月商は2億円規模、会員数8万人のパーソナライズシャンプー「MEDULLA」が丸井などから6億円調達

Spartyのメンバー。前列中央が代表取締役CEOの深山陽介氏

パーソナライズシャンプーのD2Cブランド「MEDULLA」を手がけるSpartyは1月23日、丸井グループ、XTech Ventures、アカツキ、ジンズホールディングスを引受先とする第三者割当増資により総額で約6億円を調達したことを明らかにした。

今回の資金調達を機に体験型店舗の運営やサロンとの提携など、オフライン展開を加速させていく計画。現在期間限定で有楽町マルイ1階にオープン中の店舗を3月1日より常設店舗として再オープンするほか、新たな店舗も開設していく予定だ。

なお今回の調達先は丸井グループを除いて全て既存投資家。SpartyではこれまでXTech、アカツキ、ジンズの3社に加え、サティス製薬やアイスタイル、赤坂優氏から資金調達を実施している。

「パーソナライズ×スマホUX」で急成長、会員は8万人突破

Spartyは2017年7月に博報堂出身の深山陽介氏(代表取締役CEO)らが立ち上げたスタートアップ。2018年5月よりユーザーの髪質や香りの好みなどを踏まえたパーソナライズシャンプー・MEDULLAの提供を開始している。

情報通の人は知っているかもしれないけれど、2018年にはOEM先のトラブルにより商品回収を行うなど一時は売り上げがほとんどない危機にも陥った。そこからサティス製薬と資本業務提携を結び、同社と協業する形で2019年4月に全面リニューアルを実施。同年11月からはヘアオイルの販売も始めた。

深山氏によると特に昨年の秋口以降、事業が一気に伸びたそう。現在会員数は8万人を超えるまでに成長し、2020年1月の月商は2億円近くを見込んでいるという。

プロダクトの特徴は「パーソナライズ×スマホUX」だ。MEDULLAはオンライン上で9つの質問に回答するだけでカルテを発行し、約3万通りの中から各ユーザーにカスタマイズしたレシピでシャンプーとリペアを製造する。

ユーザーはスマホをタップしていくだけで自分に合った納得感のある製品を手にすることが可能。フィードバックを送ればより自分に適した形へ処方を改善していくこともできる。

MEDULLAでは自分の髪質やなりたい髪など、9つの質問に対してスマホ上の画面をポチポチタップしながら回答していくだけで、自分に合った処方箋が作成される

質問回答後の画面

日本には1万種類以上のシャンプーが存在すると言われ、店頭やWeb上に様々な商品が並んでいる状況において自分に合ったものを見つけるのは大変だ。深山氏は「思考停止時代のUX」という表現もしていたけれど、実際に「いろんな商品を試したけど、どれがいいのかわからない。自分に本当に合ったものが手軽に手に入るならお金を払いたい」と考えるユーザーは多いという。

「美容はそうとう曖昧なものだと思っている。データだけでその人が本当に喜ぶものを提供できるかというと、その時の環境や気分、体験によっても大きく左右され難しい。だからこそデータで最適なものを提供することをベースにしつつも、ユーザーにデジタル起点でしっかりと寄り添い、曖昧な悩みを一緒に形にする。そしてずっと同じものではなく商品をどんどん変え、『サービス』にしていくことを大事にしている」(深山氏)

プロダクトを多くの顧客に届けるという観点では、Spartyは初期からサロンとの提携にも力を入れてきた。現在150店舗を超える提携サロンでは美容師が無料で髪質や頭皮の状況を診断し、MEDULLAを体験してもらった上で興味を持ったユーザーに販売する「体験型販売」を実施している。

ユーザーは美容師の診断を受けた上で実物を試してから購入できるのがメリット。通常通りユーザーのスマホを使ってオンラインで購入手続きをするため、サロン側は在庫を抱える必要がなく始めやすい。販売できると定期的にマージンが得られるので収益アップにも繋がる。デジタルを起点にサロンのビジネス構造をアップデートする取り組みと捉えることもできるだろう。

MEDULLAにとっても顧客とのタッチポイントが増えるだけでなく、“認知されてはいるものの購入には至っていなかった顧客”の背中を押すスイッチにもなりうる。

美容品ということもあり「実際に香りを試したい、対面で話を聞いて確認してから購入したいというニーズも一定数ある」(深山氏)ため、サロンはそのための場所として効果的。サロン経由で購入した顧客は翌月以降の継続率が高く、良質な顧客との接点になっているようだ。

サロン連携と並行して取り組んできたオフラインの自社店舗についても狙いは近しい。有楽町マルイ内の期間限定店舗では専任スタッフが無料でヘアカウンセリングや頭皮診断を行うほか、ヘアオイルを無料で使用できるブースを用意。ギフト用単品販売など店頭限定商品なども扱い、オンラインとオフラインを融合させたデジタルネイティブな体験型店舗として運営している。

