飲食を楽しめる映画館「Alamo Drafthouse」がオンデマンドストリーミングを開始した理由

我々がまだ映画館に行けたころ、映画を見ながら飲食を楽しめるAlamo Drafthouse(アラモ・ドラフトハウス)は私にとって唯一無二の場所だった。上映中の観客のおしゃべりは一切禁止、そして素敵なビールの品揃えでも知られるこの場所は、私のパラダイスだ。楽しみにしている映画があれば、1時間余計に車を走らせてでもAlamoに見に行ったものだ。

どこの映画館もそうだが、Alamoの運営も当然のことながら悲惨だ。新型コロナウイルス感染拡大が落ち着くまでは休業している。この時期にAlamoは「Alamo On Demand」というストリーミングサービスを開始した。

オンデマンドビデオプラットフォームの構築は技術的に難しく、40館程度の比較的規模の小さい映画館のチェーンが自前で取り組むようなものではない。そこでAlamoは、ScreenPlusと提携してサービスを構築している。

Alamoが映画のキュレーションと選択を担当し、ScreenPlusがDRMやジオブロッキング(位置情報に基づくアクセス制限)など技術的な部分を担当する。このプラットフォームで配信される映画の大半はレンタルと購入の両方に対応し、価格はタイトルにより異なる。

Alamoは、タイトル数は無尽蔵で太刀打ちできないGoogle PlayやAmazonに対抗しようとしているわけではない。Alamoが提供する映画は、同社のスタッフが個人的に推薦している作品だ。ここにある作品はAlamoのお墨付きというわけだ。

「地獄の黙示録」や「パラサイト」のような有名作品から、誰かが勧めてくれなければ見逃してしまうようなカルト的な作品まで、幅広く、じっくり見たいラインアップになっている。これがまさに、このサービスの狙いだ。

Alamoによれば、現在公開されているのは最初のビルドで、さらに開発を進めているという。現在、iOSとAndroidのアプリを開発中だ。またAlamo Victoryプログラムとも紐づけて、以前にシアターで見た作品は割引価格で購入できるなどのサービスも目指している。

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(翻訳:Kaori Koyama)

ストリーミングが過去最高を記録、2019年全音楽売上の80%を占める

ストリーミングサービスが音楽全体の売上に占める割合が過去最高を記録した。RIAAの年末レポートによると、2019年のストリーミングサービスの売上は前年比20%増の88億ドル(約9710億円)で、レコード音楽の売上全体の79.5%を占めた。

このレポートで言う「ストリーミング」には、広告付きサービスのVevoやYouTube、Spotifyの広告付きプラン、PandraやSiriusXMなどのストリーミングラジオサービス、そしてSpotify PremiumやApple Musicのような有料サブスクリプションなどさまざまなサービス形態が含まれている。

ストリーミングと言えば、アーティストや作曲者、レコード会社への支払い方法など、業界としてさまざまな課題を抱えているが、音楽業界全体の著しい成長を後押ししている。RIAAによると、米国の2019年のストリーミング市場は、2年前の米国のレコード音楽市場〈全体〉よりも大きいという。

さらに、2019年のレコード音楽売上は前年の98億ドルから111億ドル(小売り価格)へと13%増えた。これで4年連続して2桁成長を達成したことになり、これは有料サブスクリプションサービスの増加によるものだとRIAAは分析している。

サブスクリプションサービスの売上シエアは最大で、2019年の売上成長手も最大の割合を占め、総売上は前年比25%増の68億ドルだった。この数字には、Pandora Plusのような有料サブスクリプションサービスの「限定プラン」の売上8.29億ドルも含まれている。Amazon Prime Musicもこのカテゴリーに入っている。

こうした売上の伸びは、オンデマンド音楽にお金を払うユーザーが益々増えていることが理由のひとつだ。2019年の有料サブスクリプション数は6040万件で2018年の4690万件から29%も増えた。これは、各サービスが無料の広告付きプランユーザーの一部を有料サブスクリプションに切り替えさせることに成功している兆しといえる。

広告付きサービスも伸びており、2019年は前年比20%増の9.08億ドルで、5000億以上の局を1億人以上の米国リスナーにストリーミングした。広告付きサービスは広く利用されているものの、売上面では音楽売上全体のわずか8%しか占めていない。

一方、ラジオサービスの人気は下降気味で、2019年の売上は4%減の11.6億ドルだった。

ストリーミングサービスの伸びは、デジタルダウンロード売上も奪っている。2019年のダウンロード売上は2006年以来初めて10億ドルを割り、前年比18%減の8.56億ドルだった。アルバムのダウンロードは21%減の3.95億ドル、単独トラックの売上も15%減って4.15億ドルだった。

広告付きサービスと同じく、ダウンロードのシェアも昨年の全売上の8%に過ぎなかった。

CD、レコードなどの物理媒体の2019年売上は前年比微減(0.6%)の11.5億ドルだった。レコード盤は1988年以来最高の売上を記録し、5.04億ドルに達した。しかし、物理媒体製品が全音楽売上に占める割合はわずか4.5%だった。

