ギフト特化EC「TANP」が5億円調達、豊富なオプションと独自のロジスティクス軸に事業拡大

「TANP」を運営するGraciaのメンバーと投資家陣。前列左から4番目が代表取締役CEOの斎藤拓泰氏

ギフトプラットフォーム「TANP」を展開するGraciaは8月28日、グロービス・キャピタル・パートナーズなど複数の投資家を引受先とした第三者割当増資により、シリーズBラウンドで総額5億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

Graciaにとっては2018年10月に1.2億円を調達して以来の資金調達で、本ラウンドを含めた累計の調達額は6.4億円になる。同社では今後も引き続きギフト体験に特化したプラットフォーマーとしてTANPのアップデートを行っていく方針。調達した資金を活用しながら人材採用と事業拡大を計るという。

今回同社に出資した投資家のリストは以下の通り。なおGraciaでは資金調達と合わせて、グロービス・キャピタル・パートナーズの⾼宮慎⼀氏が社外取締役に就任したことも明かしている。

  • グロービス・キャピタル・パートナーズ
  • スパイラルベンチャーズ
  • 福島良典⽒
  • 有安伸宏⽒
  • ⼤湯俊介⽒
  • 遠藤崇史⽒
  • ANRI(既存投資家)
  • マネックスベンチャーズ(既存投資家)
  • ドリームインキュベータ(既存投資家)
  • SMBCベンチャーキャピタル(既存投資家)

ギフトならではの豊富なオプションはユーザーの8割以上が活用

冒頭でも触れた通り、TANPはギフトに特化したECサイトだ。誕生日や結婚祝い、母の日などギフトを贈るシチュエーションや相手の性別・関係性に合わせて、豊富な品揃えの中からぴったりな商品を探しやすい仕組みを構築。そこにギフトならではの幅広いオプションを組み合わせ、良質な購買体験の実現を目指している。

この「オプションのバラエティ」とそれを支える「独自のロジスティクス」はGraciaが前回の調達時からさらに磨きをかけてきたポイントだ。

TANPでは複数種類のラッピングや紙袋を始め、メッセージカード、ドライフラワー、名前の彫刻、熨斗(のし)サービス、ダンボール内の装飾など豊富なオプションを用意。商品ごとにその数は異なるが、たとえば「誕生日や女子会で使えるバルーン」「結婚用のご祝儀袋」などユーザーの要望に合わせて細かいオプションを選択できるようになっている。

ギフトを購入する手段自体は百貨店や専門店のほか、既存のギフトECやAmazonのような総合モールECなどすでに複数の選択肢が存在するが「ギフトに特化することで実現した商品探しの体験やオプションの充実度」はTANPの大きな特徴だ。

Gracia代表取締役CEOの斎藤拓泰氏によると購入時に何らかのオプションを選択するユーザーは8割を超えているそうで、TANPが選ばれる要因の1つになっているのはもちろん、コアなファンを形成するきっかけにもなっているという。

TANPで選べるオプションの一部。商品ごとに種類は異なるが、オプションを組み合わせることで手軽に凝ったギフトを作ることができる

またギフトに特化してユーザー体験を作り込んでいることは、コンシューマー側だけでなくギフトを販売するメーカー側にとっても大きな意味を持つ。

TANPでは現在the body shop、gelato pique、DEAN&DELUCAなどの有名ブランドを筆頭に約300社ほどと取引をしている。斎藤氏の話では多くのブランドからは「(ギフト商品のみが掲載されているため)ブランドが毀損されるリスクが少ないことと、ギフトに特化したロジスティクスの仕組みを築いていること」が評価され、取引に至っているようだ。

現在はブランドの拡大に伴ってTANPで購入できる商品数も増え、色違いなども合わせると3000〜4000種類の商品を掲載。中には他のサイトには出品していないようなメーカーもいるため、TANP以外では手に入りづらいものもある。

「一見ギフトは自家需要とそこまで違いがないようにも見えるが、実際はメッセージカードを含む同梱物やラッピングなど専用のオペレーションが不可欠だ。メーカー側もギフトの取り組みを強化したい意向を持ってはいるが、どこに出店するべきかわからなかったり、ギフト用のオペレーションに自社で対応するのは難しいといった悩みを抱えていた。ロジスティクスの部分からしっかりと支援してもらいたいというニーズは大きい」(斎藤氏)

裏側のシステムはフルスクラッチで開発、ロジスティクスが強みに

GraciaはTANPの性質上ギフトにフォーカスしたECの会社に見えるが、実際はロジテックの会社と言っても過言ではないくらいロジスティクスの仕組み作りに力を入れている。

TANPを裏側で支えている在庫管理や発送管理、CS管理などに関する各システムは基本的にフルスクラッチで開発。それらを軸に社内のオペレーションを最適化することで「オプションのバラエティを増やしながらもビジネスとしてスケールできる体制」(斎藤氏)を時間をかけて構築してきた。

