採用イベントのオンライン開催ツール「Bizibl」(ビジブル)を提供するBizibl Technologiesは1月19日、第三者割当増資による総額4300万円の資金調達を発表した。引受先は、プライマルキャピタル、インキュベイトファンド、 F Ventures LLP、鈴木悠人氏を含む複数の個人投資家。
Amir Bassan-Eskenazi(アミル・バサン-エシュケナジ)氏とRan Oz(ラン・オズ)氏が共同でスタートアップを立ち上げたのはこれが初めてではない。2人はテクノロジー関連のエミー賞を2つ受賞したビデオネットワークのBigBand Networksを創立しており、同社は2007年に上場公開され、2011年にArrisGroupに買収された。これ以前にはオズ氏が共同ファウンダーとして創立したデジタル圧縮のOptibaseでバサン-エシュケナジ氏がCOOを務めた。
そこでチェイスン氏は現在、ClassEDUという新会社の起業に取り組んでいる。同社の最初の製品は、率直に大望を示す、その名も「Class for Zoom」だ。この名称からもわかるように、Zoomへのサードパーティーのアドオンだが、完全に独立した会社だ。さらに、このアドオンは、生徒たちが参加しやすくリアルタイムで同期される授業を行いたい教師のために開発されている。
一方、チェイスン氏が「Class for Zoomの不人気な機能」と冗談交じりに語るのは、生徒が画面上でZoomをメインアプリとして使用しているかどうかを教師に情報を提供する機能だ。注意トラッキング機能は目新しいものではないが、一部の人はこのような監視を受け入れられないと感じるかもしれない。注意トラッキング機能を生徒が無効に設定することも可能だが、管理者はこの機能の使用を生徒に義務付けることができる。また、このプラットフォームを使用すれば、教師は試験中に生徒のデスクトップを監視して、不正行為を制限することも可能だ。
Class for Zoomが生徒のパソコンにアクセスできると聞いて、一部のユーザーは不快に思うかもしれない。Zoomは一部の学区でオンライン授業での使用を禁止されている。セキュリティ上の懸念があり、悪質な侵入者がミーティングをハッキングし不適切または不快なコンテンツをストリーミングする、いわゆるZoom爆撃が相次いだためだ。これを受けてZoomでは検証ツールや待合室などのセキュリティ対策を講じている。
チェイスン氏によると、Class for Zoomでは、生徒にトラッキング機能の使用を強制するのではなく、選択できるようにすることによって、情報へのアクセスのバランスを取っているという。
Zoomをより良いエクスペリエンスにしようとしているスタートアップは、Class for Zoomだけではない。ZoomのSDKが無料であることも手伝って、ここ数か月の間に、Zoom上で動くように開発された多くのツールがリリースされた。Macroは、430万ドル(約4億5300万円)を調達し、参加者の発言時間などのメトリックスをトラッキングするインターフェイスやメモ機能を追加し、Zoomでの通話に深みや分析機能を加えた。そのユーザーは、2万5000人を超える。Mmhmmは7月に、ユーザーの好きなビデオ会議プラットフォーム上で放送スタイルのビデオ会議エクスペリエンスを作成できるクリエイティブなデモを発表して話題になった。
当然、これらの製品に対する脅威の1つは、Zoomの気分次第で状況が一変するということだ。Zoomは、SDKとAPIのポリシーを少しいじるだけで、Class for Zoomを消し去ることもできる。しかし、チェイスン氏には、そうはならないだろうと楽観的になれる理由がある。
Class for Zoomは本日、GSV Ventures(GSVベンチャーズ)のDeborah Quazzo(デボラ・クアッツォ)氏とEmergence CapitalのSanti Subotovsky(サンティ・スボトフスキー)氏、およびZoomの現役員が共同でリードするシードラウンドで、プレローンチ段階(サービス開始前)に1600万ドル(約17億円)を調達したことを発表した。他の投資家には、Zoomの初期投資家であるMaven Partners(メイヴェン・パートナーズ)のJim Scheinman(ジム・シャインマン)氏、Zoomの名付け親として有名なBill Tai(ビル・タイ)氏、Zoomへの支援を最初に表明したAOLの共同創設者であり、Revolution(レボリューション)のCEOであるSteve Case(スティーブ・ケース)氏が含まれる。
Zoom投資家の関与がスタートアップを保護するための「保険」として機能するかと尋ねると、チェイスン氏はそのようには考えていない、と答えた。むしろ、Zoomは専門的に掘り下げていくよりもスケールの拡大に重点を置いている、と同氏は考えている。言い換えれば、ZoomはTwitterのような機能を組み込むつもりはなく、プラットフォームが開発者に親しみやすいという点で、多数のツールがその上で構築されているSalesforceに似ているということだ。第2に、Class for Zoomは、Zoomの認定再販業者であり、行政区にZoomを販売すると、手数料から収益を得られる。非公式および公式のパートナーシップは、チェイスン氏が安定性に賭けるのに十分な接着剤として機能しているようだ。
