GoogleのSergey BrinがTEDのカンファレンスでスマートフォンは人を骨抜きにしていると語る

Googleの協同ファウンダSergey Brinが2月のTED ConferenceのステージでGoogle Glassについて語り、その中で今や悪名高い“スマートフォンは人間を無力にしつつある”という説を述べている*。その完全なビデオを本誌はこのほど入手したので、ここにご紹介しよう(Business Insiderより)。そのかんじんの箇所は4:26あたりだが、ほかにもGlassとその起源に関するBrinの考えを聞くことができる。〔*: スマートフォンが毎日、人間の注意や時間を奪いすぎている、ということ。〕

Google Glassのプロモーションビデオの部分を除くとおよそ10分の短いスピーチだが、けっこうおもしろい。たとえば彼は、Google Glassがあればスカイダイビングのときの装備が簡単になる、と言っている。またeBayのオークションににせもののGlassが登場した件について聞かれた彼は、話題を変えてSocially Awkward Penguinの話をした。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


iPhoneを落としたときのダメージを最小化する未来的技術をAppleが特許出願

Appleは、iPhoneを落としたときのダメージを少なくするために講ずる巧妙な仕組みの数々を、最近の特許出願書類の中で説明している。AppleInsiderが見つけたそのUSPTO(合衆国特許局)出願書類には、たとえば、落下時のiPhoneの向きを変える回転の仕組みや、オンデバイスのスラスター*、落下が検出されたときに挿入されていたケーブルを固着する方法(後述)、などが載っている。〔*: thruster, 制御ロケット(圧縮空気利用か?)…下のパラグラフでは“ガス利用”とある。〕

その特許は、落下中にデバイスの方向を変える方法が複数説明されている。最終的には、いちばん衝撃に強い面が下になるのだ。たとえば、内部のガジェットは質量をiPhoneの一方の端へとシフトする、“ガス容器”すらある“スラストのメカニズム”、自由落下時にアクチベートされるエーロフォイル*、外部の出っ張りをケース内でスイッチのように縮めて保護する方法、ヘッドフォンなどのケーブルを一瞬抜けないようにして、iPhoneが落ちないようにする仕組み、などなどだ。〔*: air foil,翼,プロペラなど。〕

落下時に落下と衝撃のデータを集めて保存するブラックボックスを、iPhoneの基板上に置く。そのデータを見るとデバイスの落ち方が分かるので、メーカーは今後の設計の参考にできる、とAppleは言っている。もちろんそのような基板上のツールは、修理保証内容との合致を調べる技士たちも利用する。

この特許出願書類の内容は相当濃密で、イノベーションに充ち満ちており、しかも内容の多くが市場で前例のないものだ。だから一般市販の製品にこれらが実装されるのは、遠い先だとぼくは思う。でも、モバイルデバイスをうっかり落としたときのダメージ、という、よくある問題をAppleがここまで真剣に考えているのは、見事だ。将来、一般市販製品に実装されることはない、とは決して言えない。位置制御のできるスラスターを搭載したiPhone、なんて、欲しくない?

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


合衆国国防総省がついに長年のBlack Berryを捨てiOS製品65万台を発注へ

合衆国国防総省(DoD)は、それまでのBlackBerryデバイスがBlackBerry 10のオペレーティングシステムと互換性がないため、一定の移行期を経て代替機として65万台のiOSデバイスを発注する、Electronista誌がそう報じている。

発注の内訳は、iPadが12万、iPad miniが10万、iPod toucheが20万、各種iPhoneが21万だ。Electronistaの取材に対してペンタゴンは、“半数以上は戦場と海上と支援部隊へ行く。残りは省内で使われる”、と述べた。

今DoDで日常使われているBlackBerryデバイスは47万台だが、それらのBB10へのアップグレードは予算が下りなかった。DoDの推計では、向こう3年間で供用されるスマートフォンは800万台で、その多くが機密データを扱えるように高額な改良措置が為される。そのため最終コストは最大で(一般市販機の)4倍になる。

過去のOSを使っているBlackBerryデバイスは、先月ペンタゴンが実装した同省の新しいモバイル計画とも互換性がない。とくに、上は国防長官から下は戦場の兵士に至るまでの、全体的な“全機種共通的”機密データ共有に関し、旧BBの特異性が障害となる。データ共有の問題に関して記したそのメモが配られたのは、国防総省と(当時の)RIMはスマートフォンに関して今後排他的な契約を結ばない、と発表してからほぼ4か月後のことだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google Playが初めての店舗大改装へ, より明るくGoogle Now的に

Googleはこのところ猛烈に忙しかったようだが、しかしReaderの廃止(とインターネット上の怒りの爆発)や新サービスGoogle Keepの展開などをやりながら同時に同社は、AndroidのためのストアであるGoogle Playの模様替えをやっていたようだ。と主張するのはDroid-Lifeの連中だが、どうやら彼らはGoogle PlayストアのAndroidアプリのまだリリースされていないバージョン4.0を入手〜インストールしたらしい。

Google Playストアのモバイルの方のデザインは2012年7月が初お目見えで、その後細かい手直しはいろいろあったが、基本的にはほとんど変わっていない。もしもこの4.0が本物なら、初めての大改装になる。どのアプリにも使われていた陰気な黒とダークグレーはなくなり、昔のAndroid Marketのころのような明るい色が戻ってきた。全体的に、前よりもすっきりしているし、‘店内’がより広く見える。

Google PlayストアのデザインはGoogle Nowのそれに似てきた。大きな画像を使い、斜体のテキストが多い。しかもアプリの並び方が従来のふつうのリストでなく小さなカードになった。これまたGoogle PlayのデベロッパがGoogle Nowのデザインを真似たらしい部分だ。でもNowとPlayのデザインを統一してGoogleはこれから何をする気だろう? たしかにGoogle NowとGoogle PlayはAndroid体験の要(かなめ)だから、ひょっとすると今度はAndroid全体がこんなデザインになるのかもしれない。

4.0の正式リリースの日程などは、まだ発表がない。でもこれは、I/Oカンファレンスに添える花の一つかもしれない。しかし一方では、今やモバイルの大物となったFacebookは、Androidに関してGoogle Playをバイパスしてアップデートなどを提供したいらしい。だからGoogleは早めにアップデートをリリースしてほかを従わせる、という手なのかもしれない。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google Playが初めての店舗大改装へ, より明るくGoogle Now的に

