米国トッププチェスプレイヤー対Tesla Model 3の勝負

Tesla(テスラ)の車両は、先月車に配信されたソフトウェアアップデートのおかげで、人間相手にチェスをプレイすることができるようになった。その担当プログラマーたちは、おそらく世界で最高の選手を相手にするためにチェスプログラムをデザインしているつもりではなかっただろう。それなのに、米国ランキング1位(世界では2位)のチェスプレイヤー、Fabiano Caruana(ファビアーノ・カルアナ)氏がTesla Model 3と対戦を行ってみた。結果はディープ・ブルー(Deep Blue)とガルリ・カスパロフ氏の対戦の再現とはならなかった。

カルアナ氏は、追い詰められた様子もなく、試合の途中で解説を行いながら、わずか5分以内の競技時間で車を打ち負かした。車の打つ手には怪しいものもあったが、公平を期すならば、これは深い人工知能を備えたスーパーコンピューターではないし、カルアナ氏は世界最強のプレイヤーの1人なのだ。最後に彼は試合を「面白かった」と評したが、そこからは、彼が自動車のインフォテインメントシステムに期待していたもの以上のものを得たというニュアンスを感じることができる。

この車はおそらく私には勝つだろう、私はランキングにも無縁だしチェスをおそらく15年もやっていないのだから当然だ。

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(翻訳:sako)

ルノー・日産・三菱連合がGoogleとパートナーして車載システムをAndroidベースに

Googleが、車の売上ベースでは世界最大の自動車メーカー連合であるRenault-Nissan-Mitsubishiとパートナーして、Androidベースのインフォテインメントシステムを数百万台の自動車に搭載していく。彼らはWall Street Journalにそう語った。その次世代型インフォテインメントシステムとダッシュボードディスプレイはAndroidを使用し、2021年にローンチする。

運転者は車のダッシュボードから、Googleの地図やアプリストア、音声アシスタントなどにアクセスできる。このパートナーシップは、自分のオペレーティングシステムをより多くの自動車に載せたいと願っているGoogleの野望の実現に向かう、大きな一歩だ。この連合は今年の前半に計550万台の車を売り、VolkswagenやToyota Motorを上回った。

連合の役員たちはWSJに、多くの顧客がすでにGoogle Mapsなどのアプリを使い慣れているので、運転時には連合が自分たちで独自開発したソフトウェアよりも、Googleのアプリが好まれる、と語っている。

またGoogleが2007年にソフトウェアをオープンソースにしたことも、役員たちは評価している。連合のコネクテッドビークル担当VP Kal MosはWSJ紙に、“ここ数年で信頼が築かれた”、と言っている。

GoogleとパートナーすることによってRenault-Nissan-Mitsubishiは、ソフトウェアを自分たちのエコシステムで独自開発するよりテクノロジー企業とパートナーする、という戦略において、ライバルの自動車メーカーよりも先んじることになる。しかしこれによって多くの顧客を勝ち取ることにつながるかもしれない反面、貴重なユーザーデータのコントロールをGoogleやAppleなどの企業の手に渡すことにもなる。彼らはWSJの取材に対して、Googleは車載アプリから集めたデータにアクセスできることになるが、しかしその前にユーザーの許可を求める必要がある、と述べている。

そのほかの自動車メーカーも、たとえばVolkswagenはAudiの車載ナビにGoogle Earthを入れているし、Volvoは、次の車載インフォテインメントシステムをAndroidベースで構築する。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

世界を57兆個の小さな区画に分割してそれぞれにユニークな名前をつけたwhat3wordsに投資が殺到

what3wordsは、世界全体を57兆個の、一辺が3メートルの正方形に分割して、そのひとつひとつに3つの言葉を割り当てている。その同社がこのほど、新たな投資家3社を開示したが、それらはどれも自動車業界方面からだ。

what3wordsは木曜日(米国時間6/28)に、中国最大の自動車グループSAIC Motorのベンチャー部門と、Formula 1のチャンピオンNico Rosberg、そしてオーディオとナビゲーションシステムのAlpine Electronicsが、ロンドンの同社に投資を行ったことを発表した。これまでの投資家Intel Capitalも、そのラウンドに参加した。