画像クレジット:stockcam Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

無料ストリーミングサービスのTubiが12月の月間アクティブユーザー数を2500万人と発表

無料ストリーミングサービスのTubiが成長している。米国時間2月11日、同社は月間アクティブユーザー数が20196に発表した2000万人からさらに増えて、2019年12月時点で2500万人に達したと発表した。同社のユーザーの12月の合計視聴時間は1億6300時間で、前年比の160%だという。

Tubiは、2019年には米国以外の市場でも大幅に成長し、カナダとオーストラリアでは合計視聴時間が357%増加したとしている。

同社は、ユーザー数と視聴時間をTubiブランドのアプリが操作されているユニークデバイスの数から算出しており、組み込み型のプレイヤーやクリップは含めていないという。

これらの数字が信頼できるとすれば、Tubiは消費者がテレビを見ている時間の相当な部分を獲得したことになる。

12月は数字が大きくなる傾向があることにも注意が必要だ。クリスマス休暇の時期で、人々がテレビを見る時間はいつもより多い。

とはいえ、Tubiが発表した数字は、Netflixを補うものとして無料の広告付きストリーミングを受け入れる消費者が増えていることを表している。ことに、ライブラリの人気タイトルはストリーマーのコンテンツとは一線を画す。市場にはストリーミングプロバイダが提供する選択肢(その多くは費用がかかる)があふれているが、Tubiはその市場において独自の地位を築いている。

また、Tubiの視聴者数の増加は2019年に取り組んできたパートナーとの連携からもたらされたようだ。

現在Tubiは、Roku、Fire TV、Apple TVなどのストリーミングデバイスや、さらにモバイル、ウェブ、ゲーム機でも見ることができる。ComcastやCoxといったテレビプロバイダとも契約し、現在でも大きな市場である有料テレビの視聴者に無料のストリーミングライブラリを提供している。 さらに最近ではテレビメーカーのHisenseと契約する一方、スペイン語のコンテンツを提供するためにメキシコのテレビ局のTV Aztecaとも契約したと発表した。

Tubiはワーナーブロス、パラマウント、ライオンズゲートなど250以上のコンテンツパートナーを得てサービスを加速させている。コンテンツに1億ドル(約110億円)以上を投資して、2020年には現在2万本ある映画や番組のライブラリをさらに増やす計画だ。

同社は、従業員が2018年より78%増え、2019年末には正社員が229人になったことも発表した。

Tubiにライバルがいないわけではない。プラットフォーム企業は無料ストリーミングの市場に参入している。Rokuは無料ストリーミングハブのRoku Channelを開設し、AmazonにはFire TVなどで見られるIMDb TVがある。ViacomCBSも買収によってPluto TVを持つことになり、ウォルマートは無料映画サービスを含むVuduの運営を続けている。今年後半にはNBCUも独自の無料広告ストリーミングサービスを提供するPeacockを始める計画だ。

TubiのCEOのFarhad Massoudi(ファルハド・マスディ)氏は発表の中で「昨年の我々の成長は、現在の混乱した市場において我々の集中戦略が成功したことの証明だ。世界中の人々がサブスクリプションビデオを補完するものとしてTubiを受け入れたことを喜び、2020年には優れたコンテンツのライブラリをさらに増やす計画だ」と述べている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

2019年Q4に米国で最もダウンロードされたDisney+アプリ

2019年第4四半期におけるアプリのトレンドを調べたSensor Towerの最新データで、米国の消費者はDisney(ディズニー)の新たな家族向けストリーミングサービスDisney+に強い関心を示したことが明らかになった。米国で11月半ばに提供が開始されたDisney+は、同四半期中に3000万回以上ダウンロードされた。この数は、その次にダウンロードが多かったTikTokの2倍超となる。

ダウンロード総数はAppleのApp StoreとGoogle Playの合計で、App Storeで1800万回、Google Playでは1200万回超だった。第4四半期で最もダウンロードされたアプリであったのに加え、Disney+はApp StoreとGoogle Playの両方でダウンロード最多だった。

App Storeでは、4四半期連続でYouTubeがダウンロード数トップの座をキープしていたが、2019年第4四半期はDisney+がYouTubeとTikTokを抑えてダウンロード最多となった。またDisney+は、Google Playでも大きな記録を打ち立てた。1四半期で米国でのダウンロード数が1000万回を超えたのは2017年のFacebook Messenger以来のことだ。

売上高に関しては、Disney+は最初の30日で5000万ドル(約55億円)超を売り上げ、他のビデオオンデマンドストリーミング(SVOD)のHBO NOWや Showtimeを上回った。また12月にDisney+は、HBO NOWの米国における最高月間売上高よりも多く売り上げた。HBO NOWでは「Game of Thrones」の最終シーズンが放映された月に売上高は急増したが、その月よりも多かった。

