留守中の家をチェックしてくれる、簡単セキュリティシステムのPoint

家を空けている間、家の中のすべてのものについて、盗まれていないと自信を持って言える人はどのくらいいるだろうか。家の中を荒らされても気づかない人も多いのではなかろうか。と、そんな「気づかない人」のためのプロダクトがKickstarterキャンペーン中だ。自信のない人はぜひPointをチェックしてみて欲しい。

Pointは基本的に、大きな音を検知するためのセンサーだ。ガラスが割れる音やドアが開く音を検知することができる。また動きを検知することもできるようになっている。何らかのアクションを検知したらオーナーに通知を送ることができる。通知を見たオーナーは、秘密裏に配置しておいた攻撃ドローンを出撃させることもできるし、あるいは地元の警察に連絡をするというようなアクションをとることができる。

製作したのはNils Mattisson、Fredrik Ahlberg、Marcus LjungbladおよびMartin Lööfだ。もともとはスウェーデン発だが、現在はサンフランシスコを拠点としている。MattissonはAppleのExploratory Design部門で働いていた経験ももつ人物だ。

「こうしたデバイスが欲しいという、自分たちの欲求に基づいて製作しました。外出時にも家内の安全を確認したいと思ったのです。これまではカメラと、難しげなセキュリティシステムを配置するのが一般的でした。しかしそこまでしなくても、効果的な対策を講じることができるはずだと考えたのです」とMattissonは言っている。

ちなみに、デバイスで検知した音は、デバイス内部でのみ用いられ、すなわちクラウドにアップロードされることはないとのこと。ネットワーク経由で送られるのは通知のみであり、検出したデータが送られることはないのだとのことだ。

接続はWiFi経由で行われ、バッテリー持続時間は1年間だ。

「Pointは、目立たず、シンプルであることを心がけました。テクノロジーが周囲の環境にとけこみ、そしてでしゃばらないでいるというのが、将来に向けての方向性であると考えているからです。世の中にはスマートを名乗るデバイスがたくさんありますが、多くは検知したデータをそのままネットワークにフィードするという、スマートとは程遠い振る舞いをするデバイスが多いように見受けます」とMattissonは言っている。そうした中でスマートであろうと心がけるPointは、温度計機能ももち、また外部から内部侵入者に向けて音声を伝えるための機能ももっている。

ホームセキュリティ関係は、まさに旬とでもいうべき状況ではある。ScoutSimplisafeの名前を思い起こす人も多いことだろう。しかしこのPointは69ドルで、Kickstarterキャンペーンはすでに目標額を調達している。あとで追加すべきセンサーというのがあるわけでもない。外見もなかなかクールだ。家の中に貴重な唐代の壺があったにしても、安全に、心配なく過ごせそうな気がする。

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(翻訳:Maeda, H


遠距離恋愛中のパートナーに「心拍音」を届ける「Pillow Talk」

遠距離恋愛というのは相当に辛い。そばにいたいと思うからこそ恋人なのに、離れていなければならないというのがとても辛い。心配になるし、不満を抱えるようにもなる。相手が自分とではなく映画に出かけていくというだけでも、耐え難い気持ちになってしまったりもする。そんな気持ちをなんとかしようとするプロダクトがLittleRiotのPillow Talkだ。

このプロダクトは、間もなくKickstarterでもキャンペーンを開始する予定になっているのだそうだ。何をするものかというと、枕の中に潜ませたマイクを使って、互いの心拍音を伝え合おうとするプロダクトだ。枕に頭を乗せると、大好きな相手の休みない心拍の音を感じることができる。すぐそばに相手がいるように感じることができ、遠く離れたところにいながら、相手のことをごく身近に感じることができるようになるのだ。

開発したのはJoanna Montgomeryで、大学で考えていたプロダクトがバイラルで広がることとなった。20万ドルのシード資金を集め、そしてプロダクトを世に出すためにクラウドファンディングを行なってみようと考えている。

「コミュニケーションに用いるテクノロジーの在り方に一石を投じたいとも考えているのです」と彼女は言う。「スクリーン経由で姿を映し合うというのではなく、確かに相手と繋がっているという『実感』のやりとりを実現したいと考えたのです」。

2012年に、このプロダクトのことがバイラルで広がり始めると、Facebook上には4万3000人のファンが集まり、そしてメーリングリストにも4万5000名が登録することとなった。そうした人々の応援も感じながら、いよいよ実際のプロダクトとして世に出そうとしているのだ。

「大学ではインタラクションデザインを学びました。技術と、あるいは技術を用いて、自分以外とどのように交流するのかということを研究していたのです。ただ、『交流』という面では、電話以上の成果をあげるテクノロジーは未だ存在しないようなのです」とも彼女は言っている。「他者の存在を身近に感じるためのテクノロジーは発展途上なのです。それで、Pillow Talkを世に問うてみたいと考えるに至ったのです。一緒にいたり、あるいは電話で話をしていないようなときにも、パートナーと繋がっていることを実感できるものを実現したいと考えたのです」。

なるほど、サイバネティクスの可能性を示すものだと言えるのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H


スマートなピルボックスを目指すMemo BoxがKickstarterキャンペーン中

ケンブリッジ大学の学生が、スマート・ピルボックスのクラウドファンディングキャンペーンを展開している。キャペーンを行なっているのはKickstarter上で、目標額は£30,000($48,000)だ。プロダクトの名前を「Memo Box」といい、Bluetoothによる接続機能をもったピルボックスとなっている。2年間をかけて開発してきたものを、いよいよ市場に出そうとしているそうだ。

このピルボックスはスマートフォンと接続する。ピルボックスを忘れて外出しようとしたときなど、AndroidないしiPhoneアプリケーションを通じて通知してくれるようになる。また蓋の開けられた時間などを記憶して、予定時刻になっても蓋が開かないような場合、飲み忘れているのではないかとオーナーに警告を送ってくれたりもする。

共同ファウンダーのMeichen Lu曰く、アラームもインテリジェントになるべきだと話している。たとえばいつもピルボックスを開くのと近い時間に開いたのなら、おそらくは薬を飲んだのだろうと考えられる。それであれば、設定時刻になったからといってもアラームを鳴らさないようにすべきだと言うわけだ。

もちろん蓋を開けたから薬を飲んだのだろうというのは仮定に過ぎない。薬を箱から出したけれど飲むのを忘れてしまったというような事態には対処できない。命に関わるような薬について、このピルボックスのアラートを完全に信頼するのは危険なことなのかもしれない。しかし、日常的なダイエットサプリメントなどの場合については、十分なインテリジェンスを持つものだと言って良いように思う。

「ダイエットサプリメントなどの飲み忘れを防ぐのに使って貰えればと思います。このMemo Boxは利便性と正確性のバランスをとったところでの機能を提供しているものなのです。薬を飲んだかどうかの判断にはベイズ推定モデルを使っていて、ピルボックスを開いたならば薬を飲んだのであろうと判断するようになっています」とLiuは言っている。「たとえば、いつもの時間よりも1時間はやくピルボックスを開けた場合にも、おそらくはちょっとした時間のぶれであるだろうと判断するようになっているのです。もちろん、正確を期すために、利用者に確認をとる場合(利用者側の操作はワンクリックのみ)もあります」とのことだ。