「テック企業ぽくないと言われることも多いが、実は表からは見えない裏側のシステムの部分でテクノロジーをフル活用している。ロジスティクスを効率的に回す仕組みなどは意外と難易度が高く、そこをフルスクラッチでやってこれているので開発力にもそれなりに自信を持っている」(斎藤氏)

ロジスティクスの体制は前回調達時に比べてさらに洗練されてきているそうで、1日あたりの最高発送数は1200件まで拡大。前回は「最も多い時で800件」という話だったから、オプションの数が増えたにも関わらず1日に対応できるキャパシティは400件分増えたことになる。

このような裏側の仕組みが整ってきたことに加えて商品数の増加などの要因も合わさり、事業規模も成長。売上の年次成長率は約400%ほどだという。

細かいアップデートにも日々取り組んでいて、最近ではAmazonのAPIを繋ぎ込み、地域のコンビニで24時間受け取れる機能を作った。ギフトは「いつまでに送らないといけない」という明確な期限があるからこそ、ユーザーからも好評のようだ。

「オペレーションの効率化が進んだことで対応できるオプションも増え、今まではあまり多くなかった『結婚』や『出産』のようなセミフォーマルなギフトの利用も増加してきている。ロジスティクスは作り込むのに相応の工数はかかるが、一度確立できればそうそう壊れない。この仕組みがTANPの競合優位性にもなるし、今回の調達では(トラクションなどだけでなく)ロジスティクスの部分を評価して頂けたと思っている」(斎藤氏)

今後は購入データの収集や活用も一層強化へ

Graciaでは今回調達した資金を用いて人材採用を強化するほか、マーケティングへの投資も行っていく計画。現在の強みにもなっているオプションやロジスティクス周りを引き続き磨いていくほか、年内にはアプリ版のリリースも予定している。

中長期的には「『ギフトを買うならTANP』という、ギフト市場における第一想起を獲得することが大きな目標」(斎藤氏)であり、それに向けて取引先のブランドや商品数の拡充なども含め、プロダクトをアップデートしていく方針だ。

特に斎藤氏が今後のポイントの1つに挙げたのが、TANPを通じて収集されたデータを活用した最適なギフト選びのサポート。現在もLINEを通じてユーザーにぴったりのギフトを提案する「プレゼントコンシェルジュ」を提供しているが、サービス上で自動でレコメンドできるような仕組みまでは構築できていないという。

「そもそも何を選んだらいいのかわからない」という問題はギフトを選ぶ際に多くのユーザーが抱えている根本的な課題だ。Graciaとしては購入データの収集や活用にも今後力を入れながら、ユーザーとメーカーを繋ぐプラットフォーマーとしてギフト市場でさらなる成長を目指す。

ギフトガイド:年末年始に家族で楽しめるボードゲーム16選

TechCrunchの2018年ホリデーギフトガイドです! 年末のギフトのアイデアがもっと欲しい方は、こちらのGift Guide Hubをご覧ください。

ああ、クリスマスのボードゲーム。暖炉ではぜる火の音。エッグノッグを飲みながら、青は赤のマスの手前にいただの、そうじゃないだのと言い合う。

ボードゲームをクリスマスプレゼントにするというのはどうだろう? 新しいゲームを贈ってみんなで遊ぼう。そこで今回は、我々が最近ハマってきたボードゲームの中から、家族みんなで年末年始の休暇中に楽しめるものを紹介しようと思う。簡単なものからめちゃくちゃ複雑なものまで、いろいろある。新しいものもあれば、古いものもあるが、どれも最高のゲームだ。

街コロ

特別な建物やアトラクションを使って街を建設するという、最高にかわいいカードゲーム。街に発電所やそば屋や遊園地を建設するか? あるいは、テレビ局やパン屋や市役所を充実させるか? ちょっと変わった『シムシティー』のカードゲーム版といったところだ。

 

 

 

キング・オブ・トーキョー

今日はどんな怪獣になりたい? 巨大なトカゲ? ロボット? エイリアン? 「キング・オブ・トーキョー」では、巨大な怪獣になって日本の首都を占領する。トゲトゲの尻尾や牙を使い、賢く立ち回って敵を排除するのだ。子どもに最適。カードゲームとボードゲームの楽しさを同時に味わえる。

 

 

コードネーム

コードネーム」は、これまでとはまったく毛色の異なるチームプレイを楽しむゲームだ。ひとつの言葉が書かれたカードを並べる。プレイヤーは2人1組で、もうひとつのチームと対決する。チームの1人はヒントを出し、もう1人はヒントから答を推測する。1回のターンでできるだけ多くのカードが取れるように、ヒントを出す側はうまい言葉を伝える。ただし、1回のターンに言えるヒントは一言だけ。しかも、中には、一発で敗北する暗殺者カードが潜んでいる。複数のカードに共通するひとつの言葉をヒントとして出すのだが、パートナーが敵のカードや暗殺者カードに手を出さないよう気を配らなければならない。推測する側が混乱してしまっては、ゲームは負ける。「コードネーム」にはさまざまなバージョンがあり、小さい子どもも参加できるディズニー版もある(こちらは英語版のみ)。