丸井グループとの協業などでオンライン展開加速へ

今回の資金調達は上述してきた取り組みを加速させ、事業をさらに成長させていくことが大きな目的となる。直近では特に「店舗」「サロン」「人を起点としたブランド」の3つが注力ポイントだ。

店舗に関しては「デジタル・ネイティブ・ストア」戦略を掲げる丸井グループとの協業を軸に、体験型店舗を広げていく計画。3月1日スタートの有楽町マルイの常設店のほか、渋谷ヒカリエ ShinQsや阪急うめだ本店などでも期間限定の店舗を開設する予定だ。

同時に提携サロンの拡大にも引き続き力を入れ、2020年に1000店まで増やすことを目指すという。

もう1つの人を起点としたブランドの構築は若干ベクトルが異なるが、深山氏いわく「消費財版のBASE」のような世界観を実現したいとのこと。MEDULLAと同様のフローで3万通りの中から処方を選び、デザインを変更した上で“自分のブランドとして”商品を簡単に製造販売できる仕組みを作る。

すでに先日より第一弾としてアーティストの伊藤千晃氏とタイアップしたシャンプートリートメントセットの販売を開始。このような事例を今後も増やしていく方針だ。

MEDULLAを最初にローンチしてから1年半以上が経過し、同サービスはもちろんマーケット環境にも様々な変化があった。近年はパーソナライズヘアケア商品も盛り上がってきていて、参入障壁自体はそこまで高くないこともあり、ボタニストやユニリーバなども昨年からこのビジネスに参入している。

そのような環境において深山氏が今後ビジネスを一層スケールさせていくためのポイントにあげていたのが、店舗やサロン、人起点のブランドを含めた「強固なチャネルを構築すること」だ。

「化粧品メーカーの歴史を紐解くと、それはチャネルを作ってきた歴史でもある。もちろんブランドも大事だが、チャネルを構築してそこにブランドを流せる土壌を作ってきた企業がビジネスを拡大してきた。今は様々なチャネルをデジタル起点で変革できるタイミングが訪れていて、自分たちもまさにそこに取り組んでいる」

「要はこれまで店舗にしてもサロンにしてもオフラインからオンラインが主流だったところを、『オンライン起点でいかにオフラインを最適化していくか』考えて体験を設計していくということ。パーソナライズ×スマホUXを軸として、チャネルに投資をして土台を作る。製造も含めたバリューチェーンを磨いていくに力を入れる」(深山氏)

まずは化粧品領域から「パーソナライズ×スマホUX」のモデルを広げていく方針で、今年の春頃を目処にスキンケア商品も販売する予定。ゆくゆくは化粧品以外も含めて、いくつかのブランドを保有するD2Cホールディングスを目指していきたいという。

Alexaのスキルが声を識別してパーソナライズできるようになった

Amazon(アマゾン)のAlexaは、2年前に音声プロフィール機能拡張が行われたことで、家庭内の異なるユーザーごとにパーソナライズされた応答ができるようになっている。このほど、そのパーソナライズ機能をAlexaのスキル開発者も利用できるようになったとAmazonが発表した。

米国時間9月25日に大量の消費者向け製品を披露したAmazonは、Alexa Skills Kitに「スキルのパーソナライズ」機能を追加したことも発表した。ユーザーがAlexaデバイスや専用アプリで作った音声プロフィールを開発者が利用できるようになるというものだ。

この機能拡張によって、開発者はユーザーの個人設定を記憶してスキルを利用する時に個人の好みを考慮したり、家庭内の複数のユーザーが同時に話したときに、個人を識別したりできるようになる。

しくみはこうだ。ユーザーが音声プロフィールを設定している場合、Alexaは”directed identifier”(仮称:命令識別子)と呼ばれる数字と文字列を生成して対象のスキルに送る。後にユーザーがそのスキルを使うと、同じ識別子が使われる。識別子には個人を特定できる情報は入っていない、とAmazonは言っており、スキルと音声プロフィールごとに異なる識別子が割り当てられる。

スキル開発者はこの情報を使って、ユーザーの好みや興味に応じた挨拶や応答を返すことができる。

ユーザーが音声プロフィールを設定しているけれどもスキルのパーソナライズは望まない、というときはAlexaアプリを使ってこの機能からオプトアウトできる。

スキルのパーソナル化は、ゲームの進行状況をセーブしたり、音楽やポッドキャストなど、ユーザーの嗜好が重要な役割を果たす場面で特にに有効だ。

しかし、Alexaでは音声プロフィールをユーザーが手動で設定する必要がある。Alexaのモバイルアプリを使うか、Alexaに「私の声を覚えて」と話しかける。多くのユーザーはこのしくみがあることさえ知らない。つまりこの機能を利用したい開発者は、自分のアプリの中で音声プロフィールの登録方法から教える必要があるかもしれない。

新機能は一部の開発者に向けてプレビュー公開される。興味のある人はここで申し込みできる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Elevate Labsの瞑想アプリBalanceは人間のコーチより効果的?