第4四半期のDisney+の売上高は、米国におけるSVOD全体の売上高の16%を占めた。11月半ばのサービス開始だったことを考えると驚くべき数字だ。また、Disney+の12月の売上高がNetflixのこれまでの最高売上高の71%に達したことも注目に値する。

加えて、Disney+の米国における3000万件ものインストール数は、2019年通年でのHuluとAmazon Prime Videoのものよりも多い。

とはいえ、サービスを立ち上げた第4四半期のSVODダウンロードの34%をDisney+が占めたものの、他のSVODアプリのダウンロード数も対前年同期比で12.5%、対前年比で4.7%成長した、とSensor Towerは指摘する。これは、Disney+が他のストリーミングサービスのシェアを奪っているのではなく、マーケットが拡大していることを意味するようだ。

Disneyのブランドはパワフルだが、その一方でサービス開始のタイミングも功を奏した。米国のストリーミングマーケットを少しずつ着実に開拓してきたNetflixと異なり、消費者はすでにストリーミングサービスに親しんでいて、新たなストリーミングアプリを喜んで試す状態にある。またDisney+は、人々がエンターテインメントアプリやゲームにより時間を費やすホリデーシーズンに先駆けてサービスを開始した。さらにインストール数を増やそうと、いくつかの販促も実施した。1つは1年間無料というVerizon(TechCrunchの親会社だ)とのもの。もう1つはGoogleとのもので、Chromebookオーナーに3カ月無料サービスを提供し、Disney+、ESPN+そしてHulu3つ合わせて1カ月12.99ドル(約1400円)へとディスカウントした。

サービス開始から2カ月たった現在、App StoreとGoogle Play合わせて世界中のインストール数は4100万近くに達し、消費者の支出は推計9720万ドル(約107億円)だ。

売上高の数字は驚異的で、最初の30日間で5330万ドル(約59億円)を売り上げ、2カ月目は4390万ドル(約48億円)だった(この数字には米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、オランダのものが含まれている)。

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(翻訳:Mizoguchi

Spotifyはポッドキャスト強化に本気だ

静聴。Spotifyはポッドキャストの強化に本気だ。同社はこれまでもポッドキャストの普及に大金を使ってきた。大金といったらとんでもない大金だった!しかも今後さらに多額の投資をする構えだという。

もちろん音楽ビジネスも好調だ。しかしSpotifyは2019年だけでもポッドキャストのプラットフォーム整備に4億ドルから5億ドルも投資してきたのだからみんなポッドキャストを聞いてもらわないと困る。今週、Spotifyはすぐに好みのポッドキャストを開くことがきるボタンを導入した。

「ポッドキャストの好みのテーマ」を尋ねるこのポップアップは Vergeが最初に見つけたが、当面は米国、英国、メキシコ、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランドといった英語圏の国とブラジルでまだポッドキャストを聞いていないユーザーに対して表示されるようだ。しかしすぐに世界のユーザーに表示されるようになるだろうと思う。Spotifyはポッドキャスト分野には比較的新しい参入者だ。今もポッドキャストは急成長を続けているが多くのリスナーはすでにお気に入りのポッドキャスト・プラットフォームを持っている。

そこでSpotifyはポッドキャストの強化に大変な力を入れており、多数の人気ポッドキャストを無料で提供するなどライバルとの差別化に懸命だ。今年は「2019年のまとめ」に音楽だけでなくポッドキャストも含めた。もっともこのリストには1、2回聞いただけのアーティストもフィーチャーされるが。

いずれにせ好みのポッドキャストを発見するディスカバリー・システムはきわめて重要だ。ユーザーの好みを推定して「お勧め」として表示する以外にどういう方法があるのか各プラットフォームとも試行錯誤を繰り返している。Spotifyでは同社のプラットフォームだけでなく、外部のポッドキャストも含めて推薦している。この方式が巨額の投資に見合うだけのリターンをもたらすかどうか興味深い。

【Japan編集部追記】Spotifyのデスクトップ・アプリのホーム左サイドバーには「ポッドキャスト」ボタンが表示される。また検索バーからカタカナで「ポッドキャスト」と入力すると日本語ポッドキャストを検索できる。Androidアプリではスクロールダウンすると「2019年、話題になったポッドキャスト」が表示される。また「検索」タブにも「ポッドキャスト」ボタンが表示される。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Netflixがディズニーに対抗、インドでのコンテンツ制作に460億円投資

Netflix(ネットフリックス)は、世界最大のエンターテイメントマーケットであるインドで引き続き攻勢をかける。インドで同社はディズニーを含む36社超のライバルと競っている。