Anomia

カードを引くと、なんの関連性もないような絵が描かれている。靴のひも、占領、ポップスターといった具合だ。テーブルに置かれた他のプレイヤーのいちばん上のカードを見て、自分のカードにそれとマッチするものがあるかを探す。あればレースの始まりだ。最初にそのカテゴリーに一致するものを言い当てられたら、そのターンは勝ちとなる。単純に思えるだろうが、頭なフル回転するし、大笑いして体はよじれる。(日本語版なし)

 

 

ボーナンザ

ドイツ生まれの、豆を栽培するゲーム(豆には珍しい品種やいろいろなものがある)。順番にプレイしてゆく。各プレイヤーには限られた数の畑があり、そこに豆を植えて、収穫してお金に換える。新しい豆(カード)を引いたら、その豆を植えなければならない。そのためには、テーブルの上の畑にすでに植えられている豆を収穫する必要も出てくる。そこで、できるだけゲームを有利に進めるために、他のプレイヤーとの交渉が始まる。それがこのゲームのもっとも面白いところだ。いちばん多くのお金を稼いだ人が勝つ。値段交渉や取り引き(それに愉快な豆の絵)が好きな人には、うってつけのゲームだ。

ワルタークラウル 森の影ゲーム

以前にもTechCrunchで紹介したことがあるが、ドイツのオリジナル版は最高だ。ゲームは単純。部屋の電気を消して、木の影に小さなエルフを隠す。プレイヤーは小さなロウソクをボードの森の中で動かし、エルフを捕まえる。すべてのエルフを捕まえたら、またはすべてのエルフをひとつの場所に追い詰めたら勝ちとなる。なんと言っても、ロウソクの火がいい感じ。

ワイナリーの四季

ボードゲームはワインを飲みながら楽しむもの、と考えれば、「ワイナリーの四季」はまさに飲む人のゲームだ。家族とともにトスカーナで小さなワイナリーを経営するという内容。ブドウを育て、ワインを仕込み、お客さんを呼んで、ビジネスを成長させる。美しい舞台設定の開発ゲームだ。

 

秘密のヒトラー

秘密のヒトラー」は、ファシズムの台頭をテーマにしたゲーム。お気楽な内容ではないが、政治体制の脆さや、平和な世界が一夜にしてファシストに支配されるようになる現実を教えてくれる。狼男やマフィアを題材にしたゲームの形式を踏まえ、1人のプレイヤーが秘密のヒトラーとなり、残りのプレイヤーが秘密のナチスとなる。ヒトラーは、自分の正体を他のプレイヤーに明かさずに、協力して政府をファッショ化する。思考ゲームが好きな方にお勧め。

Spaceteam

「Spaceteam」は協力的なゲームだ。勝つのも負けるのもみんな一緒。だからと言って、和気あいあいのゲームというわけではない。叫びたくなることもある。

このゲームでは、ポンコツの宇宙船をみんなで修理しながら旅をする。プレイヤー全員には、いくつかの目標が与えられるが、プレイヤーごとの個別の目標もある。さらに、みんなが適切な道具を持っているわけではない。他のプレイヤーから必要な道具を集めれば、目標が達成される。だが、他にもその道具を必要とする人間がいる。タイマーはカウントダウンを進める。生き残るためには、すべてを同時信仰させなければならない。死にもの狂いで、バカバカしくて、「だれかー、遠心分離ゴミ処理機をオレに渡してくれー! もう15回も頼んでるんだぞ! あ、待って、ここにあったわ」みたいな。

(日本語版なし。スマートフォンやタブレットで遊べる日本語対応アプリがあります)

カルカソンヌ

カルカソンヌ」は私が大好きなゲームだ。絵が美しいので、子どもも参加できる都市開発ゲーム。何時間でもハマってしまう。「ビッグボックス」版には、すべての拡張キットが含まれている。最高にお勧めのゲームだ。

 

トワイライト・ストラグル

ソビエト連邦とアメリカ合衆国が世界の支配権を争うという、非常にヘビーなゲーム。冷戦のシミュレーションだ。タイトルがいかしていて、わくわくする。一見の価値あり。

サイズ – 大鎌戦役

もうひとつの現実世界をカードとミニチュアで再現する壮大なゲーム。荒廃した世界の農民となって、軍隊を立て直し、奪われた土地を取り戻して、発展させるという内容だ。プレイ時間は115分とかなり長いが、大変な高評価を受けている。

 

 

Gnomes at Night

Gnomes at Night」は、ちょっとひねりが利いた子ども向けの協力型ゲーム。プレイヤーの1人は迷路が見えるが、もう1人には見えない。互いに力を合せて迷路を進み、宝を獲得するという、ネットゲームでは味わえないコミュニケーションを大切にしたゲームだ。

 

 

 

 

Risk Legacy

Risk Legacy」は、複雑なゲーム「Risk」さらに複雑にしたバージョン。プレイするごとにボードとピースが変わるため、ゲームをどんどん長くすることができ、何度でも楽しめる。オリジナルの「Risk」もいまだに人気が高いが、これはその軍事ゲームの強力な拡張版だ。(日本語版なし)