その資金は、新しい市場開拓と製品開発に充てられる。

調達額は公表されていないが、この投資は、ユーザー体験を単純化し、音声コマンドで容易に使えて、企業を自動運転車両の時代に向けて準備させてくれる技術への、主に自動車業界の関心を示している。このアドレッシングシステムではひとつの位置にユニークな(それ一つしかない)3語の組み合わせを与えるから、これまでの音声操作のナビゲーションシステムの多くが抱えていた重大な欠陥をなくしてくれる。それは、道路名の重複だ。

同社は、これら57兆個の正方形に、25000語のボキャブラリーを持つアルゴリズムを使ってユニークな三つの言葉から成る名前を割り当てた。そのシステムは、what3wordsアプリで誰もが利用でき、1ダース以上の言語に対応している。たとえば、パリのエッフェル塔の特定のコーナーにいる友だちに会いたければ、3語のアドレス、“prices.slippery.traps”を送る。Airbnbのホストは3語のアドレスを使って、ゲストを分かりにくい入口に案内する。自動運転車には3語のアドレスを与え、大きなスポーツアリーナの特定のエントランスへ行かせる。

what3wordsのCEO Chris Sheldrickはこう語る: “今回の資金でこの会社が進むべき方向が固まった。それは、車やデバイスや音声アシスタントなどに行き先を指示する方法だ”。

今年の初めにwhat3wordsは、Daimlerが同社の10%株主になったことを開示した。Daimlerの株の一件と、最近公開された投資家(前述)は、いずれも同社のシリーズCラウンドの一環だ。

同社の奇抜なグローバルアドレッシングシステムは、Mercedesの新しいインフォテインメントとナビゲーションシステム…Mercedes-Benz User Experience, MBUX…が採用し、まずこの春にアメリカ以外の市場で発売されたハッチバックの新型Mercedes A-Classに載った。セダンのA-Classはアメリカ市場に今年の後期に来る。

TomTomが先月発表したプランでは、今年の後半に同社のマッピングとナビゲーション製品にwhat3wordsが組み込まれる。TomTomのナビゲーションや交通技術製品を採用している自動車メーカーは、Volkswagen, Fiat Chrysler, Alfa Romeo, Citroën, Peugeotなどだ。

同社はそのほかの自動車メーカーとも商談を進めており、それは、車のインフォテインメントシステムにwhat3wordsを取り入れてもらうことが目的だ。

画像クレジット: what3words

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

車用スマートフォンテクノロジーのDrivemodeが、パナソニック他から650万ドルを調達

もしAndroidデバイスの所有者でドライバーでもあるなら、既にDrivemodeはお馴染みかもしれない。Google Playから入手可能なこのアプリは車内での利用に最も人気のあるアプリの1つだ。既に100万ダウンロードを数え、アクティブな利用者は180か国に広がっている。アプリは、ドライバーの邪魔にならないように、画面を使わないインターフェイスを採用し、スマートフォンの様々な機能、例えばナビゲーション、メッセージング、通話などに、完全に声でアクセスすようにデザインされている。

Drivemodeは新しいシリーズAラウンドで650万ドルを調達したばかりだ。
多彩な側面を持ち、世界でもっとも巨大な自動車産業サプライヤーの1つでもあるパナソニックによってラウンドは主導された。パナソニックは戦略的投資家だ、ラウンドのその他の参加者には、Innovative Venture Fund Investmentと、みやこキャピタルだけでなく、保険会社の三井住友海上(VC子会社経由)も含まれている。資金の性質と投資元から示唆されるのは、Drivemodeが現行の消費者向けアプリ向けの先を目指す野望を抱いているということだ。創業者兼CEOである古賀洋吉(Yo Koga)は、パナソニックとの新しパートナーシップを通して、アプリに新しい機能を追加することに集中していることを認めたが、さらにその他にも大胆な目標を抱いている。

「明らかにパナソニックは、自動車メーカーたちとの協業の際に、私たちの運転補助アプリの人気を活用したいと思っています」と古賀は説明する。「なので、現在私たちは、ディスプレイオーディオやベーシックオーディオなどのハードウェア製品である、彼らのインフォテイメントシステムを、私たちの消費者向けアプリに統合している最中です。消費者アプリを通して、より多くの物をユーザーにお届けします。またこの作業と並行して、多くの自動車メーカーたちが、無印の様々な機能に興味を持っていますので、私たちはそちらについても別途作業をしています」。