Class for Zoomのテクノロジーが今後もZoom専用のままであるかどうかについてチェイスン氏は、Zoomは「教育における事実上の業界標準」であるため、今後もZoomを主な焦点にしていくと語る。また、他のプラットフォームが追いついてきた場合は、さまざまなソフトウェアを試す用意はある、と同氏は言う。
Class for Zoomのケースでは、Macintoshコンピューターを使用する教師向けに第1イテレーションの製品がロールアウトされているが、費用が原因で一部の主要な所得層が漏れた可能性がある。生徒はソフトウェアなしでClass for Zoomで行われる授業を視聴することはできるが、ビュー、トラッキング、およびアクティビティ参加のための機能は使えないため、注意が必要だ。
チェイスン氏は、自分の3人の子どもたちが在宅学習を始めた隔離期間に入ってほんの数週間のころから、このスタートアップのアイデアを練り始めたという。数か月が経ってついにClass for Zoomがベータ版をリリースする準備が整い、本日、ウェイティングリストへの受付が始まる。チェイスン氏は1月までに、希望するすべての学校がアクセスできるようにしたいと考えている。
ビデオ会議でカメラ映りを向上させる最も簡単な方法は、手持ちの照明を点けてカメラの背後に置き、顔を照らすようにすることだ。つまり、照明を移動するか、今ある照明がすべて固定されている場合はコンピュータを移動するだけでよい。これだけで劇的に見栄えがよくなる。以下に挙げる例を見てほしい。これは筆者のMicrosoft Surface Book 2の画面だ(Surface Book 2内蔵のカメラは、内蔵ビデオカメラとしては最高の部類に入る)。
大半のノートブックやオールインワンパソコンの内蔵ウェブカメラでは、満足できる結果は得られない。しかし、専用のウェブカメラを購入すれば、まず間違いなく質を上げることができる。今はビデオ会議の質を上げようとして誰もがこぞってウェブカメラを買っている状態なので、在庫切れになっているかもしれない。予算が許すなら、私が下記の動画を撮影するのに使ったLogitech C922 Pro Stream 1080pなどを入手すれば、鮮明さ、微光での性能、発色などを改善できるだろう。
HDMIインターフェイスを探すときは、Zoom、Hangouts、Skypeなどのビデオ会議用アプリがMacおよびWindows上で、専用のソフトウェアなしで動作することを謳っているものを使うようにする。このようなタイプはUVC機能を備えている可能性が高い。つまり、ドライバをダウンロードしたり特殊なソフトウェアをインストールしたりしなくても、OSがこうしたタイプのインターフェイスをそのままウェブカメラとして認識するということだ。このようなインターフェイスは新型コロナウイルス感染症のため需要が増えており、筆者がこの記事で使ったElgato Cam Link 4Kはおそらくどこでも在庫切れになっているだろう。代わりに、IOGear Video Capture AdapterやMagewell USB 3.0 Captureなどが使える。あるいは、Blackmagic ATEM Miniなどのライブ放送専用デッキにアップグレードすることを検討してもよい。これについては後述する。
ATEM Miniを最大限に活用したいなら、2台目、さらには3台目、4台目のカメラを追加することだ。ほとんどの用途では、それほど多くのカメラは必要ない。1人の人間が話しているときに撮影できるアングルなど所詮限られているからだ。だが、カメラの配置と被写体にちょっとした工夫を凝らせば、ストリーム中に別の映像に切り替えるのも楽しいし面白い。スピーチや長いプレゼンテーションなどの場合は特にそうだ。発売されたばかりの新しいATEM Mini Proには、録画機能とストリーミング機能が内蔵されている。
3点照明についてはすでに説明したとおりだが、前述したように、照明は凝りだすとキリがない。アクセント照明は、映像を一段とプロっぽく見せてくれるし、簡単に手に入る機器で手軽にセットアップできる。Philips(フィリップス)のHueはどんなシーンにも活気を与えてくれる筆者のお気に入りだ。すでにHueシリーズの照明を使っている場合は着色電球で間に合わせることもできる。最近フィリップスから発売されたHue Play Smart LED Light Barなどは基本的にアクセント照明用途に特化して開発された製品で、1台の電源アダプターに3つまで接続できる。壁用のアクセント照明として素晴らしい効果が得られる。