Googleはこのところ猛烈に忙しかったようだが、しかしReaderの廃止(とインターネット上の怒りの爆発)や新サービスGoogle Keepの展開などをやりながら同時に同社は、AndroidのためのストアであるGoogle Playの模様替えをやっていたようだ。と主張するのはDroid-Lifeの連中だが、どうやら彼らはGoogle PlayストアのAndroidアプリのまだリリースされていないバージョン4.0を入手〜インストールしたらしい。

Google Playストアのモバイルの方のデザインは2012年7月が初お目見えで、その後細かい手直しはいろいろあったが、基本的にはほとんど変わっていない。もしもこの4.0が本物なら、初めての大改装になる。どのアプリにも使われていた陰気な黒とダークグレーはなくなり、昔のAndroid Marketのころのような明るい色が戻ってきた。全体的に、前よりもすっきりしているし、‘店内’がより広く見える。

Google PlayストアのデザインはGoogle Nowのそれに似てきた。大きな画像を使い、斜体のテキストが多い。しかもアプリの並び方が従来のふつうのリストでなく小さなカードになった。これまたGoogle PlayのデベロッパがGoogle Nowのデザインを真似たらしい部分だ。でもNowとPlayのデザインを統一してGoogleはこれから何をする気だろう? たしかにGoogle NowとGoogle PlayはAndroid体験の要(かなめ)だから、ひょっとすると今度はAndroid全体がこんなデザインになるのかもしれない。

4.0の正式リリースの日程などは、まだ発表がない。でもこれは、I/Oカンファレンスに添える花の一つかもしれない。しかし一方では、今やモバイルの大物となったFacebookは、Androidに関してGoogle Playをバイパスしてアップデートなどを提供したいらしい。だからGoogleは早めにアップデートをリリースしてほかを従わせる、という手なのかもしれない。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Samsung Galaxyシリーズにもロックスクリーンからパスワードなしで通話できるバグあり

iOS 6のロックスクリーンにバグがあったことは記憶に新しい。iPhoneを手にした侵入者がいくつか巧妙な指の動きをするとパスワードを入力せずに通話をしたりいくつかの重要なアプリを起動できたりすることが発見された。昨日(米国時間3/19)、Appleは急きょiOSをアップデートしてこの問題を修正した

しかし同様のバグはSamsungのAndroidスマートフォンにも発見されている。

Terence Edenによれば、パスワード、PINその他の手段で画面をロックしていても、ハッカーがダイアラーその他のウィジェットにアクセスできる欠陥があるという。

iOSの場合と同様、Samsungのセキュリティーのバグも、緊急通話ダイアラーに関連しているようだ。緊急通話ダイアラーを利用した場合、画面を閉じる前に短時間だがハッカーが他のアプリを起動したり通話したりするチャンスがあるという。Edenは2月にこの欠陥を発見し、Samsungに報告した。Edenは「修正がリリースされるまで公表を差し控えてもよい」と申し出たが、Samsungは提案を受け入れなかったという。

Edenはこれより前に、やはり緊急通話ダイアラーに関連するバグを発見している。これはスクリーンのある場所を同時に押すことでホームスクリーンにアクセスが可能になるというものだ。2つのバグは密接に関連しているものとみられる。Samsungはこれらのバグを認識しており、修正作業に取り組んでいるという。

これらのセキュリティー問題は他のAndroid OS搭載機では報告されておらず、SamsungがカスタマイズしたAndroid 4.1.2特有の問題とみられる。バグが確認されているのはGalaxyNote II、Galaxy S IIIだが、他のAndroid搭載デバイスにも存在している可能性がある。われわれはこの点についてSamsungに問い合わせているが、まだ回答がない。

Edenはこちらにハッキングの詳しい方法を掲載している。この記事によれば、現在バグを回避する方法はROMの交換しかないという。これはあまり現実的な方法とはいえない。

GalaxyシリーズはSamsungのベストセラー製品だから、読者の中にもユーザーは多いことだろう。Androidのセキュリティー問題はこちらに詳しい

[via SlashGear]

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ロック画面のセキュリティバグ: Appleは迅速に対応, Samsungは約束したがまだのよう

Appleが今日(米国時間3/19)iOSデバイスのアップデートを発行した。そのiOS 6.1.3は本誌も報じたロック画面のバグ、すなわち、ロックがバイパスされて勝手にアプリを動かしたり、個人情報を見たりされるバグが直っている。また日本のMaps(地図)アプリも改良され、“セキュリティの強化”と“バグフィクス”が為された。

SamsungのGalaxy S3にも同様のバグがあり、修復は約束されているが、まだパッチはリリースされていない。初期のバージョンを持っている人はアップデートしてこのセキュリティの抜け穴を塞いだほうがよい。Appleは、対応が早かったけどね。

Appleは、日本とその周辺地域の位置情報にあった問題を先週、サーバのアップデートにより解決し、有料道路の通知や音声案内の発音の改良、フライオーバーモードにおける3Dレンダリングの充実などを図った。Appleのリリースノートによると、このアップデートはサーバのみでなく、デバイスサイドでも続行されるようだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


新ソフトキーボードのMinuumがIndiegogoで資金集め―モバイルからウェアラブル・デバイスまで省スペースで高速入力を狙う

カナダのトロントに本拠を置くスタートアップ、Whirlscapeは現在のキーボードは古い機械式タイプライターの遺産であり、デザインをそのままで単にデジタル化しただけでは不十分だと信じている。そこでトロント大学の教員と研究者はMinuumというまったく新しいソフトキーボードを開発し、企業化のための資金をIndiegogoで調達しようとしている。

Minuumは文字を3段に配置し、その下にスペースキーを置くという従来QWERTYキーボードのデザインを一新した。 Minuumのキーボードでは文字は間隔を詰めて一列に配置され、予測アルゴリズムによって正確な入力を可能にすると同時にモバイルデバイスの貴重なスクリーン・スペースを大幅に節約する。同時に使い慣れたQWERTYキーボードのユーザー体験も維持される。3段分の文字が狭いスペースに圧縮されているが、誤った文字の入力の割合が高くても強力なアルゴリズムによって自動的に訂正される。Fleksyに似たコンセプトだが、アプローチはまったく異なる。

Minuumのセールスポイントはスマートフォンやタブレット以外のウェララブル・コンピュータなどこれから登場してくるデバイスにも適しているだという点だ。WhirlscapeではAndroidアプリとiOS向けのSDKをデベロッパー向けに提供しようと準備している。しかしMinuumはデバイスを選ばずあらゆる狭いスペースで利用可能だ。デモビデオで見られるとおり、MicrosoftKinectやGoogle Glassのようなビデオ録画機能のあるアプリで使うにも好適だ。なにしろ、紙片や実験者の腕にペンで文字列を書き込むだけでそれがキーボードとして使えるのだ。また筋肉の微細な動きを読み取って多様な命令を入力しようとするMYOアームバンドのようなデバイスとも相性が良いだろう。

