インドの第1四半期スマホ出荷は4%増、年間見通しは10%減の予想

グローバルのスマホ出荷台数が停滞あるいは落ち込むなかで、インドは四半期ごとに成長し、この10年間で最も成長著しいスマホマーケットの1つとなっている。しかし世界第2位となったインドのスマホ市場でも、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響が出始めている。

調査会社Counterpointが米国時間4月24日に明らかにしたところによると、インドのスマホマーケットは3月31日までの四半期で前年同期比4%増と控えめな成長となった。例年、スマホメーカー数社が新製品を投入し、アグレッシブな販促計画を発表する1月と2月にスマホの出荷は増える。

しかしCounterpointによると、3月の出荷は前年比で19%減となった。同社はインドのスマホ出荷台数は2020年には10%減となるとみている。2019年は前年比8.9%増、2018年は同10%増だった。

Counterpointはまた、2020年3月に発令されたインドのロックダウンが国内のスマホ産業をかなり低迷させていて、元に戻るには7、8カ月かかるかもしれないと指摘している。現在のところ、インド国内で販売が許されているのはグローサリー製品に限られている。

Counterpoint Researchでシニアリサーチアナリストを務めるPrachir Sing(プラチア・シン)氏は、インドにおいて新型コロナイスルによる影響は3月中旬まで比較的軽微だったと指摘した。「しかし、人々が今後の不透明性や完全なロックダウンを予想して貯蓄に走るようになってから経済活動が落ち込んだ。そして、ほぼすべてのスマホ製造が一時停止となった。その上、ソーシャルディスタンシング(社会的距離の維持)の影響で、例えロックダウンが解除されても工場の生産能力は低いだろう」と述べている。

2020年第1四半期はインド国内で3100万台のスマホが出荷された。マーケットシェアをみると、中国スマホメーカーのXiaomi(シャオミ)がトップで30%を占めた。同社にとってもインド市場は過去2年以上にわたって最大のマーケットだ。

Vivo(ビボ)のシェアは2019年同期の12%から17%に増えた。かつてインドマーケットを席巻していたSamsung(サムスン)はマーケットシェア16%で今や第3位だ。Apple(アップル)はこのところの勢いを維持し、前年同期比78%増と力強い成長をみせた。価格が600ドル(約6万4000円)以上の高級スマホ部門の55%を占めている。

インド国内にある100カ所以上のプラントが1日に70〜80万台のスマホを組み立て・製造し、そうしたスマホの一部は海外に輸出される。しかしロックダウンにより製造は中止されており、2020年に業界は30〜40億ドル(約3200〜4300億円)超の損失を被る可能性がある。

「我々はよくインドと中国を見比べる。しかし中国の工場はあらゆるレベルでオートメーション化されているが、インドはそうではない」とCounterpointのシニアアナリストTarun Pathak(タラン・パサク)氏は今週初めに述べた。

スマホの売上が2月に38%減となった中国では既に回復がみられる。Xiaomiは2020年3月に、同社のスマホ工場が既に稼働率80%になっていることを明らかにした。Counterpointによると、2月の世界のスマホ出荷台数は14%減だった。

画像クレジット: Dhiraj Singh / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

Oppoの最新モデルはシャークフィン型自撮りカメラを装備

米国では、Oppo(オッポ)いうブランドは、まだあまり知られていないかもしれない。しかしOppoの本国、中国では大手メーカーの1つだ。中国という世界最大のスマホ市場において、常に20%程度のシェアを獲得し、Apple(アップル)やSamsung(サムスン)といった、少なくとも米国ではよく知られたブランドを軽く上回っている。

また、世界で2番目に大きなスマホ市場インドでも、Oppoは強い。だいたいいつも5位以内に入るほどだ。同社のReno 2は米国時間8月28日に、そのインド市場向けに発表された最新モデル。ユニークな特徴を備え、シェアの拡大を目指すOppoにとって強力な武器となりそうだ。

際立つ特徴は、その「シャークフィン」にある。本体の上部から、ちょうどサメの背ビレのような形のパーツが飛び出すメカを備えた自撮りカメラの愛称だ。このような機構自体は特に珍しいものではなく、他のメーカーでも形状は異なるが、似たような仕組みのものを採用している。Oppoの関連会社であるOnePlusにも、同様に飛び出すカメラを搭載したモデルがある。OnePlusは、米国内でもOppoより名が通っているだろう。

