米国の禁輸リスト入りしたDJIのプロダクトの米国内販売は継続の見込み

米商務省は米国12月18日、DJIを含む77社を「エンティティリスト(禁輸リスト)」に加えた。正確には、DJIの米国事業の未来にとってこれが意味するところはまだ不明だ。しかし、同社はTechCrunchのコメントの求めに応じた。

「DJIは米商務省の決定に失望しています」と広報担当はTechCrunchに語った。「米国の顧客はこれまで通りDJIのプロダクトを購入したり使用したりできます。当社を特徴付け、また世界に恩恵をもたらす業界で最もイノベイティブなプロダクトを引き続き開発することを当社は約束します」

先のHuawei(ファーウェイ)の例が示したように、リスト入りの影響は米国と中国の関係いかんによって大きくなる。HuaweiはGoogle(グーグル)のAndroidなど主要な米国発のテクノロジーへのアクセスを失い、大打撃を受けた。

DJIの禁輸リスト入りは「大規模な人権侵害」、より具体的に言うと「ハイテクによる監視」が理由だ。

最終需要者審査委員会(ERC)はAGCU Scientech、China National Scientific Instruments and Materials (CNSIM)、DJI、Kuang-Chi Groupが米国の外交政策の利益に反した活動を行ったため、リストに加えることを決定した。特にこれら4社は悪意ある遺伝子収集・分析、あるいはハイテクによる監視、および世界中の抑圧的な政権を支援する中国による製品輸出の促進を通じて中国国内の大規模な人権侵害を可能にした。これは米国の外交政策の利益に反している。

DJIの米国での立場に影響を及ぼす大きな要素の1つは、次期バイデン政権下での中国との関係だ。今回の禁輸リスト決定は、DJIのプロダクトを現在活用している多くの州や連邦機関に、より直接的な影響を及ぼすかもしれない。

参考記事:ドローン最大手DJIが米商務省の禁輸リスト入り、ドローンによる監視は人権侵害

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画像クレジット: Getty Images under a (Photo by Ronen Tivony/NurPhoto via Getty Images) license.

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(翻訳:Mizoguchi

ドローン最大手DJIが米商務省の禁輸リスト入り、ドローンによる監視は人権侵害

最近、米国政府がDJIを取り締まろうとしているという報道が増えていたが、米国時間12月18日、商務省はDJIを「エンティティリスト」(禁輸リスト)に加えることになった。ロイター通信Drone DJは、州当局者との電話会議に基づいて第一報を報じた。今回加わる77の企業のリストもある。

このニュースは、DJIにとって相当大きな打撃だ。設立14年になる同社は、ドローンの分野で完全に支配的な勢力だった。ここ米国では、推計で市場の77%を握っている。

米国と中国の間の緊張の高まりは、合衆国におけるDJIのプレゼンスにとって長年、不吉な懸念だった。特に問題とされたのが、ドローンの監視能力だ。消費者向けドローンで大きく成功したDJIは、産業用と政府向けのドローンとしても広く利用されている。それどころか同社のエンタープライズ製品の中には、政府向けを明記した製品系列もある。

DJIは、リストに加えられた数十社のひとつ。同じく重要な企業がチップのメーカーであるSMICだ。米商務長官のWilbur Ross(ウィルバー・ロス)氏は、リスト公開時の声明で激しい言葉で非難している。

中国の、その国境の中と外における腐敗と威圧の振る舞いは、米国の安全にとって有害であり、同盟諸国と協調国の主権を損ない、人権および民族的宗教的少数者集団の尊厳を侵犯している。商務省は、オープンで自由な市場原理に基づいて開発生産された米国の技術が、有害で不正な目的で使われないことを確実にするために行動している。

中国は、強制労働やDNAの採取、および網羅的な監視などの不埒な行為を活発化して、新疆などの地域の住民を抑圧している。過去2年あまりにわたり当該政権は50近い企業を、中国共産党の少数民族弱者に対する卑劣な攻撃を支持した廉でエンティティリストに加えてきた。今回の新たな追加によりわれわれは、チベットなどを含む中国のそのほかの地域と、それらに対する権威主義的な政権が行っている行為にも、これらの原則を適用する。

昨年商務省はHuawei(ファーウェイ)とその関連企業数社をリストに載せ、ファーウェイの力を大幅に削いだことで注目を浴びた。とりわけ大きな制約は、同社がAndroidなどの米国の重要な技術にアクセスできなくなったことだ。ファーウェイは独自のオペレーティングシステムを開発する道を選んだが、それはまだ同社の安定路線になっていない。

米国政府や州の省庁にファーウェイの技術の利用を禁ずることに対してはさまざまな議論があったが、リストの今回のアップデートはさらに徹底的だ。DJIはここ1年、事態のこのような変化に対し身構えてきた。同社は大量の人と時間を費やして、米議会へ働きかけた。また、新大統領が就任する1月20日以降、この禁令の形がどう変わるのかについても、さまざまな憶測がある。

意外なのは、「大規模な人権侵害」を論ずる商務省声明や報道の中にDJIが登場することだ。同社が、「ハイテクによる監視」の文脈で取り上げられていることも、同じく意外だ。

エネルギー資源審議会は、AGCU ScientechとChina National Scientific Instruments and Materials(CNSIM)、DJI、そしてKuang-Chi Groupの計4社を、米国の外交政策の方針に反する活動により、リストに加えることを決定した。とりわけこれら4社は、遺伝子の採取および分析の乱用、またはハイテクによる監視、および世界中の抑圧的な政権を支援する中国による製品輸出の便宜を図ることにより、合衆国の外交政策の主たる関心に反している。

現在TechCrunchではDJIにコメントを求めている。

DJIと競合するSkydioの声明は、今回の事態を祝っているかのようだ。

DJIが忌まわしい人権侵害を支援した嫌疑に基づき、本日DJIがエンティティリストに加えられたことは明確なメッセージを告げている。DJIとは価値観を共有できず、信頼できないということだ。DJIはすでに、米国内と世界中で集めた機密情報の中国共産党との共有義務、という重大なセキュリティリスクを認めている。

そして今回わかったのは、DJIが長年、新疆地方のウイグル族の抑圧を支援して利益を得てきたことだ。これは人権侵害の、世界でもっとも劣悪な実例である。本日のニュースはまた、市場にも明確なシグナルを送っている。人権侵害者であるとわかっている者たちとビジネスをするときは考え直せと。

関連記事:中国最大のチップメーカーSMICが米禁輸リスト入りか

カテゴリー:ドローン
タグ:DJI

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(翻訳:iwatani、a.k.a.hiwa

産業用ドローンメーカーのPercepto社が4500万ドルを調達、Boston Dynamics社のSpotと連携

消費者向けのドローンは何年もの間、高価で精密なおもちゃでしかないというイメージから脱することができずにいる。しかし、産業、軍事、エンタープライズの分野においては、無人航空機には確かな需要がある。こうした用途でドローンを製造しているスタートアップ企業が11月24日、大規模な資金調達と、ドローン産業の今後の展望を期待させるパートナーシップを発表した。

ドローンのハードウェアとソフトウェアの両方を手掛けるメーカーであるPercepto(パーセプト)社は、シリーズBの資金調達で4500万ドルを集めた。同社のドローンは主に無人の産業用地やその他の作業エリアの監視や解析に使われる。

さらに、Boston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)社との提携も進めており、同社のイヌ型ロボットSpotと自社のSparrowドローンを一体化し、インフラストラクチャ評価の向上を目指す。Spotの敏捷性が向上すれば評価もさらに上がる可能性がある。

今回の資金調達は戦略的投資家であるKoch Disruptive Technologies(コーク・ディスラプティブ・テクノロジーズ)が主導している。エネルギー、鉱物、化学製品およびその関連分野を扱う大手企業、Koch Industries(コーク・インダストリーズ)社の投資部門だ。他にも、State of Mind Ventures(ステート・オブ・マインド・ベンチャーズ)、Atento Capital(アテント・キャピタル)、Summit Peak Investments(サミットピーク・インベストメンツ)、Delek-US(デレクUS)などの新しい投資家も参加している。また、前回から引き続きU.S. Venture Partners(USベンチャーパートナーズ)、Spider Capital(スパイダーキャピタル)、Arkin Holdings(アーキン・ホールディングス)も参加している(ボストン・ダイナミクス社とソフトバンクは今回の投資には加わっていない模様)。

