ダブリンのExergynは形状記憶合金を使って温室効果ガスの原因となる冷媒を代替

Exergyn Ltdの共同創業者でマネージングディレクターを務めるケビン・オトゥール博士(画像クレジット:Conor McCabe Photography)

ダブリンに本社を置くExergyn(エクサージン)は、冷媒を固体素材に置き換えて、温室効果ガスの排出を削減する。この技術は、データセンターに適用できる可能性がある。

この産業用クリーンテック企業は今回、シリーズAラウンド3000万ユーロ(約39億円)の資金を調達した。この投資ラウンドはエネルギー・コモディティ企業のMercuria(マーキュリア)とファミリーオフィス系ファンドのLacerta Partners(ラセルタ・パートナーズ)が主導し、プラハを拠点とするプライベート・エクイティおよびベンチャー・キャピタルのMcWin(マックウィン)も参加した。

Exergynは固体形状記憶合金(SMA)と呼ばれる製品をてがけており、HVACRと総称される暖房、換気、空調、冷蔵や、自動車、航空宇宙などの業界で炭素排出量を削減できると主張している。HVACR産業は、世界のCO2排出量の10%以上を占めている。

同社の形状記憶合金は、熱を吸収したり放出したりしながら収縮と緩和を繰り返す。これによって冷媒が不要になる。

モントリオール議定書によれば、地球温暖化の第一の解決策は、地球温暖化係数の高いガスを除去することであるという。

競合としては、メリーランド大学やスロベニアのリュブリャナ大学がこの分野に注目しているが、同じ分野で事業を行う商業組織は少ない。磁気熱量効果はSMAの高価な従兄弟のようなものだが、一般的には高価すぎると考えられている。

今回のシリーズAの発表について、共同創業者でマネージングディレクターを務めるKevin O’Toole(ケビン・オトゥール)博士は次のように述べている。「Mercuria、Lacerta、McWinといったソートリーダーたちと力を合わせることで、当社の提供する製品を複数の新しいエキサイティングな垂直市場に拡大することができます」。

今回の投資について、MercuriaのマネージングディレクターであるDavid Haughie(デヴィッド・ホーヒー)氏は次のように言及している。「Mercuriaの目標は、これらのSMAによって冷却・冷蔵などの分野で伝統的な冷媒の必要性を排除し、さらにコスト効率の高い運用を可能にすることで、HFC(代替フロン)による環境への影響をゼロすることです」。

画像クレジット:Kevin O’Toole, PhD, CEng, MIMechE Managing Director, Exergyn Ltd. Picture Conor McCabe Photography.

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(文:Mike Butcher、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

アイルランドのベッティング界ベテランが米国でラグビーに賭けNFT対応ファンタジースポーツ取引所を設立

アイルランドのベッティング界のベテラン、Paddy Power(パディー・パワー)氏が設立したファンタジースポーツ取引所が、グローバルな展開を目指し、NFT対応のライブトレーディングをラグビーファンに提供開始する。

American Sports Exchange(ASX Sports、アメリカン・スポーツ・エクスチェンジ)は、ニュージーランドのデジタルメディア企業であるRugbyPassと契約を結び、同社のデータを利用して、ASXが運営するラグビー試合の仮想株式市場にファンが参加できるようにした。

ASX Sportsは2021年5月に立ち上げられ、11月初めにApple(アップル)およびAndroidアプリストアで同社の取引所を公開した。この取引所では、ユーザーがeスポーツやファンタジースポーツ選手の仮想株式を売買することができ、選手のパフォーマンスやファンの需要に応じて、その価格がリアルタイムに反映される。Six Nations Rugby Championship(シックス・ネイションズ、6カ国対抗)に先駆けて、2022年初頭にASXの取引所でバーチャルラグビーゲームが開始される予定であると、パワー氏はTechCrunchのインタビューで述べている。

RugbyPassは、1千万人以上の視聴者にリーチするという。米国市場への進出を明確に掲げているASX Sportsにとって、欧州、オーストラリア、アジアで人気のあるラグビーは意外な選択のように思える。