背面のカメラも頼もしいものとなっている。光学式手ぶれ補正機能を備えた4800万画素のメインカメラに加え、広角レンズ、望遠レンズの各カメラも備えた、かなり印象的な組み合わせだ。5倍ハイブリッドズームは、同社がしばらく前に発表した10倍ハイブリッドズームをスペックダウンさせたものとなる。

価格は3万6900ルピー(約5万4000円)で、500ドルをちょっと超える程度。米国ではミッドレンジの製品に相当する。私も、このニューヨークのオフィスで、しばらく現物をいじってみた。フラグシップモデルに比べると、ややかさばる感じもあるが、なかなかよくまとまっている。価格的には、それほど意外なものでもない。相変わらず、ヘッドフォンジャックを備えているのも、まあ当然だろう。インドのような市場では、今後もしばらくは不可欠な仕様なのだから。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

バッテリーの命が難民の命、スマホに依存する難民の実情

[著者:Ziad Reslan]

人間の寿命とバッテリーの寿命を同じに考える人は少ないと思うが、戦争や飢餓から逃れてきた大勢の難民たちにとっては、わずか1パーセントのバッテリー残量が、適時に適切な情報を与えてくれる生命線となる。それがなければ、生き残ることはできない。

現代のスマートフォンは、移住を余儀なくされた人たちの旅の必需品となっている。Google Mapを頼りに中央アジアの山岳地帯を歩いたり、WhatsAppで故郷の家族とつながったり、スマートフォンは難民のあり方を変えた。しかし、良いことばかりではない。

電子1個も無駄にできない

東ヨーロッパでは、ハンガリーから入国を拒否された難民たちが、セルビア側の国境沿いに建ち並ぶ廃ビルに身を寄せている。生活必需品はボランティアが運んでいるが、その中には、自動車のバッテリーを再利用したスマートフォン用の充電器も含まれている。

ハンガリー国境から2キロと離れていない廃ビルの中では、難民たちがひとつの自動車用バッテリーを取り囲み、スマートフォンに充電している。彼らはみな、スマートフォンのバッテリーの大切さをよく認識している。コンセントが使えない場所で充電を行うための、ポータブル充電器を欲しがる人も大勢いる。彼らは常に、どのアプリがいちばん電気を食うかを報告し合ったり、使っていないときはアプリを閉じるように声を掛け合ったりしている。

パキンスタンから逃れてこの建物で避難生活を送っているNashidは、この遠く離れた辺境の地でいちばん求められるのは、スマートホンに充電する方法だと話している。電気が自由に使えないため、バッテリーの充電はボランティアの訪問だけが頼りだ。次の訪問のときまでは、なんとかバッテリーを持たせるよう、さまざまな工夫を凝らしている。そのひとつに、夜寝るときと昼寝をするときは、かならず電源を切るというものがある。画面の明るさも最低に設定してある。空になったバッテリーを取り出して繰り返し振り続けると、数分間、スマートフォンが使えるようになるとも話していた。

東ヨーロッパから西ヨーロッパを目指して旅する難民たちにとって、ハンガリーとセルビアの国境が最後の壁になっている。ハンガリーに入れさえすれば、そこはEU26カ国が加盟するシェンゲン圏なので、国境検査を受けることなく、西ヨーロッパ内の目的地に楽々と行くことができる。しかし反面、ハンガリー国境では警備が厳しくなり、入国がかなり難しい状態になっている。多くの難民たちは、ようやく国境を通れるようになるまでの間、何十回も拒否され押し返されている。

Nashidは、この8カ月間、セルビアからハンガリーへの入国を試み続けている。妻と2人の子どもを含む家族をパキスタンに残し、彼はヨーロッパに旅立った。彼によれば、WhatsAppを使って家族と、そしてパリに住む従兄弟と連絡を取り合っているという。パリは彼の最終目的地だ。バッテリーの制限はあるものの、ただ待つだけの日々の中で、スマートフォンがよい気晴らしの道具にもなっていると彼は言う。1曲か2曲、こっそり歌を聞いたり、ウルドゥー語の動画をYouTubeで見たりしているそうだ。

ひとつの旅に無数のアプリ

この数年間、セルビアは西ヨーロッパに渡ろうと試みる難民たちの、主要な経由地点という役割を担ってきた。セルビアの首都ベルグラードにあるRefugee Aid Miksalište Center(ミクサリステ難民救済センター)は、NGOによって1日24時間開かれていて、移動中の難民が立ち寄ってサービスが受けらるようになっている。一歩中に入ると、ここでも電源タップの周りに人が集まり、スマートフォンに充電をしている。また、無料Wi-Fiの設備もあるので、故郷の友人や家族と、ソーシャルメディアやSkypeを使って連絡を取り合っている。