イスラエルに本拠地を置くパーセプト社は、2014年の創業以来7250万ドルを調達している。企業価値評価は開示していないが、CEOで創業者のDor Abuhasira(ドア・アブハシーラ)氏は「素晴らしいラウンドだ」と説明している。

同氏はインタビューで「この分野のリーダーになれるほどの支援が得られた」と語っている。同社は約10か国に顧客を抱え、顧客リストにはENEL社、Florida Power and Light(フロリダ・パワー・アンド・ライト)社、Verizon(ベライゾン)社などが名を連ねている。

ドローンメーカーには、ハードウェアの製造に注力するメーカーもあれば、ドローンを正しく安全に動作させるソフトウェアに用意する必要がある解析、コンピュータビジョン、その他の重要なテクノロジーの開発に力を入れているメーカーもある。パーセプト社は、すべてを自前で用意しているという点で、私が「アップル・アプローチ」と呼ぶ(アブハシーラ氏もそれを認めている)、垂直統合を採用している。

そのアプローチにはAI、コンピュータビジョン、ナビゲーション、解析の専門家や産業用ハードウェアの分野で優秀な人材を集めてチームを編成していることも含まれるが、テクノロジー業界が軍事投資と密接に関係しているため、いずれもイスラエルが強みを持つ分野である(注:同氏によると、パーセプト社は自社でチップを製造せず、Nvidia社から調達している)。

「アップル・アプローチはドローン開発で成功する唯一の方法です」と同氏は言う。「それは、ドローン開発のすべてがまだ複雑すぎるためです。アンドロイド・スタイルのアプローチでは、全体の流れのどこかでほころびが生じてしまいます」。

同社の製品は「ボックスに入ったドローン」として提供される。これは購入後にセットアップがほとんど必要なく動かせることを意味しているが、同時に、その仕組みも表している。ボックスから飛び立ったドローンはデータを収集し、充電のためにボックスに戻り、リアルタイムで集めたデータや、その他のデータを転送する。

ドローンそのものはオンデマンドで動作する。問題を示唆する可能性のある変化を検出するための定期的な監視の他に、エンジニアから情報のリクエストによって飛行してデータを収集することもできる。同社の製品は、Autonomous Site Inspection and Monitoring(自律型現場検査・監視)の略である「AIM」という名前で販売されている。

先週、Amazon(アマゾン)がプライムエア計画を変更するというニュースが飛び込んできたが、これは開発者がたくさんいても、消費者向けのビジネスアプリケーションは、商業的に実現するまでの道のりが多難であることを示している。パーセプト社のような企業はそれとは対照的に、完全に無人の環境における飛行とデータ収集に注力している。

同社の製品は、自動化で得られる効率性(とコスト削減)に産業界がより大きな関心を寄せている状況にしっかりと適合している。それは同時に、「デジタルトランスフォーメーション」という昨今のバズフレーズにいかに企業が投資しているかを最もよく表すものとなっている。

コーク・ディスラプティブ・テクノロジーズ社長のChase Koch(チェイス・コーク)氏は声明の中で、「パーセプト社のAIMは、多数の産業の数十億ドル規模の問題に対応し、製造現場の管理方法を、IoT、つまりインダストリー4.0時代の方法に変革すると考えています」と述べている。さらに「パーセプト社の自律テクノロジーとデータ解析における実績は素晴らしいものであり、同社は未来の遠隔操作センターを実現するという独自の位置に立っていると考えています。パーセプト社のチームと提携し、それを実現することを楽しみにしています」と続けている。

ボストン・ダイナミクス社とのパートナーシップは次の2つの理由で注目に値する。1つは、自動化された無人の環境で様々なロボティクスハードウェアが連携する方法を示している点、もう1つは、ボストン・ダイナミクス社がいかに気を引き締めているかを示している点だ。

後者について、同社は何年にもわたってロボティクスの分野に新しい風を吹き込んできた。特に、でこぼこした地形をものともせず、取っ組み合いをしても倒れない、俊敏で頑丈なイヌ型ロボット(「Spot」や「Big Dog」など)が有名である。

2013年、Googleはこの技術に注目し、秘密の研究開発計画の一部として同社を買収した。しかし、そこからビジネスは生まれなかった。また、既にこの技術がパワフルすぎるとみなされていたタイミングで、Googleに複雑な見通しをもたらしたと思われる。その後、2017年にソフトバンクが同社および他のロボティクスアセットの買収を発表した。この買収でも実際にはまだ何ら成果が挙げられていないようであるが、今月になってまたHyundai(ヒュンダイ)による買収計画が報じられている。

サードパーティとのパートナーシップが次々と進んでいることは、ボストン・ダイナミクス社の大規模なR&D投資が事業による配当でやっと回収できる可能性があることを強く示している。

確かにパーセプト社のアプローチは垂直統合型であるが、長期的、また全般的には、産業用の物理的の用途に合わせた「つながる」スマートハードウェアを構築する様々な企業間で相互運用性やコラボレーションを高めるための議論が必要である。

これは、特定の産業が必要な機器や専門技術に集中して取り組めると同時に、業界最高クラスとみなされるハードウェアとソフトウェアでその取り組みを補完できることを意味する。アブハシーラ氏は、ボストン・ダイナミクス社とのパートナーシップに続き、今後多くの企業とパートナーシップを築くことを期待していると述べている。

これは興味深い最初の例になる。パートナーシップにより、Spotにパーセプト社のドローンが搭載され、高解像度の画像とサーマルビジョンを撮影し、「AIMから送られたデータにより、マシンや導体の高温部、プラントでの水漏れや蒸気漏れ、性能が低下している機器などの問題を検出する」ことが期待される。また、飛行中に撮影した映像以上に詳細な映像も得られる。さらに、将来的には、連携したデバイスから得られたデータを基に、Spot(またはおそらく第三の自律型ハードウェア)で修理やその他の支援を実行できるかもしれない。

ボストン・ダイナミクス社のビジネス開発担当VP、Michael Perry(マイケル・ペリー)氏は声明で、「パーセプト社のSparrowドローンとSpotの連携は、固有の遠隔検査ソリューションになります。このパートナーシップは、ロボットとのコラボレーションを利用する価値と、危険な作業や遠隔作業を伴う産業にロボティクスがもたらす作業員の安全性とコスト削減という素晴らしいメリットを示すものです」と述べている。

関連記事:ドローンが視覚的に障害物を避ける技術でFAA規制の壁を乗り越えるIris Automationが約13.5億円調達

カテゴリー:ドローン
タグ:資金調達

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(翻訳:Dragonfly)

ドローンが視覚的に障害物を避ける技術でFAA規制の壁を乗り越えるIris Automationが約13.5億円調達

ドローンが日常の物流インフラの要になるのはいまや時間の問題だが、現時点からそこまで行く間には、まだ大きな障壁が残されている。特に規制の壁は大きい。Iris Automation(アリス・オートメーション)は、無人飛行の標準規格づくりに関連する規制上の難題を解決に導くコンピュータービジョン製品を開発している。そこには、さまざまなカメラに幅広く対応できる障害物を検知して回避する同社の技術が活かされている。このほどIris Automationは、シリーズB投資ラウンドで1300万ドル(約13億5000万円)を調達し、その資金を技術の改良と発展、そして規制当局との協力による効果の実証実験に役立てようとしている。

Iris AutomationのCEOであるJon Damush(ジョン・ダマシュ)氏と、Iris Automationに投資を行っているBessemer Venture Partners(ベサマー・ベンチャー・パートナーズ)副社長Tess Hatch(テス・ハッチ)氏に、今回のラウンドと同スタートアップの今後と目標について話を聞いた。2020年の初めにCEOを引き継いだダマシュ氏は、Boeing(ボーイング)勤務時代の経験、パイロットとしての個人的な体験、そして、商用UAV業界に爆発的成長のステージを整えた小型で安価、かなり入手しやすくなった電動モーター、バッテリー、強力なコンピューターモジュールの出現が航空業界に与えるインパクトに関して語ってくれた。

「航空宇宙の世界に50年間存在していた障壁を、私たちはいくつも打ち破ってきました。以前ではあり得なかったほど簡単に、航空機を作れるようにした製造ツールの真の民主化が始まったからです」とダマシュ氏はいう。「そうした状況から、また人をコクピットに乗せずに飛ばせるようになったことから、課題がいくつも生まれています。中でも、規制環境の問題です」。

米連邦航空局(FAA)も、世界中のほとんどの航空宇宙規制当局も、商用飛行に関する規制を基本的に2つの大きなくくりに分けているとダマシュ氏は説明する。1つは操縦、つまり飛行中に行う即時的な行為に関するもの。もう1つはパイロットに関するものだが、これを無人航空機に適用しようとすると、非常に厄介なことが起きる。