すでに瞑想関連のスタートアップに多額の小切手を書いている投資家は多い。しかし、メンタルフィットネスのスタートアップElevate Labs(エレベートラボ)の創立者兼CEOのJesse Pickard(ジェシー・ピカード)氏によれば、既存の瞑想アプリは、人間のコーチの指導による体験に取って代わることのできるようなものはないという。

「あなたが誰かと出会うという体験は、世に出回っているどんなデジタル製品よりはるかに優れているのです」とピカード氏は言う。「問題は、地球上の99%の人にとって、それが手軽な出費ではないことです」。

そこでElevate Labsは米国時間の9月4日、Balanceという新しいモバイルアプリをリリースした。人間の瞑想コーチとの作業体験を再現するように設計されたものだ。

「瞑想は、だんだんと一般的なものになってきてはいますが、それを習慣として続けるのには、なかなか難しいものがあります」と、ピカード氏は説明する。「私たちのアプリは、その優柔不断な状態を取り除き、ユーザーごとに違ったやり方を示します。人々の生活は、それぞれあらゆる面で異なっています。ストレスを気にかけている人、睡眠が気になる人、集中力を身に付けたいと思っている人など、さまざまです。しかし、そういった違う目的を持った人も、他のメジャーなアプリでは、まったく同じように扱われてしまうのです」。

Balanceの場合、あらかじめ用意されたコンテンツから、単にどれかを選ぶわけではない。その代わり、アプリがユーザーに、目標とするところ、これまでの瞑想体験などについて尋ねることから始める。その後、よく見る感じの初歩的な瞑想がいくつか示される。しかし、ピカード氏によれば、それぞれの瞑想は、実際には「数十種ものクリップを組み合わせたもので、各ユーザー向けにパーソナライズしています」という。

たとえば、私はすでに瞑想の経験があり、最も優先順位の高い目標は、集中力を養うことだと、アプリに告げてみた。すると、私に示された最初の瞑想は、初歩的な説明がほとんど省略され、主なエクササイズは、自分自身の呼吸の音に集中できるようにするというものだった。

またピカード氏によると、このアプリは後になっても、ユーザーの体験について質問し続けるため、さらにパーソナライズが進んだものとなるという。瞑想のナレーションは、コンテンツの作成にも参加しているコーチのLeah Santa Cruz(リア・サンタ・クルツ)氏が吹き込んだもの。Balanceのチームには、他にも瞑想の専門家が加わっている。

アプリは、最初の10日間のコースは無料で使える。その後、続きの瞑想にアクセスするには、月額11.99ドル(約1280円)、年払いなら49.99ドル(約5330円)、生涯有効なサブスクリプションなら199.99ドル(約2万1320円)を支払う必要がある。Balanceには、瞑想に加えて、睡眠を補助するように設計されたガイド付きアクティビティも含まれている。

新しいアプリのリリースだけでなく、Elevate Labsは、Keesing Media Groupが率いるシリーズBの資金、710万ドル(約7億5700万円)を調達したことも発表した。この出資には、Oakhouse Partnersも参加している。

Elevate Labsは、以前はMindSnacksという名前で活動し、言語学習ゲームを開発していた。これは、いわゆる脳トレアプリで、おそらく2500万回ほどダウンロードされ、2014年には、Apple(アップル)のApp of the Year Awardを受賞している。実はピカード氏と私は、Craigslistの不思議な引合せによって、私がTechCrunchの仕事を始めてから、ほぼ1年間ルームメイトだった。同氏によれば、ユーザーの心の状態を改善するとして販売されている他のほとんどのアプリとは異なり、Elevateは読むこと、書くこと、数学といった訓練可能なスキルにも注力しているという。それは、たとえば、単に記憶力を増進するというようなものではない。

「私たちは、訓練することができないようなスキルに深入りしないよう、細心の注意を払っています。たとえば、集中力の持続時間のようなものは、教えることができると証明されてはいないのです」と、彼は言う。

同社が、外部から資金を調達してから、何年かが経過している。MindSnacksが、SequoiaからのシリーズAの資金調達を発表してから7年が経った。ピカード氏によると、同社は2015年に別のブリッジラウンドを調達したので、「数年間は仕事に打ち込んで、実際に持続可能なビジネスを、どうしても構築する必要があった」のだという。

どうやら、その努力は報われたようだ。彼は、Elevate Labsの昨年のキャッシュフローは黒字だったと明かした。これまでに受けた資金提供は、合計で1710万ドル(約18億2300万円)に達する。現状の計画は、Elevate Labsの成長を確かなものとし、Balanceを立ち上げるだけでなく、関連する他のさまざまなアプリの開発にも注力すること。