Netflix最高責任者であるReed Hastings(リード・ヘイスティングス)氏は12月6日、同社が今年から来年にかけてインドでのコンテンツ制作とライセンシングに300億インドルピー(約460億円)を投入すると述べた。「今年と来年、我々はコンテンツ制作とライセンス交付に300億インドルピーをあてる計画で、多くのコンテンツを提供する」とニューデリーであったカンファレンスで述べた。

この稀な発表はたちまち街の噂になった。同業トップ5社に入る企業の幹部は「我々がここ数年コンテンツに投資してきた額を大幅に上回る」とTechCrunchに語った。別の業界筋は「コンテンツだけにこの規模の投資をするインドのストリーミングサービスは他にない」と話した。

他のストリーミングサービスが一体いくらコンテンツに注ぎ込んでいるのか正確なところは明らかではないが、会計・コンサルティング会社のKPMGの最近のレポートではHotstarが今年7本のオリジナル番組の制作に約1700万ドル(約18億円)を使い、Eros Nowが5000万ドル(約54億円)をかけて新番組100本を制作したとしている。レポートではコンテンツのライセンシングの費用については触れていない。

200カ国・地域を超えるグローバル展開の一環として2016年初めにインドマーケットに参入したNetflixはこれまでに24本を超える番組・映画をインドで制作し、俳優Shah Rukh Khan(シャー・ルク・カーン)氏のRed Chillies Entertainmentを含む多くの現地スタジオと提携した。

ヘイスティングス氏は、スリラー「Sacred Games」やアニメ番組「Mightly Little Bheem」など、Netflixがインドで制作した番組のいくつかは「世界で放映された」と話した。子供向けの番組「Mightly Little Bheem」にいたってはインド国外の2700万世帯が視聴している、とした。

来年グローバルでコンテンツに150億ドル(約1兆6300億円)をつぎ込む予定のNetflixは、インドの購読者数を明らかにしていない。ちなみにグローバルでは1億5800万人を超える。しかし100人を雇用するインドでの同社の財政状況はこのところ改善してきている。3月末年間決算で同社は売上高6500万ドル(約70億円)を計上し、インドでの事業は72万ドル(約7800万円)の黒字だった。

巨大なインドマーケット

グローバルテクノロジーとエンターテーメントの企業にとってインドは最新の急成長マーケットの1つとなっている。Boston Consulting Groupによると、インドの人口13億人のおおよそ半分がインターネットを使用していて、インドのオンデマンドビデオマーケットは今後4年間で50億ドル(約5400億円)に成長することが見込まれている。

しかしサービス購読料を払うインターネットユーザーの割合、あるいは潜在的な有料ユーザーの数は極めて少ない。インドで展開されているほとんどのサービスは広告で収入の大半を稼いでいる。リカーリングモデルに頼っているサービスはインドでの提供コンテンツに大幅に手を加えている。

インドでサービスをより浸透させるために、Netflixは今年初め、新たな月間料金サービスを導入した。月2.8ドル(約300円)払えばモバイルデバイスでストリーミングをスタンダード画質で楽しめるというものだ(その後Netflixはこのサービスをマレーシアにも拡大した)。

Netflixはインドで、オンデマンドビデオストリーミングサービス36社以上と競争を展開している。中でもインドでの主なライバルは、ディズニーのHotstarだ。Hotstarのコンテンツには、ライブのテレビ番組、スポーツイベントのストリーミング、何千もの映画や番組、HBOやShowtimeなど提携しているグローバルのネットワークやスタジオのものなどが含まれる。

広告付きのサービスでは、ユーザーはコンテンツの80%以上を無料で閲覧でき、プレミアムなサービスの購読料は年間999インドルピー(約1500円)だ。

Hotstar(あるいはオペレーターのStar India)がインドで抱えているライセンスありのコンテンツにはクリケットトーナメントのストリーム権が含まれる。クリケットはインドではかなりの人気で、Hotstarの過去最多となったグローバルストリームに貢献<している。/span>

今年5月、Hotstarはプラットフォーム上で2500万人が同時にクリケットの試合を観戦したと発表した。これは世界記録だ。当時、同社のサービスの月間アクティブユーザーは3億人超だった。

他社との競争についてヘイスティングス氏は、コンテンツ制作に「信じられないような無敵レベルの投資」をすることで、今後5〜10年が「テレビの黄金時代」になるだろう、と語った。そして「オンラインストリーミングサービス各社ともインドに投資している。これまでになく多くのコンテンツが制作されることになる。素晴らしいエクスポートだ」と付け加えた。

グローバル企業であるディズニーがつい最近立ち上げたストリーミングサービス「Disney+」は、Hotstar提供の情報として先月TechCrunchが報じたように、インドと東南アジアでは来年から利用できるようになる見込みだ。

画像クレジット:Dhiraj Singh / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

ストリーミングサービスのVuduがセックス・暴力・薬物乱用シーンをスキップするモードを搭載

米国時間9月12日、Walmart(ウォルマート)傘下でストリーミングサービスを提供しているVuduは、視聴者がセックスシーンや暴力シーンを回避できる新機能を発表した。