スマートフォンに充電するために、電源タップの周りに集まるセルビアの難民たち(写真:Ziad Reslan)

難民が集まるたびに、同じ光景が繰り返される。今、世界中には、強制的に国を追い出された人たちが7000万人近くおり、避難場所を求めて何千キロメートルも旅をしなければならない状態にある。その半数以上が、シリア、アフガニスタン、南スーダンのわずか3カ国から逃げて来た人たちだ。強制的に国を追い出された人たちの中でも、突出して多いのがシリア人だ。アレッポから西ヨーロッパへ向かう途中のセルビアとハンガリーの国境地帯までだけで、平均して2200キロメートル以上もの距離を移動しなければならない。

方向を知るために、言葉を学ぶために、ちょっとした気晴らしに、スマートフォンは、難民たちにとって、何カ月間にもおよぶ過酷な旅を生き抜くための必需品となっている。少なくとも、故郷に残してきた愛する人たちと話ができることが、心の支えになる。

2015年夏、残虐な内戦から逃れて100万人のシリア人難民がヨーロッパに押し寄せるという難民危機が頂点に達したころ、FacebookとWhatsAppのチャットグループがいくつも立ち上がり、難民たちの間で旅の進行状況、どの仲介者が信用できるか、交渉費用はどれほどか、といった情報がリアルタイムで交わされるようになった。GPSピンを使って、Google Map上で安全なルートが示された。地中海で難民を乗せた船が沈没した際には、彼らのスマートフォンから送られたGPS信号によって沿岸警備隊に救われたということもあった。

難民たちは、ドイツ語、フランス語、英語などの言語学習アプリをスマートフォンにダウンロードし、目的地の生活に馴染めるようにと、移動中に勉強している。ブルガリア語、セルビア語、ハンガリー語で書かれた道路標識は、Google翻訳で読んでる。旅で家族と生き別れてしまった難民たちには、スマートフォンが家族とつながる唯一の手段だ。

強制的に国を追い出された難民たちの通信接続性を重視したUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は、2016年にConnectivity for Refugees(難民のための接続性)イニシアチブを立ち上げた。これは、難民のためのインターネット接続の権利を支援するもので、難民へのデータ通信サービス提供の交渉、デバイスの購入援助、インターネット接続センターの設置、スマートフォンをフルに活用できるようにする訓練の提供などを行っている。開始から2年が経った今、UNHCRでは人員を増やし、先行して支援を行なっていた国々に加えて、ヨルダン、ギリシャ、チャド、マラウィ、タンザニア、ウガンダでも接続支援の計画を展開する予定だ。

難民の援助に力を入れるスタートアップもある。コロンビアで建築学を学ぶ2人の学生、Anna StorkとAndrea Sreshtaは、LuminAidを共同設立した。そこで彼らは、太陽電池で充電ができ、照明としても使える携帯電話用充電器PackLite Max 2-in-1を開発し、難民たちに無料で配っている。難民の収入の3分の1がインターネット接続のために費やされていると見積もったUNHCRは、難民たちが無料でデータ通信ができるよう、Phone Credit for Refugees(難民のための電話代クレジット)プログラムを開始した。そのほかにも、GeeCycleのように、世界中から中古のスマートフォンを回収して、紛争地帯から逃れてきた難民たちに配っている団体もある。

デマとの戦い

無料Wi-Fiや充電などのサービスを提供するRefugee Aid Miksališteの外では、セーブ・ザ・チルドレン・セルビアなどのNGOが活動している(写真:Ziad Reslan)

しかしスマートフォンは、難民の旅を良いものにするばかりではない。ソーシャルメディアの匿名の情報源に依存すれば、彼らの弱みに付け込んだ人身売買業者などの悪質な連中のもとに導かれてしまう恐れもある。親戚から入手した情報でさえ、結果的に間違っていたということもあり、悲惨な結果を招きかねない。

セーブ・ザ・チルドレン・セルビアの権利擁護マネージャーJelena Besedicは、アフガニスタンからバルカン諸国へ保護者なしに旅をする子どもが増えている原因に、デマがあると話している。セルビアで足止めを食っている、8歳ほどの幼い子どもたちの親は、子どもが無事に西ヨーロッパに入れたなら、親を呼び寄せる資格がもらえるという偽情報を信じていた。

