YouTubeにポッドキャスト専用ページができるかも

YouTube(ユーチューブ)がポッドキャストに本腰を入れていることは、すでに何度か報じられていた。同社がこの分野での取り組みをリードするためにポッドキャストのエグゼクティブKai Chuk(カイ・チュク)氏を雇い、人気配信者に番組の撮影費を提供し始めたことさえわかったからである。今回、流出した文書により、YouTubeのこの分野での計画に関する詳細が明らかになり、将来的にYouTube.comにポッドキャストのホームページを設置することや、その他の収益化機能があることが指摘されている。

Podnewsは最近、YouTubeがポッドキャストのロードマップを説明した84ページのプレゼンテーションを手に入れ、その詳細を発表した。その中で同社は、ポッドキャストのRSSフィードを取り込む機能を試験的に導入し、ポッドキャストの取り込みを改善するとしている。また、YouTube.com/podcastsという新しいホームページでPodcastを一元管理する計画であることも述べている。このURLはまだ機能しないが、スラッシュの後にランダムな言葉を入れた場合と異なり、YouTubeのホームページに自動的にリダイレクトされることもない。

驚くことではないが、Google(グーグル)はポッドキャストをYouTubeでの広告ビジネスを拡大する方法として考えている。この文書は、YouTubeがGoogleや、他のパートナーによって販売されるオーディオ広告を搭載することを示唆している。また、オーディオファーストのクリエイターのために設計された「新しい指標」のサポートや、YouTubeのデータを業界標準のポッドキャスト測定プラットフォームに統合する機能についても言及している。あるページでは、Nielsen(ニールセン)、Chartable(チャリタブル)、Podtrac(ポッドトラック)といったブランドがパートナーとしてリストアップされている。

YouTubeに新たに「ポッドキャスト」部門を追加することは、同社にとって合理的な次のステップとなるだろう。

YouTubeは長年にわたり、2015年のYouTube Gaming2019年のYouTube Fashion(現Fashion & Beauty)のように、サービスの大きなコンテンツカテゴリーに独自のホームページを与えて強調してきた。さらに、YouTubeのコンテンツは、Googleの音楽ストリーミングサービスであるYouTube Musicを支えており、Spotify(スポティファイ)などの他のサービスと競合しているため、ポッドキャストが競争力を持っているのだ。

Spotifyはポッドキャスト広告市場の制覇を目指しており、関連するアドテクを取り込むために何度か買収を繰り返してきた。その結果、Spotifyはその後、自社広告の販売ストリーミング広告挿入技術の導入、独自のオーディオ広告市場の立ち上げを実現し、新しい広告フォーマットにも挑戦している。一方、動画中心のプラットフォームであるYouTubeは、この広告市場の成長の多くから取り残されている。

Podnewsは文書の全文を公開しておらず「2022年」に登場すると記載されているローンチへの言及や、Spotifyが2021年3月に買収したChartableへの言及から、この文書がいつ最初に作成・配布されたのかは不明だ。YouTubeはPodnewsの記事に対し、コメントを出していない。コメントが提供されれば更新する。

画像クレジット:Olly Curtis / Future / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

Spotify、ジョー・ローガン氏の騒動から2カ月経ってようやく新型コロナの注意喚起機能を追加

わずか数カ月前、ニュースを聞いたり、Twitterを読んだり、保守的な叔父と話をしたりする際には、Spotify(スポティファイ)と2億ドル(約246億5000万円)以上の独占契約を結んでいるJoe Rogan(ジョー・ローガン)氏の話題に触れずに済ますことはできなかった。1月には、270人の医師と科学者がSpotifyに対する公開書簡を発表し、Spotifyのチャートで上位を占め、ウイルスに関する誤った物語の温床として繰り返し機能しているローガン氏のポッドキャストに鑑みて、誤情報対策を講じるよう要求した。その後、Neil Young(ニール・ヤング)やJoni Mitchell(ジョニ・ミッチェル)といった音楽界の大物たちが抗議の意を込めて、このプラットフォームからライブラリを引き上げたため、Spotifyは遅ればせながらプラットフォームのルールを公表することになった。そして今回Spotifyは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について語るポッドキャストに、開始する約束から2カ月経って、コンテンツに関する注意喚起を行う機能をようやく導入した。

この注意喚起は、新型コロナを取り上げたポッドキャストのエピソードの上に表示される青いバーで、リスナーはクリックして詳細を確認するよう促される。これは、2020年3月に追加された同社の新型コロナ情報ハブにユーザーを誘導するものだ。TechCrunchはSpotifyに、どのポッドキャストエピソードが新型コロナを扱っているかをどのように判断しているかを質問した。どうやら、エピソードのタイトル、説明、タグなどのメタデータに「新型コロナ」「coronavirus(コロナウイルス)」「pandemic(パンデミック)」といった単語が出てくると注意が表示されるようだが、Spotifyからはこの機能がどう働くかの回答は返ってきていない。もしこれが単なるメタデータのスキャンだとしたら、新型コロナ情報ハブ内のコンテンツはすでに揃っていたのに、なぜ丸2カ月もの時間を要したのかが不明だ。

Twitter(ツイッター)といった他のソーシャルプラットフォームは、新型コロナの誤報の拡散に対抗するために、より迅速に行動している。米国でのロックダウンが始まった数日後には、Twitterはウイルスの拡散を助長するようなツイートを禁止した。その2カ月後には、虚偽の情報を含む可能性のあるツイートに対して、新型コロナウイルス注意喚起を行う機能をリリースした。競合するApple Podcasts(アップル・ポッドキャスト)のようなストリーミングサービスでは、こうした注意喚起は行われていないが、右翼の陰謀論者とおもしろおかしく話すポッドキャスターに資金を提供しているわけではない。

Spotifyをボイコットしようという声がソーシャルメディア上でトレンドになるなど、PR上の苦労はあったものの、その反動はSpotifyのライバルを押し上げるまでには至らなかった。他のプラットフォームから徐々にその勢いを削られて始めてはいるものの、Spotifyは依然として優勢を維持している。

画像クレジット:stockcam / Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:sako)

Spotifyが買収したPodzの技術を活用した新たなポッドキャスト発見機能をテスト導入

Spotify(スポティファイ)は2021年夏、ポッドキャストへの投資を加速させるため、ポッドキャスト発見プラットフォームであるPodz(ポッズ)を、証券取引委員会の提出書類によると約4940万ドル(約61億円)で買収した。現在、Spotifyは、ユーザーが気に入るかもしれない新しいPodcastを見つけるのを助けるために、このスタートアップの技術を活用した機能をテストしていることを、同社は認めた。

Podzはもともと「初のオーディオニュースフィード」と呼ぶもので、ポッドキャスト発見の問題を解決しようと試みていた。つまり、これは、TikTok(ティックトック)のようなソーシャルアプリで普及している形式と同様に、さまざまな番組からの60秒のオーディオクリップを、縦方向のフィードでスクロールしてユーザーに見せるものだった。同社の技術が興味深いのは、フィード用のクリップを独自に制作するために、ポッドキャストの制作者に頼らないことだ。代わりに、10万時間分の音声を学習させた機械学習モデルを使って、紹介するクリップを自動的に選択するのだ。

当時、Spotifyはこの買収を、アプリ上でより優れた、よりパーソナライズされたポッドキャスト発見体験を構築し、拡大するための手段であると宣伝していた。今回のテストでは、そのような機能がどのようなものかを初めて見ることができる。

プロダクトデザイナーであり、テクノロジーのアーリーアダプターでもあるChris Messina(クリス・メッシーナ)氏は、Twitter(ツイッター)アカウント@SleepwellCapによって初めて明らかになったこの機能のテストについてツイートし、動画を投稿した。ここで、新しい体験が実際に行われている様子を見ることができる。

専用の「Podcasts」ボタンをクリックすると、垂直方向のフィードに移動し、オーディオクリップを再生しながら番組のカバーアートを見ることができる。また、音声クリップは聞きながら文字起こしされ、クリップ内の単語が強調表示される。再生ボタンで番組を続けて聴くことができ、さらに「+」ボタンでアプリの「Your Episodes(あなたのエピソード)」リストにエピソードを追加することができる。

これはあくまでテストであることを考えると、この機能は一般公開前に変更される可能性があることに注意する必要がある。また、この機能は、Spotifyが、このようなオプションをユーザーがどのように利用するかを理解し、今後の製品開発に役立てるためのものである可能性もある。つまり、あなたのSpotifyアプリで、すぐに同じようにオーディオクリップの縦型フィードが見られるという保証はない。

Spotifyは、この体験を通じてPodzの技術をテストしていることを確認したが、発売日や計画については明言しなかった(Podzが機械学習で動いていることを考えると、Spotifyはローンチ前にもっとデータを集めてサービスを改善したいのかもしれない)。

「Spotifyでは、ユーザー体験を向上させるために、日常的に多くのテストを行っています」と、広報担当者は述べた。「これらのテストの中には、私たちの幅広いユーザー体験への道を開くことになるものもあれば、重要な学習としてのみ機能するものもあります。現時点では、これ以上お伝えすることはありません」。

Podzは、人々が好きそうなPodcastをもっと見つけられるようにするための新しい方法を構築しているいくつかのスタートアップの1つだった。多くのPodcastは30分以上あり、番組の内容やホストの個性をすばやく簡単に把握することが難しく、この新しい番組の発見という課題を克服するのは困難だった。

