Customer.ioのホームページから学ぶコンバージョン率の改善方法

サイト訪問者を顧客へと転換させることができるホームページは、スタートアップが所有できる最も有用な資産の1つである。

コールドトラフィック(そのサイトで紹介されているビジネスについて知らない訪問者)を顧客へと転換させることができるようになれば、新たなオーディエンスを獲得するために、より多くの時間とリソースを注ぐことができる。

この記事では、マーケターが自分でキャンペーンを設計し、そのようにしてカスタマイズしたキャンペーンを実施するためのマーケティング自動化プラットフォームCustomer.ioのホームページを分析してみようと思う。Customer.ioの顧客リストには、大企業からスタートアップまで、数千の企業が名を連ねている。

ランディングページの主なセクションすべてを分析して、スタートアップのホームページのコンバージョン戦略やコピーライティング戦略に使える点に注目する。

サイト訪問者の注意を一瞬で惹きつける

初めてのサイト訪問者の目に最初に映るのは、ウェブサイトを開いた際にスクロールしなくても見ることができる部分、つまり「ATF(アバッブ・ザ・フォールド)」と呼ばれる領域である。訪問者がそのまま閲覧を続けるか、そのサイトから離れてしまうかは、このATF領域が訪問者にとってどの程度役立つかどうかによって決まるため、ATFは非常に重要な部分である。

Customer.ioのATF領域は、ヘッダー、サブヘッダー、CTA(行動喚起)、顧客からの推薦コメント、視覚に訴える画像という5つの要素で構成されている。1つずつ見ていこう。

画像クレジット:Demand Curve

内容の濃いヘッダーで、訪問者が知りたい情報を伝える

ATF領域では、その企業が何をしているのか、なぜそれが重要なのかを、正確かつ簡潔に説明する必要がある。

訪問者がそのヘッダーを読むだけで、どんなスタートアップなのか、なぜそのスタートアップの製品を使うとよいのかを理解できれば、そのヘッダーは全体的に効果的なヘッダーだということができる。

Customer.ioのヘッダーでは、同社の製品が「messaging workflows(メッセージング・ワークフロー)」という2つの言葉で説明されている。Customer.ioを使えば、ユーザーが理想とするワークフローを構築できるというメリットがあること、つまり全面的にカスタマイズが可能であるということをヘッダーから読み取ることができる。

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サブヘッダーでさらに詳細を説明する

サブヘッダーでは、ヘッダーで掲げている顧客へのメリットをどのように実現させるか、という点を説明する。Customer.ioのサブヘッダーでは、同社のメッセージング自動化プラットフォームを使って、ユーザーが独自のワークフローを構築できることが説明されている。

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サブヘッダーで製品の対象者について簡単に言及することも効果的な場合がある。Customer.ioのサブヘッダーでは、同社の製品の対象者が明確に指定されているため、ユーザーは「自分はハイテクに精通したマーケターだろうか」と考える。自分がそのようなマーケターだと思えば、サイトの閲覧を続けるだろう。あるいは、自分はその対象者には当てはまらないと思えばサイトを離れるだろうが、それはそれでまったく問題ない。

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Customer.ioのサブヘッダーは「データドリブンなメッセージングによって顧客をより深く理解できるため、収益が増加する」という、ユーザーに提供できる最大のメリットについて言及して締めくくられている。

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コンバージョン率を高めるCTAを作成する

CTA(行動喚起)とは、サイト訪問者と企業との関係をさらに深めるために訪問者側の行動を促すためのサイト構成要素である。このように、訪問者側からの行動を促す何らかの仕組みがないと、訪問者を顧客に転換させることは非常に難しい。

大抵の場合は、ATF領域の中に配置するCTAは1つだけにして、ユーザーが通る道を1つに限定することが好ましい。ただし、例えば、デモをリクエストするCTAを配置したのに、デモを申し込む人が少ないことに気づいた場合は「無料トライアル」など2つ目のCTAを配置して試してみるのもよいかもしれない。Customer.ioのサイトでは後者が採用されている。「無料トライアル」のCTAがなければ、数多くの見込み顧客を逃す可能性があることを知っているのだろう。

Customer.ioは、上記のように複数のCTAをユーザーに提示しているとはいえ、本当はデモを申し込んで欲しい、というのが本心である。そのため、デモをリクエストするためのCTAは他のCTAよりも強調された表示になっている。全体デモを申し込むユーザーの方が、コンバージョンへと至る確率も、サイトに留まる確率も他のユーザーより高くなることを、同社は理解しているのだろう。

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画像を使って説明する

その製品ならではの価値をサイト訪問者によりよく理解してもらうために画像が役立つ場合に限り、ATF領域に画像を配置することはよいアイデアだと言える。実際のところ、企業のランディングページで目にするイラスト画像やストック画像は無作為に選ばれたような意味のないものが多い。

イラスト画像を使うな、と言っているわけではない。使うなら、自社の製品の価値を示すような方法で使う必要がある。Customer.ioのサイトでは、プッシュ通知のタイミングを遅らせるワークフローを視覚的に説明する画像が効果的に使われている。

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顧客からの推薦コメントを掲載して信用を高める

顧客からの推薦コメントは、信頼を獲得するうえで必要不可欠なものである。さらに、他の顧客からの評価を掲載することには「皆がその製品について知っている中で、自分だけがチャンスを逃している」とサイト訪問者に感じさせるという目的もある。Customer.ioは、すでに3400社の企業が同社の製品を使用している、とサイトに掲載することにより、信用を確立し、ユーザーの不安を払拭している。また、顧客の中でも著名な企業のロゴを掲載することにより、伝えたいポイントをさらに強調している。