しかし、ダブリンからマイアミに本社を移したばかりの同社は、スポーツ分析会社Gembaによると、880万人の熱心なラグビーファンがいるアメリカで、ラグビーの人気が高まっていることに賭けている。

「NFTは非常にエキサイティングなバズワードで、米国がその中心となっています。米国は次世代ファンタジー(スポーツ)の本拠地であり、それは事実上、当社がしようとしていることです。だからこそ、マイアミに拠点を置き、そのおかげで多くのチャンスを得ているのです」とパワー氏は語る。

ASX取引所のユーザーは、特定の選手の株式を購入・保有することができるが、NFTのオーナーとなるのは、スポーツチーム自身とそのスポンサーだ。ASXでのバーチャルチームのオーナーシップに関するパートナーシップ契約の細部については、各チームが個別に交渉することになるとパワー氏は述べている。

パワー氏は以前、彼の父親にあたるDavid Power(デビッド・パワー)氏の会社であるPaddy Power Betfair(パディ・パワー・ベットフェア)でマーケティングを担当していた。Paddy Power Betfairは2019年にFlutter Entertainment(フラッター・エンターテインメント)としてリブランドし、米国のスポーツベッティング最大手であるFanDuel(ファンデュエル)の株式の過半数を取得した。ASXは、米国の多くの州、特にニューヨークのような大きな市場がスポーツベッティングを合法化しようと動いていることから、NFLやNBAなどのリーグと提携するパートナーとして自社を位置付けたいと考えている。

ASXは、Disney(ディズニー)、Caesars(シーザーズ)、Fox Sports(Foxスポーツ)などの既存企業とのパートナーシップを獲得するために、急速に資金を調達しているが、その背景には、規制緩和がある。ASXは、5月のローンチに先立ち、クラウドファンディングで250万ユーロ(約3億2000万円)の資金を調達し、その資金で約30名の開発者チームを雇用した。

パワー氏によると、同社は2022年初めにシリーズAラウンドの調達を予定しており、現在、米国の一流スポーツフランチャイズやリーグとの交渉を進めているとのこと。

ASXは先週、初の公開ゲームを開催した。これは、イングランドのプレミアリーグのLiverpool(リヴァプール)対Arsenal(アーセナル)戦をバーチャルに再現したものだ。

「何千人ものプレイヤーが参加し、プレイ中に取引が行われるなど、非常に高いエンゲージメントを得ることができました。喜ばしいことです」とパワー氏は語った。

画像クレジット:under a CC BY-SA 2.0 license.

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(文:Anita Ramaswamy、翻訳:Aya Nakazato)

フェイスブックのスマートサングラス、撮影を知らせるLEDライトが非常に「小さい」と欧州当局が懸念

Facebook(フェイスブック)を監督する欧州のプライバシー当局は、同社が現在販売している「スマート」Ray-Banサングラスについて懸念を示している。このサングラスには口頭での合図で写真やショートビデオを取ることができるカメラが搭載されている。

アイルランドのデータ保護委員会(DPC)は現地時間9月17日、ユーザーがビデオを撮るときに光るサングラス搭載のLEDインディケーターライトが、サングラスをかけている人に撮影されていることを他の人に知らせる効果的な方法であることを証明するようFacebookに求めた。

関連記事:フェイスブックがレイバンと共同でスマートサングラス「Ray-Ban Stories」発売、約3.3万円から

イタリアのプライバシー当局GaranteはすでにFacebookのスマートグラスを疑問視しているが、Facebookが欧州本部を置いているアイルランドは同社を監督する当局として並外れた役割を担っている。

Facebookは1年前、AR(拡張現実)スマートメガネ製作に向けた道のりにおける「次のステップ」と表現したものを発表した。その際、初期製品にはARは搭載されないと述べたが、高級メガネ大手Luxottica(ルクソティカ)との複数年にわたる提携を発表した。「スマート」メガネに次第に機能を増やしていくことを意図していたようだ。