Whirlscapeの共同ファウンダー、CEOのWill Walmsleyは私の取材に対してこう答えた。「現在さまざまな入力のテクノロジーが開発されているが、みな基本的にタッチスクリーンをターゲットとしている。ソフトキーボードにしてもどれもスワイプが使われている。しかし私は小型デバイスの入力はタッチスクリーンには限られないと考えている。デバイスのスマートさはどんどん向上している。タッチスクリーンの先を考えることは理にかなっているはずだ」

WhirlscapeではまずiOSとAndroidアプリのプロトタイプ版を2014年初めに(公開ベータは今年後半に)出荷する予定だ。他のハードウェア向けSDKがそれに続くことになる。Whirlscapeはトロント大学の初期アクセラレータ・プログラムであるUTESTMaRS Innovationから少額のシード資金の提供を受けている。しかし同社ではクラウド・ファンディングにより資金を調達することが、製品の公開に先立って注目を集めるためにも効果的であると考えた。Walmsleyは「Indiegogoはユーザーと直接の関係を得るのにも適している。また非公開ベータテストに協力してくれるアーリーアダプターを探すにも良い」と語った。

Walmsleyによれば、当面の目標はデバイス・メーカーにMinuumをプレインストール入力方法として採用してもらうことだという。デモで見られるような効率性とクロスプラットフォーム対応が製品版でも実現するならそれは十分可能だろう。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


キャリアのアプリストアはださい, 日本のKDDIは別の手で年商$250Mを稼ぐ

Appleが5年前に同社のアプリストアを立ち上げたときは、その今日の成功を同社自身が予測していなかった。それは、その後巨大な収益源となるものからキャリアたちを‘中抜き’し、Appleに110億ドルあまりの粗利益をもたらした(CEOのTim Cookが先月言った“デベロッパに支払った額は80億ドル”から逆算)。

昔のフィーチャーフォンの世界では、デベロッパはキャリアにぺこぺこして自分のアプリをプレインストールしてもらった。しかし今では、彼らは直接、Appleの審査過程やGoogle Playへアプリを提出する。

VerizonのVcastのように、アプリストアを作ったキャリアも一部にはある。でもそれらは、成功しなかった。Google PlayとiOS App Storeがアプリをダウンロードするメインのチャネルなのに、そこでキャリアがどうやって仲間に加わることができるのか?

そこで日本の第二位のキャリアKDDIは昨年、また一つアプリストアが増えるという策をやめて、約500のアプリのコレクションに対する会員制サービスを立ち上げた。そのサービスはAU Smart Passと呼ばれ、同社のAndroid機にプレインストールされている。これまで、月平均500万のユーザが一人当たり399円(4ドル20セント)使っているから、一年換算ではデベロッパがもらう売上の総額は2億5000万ドルになる。

これは、きわめてユニークなやり方だ。KDDIはデベロッパとパートナーしてアプリをAU Smart Passに置くが、そのときに、オマケのようなものを求めることが多い。たとえば日本でユーザ数1億2000万以上という人気のメッセージングアプリLineは、特製のステッカーを提供している。そのほかのアプリも、多くは有料だ。

KDDIは会費収入をデベロッパの各月のアクティブユーザ数に応じて分配する。アプリにアプリ内購入があってもよいが、その場合デベロッパの取り分はGoogle PlayやApple App Storeのように70%ではなく、80から90%だ。

“アプリに関して新しいビジネスモデルが必要だった。フィーチャーフォンからスマートフォンへのシフトを管理したかった”、合衆国でKDDIの海外モバイル事業開発を統括しているKazuhito Shimizuはこう言う。彼は同社の総額6000万ドルのベンチャーファンドも担当して、ニューヨークのタクシーと輸送関連のスタートアップHailoなどに投資をしている。

“これはアプリのためのNetflixみたいなものです”、と彼は言う。しかし心配なのは、Google PlayとKDDIのストアという二つのアプリストアがあるために、消費者が混乱しないか、という点だ。

NTT DocomoやKDDI、SoftBankなど日本のキャリアは、合衆国や西欧で、力関係がキャリアからAppleやGoogleへ移行していった過程から学べる立場にいる。

日本では、スマートフォンの普及率はまだ50%未満だ。でも日本にはものすごく洗練されたフィーチャーフォンの歴史や、ゲームとアプリのプラットホームがあり、後者のユーザ一人当たりの売上は今なお西欧市場を恥じ入らせる。

しかしそのような日本でも、アプリの流通は劇的に変わりつつあり、GREE やDeNAのような大手のモバイルゲームプラットホーム企業もスマートフォンの普及に対応しようと努めている。Lineの勃興が示すように、新しい勢力も育ちつつある。AU Smart Passは、そのような市場に進出しようとする大型デベロッパにとって、恰好の足がかりだろう。

このストアが使えるのは日本のみ、そしてAndroid携帯のみだが、KDDIはアジア市場への拡大を検討している。同社はまた、消費者が写真やファイルや音楽などを保存するためのクラウドストレージなど、そのほかのサービスも今すでに作り始めている。

“AU Smart Passは、日本進出を考えているデベロッパにとって、最初のマーケティングチャネルになりうるだろう”、と彼は言った。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Dropbox、Mailboxの買収価格は1億ドル前後か

TechCrunch Disrupt出身のDropboxは、実に抜け目のない早期段階買収によって、話題沸騰のメール管理アプリ、Mailboxを手の内にした。われわれはこれを “DropMail” と呼んでいる。

本誌では、Mailboxが資金調達に動いていて、Andreessen Horowitzらの関心を引いていたことを伝えられていたので、今日同社が名前も調和のとれたDropboxに売却したニュースを聞いても、大きな驚きではなかった。時として、成長の糧を得る最も簡単な方法は買収されることである。メールのように金のかかる問題に取り組んでいる時はなおさらだ。しかも待ち行列に6桁の人数が並ぶアプリなら。

さらに本誌は、この買収が安いものでないことも聞いている。すでに話題の中心にいるスタートアップのために、Dropboxは5000万ドルの「はるか上」を行く金額を必要としていると複数の筋が言っている。さらにわれわれが把んだ情報によると、現金と株式を合わせて1億ドルという価格とも言われている。

実はYahooも、IDEOの古参、Gentry Underwoodが立ち上げたこのメールプラットフォームに興味を示したことがあった。Yahoo Mailブランドの衰退やMailboxがモバイルで苦戦を強いられていたことを考えれば意味のある選択肢だった。しかしDropboxの魅力的なビジョンの方が、生まれて間もないこのスタートアップにとって一層理にかなっていた。Mailboxの目覚ましい数字は、Droboxの共同ファウンダー、Drwe Houston、Arash Ferdowsiの2人に、メール界への一撃を加える勇気を与えた。