ラストナイト・オン・アース

ラストナイト・オン・アース」は、いろいろなシナリオが楽しめるボードゲーム。プレヤーは、人間になるかゾンビになるかを選べる。人間チームは、ゲーム開始前にヒーローカードを1枚引く。そしてボード上を動き回り、課題を解決する。たとえば、屋敷を守ったり、ある場所から脱出したりといった具合だ。それをゾンビが邪魔をする。最良の武器を選んで、彼らを退治するのだ。

 

 

 

Gloomhaven

ボードゲームを真剣に愛している友人や家族には「Gloomhaven」をぜひ贈って欲しい。これまで紹介した中では、いちばん本気のゲームだ(価格も2万5000円以上と高価だ)が、今年もっとも高い人気を集めたゲームでもある。それには理由がある。すぐにプレイできるダンジョン、数千枚のカード、数十種類の職業、百種類近いシナリオが含まれているからだ。これを始めるためには、決まった仲間で定期的にプレイする機会を設けたいと思うかも知れない。もしそれが実現すれば、最高に楽しい。(日本語版なし

Hero Realms

Hero Realms」は、トレーディングカードゲーム(「マジック:ザ・ギャザリング」と同類)だが、内容はまったく違う。強いデッキを作るためにカードを買い足すのが嫌だという人には、これが最適だ。すべては箱の中に揃っている。各プレイヤーは少量の手持ちカードでスタートし、中央のパイルからカードを引いてデッキを組み立てていく。あとは、効果カードの組み合わせて敵と対決し、彼らのヒーローを打ち負かす。(日本語版なし)

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(翻訳:金井哲夫)

バレットジャーナルを始めたい人のためのギフトガイド

TechCrunchの2018年ホリデーギフトガイドです! 年末のギフトのアイデアがもっと欲しい方は、こちらのGift Guide Hubもご覧ください。

デジタル・プロダクトデザイナーのRyder Carrollが編み出した、自分の予定を箇条書きで整理する「バレットジャーナル」方式が、じわじわと流行し始めたのが5年前。その後、それはムーブメントとなり、自分の時間をノートとペンで管理したい人たちの手本となった。

このシステムは柔軟性が高いため、いろいろと応用が利く。時間管理、学校のノート取り、精神状態の記録、食事の計画、プロジェクトの管理、スクラップブックなどなど。Carrollの提案は必要最低限のもので、リストと記号で構成される非常にシンプルなものだが、手書き文字や装飾に凝ったり、やることリストとその目標の「トラッカー」をイラスト化するなどして、バレットジャーナルを華麗なアートに変身させた人たちもいる。

Carrollの新著『The Bullet Journal Method』の中で、彼は「スケジュール帳、日記、ノート、やることリスト、スケッチブックをかけ合わせたもの」が生まれつつあると説明している。バレットジャーナルはまた、注意欠陥障害に悩む人の対処法にもなっている。バレットジャーナルの効果は、手で書くという作業によるところが大きい。手で書くことによって、タイピングでは動かない脳の箇所が動くようになり、情報を保持する能力が助けられるという研究結果もある。Carrollも書いているように、それは「型にとらわれないソリューションや洞察力を生む新しいネットワークを形成する」

近くにバレットジャーナルを始めたいと考えている人がいたら、この年末は彼らの背中を押してやる絶好の機会だ。バレットジャーナルのベテランも、新しいペンや文具をもらって損はない。今回は、デジタル・バレットジャーナルを好む人のためのギフトも紹介しよう。

バレットジャーナル入門の決定版

当然のことながら、インターネットでは、すでにバレットジャーナルのやり方に関する情報が大量に見られる。Carrollのサイトには、オリジナルのチュートリアルもある。しかし、ベテランのバレットジャーナル愛好家であっても、Ryder Carrollの新著『The Bullet Journal Method: Track the Past, Order the Present, Design the Future』(バレットジャーナル・メソッド:過去を記録し、現在を整理し、未来をデザインする)から学べることは多い。

この本にはバレットジャーナルの基本も解説されているが、バレットジャーナルを始めたい人たちに、苦手なものを克服したり、人生の大きな目標を達成するための意欲を与えてくれる。Carrollの文章はとても奥深い。バレットジャーナルが、より計画的で意義深い人生を送るための案内役になると主張する章などは、並の実用書の数段上を行っている。ハードカバー版(Amazonで2742円)は非常に美しい仕上げで、ギフトに最適だ。

お勧めのノート

バレットジャーナルを行っている人の多くは、罫線入りよりも、点のグリッドが入ったノートを好むようだ。そのほうが内容が整理しやすく、融通が利くからだ。新しいイギリスのブランドScribbles That Matterのノート(上の写真:17.99ポンド)は、100gsmの紙を使用しているため、幅広いペンやマーカーや、水彩絵具にまで対応することから、バレットジャーナル愛好家の間で人気が高い。ハードカバーのMoleskine(3132円)と、Leuchtturm1917Amazonで2160円)も、紙の耐久性が高いことからバレットジャーナルによく使われている。実際、Leuchtturm1917にはバレットジャーナル用(Amazonで3780円)もある。ガイド付きで、栞が3つ、ラベリング用のステッカーも含まれている。