画像クレジット:Demand Curve

その製品ならではの機能を伝える

機能に関する説明は、ランディングページの大部分を占める。機能は、ユーザーにとってその製品が価値のあるものかどうかを判断する材料になる。同時に、ユーザーが抱くであろう懸念や反論についても、機能説明の部分で先を見越して対応する必要がある。

機能を説明する文章を作成する際の定石は、その文章を読む人が直面している問題について強調することだ。顧客が自身の抱える悩みについて説明する際によく使うフレーズを繰り返し使うことができるだろう。

Customer.ioのサイトを閲覧するのは、ハイテクに精通しているマーケターだが、彼らが抱える喫緊の課題を、サイトのコピー文によってさらに誇大する必要はない。Customer.ioは、それよりも、同社の製品を使うことによってユーザーの仕事がどれほど楽になるのかという点をアピールすることに焦点を当てている。

画像クレジット:Demand Curve

1つのセクションに多くの情報が存在する場合は、目立つ画像を使って訪問者の視線を誘導することができる。Customer.ioのサイトでは、黄色い電球の画像を使って、タイトルから段落、画像、顧客からの推薦コメントへと順に読み進めやすいように構成されている。

画像クレジット:Demand Curve

顧客からの推薦コメントを機能説明のセクションに組み込むことにより、機能説明の信用度を高めることができる。下記の画像で示されている通り、Customer.ioのサイトでは、実際のマーケターからのコメントを掲載して、タブウィジェットとして埋め込まれているそのセクションをさらに読み進めたいと訪問者に感じさせる仕組みになっている。掲載されているマーケターと同じ役職に就いている人であれば特に、他社の事例について読み、その決定に賛同する傾向が強い。

画像クレジット:Demand Curve

訪問者がウィジェットに興味を示さない場合は、タブや矢印などのナビゲーション方法をいくつか組み合わせて試してみることができる。

画像クレジット:Demand Curve

二次的な機能で見込み顧客に安心感を与える

サイト訪問者は、ランディングページをスクロールしながら半分ほどまで読み進めたところで疲れを感じる可能性がある。より楽に読み進めてもらうためには、各機能の重要な点を目立たせることができる。Customer.ioのサイトでは、高度なメッセージング・ワークフローを構成するそれぞれのパーツを目立たせて「本当にこれ全部できるの?」と、訪問者にうれしい驚きを提供する仕組みになっている。

画像クレジット:Demand Curve

顧客が自社で活用する方法を説明して、機能を際立たせる

機能について説明する文章には常に顧客にとってのメリットを盛り込む必要がある。顧客が即座に思いつくであろう反論に注意を向けることによっても、同じ目的を達成することができる。信頼に足る企業であることを顧客に感じさせ、顧客に論理的に訴求できるためだ。

Customer.ioのサイトでは自在にカスタマイズできることが強調されているが、そのうちユーザーは、論理的な思考のスイッチが入って「ちょっと待て。同じようなものを以前にもセットアップしようとしたけど、うまくいかなかったじゃないか」と考えるようになる。Customer.ioのサイトでは、技術的な仕様を掲載することにより、そのような考えに前もって対応している。

さらに「わずか数回のクリックで」という表現を強調し、使い方が簡単で、セットアップにわずかな時間しかかからないことをアピールしている。

画像クレジット:Demand Curve

セグメンテーション機能の画像は、Customer.ioの製品を使うことにより、顧客のエンゲージメントが高まることを示唆している。

画像クレジット:Demand Curve

ホームページのコピー文で反論に対応する

マーケターは、キャンペーンのために何千通ものメールを送信することが、どれだけ神経をすり減らす作業となるかを知っている。Customer.ioはこの悩みに注意を向け、テクニカルサポート用のチームとサービスがあることを強調して、その悩みへの答えを即座に提供している。

「自分が送信したメールが届かずに返ってきたり、迷惑メールフォルダに振り分けられたりすることは避けたい。リスクを取ってこのようなサービスを使うべきかどうか、わからない」と考えるユーザーもいるかもしれない。Customer.ioが配信率を最大化するためにユーザーのメールを分析することを確約しているのはそのためだ。

一部のユーザーは、当然のことながら、自社のデータを得体の知れないテック企業に渡して分析してもらうのは怖い、と感じるかもしれない。その点の信用度を高めるために、Customer.ioはデータの保護を保証している。

画像クレジット:Demand Curve

業界における信用を証明する

統計を使うことにより、信用があることをすぐに証明できる。例えば、ある企業が2021年だけで5億3500万件のウェブフックを送信したという事実を伝えれば、それはつまり、その企業が数多くの企業を顧客として抱えており、それらの顧客が同社の製品を使用していることを示すことになる。

扱うことができるデータの量について説明する際にも、文章より画像を活用した方が簡単だろう。

画像クレジット:Demand Curve

最終CTAと顧客からの推薦コメントで締めくくる

Customer.ioのランディングページでは、最後の数セクションで、プライバシー、セキュリティ、信頼について言及されており、それには理由がある。ユーザーの悩みを解決する機能をどれだけ用意したとしても、信頼を築くことなしにユーザーを勝ち取ることはできないことを、Customer.ioは知っている。だからこそ、同社は、どれだけの数の企業が同社に信頼を寄せているか、という点に言及してコピー文を締めくくっており、CTAのすぐ右側に、顧客企業のロゴを配置している。こうすることにより、サイト訪問者が同社に対して持つ信頼感をさらに高めることができる。