いずれせよ、Dropboxで添付ファイルを扱える日は近そうだ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)


利用者を〈見る〉インターフェースがもたらすもの


今週、私たちはSamsungを代表する次世代スマートフォンを垣間見る可能性が高いが、大方の噂によると、そこには利用者が小さな画面を注視しているか目をそらしたかを検知する自動スクロール機能が搭載されるしい。具体的な内容は一切明らかにされていないが、他でも視線追跡の技術は、画面に向かっているかどうかだけでなく、意識を集中しているかどうかまで正確に把握できる水準に達している。

利用者が端末に集中するのと同じくらい利用者に集中する端末がやってくる。これはGalaxy S IVに限った話ではない。そしてその時,アプリケーション市場における膨大な革新の可能性と、モバイル広告にとって一儲けできるチャンスがもたらされる一方で、そこには過去5年間に位置情報サービスの普及がもたらした問題が小さく思えるほどのプライバシーの懸念が潜んでいる。

アプリの変革

自動スクロールは、ユーザーの意識がどこにあるかを検知することでアプリに可能になる応用のごく一面にすぎない。もちろんそれは便利であり、モバイル機器における「ページ」の概念や、スクロールバーさえも全く無意味にするかもしれない。しかし、アプリ使用時に利用者がどこを見ているかという新情報を得ることによるソフトウェアインターフェースの変革に比べれば、些細なことだ。

デザインは一つではなくユーザー毎にあつらえる

ユーザーの行動に合わせてリアルタイムに変わる動的インターフェースを想像してほしい。そして十分賢い技術をもってすれば、アプリのレイアウトはパーソナル化における次のフロンティアになるかもしれない。今日の開発者が推薦エンジンやアルゴリズムを使い、ユーザーがアプリを開くたびに最も魅力あるコンテンツで出迎えようと努力しているように、明日われわれは、「万人向けデザイン」の概念を捨て、一人一人によって異なる戦略をとるアプリを目にするようになるかもしれない。

そしてコンテンツといえば、あなたの目が自然にどこを見るかを端末が知っているなら、あなたのコンテンツ嗜好もよくわかっているだろう。どんな種類のコンテンツが好きかだけでなく、何にいちばん興味を引かれたかを具体的に知ることができる。個々のシーン毎に何が視聴者の目を捕えたか、どの登場人物が受け入れられたか、シーン内でどの部分が視聴者の関心を引きよく注目されたか等を分析して、ヒートマップや動画を作ることさえとっぴな考えとはいえない。このいずれもが、Flipboardのような既存のパーソナル化エンジンを後押しし、パーソナル化ウェブの精度を高める。

マーケターの楽しみ

人がどこを見ているかを知ることはマーケターの夢だ。アプリのどこに広告を配置すべきかを正確に教え、消費者の注目を引くために何が有効で何がそうでないかに関して驚くべき知見を与えてくれる。そして、他の購買層データと統合することによって、さらに効果の高い購買者ターゲティングが可能になるだろう。

企業や広告主がモバイル広告のROI[投資収益率]を高める手段を探し求めているのは当然であり、 Googleも例外ではない。顔面フィードバックデータを収集することは、マーケティングで次のレベルに上がるために秘密の暗号を手に入れるのと同じ効果がある。ただし、扱いは慎重にする必要がある。そこには乱用の可能性がいくらでもある。例えば、アプリ内であなたが一番好きなコンテンツを見つけた場所に、次々と広告が現れるようになったり、あなたが注目するのを待って売り込みの集中砲火を欲びせる自動再生ビデオ広告を想像してほしい。

広告における顔や目の追跡技術には良い使い道も悪い使い道もある

あらゆるマーケティングツールと同じく、顔や目の追跡技術には良い使い道も悪い使い道もある。しかし、どちらもこの新しいモバイルデータに内在するプライバシー問題と戦う必要がある。

顔データは、プライバシーの境界線か?

位置情報は、消費者の間に少なからぬ騒動を引き起こし、未だに誰もが安心できる技術とは言えない。カメラ内にある視線や顔の動きを検知するために作られたセンサーによって集められたデータは、個人のプライバシーにとって全く新しい境地に踏み込むものであり、監視機関や、懸念をもつユーザー、恐らく政府関係者らによっても厳密に監視されるべきだ。

問題は、この種のデータを集めることが、その利用に対する大規模な反対運動を引き起こすほどの警戒心を与えるかどうかだ。位置情報はユーザーにとっての利点があまり明らかではないにも関わらず、何とか切り抜けて今や新しいアプリの殆どに採用されている。果たして顔面追跡も同じ試練を受けるのだろうか。個人を特定しない形で使われるならば不満を鎮められるのだろうか。私にはすぐに答えが思いつかないが、モバイルファースト世代は、旧世代よりも個人データの共有に意欲的なので、初期の反射的抵抗を何とか乗り切れるかもしれない。

結局、自分を知っているスマートフォンの方が知らないものより良い。そして、自分を「見る」ことの出来るスマートフォンの方がそうでないものより自分を知っている。このテクノロジーがしっかりと根をおろすまで、数年間は心許ない状態が続くかもしれないが、時折興味深い利用法が数多く出てくるころを期待したい。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

公開からわずか3週間、Mailboxは毎日5000万通メールを処理している




わずか数週間前に公開されて以来、メール管理アプリのMailboxはかなりの大ヒットになっている。その人気ぶりに、125万人以上がウェイティングリストに登録した。この早期の成功で困るのは、Mailboxが需要に答えるそばから新しいユーザーが待ち行列に加えられていくことだ。同社はこれまでに約50万人の申請を処理してきたが現在の成長曲線から見て、列は伸びる一方のようだ。

メールのスヌーズとプッシュ通知を処理するために、Mailboxはユーザーのメールをクラウドから取り出し再フォーマットしてから送り出す。このため、サービスが新規ユーザーを追加する際には、スケールアップに耐えられることを確認する必要がある。しかし、処理されるユーザーの数もメッセージの数も膨大だ。

「現在私たちは1日に約5000万通のメッセージを配信している」とCEOのUnderwoodは私に言った。これは一般公開からわずか3週間後のことだ。比較のために挙げると、Twitterが同じ量のメッセージをさばくようになるまでには3年を要している。もちろん、これはMailboxがユーザーのメールボックス内にある大量の既存コンテンツを管理しているからだ。