R指定映画をテレビや飛行機で見たことのある人なら、内容が「編集済み」であることを知っているだろう。Vuduの新機能であるFamily Playオプションは、視聴者が何を「好ましくない」とするかをさらに細かく指定できる。

具体的には、セックスやヌード、暴力、薬物乱用、および乱暴な言葉のそれぞれについてフィルターをオン、オフできる。最初の3つの要素については該当するシーンをVuduがスキップし、乱暴な言葉の場合は会話の音声が消される。この機能はすでに500本以上の映画で利用できる。

Vuduの幹部らは5月の広告主向けイベントで、家族全員で見られるコンテンツを作ることで他のストリーミングサービスと一線を画すことができるだろうと語った。

Vuduはオリジナルコンテンツについても同様の意欲を持っているようだ。今日のブログ記事でScott Blanksteen(スコット・ブランクスティーン)副社長は次のように語った。

コンテンツの数が増え、多くの人が見るようになる中、われわれが家族にとって素晴らしくて安全な視聴環境を提供するストリーミングサービスにもなれたらどうなるだろうか?Vuduの提供するコンテンツと体験が子供たちを含む家族全員にとってふさわしいものだと、顧客が安心できるサービスになったらどうなるだろう?

VidAngelというストリーミングサービスは、数年前家族向けに編集された映画を売ろうとして法廷闘争に巻き込まれた(最終的に破産宣言した)。しかし、VidAngelがDVDを独自に解読して編集していたとは異なり、Vuduは映画会社と協力して作業しているとVariety誌に伝えた

Vuduは擁護団体のCommon Sense Mediaと協力して、「親の視点から」見た評価とレビューを行い、子供に優しい視聴モードを開発している。そして本日、初のオリジナルシリーズとして「Mr.マム」のリメーク版をスタートし、新しい話も加えて毎週木曜日に放映する。

関連記事:Walmart’s Vudu shows off original content and shoppable ads, hints at interactive shows

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Disney+はファミリー向けタイトル豊富、4人が別番組を同時視聴可能

ウェブページを見るとそのサービスが目指すものがよく理解できることが多々ある。Disney + もそうだ。当面のターゲットは、ディズニー本体に加えてマーベル、スター・ウォーズなどグループレーベルのファンを対象としたコンテンツになるようだ。

11月の配信開始が近づくにつれ、その内容も次第に明らかになってきた。ストリーミングサービスで一番重要なのはなんといってもキュレーション、つまり配信タイトルの選択だ。Disneyの配信サービスのヘッドであるMichael Paull(マイケル・パウル)氏に対するインタビューでは「量より質」というモットーが何度も繰り返された。

今週開催されたディズニーのファンクラブイベント、D23 EXPOに参加して、このサービスのアプリについてもいろいろと体験してきたが、「量より質」というモットーはアプリ自体にはまだ厳密に適用されていない印象を受けた。デモで使われたアプリ(AppleTV版)はまだあちこちに改善の余地が残っていた。

もちろんコンテンツそのものは非常に質が高い。ディズニー、ピクサー、マーベル、スター・ウォーズ、ナショナル・ジオグラフィックの新旧のタイトルが勢揃いしている。これに「ザ・シンプソンズ」を始めとするFoxのコンテンツが加わる。ただこうしたメインのコンテンツ以外のタイトルを探そうとすると面倒だ。

また今年に入って製作が発注された「Diary of a Female President」(女性大統領日記)シリーズなどDisney+オリジナルシリーズを見ようとすると、サイドバーを開かねばならない。Huluにアップされているコンテンツを探してもムダだ。そもそもHulu自体、Disney+には含まれていない。またHuluとの統合ないし提携のプランも今のところないようだ。ディズニーがFoxの大部分を買収したことによりFoxの著作権はすべてディズニーが所有することになったが、個々のタイトルはディズニー本体とグループ企業とに分かれている(ミュータント・ニンジャ・タートルはマーベルのコーナーにある)。

またファミリー向けサービスということは、PG-13(13歳未満の鑑賞には保護者の検討が必要)までのタイトルしかないということだ。そのため通常のストリーミングにあるようなペアレンタルコントロールは存在しないが、7歳以下の児童向けのキッズモードを選ぶことができる。

小学生未満でまだテキストが読めない子供たちのために登場するキャラクター別にカテゴライズされているのがキッズモードの特色だ。子供向けモードでは画面は通常よりやや明るくと、自動再生はオフにされている。

当初、サービスの音声はオリジナルのままで数言語では字幕が提供される。吹き替えはサービスのロールアウト後に各国の状況をみて検討される。ディズニーでは最終的に世界中どこでもサービスが利用できるようにしたい考えだ。