「最大の課題の1つは、91.113bと呼ばれる規制に関するものです。そこには、許された気象条件では、航空機に搭乗しているパイロットが他の航空機を目視し回避する全責任を負うという条文があります。これは3マイル離れろ、5マイル離れろ、1マイル離れろといった分離標準とは違います。パイロットは最後の砦であり、セイフティーネットなのです。安全な飛行のための危険緩和策がほぼすべて失敗したとき、他の誰かとぶつからないためにパイロットが乗っているということです」。

そこでIrisの出番だ。光学カメラをベースにした障害物回避システムで、パイロットが乗っていない航空機の最後の砦の役割を実質的に代行する。そしてこれが、現在の商用ドローン規制環境における最大の制限因子、つまり人間の目視を越えて航空機を飛行させる能力を実現する。障害物回避システムにより、オペレーターが常時目で観察していなくてもドローンを運用できることを意味する。一聴すると、この制約因子は長距離飛行に関わるものであるかに聞こえるかもしれないが、実際にはむしろボリュームの問題だとダマシュ氏は指摘する。常に人間の目視の範囲内でドローンを飛ばさなければならないという制約を取っ払えば、ドローン1機にオペレーター1人という体制から、何機ものドローンを1人のオペレーターが運用する体制に移行できる。そうして初めて、商用ドローン運送の規模の経済が実際に意味を持ってくる。

Irisは、2020年に総合パイロットプログラムの一環としてFAAに協力し、2つの異なる使用事例のデモンストレーションを行い、それを実現へ近づけた。また同社は、Casia(カシア)システムの2つめのバージョンを発表した。これは、非常に離れたところにあるオブジェクトの検知能力を持つ。ハッチ氏は、この2つが、追加投資でさらに出資を増やすBessemerの判断要因になったと指摘する。また、業界の需要や商用ドローン市場への信頼が、新型コロナウイルスに何らかの影響を受けたかを尋ねた。すると、それは特筆すべき重要因子であり、この業界の本質がそれによって変化し始めていると彼女は答えている。

「現在、最も大きな産業は農業と公安の2つです」とハッチ氏は私に話した。「公安は去年、上位に入っておらず、入っていたのは農業、建設、エネルギーでした。ドローン業界におて、公安は確実に重要な垂直市場になっています。誰かが心臓発作やアレルギー発作を起こしたときのことを想像してみてください。救急車が来るまでに平均で14分かかります。ドローンなら、数分でその人にAEDやエピペンを届けることができ、命を救えます。新型コロナの収束後も、この追い風が続くことを切に願っています」。

今回のシリーズB投資ラウンドには、Bee Partners(ビー・パートナーズ)、OCA Ventures(OCAベンチャーズ)、そして新規の戦略的パートナーとしてSony Innovation Fund(ソニー・イノベーション・ファンド)とVerizon Ventures(ベライゾン・ベンチャーズ)が参加している(自己開示情報。TechCrunchはVerizon Media Groupの子会社だが、その投資部門とは直接、間接いずれの関与も受けていない)。ダマシュ氏は、ソニーは大変に有望な戦略的価値をもたらしたと話す。なぜならソニーは、ドローン業界で利用されているイメージセンサーの膨大なスタックを開発しており、ドローンそのものも開発しているからだ。その一部として、Verizonも大規模なドローン運用の際に欠かせないネットワーク接続の分野で、重要なパートナーとしての可能性を提供している。

カテゴリー:ドローン
タグ:Iris AutomationFAA資金調達

画像クレジット:Iris Automation

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(翻訳:金井哲夫)

選挙の夜、バイデン氏の勝利と同じくらい大きな勝利を勝ち取ったVerge Aeroのドローン

著者紹介:Carlye Wisel(カーリー・ウィゼル)氏はミッキーマウスの結婚式からパンデミック下でのジェットコースターへの乗車まで、テーマパークに関するあらゆることを取材しているテーマパークジャーナリストだ。同氏のポッドキャスト「Very Amusing with Carlye Wisel」では、ディズニーやユニバーサルなどのテーマパークリゾートで顧客体験がどのようにして生み出されているのか、知られざるストーリーや秘密を探っている。

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2020年は非常に長く感じられたが、今回の選挙もまさにそれを体現していた。第46代大統領を指名するための統計調査プロセスは5日間にもおよび、Joe Biden(ジョー・バイデン)氏が最終的にデラウェア州ウィルミントンで壇上に立ち受諾演説を行った時、多くの人々は疲労と高揚感に満たされていた。本来ならこの演説はこの夜最も記憶に残るものとなったはずだ。あのドローンショーさえなければ、だ。アメリカとバイデン氏自身の両方を驚嘆させ、驚く同氏の顔がすぐにミーム化されたあのショーだ。

この愛国的なショーは、フィラデルフィアに拠点を置く従業員わずか6名の小規模なスタートアップVerge Aero(ヴァージエアロ)によるものだ。Philadelphia Eagles(フィラデルフィア・イーグルス)やMicrosoft(マイクロソフト)、そして今回は次期大統領バイデン氏のキャンペーン勝利の式典とかなり大きなクライアントを取り込んでいる。Verge Aeroはライトショーエンターテイメント用に特別に設計されたソフトウェアとドローンを使用して、印象的なショーをより身近なものにするという点で市場をリードしただけでなく、自宅で見ていた多くの人々に最新の空中デザインの精度の高さを見せつけることに成功した。

同社CEOのNils Thorjussen(ニルス・トールユッセン)氏は照明ソリューションの開発経験を持つ業界のリーダーであり、ドローンライトショーのプロセスを簡素化して完成させるためにチームを率いて3年間を研究開発に費やしてきた。すべてを自社で製造したことで、大規模イベントにふさわしい実行性と手軽さを備えた完全統合型システムの構築を実現した。デザインソフトウェアとカスタマイズされたドローンを併用することで、空中ディスプレイをより安全に、より簡単に、より費用対効果の高いものにすることができる。機敏な実行力は言うまでもない。

画像クレジット:Strictly FX

 

バイデン氏勝利のためのショーを完成させるまでにわずか 2 週間しかなかったため、Verge AeroはStrictly FXと協同で製作を行った。花火と共にバイデン氏の選挙活動ロゴや「次期大統領」の文字、アメリカの地図をかたどる200 台のドローンが打ち上げられた。Verge Aeroはこのような課題に特化して作られたデザインスタジオてあり、大規模なショーを即座に簡単に実現するためプロセス全体が簡素化されている。

あるプラットフォームから別のプラットフォームへと引き渡しを行えばその分エラーリスクを増大させることになるが、その工程を排除することでオールインワンのソフトウェアセットが衝突防止計算を自動的に処理し、ヒューマンエラーにフラグを立てて修正してくれる。これにより同社のソフトウェアアプリケーションでは、決して飛行経路が交差しない。簡単に言えば、同社のドローンは衝突しないということだ。次期大統領の近くでドローンの大群を飛ばそうとしているなら、おそらく同社の製品を使うのが賢明だ。

安全検査と政府の承認を得るのは大変だっただろうが、選挙の夜に行われたプレゼンテーションは、高い適応性と完璧な実行力を見せつけた、まさにVerge Aeroがその実力を発揮できる場だったと言える(トールユッセン氏はバイデン氏のドローンショーにおけるプロセスについて我々に詳しく語ってくれることはなかったが、同社の関与についての詳細はその後公開されている)。

この種のショーをどうやって成功させたのかについての詳細はあまり積極的に語られていないが、未来のリーダーの目の前で何百もの小さなロボットを飛ばす許可を得るために伴うチャレンジの大きさは明白だ。高度なセキュリティを必要とし、非常に注目度の高いドローンショーの実行というプレッシャーがあっただけでなく、実行日が保証されていないという事実もあった。「私たちの仕事の多くは、全く構造化されていない変化の激しい環境で行われることが多いため、このような困難な展開には慣れています」とトールユッセン氏は語る。バイデン氏のショーのため、特殊効果チームは火曜日から土曜日の夜まで、ほぼ1週間待機していたという。

それにしても、Verge Aeroの平均的なドローンショーでは100台のドローンをセットアップするのに2人で45分しかかからないため、バイデン氏のライトショーの準備時間は2時間未満だったと考えられる。ソフトウェアとハードウェアの密接な統合により、個々の飛行経路や開始位置を個別に設定する必要がなくなり、ショーのセットアップがより迅速に実施できるようになっている