Podzの解決策は機械学習技術に頼ることだったが、他のスタートアップも異なるアイデアを追求している。例えば、Kayak(カヤック)の共同創業者であるPaul English(ポール・イングリッシュ)氏の新スタートアップであるMoonbeam(ムーンビーム)は、TikTokにヒントを得たアプリで、機械学習技術をブレンドした人間による編集キュレーションに依存している。垂直方向のフィード形式は、ポッドキャストに隣接するアプリでも使われている。たとえば番組というより音声ストーリーに近い99秒の音声クリップを提供するRacket(ラケット)や、Facebook(フェイスブック)のSoundbites(サウンドバイト)でも使われている。

画像クレジット:Bryce Durbin

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

HubSpotがポッドキャスターを支援する新プログラムを発表

最近は買い手の注意を引くことが難しくなってきた。かつてはいくつか広告に費用を払い、ブログ記事をアップすればそれでよかったのだが、これらの経路が効果的でなくなるにつれ、SaaS企業は意図するオーディエンスに到達するために、より洗練された種類のメディア制作に目を向けるようになっている。

HubSpot(ハブスポット)は先週、クリエイターに資金とプラットフォームを提供し、制作されたポッドキャストをHubSpotのウェブサイト上で配信するというプログラムを発表した。クリエーターにより幅広い聴取者にリーチする方法を提供しつつ、より多様なコンテンツへのアクセスを持つ利点を活かしたいと、同社は考えている。

「飽和状態のポッドキャスト市場で突破口を開くことは、特にゼロから始めるクリエイターにとっては非常に難しくなります」と、HubSpotのマーケティング担当SVPであるKieran Flanagan(キーラン・フラナガン)氏は、このニュースを発表した記事の中で述べている。「このHubSpot Creators(ハブスポット・クリエイターズ)プログラムを通じて、私たちはコンテンツ分野のリーダーとしての当社の立場を活用し、何百万もの組織の成長を支援するという当社のミッションを共有する新進クリエイターの知名度を向上させることができます」。

クリエイターは、同社のプラットフォームを利用してより広いリーチが期待できることに加え、聴取者の増加に応じて毎月支払われる金額が増額される仕組みになっている。HubSpotは、シード、シリーズA、B、Cというベンチャー投資の概念に準えた4つの成長段階を設定した。また、このシステムを通じて、クリエイターはエディターやプロデューサーといった人的リソースへのアクセスも得ることができる。

CRM Essentials(CRMエッセンシャル)の創設者で主席アナリストのBrent Leary(ブレント・リアリー)氏は、このアプローチは実に賢明なやり方であると確信している。

「クリエイターを受け入れ、彼らがストーリーを語るための手助けをすることで、HubSpotはコンテンツのエコシステムを拡張できるだけでなく、より広いクリエイターのエコシステムの一部となることもできます。このアプローチにより、HubSpotは個人やコミュニティと重要な関係を築くことができ、自社のコンテンツ戦略を他のフォーマットやチャネルに展開することにつながります」と、リアリー氏はTechCrunchに語った。

HubSpotは、2006年にインバウンドマーケティングのプラットフォームとして誕生し、ブログを使って企業の製品やサービスに対する関心を高める働きをしてきた。コンテンツマーケティングの考え方は進化しているものの、フラナガン氏はLinkedIn(リンクトイン)に掲載した新プログラム発表の投稿の中で、当初のインバウンドマーケティングの考え方は依然として共鳴を呼び、製品主導による成長の進行とともに重要性が増してきていると書いている。

もう1つの大きな要素は、これらのコンテンツの周りに、ブランドにとって重要な人々、つまりコミュニティが形成されるということだ。コミュニティは、直接的に(これらの人々の何割かが顧客になる)、あるいは間接的に(少なくともより広い世界でコンテンツを共有してくれる)、関心をさらに高める方法を生み出すと、フラナガン氏は述べている。

同社は「Content is Profit」や「(Un)Sexy」といった名称の8つのポッドキャストからこのプログラムを開始する。これらのポッドキャストのテーマは、セールスおよびマーケティングプラットフォームとしてのHubSpotのミッションに何らかの形で関連しており、HubSpotが自社の製品やサービスへの関心を高めると期待するコンテンツを提供していく。

このようなプログラムを起ち上げているのは、HubSpotだけではないことも注目に値するだろう。LinkedInはクリエイター向けに似たようなアプローチを提供している。MailChimp(メールチンプ)も同様だ。しかし、これらのプラットフォームに便乗することは、クリエイターにとって聴取者を獲得するための最良の方法なのだろうか? トレードオフとなるものは何だろうか?

ある情報筋からTechCrunchに提供された非公開のクリエイター規約書によると、HubSpotはクリエイターに対し、どれだけダウンロードされたかという数字に関係なく、毎週ポッドキャストを作成するために最低月1000ドル(約12万円)を支払うとされている。これは新人ポッドキャスターにとって好条件だと思われる。独立系の番組がそれだけの収入を得られるようになるまでには、時間がかかることが多いからだ。この最下段の「シード」層に属するポッドキャスターには、1回限りのマーケティング投資として5000ドル(約60万円)も与えられる。

しかし、ポッドキャスターは、この手早い資金投入を利用するために、いくつかの権利を放棄しなければならない。HubSpotのパブリック・クリエイター・プログラム契約によると、このプログラムに参加することによって、クリエイターは番組に対する永久的なライセンス(番組の改変や派生物の作成を含む)をHubSpotに付与することになる。また、番組ホストがその義務を果たせていないとHubSpotが判断した場合、HubSpotはホストを交代させる権利も有している。

クリエイターが番組の所有者であることは変わらないものの、HubSpotの永久ライセンスは、この資金援助に付随する条件があることを明確に示している。

「HubSpotはクリエイターの権利を尊重し、クリエイターとHubSpotの間で公平なバランスが維持されると確信しています」と、HubSpotの広報担当者はTechCrunchに語った。「HubSpotは、このプログラムから良好な状態で離脱したクリエイターに対して、独占権の放棄も検討していく予定です」。

LinkedInも最近、同様のポッドキャストネットワークを起ち上げたが、そのクリエイター契約に関する詳細な情報を公表することは拒否した。LinkedInの担当者はTechCrunch に、ポッドキャストパートナーは「彼らのコンテンツに対する完全な所有権を保持する」と述べたが、ライセンス契約については詳しく語ろうとしなかった。

ますます多くのSaaS企業が独自のポッドキャストネットワークを起ち上げる中、ポッドキャスターは、クリエイティブコントロール(創作物のクリエイティブ面における最終決定権)の価値と、これらのプログラムが提供する資金を天秤にかけた難しい決断を迫られることになりそうだ。

画像クレジット:Anastasiia Krivenok / Getty Images

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(文:Ron Miller, Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Spotify、言論弾圧を受けロシアでのサービスを停止へ

Spotify(スポティファイ)は、ロシアで新たに導入された言論の自由に対する劇的な規制を受け、ロシアでの同ストリーミングサービスへのアクセスを停止する予定だ。

3月上旬、ロシア議会は、ウクライナにおけるロシアの軍事作戦について同政府が「虚偽の情報」と見なすものを共有することを犯罪とする新法を制定した。この新しい規制は「戦争」という言葉を使ってウクライナでの戦争を表現することなどを含め、軍を貶めるような言論も罰するものだ。

CNN、ABC、BBCなどの西側報道機関は、最大15年の禁固刑を科すことができるこの法律を受けて、ロシア国内での放送や事業を取りやめた。Spotifyは主に音楽ストリーミングプラットフォームだが、政治や時事問題を取り入れたポッドキャストへの投資をこのところ増やしており、その方向性はすでに多くの論争を巻き起こしている。

Spotifyの広報担当者はTechCrunchにこう述べている。「Spotifyは、ロシアで信頼できる独立系ニュースや情報を提供するために、ロシアでのサービス運用を維持することが極めて重要だと考え続けてきました。残念ながら、最近制定された、情報へのアクセスをさらに制限し、表現の自由を排除し、特定のニュースを犯罪化する法律は、Spotify従業員の安全と、さらにリスナーをも危険にさらす可能性があります」。

Spotifyはさまざまな道を検討した結果、ロシアでのサービスを「完全に停止」することを選択した。このプロセスは、同社が移転に関連するロジスティクスを確保した後、4月上旬までに完了する予定だ。Spotifyは以前、ロシアでのプレミアムサブスクリプションを停止したが、無料版アプリは引き続き利用可能だった。

世界の大部分が恐怖の目で見ている中、クレムリンは情報の流れに対する支配を強め続け、先月からの行動を、一般市民の命を奪う血なまぐさい選択による戦争ではなく、人民解放運動であると偽って伝えている。このような動きとそれにともなう法的取り締まりは、ロシア政府と対立する、侵略であるという観点を共有する国内の人々にとって深刻なリスクとなる。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Den Nakano)

ポッドキャスターのみなさん、Apple Podcastsでフォロワー数を確認する準備を

Apple Podcasts(アップルポッドキャスト)は、ポッドキャスターがアプリ上でリスナーへの有料購読の提供を奨励する新機能を展開する。これらの機能の1つは、良くも悪くも、Apple Podcastで何人が自分をフォローしているかを、ポッドキャスターのプライベート分析ダッシュボードで明らかにするというものだ。

Apple PodcastsのConnect(コネクト)ページでは、リスナー数、リスナーが離脱するまでの時間、各エピソードのパフォーマンスなどの統計が表示されるが、なぜだかフォロワー数はクリエイターには示されていなかった。