本誌は、同社のスタートから最近数週間の急成長に関して、Underwoodと数分間のおしゃべりをしてアプリの簡単なデモも見せてもらった。まだMailboxに登録していない人は、今見逃がしているものを上のビデオでチェックされたい。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

Twitter、iOS版およびAndroid版、そしてモバイルサイト版をアップデート。「発見」機能のさらなる強化が目的

3414271359_dfb8ec357b_zTwitterがiOS版およびAndroid版アプリケーション、およびモバイルサイトのアップデートを行った。面白そうなコンテンツが常に流れてくるように、また検索による発見を、より便利に行えるようにというところに主眼をおいたものだ。先月の記事にも記したように、Twitterでは昔のツイートも検索結果に表示されるようにしている。今回の変更ではこうした流れを一層強化する変更を行ったわけだ。

「強化」した内容といえば、古いツイートに加えて検索語に基づくトピックやユーザーのサジェッションも行うようになったことだ。リアルタイムのサービスにこうした機能が加わるのは、なかなか興味深いことではある。

blog_top_tweets-2

また、今回のアップデートによりサポートを停止された動画サービスもある(Mobypicture、Vodpod、およびPosterous)。繁体字は新たにサポートされるようになった。アップデート内容をまとめると、SXSWに備えて「発見」関連の機能に大幅な機能追加をしたということになるのかもしれない。

また、細かいところながら、Twitterからウェブリンクを開いた際、ウェブページの下にツイートが表示され続ける(iOSのみ。トレイの中にツイートが表示されるようになっている)のは面白いと思う。ウェブページをタップすることでツイートは消すことができる。

photo-2

iOS版のアップデート説明には次の用に記されている。

  1. 「検索」ではリアルタイムの情報をもとにより多くのツイートとユーザーを表示できるようになりました。また@ユーザー名や#(ハッシュタグ)を検索し、そこからツイートをすると、それらのユーザー名やハッシュタグが自動挿入されます。
  2. 検索バーに言葉を入れると、その言葉から始まる最近のトップニュースの候補を表示します。また、その中の1つをタップするとその検索結果を表示します。
  3. ツイートに添付されているリンクを開いた時に、画面下の3本線を引き上げると、そのリンクがついていたツイートが表示されます。
  4. ツイートの詳細には紐づくすべてのツイートが表示されるので、会話を見逃すことがありません。
  5. アプリからユーザーをブロックすると自動的に「つながり」タブから該当ユーザーからのアクティビティが消去されます。
  6. 「見つける」タブは下に引き下げることで新しい情報を読み込みます。
  7. 繁体中国語での利用が可能になりました。
  8. 端末の設定からではなく、アプリからログアウトできるようになりました。
  9. 不具合の修正を行いました。

検索を行った際の画面の様子を掲載しておこう。

photo-1

「election」(選挙)で検索したところでは、過去ツイートとして出てきたのはプロモーションのもののみだった。これがもう少し有効に機能するようになればと思う。いずれにせよ、Twitterは、発見機能を強化することでツイートしない人もリンクを眺めたり、人びとをフォローすることで楽しめるようにしたいと考えているわけだ。

[Photo credit: Flickr]

原文へ

(翻訳:Maeda, H)

モバイルコンテンツ利用量はタブレットがスマートフォンを侵食。Androidが依然リード(Jumptap調査)

タブレットはモバイルデータ消費用画面としての優位を勝ち取りつつある。モバイル広告ネットワーク、Jumptapの最新データによる。同社は、米国内1.34億人、全世界2.06億人のモバイルユーザーを擁する自社の広告ネットワークで、どのプラットフォームが力を発揮しているかを毎月報告している。レポートによると、2012年末時点でタブレットは同ネットワークの全トラフィック中18%を占め、スマートフォンは78%、多機能電話は4%だった。しかし、過去数ヵ月間の利用傾向からみて、2013年末にはタブレットの割合が全トラフィックの1/3弱(29%)となり、スマートフォンは70%に減ると同レポートは予測している。

tablets vs smartphones jumptap feb 2013

この数字が示しているのは、タブレット市場はスマートフォンよりもまだ小さいが、それとは不釣り合いな割合で利用されていることだ。IDCおよびGartnerのデータを見ると、今年タブレットはスマートデバイスの全売上の10%程度になると見られている。しかし、Jumptapの29%という数字は、これらの大画面たちの方がより多く利用されていることを意味しているようだ。

またJumptapは、最近の利用データを基にAndroid、AppleのiOSおよびその他のプラットフォームが今年どんな実績を上げるかも占っている。本誌やアナリストらが以前指摘したように、ここでは2頭立て(正確には2頭と仔馬1匹)のレースが展開されている。しかし、市場シェア内での成長は頭打ちのようで、Androidは過去2年に続いて最も人気のあるプラットフォームを座を守り、Appleが僅差で追っているが、伸びはこれまでと比べると小さい。

jumptap platforms

スマートフォンの売上で見ると、AndroidはAppleを大きく上回っており、そのシェアは広がる一方であることは興味深い(例えばGartnerは、2012年末のシェアはAndroid 70%対Apple 20%、2011年は50%対20%だったと報告している)。しかし、利用量となると、両プラットフォームはずっと対等に近づき、その差はわずか8%になる。

最後に、Jumptapは数あるAndroid機の中でどの端末が優勢かも分析している。そして他の利用量データが市場シェアと不一致だったのに対して、こちらは合っているようだ。Samsungがは、現在世界最大のAndroid機メーカーであり、かつモバイルウェブのトラフィックとアプリ利用量でも第1位だった。

jumptap android OEM breakdown

Jumptapによると、Samsungは2012年末に同ネットワークの全トラフィック中56%を占め、今年は60%を超えると予測している。「Android市場をターゲットしている広告主は、他のデバイスを明示的に指定しない限り、自社広告の半数以上がSamsungのスマートフォンに表示されていることを知っておくべきだ」とJumpstartは書いている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

プロ用お絵描きタブレットのWacomが“コンピュータの周辺機器ではない”自立型製品を予告

surface-pro

写真やアートのプロのための感圧入力機器では長年のリーダーであるWacomが、同社のFacebookアカウント上で、新製品のモバイルタブレットを予告している。それはWacomによれば、お客様の熱心な要望にお応えして、“そのほかのタブレットにはない、プロ用の感圧ペンやスムースなマルチタッチ、HDのディスプレイなどの機能を盛り込んだ”製品、という。