各ドローンはまた、個別の飛行パターンだけでなくショーをフルコピーすることが可能だ。ソフトウェアが自動的に配置と準備状態をチェックし、ドローンを任意の開始位置に配置することができる。

「開発面において我々がここまで来るのにこれだけの時間がかかった理由は、私がいつも一緒に仕事をしているデザイナーたちが彼らの好きなように操作できるツールキットを作りたかったからです。各ドローンを素早く設定して変更を加えることができるため、進化するプロダクションのニーズに確実に対応することが可能です」とトールユッセン氏は言う。

画像クレジット:Strictly FX

 

Verge Aeroがバイデン氏のドローンショーのためにドローンを実際に飛ばしたのは受諾演説当日の夜のみだ。 リハーサルが行われることはまずない。その必要があることが稀だからである。トールユッセン氏によると、同社の事前レンダリングは実際に目にするものとほとんど同じであるという。まさにデザイン版のWYSIWYG(見たままが得られる)だ。

「私は一からすべてを行い、基本原理から実際に我々がやりたいことをすべて実行するための適切なインフラを構築すると決めていました。障害物にぶつかってデザイナーのやりたいことをサポートできないということが起こらないようにするためです」とトールユッセン氏。

カスタムソフトウェアと同様、同社は独自のドローンを開発しているが、必ずしもそれは望んでそうなったことではない。「単純に我々が必要とするようなドローンが存在しなかったからです。特に通信に関しては、通信を非常に信頼性の高いものにするための技術に投資してきたため、独自のドローンを作る必要がありました」。

Verge Aeroは多くの作業を確実にこなせる製品開発に取り組み、バイデン氏の受諾演説の際には明確で見やすいデザインを見事に実現させた。

トールユッセン氏は次のように述べている。「私たちは設計上の重要なポイントを2点決めていました。私たちが重視したのはポジショニングの精度の高さと、光の出力の大きさです。この2つの条件が揃えば少ないドローンでも精度が高いショーが可能となるからです」。

同業者ではIntel(インテル)が有名だが、Verge Aeroはより軽快で実行しやすく、よりダイナミックな製品の開発に成功している。Verge Aeroの自社製品ソフトウェアと同様に、同社のX1ドローンはライトショー用に特別に製作されている。カメラは搭載されておらず、「目もくらむほど明るい」LED 光源を使用した、IntelのShooting Starのほぼ2倍のトップスピードと持続時間、風耐性を持つ製品だ。

照明ディスプレイ使用のために特化して開発されたX1は、Shooting Starより重さがあるがエンターテイメント目的のものとしては安全性が高くより優れた製品となっている。これは別に、IntelのドローンがTechCrunchのライターの頭に一度落ちてきたことがあるから言っているわけではない

しかし、今回のショーを特別記憶に残るものにしたのは、Strictly FXとの多分野にわたるコラボレーションがあったからこそであり、これにはVerge Aeroのリーダーの今後のビジョンが表れている。

「究極を言えば、ドローンをやるだけではつまりません。同じようなことを繰り返すだけのことを私はマーチングバンドコンテンツと呼んでいますが、それだけでは時間が経つにつれて面白くなくなってしまいます。ドローンは作品を作るためのツールの一つに過ぎません。要素が多ければ多いほど魅力的なショーになるのです」。

自宅からこのショーを眺めていた3500万世帯以上の人々のみならず、バイデン次期大統領自身の嬉しそうな反応を見れば、これが真実であることは明白である。「だからこそ、その瞬間が特別なものになるのです。ショーが終わった後、私の携帯は今にも爆発しそうなほどなり続けていましたよ」。

関連記事:蛾のアンテナを移植したドローン「スメリコプター」は化学物質を嗅ぎ逃さない

カテゴリー:ドローン
タグ:政治

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(翻訳:Dragonfly)

蛾のアンテナを移植したドローン「スメリコプター」は化学物質を嗅ぎ逃さない

母なる自然を超えようとしても、そうするだけの価値がないこともある。そんな判断を下したのは、ワシントン大学の技術者達だ。彼らは蛾のアンテナのように繊細な化学センサーがないことを嘆き、新しい人間の技術を発明するよりも、蛾の生態を流用することを選んだ。見よ!「Smellicopter(スメリコプター)」だ。

衝突回避やその他のロジックが組み込まれた小さなドローンのプラットフォームに搭載されたこの装置は、人工と自然の創意が融合した非常に有望なプロトタイプだ。

「自然は、我々人間が作った匂いセンサーなど打ち負かしてしまいます」と、スメリコプターについて説明した論文の筆頭著者であるワシントン大学の大学院生Melanie Anderson(メラニー・アンダーソン)氏は、大学のニュースリリースで認めている。

多くの産業用アプリケーションで何よりも重要なのは感度だ。たとえば有毒粒子を他のセンサーで検出できる濃度の何分の一かの濃度で検出できるセンサーがあったとしたら、2つのセンサーのうち、より感度の高い方を使うのは当然のことだろう。

一方で、有毒ガスの噴煙に向かって飛んでいき、その結果を報告できるように蛾を訓練するのは容易なことではない。そこでチームは、一般的なスズメガのアンテナを(慎重に)取り外し、それを基盤の上に搭載した。これに弱電流を流すことで、このプラットフォームは特定の化学物質にさらされると変化する蛾のアンテナの全体的な状態をモニターすることができる。たとえば蛾が追いかけたいと思うもの、花の香りなどだ。

動画をご覧いただきたい。

テストでは、このサイバネティック・モス・マシン構造体(モスは蛾)は、従来の同程度の大きさとパワーのセンサーよりも優れた性能を発揮した。アンテナの細胞は、その上を漂う粒子の化学物質に反応して励起し、高速で信頼性の高い正確な信号を生成した。これらの感度を「再プログラム」することは、簡単ではないがまったく不可能というわけでもないだろう。

この小さなドローンの本体には、アンテナを風上に向けておくための巧妙なエンジニアリングが施されている。おそらく圧力センサーとジャイロを使えば、ドローンを正しい方向に向け続けておくことは可能なはずだ。しかしチームは、一対の大きくて軽いフィンをドローンの後部に取り付けるというシンプルなアプローチを採用した。これがちょうど風見鶏のように働き、ドローンを自動的に風上に向ける。良い匂いが漂ってくれば、そちらに向かっていくというわけだ。

これはまだまったくのプロトタイプに過ぎないが、この種のシンプルさと感度は、重工業や軍のような潜在的な顧客にとって十分に魅力的であることは間違いないため、チームにはすぐにオファーが来るだろう。スメリコプターの設計について書かれた論文は、IOP出版の学術雑誌「Bioinspiration & Biomimetics(バイオインスピレーション&バイオミメティクス)」で読むことができる。

カテゴリー:ドローン
タグ:ワシントン大学

画像クレジット:Mark Stone / UW

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Amazonのドローン配送開発チームが組織再編成でレイオフに

Amazon(アマゾン)が、同社のドローンによる配送事業Prime Airでレイオフを行ったとする米国時間11月19日のFinancial Timesの記事を確認した。

同社広報担当者のKristen Kish(クリステン・キシュ)氏はTechCrunchに対して「弊社の正規事業運営の一環として、顧客と事業のニーズに対して最良の対応ができるように、大きな組織におけるPrime Airのチームを再編成している。影響がある従業員には、現在、アマゾンが人を探している分野の中からその経験やニーズに最もふさわしい役割を見つけるよう努力している」と述べている。

この声明は、社内での配置換えも含む人減らしを行ったアマゾンの部課において、典型的なものだ。また今回は、特にドローン部門が不調なのではないかという記事にも対応しなければならない。それに対してアマゾンは、Prime Airプロジェクトにはコミットしている、と応じている。

記事は数ダースものレイオフを挙げているが、当然ながらアマゾンは正確な数字を提供していない。しかし、同社の既存の強健な配送システムに、高速の空輸を加える意欲的なプロジェクトのローンチが遅れているのも事実だ。

2020年6月に開催された同社のRE:Marsカンファレンスに関するブログ記事で、アマゾンの消費者部門のトップであるJeff Wilke(ジェフ・ウィルケ)氏は「私たちの世界最高のフルフィルメントと配送のネットワークにより、Prime Airを迅速かつ効率的にスケールして、数カ月後には商品のドローンによる配送を実現できるだろう」と述べている。