「メンタルフィットネスに関しては、構築すべき非常に大きなブランドがあると考えています」と、ピカード氏は締めくくった。

画像クレジット:Elevate Labs

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

A/Bテストプラットフォームのオプティマイズリーが約54億円を調達

ウェブ上やモバイルアプリ上でA/Bテストやパーソナライゼーションのためのツールを提供するプラットフォームのOptimizely(オプティマイズリー)は米国時間6月18日、合計1億500万ドル(約114億円)を調達したことを発表した。この内訳は、Goldman Sachs Private Captialが主導し、Accenture Venturesが参加したシリーズDの5000万ドル(約54億円)と、Bridge Bankからの5500万ドル(約60億円)の与信枠である。

Goldman Sachsのマイケル・コンドレオン(Michael Kondoleon)氏が、Optimizelyの取締役会に加わる予定だ。

「市場における私たちのポジションを固めてくれるこれらの投資によって、今回のマイルストーンに達することができたことを、私たちは大いに喜んでいます」と、OptimizelyのCEOであるジェイ・ラーソン(Jay Larson)氏は私に語った。「Optimizelyと競合他社との間の差をさらに広げるために、私たちは製品対してさらなる投資を行うことができますし、地理的にも拡大することができます。そして私達は、世界クラスのデジタル最適化エキスパートチームを成長させ続けて行くつもりです。今日はOptimizelyにとって大切な日であると同時に、実験とパーソナライゼーション業界にとっても大切な日なのです」。Fortune 100社の約4分の1が、現在同社のサービスを利用していると同社は述べている。また同社は現在1日あたり60億件のイベントを処理していて、過去2年の間に顧客たちはデジタルエクスペリエンスの最適化への投資額を3倍にしたと語っている。現在の顧客に含まれるのは、例えば、Gap、Visa、IBM、StubHub、Metromile、Lending Club、そしてSonosなどだ。

Optimizelyはこれまでに累計で、与信枠を除いて2億ドル(約220億円)以上を調達している。Bridge Bankからの追加の5500万ドルは少々珍しいが、このステージの企業にとって完全に無縁のものというわけではない。「Bridge Bankは、デジタルエクスペリエンス最適化市場の最先端の世界的リーダーであるOptimizelyと、協力を続けていけることを誇りに思っています」と語るのはBridge Bankのテクノロジーバンキンググループの上級副社長件西部地区ディレクターのマイク・リーダーマン(Mike Lederman)氏である。「Optimizelyは大いなる成長の道筋を歩んでいます。今回の追加の資金によって、トップグローバルブランドの採用が増加している、市場を牽引する製品の開発を続けることが可能になるでしょう」。

このステージの企業にとっては普通のことだが、Optimizelyは新しい資金を成長を促進するために使用する。

画像クレジットalex_skp / Getty Images

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(翻訳:sako)

パーソナライズされたエンターテインメント新時代への準備を怠るな

「機械の中の幽霊」はもう物語を紡ぐことができる

新しい機械学習テクノロジーやユーザーインターフェイス、そして自動コンテンツ生成技法が、これまでのアルゴリズムによるニュース生成やコンテンツ推奨の範囲を超えて、ストーリーテリングのパーソナライゼーションの世界に広がりつつある。

次の波は、消費者の好みや感情に合わせてソフトウェアが生成する物語だ。具体的には、デジタル履歴、個人的な嗜好、そしてコンテンツ自身の中のコンテキスト解放機能などが、個人向けのニュース記事、ライブビデオ、そしてストリーミングサービスのヒットシリーズに反映されるということだ。

そうしたタイトルには、さまざまな人びとのための、さまざまな経験が含まれる。

Netflix is experimenting with different episode orders for ‘Love, Death & Robots’

スマートレコメンデーションから、よりスマートなコンテンツへ

Youtube、Facebook、Google、AmazonTwitter、Netflix、あるいはSpotifyを使うとき、アルゴリズムがあなたに推奨(レコメンド)できるものを選択する。現在主流となっているサービスとそのユーザーインターフェース、そしてレコメンデーションエンジンは、あなたが興味を持っているかもしれないコンテンツを提供するために最適化されている。

あなたのデータ、他の人たちのデータ、コンテンツ関連のデータ、そして機械学習方式は、人間とコンテンツをマッチさせるために利用される。 それによってコンテンツレコメンデーションの適切性とコンテンツ配信の効率性を改善するのだ。

とはいえ、これまでのところ、コンテンツ体験そのものは、ほとんどの人に対して似通ったものとなってきた。もし同じニュース記事、ライブビデオ、あるいはテレビシリーズのエピソードがあなたと私の両方に推奨されたなら、二人は同じものを読みそして視聴して、同じコンテンツを体験することことになる。

だがそれは変わろうとしている。ほどなく、私たちはスマートコンテンツの新しい形を見ることになるだろう。そこではパーソナライズされたコンテンツ体験を生み出すために、ユーザーインターフェイス、機械学習テクノロジー、そしてコンテンツそのものがシームレスに組み合わされることになる。

スマートコンテンツとは?