しかし、ポッドキャスターの中には、Apple Podcasts Connectでの統計数値が予想より低いことに気づく人もいるかもしれない。米国のポッドキャストリスナーの大半はSpotify(スポティファイ)を使用しているため、Apple Podcastsのリスナーについての情報のみを示すこれらの分析では、クリエイターに番組のパフォーマンスの全体像を示すことはできない(ただし、離脱率はLibsynなどの配信プラットフォームでは得られないデータポイントで有用な情報になり得る)。

「番組をフォローしているリスナーは、新しいエピソードが入手可能になるとそれを受け取りたがるため、番組フォロワーは購読する可能性のある人々の指標となる」と、Appleはブログ投稿で述べている。

Appleの論理では、あなたがAppleのアプリで多くのフォロワーを抱えていることに気づいた場合、1年弱前に始まったAppleのサブスクサービスを通じて有料のコンテンツを投入することを検討するかもしれない。購読者限定のコンテンツを提供するポッドキャスターは、1年目は購読料収入の30%を、2年目は15%をAppleに支払う。しかし、Spotifyで有料コンテンツをリリースする場合、Spotifyは現在、手数料を取っておらず、開始から2年後には5%を取る。その他、Patreon(パトレオン)のようなプラットフォームでファン会員を作り、まったく別の方法で番組を収益化することを選ぶポッドキャスターもいるかもしれない。このアプローチでは、プラットフォーム固有のボーナスコンテンツを提供するだけではなく、番組に興味を持つ人のコミュニティを育成するのに役立つプライベートのDiscord(ディスコード)サーバーへのアクセスなども考えられる。

画像クレジット:Apple Podcasts

しかしAppleの売りは、iPhoneにアプリがあらかじめダウンロードされていることだ。そのため、新しいPodcastリスナーは、すでに持っているアプリで番組を購読する方が簡単だと思うかもしれない。Appleはポッドキャスターの収益の一部を得ることに熱心で、ポッドキャスターがApple Podcastsチームから直接指導を受け、購読サービスを開発するプログラム「Jump Start」を立ち上げている。しかし、この指導はApple Podcasters Programのメンバー、つまり年間19.99ドル(約2400円)を支払ってすでにApple Podcastsでサブスクを販売することを選択した人たちだけが受けることができる。

プログラム登録者向けのマイナーアップデートがいくつかある。購読者専用の音声として.mp3ファイルをアップロードできるようになり(以前は.wavと.flacのみだった)、番組に表示される購読バナーのカスタマイズもできるようになった。

すべてのアップデートは米国3月22日から利用できるようになるが、フォロワー数については、4月にクリエイターのApple Podcasts Connectダッシュボードに表示される。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

ツイッターが「ポッドキャスト」タブを開発していることが明らかに

Twitter(ツイッター)は、ソーシャルオーディオ機能「Spaces(スペース)」の開発を継続しているが、近いうちにさらにもう一歩踏み込み、そのモバイルアプリに「Podcasts(ポッドキャスト)」専用タブを追加する可能性があることがわかった。

モバイルアプリのコードを調べて開発中の機能を発見するリバースエンジニアによると、この機能追加によってTwitterにポッドキャスト専用のスペースが設けられることになるようだという。

TechCrunchでは、Twitterにユーザーがこの機能の展開を期待できるかと尋ねてみた。同社の広報担当者は「私たちは常に、人々がTwitterの会話に引き込まれるような新しい方法を模索していますが、現時点でこれ以上お知らせできる情報はありません」と答えた。

Twitterは、そのライブ音声サービスであるスペースの能力を拡張するために、ポッドキャスト風の多くの機能に取り組んできた。Clubhouse(クラブハウス)と同じく、Twitterでも今ではスペースのライブ録音した音声を後から聞けるようになっており、これはホストが新しい非同期のリスナーから、より多くのエンゲージメントを獲得するのに役立っている。録音中のスペースをライブで聞いている参加者の画面には、赤い録音ボタンが表示される。Twitterは、ホストが録音したスペースの聴取状況を確認できる機能の提供も開始している。

Twitter is working on Podcasts tab pic.twitter.com/64tTd3XPdu
— Jane Manchun Wong (@wongmjane) March 2, 2022

Podcastsタブは、録音されたスペースをブラウズして、このコンテンツにより多くのエンゲージメントを生み出すためのホームのように機能するのかもしれない。ライブのスペースにはすでに専用のタブが用意されているからだ。ポッドキャスト通気取りの人は、ライブの会話を録音しただけのものと、適切に編集してサウンドデザインしたポッドキャストとは全然違うと指摘するかもしれないが…。ともかく、そんな議論をする前に、Twitterがこの追加機能でどういうことをするつもりなのか、まずは正式に明らかになるのを待つことにしよう。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

音声の文字起こし、要約、モデレートを行うオールインワンAPIのAssemblyAIが32.1億円を調達

ここ数年、音声や動画のコンテンツやインターフェースが爆発的に増えているのは明らかだが、それらのメディアを扱う方法はまだ発展途上だ。そんな中、AssemblyAIが2800万ドル(約32億1000万円)の新たな資金調達により、音声解析のための主要なソリューションとなることを目指す。同社の超シンプルなAPIを利用することで、一度に数千の音声ストリームの文字起こし、要約、その他何が起きているのかを把握することができる。

電話や会議がビデオ通話になり、ソーシャルメディアの投稿が10秒のクリップ動画になり、チャットボットが発話し、音声を理解するようになるなど、マルチメディアは信じられないほど短期間に多くのものの標準となった。数え切れないほどの新しいアプリケーションが登場してきているが、他の新しい成長産業と同様に、アプリケーションを適切に実行したり、アプリケーションの上に新しいものを構築したりするためには、アプリケーションが生成するデータを操作できる必要がある。

問題は、音声はもともと簡単に扱えるものではないことだ。音声ストリームの「検索」はどのように行えば良いだろう。波形を見たり、通して聴いたりすることもできるが、それよりもまずは文字に書き起こして、その結果得られたテキストを検索する方が良いだろう。そこでAssemblyAIの出番となる。音声文字起こしサービスは数多くあるものの、自社のアプリや業務プロセスには簡単に組み込めない場合が多い。

AssemblyAIのCEOで共同創業者のDylan Fox(ディラン・フォックス)氏は「音声コンテンツのモデレーションや検索、要約を行う場合には、データをより柔軟で、その上に機能やビジネスプロセスを構築できる形式に変換する必要があります」と語る。「そこで、Twilio(トゥイリオ)やStripe(ストライプ)のように、たとえハッカソンの場でも使えるような、誰でも使える超高精度の音声分析APIを作ろうということになったのです。こうした機能を組み上げるためには多くの支援が必要ですが、その際にあまりにも多くのサービスプロバイダーを組合せたくはありません」。

AssemblyAIは、極めてシンプルに(1、2行のコードで)呼び出せる数種類のAPIを提供しているが、そのAPIを利用することで「このポッドキャスト中に禁止されている内容がないかチェックする」「この会話の話者を特定する」「この会議を100文字以内に要約する」などのタスクを実行することができる。

コードして、コールして完了(画像クレジット:AssemblyAI)

だが、私もそうだったが、この仕事が一歩踏み込めばどれだけ複雑な作業になるかと考えると、果たして小さな会社がこれだけ多くのことを簡単にこなせる道具を作れるのかどうかと疑問に思うだろう。フォックス氏は、これが困難な課題であることを認めつつも「技術は短期間で大きく進歩したのです」と語った。

「特にここ数年で、こうしたモデルの精度が急速に向上しています。要約、勘定識別……どれも本当に良くなりました。そして、私たちは実際に最先端の技術を推進しています。私たちは大規模なディープラーニング研究を行っている数少ないスタートアップの1つですので、私たちのモデルは、世間一般のものよりも優れているのです。研究開発やトレーニングのためのGPUや計算資源には、今後数カ月間だけでも100万ドル(約1億1500万円)以上を投入します」。

簡単にはデモンストレーションできないので、直感的に理解するのは難しいかもしれないが、画像生成(「このXXは存在しません」の類)やコンピュータービジョン(顔認証、防犯カメラ)と同様に、言語モデルも進歩してきている。もちろん、GPT-3はその身近な例だが、フォックス氏は、書き言葉を理解し生成することと、会話やくだけた話し方を分析することは、実質的にまったく別の研究領域であると指摘する。よって機械学習技術の進歩(トランスフォーマーや新しい効率的なトレーニングのフレームワーク)は両者に貢献してきたが、多くの意味ではそれらはリンゴとオレンジの関係(同じ果物というだけで、それ以外の属性は異なっている)のようなものだ。

いずれにせよ、数秒から1時間程度の音声でも、APIを呼び出すだけで効果的なモデレーションや要約処理を行うことができるようになった。これは、ショートビデオのような機能を開発したり統合したりする際などにとても有効だ。たとえば1時間に10万件ものクリップがアップロードされることを想定した場合、それらがポルノや詐欺、パクリでないことを確認する最初のスクリーニングはどうすれば良いだろう?また、そのスクリーニングプロセスを構築するためにローンチがどれくらい遅れるだろう?