確かに、現在進行中の新型コロナウイルスのパンデミックによるエッセンシャルワーカーの健康危機が、このようなローンチの基本的動機だろう。またこの事業には、規制と技術の両面で克服すべきハードルも多い。このサービスは、2020年8月にFAAから試験を認可されている。

関連記事:Amazonのプライムエア配達ドローンが米当局からテスト飛行認可を取得

カテゴリー:ドローン
タグ:AmazonAmazon Prime Air

画像クレジット:JORDAN STEAD/Amazon

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(翻訳:iwatani、a..k.a. hiwa

ソニーがZMPとの合弁会社エアロセンス製国産ドローン「AEROBO」の導入法人パートナーを募集

ソニーがZMPとの合弁会社エアロセンス製国産ドローン「AEROBO」導入法人パートナーの募集を開始ソニーは11月10日、同社クラウドファンディングサイト「First Flight」において、エアロセンス製国産ドローン「AEROBO」(エアロボ)の導入法人パートナーの募集を開始した。スタートアップの創出・事業運営を支援する「Sony Startup Acceleration Program」(SSAP)によるスタートアップ支援サービスの一環。

自律飛行型ドローンは、測量・点検・物資輸送・災害調査・捜索など、今後さまざまな利活用が想定されるとし、エアロセンスの空飛ぶロボットとともに、空から社会を支えるパートナーを募集している。「AEROBO(エアロボ:エアロセンス製国産ドローン)導入 法人パートナー募集」ページより応募可能。

AEROBOは、「空を舞台に、人の役に立つロボットを創ろう」と、ソニーと自動運転ベンチャー「ZMP」との合弁会社として2015年8月にスタートした、エアロセンスが生み出した国産ドローン。3つのラインナップを用意しており、多岐にわたるソリューションに向けた自動飛行、有線給電による長時間連続飛行、最高時速100km、最大飛行距離50kmでの自動飛行などの特徴を備えている。

汎用型ドローン「AEROBO AS-MC03-T」

汎用型ドローン「AEROBO AS-MC03-T」は、物資輸送・点検・災害調査など多岐にわたるソリューションに向けた自動飛行型ドローン。可搬重量3kg、防水防塵(IP43)を実現し、様々な用途で活躍するとしている。募集パートナーはドローンスクール運営会社、インフラ点検会社など。汎用型ドローン「AEROBO AS-MC03-T」

災害調査の様子(アクションカム搭載)

災害調査の様子(アクションカム搭載)

有線給電伝送ドローン「AEROBO onAir(エアロボオンエア)AS-MC03-W2」

有線給電伝送ドローン「AEROBO onAir(エアロボオンエア)AS-MC03-W2」は、有線給電により長時間連続飛行し、光ファイバー経由で低遅延非圧縮の4K映像中継を実現する国産ドローン。30倍ズームしても映像はスムーズで、カメラも含めて防水防塵。有線制御なので無線の外乱の心配もない。募集パートナーは放送局、警備会社など。有線給電伝送ドローン「AEROBO onAir(エアロボオンエア)AS-MC03-W2」

日本テレビ放送網株式会社「第87回日本プロゴルフ選手権大会」 AEROBO onAirによる生中継映像より抜粋

日本テレビ「第87回日本プロゴルフ選手権大会」 AEROBO onAirによる生中継映像より抜粋

全自動垂直離着陸型固定翼ドローン「AEROBO wing(エアロボウイング)AS-VT01」

全自動垂直離着陸型固定翼ドローン「AEROBO wing(エアロボウイング)AS-VT01」は、垂直離着陸なので場所を選ばず、最高時速100km、最大飛行距離50kmで自動飛行可能。その特徴を活かし、衛星写真よりもタイムリーかつ高精度に、セスナやヘリよりも手軽に、広範囲な写真測量・精密農業・点検・調査を実現。山間部や離島間における物流の効率化、さらには防災や災害調査、緊急搬送などにも貢献できるという。募集パートナーは航空測量会社、インフラ点検会社など。全自動垂直離着陸型固定翼ドローン「AEROBO wing(エアロボウイング)AS-VT01」全自動垂直離着陸型固定翼ドローン「AEROBO wing(エアロボウイング)AS-VT01」

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カテゴリー: ドローン
タグ: エアロセンスAEROBOAISSAPZMP
Sony / ソニー(企業)First Flight日本

ソニーが新ブランドAirpeakでドローン業界に参入

Sony(ソニー)が、Airpeakという新しいブランドでドローン市場に参入することを発表した。しかし、ドローン自体の詳細は謎に包まれている。計画では、プロジェクトの立ち上げは来春とされている。

その簡潔な発表声明は、「ドローンの最近の増殖と、それらにより産業とクリエイティブの両分野に生じた変化に刺激された」と述べているだけだ。

Airpeakは複数の業界を市場として狙うが、しかし消費者市場でトップであるDJIと対抗する気なら、機能の多様化もほどほどだろう。

Sonyはそのドローンを「AIロボティクスの分野として」開発するという。つまり、これまでドローンの運用が難しかった用途も狙うのだ。Sonyは、大量のインテリジェンスをドローンのシステムに組み込むつもりだ。

小型のUAVはますます賢くなり、いまでは障害物の回避や他の飛行物体の認識、人間の操縦士が介入しなくてもビルとビルの間を飛ぶなどができるようになった。しかしまだ、アイデアと理論だけで実現していない能力もたくさんある。

現状では、その名前とプロジェクトの一般的な雰囲気、そして画像や映像の背景に描かれているのは確実に単一回転翼、これだけしかわかっていない。しばらくは、公式ウェブサイトを注視しよう。

カテゴリー:ドローン
タグ:Sony

画像クレジット: Sony

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

自律型ドローンのSkydioがテスラとSamsaraの元社員をエンタープライズ事業で起用

自律型ドローンを開発するSkydioは、最近のシリーズCの資金調達ラウンドで1億ドル(約103億円)を獲得した後、一般消費者向け市場だけでなく企業や公共部門の市場にも拡大するという同社の戦略の一環として、製品およびエンジニアリング部門の幹部を3人雇用した。

今回の起用にはTesla(テスラ)で5年間にわたりソフトウェア開発にてディレクターを務め、最近ではCarbonで同様の上級職に就いていたRoy Goldman(ロイ・ゴールドマン)氏もいる。ゴールドマン氏はSkydioのプロダクトマネジメント部門の責任者として採用された。

Skydioはまた、以前はSamsaraでエンジニアリング担当バイスプレジデントを務め、最近では車両安全担当ゼネラルマネージャーを務めていたRyan Reading(ライアン・リーディング)氏を、ソフトウェアエンジニアリングの責任者として雇用した。Samsaraでテレマティクス製品グループを率いていたMike Ross(マイク・ロス)氏は、製品管理のシニアディレクターとして採用されている。

同社は米国時間11月5日、この3人が「業界初の統合型エンタープライズオートノミースタックというSkydioのビジョンを実現する上で、重要な役割を果たすことになります」と述べている。

SkydioのCEOであるAdam Bry(アダム・ブライ)氏はブログ記事の中で、クラウドに接続されたハードウェアでエンタープライズ製品を提供してきた同社の実績が、Skydioにとって「鍵」になるだろうと指摘している。

Skydioは2020年初めに1億ドルを調達し、エンタープライズや公共部門、防衛市場向けの製品開発の次のフェーズに資金を投資している。

Skydioは当初、コンシューマー向けドローンに注力しており、2014年の創業より2機種を発売している。コンシューマ用ドローンの両モデルは、人工知能技術を用いて人間の操作なしで飛行できる。自律型システムは物体や人を追跡すると同時に、樹木や送電線などの障害物を含む障害物との衝突を回避できる。

Skydioは2020年夏に、企業向けに設計された新しいドローンプラットフォーム「X2」を発表した。360度のスーパーズームカメラ、FLIRによる320×256ドットの赤外線カメラ、35分の飛行時間を実現するバッテリー寿命、最大航続距離6.2マイル(約10km)を実現するX2ドローンは、今年の第4四半期に出荷される予定だと同社は以前に述べていた。

カテゴリー:ドローン
タグ:Skydio

画像クレジット:Skydio

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

カメラと接続性がアップグレードしたDJIの人気超小型ドローンの新モデルMavic Mini 2登場

DJIのMavic Miniについて、2019年の発売時にも紹介した。そのとき、Matt Burns記者は「高品質なドローンに必要なものがすべてある。カメラも航続距離もコントローラーもすべて良い。風にも負けないし、十分速くて楽しい」と記事をまとめている。米国時間11月4日、DJIは2つの改良を加えたMavic Mini 2を発売した。