バレットジャーナルには、「コレクション」や、特別な計画や目標のための個人セクションもある。コレクションは長大になる可能性があるので、旅行者用のノートを好む人もいる。柔軟なカバーに薄手のノートをいくつも挟める形になったものだ。中のノートは交換できるので、カスタマイズが容易だ。もっともよく知られているのは、日本の文具メーカー、ミドリが開発した革のカバーのものだ。(Baum-Kuchenでスターターキットが6537円から)。革製でないものにはCadena(3533円より)がEtsyで手に入る。

筆記具

MoleskinesやLeuchtturm1917などに使われている上質な紙との相性が大変によいということで、バレットジャーナルでは万年筆を愛用する人が多い。LAMY Safari(インターネットではもっとも充実した万年筆専門店Goulet Pensにて30ドルより)ラミー日本輸入総代理店DKSHジャパンのサイトで4000円>は、人間工学に基づいたグリップと色のバリエーションの豊富さから、入門者用の万年筆として人気が高い。また、パイロットVanishing Point(148ドルより:日本名はキャップレス)は、ペン先が引っ込む形になっている。万年筆の書き心地と、ノック式ペンの利便性の両方が欲しい人には理想的だ。

パイロットLAMYも(その他の万年筆メーカーも)、インクカートリッジを用意しているが、もっと華やかなものが欲しいという人には、パイロットのIroshizukuインクAmazonで3本セット2050円)がある。ユニークな色、滑らかさ、すぐに乾くといった点がよく知られている。

プレゼントの相手がよくスケッチをする人なら、いろいろな太さが入っているサクラのピグマ ミクロン8本セット(Amazonで3980円より)はどうだろう。長時間書き続ける人にはジェルインクのペンが適している。水性のジェルに顔料が含まれているため、ペン先を滑らかに走らせることができ、手が疲れにくい。ユニボール シグノUM-151は、ゲルインクを使用した大人気のボールペンで、色も豊富に揃っている。オンラインショップのJetPensでは、現在、新色12本セットが34ドルで販売されている。

ラインマーカーは、バレットジャーナルでも項目の整理などで活躍するが、あの蛍光色が好みではないという人には、ゼブラのマイルドライナーをお勧めする(15本セットで18ドル)。マイルドライナーは、その名前が示すとおり、やさしい色で目立たせてくれる<Amazonでは10色セットで883円>。

その他の文具

バレットジャーナルでは、システムのカスタマイズも楽しみのひとつだ。プレゼントの相手が文具ファンなら、ZenPop和風文具パックの登録という手もある。登録料は1カ月30ドルから。アーティストには、Artsnacksの毎月4つから5つの画材を送ってくれるパックがある(アメリカ国内では登録料は1カ月24ドルより。国際版は34ドルより)。

写真用品

バレットジャーナルを、個人のアルバムやプロジェクトの計画帳にする人も少なくない。富士フイルムのチェキInstaxは、簡単に写真が貼り付けられるので便利だ。とくにmini 70(Amazonで1万2790円より)は、重さがたったの280グラム強。スマートフォンで写真を撮るがインスタントフィルムの画質が好きだという人には、フォトプリンターInstax SHARE SP-3(Amazonで1万7310円)がお勧め。専用フィルムセット(Amazonで30枚セット3045円)に写真を印刷できる。

その他には、HPのSprocket(HPで1万4800円)がある。これは、HPの背面シール式専用フォト用紙に写真を印刷できるというもの(20枚入り990円)。コンパクトなフォトプリンターでもっとも人気が高いのは、キヤノンのSelphy CP1300(Amazonで1万2800円)だ。

デジタル派のバレットジャーナル

プレゼントを贈る相手が紙と鉛筆という感じではない場合は、GoodNotes(App Storeで960円)はどうだろう。デジタル・バレットジャーナルのためのアプリだ。手書きの感覚をじつにうまく再現している(手書き文字検索機能もとても便利だ)。このアプリでは、ユーザーが作ったバレットジャーナルのスプレッドシートやテンプレートの売買もできる。デジタル・バレットジャーナルを使っている人には、スタイラスペンをプレゼントするという手もある。iOSユーザーにはApple Pencil(Appleで1万080円:第2世代は1万4800円)。AndroidファンならAdonit Droid(Adonitで24.99ドル)だ。

文具の整理グッズ

バレットジャーナルをやっていると、ノートやペンや、その他の文具を整理する方法に困ることがある。VitraのToolbox(Vitraで70ドル)は、机の上のキャディーさんだ。色は11色から選ぶことができ、持ち運びにも便利で、無骨な整理用具にお別れできる。Lihit Lab Teffa Bag in Bag(Lihitで1300円)は、A5版のノートが入り、筆記具やコインなど、カバンの底で行方不明になりそうな細かいものを整理できる。日本の文具メーカー、レイメイ藤井のトップライナー(レイメイストアで1188円)は、軽くて、小学校で使っていた筆箱の大人版といった感じだ。