画像クレジット:Demand Curve

今回の分析を自社のホームページ作成に役立てるには

今回の分析を自社のホームページ作成に役立てるための主なポイントを以下にまとめてみた。

  • 製品の対象者は誰かを正確にユーザーに伝える。そうすることにより、対象者に該当するユーザーはより注意深くサイトを閲覧するようになり、対象者には該当せず、結局は購入に至らない訪問者をサイトから去らせることができる。
  • デモのリクエストをメインのCTAとしており、コンバージョン率が思わしくない場合は、無料トライアルをCTAとして追加してみる。
  • 画像のスタイルは重要ではない。重要なのは、製品の価値をユーザーに理解してもらうのに役立つ画像を使うことである。
  • 顧客の課題を解決する製品なのであれば、課題自体をそれ以上強調する必要はない。サイト訪問者が感じていることを見極めて、彼らの問題を解決する方法を提示する。
  • 特定の職業を対象とする製品である場合は、同じ職に就いている人たちからの推薦コメントを掲載する。その際には必ずその社名と役職名も掲載する。
  • サイト訪問者がタブウィジェットをあまり見ていないことに気づいたら、複数のナビゲーションオプションを試してみる。
  • 製品に対する最大の反論がセキュリティと信頼なのであれば、その反論に対応するために十分過ぎるほどのスペースを割いても問題ない。‍

画像クレジット:Klaus Vedfelt / Getty Images

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(文:Joey Noble、翻訳:Dragonfly)

コンバージョン率を上げるコピーを書くために避けるべきポイント10選

コピーライティングとは、単に商品を売るために適切な言葉を組み合わせればよいというものではない。売り手がメッセージを発信してユーザーとつながるための手段だ。いくつかの単語を改善するだけで、人々を効果的に説得し顧客獲得につながるコピーを書くことができる。

Demand Curveでは、何千社ものスタートアップが最初の顧客を掴んで成長率を上げることができるよう支援してきたが、その過程で、ランディングページ、広告、メールなどの場面で、コピーの説得力を低下させコンバージョンを妨げるよくある誤りがあることに気づいた。

本稿では、より良い結果を出すためにコピーライティングで避けるべきよくある誤りとその修正方法をまとめてみた。

受動態で書かない

できるかぎり、能動態で書くこと。能動態にすることで、文の主語が強調され、コピー文が短く、かつわかりやすくなる。

次の2つの文の違いを考えてみて欲しい。

  • 当社の製品で緊急の課題をすべて解決してください(能動態)
  • すべての緊急の課題は当社の製品で解決されます(受動態)

マーケティング用のコピーライティングで製品の利点を説明する際には、能動態がとりわけ重要だ。顧客を主役として(顧客の目線で)アクション文として書くこと。顧客が受け取るモノや体験を主語にするのではなく、顧客を主語にする形で文を組み立てることで、製品の利点を思い描きやすくなる。

いくつか例を挙げてみよう。

  • Netflix: Watch anywhere. Cancel anytime.(どこでも観て、いつでもキャンセル)。(悪い例:「Content can be watched anywhere. Your subscription can be canceled anytime.」)。
  • Goodreads:Meet your next favorite book.(次のお気に入りを見つけよう)。(悪い例:「Your next favorite book is waiting to be discovered.」)
  • Mint:Put an end to late fees.(延滞料をなくそう)。(悪い例:「Late fees will end.」)

さらに強い印象を与えるには、生き生きとしたわかりやすい動詞を使うとよい。

一般的な文言

作家で文芸評論家のF. L. Lucas(F.L.ルーカス)が「人に好印象を与えるためではなく人の役に立つために書け」と述べたことは有名だ。それでも多くのコピーライターたちが「ナンバーワンソフトウェア」とか「最高のプラットフォーム」といった一般的なフレーズを使っている。しかし、こうしたフレーズは、読み手に好印象を与えることはあっても、実際に有益な情報を提供することはない。

ルーカスのいうとおり、コピー文は読み手の役に立つものであるべきだ。それには、具体的に書くのが一番である。大げさな主張などの一般的文言を使わずに、読み手のニーズにストレートに応えることだ。

下記のような方法で、コピーに具体性を加えることができる。

ターゲットオーディエンスが考えそうな反論に応える

こちらからのオファーに見込み客が抵抗を示すことを予想し、対応する。例えば、Audible(オーディブル)は「トライアル期間終了前にメールでご案内を差し上げます」と約束することで、いきなりサブスクリプション料を請求されるのではと懸念している顧客に安心感を与えている。

2人称視点で書く

製品を見込み客に直接関連付ける。例えば、ウェディング企画会社Zola(ゾラ)のサービス紹介ページには「私たちはいつもお2人のようなカップルとお話しています。私たちの仕事の中心にあるのはお2人です」と書かれている。このように書くと、3人称でより広く新郎新婦に言及するというより、むしろ個人的に会話しているように感じられる。

例を挙げる

貴社製品の実際の使用例、実際の顧客が貴社製品の利点を享受している例を考える。例を挙げることで、見込み客は貴社製品が自分たちのシナリオに合っているかどうかを判断できる。箇条書きの最後の2つの例は、この記事のヒントを適用する方法についての詳細な基準点になっている点に注目して欲しい。

明確な目的または結果がない

複雑な製品は販売サイクルが長くなることがよくあるが、これは見込み客が理解する必要のある情報が大量にあるからだ。

効果的なコピーライティングは人々を購買行動へと促す。コピーの目的は結局、読み手を説得することだ。結果が出ないならそれはコピーではない。文学だ。

この罠にはまらないようにするには、目的とする結果から逆算して考えてみるとよい。あなたのコピーを読んだ人にどうして欲しいのか。1つ1つの文によって見込み客がアクション(購買)に近づくようにする。

人事ソフトウェア企業Gusto(ガスト)が良い例を提供してくれている。以下に同社のコピーを示す。

「当社ではお客様の個別のニーズに合わせたプランをご用意しています。まずは簡単な質問にお答えください」。このコピーの後に2つのCTAボタンが表示される。1つはアンケートを開始するボタン、もう1つ(「Learn More」ボタン)は、ユーザーを詳細な製品ページに誘導するボタンだ。