フォックス氏は、このような立場にある企業が、ちょうど決済プロセスの追加に直面したときと同様に、簡単で効果的な方法を選ぶことができるようになることを希望している。つまり機能をゼロから自分で構築することもできるし、15分で「Stripe」を追加することもできるということだ。これは、根本的に望ましいものだというだけでなく、Microsoft(マイクロソフト)やAmazon(アマゾン)などの大手プロバイダーが提供する、複雑でマルチサービスなパッケージの中の音声分析製品とは明らかに一線を画している。

インタビューに答えるフォックス氏(画像クレジット:Jens Panduro)

同社はすでに数百の有料顧客を数え、2021年1年間で売上を3倍に伸ばし、現在は1日100万件のオーディオストリームを処理している。フォックス氏はいう「100%ライブストリーム処理です。大きな市場と大きなニーズがあり、お客様からの支払いもあります」とフォックス氏はいう。

2800万ドル(約32億1000万円)のラウンドAは、Accelが主導し、Y Combinator、John(ジョン)とPatrick(パトリック・コリソン)氏 (Stripe)、Nat Friedman(ナット・フリードマン)氏 (GitHub)、そしてDaniel Gross(ダニエル・グロス)氏(Pioneer)が参加している。全額を、採用、研究開発インフラ、製品パイプラインの構築などに振り向ける計画だ。フォックス氏が指摘したように、同社は今後数カ月の間にGPUとサーバーに100万ドル(約1億1500万円)を投入する(大量のNVIDIA A100が、信じられないほど計算集約型の研究とトレーニングのプロセスを支えることになる)。もしそうしなければ、クラウドサービスにお金を払い続けることになるのだから、間借り生活から早めに脱却したほうが良いのだ。

採用に関しては、音声解析関連技術に力を入れているGoogleやFacebookと直接競合するため、苦労するのではないかと質問してみた。しかし、フォックス氏は楽観的だった。そうした大企業の文化が遅く窮屈なものであると感じているからだ。

「本当に優秀なAI研究者やエンジニアには、最先端で仕事をしたいという願望が間違いなくあると思います。そして同時に実用化の最先端にも関わりたいという願望です」と彼はいう。「革新的なことを思いついたら、数週間後には製品化できる…そんなことができるのはスタートアップ企業だけです」。

画像クレジット:AssemblyAI

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(文:Devin Coldewey、翻訳:sako)

Amazon Musicが2022年中にPandoraを抜いて米国2位の音楽配信サービスに、調査会社が予測

かつてのeMarketer(イーマーケター)、現Insider Intelligence(インサイダー・インテリジェンス)の予測によると、Amazon Music(アマゾン・ミュージック)は2022年中にPandora(パンドラ)を抜き、米国で2番目にユーザー数の多い音楽ストリーミングサービスになる見込みだという。ただし、この調査では、有料プランのユーザーと広告付き無料プランのユーザーの両方が含まれている。Insider Intelligenceは、2022年末時点における各社音楽ストリーミングサービスのユーザー数を、Amazon Musicが5260万人、Pandoraが4910万人、そしてApple Music(アップル・ミュージック)は3820万人になると予想しているが、Apple Musicの利用者はいずれも有料ユーザーであり、広告付き無料プランのユーザーはいない(もちろん、無料トライアル中の可能性もあるが)。

Insider Intelligenceの予測によると、Amazon Musicは前年比5.3%の成長が予想されるが、Pandoraは2017年からユーザーを減らし続けており、このSiriusXM(シリウスXM)傘下のストリーマーのユーザー数は、2022年に6.7%の減少が予想されるという。Pandoraの担当者は、この新たなレポートに関するコメントを辞退したものの、Pandoraは米国における広告付き音楽ストリーミングサービスの首位であると語った。同社の最新の業績報告によると、Pandoraのユーザー数は現在5230万人で、前年の5890万人から減少している。

また、2021年のInsider Intelligenceの調査によると、有料会員数に関しては、Pandoraは競合他社に大きく遅れを取っている。

画像クレジット:eMarketer

Spotify(スポティファイ)は、全世界で1億8千万人のプレミアム会員を抱え、月間アクティブユーザーは有料・無料プラン合わせて4億600万人。他を大きく引き離し、米国のナンバー1音楽ストリーミング配信事業者として君臨している。Spotify独自の報告によると、北米のアクティブユーザーは約9338万人で、そのうち有料会員数は2880万人とされている。Spotifyの数字は国別に加入者数を分けていないため、Pandoraの聴取者とSpotifyの聴取者の規模を直接比較することはできないものの、Pandoraの市場シェアは下がり続けている。それでもPandoraは2021年、2020年から30%増となる7億4300万ドル(約859億円)の粗利益を上げた

Amazon Musicは成長を続けると同時に、その製品自体にも注目すべき改善が見られる。Amazon MusicApple Musicはいずれも2021年、ロスレスオーディオのストリーミング配信を全加入者に提供開始したが、Spotifyにこの機能はまだなく、その遅れについても説明できていない。Amazonはポッドキャストの配信も強化しようとしており、一部のポッドキャストに同期したトランスクリプト(文字起こし)機能を追加した。しかし、Spotifyのポッドキャストリスナーは、同プラットフォームのコンテンツに関する決定が物議を醸しているにもかかわらず、急速に増え続けている。ポッドキャスト業界における買収相次ぐ中、Spotifyがストリーミング業界において支配の手を緩めるつもりがないことは明らかだ。

画像クレジット:TECHCRUNCH

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

LinkedInが独自のポッドキャストネットワークを開始

LinkedIn(リンクトイン)が、ポッドキャストの世界により深く踏み込もうとしている。同社はLinkedIn Newsチームによる自社制作の番組や、業界の著名人による番組を配信するポッドキャストネットワークを開始すると発表した。

当然のことながら、番組はプロフェッショナルな視聴者を対象としている。テクノロジーについての理解、メンタルヘルスの管理、採用プロセスの解説などの分野に焦点を当てるとのこと。LinkedInの共同創業者で会長のReid Hoffman(リード・ホフマン)氏は、個人的な起業家精神をテーマにしたポッドキャスト「The Start-Up of You(自分というスタートアップ)」の共同司会を務め、今春に配信を開始する予定だ。

同社は、LinkedIn Podcast Network(リンクトイン・ポッドキャストネットワーク)は、LinkedIn Newsが制作し、ホストのJessi Hempel(ジェシ・ヘンペル)氏が進化する仕事のあり方を掘り下げるポッドキャスト「Hello Monday」の成功をベースにした試験的な取り組みであるとしている。番組は広告付きで、最初のスポンサーはEngadgetの以前の親会社Verizon(ベライゾン)だ。

このポッドキャストネットワークは、ニュースレター、ライブイベント、ビデオ、投稿など、LinkedInの他の製品と連携しており、ホストと視聴者が番組以外でも会話を続けられるようになるという構想に基づいている。リスナーは、ホストをフォローしたり、ニュースレターを購読したりすれば、そこからLinkedIn上で直接ポッドキャストを聴くことができる。またこれらの番組は、Apple PodcastsやSpotify(スポティファイ)など他のポッドキャストプラットフォームでも配信される予定だ。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Kris Holt(クリス・ホルト)氏は、Engadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:mixetto / Getty Images

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(文:Kris Holt、翻訳:Den Nakano)

Spotifyがポッドキャスト測定、分析企業のPodsightsとChartableを買収

米国時間2月16日、Spotify(スポティファイ)はポッドキャスト関連の買収を新たに2件発表した。今回は2つともビジネスの測定と分析に関わるもので、ポッドキャスト測定サービスのPodsights(ポッドサイツ)と分析プラットフォームのChartable(チャータブル)を買収する。買収金額は公表していない。

Spotifyの説明によれば、ポッドキャストの広告主にとって測定と属性はまだ明らかになっていない最大の問題で、これをPodsightsの買収によって解決したいという。まずはPodsightsのテクノロジーを利用して、Spotifyの広告主がポッドキャストの広告による影響と行動をもっと正確に測定できるようにする。ただし将来的には、音楽の間に流れるオーディオ広告、ビデオ広告、ディスプレイ広告といった他の広告フォーマットにも測定ツールを広げたい考えだ。

Podsightsに勤務する40人のフルタイムの従業員は全員、1つのユニットとして統合されてSpotifyにジョインする。Spotifyによれば、現時点でこのチームを再編する予定はないという。

もう一方のChartableはMegaphone(メガフォン)に追加される。ラジオ放送局が番組をポッドキャストに変換できるようにするWhooshkaa(ウーシャカア)の買収に続くものだ。Chartableは聴取者に関するインサイトとプロモーションのツールであるSmartLinksとSmartPromosをMegaphoneと統合し、ポッドキャスターがリスナーベースを詳しく知ってビジネスを成長させることに貢献する。

ChartableがMegaphoneと完全に統合されたら、SpotifyはスタンドアローンのChartableプラットフォームを終了する。ただしそれまでは、新規と既存の両方のパブリッシャーと広告主が引き続きクライアントとしてChartableプラットフォームを利用できる。

ChartableはPodsightsより小規模で従業員は11人だが、Spotifyはこちらもすぐに何らかの変更をする予定はないとしている。

これらの独立した企業がSpotifyの社内に取り込まれることに対する懸念があるかもしれない。しかしSpotifyは、ポッドキャストのブランドや代理店といったクライアントからの信用を維持するために、今後しばらくはPodsightsのチームはSpotify社内の他のサービス機能からは独立して運営するとしている。

Spotifyの名前はここ数週間、独占契約で配信しているJoe Rogan(ジョー・ローガン)氏のポッドキャストが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の誤情報を拡散しているとしてメディアに取り上げられている。これが反発を生み、Neil Young(ニール・ヤング)氏など複数のアーティストが抗議としてSpotifyから自分の音楽を引き上げた。しかし今のところこのような批判は、ポッドキャストおよびポッドキャストのテクノロジーに投資するというSpotifyの全般的な計画には影響していない。同社は、ポッドキャストには長期的に見て売上を加速する可能性があると考えているからだ。