薬の(無用な)再摂取を防ぐ目的でも利用できる。近い時間にピルボックスを開けている場合(システム的には薬を一度摂取したと解される)、その旨を利用者に通知することができるのだ。また、インターネットに繋がっているので、薬を飲んでいないことを他の人に通知するといったこともできる。すなわち、家族がきちんと薬を飲んでいるのかどうかを確認するようなこともできるわけだ。

このMemo Boxを作ったふたりは「less is more」をコンセプトにプロダクトを生み出したようだ。薬を飲んだのかどうかについて、蓋然性に基づく判断をするための仕組みをつくりあげている。正確性を求めて高価なセンサーを用いるデバイスの対極をいくものとなっているわけだ。

「正確性を多少増すために、バランスを無視して高価なセンサーを搭載するようなことは正しいアプローチではないと思うのです」とLuは言っている。「この2年間の開発期間を経て、他プロダクトとは異なるアプローチもあるのだということを学びました。性能が高くても使い勝手の悪いものを作るよりも、自分でも実際に利用するようなプロダクトを作ってみようと考えたのです」とのこと。

Memo Boxにはボタンもついている。ボタンを押すと、アプリケーション上で次に薬を飲む時間を通知するようになっている。

さらに、さまざまなタイプの薬を入れられるようにも工夫されている。クラウドファンディングによる資金調達がうまくいけば、より大きなものも作るつもりであるとのこと。35万ポンド以上が集まれば、希望者に対してはより大きなものを提供するようにしたいとのこと。

価格は早期割引で£25となっている。出荷開始時期は来年の5月を予定している。本稿執筆時点では43日を残して58人から£1,687ポンドを集めている状況だ。

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(翻訳:Maeda, H


家庭用マシンの中にバリスタを配置するArist、Kickstarterキャンペーンを展開中

Aristは自宅でカフェの味を実現しようとするプロダクトだ。いろいろな種類のコーヒーを、完璧に淹れることを目指す。豆をひくところから始めて、コーヒーをすすめるタイミングまで考えてくれる。対応スマートフォンアプリケーションは好みのレシピを覚えておいてもくれる。お気に入りの味を見つけたら、その際の温度、シロップの量などを記憶しておいてくれるのだ。さらにはNFCステッカーを利用して、特定のカップにいつも同じコーヒーを注ぐこともできるようになっている。

このAristはKickstarterキャンペーン中だが、12万ドルのゴールに対し、既に26万ドルの資金を集めている。2015年8月の出荷開始予定となっている。調達資金はプロダクトの製造費用およびモバイルアプリケーションおよびクラウドプラットフォームの開発費、および各種ライセンス関係の登録費用に使われるそうだ。

Arist曰く、香港行政府からの支援も得ており、同行政府の支援するHong Kong Science and Technology Parkからの協力も得ていて、出荷については問題ないだろうとのこと。開発チームも香港で稼働しており、サプライヤーや製造担当との連絡もうまくいっているようだ。

お気づきのこととは思うが、プロダクト名のAristは「bARISTa」(バリスタ)の中心部分をとったものだ。すなわち「バリスタのハート(中心)を機械に持ち込む」という意味を込めているそうだ。利用者の好みの味を記憶し、さらに新しい味のサジェストすら行なってくれる。Aristの開発に関わるのはコーヒーが大好きな20名の人物だ。CEO兼プロジェクトリーダーを務めるのはBenson Chiuで、マイクロソフトでソフトウェアエンジニアを務めていた。さらに兄弟のNelson ChiuはCFO兼ビジネス開発リーダーを務めている。

他のメンバーはとみるとQグレーダー(Coffee Quality Instituteが定めた、コーヒー評価者としての資格)の資格を持つChris Yeungや、Aristの淹れるコーヒーをトータルで評価する「コーヒーコミュニティ・マネジャー」であり、かつバイオテック技術者のVincent Poonなどがいる。

Benson Chiuは「マイクロソフトで働いているときに、休憩室で飲むコーヒーのまずさに驚きました。その頃に、カフェで飲むコーヒーとの違いを知りたいと考え始めたのです。エスプレッソのいれかたなどを勉強してみたりもしました」と述べている。

「しばらくするうちに、コーヒーの魅力にすっかりとらわれてしまいました。さほど難しくもみえない抽出プロセスも実はとても複雑で、同じような味にすることの難しさを感じるようになりました。コーヒーメーカーの仕組みなども調べてみましたが、どうやら個人の力でどうにかなるようにも思えなかったのです。それでいろいろな人からの意見を聞けるように環境を整えました」。

Aristの開発にとりかかったのは2013年のことだった。どうやら満足いく結果を得られそうに感じ、Chiu兄弟はいっそのこと会社を立ち上げてしまおうと考えた。会社名はNbition Development Ltd.とした。

どうやらAristもなかなかのものであるようだが、この分野にはライバルもひしめいている。一番近いものはといえば、プログラマブルなコーヒーメーカーを提供しているMr. Coffeeということになるだろうか。あるいは、いつも安定した味を出すことができるという意味ではネスプレッソなども強力なライバルとなる。ただ、Benson Chiuによれば、Aristの強みはスマートフォンインタフェースの実装や、また自分好みの味を追求できる自由さにあるのだとしている。さらに、たいていのコーヒーマシーンはいれられるコーヒーの種類が限られていることが多い。そのような中、Aristはラテやカプチーノも扱えることを強みとしている。

「これまでは、品質をとるのか手軽さをとるのかというのは、トレードオフの関係にありました。両方を追い求めることは不可能であると考えられていたのです。
そんな中、Aristが二兎を追って見せます」とChiuは言っている。

Aristに興味をもった方は、ぜひともKickstarterキャンペーンページを見てみて欲しい。

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(翻訳:Maeda, H


テンプレートを使わず人工知能にWebサイトをデザインさせるThe Grid、今クラウドファンディング中

美しいWebサイトをデザインすることは、昔も今も難しい。コードを1行も書かずにサイトを作れる、と称するサービスはたくさんあるが、それらは、ちょっと高度なことをしようとすると、すぐに限界にぶつかる。今日(米国時間10/8)からクラウドファンディングで資金募集を開始したThe Gridは、そんな限界や制約のないWebデザインを約束する。The Gridでは、ユーザがページの色や形をデザインするのではなくて、ユーザのコンテンツや目標(売上やビジター数の増大など)を人工知能に与えて、最適のデザインを作り出す。