スマートコンテンツとは、コンテンツの視聴体験自身が、誰がそのコンテンツを見たり、読んだり、聞いたりしているかによって影響を受けることを意味する。コンテンツ自身があなたが何者であるかに基いて変化するのだ。

私たちはすでに、この分野での最初の先駆者たちを目撃している。例えばTikTokのコンテンツエクスペリエンス全体は、非常に短いビデオ、オーディオビジュアルコンテンツシーケンスによって駆動され、アルゴリズムによって順序付けられ、まとめられている。それぞれのユーザーは皆、自分自身の視聴履歴やプロフィールに基いてパーソナライズされた「全体」を観ることになる。

同時期に、Netflixは最近、ユーザー自身の選択が、会話やストーリーを含むコンテンツ体験に直接影響を与える、新しい形式のインタラクティブコンテンツ(TVシリーズのエピソード、例えばBlack Mirror:Bandersnatch)のテストを開始した。そしてさらに多くのものが登場しようとしている。またNetflixは、「ラブ、デス&ロボット」シリーズの中では、シリーズ内でのエピソードの順序を実験していて、ユーザーごとに異なる順序でエピソードが配信されている。

Netflix is pursuing more interactive content, including, maybe, a rom-com

インタラクティブなオーディオビジュアルコンテンツの初期の先行者には、スポーツイベントストリーミングもある。そこでは視聴者はどのストリームをフォローするのか、そしてどのようにライブコンテンツと対話するのかを選ぶことができる。たとえば視聴者個人の興味に基いてストリームを巻き戻し、見どころを探す機能などだ。

同時に私たちは、機械学習テクノロジーが、実在しない人物や、動物、そして場所の、写真品質のイメージをいかにうまく生成できるのかを目にしている。現在のシステムは、例えば、スタイル、風景、照明、環境、あるいは中心的キャラクターの顔を変えることによって、ビデオ全体を再作成および変更することができるのだ。さらに、AIソリューションはさまざまなジャンルの音楽を生成することができる。

さてここで、TikTokの個別の短いビデオが、AIシステムによって選択された効果によって自動的にパーソナライズされて、それによってビデオ全体があなたのためにカスタマイズされるということを想像して欲しい。あるいは、プロットの微調整や対話、さらにはサウンドトラックにさえ影響を与えるNetflixのインタラクティブコンテンツの選択が、あなたのプロファイルに基づいたアルゴリズムによって自動的に行われるということも想像してみるとよい。

パーソナライズされたスマートコンテンツもニュースになっている。今日の最先端のNLP技術を使用する自動システムは、わかりやすく包括的で、さらには独創的なテキストコンテンツさえ大規模に生成することが可能なのだ。現在、メディア各社は、自動化されたコンテンツ作成システムや、「ロボットジャーナリスト」を使用して、完全な記事から視聴覚クリップ、そしてビジュアルなどに至る様々なニュース素材を作成している。コンテンツのアトマイズ(コンテンツを小さな情報の塊に分割すること)と機械学習を通じてコンテンツ制作を大幅に増やして、スマートコンテンツ生成をサポートすることができる。

例えば、あなたが読んだり聞いたりするニュース記事が、あなたにとって馴染みのない特定の政治的話題に関するものであるとしよう。同じ記事を、政治に詳しい友人が読むものと比べてみたときには、あなたが読むバージョンのストーリーは、友人へのものとは異なるコンセプトと異なる角度からのものであるかも知れない。初心者向けのスマートコンテンツニュース体験は、トピックに詳しい人間の体験とは異なるものになるだろう。

コンテンツ自体がソフトウェアのように流動的でパーソナライズされた体験となる。デジタル履歴と個人的嗜好はコンテンツがどのように推奨され提供されるに影響を与えるだけでなく、コンテンツが実際に何を「含んでいる」かにも影響する。

自動ストーリーテリング?

異なる人びとのために、異なる体験を含むスマートコンテンツは、どうすれば作成できるのだろうか?

コンテンツは、出版されたりパイプラインで配信されるときに、全体が完成しているお仕着せで静的なものではなく、反復的で構成可能なプロセスとして、考慮され扱われる必要がある。

重要なことは、コンテンツ体験のコアビルディングブロックが変化することだ。スマートコンテンツは、さまざまなルールに基づいて変更、更新、リミックス、置換、省略、およびアクティブ化できる、アトマイズされたモジュール要素で構成されている。さらには、過去に作成されたコンテンツモジュールは、もし可能なら再利用される。コンテンツはソフトウェアのようにデザインされ開発されている。