Spotifyのコンテンツ&広告ビジネス最高責任者であるDawn Ostroff(ドーン・オストロフ)氏は発表の中で次のように述べている。「我々はまだデジタルオーディオの初期段階にいて、この分野における広告の可能性は計り知れないほど大きいと考えています。ポッドキャストテクノロジーのプレイヤーであるPodsightsとChartableの買収は、我々がデジタルオーディオを次のレベルへと進めるための重要なステップで、広告主とパブリッシャーのそれぞれに大きな影響があることは明らかです」。

Spotifyは比較的小規模なテック企業を買収する際の金額をすぐには公表しない傾向があるが、後になってSEC提出書類でわかることはしばしばある。例えば、2021年6月にポッドキャスト発見企業のPodz, Inc.(ポッズインク)を4500万ユーロ(約58億8600万円)で買収したことを明らかにした。買収後にSpotifyのライブオーディオプラットフォームであるGreenroom(グリーンルーム)になったBetty Labs(ベティ・ラボ)の買収金額は5700万ユーロ(約74億5600万円)だった。Megaphoneはポッドキャスト関連の買収としては最大規模で、1億9500万ユーロ(約255億600万円)だった。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

Spotify CEOがこれまで歴史的に阻害されてきたクリエイターのコンテンツに約115億円を投資すると発言

Spotify(スポティファイ)とJoe Rogan(ジョー・ローガン)氏の問題に関する最新情報が報じられた。SpotifyのDaniel Ek(ダニエル・エク)CEOは米国時間2月6日、ローガン氏が自身のポッドキャストで配信した過去のエピソードで有害な人種的中傷となる発言をしていたことについて、スタッフに社内書簡を送付した。現在は、これらの過去のエピソードのうち70本以上がSpotifyから削除されている。The Hollywood Reporter(ハリウッド・レポーター)に掲載されたこの社内書簡の中でエク氏は、歴史的に疎外されてきたグループの音楽やオーディオコンテンツの使用許諾、開発、マーケティングに、Spotifyが1億ドル(約115億円)を投資すると宣言している。これは、同社がジョー・ローガン氏との独占コンテンツ契約に支払った金額と同じだ。

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「1つの点を明確にしておきたい。私はジョーを黙らせることが解決策だとは思っていません」と、エク氏はSpotifyのスタッフに向けて書いている。「我々はコンテンツに関する明確な境界線を持ち、それを越えた場合には行動を起こすべきですが、声を消してしまうのは滑りやすい坂道です。この問題をもっと広く考えると、批判的な思考とオープンな議論こそが、本物の必要な進歩の原動力となるのです」。

Spotifyは2020年5月、ローガン氏のポッドキャスト「The Joe Rogan Experience(ザ・ジョー・ローガン・エクスペリエンス)」と1億ドル規模の複数年にわたる独占契約を締結、11年分のコンテンツが同プラットフォームでのみ配信されることになった。だが、すでに物議を醸しているローガン氏が、新型コロナウイルスに関する誤った情報を広めている極右陰謀論者のAlex Jones(アレックス・ジョーンズ)氏などのゲストを番組に登場させ、Spotifyユーザーの懸念をさらに募らせることになるまで、それほど時間はかからなかった。

最近では、業界で最も聴取されているポッドキャスターの1人であるローガン氏が、新型コロナウイルスに関する誤情報を広めたことでTwittert(ツイッター)から締め出されたウイルス学者Robert Malone(ロバート・マローン)博士をゲストに招いたことで、270人の医療関係者がSpotifyに誤報に関するルールを導入するよう求める公開書簡に署名するなど、緊張感が高まっている。

ローガン氏による誤った公衆衛生情報を流布する役割を果たしたことに対するSpotifyの不作為に抗議して、Neil Young(ニール・ヤング)氏、Joni Mitchell(ジョニ・ミッチェル)氏、作家のRoxane Gay(ロクサーヌ・ゲイ)氏などの著名人が、Spotifyからコンテンツを引き上げた。

「私が考えていることの1つは、クリエイターの表現力とユーザーの安全性をさらに両立させるために、どのような追加措置を講じることができるかということです」と、エク氏は書いている。「これらの取り組みについて相談する外部の専門家の数を増やすように、私はチームに依頼しています。詳細を発表できる時を楽しみにしています」。

今までのところ、Spotifyは、新型コロナウイルスが実在しないと主張するような「危険で欺瞞的な医療情報」を促進するコンテンツを禁止するプラットフォームルールを掲げている(以前はなかった)。また、新型コロナウイルスに関する話題を含むポッドキャストには、コンテンツアドバイザリーを追加することも確約している。

このような広報面での悪夢のような出来事があったにもかかわらず、Spotifyは他のストリーミングサービスと比較して、その市場シェアを大きく失っていない。

画像クレジット:composite:Vivian Zink/Syfy/NBCU Photo Bank/NBCUniversal and TORU YAMANAKA/AFP via Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

SiriusXM、音楽配信PandoraやポッドキャストStitcherなどにまたがって視聴者を識別・追跡する新手法「AudioID」を導入

トラッキングクッキーの使用は徐々に減っておりApple(アップル)のアンチトラッキング・プライバシーのアップデートは、モバイルアプリの広告収入に影響を与えている。しかし、これらの変化は、アドテック業界がその解決策でより創造的になるよう促しているだけだ。その最新例が、Pandora(パンドラ)の親会社SiriusXM(シリウスXM)によるものだ。同社は1月31日の週に「AudioID」という、アプリ間で視聴者を識別して追跡するための新しい方法を導入した。

この新しいIDソリューションは、Pandoraが2018年に1億4500万ドル(約166億円)で買収したデジタルオーディオアドテック企業AdsWizz(アズウィズ)からのものだ。この買収でPandoraは、ダイナミック広告挿入、キャンペーン監視ツール、ポッドキャスト文字起こし技術、さらには広告中にユーザーが電話を振って行動を起こす「Shake Me」といった奇妙な機能など、アドテック製品へのアクセスを手に入れた。そして今、AdsWizzはAudioIDに搭載することで新たな形で技術を活用している。

AudioIDの仕組みはというと、自社の衛星ラジオ音楽サービスや、ストリーミングアプリのPandora、2020年に3億2500万ドル(約372億円)で買収したポッドキャストアプリのStitcherなど、SiriusXMの事業全体のユーザー情報のデータセットを照合する。

データセットの中から重なり合うシグナルを探す、と同社は説明している。例えば、顧客がPandoraとStitcherの両方に同じ電子メールアドレスで登録した場合、SiriusXMはそれらのアカウントを1つの「AudioID」にまとめることができる。消費者は、こうしたマッチングが裏で行われていることを知ることはなく、アプリから追加情報の提供や同意を求められることもない。オプトアウトもない。それは、AudioIDが従来の識別子を代替するものであり、過去の識別子にはユーザーの個人情報を含んでいたり、リンクしていたりした可能性があるからだ。一方、SiriusXMは、AudioIDはユニークだが「匿名化」されていると説明する。

しかし、AudioIDは、電子メールや電話番号だけでなく、あらゆる信号を照合して、作成を知らせることができる。この技術はデバイスID、IPアドレス、その他のユーザープロファイルデータを横断的に検索し、ストリーミングアプリにまたがる識別子を作成することができる。つまり、モバイルアプリ、ブラウザ、車両、家庭内のスマートデバイスで音楽やポッドキャストを再生していても、ユーザーの視聴行動を追跡することが可能だ。

言い換えると、広告主がユーザーをターゲットに、より関連性の高い広告を提供し続けることができる方法をSiriusXMは考え出したが、リスナーの個人情報や身元を難解にし、代わりにリスナーが聴くコンテンツに焦点を当てようとする方法だ。

まずはこのソリューションはファーストパーティの広告ターゲティング、測定、リーチ、予測、フリークエンシーキャッピング(広告表示回数の上限設定)といったユースケースをサポートする、とSiriusXMは話す。

AdsWizzのSVPで広告製品・技術・運営責任者のChris Record(クリス・レコード)氏は「文化的にも技術的にも、アイデンティティの新しい時代を迎えようとしています。紙に書かれた人物、あるいは使わなくなったクッキーによってではなく、興味と情熱で特徴づけます」と述べた。「AudioIDは、消費者第一でプライバシーに配慮したインフラであり、視聴者に最高の体験を提供し、マーケティング担当者にこれまでにないデータ駆動型の機能へのアクセスを提供します」。

もちろん、消費者がこの種のソリューションの位置づけを評価するかどうかはまだわからない。特に、モバイルアプリで「追跡禁止」のポップアップをタップしてから、高度にターゲット化された広告を受信した後ではなおさらだ。もちろん、マーケティング担当者側の前提は、消費者は自分の興味に関連性が高い場合、パーソナライズされた広告を歓迎する、というものだ。消費者は自分の個人情報が広告主の記録に浮遊することを望んでいないことが問題だとマーケティング担当者は考えている。しかし、間違いなく、トラッキングをオプトアウトする消費者は、それと引き換えに自分が出会う広告の精度が落ちる可能性があることを理解している。だが、彼らはとにかくそのボタンをタップする。むしろ、消費者がオプトアウトするのは、プライベートな個人情報を守りたいからだけでなく、高度にパーソナライズされた広告があまりにも不気味になったからだろう。AudioIDソリューションは、消費者が現代のアドテックに抱いている不満を解決していないようだ。特に、より良いターゲティングのためにユーザーの「興味と情熱」を収集・集計しているのであればそうだ。