このサービスを作ったのは、GoogleでAdSenseのプロダクト部長をやっていたBrian Axeと、Mediumの初期のデザイナーLeigh Taylorだ。The GridのCEOで協同ファウンダのDan Tocchiniは、今日の発表声明でこう言っている: “これまでの数年間を費やして、ユーザが個人的に雇ったグラフィックデザイナーのように機能する人工知能を作ってきた。それはあなたのブランドについて考えることができて、それを最も良く表現できる人工知能だ。デザインがあなたのコンテンツに合わせる。その逆ではない”。

〔ここにスライドが表示されない場合は、原文を見てください。〕

同社の当面のクラウドファンディング目標額は7万ドル、サービスの開始は2015年の晩春を予定している。The Gridにはすでに、元Facebookのプロダクト担当VP Greg Badrosや元Disney Interactiveの社長John Pleasantsらからの財政支援もある。The Gridの利用は月額25ドルの会費制を予定しているが、出資した人は月額8ドルになる。

The Gridのチームによると、ユーザがやることは画像とテキストをアップロードするだけである。するとThe GridのAIがそれらのコンテンツを分析して、ほんの数分で、応答性の良いサイトを作る(Grid Style Sheetsを利用して)。画像中のコントラストの階調を見分けてテキストを適切に配置し、また画像の無駄な部分はトリミングする。ページの配色は画像に合わせて自動的に最適化する。

The Gridはコンテンツに合わせてサイトのデザインを個人化する。それは相当でっかい約束だが、成果を実際に見られるのはまだ先の話だ。The Gridのピッチ(売り文句)の一つに、“既製のテンプレートをまったく使わない”がある。これまでのWebサイト生成サービスは、ユーザがテンプレートを指定するのが利用の第一歩で、だから、「ああこれはXXXで作ったな」とすぐにわかった。たとえばBootstrapにはBootstrapの特徴がある。今後作られるThe Gridの何千ものサイトが、それぞれ独自に良くできていて、“The Grid臭さ”というものがないならば、それは相当すごいサービスだと言える。

The Gridには優れた人材が揃っているようだし、デモも良くできている。その人工知能の腕前を、早く見てみたいものだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Kickstarterの会長Perry Chenが非営利事業を支援するDollar A Dayを立ち上げ

KickstarterのCEOを降りて、この大成功したクラウドファンディング企業の会長になったPerry Chenが立ち上げた彼の次のサイトDollar A Day(一日一ドル)は、チャリティやボランティア活動など非営利事業の多様な世界に対して一般大衆の目を開かせるための、教育を目的としている。

Dollar a Dayははじめ、Chenと彼のテク業界の友だちやニューヨークのコミュニティが非営利事業/団体〔以下NPと略記〕について教育し財政支援をするために始めたボランティアプロジェクトだったが、今は一般参加できる。このサイトの登録会員になった人は毎月30ドルの会費を払い、それが各週にフィーチャされるNPたちへ寄付される。

最初の月にフィーチャされるNPの一覧がここにある。たとえば、災害時の物資供給配布団体ShelterBoxや途上国向けの技術製品を作っているD-Rev、小規模小作農家の教育を支援するOne Acre Fund(Dave Eggersの826 Nationalが立ち上げ)、などの顔ぶれが見える。

Chenは曰く、“Dollar a Dayは教育プラットホームだと思っている。それまで、名前すら知らなかったNPを、人びとが知る機会になる。そして、もっと知識と理解を深めて、NPたちと直接会話できるようにしたい”。

DaDのメールによる会報は無料で購読できる。そこには毎日、フィーチャされているNPの一つが簡単に説明されている。読者はその団体の活動に参加をしてもよいし、その趣旨に対して寄与貢献をしてもよい。

このサイトや会報でフィーチャされるNPは、財務管理がきちんとしている501(c)(3)適合分野の団体でなければならない。適合分野は、教育問題、経済開発、芸術と文化、環境、人権などだが、その完全なリストはDaDのWebサイトにある。

フルタイムのスタッフが二人いて、Cassie MarketosがDaDの運営サポート、 David LeedsがNPたちの研究調査を担当している。理事会のメンバーとして、Zack Sears、Tieg Zaharia、Ben Stoneらがいる。

Chenはさらに語る、“とてもシンプルで小さなサイトだが、ねらっているインパクトは大きい。健全な組織を維持し、実在する問題の解決を目指したい。たくさん人を雇って大きな組織にするつもりはない。DaDが発見と教育のプラットホームであることを、知ってもらいたい。これまで知る機会のなかったNPについて知り、そこから何かを始めてほしい”。

写真; Flickr/Howard Lake

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


引きこもり睡眠に便利なオストリッチピロー、セキュリティ対応のミニ版も登場

世の中にYoCuddlrなどといった奇妙なモノが登場する以前、それでもやはりへんてこなものは存在した。ご記憶の方も多いことだろう。オストリッチピローなるものがKickstarterに登場したのだった。2013年のことだ。TechCrunchで見かける変わったものの中でも、異彩を放つほどビミョーなものでもあった。

頭からすっぽりとかぶる形のオストリッチピローを装着すれば、目は見えなくなり、そして耳も隠されてしまい、外界から隔絶されることとなる。呼吸のための穴を除き頭を覆い尽くし、そして手までもその中に突っ込んで机の上で昼寝するという用途のために用いるものだった。

たとえば空港で長時間待っているとき、荷物を盗まれる心配がなければ、なかなか便利な休憩道具だと言えるかもしれない。あるいは図書館で調べ物につかれた時、荷物を盗まれる心配がないのであれば、効果的に休息をとることができるだろう。あるいは公演で仕事をさぼっているときなどでも、荷物を盗まれる心配がないのであれば、快適に休憩を楽しむこともできるだろう。

「荷物を盗まれる心配がないのであれば」安心して利用できるオストリッチピローの欠点は、やはり「セキュリティ」だった。外界と完全に隔絶されるため、自分の周りで何が起こっているのかわからなくなるのだ。そこでセキュリティ対策を施した、新版のオストリッチピローが登場してくることとなったのだ。名前は(当然)オストリッチピロー・ミニ。目や耳を覆い隠してしまうことなく、それでも快適な休憩を楽しもうとするためのプロダクトだ。

オストリッチピローと比較すれば、持ち運びも容易になった。オリジナルは飛行機に持ち込んだり、あるいは職場に持ち込んだりするには少々大きめだったのだ。今回リリースされたミニの方は、飛行機に持ち込むネックピローと同程度の大きさだ。

現在、Kickstarterにてキャンペーン展開中だ。コンパクトなサイズであるのに、いろいろな使い方があるようだ。詳細はキャンペーンページをご覧頂きたい。

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(翻訳:Maeda, H


耳の聞こえない人でも電話できるようになる「RogerVoice」

RogerVoiceを紹介したい。まさに「技術」のもつ可能性を示してくれる例だと思う。何かを便利にするのではなく、不可能だったことを可能にしてくれるのだ。このRogerVoiceは、世界中いるたくさんの聴覚障害の人たちが電話を利用できるようにするプロダクトだ。このプロダクトなしでは電話を使うことなど思いもよらない人にも手段を提供するのだ。会話の音声をリアルタイムで文字化することで、聴覚に問題のある人でも相手の言ったことを「読める」ようにする。