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(翻訳:金井哲夫)

 

ギフトガイド:旅行向け携行グッズ10選

TechCrunchの2018年ホリデーギフトガイドへようこそ!ギフトアイデアがさらに必要?ギフトガイドハブもご覧あれ。

今年は出張の多い年だった、実際これまでで一番多かった。それは楽しみと苦しみの両面を伴った。その状況を与えてくれたTechCrunchには感謝したい。実際のところ、この記事を書いている場合ではなく、おそらくアジアに向かうために荷造りを始めなければならないのだが、読者のために調べることにしよう。

普通のトラベルガイドとホリデーギフトガイドを書くのではなく、それらを1つにまとめることにした。なぜなら効率性こそが、読者の時間を最大に活用させるための鍵だからだ。技術は、荷造のプロセスを合理化し、旅行を最大限に活用する上で重要な役割を果たすことができる。

もちろん、全ての場合と同様に、過剰な技術は悪いものになるかもしれない。私は、自分自身があまりにも多くのガジェットを詰め込んでいることや、持ち込み手荷物の中で絡み合うケーブルが、事態を悪化させていることを知っている。

以下に紹介するのは、旅行から最大の苦痛のいくつかを取り除くためにデザインされたガジェット、アクセサリーなどだ。一泊でもそれ以上でも読者の旅行を便利にしてくれるだろう。

Amazon Kindle Oasis

オーケー、おそらくここにKindleを含めるのは少々インチキかもしれない。しかし電子書籍リーダーほど私の旅をより良いものにしてくれるデバイスもない。そしてOasisは現在入手できる最善のものなのだ。私が機内持ち込み手荷物の中に、ペーパーバックを何冊も詰め込んでいたのはそれほど遠い昔ではない。私は時々本物の本の手触りを恋しく思うことがあるが、しかし旅行をする際には、数千冊の書籍を座席の背ポケットに詰め込むことのできる能力に代えられるものはない。

価格: 249〜279ドル
入手先: Amazon


Anker 40W 4ポートUSBウォールチャージャ

近代的なホテルの多くは、USBポートについて改善されている。私は最近、iPhoneを充電できる場所が各部屋についているLAのホテルに滞在していた。しかし、それはまだ危険な賭けだ。特に知らない街へ出張するときには。それに、個人のデバイスを正体のわからないポートに差し込むことを避けられるなら、ますます良いことだ。

数年前から私は別途購入したミニタップ兼USBハブを使って来たが、Ankerの40W 4-Port USBウォールチャージャーはそれよりもはるかにコンパクトなソリューションだ。壁に直接4つのUSBポートを設置することができる。何より素晴らしいのは、他の全てのAnker製品のように、それはとても安価だ。

価格: 26ドル
入手先: Amazon


BUBMケーブルバッグ

私は何年もの間、ガジェットのブログ内で本当に数多くのケーブルオーガナイザーを試してきた。それを使うことでやっと、私の旅行カバンがインディアナジョーンズのヘビの穴になるのを防ぐことができる。結局のところ、それらは最終的には同じ種類のジレンマで悩むことになった。様々なガジェットを詰め込むための沢山のポケットを持つか、よりコンパクトなものを選んでカバンの中に余裕をもたせるかだ。

結局のところ、私は後者の方向に向かう傾向がある。特に機内持ち込み手荷物となると、スペースを空けることができるものが基本的には何でも望ましい。最近私は、BUBMのこれを見つけた。それはしゃれた外観で、その折りたたみデザインによって貴重なバッグの中の空間をより広く使うことができる。

価格:12ドル
入手先: Amazon


Calmサブスクリプション

これは確かに奇妙な選択だ。確かに旅行専門のアプリは、世間に沢山存在しているが、旅のストレスを和らげる役に立つという観点から見た場合には、Calmアプリは手始めとしては良いものだ。これは実はとても心配性の旅行者から届いたものだ。恐れるべきは飛行の部分ではない、その部分は大丈夫だ。問題はその他の全てなのだ。空港に向かうことから、長蛇の列、3ドルの空港の水、そしてたまに遭遇する両側を挟まれた座席に至るまで。

私は熱心な瞑想者ではないが、スマートフォン上でマインドフルネスを追求するために、それこそ沢山のアプリを試した。その結果Calmがすば抜けて私好みだったのだ。ガイドされる瞑想セッションは素晴らしく、より自由度の高いものも同様に素晴らしいのだ。知らない都市のホテルの部屋で目を覚ました後に、気持ちを整えるための素晴らしい手段も与えてくれる。

1年間のサブスクリプションは60ドルだが、心の平安のためには安い買い物だ。

価格: 60ドル
入手先: Calm


Harman KardonのTravelerスピーカー

この品物は、間違いなく他のものに比べて贅沢なものに感じられるが、小さなBluetoothスピーカーがどれほどホテルでの滞在生活を改善してくれるかを過小評価してはならない。大多数のラップトップの組み込みスピーカーは酷いものが多いため、たとえ中級のBluetoothスピーカーでも改善効果は大きい。