難民の旅を楽にするという類のデマは、難民たちをどんどん危険な方向に導いてしまう。その結果は、目的地に到着したときに現実を知らされて絶望するだけだ。こうした偽情報に対処しようと、国際移住機関などの団体は、難民を送り出す国々に対して、西欧諸国へ旅立つことの危険性を周知させる情報キャンペーンを開始した。さらに、ハンガリーやイタリアのような国粋主義的な傾向を増している国々は、難民のスマートフォンに向けて、まずは自国に来ないように忠告するテキストメッセージを発信している。

難民が家族から感じる圧力は、ずっと以前からあっただろうが、スマートフォンを使うようになってからは、その圧力にひっきりなしに晒されることとなった。セルビアとハンガリーの国境地帯で足止めされているNashidは、パキスタンからフランスまでの約6500キロメートルにも及ぶ旅の途中で自分がどんな目に遭うかを知っていれば、決して出発しなかったと振り返っている。しかし、パキスタンにいた間も、パリの従兄弟から、とても簡単に入国できたこと、フランスには仕事がたくさんあることなどを伝えるメッセージが止むことなく送り続けられていた。そして、Nashidがパキスタンを出発すると、今度は妻と2人の子どもから、パリに着いたかどうかを絶え間なく尋ねられるようになった。そのため、故郷に帰るという考えを捨てざるを得なくなった。

この会話の最後に、Nashidは、WhatsAppで彼が知った噂の真偽を私に尋ねてきた。スマートフォンのバッテリーを100時間まで持たせることができる個人用のポータブル充電器があるというのは本当なのか? と。そんな充電器があれば、コンセントから何キロメートルも離れたこの場所で暮らす自分の人生が変わると、彼は語気を強めていた。

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(翻訳:金井哲夫)

ハンズオン:早速Google PixelとPixel XLを試してみた

Googleは新たに2つのスマートフォン、PixelとPixel XLを発表した。これらは、Googleがハードウェアとソフトウェアのどちらの設計も手がけた初の端末だ。見た目も良く、持った時の感触もいい。外観のインダストリアルデザインは、GoogleがPixel Chromebookに施した繊細なデザインを継承しているのが見て取れ、昨年発表したNexusのラインナップも想起させる。

Pixelは5インチ、Pixel XLは5.5インチデイスプレイを搭載している。どちらも見た目も、実際にもiPhone 7と7 Plusより小さく感じられる(けれど、少し厚い)。それは、ハードウェアには表面にいかなるボタンもないからで、ポケットに入れるにも、手に持つのにも収まるサイズだ。

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Pixelのディスプレイ(1080p)とPixel XL(Quad HD)のディスプレイ、どちらもAMOLED画面により深い黒色を再現し、画像がきれいだ。どちらのスマホでも、Androidのソフトウェアナビゲーションボタンをこれまでもより小さく表示するPixelランチャーが映えている。また、全体を通してアイコンは小さく、丸くなり、新しいGoogleランチャーも小さくなった。結果的に、スクリーンの場所を活用していて、背景の高品質な画像が映えている。

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同様に、システム全体を通して使えるGoogle Assistantの新機能の反応も良く、早い。また、会場の騒がしいでもデモエリアでも私の質問に反応することできた。連続した質問をしても、前の文脈を理解して回答していたことには特に感心した。限られた時間の中でしか試せなかったが、Google Assistantを惑わせる質問をすることはできなかった。Assistantは、Googleが先日ローンチしたスタンドアローンのメッセンジャーアプリAlloの中にある1つのゲームのように感じた。けれど、このAssistantはシステムレベルの機能として組み込まれている。これは今後起きる劇的なUXの移行を象徴しているかのようにも思える。

他に特徴的だったのはカメラだ。写真を撮るには良い環境ではないにも関わらず、良いパフォーマンスを発揮した。下記の画像は、光が少ない中でも筆者があほみたいに踊っているところが鮮明に映っている。ノイズもほとんど見当たらない。

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PixelとPixel XLはどちらも魅力的なデバイスで、GoogleのAndroidハードウェアの中の新たな出発点を示す端末になるだろう。10月20日に出荷開始した時、Pixelがヒット商品となるのに十分な機能を備えているかはまだ分からない。けれど、何かが決定的に欠けているということはないだろう。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website