このタブレット製品のためにWacomは1日24時間週に7日間の開発努力を続け、この夏には発売できる、と言われている。Microsoft Surface ProやSamsungのGalaxy Noteなどのタブレットも、感圧方式のスタイラス入力はその技術をWacomに仰いでおり、だから同社自身がモバイル製品に導入しても不思議ではない。しかしこれまでの同社のハードウェア製品はあくまでも周辺機器であり、Bamboo、Intuos、Cintiqなど電源をUSBに依存する描画用パッドもすべて、コンピュータにつないでから使用する。

でも今度出るタブレット製品は、Wacomの初めてのスタンドアロン製品のようだ。Facebook上の予告はプラットホームについて言及していないが、おそらくAndroidだろう。人気WebコミックPenny Arcadeの作者Mike “Gabe” Krahulikが最近、Surface Proとそれが内蔵するWacom技術への愛について長い記事を書いていたから、Windows 8という線も捨てられない。

Wacomの唯一の課題は、スタンドアロン製品を買いやすいお値段にすることかもしれない。Cintiqシリーズの描画パッドの12インチ(12WX)は899ドルだが、本体のほかにコンピュータを必要とする。コンピュータ内蔵の完全自立型Wacomタブレットも、本格的なプロ用仕様ともなればお安くはないだろうが、でもCintiq 12WXが出た2007年に比べると、技術も必要部品も安くなってるはずだ。今日このごろ、スマートフォンとタブレットが世の中に氾濫しているから、高度な技術を狭いところに詰め込む、かつては神業的だった製造技術も、今やそれほど高価なものではない。

今Wacomに詳しい情報を求めているので、情報が入り次第この記事をアップデートしよう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Microsoft自製のSurface RTが日本で3月15日に発売

Microsoftがスマートフォン、タブレット市場に乗り遅れ昨年から挽回を試みている。そして本日、Microsoftはタブレット端末、Surface RTの国内販売日が3月15日と決まったことを発表した。価格は32GBモデルが49,800円、64GBが57,800円だ。

Surfaceはアメリカでは昨年10月に販売され、Microsoftのハードウェア事業参入ということもあり、話題になった。初期ロットは予約しかし、Surfaceの販売台数は非公開のもののアナリスト達はかなり大幅に販売台数を下方修正している。

現在Surfaceが販売されているのは、アメリカ、中国、イギリスなど比較的タブレットが浸透している地域なので、先進国の中ではタブレット保有率が低い日本で巻き返しを図りたいところだろう。

Surface RTのレビューはすでにたくさんあるが、ご存じない方のため簡単に紹介しておこう。

搭載されているOSはWindows RTで、タイル上のインターフェイス(メトロUI)が特徴的なWindows 8をモバイルに最適化したOSだ。スマートフォンのように常時インターネットに接続できる。常時接続ができるとバッテリーの駆動時間が心配だが、Surfaceは最大約8時間使用可能だ。

画面サイズは10.6インチなので、iPadの9.7インチよりやや大きい。

SurfaceとiPadとの最大の違いはPCのように使える点だ。搭載OSであるWIndows RTはタブレットととしてはもちろん、他のタブレットではPCのように使いにくい点もカバーしているという。また、標準でOffice 2013 RTもインストールされている。

PCとしても使いやすいようにSurface RTのタブレットカバーにはキーボードとしての機能もある。他にもUSBポートやmicroSDのスロットなんかも付いている。

さて、MicroSoftがハードウェア事業に参入すると、これまでパートナーとしてWindowsのハードウェアを製造していたメーカーとの関係はどうなるのか気になるだろう。MicroSoftが販売する方が互換性は良いだろうし、何よりインパクトがある。

この点に関しては、今までと変えるつもりも無いし、これからもパートナーとして協力していく、と日本マイクロソフト代表執行役社長の樋口泰行氏はいう。Windows 8搭載のデバイスはすでに約250種類も市場にあるため、その中の1つとして考えてもらいたいとのこと。

また、Windows製品の中で競争をするというよりはWindows陣営とその他(Android、iOS)との勝負だと思っているそうなので、Surfaceを含めトータルでWIndowsが盛上がることが重要なのだろう。

発売時期がアメリカよりも半年ほど遅れたの理由に関しては色々な理由が考えられるが、樋口氏によるとWindowsストアの充実という点も考慮したという。

Windowsストアのアプリ数は公開されていないものの、AndroidのGoogle Play、iOSのApp Storeに比べるとまだまだアプリの数が少ない。そのため、パートナーのメーカーがデバイスを販売し、Windowsストアを利用するユーザーの拡大と同時にデベロッパーの数をある程度増やしてからSurfaceを販売したかったようだ。

その他、商用利用が可能なOffice 2013 RTをプリインストールしておくことも重要なポイントだったようだ。

3月15日の発売に向け、Surface RTとWIndows 8のテレビCM、屋外などで過去最大級のマーケティングを行うという。

なお、Surface Proの発売はまだアナウンスされていない。

ユーザーが達成感に浸る瞬間に広告を表示するKiipが日本展開を本格的に開始

新しいモバイル広告プラットフォームを構築しているKiipが本日、日本国内でO2O施策を開始することを発表した。Kiipは2010年に当時19歳のBrian Wong氏が創業したスタートアップで、スマートフォン向けに興味深い形で広告を配信している。

Kiipの広告配信システムについては本誌でも何度か取り上げているが、ゲームでステージをクリアしたりレベルが上がるといった何かを達成した瞬間に広告を表示するサービスだ。この瞬間をBrian Wong氏はハッピーモーメントと呼んでいるのだが、ユーザーが達成感に浸っている時に広告を表示してエンゲージメントを高めることを狙っているようだ。

また、Kiipの特徴は単なる宣伝の広告ではなく、ユーザーのメリットが大きい商品などのクーポンが中心になっている。例えば、一番わかりやすい例だとランニングを管理するアプリで、10kmを完走した瞬間に水のクーポンが出る。といったように、実際に使えるものが多い。

このスタートアップが日本でO2O施策を展開する。大手コンビニチェーンのローソンと組み、アチーブメント広告にフライドフーズの「Lチキ」の無料クーポンを採用する。ローソンといえば、LINEでもいち早くアカウントを開設しスタンプで自社のキャラクターを流行らせるなど、新しい施策には積極的に取り組んでいる印象が強い。

ローソンがなぜKiipを活用するのか、それはこの広告システムの高いCTRが魅力的だからだろう。Kiipと提携しているCGMマーケティングの杉崎健史氏によると、日本では第一事例として共通ポイントのPonta(ポンタ)がKiipを利用したそうだが、この時のCTRはなんと12%にもなったという。