アプリにはまだ多少荒削りなところはあるが、料金は月額7ドルと手ごろだ。しかも、1契約で家族4人までが同時に視聴できる。ビデオはすべて4K HDR、サウンドはDolby Atmosだ。1家族内に7種類のユーザープロフィールが設定できる。CNETによれば、これはNetflixに比べてDisney+が大きく勝っているところだという。Netflixではプロフィールは5つしか作れないうえに、家族が同時に異なったタイトルを視聴するにはもっと高いプランを契約しなければならない。

こうした点を考えてると7ドルのDisney+はNetflixの9ドルの標準契約ではなく16ドルのプレミアムアカウントと比較すべきだろう。

Disney+のユーザープロフィールのアバターにはお気に入りのディズニーキャラクターを選ぶことができる。またDisney+ではコンテンツをサービスから外す場合もシリーズのエピソードすべてを一度に配信停止にするのではなく、古いほうから順次消していく。

上でも述べたように、ディズニーは36年の伝統を誇るディズニーチャンネルに加えてピクサー、マーベル・コミックス、ルーカスフィルムを所有しているため優秀なコンテンツにこと欠くおそれはない。ディズニーという会社同様、Disney+の前途も大いに期待できそうだ。

画像: Mike Kemp/In PIctures / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

GoogleとAmazonが仲直り、ストリーミングビデオの相互乗り入れに合意

Google(グーグル)とAmazon(アマゾン)は、争いの矛先を収め、それぞれのストリーミングビデオのユーザーに対して、より良いサービスを提供することにしたと、米国時間の4月18日に揃って発表した。これから数カ月のうちに、公式のYouTubeアプリがAmazon Fire TVデバイスとFire TV Editionのスマートテレビ上でも動くようになり、反対にPrime VideoアプリはChromecastとChromecast内蔵の各種デバイス上で動作するようになる。

さらにPrime Videoは、Android TVに対応するパートナーの製品でも広く利用できるようになる。YouTubeの姉妹アプリとなるYouTube TVと、YouTube Kidsも、今年後半にはFire TV上に登場する予定だ。

Googleによれば、Fire TV上でYouTubeを見ているユーザーも、サインインすることで自分のライブラリのすべてにアクセスできるようになる。また、サポートされているデバイス上で60fpsの4K HDRのビデオを再生できるようになるという。

一方Prime Videoアプリのユーザーは、Amazonのオリジナル番組や4Kビデオを含むPrime Videoカタログからストリーミングできる。もちろん購読中のPrime Videoチャンネルにもアクセスできる。さらに、アプリ内でAmazonのX-Ray機能を利用することも可能だ。

これまで何年もの間、この2つの大企業同士の関係は良好なものではなく、さまざまな分野で競合を繰り広げてきた。ストリーミングテレビのプラットフォームやサービスをはじめとして、最近ではEchoやGoogle Homeといったスマートスピーカーの領域でも争ってきた。

Chromecastデバイスや、他のGoogle製ハードウェアは、両社の不和を反映して、Amazonサイトでの取扱を中止されたり、再び販売されたり、といったことを繰り返してきた。

2017年には、さらに別の対立が浮上した。AmazonのEcho Show用のYouTubeプレーヤーの実装についての抗争だ。Googleによれば、それは何の断りもなく実装された。そしてGoogleは、AmazonからYouTubeへのアクセスを禁止した。それに対してAmazonは、やむなくEchoのユーザーをYouTubeのホームページに迂回させるという回避策を取った。

現時点では、Googleのハードウェア製品の多くは、まだAmazonで販売されていない。特に、EchoのようなAmazon製品と直接競合するスマートスピーカーや、その他のスマートホーム関連のデバイスは見当たらない。(たとえば「google home mini」をAmazonのサイトで検索すると、その関連製品のスポンサープロダクトや、おすすめのベストセラー商品としてAmazonのEcho Dotが表示される。)

こうしたことが、消費者にとって良いことであるはずはない。しかしこれは、両社の顧客基盤が重なっているため起こることだ。たとえば、Chromecastを使っている人でも、Prime Videoでビデオを見たかったり、AmazonのサイトでGoogle製品を買いたいと思う場合もあるだろう。もちろんYouTubeはみんなが観ている。

今回の新たな協約は、ストリーミングサービスのみに焦点を絞ったものだろうと考えられている。おそらく、Amazonの品揃えや、ハードウェアに関する問題に影響を与えることはないだろう。

Amazonは、ライバルに対しては、競争自体を排除するような行動を伝統的に取ってきた。

そして長年にわたってAppleとも不和が続いていたが、ようやく2017年になって一定の合意に達した。その結果、Apple TV上でPrime Videoのアプリが使えるようになり、Apple TVのハードウェアもAmazonで販売されるようになった。

そうした、やられたらやり返すような争いは、つまるところ関連するものすべてに仇となる。Rokuは、米国内で支配的なストリーミングプラットフォームとして成功したが、中立的な立場を取り、すべてのアプリとサービスを公平にサポートしていた。Amazonがそれになんとか対抗できるようになったのは、Fire TVのハードウェアの値下げと、かなりの広がりを見せた「ファイアスティック」を使った海賊行為を目的としたアンダーグラウンドのコミュニティのおかげと言ってもいい。