SiriusXMは、このソリューションが提携するパブリッシャーやマーケターにとってオプトインであることを指摘している。言い換えると、AudioIDを使う必要はない。2022年後半には、このファーストパーティターゲティングを、米国内のAdsWizzのオフプラットフォームマーケッターや広告主にも拡大する予定だという。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

Spotifyとジョー・ローガン氏が新型コロナ関連コンテンツへの反発に対応

米国時間1月31日、Spotify(スポティファイ)CEOのDaniel Ek(ダニエル・エック)氏は、ブログ投稿の中で、健康に関する誤った情報提供に関して高まっている論争に対応した。SpotifyがNeil Young(ニール・ヤング)氏とJoni Mitchell(ジョニ・ミッチェル)氏の楽曲を、ポッドキャスト界の巨頭Joe Rogan(ジョー・ローガン)氏との契約へ抗議したことを受けて引き上げた後、同CEOは、Spotifyが「我々のコンテンツをより広く導くための方針に関して、透明性に欠けていた」と認めたのだ。

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エック氏は、Spotifyが、特に新型コロナについての議論を特集したPodcastエピソードにコンテンツアドバイザリを追加するために取り組んでいることを付け加えた。このアドバイザリーは、BBC、ABC、CNNなどのニュースエピソードや、Anthony Fauci(アンソニー・ファウチ)氏や他の医療専門家のインタビューを掲載した「Covid-19 Hub」にリダイレクトされるようになっている。

「ここ数週間のフィードバックを受けて、私たちは、この前例のない時代を切り抜けるための案内をしてくれている、医学と科学のコミュニティから広く受け入れられている情報へのアクセスとバランスを提供する義務があることが明らかになりました」とエック氏は記している。「これらの問題は信じられないほど複雑です」。

昨晩投稿された10分近いInstagramの動画で、ローガン氏は同社の反応も含めてこの論争に対応している。ローガン氏は、自分の番組が誤解されていると考えており、自分がヤング氏のファンであり、自分の番組について「(ヤング氏とミッチェル氏が)そのように感じているのは非常に残念だ」と指摘している。ヤング氏とミッチェル氏の2人とも、有効なワクチンが開発される前の幼少期にポリオに感染している。

「もし、物議をかもした直後に、私がなにかできることがあったととすれば、異なる意見を持つ専門家をもっと登場させることでしょう」とローガン氏は動画の中で語っている。「確実にそれに対して前向きです。将来的には、これらのポッドキャストで異なる意見を持つ何人かの人々と話をしたいと思っています。見ていてください」と語っている。

彼は「スケジュール管理はすべて自分でやっていて、いつもうまくいくとは限らない」とも付け加えている。ローガン氏は、この番組の魅力は「ただの会話」であることだと説明し、一方で、科学的なコンセンサスがしばしば変化することにも言及している。動画の中では、2020年5月に1億ドル(約115億2000万円)といわれる独占契約を結んだSpotifyに対して、より直接的な謝罪の言葉を述べている。「今回支えてくれたSpotifyに感謝したい。彼らにこのようなことが起きていること、そして彼らがこのことで多くの注目を浴びてしまっていることを非常に残念に思う」。と彼は動画の中で語っている。

2週間前、270人の医学専門家が署名した書簡は、同音楽ストリーミングプラットフォームが「主催するメディアが科学研究に対する国民の信頼を損ない、医療専門家が提供するデータに基づく指導の信頼性に疑念を抱かせる」と非難している。この書簡は特にRobert Malone(ロバート・マローン)博士の最近のインタビューを引用しているが、これは「Spotifyのプラットフォームで発生した違反行為だけではなく、同プラットフォームがこれによって引き起こされている損害を軽減することを怠っていることに関連した例」であると指摘している。

「私は自分たちの方針、開発に情報を吹き込む研究と専門知識、そしてライン内で、幅広い議論と討論を可能にするような方法で、それらを適用する私たちの熱意を信頼しています」とエック氏は書いている。「私たちはこのことを真剣に受け止め、クリエイターとリスナーのために、専門家と提携し、私たちのプラットフォームの機能と製品機能に多大な投資を続けていくつもりです。だからといって、いつもうまくいくとは限りませんが、私たちは学び、成長し、進化することを約束します」と書いている。

この投稿では、Joe Rogan Experienceやその番組ホストについて具体的に言及できていない。また、同社はここ数週間の騒動でどれだけのユーザーがアカウントを取り消したかを明らかにしていない。この番組は以前、反トランスジェンダーとみなされる内容で非難を浴び、Spotify社内の反発を招いたことがあった。

画像クレジット:Antoine Antoniol / Contributor

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(文:Brian Heater、翻訳:Akihito Mizukoshi)

ジョニ・ミッチェもニール・ヤングに続き、新型コロナワクチン誤報問題でSpotifyから楽曲を削除

Spotify(スポティファイ)の、Joe Rogan(ジョー・ローガン)氏による頭痛の種が、さらに悪化することになりそうだ。

先週ミュージシャンのNeil Young(ニール・ヤング)氏は、2年前に1億ドルの独占契約を結んだジョー・ローガン氏とSpotify(スポティファイ)の関係に抗議するために、ストリーミングサービスから楽曲を削除することを発表していた。それに続きJoni Mitchell(ジョニ・ミッチェル)氏も、米国時間1月28日に自身のウェブサイトに投稿し「ニール・ヤング氏に味方する」として、Spotifyから楽曲を削除することを発表した。

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「Spotifyから自分の音楽をすべて削除することにしました。無責任な人たちが他者の命を奪う嘘を広めています」とミッチェル氏は書く。「私はこの問題に関して、ニール・ヤング氏ならびに世界の科学 / 医学界と連帯します」。

世界で最も有名で、最も尊敬されている現役ミュージシャンの1人であるミッチェル氏が、ローガン氏の件でSpotifyから撤退したことで、驚く人はいるだろう。ヤング氏とは異なり、彼女はストリームの質に関しては不満を持っていなかった。

ローガン氏のポッドキャストである「Joe Rogan Experience」(JRE、ジョー・ローガン・エクスペリエンス)は、物議を醸すことで知られている。最近では、ローガン氏や彼のゲスト出演者の多くはトランスフォビアを公然と表明し、マスクは「ビッチのためのもの」なので新型コロナウイルスの感染を減らすためにはマスクを着用しないようにリスナーに呼びかけ、彼の大勢の聴衆にワクチンに対する疑念を広く伝えている

ローガン氏の番組は、世界で最も人気のあるポッドキャストでもある。1回のエピソードに推定で1100万人以上のリスナーが集まり、毎週複数のエピソードがSpotifyにアップされている。

ローガンは、間違った情報を流すゲストを定期的に呼ぶが、その主張が事実であるかどうか確認する努力はしていない。また、新型コロナに関する誤った情報を広めたことでTwitterから追放されたウイルス学者、Robert Malone(ロバート・マローン)博士をゲストに呼んだことで、何百人もの医療関係者が公開書簡に署名し、Spotifyは、パンデミックが続く中、人命を危険にさらすことで利益を得ていると非難している。この公開書簡に触発されたヤング氏は、今週Spotifyを去り、ミッチェル氏も自分のメッセージの中でこの書簡に触れている。

その書簡には「マローン博士は、JREプラットフォームを利用して、新型コロナワクチンに関するデマや、社会的リーダーが国民を『催眠にかけている』という根拠のない説など、裏付けのない主張を大量に広めました」と書かれている。

「これらの発言の多くは、すでに信用に値しないとされています。さらに注目すべきは、マローン博士は、パンデミック政策をホロコーストにたとえた最近のJREの2人のゲストのうちの1人だということです。これらの行為は、不快で攻撃的であるだけでなく、医学的にも文化的にも危険な行為なのです」。

画像クレジット:Vivien Killilea / Stringer / Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:sako)

Spotify、新型コロナ誤情報に抗議・宣言したニール・ヤングの楽曲を削除

ミュージシャンのNeil Young(ニール・ヤング)は、広く愛されている自身の音楽カタログをSpotifyから取り下げるという脅迫を実行に移そうとしている。ヤング氏は今週、同社とポッドキャスターのJoe Rogan(ジョー・ローガン)との関係に異議を唱え、Spotifyが少なくとも1億ドル(約114億8000万円)相当の取引で独占権を買ったローガン氏のヒット番組を通じて、新型コロナイルスに関するの誤った情報を広めていると非難した。

関連記事:ニール・ヤング、人気ポッドキャスターによるコロナ誤情報に抗議してSpotifyから楽曲を引き上げると宣言

Spotifyは米国時間1月26日に、TechCrunchに電子メールで送った声明の中で、ヤング氏の行動を確認し、同社はストリーミングサービスから「彼の音楽を削除するというニールの決断を残念に思う」と述べている。

我々は、世界中の音楽とオーディオコンテンツがSpotifyのユーザーに提供されることを望んでいます。そのためには、リスナーの安全性とクリエイターの自由を両立させるという大きな責任がともないます。私たちは詳細なコンテンツポリシーを設けており、パンデミックが始まってから現在まで、新型コロナウイルスに関連する2万以上のポッドキャストのエピソードを削除してきました。ニールがSpotifyから楽曲を削除したことは残念ですが、早く復帰して欲しいと考えています。