多くの企業がDrivemodeとの協業を求めているようだ。古賀によれば、追求できる膨大な取引のバックログが存在しているが、チームが8名しかいないため、その大部分は保留になっている状態だ。だとすると、他の企業たちが、さらに踏み込んで要求を自社内で解決したり、あるいは組むパートナーを変更したりしないのは何故なのだろう。Play StoreでGoogleが提供している、Android Autoアプリは、Drivemodeよりも評判が悪い。これはこれから始めようとする者にとって、古賀が指摘するように、Drivemodeができるようなことをするアプリを作ること、そしてそれを上手く動作させることががどれほど難しいかを示す好例だ。

「Drivemodeは非常に技術的なアプリです」と彼は言う。「多くの自動車メーカーが、私たちのやっていることを真似ようとしていて、多くのハードウェアメーカーも同様のことに取り組んでいます。例えば、ハードウェアメーカーは、素晴らしいハードウェアを作りだすことができますが、やがてハードウェア体験を生み出す部分が一番難しいことに気が付くのです。単に受信したFacebookメッセージに音声で返信するというシンプルなものでさえ、技術的にはとても困難なもので、こうしたことを少なくとも正しいインターフェイスで行うことのできる者は、それほど多くはありません」。

Drivemodeは、2014年にアプリのベータ版をローンチして以降、こうした課題に実際のユーザーフィードバックを受けながら取り組んでいて、その音声ベースの対話モデルに磨きを掛け続けている。また幹線道路交通安全局(NHTSA:National Highway Traffic and Safety Administration)と定期的に連絡を取り合っていて、車内における機器とサービス利用の安全の最大化を図って行くという面で、政府機関と常に意識を合わせて真剣に取組んでいると古賀は語った。

一方、現在の業界の方向性を考えると、彼の会社の自動車メーカーや部品メーカーへの潜在的価値は、ただ増える一方だとも語っている。

「自動車業界の中で起きつつあるのは、この先ソフトウェアが鍵となるということです」と古賀は説明する。「その際問題になるのは、自動車メーカーもサプライヤーもユーザーに直接アクセスする手段を持ち合わせていないということです。これが、彼らがユーザーとつながる手段を見出すために、SDL(Smart Device Link)などの新しい規格を策定しようとしている理由なのです。データを取得し、そして自動車業界の中へそのデータを開放することが、(自動車メーカーたちにとっての)重要な関心事になります」。

Drivemodeの、基本を無償で提供してアプリ内購入を行わせるモデルが意味しているのは、車内でスマートフォン上で利用する任意のサードパーティソフトウェアのための、最も大規模なインストール基盤の1つでもあるということだ。これが自動車メーカーの興味を引いている。その幅広い機能は、(Teslaのようなハイテク企業ではない)自動車メーカーが一般に期待している以上に、多くの利用者の行動を明らかにし、顧客の振舞に対するより多くの洞察を提供できることを意味している。

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(翻訳:Sako)

BlackBerryがFordとパートナーして、同社のまれな孝行息子QNXの多方面的車載利用を推進

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BlackBerryのQNX部門は、このカナダの企業の希少な明るい材料だ。このソフトウェア制作部門が作っているオペレーティングシステムQNXは、多くの自動車メーカーが車載インフォテインメントシステムの中核として採用している。BlackBerryによると、現在、6000万台あまりの自動車の上でQNXが動いており、そして今度からそれは、Fordのインターネット接続車にとって、さらに重要な存在になる。

FordとBlackBerryがこのほど署名した協定によると、FordはBlackBerryのQNXとセキュリティソフトウェアの、インターネット接続車における利用を拡大する。それまでFordは、車載インフォテインメントシステムSYNC 3のOSとしてQNXを使用し、広く欠陥が批判されているMicrosoftの最初のSyncとその後継システムをはねつけていた。

BlackBerryによると、同社は今後、Ford専任チームを設けて、FordによるQNXの多方面的利用を支えていく。ただしその具体的な内容や費用等は、非公開だ。

この契約により、少なくともFordとQNXは直接的な関係になり、あいだに入る業者等はありえなくなる。これでBlackBerryはFordの第一層サプライヤーになるが、それまでは直接ではなく、Fordに納めている機器等のメーカー、たとえばPanasonicなどが、相手だった。

プレスリリースは自動運転車には触れていないが、QNXのソフトウェアは自動運転車への適合条件をクリアしている。そしてFordは自動運転技術の追究に熱心だ。だからBlackBerryのソフトウェア(QNXほか)がそれらの計画に関与することも、十分ありえる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))