このプロダクトを産んだフランスのスタートアップは、RogerVoiceに用いた技術につき、1年間ほどの開発を行なってきた。そしていよいよAndroidアプリケーション(そしてiOSアプリケーション)を世に出すためにKickstarterキャンペーンを開始した。簡単に説明すると、このRogerVoiceはある種のVoIPアプリケーションで、流れる音声を文字化するためにインターセプトする。そしてサードパーティーのリアルタイムサービスを通じて文字化処理を行なっているのだ。既に十数カ国語に対応しているようだ。

ちなみに会話のもう一方の方には音声が伝わるので、普通の電話と同様に使うことができる。こうしたサービスの場合、特別なサービスが必要ない側は従来と同様の使い方ができるというのはとても大事なところだろう。もちろんアプリケーションのインストールも必要なく、会話が外部に漏れる心配もない。ただ、必要な人に必要なサービスを提供する存在なのだ。

実のところ今年の4月に、CEOのOlivier JeannelがRogerVoiceのプロトタイプを見せてくれた。彼自身も耳が不自由で、普段の会話の大部分を読唇に頼っているそうだ。しかしそんな彼が騒音に満ちた部屋で電話による会話をしてみせてくれた。その時点ではアプリケーションの完成度はとても低いものであるように見えたが、しかしともかく、相手の会話が聞こえなくても電話をすることができるという事実には大いに驚いた。

たとえば、テキストメッセージやメールなどを使いこなせないのおじいさんやおばあさんと話がしたくなることがあるだろう。あるいは、耳が不自由な中、銀行や医者とコンタクトをとる必要が出るということもあるかもしれない。聴覚異常のない人でも、いろいろと適用事例を考えることができるに違いない。

ちなみに、今のところは文字を音声化する備わっていない。すなわち、発話障害がある人に電話利用の機会を提供するものとはなっていない。また、電話をかけるときにこのRogerVoiceを利用することができるが、今のところは受話側では対応できない。

閑話休題。テクノロジーは空を飛ぶ車などの夢を人類に提供してきた。しかし実際のところは、テクノロジーははるかに実現容易なことばかりをターゲットとしているように見える。現代社会に生きていれば、決して不可能ではないことを、ちょっと便利にするためにばかり、テクノロジーが用いられているようにも思えるのだ。

スタートアップのファウンダーたちは、しばしば「世界を変える」ということを口にする。確かに、本気でそう考えているスタートアップもあるのだろう。数多くの人の生活をちょっと便利にするというのも、確かに素晴らしいことであるとは思う。私もそれは認めたいと思う。ただ、テックには、もっと大きな可能性があるのだ。

技術的に見れば、RogerVoiceに特別なところはない。VoIPの仕組みを活用したプロダクトであるに過ぎない。しかし、技術的に優れていることがすなわち革新的であるということにもならないのだ。現実に存在する問題に如何に対処するのかというのがプロダクトの真価であると言えるだろう。

テクノロジーは、これまでにもコミュニケーションの在り方、情報共有の仕方、あるいは学習スタイルといった面で変革をもたらしてきた。人、モノ、サービスの新たな関係を世の中に実現してきた。写真についてみても、以前は誰もが同じアプリケーションを通じて、写真をシェアして楽しむなどというやり方は存在しなかった。そうした「革新」のメリットは認めるものの、ただし、「便利さ」ということばかりに注目してしまい、見逃してきたものもあるのではないかと振り返ってみたい。

そうした観点から、このRogerVoiceのことを見つめてみたいのだ。数億を稼ぎだす技術が用いられているというわけでもない。世界中の誰もが使い始めるというわけでもない。しかし、多くの人の生活スタイルを変える可能性をもつものだ。世界をまきこむ大流行を巻き起こすわけでもない。しかし、こんなテックが数多く生まれてくればと願う人も多いように思うのだ。

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(翻訳:Maeda, H


Nikola Tesla記念博物館、旧研究室は買えたので建設資金を募集中…レンガにあなたの名前が刻まれる

Oatmeal、本名Matthew Inman、“あなたのFacebookフィードを数週間に一回漫画にしてくれるアーチスト”が、またあれを始めた。

彼はNikola Teslaの記念博物館を作るために、ニューヨークにあるTeslaのかつての研究室を買い上げるための金集めには成功した。Inmanは電気カーTeslaを作っているElon Muskにおねだりして、100万ドルを手に入れた。さて今度は、実際に博物館を作らなければならない。

建設資金を調達するためにInmanは再び、クラウドファンディングに頼ることにした。そして、その出足は好調だ。

今回彼は、巧妙な仕掛けを施した。寄金者自身も十分な充足感達成感を感じられるために、外壁用のレンガに寄付者の名前を彫り込むことにした。自分の名前でも、複数の名前でも、何かのイラストでもよい。もちろんメッセージでもよい。寄付金の額が多い人は、そんなレンガの数も多くなる。

[図解: その仕組み…あなたのメッセージが永遠に遺る]

しかも、これをもっとおもしろくするために、Inmanはある種の競争性を導入した。“早くレンガを買った人ほど、自分の好きな良い場所を選べます。Teslaの像の近くとか、塔の下とか”。

このキャンペーンは数時間前にスタートしたばかりだが、早くも目標の20万ドルに達しそうだ。“一等地”はすべて売れてしまっただろう。でも、なんといってもTesla記念博物館の外壁だから、どこだって一等地だよね。

そのお金は何に使うのか?

レンガなどの外装工事のほかに、危険な廃棄物の処理もしなければならない(マッドサイエンティストのラボには危険な廃棄物がごろごろしてるだろう)。また建物内部のリフォームも必要だ。

レンガ一つに125ドルも出せない? では24ドル出してTシャツ(上図)をもらうのはどう? 利益の15ドルが博物館へ行く。今すでに約3000着売れているから、45000ドルが博物館の建設資金になる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Kickstarterが利用規約を改定、失敗したプロジェクトの法的位置づけを明確化

人気のクラウドファンディングサービスKickstarterが今日(米国時間9/19)利用規約を改定して、プロジェクトが破綻した場合の条項をより明確にした。この改定はFTCの新しい規則に沿ったもので、オンラインの小売サービスは、製品を30日以内に発送できず、顧客がそれ以上の遅れに同意しなかった場合は返金すべし、と定めている。Kickstarter自身はもちろんオンライン小売サービスではないが、しかし製品を売るためのプラットホームを提供している。

[Update: KickstarterはFTCとの関係を否定し、次のように述べた: “利用規約の改定は何か月も前から進めており、しかもそれは、直截で明快な操業を目指してきた長年の努力の成果である”。つまり同社は、利用規約の改定はFTCの新しい規則への対応努力ではない、と言っている。]

Kickstarterの改定規約第4項は、顧客はプロジェクトを支援することによって、彼らとプロジェクトの作者とのあいだの法的合意を形成しているのであり、Kickstarterはそれに関与しない、と言っている。