関連記事:FacebookがARが日常生活になるスマートグラスを2021年に発売、Ray-BanブランドのLuxotticaともコラボ

FacebookのRay-Banブランドの第1弾の商品は9月初旬に発売された。一見、ほぼ普通のサングラスのようだが、5MPのカメラ2つをフロント部分に備え、ユーザーはこれらを使って目にしているものののビデオを撮って、Viewという新しいFacebookアプリにアップロードできる(サングラスはフレーム内部にスピーカーも搭載し、ユーザーは音楽を聴いたりコールを取ったりもできる)。

このサングラスのフロント部分にはLEDライトもある。これはビデオを撮影しているときに光る。しかし、DPCが「とても小さい」インディケーターと呼ぶものは、人々に自分が撮影されているリスクを警告するのには不十分なメカニズムであることを欧州の当局は懸念している。

Facebookはこのサングラスが引き起こしうるプライバシーのリスクを評価するための包括的な実地テストを行ったことを示していない、とも付け加えた。

「スマートフォンを含む多くのデバイスが第三者を撮影できることは受け入れられている一方で、通常カメラやスマホは撮影しているときにデバイスそのものが目に見え、ゆえに撮影されている人にその事実を知らせています。メガネでは、撮影中にとても小さなインディケーターライトが光るだけです。インディケーターLEDライトが撮影を周囲に知らせる有効な方法であることを確認するために、包括的な実地テストがFacebookあるいはRay-Banによって行われたことをDPCとGaranteに証明していません」とDPCは述べている。

Facebookの主要EUデータ保護当局は続けて、同社に「LEDインディケーターライトが目的にかなうものであることを実証し、この新しい消費者向け製品があまり目立たない撮影を引き起こすかもしれないことを大衆に警告するための情報キャンペーンを展開する」ことを求めている、と話す。

質問するためにFacebookに連絡を取った。

同社の広報担当はTechCrunchに次のように語った。「新テクノロジーについて、そしてそれがどのように機能するか、人々が疑問を抱えていることを当社は承知しており、また当社がこの会話の一部に入っていることは重要です。この新テクノロジーがどのようなものなのか、そしてコントロールについて人々が理解できるよう、 当社の主要監視当局であるアイルランドのDPCを含め、当局パートナーと協業します」。

同社はまた、スマートサングラスの発売に先立ってDPCとやり取りしたと主張し、また今後もやり取りを続けると述べた。加えて、サングラスにはオフのスイッチもあると指摘した。

アイルランドの当局は、発売前にスマートサングラスのデータ保護コンプライアンスに関してFacebookから概要説明があったことを認めたが、副委員長のGraham Doyle(グラハム・ドイル)氏はプロダクトの機能についての相談はなかった、と述べた。

「夏にデータ保護要件コンプライアンスについての概要説明と詳細の提供がありましたが、製品の開発についての相談はありませんでした(Facebookが我々のところにきたときにはデザインと機能の開発はすでに終わっていました)、とドイル氏は述べた。

「メガネのオペレーションと実地テストに対処するために、他のDPA、我々自身、そしてGaranteと情報、特に懸念について共有しました」。

スマートサングラスは9月初旬に発売された。米国での価格は299ドル(約3万3000円)だ。現在アイルランドとイタリア、そして英国でも販売していることをFacebookは明らかにした。

ここ数年、同社は規制当局の懸念を受けて、欧州でのプロダクト立ち上げを一部を延期してきた(あるいは中止したりした)。ここには顔のタグ付け機能が含まれる(これは後に別の形で再導入された)。

同社の欧州でのデートサービス展開も9カ月以上ずれ込み、DPCによる介入後に一部を変更して導入された。

また、Facebook所有のメッセージプラットフォームWhatsApp(ワッツアップ)が欧州でFacebookとデータ共有することにも制限がかけられている。こちらも規制当局介入の結果だ。欧州では多量のデータがまだWhatsAppからFacebookへと流れているが縮小してはいて、Facebookに対する数多くのプライバシーに関する苦情は欧州で調査中だ。これらの調査の結果はまだ出ていない