現在、スマートニュースアプリケーションからオンデマンドストリーミングサービスに至る様々な用途に、多大な人的努力とコンピューティングリソースが、機械式コンテンツ配信および推奨システムのためのコンテンツを準備するために、使用されている。スマートコンテンツでは、コンテンツの作成とその発行および配布チャネルの準備は、別々のプロセスではない。それどころか、コンテンツを記述して定義するメタデータおよびその他の見えない機能は、最初の段階からコンテンツ作成プロセスの不可欠な部分なのだ

ドナルド・グローヴァーをジェイ・ギャツビー役に

スマートコンテンツでは、物語またはイメージ自体が反復フィードバックループの不可欠な部品になる。このループでは、ユーザーの行動、感情、その他の特徴、およびコンテンツ自体の可視/不可視の特性が、コンテンツの作成と推奨からコンテンツ体験に至る、コンテンツ消費サイクル全体に影響を及ぼすのだ。スマートコンテンツの特性を使うことで、ニュース記事や映画は、異なる人びとのために、コンテンツのさまざまな部分をアクティブにするのだ。

エンターテイメント目的のスマートコンテンツは、ニュースメディアコンテンツとは異なる特性と機能を持つ可能性が非常に高い。さらに、人びとは面倒がなく楽ちんなコンテンツ体験を期待しているため、スマートコンテンツの体験はゲームとは異なったものとなる。スマートコンテンツは必ずしもユーザーからの直接的なアクションを必要としない。もしユーザーが望む場合には、ユーザーによる明示的な操作なしに、コンテンツのパーソナライズが積極的かつ自動的に行われる。

スマートコンテンツを作成するには、人間によるキュレーションと機械インテリジェンスの両方が必要である。AIシステムが、ソフトウェアのように、動的で適応的なコンテンツを生成、組み立て、反復する一方で、人間は創造性と徹底的な分析を必要とするものに焦点を合わせるのだ。

持続可能なスマートコンテンツ

スマートコンテンツは、異なるユーザー、ユーザーインターフェイス、デバイス、言語、および環境ごとに、構成と表現が異なる。同じコンテンツの中に、音声ユーザーインターフェイスを介してアクセスしたり、拡張現実アプリケーションで表示したりできる要素が含まれていたりする。あるいは、コンテンツ全体が、完全没入型のバーチャルリアリティ体験に拡大することもある。

パーソナライズされたユーザーインターフェイスやスマートデバイスと同様に、スマートコンテンツも善と悪のどちらにも使用することができる。それは啓発とエンパワーメントに使うこともできれば、詐欺と誤解を招くために使用することもできるのだ。したがって重要なのは、人間中心のアプローチと持続可能な価値が、スマートコンテンツ作成の中核に据えられていることなのだ。パーソナライズ過程は透明である必要があり、ユーザーはコンテンツをパーソナライズするかどうかを選択できるようになっている必要がある。そしてもちろん、すべてのコンテンツが同じようにスマートにできるわけではない。

もし持続可能なやり方で使用された場合には、スマートコンテンツは、さまざまな情報をより多様な視聴者が、よりアクセスしやすくするために使うことができるため、フィルターバブル(情報の偏食)やエコーチェンバー(付和雷同的状況)を打ち破ることができるだろう。パーソナライゼーションを通して、人びとの背景や教育レベルに関係なく、彼らの能力や好みに応じて、難しいトピックを人びとに提示することができる。たとえば、ある初心者向けの予防接種コンテンツやデジタルメディアリテラシー記事では、ゲーミフィケーション要素が使用されている。そしてより経験豊富なユーザーは、最近の動向や研究結果についての詳細な説明を直接入手することができる。

スマートコンテンツは、フェイクニュースやその変種である「ディープフェイク」などのさまざまな形式の情報操作に対抗する取り組みとも連動している。もしコンテンツがソフトウェアのようなものであるなら、合法的なソフトウェアは問題なくあなたのデバイスやインターフェース上で動作する。その一方で、ディープフェイクのような、機械的に生成され本物に見える怪しいコンテンツも、署名情報やその他の機械読み取り可能な品質に基づいて検知し、排除することができる。

スマートコンテンツは、ユーザーエクスペリエンスデザイン、AIテクノロジー、そしてストーリーテリングの究極の組み合わせである。

ニュースメディアは、スマートコンテンツを試し始める最初のものになるだろう。インテリジェントコンテンツが世界を食べ始めたら(以前マーク・アンドリーセン氏が語った「ソフトウェアが世界を食べる」のもじり)、みな自分自身のインテリジェントコンテンツを作成する必要がある。

スマートコンテンツを身につけた最初のプレーヤーは、明日のデジタル巨人として君臨することになるだろう。そしてそれこそが、今日のテック企業たちが、コンテンツ勝負に真剣に取り組んでいる主な理由の1つなのだ。スマートコンテンツがやってくる。

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(翻訳:sako)

100通りの処方の中から1本ずつ手作り、“パーソナライズシャンプー”の「MEDULLA」登場

Spartyは5月22日、女性向けの定期通販ブランド「MEDULLA(メデュラ)」からユーザーの髪質に合せてカスタマイズしたパーソナライズシャンプーとコンディショナーの発売を開始すると発表した。

