Firefox OSを搭載したスマートフォン、まずはKeonおよびPeakの開発者向けプレビューマシンとしてデビュー

firefox-mobile

オープンウェブ標準に完全準拠したブラウザを制作しているMozillaが、ついにモバイル向けオペレーティング・システムであるFirefox OSを搭載した開発者向けプレビューマシンを世に出すこととなった。製作を行ったのはオープンプラットフォームデバイスの開発を行うGeeksphoneで、通信キャリアのTelefonicaとの協力で生み出した。今回登場したのはPeakとKeonという2モデルだ。2モデルを発表する目的は、開発者に異なる性能タイプの動作を示すためだ。一方はハイエンドで、もう一方が普及モデルということになる。

Keonの方には1GHzのQualcomm Snapdragon S1プロセッサが搭載されている。RAMは512MBで、3G HSPA対応。ディスプレイは3.5インチで、背面カメラが3Mピクセル、ストレージは4GBとなっている。MicroSDスロットも搭載しており、バッテリーは1580mAhになっている。かなりのロースペックだが、これは低スペックマシンの動作を開発者に見てもらおうとするためのものだ。また、このスペックであれば、価格的には途上国にも投入できそうだ。

Peakの方は1.2GHzでデュアルコアのQualcomm Snapdragon S4を搭載している。こちらも3G HSPA対応で、画面は4.3インチ。背面カメラは8Mピクセルでフロントにも2Mピクセルのものを搭載している。但しRAMは512MBで、ストレージも4GBしか搭載していない。もちろんストレージについてはMicroSDスロットで拡張することができる。バッテリーはハイスペック化に応じて1800mAhのものを採用している。

いまのところ、2月の発表以降のスケジュールについては詳細を明らかにしていない。また販売方式などについてもまだだ。ただ、ただ今週末にかけてFirefox OS App Daysが世界各地で開催される。ここでFirefox OSについての情報を入手して、アプリケーション開発を試してみることができるようになっている。ちなみに、この記事で紹介した2つのデバイスを使ってのハッキングが行えるのかどうかは不明だ。

Firefoxフォンはかなり魅力的なデバイスに見える。スペック面に弱さを抱えてはいるものの、テック系の人びとの間では人気の端末となることは間違いなさそうだ。できることならひとつずつ手に入れたいと思っている。

Mozilla

原文へ

(翻訳:Maeda, H)