ヤング氏は自身の公式サイトを更新し、楽曲を削除する決断の背景にある考え方を説明した。「私は、200人以上の医師が力を合わせて、Spotifyの番組で見つかった命を脅かす危険な新型コロナウイルスに関する虚偽に挑んでいるという記事を読んで、初めてこの問題を知った」と知るし、ローガン氏の番組について名指しで言及することは避けている。

「……Spotifyは事実と異なり、誤解を招く、虚偽の新型コロナ情報を聞いているリスナーのほとんどは24歳で、多感で真実の間違った側に振り回されやすい。これらの若者は、Spotifyが著しく事実と異なる情報を提示することはないと信じている。しかし、残念ながらそれは間違いだ。私はそれを指摘するために努力しなければならなかった」。

公式サイトでヤング氏は、Spotifyが全世界のストリーミング収入の60%を占めている点を指摘している。「他のアーティストやレコード会社がSpotifyのプラットフォームから離れ、新型コロナに関するSpotifyの致命的な誤報をサポートするのをやめることを心から願っている」とヤング氏は「in the name of truth」と歌いながら書いた。

The Wall Street Journalは、Spotifyが1月26日にヤング氏の楽曲を削除する「作業中」だと最初に報じている。SpotifyはTechCrunchに対して、削除作業が進んでいることを認め、ヤング氏の楽曲は「まもなく」同社のサービスに表示されなくなることを確認した。本稿執筆時点では、彼のアルバムや楽曲はまだSpotifyの検索やキュレーションプレイリストに表示されているが、一部の楽曲は再生不可能というエラーが表示されている。

画像クレジット:Spotify

ヤング氏は自身のマネジメントチームとレーベルに宛てた公開書簡(削除済み)の中で、楽曲を引き揚げる意向を表明した。「私の行動は、Spotifyがワクチンに関する偽の情報を広めているためです。広められている偽情報は、それを信じる人々に死をもたらす可能性があります。「本日、すぐに動いて、そのタイムスケジュールを知らせてください」とRolling Stoneが最初にレポートした書簡で彼は書いている。

ヤング氏がストリーミングサービスと衝突するのは、今回が初めてではない。2015年には、Spotifyなどのプラットフォームが自分の録音の質を落としているという苦情を受けて、Spotifyなどから自分の楽曲を削除すると脅したことがある。当時、彼は高音質に特化したストリーミングハードウェアとそれに付随する音楽サービス「Pono」を立ち上げていた。新たな書簡の中でヤング氏は、遠回しにSpotifyのストリーミング品質の低さについて言及し、ファンにとって、彼の膨大なバックカタログをより高い品質で他のサービス見つけることができるのは「利点」だと述べている。

「まもなく、私の楽曲はもっと良い場所で生き続けるだろう」とヤング氏は書き、ファンにAmazonやApple Musicを勧めている。

画像クレジット:ALICE CHICHE/AFP via Getty Images / Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Katsuyuki Yasui)

ニール・ヤング、人気ポッドキャスターによるコロナ誤情報に抗議してSpotifyから楽曲を引き上げると宣言

ミュージシャンのNeil Young(ニール・ヤング)氏は、Spotify(スポティファイ)とポッドキャスターのJoe Rogan (ジョー・ローガン)氏との独占契約が反ワクチン運動を助長しているという懸念から、同ストリーミングサービスから自身の音楽カタログを引き上げると宣言した。

ヤング氏はマネージャーとレコード会社に宛てたオープンレターで「今日すぐにSpotifyに、私の音楽はすべて彼らのプラットフォームから削除するよう伝えてほしい。Spotifyは私かローガン、どちらかを選ばなければならない。両方はあり得ない」と書いている。その後削除された内容を、Rolling Stoneが報じた

「Spotifyで独占的に配信されているJRE(Joe Rogan Experience)は、世界最大のポッドキャストであり、多大な影響力を持っている。Spotifyにはプラットフォーム上での誤情報の拡散を緩和する責任があるが、今のところ、誤った情報に関するポリシーというものがない」とも。

Spotifyは、2020年に「The Joe Rogan Experience(ジョーローガン・エクスペリエンス)」の独占配信権を1億ドル(約113億9000万円)以上の価格で購入した。しかし、ローガン氏がトランスフォビア的な発言をしたり、トランスジェンダーコミュニティに批判的なゲストを招いたりしていることが話題になるなど、契約後、Spotifyは人気ポッドキャスターである同氏との関係をめぐる批判にさらされている。

2022年1月初めには、ローガン氏がTwitter(ツイッター)から追放されたウイルス学者、Robert Malone(ロバート・マローン)博士をゲストに迎え、新型コロナウイルスに関する誤った情報を広めたことを受けて、約300人の医療専門家からなるグループがSpotifyに公開書簡を提出し、誤情報に関するルールを導入するよう求めた。

「マローン博士は、JREのプラットフォームを利用して、新型コロナワクチンに関するいくつかのデマや、社会的リーダーが国民を『催眠術にかけている』という根拠のない説など、数々の無根拠な主張をさらに広めました」とその書簡には書かれている

「これらの発言の多くはすでに否定されており、信憑性のないものです。特にマローン博士は、パンデミック政策をホロコーストと比較した最近のJREのゲスト2人のうちの1人です。これらの行動は、不適切で攻撃的であるだけでなく、医学的にも文化的にも危険なものです」。

ローガン氏はパンデミックを通して、科学的なコンセンサスに疑問を投げかけ、健康な若年層にワクチン接種を思いとどまるよう勧めたり、FDAが一般市民に注意を促している動物用医薬品で、ローガン氏が自身のコロナ治療に使用したイベルメクチンを推奨したりしている。

ニール・ヤング氏がSpotifyから自身の楽曲を削除すると宣言したことで、他のエンターテインメント関係者からも圧力がかかるかどうかはわからないが、今回の発言により、Spotifyの誤情報に対する姿勢の甘さに注目が集まっていることは確かだ。同社はローガン氏と契約した後も、世界で最も再生されているポッドキャストとの独占的な関係を他のコンテンツと同様に扱っていた。

今やSpotifyは、どのコンテンツに対価を支払い、宣伝するかという編集上の決定には、特にそのコンテンツが公衆衛生上の危機に寄与する場合には、さらなる責任が伴うという現実を突きつけられているのかもしれない。

画像クレジット:Matthew Baker / Contributor / Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Aya Nakazato)

アップルがポッドキャストに有名人が推薦する番組を紹介する「Listen With」コレクションを導入

Apple Podcast(アップル・ポッドキャスト)は、ユーザーが番組を発見するための新しい方法を提供するために「Listen With(リッスン・ウィズ)」という新しいシリーズの展開を開始した。

同社によると、このListen Withは、人気アーティスト、作家、映画監督、ジャーナリスト、インフルエンサーなど、著名なポッドキャスターが聴いている番組を共有することで、ユーザーが新しい番組を発見できるようにするものだという。アップルのチームが監修した各コレクションには、いくつかの番組と、その番組が選ばれた理由についての引用文が掲載されている。現在は米国とカナダで提供されており、Apple Podcastアプリの「ブラウズ」セクションで見ることができる。

最初のコレクションは、作家であり、ライフコーチであり、元僧侶でもあるJay Shetty(ジェイ・シェッティ)氏のものだ。同氏はコレクションの中で、Pushkin Industries(プーシキン・インダストリーズ)社のMaya Shankar(マヤ・シャンカール)氏による「A Slight Change of Plans(計画のわずかな変更)」、Ramble(ランブル)の「Anything goes with Emma Chamberlain(エマ・チェンバレンの何でもあり)」、NPR社の「How I Built This with Guy Raz(ガイ・ラズの私はどうやってこれを築き上げたか)」、Cadence13(ケイデンス13)の「We Can Do Hard Things with Glenn Doyle(グレノン・ドイルの困難なこともできる)」、Oprah(オプラ)の「SuperSoul(スーパーソウル)」をレコメンドしている。

Listen Withはアップルにとって3つ目のシリーズだ。同社は2021年、米国の新進気鋭のポッドキャスト制作者を紹介する「Spotlight(スポットライト)」というシリーズを起ち上げた。アップルのチームは、毎月新しいポッドキャストクリエイターを選んで特集し、Apple Podcastアプリで目立つように表示したり、ソーシャルメディアなどで宣伝したりしている。そしてもう1つ、アップルはCommon Sense Media(コモンセンス・メディア)との提携による「Kids & Family(キッズ&ファミリー)」コレクションも用意している。

関連記事:アップルが新進気鋭のポッドキャスト製作者に光を当てる「Apple Podcasts Spotlight」発表

Listen Withの起ち上げに加えて、アップルは2021年4月に開始したポッドキャストのサブスクリプションに関するインサイトを公開した。サブスクリプションを開始すると、ポッドキャストの総視聴者数が増加することを、同社は明らかにした。アップルは、Apple Podcastで既存の聴取者を持つ上位の50の番組が、サブスクリプション開始後の4週間で総聴取者数が増加したと指摘する。パフォーマンスの高いクリエイターでは、リスナーの10%以上がサブスクリプションに登録しているとのこと。Apple Podcastサブスクリプションの開始以来、サブスクリプションの5つに1つが10%以上の加入率を享受しているという。