本日から購入できるこのニューバージョンは、新製品というよりも改良版だ。最初のバージョンの出来が良かったときには、往々にしてそうなる。いずれにしてもこれは、DJIとMavicドローンが数世代にわたって積み重ねてきたものの成果だ。サイズは前モデルとほぼ同様で、バッテリーとプロペラを含む重量は199gでたたんでバッグに入れることができる。

画像クレジット:Gregory Manalo

最大のアップグレードはカメラだ。30fpsで4Kビデオを撮影できる。静止画は12MPで、4倍のデジタルズームが可能だ。DJIによるとロスレスならズームは最大2倍、このズーム機能は今後も改良されていくだろう。

その他にもDJI独自のワイヤレス技術であるOccuSync 2.0への変更もある。この技術は最新のMavic Airにも搭載されている。DJIは「OcuSync 2.0はDJIの世界的に有名な送信技術で、リモコンとドローンの間で高い安定性と信頼性を持った接続を確保する。二重周波数方式によりチャンネルを自動的に切り換え、妨害を防ぐ」と説明している。

画像クレジット:Gregory Manalo

画像捕捉機能(イメージキャプチャ)は、常にアップデートの主役だ。クイックショットモードは、ドローニー、ヘリックス、ロケット、サークル、ブーメランの5つがある。パノラマモードはスフィア(球体)、180度、広角の3種だ。

画像クレジット:Gregory Manalo

価格は399ドル(約4万1600円)から449ドル(約4万6800円、日本では5万9400円・税込み)に上がっている。ドローンとリモコンの他にもバッテリーが付属する。バッテリーが3つ付属するバージョンは599ドル(日本では7万9200円)で、これには充電ハブとショルダーバッグも付いている。

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カテゴリー:ドローン
タグ:DJI

画像クレジット:Gregory Manalo

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

DRONE FUNDが目標調達額100億円とする3号ファンドからの新規投資活動を順次開始

DRONE FUNDが目標調達額100億円とする3号ファンドによる新規投資活動を順次開始

「ドローン・エアモビリティ前提社会」の実現を目指すベンチャーキャピタル「DRONE FUND」(ドローンファンド)は10月14日、目標調達額を100億円とする「DRONE FUND 3号投資事業有限責任組合」(3号ファンド)を2020年5月に設立し、2020年9月にファーストクローズを迎えたと発表した。SMBC日興証券、NTTドコモ、ソフトバンク、小橋工業、国際航業、リバネスなどが投資家として参加している。

また、ドローンファンドは2021年3月(予定)のファイナルクローズに向けて資金調達を続けるともに、今回の発表をもって3号ファンドからの新規投資活動を順次開始すると明らかにした。

DRONE FUNDが目標調達額100億円とする3号ファンドによる新規投資活動を順次開始

ドローンファンドは、「ドローン・エアモビリティ社会実装ファンド ~社会受容性の強化と5Gの徹底活用~」というコンセプトのもと、3号ファンドの活動を展開予定。具体的には、次世代通信規格の5Gをはじめ通信インフラの徹底活用などを通じて、フィールド業務の自動化やリモート化などの産業活動のDXを可能とし、ドローン・エアモビリティの社会実装に寄与するテクノロジーへの投資を実行する。

また既存ファンドも含めると、ドローンファンドには大手通信事業者3社が投資家として参画しており、スタートアップ支援に限らずドローン・エアモビリティ産業の発展にあたって理想的な座組みが形成できつつある。ドローンファンドは、今後3号ファンドに参画する投資家とも精力的な連携を行いながら、ドローン・エアモビリティ前提社会の実現にむけた投資を加速していくとしている。

ドローンファンドは、「ドローン・エアモビリティ前提社会」の実現を目指し、関連スタートアップへの投資を積極的に実施。15.9億円で組成した1号ファンド、52億円で組成した2号ファンドを通じて、国内外40社以上のポートフォリオを形成している。

1号ファンドの代表的な投資先としては、2018年12月、ドローン銘柄として初の東証マザーズ上場を果たした自律制御システム研究所が挙げられる。2号ファンドでは、SkyDriveなどのエアモビリティ領域、マレーシアのAerodyne Groupに代表される海外の有力スタートアップ、その他必要不可欠なコアテクノロジーを有するスタートアップなどに投資領域を拡大するなど、「空の産業革命/移動革命」を全方位的に牽引してきた。

また、昨年度は「2022年度におけるドローンのレベル4運用の解禁」、「2023年度におけるエアモビリティの事業化開始」という政策目標が閣議決定され、地方自治体の活動も活発化している点を指摘。これらの機運を追い風に、日本のドローン・エアモビリティ関連のスタートアップにはますます飛躍が期待されているとした。
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カテゴリー: VC / エンジェル
タグ: ドローンDrone Fund日本

DroneDeployが作業現場の3D写真作成でBoston Dynamicsと提携、空中のドローンと地上ロボットの写真を組み合わせる

農業や石油・ガス、建設といった産業の企業が作業現場の3D写真作成に使う鳥瞰図を入手するのをドローン撮影を通してサポートしているクラウドソフトウェア企業のDroneDeploy(ドローンデプロイ)は米国10月13日、新たなサービスを発表した。「360 Walkthrough」という名称で、ドローン写真と地上のカメラ、そしてBoston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)などの地上ロボットと組み合わせるものだ。

本日の発表まで、DroneDeployは作業現場の外観写真を得るのにドローンを用い、そうした写真をアップロードしてつなぎ合わせて3Dモデルにしていた。DroneDeployのCEOであるMike Winn(マイク・ウィン)氏によると、3Dモデルの誤差は1インチ(約2.5センチ)以下だ。

こうした種の作業現場の外観写真の入手は価値あるものだが、顧客は内側も外側も含む完全な写真を求めており、ドローンから送信される写真を処理するだけのプラットフォームは、他のデバイスカメラからの写真に簡単に対応できるようになるとウィン氏は話す。

「当社の顧客は内部からのデータの取得も模索しています。また、現場の状態を安全チームや幹部など社全体で共有し、どういった状態なのかを理解するために現場全体をデジタルで再構築する『デジタルツイン』を求めています」。

同氏はまた、新型コロナウイルスのパンデミックで作業現場へのアクセスが限定される中、定期的に現場の状態を把握することがより重要になっているとも付け加えた。

「顧客は、仕事を行うのに必要な人だけを配置し、現場の全体数を少なくしたいと考えています。なので、現場についての情報を必要としている人がデスクトップや3Dモデル、ストリートビューのようなものでそうした情報を得られれば、この新型コロナ下では本当に役に立ちます」と同氏は話した。

企業はこうした機能を現場内部に設置したカメラと組み合わせることができるものの、地上のロボットが行えるようにはカバーできない。しかしBoston Dynamicsのロボットは、埃や瓦礫がある現場を自由に動き回ることができると同氏は述べた。

画像クレジット:DroneDeploy

ウィン氏はBoston Dynamicsロボットの活用を最終目標以上のものととらえている一方で、DroneDeployソフトウェア用に現場の内外写真を完成させるために近い将来、撮影カメラを持って人間が現場を歩き回るようになるのは大いにあり得ると話す。

「顧客はすでにこうしたデータを集めるのにロボットを導入したがっています。Boston Dynamicsのロボットがこの役割を果たすところを想像できますが、それは最終的なものです。当社は現在、人間の現場見回りもサポートしています。現場の状態をとらえるのに週に1回ほど360度カメラを持って現場を歩き回るというものです」と同氏は語った。

ウィン氏によると、DroneDeployは2013年創業で、これまでに1億ドル(約105億円)を調達した。5000超の顧客を抱え、多くの企業が新型コロナ対応策としてドローンを受け入れていることから、ドローン飛行時間は昨年の2.5倍に増えているとのことだ。

関連記事:ボストン・ダイナミクスの犬型ロボット「Spot」がヨーロッパとカナダで発売へ

カテゴリー:ドローン
タグ:DroneDeployBoston Dynamics

画像クレジット:DroneDeploy/Boston Dynamics

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(翻訳:Mizoguchi

「蛾」の背中に載せて運べる超小型センサー

誰でも伝書鳩を知っているだろう。では、伝書蛾は? この研究プロジェクトはそんな夜行性昆虫を使って、1/100オンス(0.28g)以下の小さな電子装置の配送サービスを提供しようとしている。