2021年9月初めにアイルランドのDPCは(欧州のGDPR法のもとで)Facebookに対する初の制裁を発表し、利用者への十分な説明を怠ったとしてWhatsAppに2億6700万ドル(約290億円)の罰金を科した。しかしDPCはFacebookや同社の傘下企業に対する複数の苦情についてはまだ調査を続けている。

2021年1月にアイルランド当局は、Facebookの欧州から米国へのデータ移送に対する2013年の苦情を「速やかに」解決することに同意してもいる。こちらもまだ結論は出ていない

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Nariko Mizoguchi

フェイスブックのEU米国間データ転送問題の決着が近い

アイルランドのデータ保護委員会(DPC)は、長期戦となっているFacebook(フェイスブック)による国際的な個人データ転送をめぐる訴訟を直ちに解決させることに合意した。これにより数カ月後には、FacebookはEU域内から米国へのデータ転送を停止せざるを得なくなる可能性がある。

プライバシー活動家であるMax Schrems(マックス・シュレムス)氏が2013年に提出した同訴状は、NSAの内部告発者Edward Snowden(エドワード・スノーデン)氏によって暴露された、米政府の知的機関が大規模な情報監視プログラムの下、Facebookユーザーのデータにアクセスしているという事実とEUのプライバシー権の衝突が発端にある。

シュレムス氏が率いるプライバシー保護団体であるNoybは、同氏の申し立てを中断して新たな訴訟手続きを開始するという決定に対して2020年に提訴したが、やっとのことでその司法審査のプロセスを最終化させ、迅速にシュレムス氏の申し立てを解決すべくDPCは取り組むこととなった。

Noybによると、アイルランド高等裁判所が調査の開始を許可した場合、和解という条件下でDPCの「独自の決断」による手続きとしてシュレムス氏のヒアリングが行われ、また同氏はFacebookによるすべての提出物にアクセスすることが可能となる。

当初の申し立てを再検討する以前にFacebook独自の司法審査の高裁判決を待つとDPCが決定した場合には、さらなる中断が起きる可能性があるとNoybは認識しているものの、シュレムス氏は7年半という長期にわたる訴訟は最終章に向かっており、今後数カ月以内に決着がつくのではないかと予測している。

シュレムス氏は現状を「もどかしいが最大限の可能性がある」と表現し「アイルランドの裁判所は期限の設定に消極的ですが、DPCはそれを利用してタイムラインが見えないと言い続けていました【略】アイルランドの法の範囲内で最大限に強い『迅速な』解決という決断を今回得ることができました」と同氏はテッククランチに語ってくれた。

この訴訟に対する最終的な決定がいつ下されると思うかと質問すると、早ければ2021年の夏だが、現実的には秋頃になるだろうと同氏は答えている。

シュレムス氏は自身の申し立てに対するDPCの対処方法や、さらにはペースの速い巨大テック企業と対照的なスピード感に欠ける政府の執行力に対して声高に非難し、アイルランドの規制当局は、シュレムス氏が申し立ての中で要求したように単にFacebookにデータ転送を停止するよう命じるのではなく、EU域内から米国へのデータ転送の仕組みの合法性についてより幅広く提起している。

この一連の訴訟はすでに莫大な影響力を及ぼしている。2020年の夏、欧州司法裁判所は、個人情報保護においてEUと同等の基準を米国が満たしていないと判断し、EUと米国間のデータ転送の取り決めを取り消すという画期的な判決を下している。

また欧州司法裁判所はデータが危険にさらされている場合にはEUのデータ保護規制当局が介入して第三国への転送を停止させる義務があることを明確にしており、アイルランドの法廷に事態を正すよう促している。