Kickstarterの免責条項としては、これだけで十分だろう。プロジェクトが破綻して製品が発送されず、返金もされなかったときでも、Kickstarterは法的に無関係となる。

ただしこの改定規約でKickstarterは、プロジェクトが失敗したときのプロジェクトの作者の支援者に対する誠実な説明義務と、資金の使途(または今後の方針変更のための予定使途)に関する情報開示義務を定めている。方針変更の場合は、あらたな期限も示さなければならない。

またKickstarterはプロジェクトの作者に対して、支援者とのコミュニケーションにおいて重大な虚偽のない公明正大さを求めている。詐欺行為は許さない、ということ。

さらに今回の改定利用規約は、約束を果たせなかった作者は、支援者による法的行為の対象になることもありえる、と明記している。訴訟などの可能性は前からあったが、これまでの利用規約はそれについてまったく触れていない。

この新しい利用規約は2014年10月19日以降にローンチされるすべてのプロジェクトに適用される。

同社はまた、改定規約は文章を簡明に読みやすくし、以前あった“法律的ジャーゴン”の多くを削除した、と言っている。

改定利用規約の全文を、ここで読める。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Indiegogoが締切日のない資金募集制度”Forever Funding”を立ち上げ、永続的プロジェクトを支援

Indiegogoがこれからは、従来の一時的なクラウドファンディングの上を行く、恒久的にクラウドファンドされるビジネスを支える。今後数日かけて立ち上げる“Forever Funding”事業が、それだ。資金募集に締切日がなくて、限りなく資金供給を求めることができる。これによりIndiegogoはライバルのKickstarterとは差別化され、たとえば定期的にメンテナンス費用を要するプロジェクトや、完全な形の企業や団体が今後末永く支援を求めることができる。

この締め切りなしの資金募集の場合、Indiegogoの取り分はどれだけになるのか、それを今問い合わせている。下の表は、従来の締め切りありの資金募集Fixed Fundingと、締め切りありだけど、それまで集まった金はもらえるFlexible Fundingを比較している。

・Fixed Funding…締め切りまでに目標額に達しなかったら、一銭ももらえない。
・Flexible Funding…締め切りまでに目標額に達しなかったら、それまで集まった額をもらえる。
・Forever Funding…締切日なしで無限に資金募集をする。


これまではIndiegogoでもKickstarterでも、締切日までに目標額に達したらその額は資金としてもらえるが、その後の資金、たとえば製品改良資金、(映画等の)続編制作資金などなどは、自力で調達するか、または、新たにクラウドファンディングに申し込むしかない。今度からは、そういう永続的なプロジェクトやビジネスは、 Forever Fundingを利用できる。

アーチストを永続的に支える会員制のクラウドファンディングプラットホームPatreon…あなたもパトロンになろう!…が前からあるが、IndiegogoのFoever Fundingはこれとやや似ている。ただし締切日がないと、寄付者の寄付動機になるような、緊急性や、切羽詰まった感じはなくなる。

Forever Fundingがうまくいけば、Kickstarterも真似するだろう。そもそもこの、締切日のない募金モデルは、クラウドファンディングプラットホーム自身にとっても、便利な収益源になるはずなのだ。

Forever Fundingが早期でポシャらずに永続するためには、詐欺師対策がきわめて重要だ。この前なんか、ウェアラブルメーカーがここで100万ドルあまりをかっさらって行ったが、その製品は現代の科学では実現不可能なものだった。Forever Fundingが、永続的な資金源どころか、詐欺師たちの永続的なカモにならないためにも、コミュニティの保護を今まで以上に強化していただきたい。それはIndiegogo自身の命運をも握っている、重要課題だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


GIFやシネマグラフの表示に最適化した壁掛けフレームのCanviz

美しい写真や楽しい写真もあるが、いつも同じものばかりではつまらなく感じるという人もいるだろう。そんな人のために登場してきたのがCanvizだ。GIFやシネマグラフなど、動きのあるコンテンツを表示する「美術館クオリティ」の壁掛け用スクリーン(フォトフレーム)を標榜している(もちろん普通の写真も美しく表示できる)。

制作したMM Watersの発言を引いておこう。

このプロダクトについいてのアイデアを最初に思いついたのは妻の方です。自分たちの姿や訪問した場所やいろいろな思い出、あるいは友だちや家族、そしてペットなどの「動きのある写真」を壁に飾りたいと考えたのでした。たとえば、ハリー・ポッターに登場してくるものを思い出して貰えれば良いと思います。一見写真のように見えて、ちょっとした動きをもたせたものです。その少しの動きで、写真が途端にいきいきとして見えてくるのです。もともと、デジタルアート関連を仕事としていますので、動きのあるGIFやシネマグラフ自体を作るのは難しいことではありませんでした。しかしコンテンツを作ってみてから、フレーム(スクリーン)こそが問題だと気づいたのです。それから1年半をかけて最適なフレーム製作に取り組んできたのですが、興味を持ってくれる人も多く現れました。そこで、ハードウェアやコンテンツをシェアしてみようと考えたわけです。そうして生まれたのがCanvizなのです。

このCanvizには、スマートフォンからGIFないしシネマグラフ、そして写真などを送信することができる。送ったデータはCanviz内に保存され、22 x 14インチで1080 x 1920のLCDディスプレイで表示される。このメモリ内蔵フォトフレームであるCanvizは、製作メンバーによる手作り作品となっている。

現在はKickstarterキャンペーン中で、調達目標額は5万ドルだそうだ。なかなかおもしろそうで、グリフィンドールの廊下(ハリーポッター)にあったような喋る肖像画風の作品を壁にかけておくのは楽しいかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H


不使用時はバックパックに収まる電動スケートボードのMovpak


 
長距離通勤をしている人の中には、電車や地下鉄などを降りて、そこからオフィスまで歩くのが面倒なのだと感じている人も多い。そのような人を意識して開発されたのがMovpakだ。電動スケートボードで、未使用時は通常サイズのバックパックと一体化して運べるようになっている。カーシェアリングサービスなどでお金を使うことなく、通勤の面倒を少しでも和らげようというものだ。

但し、Kickstarterのページを見てもらえばわかるが、このMovpakも決して安いものではない。早期割引でも999ドルとなっていて、これが完売すれば1190ドルとなる。最初の生産分を売り上げれば、次からは価格は1299ドルになる予定なのだとのこと。そしてさらに来年早々からは通常流通にも乗せたいと考えていて、その際は1999ドルの価格にする予定であるとのことだ。以前にKickstarterキャンペーンを行った電動スケートボードと同様の価格設定となっている。

TechCrunchではサンフランシスコにある我々のオフィス周辺で試乗してみた。概ね快適で面白い乗り物だと感じた。最高速度は時速15マイルで、稼働距離は9マイルとなっている。9マイルの距離を進むことができれば、たいていのニーズには合致することだろう。あるいは自転車で通勤している人などの場合、完全に自転車と置き換えも可能かもしれない。但し乗った後は2時間の充電が必要なので、電源の手配は必要となる。