「お客様のビジネスに最適なプランを見つけてください」。このテキストの下に「担当者と話す」ボタンが表示される。

「ステップ1:お客様のビジネスとご予算に合ったプランを選択してください」。ここからリンク先の価格ページに移動し、製品比較表が表示される。

見込み客のモチベーションに沿っていない

我々は自分たちを理性的な存在だと考えがちだが、実際にはそうではない。このことは、とりわけ、消費習慣において明らかとなる。我々は感情に動かされて購入し、購入したことを論理で正当化することがよくある。

これをコピーライティングの視点から考えると、見込み客の基本的な願望と感情的な動機に沿ってコピーを作る必要がある。

例として、Wix(ウィックス)とSquarespace(スクエアスペース)のホームページに使用されているヘッドラインを見てみよう。

画像クレジット:Demand Curve

ウィックスのヘッドラインは「Create a website you’re proud of(自慢のウェブサイトを作成しよう)」となっており、単なるウェブサイトではなく見栄えの良いウェブサイトを作りたいというユーザーの願望を引き出している。

画像クレジット:Demand Curve

それに対して、スクエアスペースのヘッドライン「Everything to sell anything(売るための道具はすべて揃っています)」はユーザーの目的に感情的に寄り添っているという感じはぐっと抑えられており、あらゆる製品やサービスを売るための道具一式を提供していることを主張しようとしている(見込み客を説得するために論理的推論を使用した例)。

しかし、実際には、複数の会社を経営しているとか、広範な製品を販売しているといった状況にない限り、大半の見込み客はこうしたツールをすべて必要とすることはない。そうした見込み客で優先度がより高いのは、審美的に楽しいサイトを作成することだ。ウィックスのサイトのヘッドラインはこの目的に適っている。

複雑な言い回しと業界用語

読みやすさとは、書かれたテキストのわかりやすさのことだ。記事の読みやすさが低ければ、分かりづらい。逆もまた然りだ。

なぜ読みやすさが重要なのか。平均的な米国人にとって、7年生(12~13歳)の読解レベルで書かれたコンテンツが最も分かりやすいという研究結果が出ている。文のレベルがそれより高くなると、分かりづらくなる。

読み手を混乱させたり、自分は頭が悪いと読み手に思わせたりするようなコピーはダメだ。結局、何かを読むために時間を費やしたいと思っている者などいないのだから。

分析ツールHotjar(ホットジャー)は製品ページで、同社のソフトウェアの機能について次のようなフレーズを使って説明している。

  • ユーザーが貴社サイトをどのように体験しているのか把握する。
  • ユーザーの振る舞いを視覚化する。
  • ユーザーがどこでクリック、移動、スクロールするかを確認する。

こうした表現はシンプルで分かりやすい。「ヒートマッピングおよびコンバージョンファネルテクノロジー」とか「ウェブサイト視覚化ソフトウェア」といったフレーズよりもはるかに効果的だ。そうした専門用語を使うと分析ツールの知識がない読み手は圧倒されてしまう。

つまり、12歳の子どもに話しかけるときに使うのと同じ語彙で書くことだ。Hemingway App(ヘミングウェイ・アプリ)やGrammarly(グラマリー)などのツールを使えば、コピーの読みやすさを判定できる。

長い文

これは読みやすさの項で最初に指摘した点と関連する。長い文に比べ短い文は分かりやすい。さほど労力をかけなくても読み切ることができる。

解決策は、1文で1つのアイデアを表現することだ。冗長な言い回しは削る。

ウェブサイトで見つけた短くてパンチの効いたコピーをいくつか紹介する。

  • Morning Brew(モーニング・ブリュー):最新の情報とエンターテインメントを無料で。
  • HubSpot(ハブスポット):卓越したカスタマーエクスペリエンスを楽しく作成しよう。
  • Tuft and Needle(タフト・アンド・ニードル):違いを見て感じてよく考えてください。

オーディエンスの語彙で語っていない

良いコピーは情報を伝えるが、卓越したコピーは読み手の心に深い印象を残す。読み手とより深く共鳴するコピーにするには、読み手の語彙を使うことだ。

その良い例として犬愛好家向けサブスクリプションサービスBarkBox(バークボックス)のコピーがある。バークボックスのサイトでは「zoomies(犬が興奮して走り回る様子を示すスラング)」や「doggos(犬を示すスラング)」などの語彙を使って熱心な犬愛好家であるターゲットオーディエンスに語りかけている。

画像クレジット:Demand Curve

同様に、スポーツ用具販売のBrooks Running(ブルックス・ランニング)は製品コピーにランニング関連用語を組み込んでいる。「オーバープロネーション(ランニングなどで、着地の際に足首が内側に傾くこと)」や「ニュートラルランニングゲイト」、および同社のターゲットオーディエンスであるランニングコミュニティに固有の用語で表現される状態に最適なシューズであることを強調している。

想定する顧客の語彙は、次の方法で知ることができる。

  • オーディエンスが参加しているFacebook(フェイスブック)グループ、subreddits(サブレディット)、その他のコミュニティをチェックしてみる。
  • 営業電話、顧客レビュー、サービスチケットを確認する。
  • 見込み客にインタビューする。