DPCに最新の進展についてコメントを求めると、本日中に回答するという答えが返ってきたため、それについてはまた更新したいと思う。

EUの一般データ保護規則(GDPR)に基づくFacebookのデータ規制当局であるDPCは、欧州司法裁判所による画期的な判決を受けて、2020年9月には同社に対してデータ転送を一時停止するよう予備命令を出している。

しかしFacebookは即座に反撃し、7年以上続く訴訟であるのに関わらず、DPCによる命令は時期尚早だとしている。

Noybは本日、Facebookが今後もアイルランド高等裁判所を利用してEU法の施行を遅らせようとするだろうと述べている。またFacebookは2020年、EUと米国間でデータ転送を行なっている数多くの企業に影響を与える問題の政治的解決策を考え出すために、また米国の新政権がこの問題に対処するための時間稼ぎのために、法廷を使って議員に「合図を送って」いることを認めている

しかし、Zuckerberg(ザッカーバーグ)氏が場当たり的なこの規制ゲームをいつまで続けることができるのかといえば時間の問題だ。今後半年以内に、EUのデータ流出問題は解決を迎えようとしているのだ。

EUと米国政府間の今はなきプライバシーシールドの代替案をめぐり、EUと米国の議員はかなりタイトなスケジュールで交渉を進めて行かなければならない。

欧州委員会は2020年秋、米国の監視法の改正なしには代替案を実現することは不可能だと述べている。米国企業が必要な変更をもたらすため働き掛け、大規模な努力をしない限り、ここまで抜本的な法改正が夏か秋までに実現するとは考え難い。

Facebookは2020年、DPCに予備命令を受けた際に提出した法廷文書の中で、データ転送に対してEUの法案が施行された場合、欧州でのサービス運用を停止しなければならない場合もあると述べている。

しかし同社のPRチーフであるNick Clegg(ニック・クレッグ)氏はすぐにそれを撤回。その代わりに「パーソナライズド広告」はEUにおけるポストコロナの経済回復に必要不可欠であると主張し、データに深く依存したビジネスモデルに対して好意的に見るようEUの議員らに呼び掛けた。

しかし、巨大テック企業にはさらなる規制が必要であり、緩和は必要ないというのが欧州連合の議員間の総意であった。

それとは別に、現在、Bobek(ボベック)法務官の意見に沿ったものであれば、欧州司法裁判所にとって影響力の強いアドバイザーの意見が今後の欧州でのGDPRの施行スピードに影響を与え得る可能性がある。国際的なケースを扱うためのGDPRのワンストップショップメカニズムの結果として起きている、アイルランドのような主要な管轄区域での障害に同氏が目をつけているとも受け取れるからだ。

ボベック法務官は国際的なケースを調査する主管規制当局に能力があるとする一方で「データ保護における主管当局は国際的なケースにおいてはGDPRの唯一の執行者とはみなされず、GDPRが定める関連規則と期限を遵守して、この分野でその意見が重要とされる関連する他のデータ保護当局と緊密に協力しなければならない」と記している。

同氏はまた「緊急措置」の採用を目的とする場合や「データ保護当局が事案を取り扱わないことを決定した後」に介入する場合など、各国のDPAが独自の訴訟を起こすための具体的な条件を提示している。

法務官の意見を受け、DPCのGraham Doyl(グレアム・ドイル)副長官は次のように述べている。「我々と協力関係にあるEUのDPAとともに、我々は法務官の意見に留意し、関連するワンストップショップ規則の解釈という点で裁判所の最終判決を待つこととします」。

アムステルダム大学でデータプライバシーのポスドク研究者を務めるJef Ausloos(ジェフ・オースルース)氏に法務官の発言についての見解を求めたところ、この意見は「実際の保護と執行がワンストップショップメカニズムによって損なわれる可能性があることを明確に認識したもの」だという。

しかし同氏によると、DPAが主管規制当局を回避するための新たな道が法務官の意見から見て取れたとしても、短期的には何の影響力もないとのことだ。「長期的な場合に限って、変化に向けた道は開けていると思います」と同氏はいう。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:FacebookEUプライバシーアイルランド欧州司法裁判所

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Dragonfly)