スケートボードの後ろに乗っかっているバックパックが邪魔だと思う人もいるだろう。しかし実際に乗っていると、少なくとも最初のうちはむしろ「スタビライザー」的な役割も果たして便利な面もあるようだ。Movpackにはワイヤレスのコントローラーもついていて、進むのに地面をキックする必要はない。ボードの上に乗って、後ろ側の足をバックパックに沿わせるようにして乗るとスムーズなライドを楽しむことができる。

ところで、乗っているうちはかなり楽しいものだが、バックパック(中にバッテリーも入っている)とボードをあわせると17ポンド(8kg弱)になることには気をつけた方が良いだろう。バックパックとスケートボードが一体化しているので、2つを分けて運ぶよりはましかもしれない。しかしこれを担いで長い時間を歩くのはなかなかの大仕事だ。もちろんそれだけの重さになるバッテリーは、他のデバイス(スマートフォンなど)を充電するのにも利用することができるので、便利な使い方もあるかもしれない。バックパックにハンドルをつけて、スケートボードのタイヤを使って引き回せるようにすれば良いかもしれないが、そのアイデアはおそらく、美的な観点から却下されたのだろう。

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(翻訳:Maeda, H


Jony Iveもきっと満足のiPadスタンドがKickstarterに登場。名前は「Yohann」

これまで「iPad用スタンド」なるものに興味を持ったことは一度もない。しかしスイスの建築家であるBerend FrenzelがデザインしたYohannにはぐっときた。まず、ともかくデザインが美しい。シンプルでありながら、かつ機能的でもある。「こういうものが欲しかったのだ」と感じさせるものに仕上がっている。いろいろな角度でiPadを見ることができるようになり、「さすがのヨーロピアンデザイン」などと言ってみたくもなる。

2つのモデルが現在Kickstarterでキャンペーン中となっている。1つはグラスファイバーで強化したボディを、ハイエンドのピアノラッカーで塗装したもので、もうひとつは手作りの木製モデルだ。それぞれドイツおよびイタリアで製造されている。

まず注目すべきは、Frenzelのデザインがひとつのパーツでできたシンプルさを維持しつつ、それでいて3種類の角度でiPadを支えることができる点だ。ランドスケープにもポートレートにも対応していて、しかも膝の上やベッドの上といった不安定な場所でも利用できるのだ。

以前Jonathan “Jony” Iveは言ったように、「真のシンプルさというのは、無用なものを削ぎ落したとか、装飾を廃したというようなところから生まれるのではありません。複雑さの中に秩序をもたらしてこそ、シンプルさが実現されるのです」と言っていた。無駄を削ぎ落して「禅」的魅力を備えたYohannは、まさにその言葉を体現したものと言うことができよう。さらに言えば、言葉を発したIve自身、このプロダクトを見て「まさに言った通りだ」と言いたくなるのではあるまいか。

ちなみに、このデバイスは(Appleのプロダクトがいつもそうであるように)なかなかの高価格なデバイスだ。グラスファイバーを使った高品質ラッカー仕上げのものは、初期割引でも69ドルの値段がついている(最安値のオーダーについては既に売り切れとなっている)。木製バージョンは129ドルからとなっている。対応機種はiPad 2/3/4/Airで、木製版はiPad miniにも対応している。

価格が高めとなっているのは「欧州におけるエコロジー関連法に対応するため」というのも一因だ。また木製版については、さまざまな法律が求める「サステナビリティ」基準を満たすためでもある。安価なコピー製品を防ぐためにパテントもも取得申請中であるとのことだ。

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スマートヘルメットのSkully、Indiegogo最速で目標額を調達し100万ドルも突破

運転時に利用するヘッドアップディスプレイの人気は相当のものであるようだ。車の16ピンデータポートにつなぐものも、オートバイ用ヘルメットに搭載するものも相当な人気であるらしい。

ヘルメットタイプのSkully AR-1はIndiegogoでキャンペーンを展開中だが、目標額達成の最短記録を樹立したのだそうだ。単価は平均して1425ドルほどだが、45時間で100万ドルを集めてしまった。目標額は25万ドルだったが、アメリカ国内43州および海外24ヵ国からの申し込みがあったのだそうだ。キャンペーン終了までにかなりの期間を残しているが、現在は既に114万ドルを超えている。

ちなみに1399ドルでSkully AR-1を入手できるとしたものが一番人気であるようだが、これには400人以上からの申し込みが集まっている。

ヘルメットの詳細については以前の記事を見ていただきたいが、各種センサー、マイクロプロセッサー、そしてカメラなどを使ってターンバイターンのGPSなどをヘッドアップディスプレイとして表示する。開発者たちはこれを「シナプスプラットフォーム」と呼んでいる。さまざまな情報は、ライダーから10フィートほど前方に表示されるイメージになる。無段階自動焦点方式(automatic infinitely variable focal distance)により、どちらを向いても明瞭に表示される仕組みとなっている。

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データで振り返るKickstarterの「ポテトサラダ」プロジェクト(調達額は$55,492)

本サイトの読者の方なら、Kickstarterで展開されたポテトサラダ・キャンペーンのことをご存知だろう。キャンペーンは10ドルの目標額に対し、6911名から5万5492ドルを集めて成功裏に終了した。そして、この超有名プロジェクトを振り返るため、Kickstarterは「Potato Salad: By the Numbers」(数字で見るポテトサラダ・プロジェクト)というブログ記事を投稿している。出資した人の多くはカリフォルニアないしオハイオ州コロンバスに居住する人であるらしい(双方ともに全体の17%以上を占めている)。

また、ブログ記事によれば、今回の出資者はいわゆる「Kickstarterベテラン」の人が多かったのだそうだ。なんとこれまでに15ものプロジェクトに出資してきた人が多く参加したプロジェクトになったのだとのこと。

The Atlanticもなかなかおもしろい分析を行なっている。この分析によると555名のポテトサラダ狂が、キャンペーン成功に大きな役割を果たしたのだとのこと。この555名は35ドルから49ドルを出資している。すなわちこの層が、集まった額の40%を担ったことになるのだ。また、キャンペーン初日に出資を決意した18人が、全調達額の61%を担っているという結果も出ている。これによりキャンペーンに大きな注目が集まり、そして大成功に繋がったことは間違い無いだろう。

またRedditのOffbeatセクションに投稿されたリンクは、キャンペーン開始後3日ほどで4,250件ものupvotes(いいね)を獲得してもいる。キャンペーンページのユニークビューも7月7日あたりから急増しており、まさに世界中のポテトサラダ・フリークの心に火をつけることとなったわけだ。

話題も広がり、プロジェクトを立ち上げたZack “Danger” Brownへのインタビュー要請も増えていった。地元であるオハイオ州コロンバスで流れたABCテレビの放送も、まさにお祭り騒ぎといった状況だった。

「話がここまで大きくなるとは思っていませんでした」と本人は語っている。しかしKickstarterのブログ記事によれば、この時点での出資者は依然として200名ほどだったのだそうだ。