Harman KardonのTravelerは、十分な機能を備えている上に、手荷物に対してそれほど嵩張ったり重かったりすることもない。また、テレカンファレンス(遠隔会議)のためのマイクも内蔵されている(出張者のためには有り難いボーナスだ)。またデバイスを充電するための電池としても利用可能だ。2500mAhのバッテリーはそれほど大きくはないが、移動中の場合には、小さな一滴でも有り難いものだ。

価格: 150ドル
入手先: Harman Kardon


HyperDrive USB-C Hub Attach

私はたくさんのガジェットを持って旅行する。それが私の仕事のようなものだ。このように、充電ポートが不足していることが、常に一貫したテーマであるという事実は間違いない。HyperDrive USB-C Hub Attachは、Twelve Southを象徴するPlugBugを使ってMacbookの充電アダプタに直接複数のUSBポートを追加する巧みな仕掛けだ。3番目のUSB-Cポートはデータ転送に利用することも可能だ。より大きいバージョンを50ドルで買うことができる、これはTwelveSouthの価格と同じだ。
価格: 50ドル
入手先: HYPER


Luna Display

私が先月書いたように、Luna Displayは万人向けのものではない。しかしそれを必要とする人にとっては、まさしく救命用具となるだろう。この親指の先サイズの80ドルのデバイスをMacBookに差し込めば、近くのiPadにWi-Fiを通して接続し、タブレットを第2画面として使えるようになる。

私は移動中でも自宅でも、これを使っていることがしばしばである。仕事中は完全にモニターに依存するようになってしまった。現在はコーヒーショップのテーブルの上にラップトップとタブレットの両方を広げる奴になってしまっている。記事を執筆中に、RSSフィードを同時に眺めることができることには大きな価値がある。

価格: 80ドル
入手先: Luna


RAVPowerワイヤレスポータブル充電器

最近のバッテリは安いものだが、RevPowerはその中でも最も巧みなものを作っている。それらの中から絞り込むことは難しいが、これはQiチャージパッドを内蔵するという点で私のリストに残ったものだ。これを使えば互換性のある機器をこのデバイスの上に置くことで充電することができる。

いくつかの航空会社と空港では、バッグに入れることができるバッテリーのサイズが制限されているので、もし贈ろうと思っている相手が例えば中国へ頻繁に行くような人の場合には、制限についてよく調べること。まあ多くの場合この10400mAhのバッテリーは問題ないのだが。

価格: 50ドル
入手先: Amazon


Timbuk2 Never Check拡張可能バックパック

私はいつでももうバックパックからは卒業したいと考えていたが、2000年になった最初の10年の間に少々メッセンジャーバッグに浮気した位で、ずっとバックパックを使い続けてきた。もちろんどの2つも同じではなく、もし知り合いに頻繁に旅行をする人がいるならば、信頼できるバックパックは世界中で役に立つだろう。

Timbuk2は真に素晴らしいバッグを作った。Never Checkは確かにその要件を満たしている。一泊の旅行に必要な衣類、靴、その他のものを収納する余裕がありながら、頭上の収納場所や前席の下に入れることができるほどの小ささを実現しているのだ。

価格: 200ドル
入手先: Timbuk2


Twelve South AirFly

本当にそれに直面するまで本当には理解できない旅の懸念がある。Bluetoothイヤフォンは好きだろうか?素晴らしい。しかしもし飛行機の中で映画の音声も聞けたら素晴らしい。Twelve Southは、その無限の知恵を使って、ヘッドフォンジャックに差し込むことのできる小さなワイヤレストランスミッターをデザインした。これを使えば飛行機のエンターテイメントシステムを自分のワイヤレスヘッドフォンで楽しむことができる。それはまた、テレビやホテルのジムでも便利に使うことができる。

ここで最大の欠点は価格設定だ。30ドルという価格はそれほど高いもののようには思えないが、現在有線のヘッドフォンはとても安価に購入できるのだ。

価格: 30ドル
入手先: Amazon

TechCrunchギフトガイド2018 banner


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(翻訳:sako)

百貨店のリプレイス狙うギフト特化型EC「TANP」が1.2億円を調達

ギフトEC「TANP」を運営するGraciaは10月22日、複数のVCや個人投資家らを引受先とする第三者割当増資により1.2億円を調達したことを明らかにした。

同社では調達した資金を活用してロジスティクスやマーケティングの強化を進め、プロダクトのさらなる成長を目指す計画。なお今回のラウンドに参加している投資家陣は以下の通りだ。

  • ANRI
  • マネックスベンチャーズ
  • ベンチャーユナイテッド
  • ドリームインキュベータ
  • SMBCベンチャーキャピタル
  • 中川綾太郎氏
  • 有川鴻哉氏
  • 河原﨑大宗氏
  • 坂本達夫氏

Graciaは2017年6月の創業。その直後にANRIとCandle代表取締役の金靖征氏から約1300万円を調達していて、今回はそれに続くシリーズAラウンドでの資金調達になるという。