「Amazonと協力し、オフィシャルなYouTubeアプリを、世界中どこでもFire TVの上で使えるようになったことにワクワクしています」と、YouTubeでプロダクトパートナーシップのグローバルな責任者を務めるHeather Rivera氏は、声明の中で述べている。「当社のフラグシップとも言うべきYouTubeの体験をAmazon Fire TVにもたらすことで、ユーザーが自分の好きなビデオやクリエイターを観る手段を増やすことができます」。

「Prime Videoのアプリを、ChromecastとAndroid TVのデバイスに移植し、お客様が好きなショーや映画を観る便利な機会を提供できることにワクワクしています」と、Prime Videoのワールドワイドビジネス開発責任者を務めるAndrew Bennett氏も述べている。「最新シーズンの『マーベラス・ミセス・メイゼル』を観るもよし、『Thursday Night Football』でひいきのチームの試合を追うもよし、最近封切りされた映画を借りて観るもよし。お客様がご覧になりたいものを、ご覧になりたいとき、どこにいらしてもストリーミングできるように、選択肢がさらに増えたのです」。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Apple Musicがインドで料金を値下げ、地元サービスに対抗

米国時間4月7日のWSJによると、Appleの音楽ストリーミングサービスは米国の有償利用者数でSpotifyを上回り、さらにインド市でも同じことをするべく大幅値下げに踏み切った。

さらにApple Music学生プランも月額60ルピーから49ルピーに、ファミリープランも190ルピーから149ルピーにそれぞれ値下げられた。

このニュースはThe Indian Expressが最初に報じ、その後ソーシャルメディアを通じて広まった。

値下げされた新料金は、既存ユーザー、新規ユーザー両方に適用されるようだ。

インドはストリーミングサービスにとって重要な市場であるとともに、最近はSpotifyだけでなく主要米国IT企業の戦いの場となっている。

今年3月、YouTube Musicとその有償サービスであるYouTube Premiumがインドに上陸し、すでに参入していたAmazon、Googleに続いた。Spotifyも今年インドに進出したが、Warner Muisicとの複雑なライセンス論争が巻き起こり、提供楽曲数に影響を与えた。

しかし、市場支配を目指して殴り合っているのはこれらの会社だけではない。

現在インドの音楽シーンは充実しており、Gaana、JioSaavn(JioMusicとSaavnが合併して作られた)、Wynkなどの地元企業も参入している。

そして最近、JioSaavnとGaanaは、両社とも年間購読料金を70%引き下げた。こうした値下げは、顧客を一年間囲い込み、YouTube、Spotify、Appleなどに近づけないことが狙いだ。JioSaavnのプレミアム会員料金は年間999ルピーから299ルピーへと70%引き下げられた。一方Gaana Plusは年間1098ルピーから298ルピーに値下げられた。

AppleはインドでのApple Music購読者数を公開していないが、世界では5600万人の購読者がいる。

同サービスはインド市場に向けてカスタマイズされており¥プレイリストにはマラヤーラム語、タミル語などの現地語の人気楽曲も含まれているとThe Indian Expressは書いている。ローカライズされたラジオ局が14局あるほか、インドの有名レコードレーベル、Saregama、T Series、Zee Music、YRF、Universal、およびSonyと提携している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

月額4.99ドルで1億2000万曲を聞き放題―、SoundCloudが新プランを発表

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SoundCludは、昨年の有料メンバーシップのローンチから1年も経たないうちに、料金の見直しを行い、新しく低額プランを発表した。

ベルリンに拠点を置く同社は、有料ユーザーの増加を目指し、昨年3月に発表された月額9.99ドルのプランよりも安い、月額4.99ドルの新プランを本日発表。一方で月額9.99ドルのオプションはそのまま残し、今後は両方のプランをSoundClound Go、SoundCloud Go+として提供していく。

SoundCloud Goユーザーは、1億2000万楽曲を広告なしで楽しめるほか、オフライン時にも曲を聞けるようモバイル端末へ楽曲をダウンロードすることもできる。そしてSoundCloud Go+ユーザー向けには1億5000万曲が準備されており、ユーザーは全ての曲を(プレビューだけでなく)フルで楽しむことができる。SoundCloud Goのメンバーだとどの楽曲が聞けなくなるかについてはハッキリしていないが、さらにGo+の価値を高めるために、「Go+ユーザー限定の追加機能」が今年中に発表されるとSoundCloudは話す。