出資者の国籍はオーストラリアやオランダなどにも広がっている。成功にあやかろうとするクローンプロジェクトなども登場してきているし、Brownは植物素材のマヨネーズを製造するHampton Creekから、マーケティング関連の職をオファーされたりもしたそうだ。Hampton CreekのスポークスパーソンであるMorgan Olivieraは、Brownにサンフランシスコおよびオハイオにおけるポテトサラダイベントについてコンタクトをとったと述べていた。但し、そちらの話の方はまだ素材段階で、皆に提供できる料理には仕上がっていないのだそうだ。

プロジェクト成功にはいろいろな要因があったのだろうが、Brown自身のユーモアセンスが大きくプラスに働いたのは間違いない。1ドル以上出資してくれれば、ポテトサラダを作るときに名前を呼んで感謝の気持ちを表明するとも言っていた。またコロンバスではLabor Day(労働者の日)にPotatoStock 2014という、ポテトサラダとピザで楽しむイベントを開催する予定にもしている。コロンバスのAAA野球チームであるColumbus Clippersも、スタジアムの提供を申し出ているのだそうだ。

「イベントはとても楽しみです」と、Good Morning Americaに登場した際に言っていた。「楽しさやユーモアを世界中の人と分かち合いたいという思いを、みなと共有することができるのです」。

プロジェクト成功を受けてのビデオもぜひチェックしておこう。

口いっぱいのポテトサラダを咀嚼しながら、彼は「わたしたちはともにムーブメントを生み出そうとしているのです」と言っている。背景では神の声のようなものも聞こえる。曰く「それで世界は変わるのか?」。場面はオフィスのような場所に入れ替わり、そして彼は答える。「おそらく」、と。彼の目には何か「未来」が見えているのかもしれない。

Brownはこのプロジェクトからの利益は最大60ドルに抑えたいとも言っている。集まった5万5492ドルの多くはチャリティに回されるのだとのこと。

「キャンペーンが終わってから(先週の土曜日に終了した)、Columbus Foundationに設けたファンドに利益の大半を移しました。このファンドは、セントラル・オハイオにおける飢餓およびホームレス対策の非営利活動のために使われることになります」と、CNBCの番組の中で述べていた。但し、これはKickstarterのルールには反するものだ。Kickstarterでは、チャリティのためのプロジェクトを明示的に禁止している。但し、今回のポテトサラダ・プロジェクトは、目的がチャリティにあったわけではないと判断されているのだろう。

このポテトサラダ・プロジェクトはKickstarter史上で4番目に多くの注目を集めたものとなった。ページビューは400万にも及んだ。これを上回るのはOUYAゲームコンソールスマートウォッチのPebbleそして「Veronica Mars」の映画制作プロジェクトだけなのだ。

但し、アクセス数は膨大であったものの、ビュー数が上位10位に入る他のプロジェクトに比べると、集めた額は少ないものであった。たとえばビュー数でポテトサラダ・プロジェクトに劣るOculus Riftは240万ドルを集めたし、Reading Rainbowも最高額となる540万ドルを集めている。

「ポテトサラダ・プロジェクトは、Oculu Riftよりも多くの注目を集めた。インターネットというのは、こういう不思議なことが起こる世界だということなのだろう」と、Kickstarterブログには記されている。

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LEGOにRFコントロールを追加するSBrick

Lego(LEGOと書かないと気持ちが悪いという人もいるかもしれない)は面白い。マインドストーム(Mindstorms)がさらに新しい楽しみ方をもたらしてくれている。ところでさらにその先はあるのだろうか。まさに「その先」を狙うのがSmartBrick(SBrick)だ。これまでのLegoブロックと組み合わせて使えば、モーターやライトを細かく制御することができるようになる。Mindstormsと同様の部分もあるが、サイズが非常にコンパクトにまとめられていて、見えない場所に配置することもできる。Bluetooth LTEに対応しており、スマートフォンからの制御も可能だ。

さらにこのSBrickはRFコントロールにも対応している。いってみればRF版マインドストーム互換ブロックといった感じだ。プログラムで制御できる機能も増えており、マインドストーム利用者なら誰でも触ってみたくなることだろう。


製作したのはハンガリーのデザイナーおよびプログラマ集団だ。現在はkickstarterにて6万ポンドのキャンペーンを展開中だ。二週間弱のキャンペーン期間を残し、現在のところは4万2000ポンドを集めている。

「もっとLEGOを楽しみたいと思ったのです。私達はリモート制御技術に強みを持っているのですが、これをLEGOと組み合わせれば、非常に面白いプロダクトができあがると考えたのです」と、共同ファウンダーのLénárd Pásztorは述べている。「LEGOにリモートコントロール機能を備えるというのは非常に面白いことだと思うのです。LEGO社すら赤外線通信しか実装していないのが不思議ですが、それならば作ってしまおうと考えたのです」。

本プロダクトはLego社とはなんの関係もなく提供されているものだ。すなわち最悪の場合、訴訟沙汰に巻き込まれる可能性もある。しかしそうした心配はとりあえず脇におき、SBrickとしては各種アプリケーションを開発してシェアしていきたいとも考えているそうだ。スマートフォンをハンドル風にもジョイスティック風にも使ってコントロールすることができ、たとえば自動車と戦車を全く違った風に操縦することもできる。

「LEGOコミュニティからも大いに関心をもってもらっているようです。LEGOが大好きだという人は多く、LEGOをより面白くするツールとして、私達のプロダクトにも興味を持ってもらっているようです。多くの方から賞賛のお手紙を頂いたりもしています」とLénárdは述べている。Lego社が何かしらの対応をとるつもりかどうかは今のところわからない。いずれにせよミサイルを発射できたりするRF戦車が作れるのは楽しそうだ。我が物顔に部屋でくつろぐ猫と対戦することもできるかもしれない。

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壁面をタッチデバイスに変える、Android搭載プロジェクターのTouchPico

TouchPicoというプロジェクターがIndieGogoでのキャンペーンを開始した。これは、今年のCESにも登場したデバイスだ。ミッドレンジのAndroidデバイスとしての機能を持ち、また投影するスクリーンへのタッチを検知するためのカメラを搭載している。TouchPicoを使えば、壁面も大きなアンドロイドタブレットになってしまうわけだ。

先週、編集部ではこのTouchPicoに触ってみたが、そのレスポンスのはやさには驚かされた。正確に「画面」を操作するには付属のスタイラスを利用する必要があるものの、タップやスワイプへの反応速度は迅速で、またアプリケーションを切り替えることも容易に行える。搭載しているAndroidは最新版ではないものの、しかし慣れ親しんだインタフェースで操作することができる。