特化型ECでオンライン上でも優れたギフト体験を

Graciaが手がけるTANPはギフトに特化したECサイトだ。

この領域に特化することで、誕生日や記念日、クリスマスなどの様々なシーンだけでなく、ギフトを渡したい相手の性別や年代に合わせてぴったりな商品を見つけやすい仕組みを設計。「何を贈ったらいいのかわからない」というユーザーの悩みをオンライン上で解決できる場所を目指している。

2017年9月のリリースから約1年が経った現在は約100社のメーカーとタッグを組み、取扱商品数は合計で860点を突破。Gracia代表取締役の斎藤拓泰氏の話では人気化粧品メーカーの「the body shop」や香水ブランド「JIMMY CHOO」など、知名度のあるメーカー・ブランドも徐々に増えてきているようだ。

特にクリスマスや母の日といったイベント時の利用が多いそうで、5月の母の日のピークには1日あたりの出荷数が800件を超えたという。

「特別なシーン用のギフトを買うとなると、多くの人が想起するのは百貨店。特に『何か特定なものを探している』というよりは『何かしら買いたい』というニーズに対して、オンライン上で応えられる場所がまだない。(ECというくくりでは)すでにビッグプレイヤーがいるが、自分たちはギフトに特化することで探すのが大変という悩みを解決しつつ、より優れたギフト体験を提供したいと考えている」(斎藤氏)

ギフト探しの悩みを解決するという点では、TANP上で細かい条件ごとに商品を探せるほか、LINE@を活用してチャットベースでの相談にも応じている。斎藤氏の話ではLINE@の登録者数は約6500人ほどだそう。記念日や特別なイベントに合わせて年に数回問い合わせをしてくるユーザーが多いようだ。

“良さそうな商品がオンライン上で見つかる”というのもTANPの特徴ではあるけれど、同サービスのウリはそれだけではない。斎藤氏によるとユーザーに評判がいい機能として「配送までのスピード」と「ラッピングなど独自のオプション」をあげる。

独自のロジスティクスを軸にギフトの商流を作る

TANPでは注文が入ってから最短で翌日届くような体制を構築している。シンプルながらこの点に関してはユーザーのニーズがかなりあるそうで「注文した商品が明日届くかどうか」といった問い合わせが多いという。

またラッピングなど独自のオプションも複数用意。ラッピングだけで約10種類ほどあり、それ以外にもブーケを同梱したり、段ボールの中を装飾したりといったことができる。7割くらいのユーザーが何かしらのオプションをつけていて、斎藤氏は「(ギフト探しの悩みを解決するだけでなく)配送期日やオプションといった要素を網羅していることがTANPの特徴」だと話す。

この点について課題意識を抱えているのは何もユーザー側だけではない。メーカー側もまた、同じようにギフトに関する悩みを持っているようだ。

「担当者の方と話していても、ギフトをやりたいという考えはある一方で、ギフト用のニーズに応えるためだけに自分たちでラッピングをしたり、(他の顧客よりも優先して)最短で届けるための仕組みを作ったりするのが難しいという声を聞く。双方の間に入って“ギフトの商流を作る”というのがTANPを通じてやりたいテーマだ」(斎藤氏)

このギフトの商流づくりのために、Graciaではロジスティクス周りの整備に力を入れてきた。自社で倉庫を保有し商品はそこから発送。その際に使う発送システムや在庫管理システムも独自で開発しているのだという。

特にギフトの場合は商品にさまざまなオプションがつくことが多いため「どの商品にどのオプションがつくか」を全部紐付ける必要がある。その作業に対応したシステムを自社で整えていることが、オペレーションを効率化しつつ、ユーザーのニーズに合わせたスピード感やオプションを実現できる要因にもなっているようだ。

ギフトを買う際に最初に想起してもらえるサービスへ

「ロジスティクスの強化」は今後のTANPの鍵を握るポイントであり、今回調達した資金もここに投資する計画。扱う商品の数を増やすべく倉庫を広げたり、ラッピングなどの質を改善することでサービスの拡大を目指していく。

また中長期的にはTANPに蓄積されるユーザーの購買データを活用することによって、ユーザーのギフト探しの悩みに対して適切な商品をレコメンドできるような仕組みも構築する予定だ。

Graciaのメンバー。写真前列中央が代表取締役の斎藤拓泰氏

Graciaは以前Candleで働いていた斎藤氏を含む3人の東大生によって設立されたスタートアップ。今後ECが伸びていく一方で、ギフトECの領域では「ファッションにおけるZOZOTOWN」のような巨大なプレイヤーがおらず、ユーザーの課題もあるためこの領域で事業を展開することを選んだ。

現在のユーザー層は20〜40代が中心。インターネットを普段そこまで利用していないようなユーザーも一定数いるが、そういった層のユーザーも含めて「オンライン上でギフトを買う体験」をさらに広げていくのが目標だ。

「(今回調達した資金も活用しながら)まずはギフトの領域をもっと掘り下げて、ギフト市場での第一想起の獲得を目指していきたい」(斎藤氏)