MEDULLAは、公式サイトで自分の髪質、なりたい髪、香りの好みなど7つの質問に答えるだけで、自分に合ったシャンプーを届けてくれるサービスだ。質問の答えによって100以上の処方の中から1つのブレンドを見つけ、専門のラボで1本づつ手作りでシャンプーを製造するという。シャンプーとコンディショナーは2本セット(約2ヶ月分)で6800円だ。

MEDUULAに似たサービスとして、アメリカでは2017年12月に520万ドルを調達したProseやY Combinator出身のFunction Of Beautyなどがある。

Sparty代表取締役の深山陽介氏は、「日本には1万点以上のシャンプーが存在する。その数が多すぎるがゆえに、髪に悩む生活者が“選べない”という問題がある」と話し、質問にタップで答えるだけのUX、サブスクリプションモデルならではの長期的なコミュニケーション、自分の処方をSNSに投稿するなどインフルエンサーを活用した認知手法などで従来の一般ブランドとの差別化を目指すという。

MEDULLAのような価格の高いシャンプー製品を広めるために有効なのが、美容院を利用した認知拡大と拡販だ。MEDULLAは現時点で美容院4店舗と提携を結ぶ。「2018年度中に、MEDULLAブランドの体験の場として全国100店舗に拡大していきたい」と深山氏は語る。具体的には、美容業界で強力な影響力をもつと言われる卸業者(ディーラー)との関わりの少ない、フリーランス美容師を中心に協力関係を深めていきたいという。

「第一弾のプロダクトとしてシャンプーを選んだのは、化粧品の中でもブランドスイッチが起こりやすい製品で、3年に1度は新ブランドが大きく市場シェアを伸ばすケースがあるからだ。その例として、ノンシリコンというバリューでシェアを伸ばしたジャパンゲートウェイや、ボタニカルというライフバリューをもつボタニストなどがある。どちらも100億円以上の売り上げを作ったブランドだ。MEDULLAは、パーソナライズというバリューを起点としたD2Cブランドとして市場を奪いたい」(深山氏)

Spartyは2017年7月の創業。これまでに、エンジェルラウンドとしてエウレカ創業者の赤坂優氏から金額非公開の資金調達を行っている。当面の目標として、深山氏は「MEDULLAで年商5億円を目指すとともに、将来的には誰でもシャンプーブランドを作って販売できるようなプラットフォームを作りたい」と話した。

パーソナライズしたFacebookフィードの弊害

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Facebookバブルは弾けた。未だにアメリカ合衆国の半分はショックから立ち直れていない。アメリカ大統領選に至る月日の間、人々は住んでいる世界とは合致しない情報を見ていたということが分かった。現実だと思っていたものは崩れ去った。

それがFacebookという世界だ。

このソーシャルメディアネットワークは、私たちの周りで起きる出来事を理解するツールを提供する巨大なプレイヤーだ。しかし、しばらく前から、他者の意見や違う視点で物事を見る場合におけるFacebookという声が反響する小部屋の弊害も指摘されていた。だが、今日ほどその影響力の強さを意識した日はなかった。

Facebookのユーザーはこの出来事を災難か、あるいは国が前進するために起きた記念すべきことか、どちらか一方のストーリーを受け取っている。Facebookのユーザーはトランプ氏の勝利は確実、あるいはクリントン氏の当確は決定的、といういずれかのストーリーしか見ていない。Facebookでは、ユーザーが持つ見解がそのまま記事の「いいね!」となり、シェアとして映し出される。Facebookでは、誰かの叫び声は全員に届くか、あるいは誰にも届かないかのいずれかなのだ。

大声で叫ぶほど、Facebookを閲覧する時間は長くなった。それに伴いFacebookの収益も増す。

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Facebookはユーザーの見解を反映しただけではない。センセーショナルな記事、さらには頻繁に誤った情報で見解を誇張し、歪めていた。しかし、Facebookにそれを追及しても両手を上げて、「私たちはメディアではありませんから」と言い逃れをしてきた。

Facebookは誰でも常識の範囲内で好きな情報をシェアできる中立的なプラットフォームであると主張している。彼らのコンテンツの検査官はポルノや銃器、薬物といった違法なものや他に禁止している内容のコンテンツがないか注視している。しかしそれ以外の壁の内側にあるコンテンツの内容に関しては目を瞑る。

Facebookはコンテンツの真偽に対する責任を負っていないと主張する中でも、虚偽のニュースサイトがいくつも並びでっち上げのニュースがネットワークに溢れかえって誤った情報がバイラルに広がった。

さらには、Facebookは「トレンド」セクションを管理していたニュース編集者を解雇し、公平だが、間違いを犯すアルゴリズムにそれを任せるようになった。人の判断を完全に排除したFacebookのニュース配信マシーンの登場は、選挙という最悪な時期に重なった。