試してみた際には、子供向けのゲームやYouTube、そしてPowerPointプレゼンテーションなどを行なってみた。結果から言えばFruit Ninjaなどのレスポンスもまずまずだった。またドローアプリケーションへの反応も上々だったと言って良いだろう。但し部屋の明かりを暗くしてみても、Dawn of the Planet of the Apesの予告編ビデオは、あまり綺麗には見えなかった。尚、PowerPointのプレゼンテーションは、Google Playにあるフリーのアプリケーションをダウンロードして試してみた。当然かもしれないが、ノートPCをプロジェクターにつないで行うのに比べれば、もたつきが感じられた。

使ってみればいろいろと不満に感じるところはあるかもしれないが、しかし面白いデバイスであるのは間違いないところだ。HDMI入力も用意されているのでPCやゲーム、あるいはスマートフォンの出力用デバイスとしても利用できる。暗い色調のものを映し出すのは苦手分野であるようだが、明るい感じのアプリケーションなら不満なく表示することができよう。

IndieGogoでの価格は289ドル(早期割引が完了すれば500ドル)となっている。価格的にはiPad Miniの方が安い。多くの人は通常のアプリケーションが問題なく動くタブレットを購入する方を選ぶだろうと思う。表示も壁に映すよりはディスプレイを使う方が綺麗に決まっている。しかし家族向けなどの用途としてとても面白いのではないかと思う。懐かしのボードゲームを遊ぶように、何人かで集って遊ぶことができそうだ。マルチプレイヤーゲームなども面白いかもしれない。

また小さな場所でプレゼンテーションを頻繁に行うようなビジネスユーザーにも役立つデバイスであるかもしれない。プレゼンテーションのたびに神経質にセットアップを行う必要がないというのはメリットだろう。但し、そうしたニーズを抱えた人がどれほどいるのかはよくわからない。

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日本発! デジタルアートワーク作品の活躍場所を広げるFRAMEDが世界を相手に勝負中

本稿で紹介するFRAMEDは、デジタルアートをコンピューター画面から開放し、その活用範囲を広げようということを目的とする。このプロダクトで用いる、ウォルナット材でフレーミングしたフルHDのIPSディスプレイはそれだけでも存在感を持つ。しかしこれを単なるモニターでなく、映し出すアート作品と、モーションセンサーないし音声センサーを通じて「触れ合う」ことができるようにもなっている。

プロダクトを展開しているのは日本のスタートアップであるFRMだ。Kickstarterでプロジェクトを立ち上げたFRAMEDは、目標額の7万5000ドルを軽く突破し、終了日である8月20日までにまだ相当の日数を残しつつ、調達額は26万ドルを超えている。出荷時期は2015年3月を予定している。調達した資金はFRAMED最終的な製品加工に用いることになっているようだ。

ところでFRMは2011年に中村勇吾氏William Lai氏により設立された。中村氏は日本の有名ウェブデザイナーで、ユニクロ、無印良品、およびソニーなどを手がけた経験をもつ。Lai氏は東京のレコードレーベルであるTempleATSのプロデューサー兼ファウンダーだ。

FRMは、今回のKickstarterキャンペーン以前の3年にわたってFRAMEDを開発してきている。またCreative Applicationsを通じてFRMの主催するオープンマーケットプレイスにて流通するアート作品を集めてきている。このマーケットプレイスでは現在32名のアーティストが活躍中だ。マーケットプレイスの運営は3年を数え、サブスクリプションモデルでアート作品の提供を行なっている。今回のFRAMEDでは、デジタルアートの提供範囲をさらに広げたいと狙っている。

「FRAMEDにて、デジタルアートの可能性を感じて欲しいと考えているのです。モーションおよびサウンドセンサーを搭載することで、アーティスト側にとっても、鑑賞者とインタラクトするための仕掛けをいろいろと手に入れることができるわけです。従来のアート作品と比べて、はるかに多くの可能性を実現できると思っているのです」とLai氏は述べている。

FRMのマーケットプレイスで活躍中のアーティスト(作品はFRAMEDに表示することもできる)にはサンフランシスコ在住でソーシャルメディアやトレンド情報のデータをヴィジュアライズする作品などを提供しているAaron Koblinや太極拳マスターで、太極拳の動きを木、水、あるいはコンクリートなどの素材で表現するTai Chiを作成しているUniversal Everythingなどが含まれている。

 

また、フィットネスデータを含めた閲覧者像を画面に表示する「mirror」というプロジェクトも進行中だ。

「さまざまなデータを集め、また各種モーションセンサーからのデータも利用して、さらに睡眠習慣などのデータをビジュアライズして、アート作品を見る人自身の『オーラ』を表現できればと思っているのです」とLai氏は述べている。

FRAMEDに映し出せるフォーマットはGIF、ビデオ、Flash、openFrameworksなど多岐に及ぶ。もちろん外部から入手するアートワーク以外に、自分で用意したデータも表示することができる。24インチのプロダクトが449ドルから、あるいは48インチのものが1500ドルからという価格設定になっている。

尚、デジタルアートに興味を持つ人はElectric Objectsもチェックしておいて損はないだろうと思う。こちらもデジタルアート向けのディスプレイのキャンペーンを展開中で、やはり既に希望調達額を超えている。名前をEO1といい、価格的にはFRAMEDを下回っている。但し、モーションおよびサウンドセンサーを利用することはできない。

FRAMEDについての詳細はKickstarterページをご覧頂きたい。

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キーホルダーにも「スマート化」の波?! ― 予定通知、メールチェック機能などを搭載

世の中、「あらゆるもの」がスマート化しつつある。そうであればキーホルダーのみがその例外であると考える必要もないだろう。

登場してきたSmart Keychainは、そのコンパクトなボディに4つの機能を併せ持つデバイスだ。その機能とはUSBドライブ、カレンダーアラート、メール通知、そしてキーホルダーの場所を通知する機能だ。

ただしこれだけクラウドストレージが身近になった時代、携帯用のUSBドライブが必要なのかどうかは微妙なところだと思う。しかし予定のリマインダーやメール通知機能をキーホルダーに搭載するというのはあり得る話だろう。とくに「スマートウォッチはちょっと勘弁」と思っている人には役立つデバイスとなり得るのではなかろうか。

メール通知についてみると、Smart Keychainアプリケーションでは5人までの人を重要人物としてラベル付けできるようになっている。そしてその5人からのメールが届くと、キーホルダーに通知が来るようになっている。但しチェックは15分間隔となっている。寸刻を争うような事例については、スマートフォンを手元において注意を払い続けるしかなさそうだ。

個人的に最も気に入っているのは、電子的な仕組みというわけではないものの、やはり場所通知機能だ。スマートフォン側から操作することにより、キーホルダーに内蔵されたアラームがなるようになっている。

このデバイスは現在Indiegogoキャンペーン中だ。プレオーダー価格は59ドルからとなっており、USBドライブの容量を8GB、16GB、そして32GBの中から選ぶことができるようになっている。

今のところアプリケーションが用意されているのはiOS向けのみだが、Android版も開発中であるとのことだ。また、健康管理機能やポイントカード機能なども付け加えていく予定であるとのことだ。

詳細はこちらのキャンペーンページで見ることができる。

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