2種類のプランを用意するというのは効果的な戦略であり、恐らくSoundCloudは有料プランのローンチ時からそうするべきだっただろう。まず低額プランを導入することで、SoundCloudはApple MusicとSpotify(どちらも有料プランは月額9.99ドル)に価格で勝ることができる。さらにSoundCloudは、これまで1億7500万人ものユーザーを抱えながらも収益化に苦しんでいたため、低額プラン導入によって有料サービスの利用を促進し、ようやく売上を伸ばすことができるかもしれない。収益化に苦しむSoundCloudは、今年の1月にFinancial Timesの取材に対し、昨年夏にTwitterから評価額7億ドルで調達した7000万ドルに続き、新たなラウンドを計画していると話していた。

2016年はSoundCloudにとって動きの多い1年だった。Spotifyによる買収話は同社のIPOに向けた不安のせいもあって12月にようやく消滅し、SoundCloudはさまざまな施策に取りかかりはじめた。広告収益の増大を狙ってアメリカではプログラマティック広告を導入し、新たなCTOを迎えてチームの再編を図ったほか、本日のニュースは、同社のビジネスを長期的に継続するための新たな作戦のように見える。

「有料プランを拡充することで、私たちはSoundCloudのユーザーエクスペリエンスを向上するだけでなく、新しい収益機会を生み出し、クリエイターに対してさらに売上を還元していこうと考えています」とCEOのAlex Ljungは声明の中で語った。

もちろんSoundCloudは、オンライン音楽業界でSoptifyやApple Music、Pandoraといった競合企業と厳しい戦いを繰り広げている。しかし、Spofiyは有料ユーザー数が4000万人を超え、登録ユーザー数は昨年1億人に達したと発表し、Apple Musicも昨年12月に有料ユーザー数が2000万人に達したとしている一方、SoundCloudはこれまで有料ユーザー数について具体的な数字を発表したことがない。

SoundCloud GoとSoundCloud Go+は、今のところアメリカ、イギリス、アイルランド、フランス、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、ドイツで利用可能だ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

音楽ストリーミング大手のSpotify、今月にも日本上陸

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1年前から予告はしていたが、今月ついにSpotifyが日本でもサービスを開始する。このスウェーデンの音楽ストリーミングサービスは、9月が終わる前には日本での展開を開始すると同社からTechCrunchに情報が届いた。

日経は今年の夏、近々Spotifyが日本でローンチすると伝えていた。日本の大手ビジネスニュースの出版元は、Spotify Premiumの価格はおよそ月額1000円(10ドルくらい)になると伝え、私たちもそれくらいの価格になると聞いている。

売上で見ると、日本の音楽市場は世界で2番目に大きい。Spotifyは有料会員が4000万人を超えたばかりだが、日本進出はまだだった。 TechCrunchは1年近く前の去年10月、Spotifyがアジア事業に注力し始め、インドネシアと日本でサービスを展開する予定だと伝えた。インドネシアには今年の3月に進出し、それ以降Spotifyはサービスを日本に持っていくことに注力していた。

Spotifyの東京オフィスは18ヶ月前に設立されていて、2年前から日本での採用も行っている。しかし、それでもこの市場では競合が先手を打つのをSpotifyは座って眺めているだけだった。今年上場を果たし、日本で7000万人のユーザーを擁すメッセージサービスLINEは、 昨年国内で音楽ストリーミングサービスをローンチした。AppleにGoogle、さらに国内Eコマース大手の楽天もライバルサービスを展開している。

Spotifyは、東京でチームを作るのにかなり時間がかかっている。9つの役職で現在も採用を行っているが、この遅延には理由があるようだ。日本のコンシューマーはまだストリーミングやレコードレーベルが提供するオンラインモデルに抵抗を感じ、CDを購入したいと思うコンシューマーも多い。しかし、日本における今年の楽曲の売上予測は30億ドル近く、音楽ストリーミング企業は他の国同様、日本も収益が多く得られる市場であると考えている。これは、近いうちにも上場が噂されるSpotifyにとって重要なことだろう。

SpotifyのCEODaniel Ekは今週、最新のユーザーマイルストーン達成を発表した。

Spotifyは日本のレーベルとの契約を取り付けている。レーベルから人材採用も行った。まだ日本では音楽ストリーミング熱がすごく高まっているわけではないが、他の競合が音楽ストリーミングの早期需要を喚起している段階で参入することで、Spotifyはその波に便乗しようとしているのだろう。コンシューマーが利用できる主なストリーミングサービスがいくつか出揃った今、日本の音楽業界のデジタルへの移行が始まろうとしている。

Spotifyのアジアにおける次の動きは、3月に私たちが伝えたように、インドを次のターゲットとしているようだ。しかし、私たちの知るところでは、Spotifyはまだそれに向けた確かな動きを見せていない。アジア進出もそれなりに時間がかかったため、インド進出、あるいは他のアジア市場への進出はもう少し先になることが予想される。

Spotifyは2013年に初めてアジア地域に進出し、現在香港、シンガポール、フィリピン、マレーシア、インドネシアの5カ国で利用可能となっている。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website