Facebookのプラットフォームで人気の高いセクションに虚偽のニュースが入っていることを報じている記事には、アルゴリズムがトレンド入りさせた「明らかに間違った」記事をトラックしている。

Facebookのトレンドには9/11は内部の人間の犯行としたタブロイド記事やFox NewsのキャスターであるMegyn Kellyがクビになったという嘘の情報 、大学がキャンパスから祈っていた人を締め出したという噂が誤りと情報開示する声明文もある。さらには、アラジンの魔法のランプように使えるiPhoneの偽記事を、その名も「FakingNews(偽ニュース)」というサイトから取り上げていた。

Facebookはこれらの批判に対し間違いであったと認め、改善していくとして火消しを行った。

しかし、Facebookはコンテンツの精査ではなく、パブリッシャーがいかに彼らのネットワークで簡単に記事を共有できるようにするかに注力している。Facebookは文字や広告で埋もれがちな記事を読むのに最適な形式を追求し、素早くロードするインスタント記事の開発など技術的な発展に投資してきた。Facebookはユーザーがより長くサイトに滞在する方法を探していて、ユーザーがさらにターゲット広告をクリックするよう、フィードのパーソナライズに力を注いでいる。

もちろんユーザーのエンゲージメントを高める1つの方法は、ユーザーがFacebookを開いた時に良い気分になることだ。そして、Facebookはユーザーの気分を操作する方法を知っている。なぜなら、大規模な調査を行っていたからだ。

Facebookは2014年、68万9000人のユーザーのページを対象に、投稿を改変することでユーザーの気分をポジティブ、あるいはネガティブに変えることができるかの調査を実施したことについて謝罪している。

その調査結果から、ユーザーの気分を変えることができると判明している。

Facebookはそうやって集めたデータを使って、ユーザーがサイトを見続けるために良い感情を想起させるフィードだけを配信するようになるのではないかと人々は懸念した

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何か思い当たる節があるだろう。

WSJは「Blue Feed, Red Feed」のグラフィック記事で、政治分野におけるこの影響を取り上げた。Facebookはユーザーが聞きたいことだけをスプーンに乗せて与え、もう一方の見解への露出は最小限に留めていたということが分かる。

これは、少なくともFacebookにとって有益だった。2016年9月の月間アクティブユーザーは17億9000万人に登る。 前四半期には70億ドルの収益を得た。そのうち利益は23億7900万ドルで、前の四半期の20億5000万ドルより16%増加した。前年同期比では160%の増加だ。

Facebookバブルの問題は、ユーザーがアルゴリズムに騙されるということだけではない。ニュース配信においてFacebookが大きな役割を担っていることが問題を大きくしている。

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2016年5月のPew Researchの調査結果から、現在アメリカの成人の過半数(62%)がFacebookを始めとするソーシャルメディアからニュースを得ていることがわかった。

そして、Facebookはその中でも最大のSNSであり、アメリカの成人の67%にリーチしている。

Facebookユーザーの3分の2(66%)がこのSNSでニュースを得ている。Pew Researchのデータによると、それは全人口の44%に相当するという。2014年時点から30%増加している。

さらに事態を悪化させているのは、ソーシャルメディアは別の主張を理解を促すのには適していないプラットフォームであることだ。 別のPewによる調査から、社会的、政治的な問題についてソーシャルメディアの情報を見て意見を変えた人はたった20%だった。ソーシャルメディアを見て選挙の立候補者への見解を変えたというのはそれよりさらに少ない17%にとどまった。

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Pewは意見を変えた内容についてもさらに詳しく調査した結果、ソーシャルメディアは人々をよりネガティブな方向に変える傾向にあったという。つまり、クリントン氏について意見を変えた人々は、彼女に対してネガティブな意見を持つ傾向が3倍高く、トランプ氏から意見を変えた人は彼に対してネガティブな印象を持つ傾向が5倍高かった。

さらにSNSユーザーの82%はソーシャルメディアを見て立候補者に対する意見は変えたことはないとし、ソーシャルメディアへの影響で社会的、政治的問題に対しても79%が意見を変えないとした。つまり、誰かに何かを説得しようとする際、Facebookはそれに適した場所ではないということだ。

私たちはしばらくの間Facebookを使用しているが、今回ほどその影響力の強さを感じたことはないだろう。ユーザーにパーソナライズしたフィードで、見たいことだけが表示されるのは素晴らしいことのように思える。実際はそうではないという状況が目の前に突きつけられるまでは。

昨夜から今朝にかけて人々は、これまで見ていた情報源の情報の質が低いということに気づき始めた。見ている情報がそもそも間違っているか、偏っているかだ。そして最も重要なことは、人々が変わった同郷の叔父だと思っていた彼は異端な少数派なのではなく、怒りを抱え、不満を募らす国民の過半数を代弁する存在だということに気づいたことだ。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website