よく使われる独特の言い回しやフレーズをメモしておき、コピーに取り入れよう。

弱いヘッドライン

ヘッドラインが強いと人はそのコンテンツを読み続ける。強いヘッドラインと弱いヘッドラインを分ける2つの決定的な特徴がある。

  • 読み手の好奇心を刺激する。
  • 何らかの価値を約束する。

これはランディングページのヘッドラインだけでなく、メールの件名、ブログの投稿の見出し等にも当てはまる。

より目を引くヘッドラインを書くには、以下のいずれかの方法を試してみるとよい。

  • 恐怖感や切迫感を生み出す。例:「あなたの信用度を損なう10の事実をご存知ですか」。
  • 複雑で難しそうなトピックを単純化する。例:「ビットコイン最小必須ガイド」
  • サイトの価値を明確にする。例:「時間と空間とお金を節約するための最高のトラベルハック」
  • よくある反論を認識する。例:「あがり症でもプロのように話す方法」

客観的な評価を組み込まない

読み手はセールストークのにおいをすぐに嗅ぎ分け、嫌う。あからさまなセールストークは一方的で押し付けがましく感じられることがよくあるからだ。誇張したり大げさに言ったりしているのではと懐疑的になることもある。

客観的な評価(他の人が貴社製品を評価している証拠)を追加することで、人は、貴社のコピーを押し付けがましいとかいかさまだとか思わなくなる。つまり、他の人に貴社のセールスを肩代わりしてもらうわけだ。

客観的な評価をコピーに組み込む方法は他にもある。

  • 顧客レビューの気の利いた表現を見出しとして使う
  • 自社製品の顧客数に言及する
  • 結果や利点を数量化する
  • インフルエンサーや大手ブランドなど、自社製品を使用している有名な顧客の名前を挙げる
  • 自社または自社製品が獲得した賞や上位ランキングに言及する

いくつか例を挙げてみよう。

  • Wise(ワイズ):「個人や企業がWiseを使って毎月70億ドル以上を送金し、毎日300万ドルの隠れた手数料を節約しています」。
  • Mailchimp(メールチンプ):「MailchimpはG2によって2021年の世界最高ソフトウェア企業の1つに選ばれました」。
  • Headspace(ヘッドスペース):「数百万人が使っているHeadspaceであなたの生活にマインドフルネスを。平均評価星9、全プラットフォームで7000万ダウンロード」。

特長を強調している

一部のコピーライターは、製品の派手な特長を重視する傾向がある。製品に画期的なテクノロジーが含まれている場合は特にそうだ。こうした特長はもちろん重要だが、それを取り上げても見込み客の最も重要な質問、つまり「私にはどんな利点があるの」という質問に答えていることにはならない。

そのため、コピーでは、製品の特長を強調するのではなく、それによって顧客にもたらされる利点を重視するようにしたい。

例えば、Venmo(ヴェンモ)のウェブサイトでは、同社アプリ独自のさまざまな利点が紹介されている。

  • 「友人と一緒に行った長距離ドライブ、ピクニック、あるいはテイクアウトの料理まで、あらゆる活動の代金を精算します」機能:連絡先に登録された友人とのモバイル送金
  • 「いつでも正しい相手に支払います。同姓同名の人は大勢います。正しい支払い相手を迅速に見つけます。推測する必要はありません」機能:個人QRコード。
  • 「アニメーションステッカー、Bitmoji、絵文字で支払いメモをパーソナライズできます」機能:ソーシャルフィード

機能を利点という切り口で捉えるには、顧客が直面する可能性のある実生活でのシチュエーションを関連付けてみるとよい。機能がもたらす価値ではなく、その機能が威力を発揮する場面が重要なのだ。

まとめ

コピーライティングで犯しがちな誤りを明確にすることはコンバージョン率を向上させるための最初のステップにすぎない。次のステップは実際にコピーを変えることだ。

以下に、本稿で推奨した修正ポイントをまとめておく。

  • 能動態で書く。
  • 例を挙げて具体的に、2人称視点で。
  • 読み手を購買行動に導く。
  • 見込み客の基本的なモチベーションに応える。
  • 複雑な言い回しではなく簡単な言い回しを選択する。
  • 文は短くする。
  • ターゲットオーディエンスの語彙を使って書く。
  • 好奇心を刺激し価値を約束するヘッドラインにする。
  • 客観的な評価を活用する。
  • 製品の機能ではなく利点を重視する。

ランディングページであれ、広告表現であれ、メールであれ、上記の修正を適用することで、コンバージョン率を上げることができる。

編集部注:Joyce Chou(ジョイス・チョウ)は、スタートアップ企業のためのグロース・マーケティング・インサイトを執筆す。Demand Curveのシニアコンテンツリードを務める。

画像クレジット:enviromantic / Getty Images

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(文:Joyce Chou、翻訳:Dragonfly)

AIコピーライティングツールのCopy.aiが2021年2回目の資金調達を完了

Twitter(ツイッター)でCopy.ai(コピーエーアイ)を発表してから1周年を迎えた同社が、再び資金調達ラウンドを確保した。Copy.aiは、GPT-3 AIを搭載し、ビジネス顧客向けにコピーライティングツールを生成するプラットフォームだ。

同社は1100万ドル(約12億5000万円)のシリーズAラウンドを引き寄せた。Wing Venture Capitalがリードし、既存投資家からCraft VenturesとSequoia、新規投資家としてTiger GlobalやElad Gilなどが参加した。3月に発表した290万ドル(約3億3000万円)のシードに続くラウンドとなった。資金調達総額は1390万ドル(約15億8000万円)に達した。

Copy.aiのソフトウェアは月額35ドル(約4000円)かかる。例えば、数行の文章をもとにブログ記事のアウトラインを用意したり、Facebook広告用のリンク説明文を作成したり、さらには会社のモットーを作り出すこともできる。

CEOのPaul Yacoubian(ポール・ヤコビアン)氏とChris Lu(クリス・ルー)氏が共同で創業してから1年、まだ利益は出ていないが、年間経常収益はゼロから240万ドル(約2億7000万円)に増えた。また、従業員も3人から13人になったと、ヤコビアン氏はTechCrunchに語った。