システムを作ったのはワシントン大学の大学院生チームと、それを率いる多能な超小型ガジェット作者、Shyam Gollakota(シャム・ゴラコタ)准教授だ。

「これは超小型ドローンや蛾のような昆虫からセンサーを落下させた初めての事例です。小さな昆虫は狭い場所通るのがどんなドローンよりも得意でずっと長く飛んでいられます」と同氏が大学のニュースリリースで語った。同氏は蜂のバックパック(未訳記事)や超低消費電力ビデオ通信など、極小スケールの新機能の開発を得意としている。

1セント硬貨の上に載っているセンサープラットフォームは、環境モニタリングからマイクロフォンや光検知装置など何にでも使える。この種の低消費電力ボードではバッテリーが何年ももつので、手の届かない場所の長期間モニタリングとは最適の組み合わせだ。


この仕組みの鍵となるのがリリースシステムだ。作りを軽量かつシンプルにするために、小型センサーは小さな磁石ピンで支えられている。ワイヤレスで信号を送るとピンに巻かれたコイルに電流が生じ、磁界に作用して装置を落下させる。

装置は1匹の蛾が容易に運べるほど小さいが、スズメガは蛾の中では小さいほうではないので、ハチドリくらいのサイズになることもあることをお忘れなく。しかし、見たところもっと小さな種類にも装着できそうだ。おそらくそれが次の実験なのだろう。

エコシステムの隅々まで蛾(あるいは他の昆虫)が運んでいける安価で長持ちするセンサーは、その分野を研究する人たちに非常に興味深いデータをもたらすだろう。もちろん、これを使って最高機密地帯にマイクを潜入させることも可能だろうが、おそらく誰もやろうとしないだろう。

National Science Foundation(国立科学財団)の助成を受けているこの研究は、Mobicom 2020で発表された。

カテゴリー:ドローン
タグ:ガジェット

画像クレジット:Mark Stone/University of Washington

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ドローン開発のSkydioが自動の住宅屋根点検サービスでEagleViewと提携

自律飛行ドローンテクノロジーのハードウェアとソフトウェアツールを展開するSkydio(スカイディオ)はつい最近、法人・商業マーケットに参入すると発表したばかりだが、今度は新たな事業提携を明らかにした。同社はEagleView(イーグルビュー)と協業してSkydioドローンを使った住宅屋根点検サービスを展開する。同サービスはまずはEagleViewの製品Assessを通じて、テキサス州ダラス、フォートワース地域で提供される。

予定では来年、2021年から都市部での展開を拡大し、その後は農村部にも拡げる。提携では、屋根の状態を保険会社や保険申請査定会社、政府機関に提供するために、Skydioの高解像度で精度の高いイメージングとペアリングしたAIベースの分析を用いる。この物件検査は人が行う必要がなく、これまでにない質と精度を提供する。

Skydioは2020年7月に1億ドル(約106億円)の新たな資金調達とともに法人プロダクト拡大を発表した。同社はすでに完全自律飛行の消費者向けドローンを2モデル展開していて、X2という商業ドローンもデビューさせた。X2はサーマルカメラなど追加の機能を搭載している。また、提携企業が自動ワークフローやAI分析、処理が利用できるようになる一連のソフトウェア機能「エンタープライズスキル」も提供している。ここには今回のEagleViewとの提携の核となる住宅屋根点検のためのHouse Scanも含まれる。

関連記事:自律型ドローンのスタートアップSkydioが約107億円を調達、NTTドコモベンチャーズも出資

カテゴリー:ドローン

タグ:Skydio

画像クレジット:Skydio

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(翻訳:Mizoguchi

長距離輸送用ドローンメーカーのVolansiが新型コロナを追い風に53億円調達

概してロボティクスは、パンデミックの間に成長がみられた。よって、投資家が自律飛行ドローン配達に熱い視線を送るのは理に適っている。これはVolansi(ヴォランシ)にとっていいニュース(MarketWatch記事)であり、同社は5000万ドル(約53億円)のシリーズBを発表した。

Icon Venturesがリードした本ラウンドにより、ベイエリアを拠点とするVolansiの累計調達額は7500万ドル(約79億円)になる。ラウンドには既存投資家の Lightspeed Venture PartnersとY Combinatorも参加し、新たにHarpoon VenturesとMerck Global Health Innovation Fundが加わった。

Volansi (旧社名Volans-i)はこのところドローンの長距離飛行をデモンストレートしてきた。TechCrunchは2017年にVolansiが100マイル(約160km)飛行を発表したときに同社について記事を書いた(未訳記事)。100マイルというのは、既存のドローンの大半に適用される規制を考えた時、かなりの偉業だった。最近の同社の主力ドローンは最大積載量10ポンド(約4.5kg)で50マイル(約80km)飛行できるVoly C10と、航続距離350マイル(約560km)で最高速度時速120kmと同社がうたうM20だ。

画像クレジット:Volansi

主な用途は医療物資の輸送だ。従来の地上輸送では難しかったり、あるいは不可能だったりする地域での運搬にドローンは対応できる。現在は企業や政府機関をクライアントに持つ。新たに調達した資金は従業員の増加、新規プロジェクトの立ち上げ、米国や新興マーケットですでに獲得しているイニシアチブの拡大に充てる。

カテゴリー:ドローン

タグ:Volansi 資金調達

画像クレジット:Volansii

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(翻訳:Mizoguchi

米小売大手ウォルマートが医療品配達スタートアップのZiplineと提携、米アーカンソー州でドローン配送テストを拡大

米小売大手のWalmart(ウォルマート)は現在、米国でドローン配達の実現に向け2つのテストを実施している。

米国時間9月14日月曜日の早朝、ウォルマートはアフリカ全土に医療品を配達することで有名なスタートアップであるZiplineと提携し、新しいドローン配達プログラムを発表した。

Ziplineとのパートナーシップは、先週ノースカロライナ州のウォルマートの顧客に荷物を配達し始めたFlytrexとの別のドローン配達の提携の発表に続くものだ(ウォルマートプレスリリース)。

アーカンソー州におけるウォルマートとのZiplineの提携は、同社が今年初めにノースカロライナ州で始めたパイロット配送プログラムを補完するものだ。このプログラムではNovant Healthと協力し、Ziplineは5月からドローンを使って医療機器と個人用保護具をノースカロライナ州で配達する(未訳記事)。

ウォルマートとのドローン事業では、当初はヘルスケア・ウェルネス商品を配送し、後に一般消費者向け商品を拡大する可能性があるという。

2016年にアフリカでサービスを開始して以来、医療用品や機器の取り扱いで存在感を示してきたZiplineにとって、一般向け商品の配送への転換は転換点の一つになるだろう。

ウォルマートの声明によると、この新サービスの試験的な配送は、アーカンソー州北西部で開始し、半径50マイル(約80km)をカバーする。同社のドローン配送への進出は、最大のライバルであるAmazon(アマゾン)がドローン航空業界での活動を活発化させていることも背景にある。

8月末、アマゾンのPrime Airドローン配送車両は米連邦航空局(FAA)から商用配送のテストを開始する許可を得た。これは、UPSのような物流会社が独自のドローン配送ネットワークをテストするために受けた認証に似ている。

一方、ウォルマートは自社でドローンを運用するのではなく、この分野で活動している既存の企業と提携する方針のようだ。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

インスタ映えする空撮スポットをめぐるドローン愛好家向け「飛騨高山の自然を独り占め空撮ツアー」開催

インスタ映えする空撮スポットをめぐるドローン愛好家向け「飛騨高山の自然を独り占め空撮ツアー」開始

旅行業を手がける丹生川(にゅうかわ)観光は9月14日、飛騨高山で雄大な自然をめぐるドローン愛好家向けツアー「飛騨高山の自然を独り占め空撮ツアー」を開催すると発表した。

同ツアーは、ドローン愛好家が飛騨の自然・魅力を空撮できるようにすることで、従来体験できなかった飛騨地域の魅力を体感しつつ安全・快適に楽しめるというツアー。同ツアー催行は飛騨地域で初の試みという。

開催日程は、2020年10月10日から、10月31日から、11月14日からの計3回。場所は岐阜県高山市丹生川町。定員は1回あたり10名(先着順)。参加費は1名あたり税込み4万9800円。GoToトラベルキャンペーン対象者の場合は1名あたり税込み3万5800円/地域共通クーポン6000円/6枚。