普通のバナー広告のCTRが0.12パーセントほどだというので、約100倍の数字だ。この数字は何かを達成した瞬間に表示される広告のポップアップをタップした割合で、そこからクーポンをもらうためにメールアドレスを入力したユーザーはそのうちの2%、最終的にクーポンを使ったユーザーは5%となっている。

共通ポイントのPontaの広告でコンバージョンがこれだけ高いので、コンビニで簡単にチキンをもらえるとなると、ローソンの広告はもっと高い数字が見込めるかもしれない。

Kiipの広告はアプリ提供者側にとって、他の広告システムよりもユーザーの邪魔にならないし、収益も高い。だが、懸念事項として広告が表示され、メールアドレスを入力し、クーポンをもらうためにメールボックスを見るという行動によりゲームプレイを中断させることになる。とくにステージクリアをした瞬間というのはキリが良いので、離脱率が高くなってしまうかもしれないと考える方も居るだろう。

でも心配はいらないようだ。Kiipを利用してゲーム達成時の広告を導入したアプリは現在約700存在するが、これらのうち68パーセントのアプリが利用時間を伸ばし、31パーセントがより頻繁にアプリを起動され、30パーセントが利用日数の拡大に成功したという。

アプリそのものに飽きてしまっても、そのアプリで遊べば何かクーポンがもらえるかもしれないという気持ちが芽生えるのかもしれない。

Kiipではユーザーが逃げてしまわないように、広告はすぐ消せたり、アドレス入力のシーンでは広告をクリッカブルにしないなど、細かい配慮もしているそうだ。

今後の展開としてはローソンとの施策をはじめ、ドラッグストアや他のコンビニでもO2O施策を開始する予定だ。

現状では広告主の数が少ないため、ゲームと広告に関連性が無いものが多い点が気になるが規模が大きくなるにつれて改善されるのだろう。

なお、Kiipはデジタルガレージなどから資金を調達しており、日本国内ではデジタルガレージの子会社であるCGMマーケティングとともに展開していく。

WebOSは終った。もう何も起こらない

事実は受け止めなければならない。WebOSは死んだ。熱狂的コミュニティーの断固たるサポートにもかかわらず、かつてのモバイルOSが今後商用製品となることはなく、LGが買おうが買うまいが、WebOSが生き残る可能性は皆無だ。

もはやWebOSは、その存在を終え、命を断ち、安らかに眠る。それは元OSだ。

HPは、あらゆるパソコンメーカーが直面しているのと同じ低迷状態を経験している。もし少しでも、TouchPadとWebOSのアップデートに力を注いでいればこの低迷から逃がれられたかもしれないが、彼らは膨大な量の価値ある積荷を投げ捨て、その中にはWebOSチームも入っていた。LGが買うと言われているのは、彼らがスマートTV製品に使うための出来合製品であり、本物のOSではない。HPが売ろうとしているのはお荷物である。

テレビ用オペレーティングシステムは、グラフィカル環境の取り組みとしては最低の部類だ。テレビのアップグレードサイクルはカタツムリの速さで、メーカーからは見放され、消費者からは殆ど見えない。WebOSをテレビに持ち込むことは、医療機器に組み込むのと同じくらい最悪だ。ゆっくりとした確実な老化が約束されている。

WebOSに関する最後のビッグニュースは1年前の3.0.5のリリースだった。コミュニティーWikiは8月以来更新されていない。もしゾンビOSというものがあるとすれば、これだ。

もう終っている。たとえ噂が本当だとしても、そもそもLGが無料のAndroidの代わりにこれを使おうと考えていること自体、HPが投げ売りしようとしていることの証である。LGは、Samsungと市場シェア、マインドシェアの両方を争っている。ちょっとしたWebOSマジックは彼らを深い穴から一部分でも引き上げてくれるのかもしれない(そうはならないだろうが)。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

モバイル・ファースト世代が購入を考える車とは?!

ipad-mini-car-dashboard

車を買おうかと思っている。近場の移動に手軽に使えて、暖かい季節になったらコテージに出かけるのにも使いたい。荷物はたくさん積める方がいい。重視するのはサイズ、燃費、馬力、積載量、そしてFWDないしAWDであることといった具合だ。ただ、本当のところを言えば、これらいずれについても「大してこだわっていない」。移動手段として利用できれば何でも良いのだ。但し、車内で利用するエンターテインメントシステムにはこだわっている。とくに、ふだん利用しているモバイルデバイスとの連動性を重視したいと考えている。

既にお分かりの通り、私はいわゆる「車好き」ではない。よって車に何を求めるのかというのは、車好きの人とは大いに異なっている。車そのものについてはあまり興味はないのだ。但し、車に乗っていない時と同様、車の中でもスマートフォンを便利に使えるということは重視したいと思っている。長い時間運転したり、渋滞に巻き込まれたりすることも考えれば、車の中でこそスマートフォンを快適に使えるようにしておくべきだとも思う。Zipcarを利用したり、一般のレンタカーを利用したりして、いつも使っているiPhoneとうまく連携してくれるかどうかで、ドライブが楽しいものになるのかどうかが決まることを学習した。うまく連携してくれる車でドライブすると気持ちも安らぎリラックスできるのだ。普段使っているスマートフォンと連携してくれない車だと、ドライブ中ずっとフラストレーションを感じて神経が疲れてしまうのだ。

これからの車載エンターテインメントシステムが、いかにスマートフォンと連携していくべきかを書いてみたいと思う。現在の技術で全く問題なく実現できるものもあれば、今のところ現実的でないというものもあるかもしれないが、気にせずに書いてみることとしたい。

  • Option 1:手持ちのスマートフォンをすぐに認識してくれるBluetoothないしは他の手段による接続方式の準備。たとえばオーディオ面でも予め準備したものしか再生できないカーオーディオよりも、AndroidやiOSベースのオーディオシステムの方が柔軟性が高い。iTunes Match、RdioないしSpotifyなどが使えた方が、音楽をはるかに楽しむことができる。楽曲のメタデータはすべて自動的に認識され、曲のスキップ動作もごく自然に行うことができる。楽曲の選択などはすべてスマートフォン側に任せ、車内のオーディオシステムは単純に音を鳴らす部分のみを提供してくれれば良いと思うのだ。現在のところは、とりあえずAUXケーブルを接続して対処するのがベストだろうか。
  • Option 2:自動車メーカー独自のシステムは無用で、メジャーOSであるiOSないしAndroidが普通に使えるようにして欲しい。AppleやGoogleのの協力を得て、SYNCやQNX、またはその他もろもろの独自仕様は放棄して欲しいと思う。ユーザーが現在保有しているスマートフォンとシームレスに動作するiOSないしAndroidシステムを搭載した方がはるかに便利だ。自身で経験した所では、SYNCなどの独自仕様インタフェースは、自然に動作する既存OSにわけのわからない使用感を備えさせるだけにしか役立っていないように思う。利用者を混乱させるだけだと思う。iPad miniをダッシュボードに搭載した方がはるかに便利に使えると思うが如何だろうか。