2021年初めに資金を調達したものの、ヤコビアン氏とルー氏はシリーズAの時期がきたと感じていた。チームを拡大し、新しい製品機能実現に向けエンジニアを増員するためだ。最近の機能としては、ユーザーがアプリ内で直接、考えを整理したり、アイデアを保存したり、メモを編集したりすることができる「Editor」がある。Copy.aiは、長編コンテンツ制作のための製品も開発している。

「AIはパターンマッチングに長けており、ビジネスに関する情報を多く与えると、そのビジネスが何なのかを推定することができます。そのため、私たちはチーム製品も開発しています。AIがより多くを学習すると、他のビジネスユーザーを招待して登録することができます」とヤコビアン氏は付け加えた。

同社は、新たな資本を採用に投入する。完全なリモートチームで、全国に従業員がいる。eBay、Nestlé、Ogilvyなど、すでに30万人以上のマーケターがCopy.aiのツールを利用している。シードラウンド以降、25万人以上が無料トライアルに登録し、5000人以上のプレミアム顧客を抱える。

ヤコビアン氏によると、Copy.aiはAIによる自然言語生成に早くから取り組んでいる。まだ表面的なものにすぎないため、今後もアプリのコアとなる体験や生成するテキストの質を向上させていくとのことだ。

創業者らは、Wing Venture CapitalのパートナーであるZach DeWitt(ザック・デウィット)氏とも意気投合した。ヤコビアン氏によると、デウィット氏は、Copy.aiのビジョンと人工知能がどれほどマーケターの役に立つかを理解しているという。

「AIのクリエイティブな能力を前にして、自動化が仕事を奪うという話はよく聞きますが、自分や自分の会社のために価値を生み出すという語り口はあまり聞きません」とヤコビアン氏は話す。「AIが進化すれば、エンパワーメントの源となり、無限の可能性を秘めたもう1つのツールとなるでしょう。人的資本を解放し、フルタイムの代理店を雇う余裕のない小規模な企業に対し、迅速でシンプルな問題解決ツールを提供できる点が興味深いと思います」。

デウィット氏は、デジタル化の進展とともに、顧客はオンラインへ移行する一方であり、企業はニュースレター、ブログ、ソーシャルメディア、電子メールなど、顧客が読むものに合わせて対応する必要があると述べた。

同氏は、Copy.aiを利用する中小企業の顧客と話をする中で、書かれたコンテンツの量に圧倒されている人がいること、また、マーケターや創業者が優れたコピーを書けるようにするには、AIを利用するのが最適であることを感じたという。

デウィット氏自身、この製品を使って、最初の社内向けのメールを作成した。また、毎週ブログを書き、Twitterでも活動しているため、ブログ記事のアイデアやコンテンツのフォーマットを考える際にCopy.aiの製品を重宝しているという。

さらにデウィット氏は、Wing Venture Capitalが出会った若い会社の中でも、Copy.aiは最も急速に成長している会社の1つだと付け加えた。また、ソーシャルメディアを活用し、Copy.aiの諸数値を公開している。それがロイヤリティを生むとともに、当初Wingがこの会社に惹かれた側面を他の人も公に知ることができる。

「今回のラウンドは大幅な申し込み超過でした。会社への関心の高さ、チームの質の高さ、勢いの強さを感じていただけると思います」とデウィット氏は付け加えた。「クリスとポールには、将来の成功のために投資家を選ぶ贅沢がありました」。

画像クレジット:Copy.ai

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(文:Christine Hall、翻訳:Nariko Mizoguchi

ライティングのプロに聞く、スタートアップのホームページのコンバージョン率を倍にする方法

編集部注:Nick Costelloe(ニック・コステロ)氏は、Demand Curveのコンテンツ責任者として、実用的なグロースマーケティングのインサイトを執筆している。

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私たちは、当社Demand Curve(デマンド・カーブ)と当社の代理店Bell Curve(ベル・カーブ)の仕事を通じて、ほぼすべての業界にわたり、スタートアップのために1000以上のウェブサイトのリライトを行ってきた。

これから紹介するコピーライティング戦術に従えば、サイト訪問者を顧客へと変えるコンバージョン率を倍にできるだろう。

アバブ・ザ・フォールド(Above the fold)のすべてを使って核心を伝える

ウェブサイトのトップページを開いて、スクロールせずに見ることができる画面領域を「アバブ・ザ・フォールド」、またはファーストビューという(紙媒体の新聞を考えてみよう。文字通りの折り目(フォールド)の上にあるものすべてが、その紙面で最も重要な情報である)。訪問者は、その画面領域に表示されるコンテンツを見て、スクロールして閲覧を続けるか、閲覧を終了するかを決める。

何をする会社なのか、自分の目的にかなう会社なのかどうかを、訪問者は数秒で判断しようとするということだ。

私たちは、スタートアップが犯しがちなある間違いに気づいた。それは、ファーストビューに表示されるコンテンツがおもしろくない、あるいはわかりにくいことだ。この間違いは多くの場合、マーケティング担当者がファーストビューにコンテンツを詰め込み過ぎることが原因である。

実のところ、ウェブサイトに掲載されている情報のほとんどは新しい訪問者とは無関係である。だからこそ、ファーストビューでは、新しい訪問者が抱える特定の問題を解決するためにその企業がどのように役立つかを説明すべきだ。

例えば、技術系ブログの最新記事を投稿したことをファーストビューで宣伝しても、その企業が何をしているかを知らない訪問者にとっては何の役にも立たない。

訪問者をさらに混乱させているのが、多くの企業がトップページに表示している、項目の多いナビゲーションバーだ。このナビゲーションバーを使えば、理論上は、ウェブサイト内の任意のページに簡単にアクセスできるようになるが、実際のところ、訪問者はナビゲーションバー内の項目を選ぶのに疲れてしまい、コンバージョン率も低下する。