  • 場所: 岐阜県高山市丹生川町
  • 日程: 2020年10月10日~11日、10月31日~11月1日、1月14日~15日(それぞれ1泊2日)
  • 場所: 岐阜県高山市丹生川町
  • 参加費: 1名あたり税込み4万9800円。GoToトラベルキャンペーン対象者の場合は1名あたり税込み3万5800円/地域共通クーポン6000円/6枚
  • 定員: 1回あたり10名(先着順)
  • 詳細・申し込み: 「飛騨高山の自然を独り占め空撮ツアー」サイト

「飛騨高山」で知られる岐阜県高山市は、年間約460万人の観光客が訪れる全国有数の観光都市。同市は92パーセントが森林に囲まれ、日本百名山のひとつ乗鞍岳など北アルプス(飛騨山脈)の西部に位置している広大な自然に囲まれた地域でもあるという。

そこで、従来とは違う新ニーズを開拓するものとしてツアーを企画。同地域の自然を空撮によって多くの人たちに広められるため、着地型観光・周辺観光の充実も図る狙いがあるとしている。また、一般的な観光客が少ない市外地を中心とするため3密を回避でき、参加者は安全にツアーを楽しめる。

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Oculus創設者が立ち上げたAndurilが国境の仮想壁となるスマートなドローンを発表

国境の壁を仮想的に作る(米関税国境警備局記事)企業がステルスで高速飛行が可能なドローンの新バージョンを開発し、それを利用する米税関国境警備局(CBP)との新たな契約を勝ち取った。Oculus(オキュラス)の創設者が立ち上げた若い防衛系テック企Anduril(アンデュリル)は、2020年9月にCBPから(US Spendingレポート)、AI駆動の自動監視塔計画のための3600万ドル(約38億円)の資金(Twitter投稿)を調達した。

Andurilは、この短いトランプ政権の時代に(Daily Beast記事)大きく成長し、創設からわずか3年の企業でありながら、防衛当局から驚くほどの期待を集めた。2020年7月、CBPはこれまで建設された監視塔群のために2500万ドル(約26億5000万円)をAndurilに授与している。同局は現在のAndurilとの契約を維持しつつ、さらに200基を2022年までに建設(CBP記事)する予定だ。その予算規模は2億ドル(約210億円)を超える(The Washington Post記事)。

ハードウェアのイノベーションを高速に繰り返すこの突出した企業が、一般消費者向けVRシステムをOculusを通じていち早く世に送り出した問題多き人物(未訳記事)であるPalmer Luckey(パルマー・ラッキー)氏の会社だと思えば納得もいく。彼は、テック界の強力なトランプ支持者(未訳記事)であり、新たなベンチャーに打って出たとき、現在はFacebook(フェイスブック)傘下となったVR企業Oculusから多くの才能を引き抜いた。また、Peter Thiel(ピーター・ティール)氏が創設し、米連邦政府との契約で成長し株式公開の準備中であるPalantir(パランティア)の元従業員も大量に集めている。

関連記事:Border wall bill draws on Palmer Luckey’s new defense company(未訳記事)

創設当初は完全に隠密状態であった同社だが、特に2019年は、そのドローンの性能を公表するようになった。これまでAndurilは、同社がAnvil(アンビル、金床)と呼ぶ、無人航空機を特定し撃ち落とす機能を備えてた(同社は「攻撃ドローン」と呼ばれることを嫌う)対無人航空機ドローン(The Verge記事)の登場を、しきりにメディアに売り込んでいた。そして今、Andurilは、小型で非常に静かでいくつかの新機能を備えた、第四世代のGhost(ゴースト)型ドローンを発表した。

Ghostは、長時間飛行が可能で、見たものをAI駆動の中枢神経系に送る能力を有する。それはAndurilの監視塔やその他のあらゆるハードウェアとデータを共有し、同社のLattice(ラティス)ソフトウェアプラットフォームに中継すると、気になるものを監視対象として特定する。CBPの場合は、米国境を越えた人物を自動的に特定し、国境警備隊員に警報を発するということになるのだろう。

Anduril Industries「Ghost 4を発表します。最もインテリジェントなVTOLです。軍事用小型無人航空機として、戦場の通常作戦でリアルタイムの情報提供を行い、戦闘員の状況判断を助けます」。

Ghost 4はGhost型ドローンの最新バージョンであり、飛行時間は100分、「ほぼ無音の音響特性」を誇る発見されにくい機種だ。さらに同機は、AndurilのLattice AIソフトウェアを内蔵していると思われる。それにより、通信状態の悪い場所や「紛争」地域での運用や目標の特定が可能になる。この新型Ghostは、複数のGhostで形成された群を1人で操作でき、さまざまな機器を用いてデータ収集が行える。

同社によると、Ghost 4は「空中諜報活動、監視と偵察、物資配達、浸入防止、シギント、電子戦」など、さまざまなタイプの任務に対応できるという。モジュラー式システムでカスタマイズが可能なデザインになっているため、Andurilはさらに応用範囲を広げることもできるのだが、今は境界地域と国境の監視のための契約の獲得に集中している。

同社は、CBPとともに2018年からテキサスとサンディエゴで業務を開始している。その翌年までに、Andurilはアメリカ南部の国境地区との関係を正式化し、CBPのサンディエゴ地区では数多くの監視塔の運用に当たり、テキサスではさらに多くの監視塔建設を受注し、寒冷地仕様のハードウェアのための新しい運用試験をモンタナ州とバーモント州の国境地区で実施(The Daily Beast記事)した。

2020年7月、Andurilは2億ドル(約21億円)の投資をAndreessen Horowitzとティール氏のFounders Fundから受けたことを発表し、評価額はこの3年間でおよそ20億ドル(約210億円)に達した(The Washington Post記事)。「私たちがAndurilを創設したのは、シリコンバレーのテック企業が国防総省と手を結ぶことの価値を信じているからです」と、AndurilのCEOであるBrian Schimpf(ブライアン・シンプ)氏は設立当初に語っていた。

米国防総省は、前バージョンのGhostの使用事例を模索しおり、Andurilは、その生まれて間もないビジネスの拡大を望んでいることは明らかだ。それはそう遠い先のことではない。Andurilは2019年にアリゾナ、日本、ハワイの海兵隊基地を「仮想デジタル要塞」で囲む1350万ドル(約14億円)の契約(海兵隊資料)を決め、軍との連携を専門とする人材(Defensnews記事)を雇い入れた。現在、同社の仕事は、母国である米国の防衛予算の一項目(Fedscoop記事)としての地位を確保している。さらに実入りの大きな防衛関連事業の契約につながる扉が、Andurilの前には開かれている。

関連記事:Palmer Luckey’s new defense company Anduril looks interested in AR and VR on the battlefield(未訳記事)

画像クレジット:Anduril

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(翻訳:金井哲)

Amazonのプライムエア配達ドローンが米当局からテスト飛行認可を取得

Amazon(アマゾン)はドローンを使った商業配達の試験を行うのに必要な米連邦航空局(FAA)の認可を取得した。Bloomberg(ブルームバーグ)が報じている。UPSや他のいくつかの企業が取得しているものと同じだ。認可を取得したからといってアマゾンがすぐさま消費者にドローンを使って配達サービスを提供できるわけではないが、その最終ゴールに向けて前進することになる。

同社は配達テストを開始すると述べたが、いつ、どこで行うのか詳細は明らかにしなかった。試験飛行のFAA認可は、商業航空サービスを展開する企業に適用している安全基準や規則を焼き直したものだ。ただし、ドローンの場合、航空機に乗り込む乗務員や機材を誘導するスタッフは必要ないため、これらに関係する必須事項は除外されている。

ドローン配達に関するガイドラインは、重要なシステムの開発と安全テスト、デザインに取り組む方法を企業に提供するためのFAAと商業パートナーによるパッチワークソリューションだ。しかしFAAは、ドローン航空オペレーションを管理するために、より目的に適う規則を2020年後半に定める方向で取り組んでいる。これはクラウド上のフライトの認証に関連したものだ。しかしいずれのドローンフライトも、まだ人間による常時監視を必要とする。

究極的には、実行可能で実用的なドローン配達のシステムには直接の視認を要しない完全自動のオペレーションが必要となる。アマゾンはMK27ドローンを準備している。最大積載量は5ポンド(約2.3kg)だ。しかし、そうしたドローンを頻繁に飛ばせるようにする規制や航空交通管制インフラが更新されるまでには、まだ何年もかかることが予想される。

関連記事:宅配大手UPSとドイツのWingcopterが共同で配達用多目的ドローンを開発

カテゴリー:ドローン

タグ:Amazon FAA / 米連邦航空局

画像クレジット:JORDAN STEAD / Amazon

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(翻訳:Mizoguchi