(via Reddit)

GM、Honda、Audiなどの自動車メーカーも、Siriのインタフェースを使って、既存OSの機能をそのまま提供しようとする動きを見せてはいるようだ。しかしこうした動きもシボレーのMyLinkなどのシステムと「統合」しようとするものだ。こうしたやり方はまるで(あくまでも個人的意見ではあるが)素のままで便利なはずのAndroid OSに各社が独自なインタフェースを無理やりかぶせているようなものだと思う。

自動車にAndroidを搭載するのは今年のCESでも多く見られていた。しかし依然として「車載Android」のデモを行なっているというような段階だ。デモばかりで、なかなか利用できるようにならない。カーナビゲーションや、車内エンターテインメントシステム、あるいは各種ユーティリティについて、今更自動車メーカーが頭を悩ませるようなことは、ほとんど存在しないのだということを認識すべきではないだろうか。自動車メーカーに採用される前に、すでに十分使えるものに仕上がっているのだ。たとえば自動車メーカーは、運転中に運転手の注意を削がないことが大事だと言う。しかし既存の車載システムを使ってもわかる通り、気を散らさないということがシステムの主目的であるわけではない。ドライバーの注意力を散漫にしないためにという議論は見当違いなものとなっているケースも多いように思う。

自分の使っているモバイルデバイスを有効に使いたいという意識は、さまざまな点で非常に強くなりつつある。日常行動に関わる選択も、モバイルデバイスを有効に活用できるかという観点で行われるようなケースが増えてきている。利用者のこうした気持ちを汲んで、アクセサリーやアプライアンスの分野で新たなエコシステムが誕生してきている。自動車メーカーもこうした傾向を「単なる好み」と捉えるのではなく、優先度の高い選択基準なのだと理解すべきだろう。自動車のエンターテインメントシステムをiPadに置き換えてくれたメーカー(但し標準状態のiPadで、メーカーによる拡張はなし)が勝利をおさめると、予測しておこう。

原文へ

(翻訳:Maeda, H)

飽和に達しそうなアプリストア, 新人はわずかに全体の2〜3%

crowded apps

アプリストアの分析サービスを提供しているDistimoが今日発表したレポートによると、iPhone App Storeの最上位250社のパブリッシャー(デベロッパ企業)のうち、“新人”はわずかに2%にすぎない。AndroidのストアであるGoogle Playでは、3%だ。今日のモバイルアプリストアでヒット作を生むことがいかに難しいかを、これらの数字は物語っている。

同じレポートによると、小さな国では新人の比率がやや高くて、Google PlayもiPhone App Storeも共に6%だ。

最上位250社の全売上額の中で、新人たちのシェアはどれぐらいだとお思いか? iPhone App Storeでは、わずかに0.25%、Google Playでは1.2%だ。非常に厳しい市場である。

Google Playでは、新人が比較的好調なのは最初の一瞬だけだ。これらのことが暗示しているのは、ストアが、あるいは市場が、完全な飽和状態に達しているのかもしれない、ということだ。数の多さでいえば、やや先輩であるiOS Storeの方がGoogle Playより多いのだけれど。

New publishers represent a small part of the revenue

このレポートは、2012年10月から2013年1月までのiOS App StoresとGoogle Playにおけるトレンドを調べている(下図)。ただし、時期が時期だけに、クリスマス関連作品の成績がやや良い。Elf on the ShelfやElf Yourself(OfficeMax社)が上位にあるのも、そのためだ。

Top 10 new publishers in he U.S. (Oct 2012- Jan 2013)

上の図は、iPad、iPhone、Google Playの三ストアにおける同期間中のベスト10だ。ゲームが多いのは予想どおりだが、ゲーム以外では写真やビデオ関連に人気がある。例外的にGoogle Playでは、Snapchatがトップの座を奪っている。

さらに興味深いのは、人気作の中で、新作≠新人の作、であることだ。つまり人気の新作は、すでにブランドが確立しているデベロッパ企業のプロダクトが多い。

Google PlayとiOS App Storeを比べると、新作の比率が高いのは前者だ。上の図では、Google Playが6、App Storeが2だ。App Storeの承認過程が難関であるため、とDistimoは推量している。

新作はGoogle Playの方が儲かる

新人が実績を上げることが困難なマーケットプレースではあるが、新作がヒットするという事例は、わりと頻繁にある。合衆国では、iPhone App Storeの上位300アプリのうち17%が新作、Google Playでは12%だ。また上位300アプリの全売上に占める新作の比率は、Google Playが18%(アプリ内購入を含む)に対して、iPhone App Storeは12%となり、新作にとってはAndroidがやや有利だ。

The revenue share of Google Play s new applications is larger than the Apple App Stores

100万の節目に達するのは…

新作アプリのどれだけが、100万というマイルストーン(milestone, 里程標, 節目)に達するのだろう? 本誌TechCrunchでは、ダウンロード数やアクション/アップデート数やユーザ/ビジター数が100万に達したスタートアップやプロダクトを、お祝いの意味でよく取りあげる。今、ダウンロード数100万に達することは、どれぐらいのハードルなのか?

Temple Run 2やGoogle Maps、LINE POPなどの有名プロダクトは、ローンチ後わずか2日でこの節目をクリアしている。このレポートの調査期間中に100万に達した新作アプリの上位10は: Temple Run 2、Google Maps、LINE POP、Disney Where’s My Valentine?、Facebook Poke、Angelina’s Valentine、NokiaのHERE Maps、Majic Jungle SoftwareのThe Blockheads(本当の新人!)、そしてGameloftのZombiewoodとHeroes of Order & Chaosだ。

Top 10 new applications to achieve one million downloads worldwide (Oct 2012-Jan 2013)

ダウンロード数よりお金が重要

次は、ダウンロード数100万ではなく、売上100万ドルという節目だ。このレポートには有名ブランドが多く載っている(下図)。Angry Birds Star Wars (とHD)は、1週間で100万ドルをクリアした。Grand Theft Auto: Vice CityとTemple Run 2もだ。なお、上位10のうちの8つが有料アプリ(Paid)で、さらにその半分はアプリ内購入(In-App)がある。2つの無料アプリ(Free)にも、アプリ内購入がある。

Top 10 new apps to reach $1M revenue milestone worldwide (Oct 2012-Jan 2013)

[画像クレジットImages:Distimo]

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))