関連記事:アップルがポッドキャストの有料定額サービス開始を発表、米国では番組あたり約53円から

ポッドキャストプラットフォームの拡大に取り組んでいる企業は、決してアップルだけではない。例えば、Spotify(スポティファイ)はこれまで、Anchor(アンカー)、the Ringer(ザ・リンガー)、Gimlet Media(ギムレット・メディア)、Megaphone(メガフォン)といったポッドキャスト企業に8億ドル(約915億円)以上を投じている。SiriusXM(シリウスXM)は、ポッドキャスト管理・分析プラットフォームのSimplecast(シンプルキャスト)、広告技術プラットフォームのAdsWizz(アズウィズ)、ポッドキャストアプリのStitcher(ステッチャー)を買収した。その一方でAmazon(アマゾン)も、ポッドキャストネットワークのWondery(ワンダリー)を買収している

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Aisha Malik、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Twitterスペース、ポッドキャストのようなオーディオ録音シェア機能のテストを継続

Twitter(ツイッター)は、ホストが過去に録音したスペースの音声をツイートで共有できる機能「Spaces Recordings」に取り組んでいる。これにより、ホストがオーディオ録音を共有すると、何人のリスナーがライブで参加したか、また何人が後から録音を再生したかを確認することができるようになった。

Twitterの広報担当者によると、同社が長い間ちらつかせてきたこの機能は、もうしばらくクローズドテストにとどまるとのことだが、開始以来、テストグループを何度か拡大しているという。Twitterは、この機能を将来的にはより広く展開する予定だ。

Twitterスペースが録音されている場合、ライブでスペースに参加しているユーザーには、赤い点が付いた「Rec」ボタンが表示される。ホストが後で録音を共有する際には、開始時間を編集することができる。これにより、スペースがすぐに開始されなかった場合でも、将来のリスナーが数分間のデッドエアを聞く必要がなくなる。録音されたスペースを聞くとき、ユーザーはライブのスペースと同じように、誰が話しているのか、誰がオーディオルームにいたのかを確認することができる。

これらの機能は、リスナーにとっては、聴き逃したお気に入りホストのコンテンツに非同期的に参加することができるので便利だ。また、ホスト自身にとっても、このリプレイ機能を利用することで、視聴者を増やしやすくなる。Clubhouse(クラブハウス)では、2021年11月に「リプレイ」という同様の機能を追加した。この機能では、ユーザーが音声をダウンロードして編集し、必要に応じてポッドキャストとして共有することもできる。Twitterでは2021年6月から、ユーザーが過去30日間のスペースのオーディオファイルをダウンロードできるようになった。

スペースはTwitterの主要な機能として推されており、モバイルアプリでも中央のタブを占めている。しかし、このライブオーディオ機能の成長にはつまづきもあった。最近ではTwitterスペースのユーザーが、人種差別的なタイトルのスペースなど、明らかに有害なコンテンツを配信されたことを通報した後も当該スペースがフィードに残っていたことが報告されている。Clubhouseのような他のライブオーディオアプリも、有害なコンテンツの管理に苦労している。Twitterは、スペースのモデレーションが既存の報告機能を超えて拡張されるかどうか、あるいはどのように拡張されるかについて、まだ詳細を明らかにしていない。

Twitterの広報担当者は、TechCrunchに対しこう述べている。​​「当社はより積極的な検知方法を模索し、新しいモデレーションのオプションを評価・開発することに取り組んでいます。スペースは反復開発中の製品であり、より多くの人々が利用するにつれて、我々は学び続け、注意深く耳を傾け、フィードバックに基づいて改善していきます」。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Aya Nakazato)

Spotifyがポッドキャスト向けにビジュアル広告をアプリに表示するフォーマットを導入

Spotify(スポティファイ)は米国時間1月6日に、ポッドキャスター向けの新しい広告フォーマット「Call-to-Action Cards(コール・トゥ・アクション・カード)」、略して「CTAカード」を導入する。Spotifyのストリーミング広告挿入技術によって実現されたこの機能は、音声広告の再生が始まると、Spotifyアプリにビジュアル広告が表示されるものだ。このカードは、広告主が独自の画像、テキスト、その他のクリック可能なボタンでカスタマイズでき、リスナーを「今すぐ購入する」や広告主が促したいその他のアクションに誘導することが可能だ。

広告はストリーミング中にユーザーの注意を引くことができるが、Spotifyは、ポッドキャストを聴くことが、散歩やジムでのエクササイズ、家事、運転など他のことをしている間のバックグラウンドであることが多いことを理解している。そのため、Spotifyは新しいCTAカードを、ポッドキャストの番組ページとエピソードページの両方で利用できるようにしている。これにより、ターゲットのリスナーは、Spotifyアプリを閲覧しているときに、後で広告と対話することができる、と同社は説明している。これらのカードは、リスナーが広告を聞いてから最大7日間利用可能で、キャンペーンがその前に終了した場合は、それよりも短い期間となる。

画像クレジット:Spotify

将来的には、単にランディングページに誘導するだけでなく、この形式が進化していくとSpotifyは考えている。

「私たちは、このカードをフォーマットの近代化に向けた重要なステップだと考えています。このフォーマットには、今後、ショッパブルやビデオなどのインタラクティブな機能が追加され、より高機能なものになるでしょう」と、Spotifyの広告ビジネス&プラットフォーム責任者であるJay Richman(ジェイ・リッチマン)氏は、今週のCESに参加した際の記者説明会で、このフォーマットを紹介した。

このフォーマットを採用する広告主は、ストリーミング広告の挿入によって可能になった確認済みの広告インプレッションに基づくレポートも利用できるようになる。

Spotifyはストリーミング広告挿入技術に多大な投資を行っており、これによりポッドキャストにリアルタイムのターゲティングとレポーティングが実現された。以前、ポッドキャストがよりオープンなRSSフォーマットで配信されていたときは、ダウンロード可能なコンテンツであるだけに、技術的な制限にも阻まれていた。広告は、番組に動的に挿入されるのではなく、埋め込まれていたのだ。また、オーディオプレイヤーは、番組のどの部分がコンテンツで、どの部分が広告なのかを区別することができなかった、つまり、それは1つのファイルだった。ストリーミング・オーディオの挿入とともに、コンテンツそのものを一時停止して、広告が挿入され、広告が完了した後にコンテンツが再開するようになった。

これらはすべてリアルタイムで行われる。しかし、以前とは異なり、リスナーがメッセージを聞いて楽しくない場合、広告をスキップすることを妨げない。

2020年、Spotifyはポッドキャストのホスティングと広告を手がけるMegaphone(メガフォン)を2億3500万ドル(約272億円)で買収し、ストリーミング広告挿入を自社の番組以外にも拡大し、Spotify Audience Network(スポティファイ・オーディエンス・ネットワーク)を通じてパブリッシング・パートナーにも届くようにした。現在このネットワークには、SpotifyのAnchor(アンカー)プラットフォームを利用する独立クリエイターによる番組も含まれている。そして2021年12月、Spotifyはポッドキャストテック企業のWhooshkaa(ウーシャカア)を買収し、オーディオコンテンツをラジオで放送した後にポッドキャストとしてリリースしたいと考えるラジオ放送局にこの技術を提供することになった。

画像クレジット:Spotify

ストリーミング広告の挿入は、広告が番組に表示されるタイミングをすでに把握しているため、Spotifyはそれに付随するCTAカードもポップアップして、広告主の製品を表示することができる。リスナーにとっては、番組中にホストが宣伝しているのを聞いた商品やサービスを探し出すのに、クリエイターが話していたURLやクーポンコードを思い出そうとする必要がなくなるので、より良い体験になるかもしれない。

しかし、この追加により、Spotifyを使ってポッドキャストをストリーミングすることが、以前よりもさらに広告にサポートされた体験にもなる。プレミアム(有料)購読者であっても、間違いなく邪魔な新しい広告の対象となり、聞き終わった後でもポッドキャストの番組ページとエピソードページの両方に表示されることになる。

Spotifyは、ローンチに先立ち、Ulta Beauty(ウルタ・ビューティ)を含む一部の広告主に対して、新しいCTAカードのテストを行った。Ultaのコンテンツ、ソーシャル、統合マーケティング責任者であるChristine White(クリスティン・ホワイト)氏によると、同社は、あるキャンペーンで約25万人のSpotifyユニークリスナーを獲得し、そのうちの約半数が、オーディオメッセージを聞いた後に、後でアプリを閲覧中にカードを見た人を含んで、少なくとも1つのCTAカードを見たとのことだ。

画像クレジット:Spotify

Spotifyは、CTAカードを、ポッドキャストコンテンツをよりインタラクティブなものにするためのもう1つのステップと考えている。同社はすでに、音声コマンドやポッドキャストの視聴者投票やQ&Aといった機能を通じて、この分野で実験を行っている。これらの機能はリスナーをリアルタイムで魅了し、ポッドキャストの再生中にアプリに戻ってくる可能性も高くする。最近では、SpotifyのAnchorプラットフォームを通じて、ビデオポッドキャストへのアクセスも拡大している。Podcastクリエイターは、自分のPodcastにビデオを追加して、番組を録音しているところを見せたり、この機能を使って、グラフィック、チャート、スライドを追加したりすることができる。この機能は現在、より多くのクリエイターとリスナーに展開されていると、Anchorの共同設立者でSpotifyのトーク責任者のMike Mignano(マイク・ミグナーノ)氏は同説明会で述べた。

Spotifyは、新しいCTAカードを有効にするためにクリエイターが追加作業をする必要はないと述べており、まずは米国時間1月6日から米国内の一部のSpotify Original & Exclusive Podcastで利用可能になる予定だ。

画像クレジット:Bryce Durbin

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)