その企業が何をしているのか、訪問者の目的にかなう企業なのか、という疑問に対して直接的に答えるコンテンツのみをファーストビューに表示し、それ以外はファーストビューから削除すべきだ。

ホームページのコンバージョン率を上げるには次の3つの方法がある。

  1. 「刺さる」ヘッダーを作る
  2. サブヘッダーを使ってヘッダーを補足する
  3. 意図を持ってデザインする

この記事では、上記の3つの分野を改善する戦術について取り上げる。

集団ではなく個人に訴求するヘッダーを書く

ヘッダーはウェブサイト上で最も大きなテキストだ。10ワード以内(推奨する最長の単語数。ただし、これは英語の場合)で、次の3つを達成する必要がある。

1.顧客が貴社の商品からどのように価値を得られるかを明らかにする。

これは最も重要な価値提案である。貴社の商品からどのように価値を得られるかを10ワード以内で説明できなければ、訪問者の注意を長く引き付けておくのは難しいだろう。

ここでは、貴社の主要な価値提案を明らかにする方法を説明する。

  • 貴社の商品を入手できないときに使用される質の悪い代替品にはどのようなものがあるか。
  • 貴社の商品が質の悪い代替品より優れている点は何か。
  • 最後のステップを行動ステートメントとして言い換えると、それが価値提案になる。

Airbnb(エアビーアンドビー)を例として考えてみよう。

  • 質の悪い代替品は、おもしろみのないホテルに閉じ込められ、本物の文化を体験できないことである。
  • Airbnbのサービスが質の悪い代替品よりも優れている点は、地元住民の家に滞在できる点である。
  • 2つ目の点を行動ステートメントとして言い換えると「初めての街での体験を、まるで住んでいるかのように楽しめる」という価値提案が得られる。

以下に、有名なスタートアップの例をいくつか紹介する。

画像クレジット:Demand Curve

2. 訪問者に読み続けてもらうための魅力的な仕掛けを組み込む

貴社がどんな会社かを訪問者に伝えられたらまずはひと安心だが、次は、貴社の商品に対してワクワクさせる必要がある。

多くのスタートアップは、ウェブサイトのコピーのせいで大きなチャンスを逃がしている。そのコピーが行動指向型ではないからだ。顧客が24時間いつでも買い物ができる世界では、訪問者が今すぐ行動を起こさなければならない緊急性はほとんどない。

フック(仕掛け)を組み込むことによって、訪問者が最初の訪問時に買い物をする可能性が高まる。

仕掛けを組み込むには次の2つの方法がある。

  • 大胆に宣言する:顧客が「へー。こんなことができるなんて知らなかった」と考えるように、極めて具体的な内容にする。

画像クレジット:Demand Curve

  • よくある反対意見に答える:訪問者がすでに考えている可能性の高い疑問や反論に答える。反論にすぐに対処するのは意外に感じるかもしれない。しかし貴社の弱点に注意を向けることによって、訪問者は貴社ブランドへの信頼感を高めるだろう。直販チームがいないため、コピーを駆使してできるだけ多くの疑問に対処する必要がある。

以下は、最も大きい反論に前もって対応している有名スタートアップの価値提案の例である。

画像クレジット:Demand Curve

3. 想定する顧客ペルソナに直接訴える

ヘッダーのメッセージで訪問者の心をとらえるには、顧客ペルソナに直接訴えるように価値提案を書き直す必要がある。

そのためにまず、上位2~3の顧客ペルソナをリストアップする。そして、商品の中でそのペルソナが最も重視する部分を取り上げるようなヘッダーに作り直す。業界用語ではなく、想定した顧客ペルソナが普段使う言葉で書くことが重要だ。顧客が貴社の商品のどこを気に入っているかをウェブサイトで示すには、1対1のインタビューを掲載するか、顧客の成功事例を簡潔に紹介するのが最も効果的だろう。

想定する顧客ペルソナに直接訴えるヘッダーを作成した後は、どのヘッダーがコンバージョン率を上げるかを判断するA/Bテストを実施したり、各ヘッダーを使用してカスタムのランディングページを作成し、さまざまなソースからのトラフィックを特定のページに誘導したりできる。

例えば、ゲストのブログ投稿に貴社のウェブサイトへのリンクを追加する場合、最も関連性の高いヘッダーが表示されるページにその閲覧者を誘導する。

以下は、同じスタートアップのために書かれた複数の価値提案の例である。

画像クレジット:Demand Curve

サブヘッダーを使用してヘッダーに書かれた内容の実現方法を説明する

あなたの時間の約50%をヘッダーの作成に、25%をサブヘッダーの作成に費やして欲しい。ヘッダーがおもしろくなければ、訪問者はわざわざサブヘッダーを読むことはないからだ。

サブヘッダーは次の2つのことを詳しく説明するために使用する。

  1. 貴社の商品の機能に関する正確な説明
  2. ヘッダーに記載した大胆な宣言の根拠となる機能・特徴

上位2~3つの機能・特徴を利用して、ヘッダーに書かれた内容を実現する方法を説明できる。

例えば、Airbnbのヘッダー「地元体験型の休暇をお楽しみください。最低滞在日数はありません」について考えてみよう。

この文の根拠を示すには「地元体験型の休暇」と「最低滞在日数なし」をどのように可能にするかを説明する必要がある。

サブヘッダーには「お住まいの地域にある何千もの短期賃貸物件を扱うオンラインマーケットプレイスです」などと書くことができる。

サブヘッダーやヘッダーには業界用語や技術用語を使用せず、小学校5年生の読者でも理解できる言葉を使用する。文章は短くすること。また、長い段落は読者の勢いをそいでしまう。

以下に、サブヘッダーを使用してヘッダーを説明している例をいくつか紹介する。

画像クレジット:Demand Curve

親しみやすく期待通りに機能するホームページを作る

高いコンバージョン率を持つホームページを作成する際に検討すべき最後の点はデザインだ。多くのハイテクスタートアップは、その独創性を見せつけるためにウェブサイトを利用している。

私たちの経験から言わせてもらえば、ウェブサイトは独創性を発揮する場所ではない。

ウェブサイトのデザインは独創的であるべきではない。独創的であるべきなのは商品である。ウェブサイトは商品の独創性を伝えるための一般的な媒体でしかないのだ。

機能性

他のウェブサイトでも広く利用されている使い慣れたボタンとナビゲーションを使用すると、訪問者がウェブサイトの機能を覚える手間が省ける。例えば、私たちはページの左上に「ホーム」ボタンがあるものだと思っている。右下に同じボタンを配置して独自性を出そうとすると、混乱が生まれ、おそらく顧客を失うことになるだろう。うまく機能しているものに忠実であるべきだ。

画像

ホームページに画像を追加するときは、次の目的を検討しよう。

  • 実際に動いている商品を見せることによって、不安要素を取り除く。GIFやループ動画は、スペースを取らずに商品の仕組みを示す優れた方法である。

画像クレジット:Judy

  • 物理的な商品を販売する場合は、画像を使って、素材や生地のさまざまな使用事例とクローズアップを示す。これにより訪問者は商品の品質を評価し、商品が自分たちにふさわしいかどうかを検証できる。

画像クレジット:Allbirds

行動喚起ボタン

行動喚起ボタン(CTA)は、ウェブページの訪問者をアクティブ顧客に変換する場所である。したがってCTAは、ヘッダーコピーの中に組み込んだ仕掛けの延長線上に配置しなければならない。

CTAボタンのコピーは、行動に焦点を置き、クリックしたら何が起きるかを訪問者に伝えるものにする。

以下に紹介するCTAボタンは、ヘッダーコピーからストーリーが続いているため違和感がない。

画像クレジット:Demand Curve

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画像クレジット:Anna_leni / Getty Images

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(文:Nick Costelloe、翻訳:Dragonfly)

マーケター向けプラットフォームのUnbounceが自動コピーライティングのSnazzy.aiを買収

Unbounce(アンバウンス)は、カナダ・バンクーバーのスタートアップで、マーケターが自動化されたランディングページを作る機能で知られている。現地時間5月19日午前、同社は自動コピーライティングのアーリーステージスタートアップであるSnazzy.ai(スナジー・ドット・エーアイ)を買収して、新たな特色を加えた。両社とも買収条件を明らかにしていない。

Unbounceの最高戦略責任者であるTamara Grominsky(タマラ・グロミンスキー)氏は、会社はUnbounceユーザーが顧客を売上へと転換するのを助けることに焦点を当てており、Snazzyが加わることで、GPT-3人工知能技術に基づく優れたテクノロジーを手に入れたと語った。

「現在、当社では、マーケターがコンピューターを使ってコンバージョンの真の可能性を引き出すためのコンバージョン知識ソフトウェアの開発に注力しています 【略】 Snazzyには、特にコンテンツ作成とコピー制作の分野で当社の戦略を加速してくれることを大いに期待しています」とグロミンスキー氏は説明した。

グロミンスキー氏は、ランディングページの管理を任され、コピーライティングを含むさまざまな業務に責任をもつマーケティングゼネラリストがこの製品の真のターゲットだと指摘する。「Unbounceの平均的顧客は専門のコピーライターではないので、1日中コピーを書くことはありません。私たちがマーケティングゼネラリストやマーケティングの広い範囲の責任を持つ人について考えているのはその点です」と彼女は言った。

Snazzyの共同ファウンダーであるChris Frantz(クリス・フランツ)氏は、この技術は人々にスタートを切らせることが第一で、必要に応じて結果は微調整できるという。「いつでも最もむずかしいのは、最初の1行、最初の1ページに最初の何ワードかを書く部分です。Snazzyはそれを完全に取り除きます。結果はいつもすばらしいコピーになるとは限りませんが、何度でもボタンをクリックしてやり直せるが良いところです」と彼はいう。

フランツ氏は、この分野の競争は非常に激しいため、Unbounceのように大きなプラットフォームソリューションの一部になることで、ずっと早く市場を作れると彼と共同ファウンダーは考えたと語った。

「私はUnbounceの未来に対するタマラさんのビジョンが大好きです。彼女は非常に野心的なビジョンを持っていると思います。プロセスのごく早い段階で彼女は私の心を掴みました。同時に、この分野には数多くのライバルがいるので、Unbounceのように長年のマーケティング経験とコミュニティの厚い信頼をもつ会社と組むことは大きな差別化になります。当社のオーディエンスをさらに拡大する非常に強力なバネになると思っています」。

Snazzyは、ランディングページからGoogle広告のコピーまで、あらゆるタイプのコピーを書くために使える。会社は2020年10月にアルファ版を公開し、すでに3万社の顧客がおり、Unbounceはそれを自社の顧客に変換することを望んでいる、とグロミンスキー氏はいう。Snazzyユーザーにとってはうれしいことに、UnbounceはSnazzyを今後もスタンドアローン製品として継続しながら、今後そのテクノロジーをUnbounceプラットフォームに組み込んでいく計画だ。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Unbounce買収コピーライティングカナダ

画像クレジット:grivina / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Nob Takahashi / facebook