会社説明会など採用活動イベントのオンライン開催ツールを展開するBiziblが4300万円調達

会社説明会など採用活動イベントのオンライン開催ツールを展開するBiziblが4300万円調達

採用イベントのオンライン開催ツール「Bizibl」(ビジブル)を提供するBizibl Technologiesは1月19日、第三者割当増資による総額4300万円の資金調達を発表した。引受先は、プライマルキャピタル、インキュベイトファンド、 F Ventures LLP、鈴木悠人氏を含む複数の個人投資家。

会社説明会など採用活動イベントのオンライン開催ツールを展開するBiziblが4300万円調達

同社では、オンライン開催に適した体験設計や既存業務フローとの連携を進めることで、採用イベントを「真に」場所から解放し、企業と候補者がよりシームレスに出会える社会の実現を目指す。調達した資金は、その根幹となるプロダクトの開発体制強化にあてる。「選考説明会」といった複合型の開催形式にも対応するなど、採用イベントのオンライン開催体験を磨き込むとともに、効率的な採用業務をサポートするためのATS連携にも取り組んでいく予定。また、合同イベントを主催する企業・自治体向けの管理機能なども実装予定としている。

Biziblは、オンライン開催に最適化された環境で、会社説明会/座談会/グループディスカッションなどを開催できる採用ツール。準備や当日の開催、ふり返りや候補者管理がワンストップで可能なブラウザー完結のサービスとなっている。現在β版としてトライアル利用を受け付け中で、春頃リリース予定だ。

会社説明会など採用活動イベントのオンライン開催ツールを展開するBiziblが4300万円調達

代表取締役CEOの花谷燿平氏によると、現在の著名ビデオ会議ツールは参加者が対等な関係という前提でのサービス設計になっており、会社説明会や座談会、グループディスカッションといった採用活動イベントで利用するには課題が多いという。

これら採用活動には「採用担当者」と「候補者」という明確な線引き(非対称性)が存在する上、さらに各候補者のプライバシー情報を保護する必要があるが、従来ビデオ会議ツールではこれは難しい。

誰が進行役(採用担当者)なのかや、発言タイミングなどの進行も把握しにくい点が課題となる。顔や氏名、やりとりの内容といったプライバシー情報が候補者間で見えてしまう環境も、候補者側の参加ハードルといえる。その結果、候補者体験が落ちて志望度が醸成されず、選考フローから離脱してしまうといった採用課題にも直結していると指摘した。

一方Biziblでは、採用イベントにおける属性・形式などの「非対称性」に応じて、開催画面やコミュニケーション機能・プライバシー環境をオンデマンドに設定可能な点がまず大きく違うとした。例えば、参加者間での顔/氏名の表示設定やセッション情報などの共有設定なども柔軟に設定できるという。

グループディスカッションは現在開発中

グループディスカッションは現在開発中

またCEOの花谷氏は、採用活動は、多岐に渡る業務が同時並行で進むような複雑かつ超多忙なものであり、その中で候補者情報という非常にナイーブな情報を管理する必要があると説明。ビデオ会議ツールやスプレッドシート、アンケートフォームなど、独立したツールを複合的に利用する運用方法は、業務の煩雑化だけでなく、候補者情報の取得・管理の効率を下げる原因にもなっているという。

これに対してBiziblでは、企業の業務フローにフィットする形でのサービス設計を目指しており、告知ページ作成などの準備や、開催後の分析や候補者情報のデータベース管理などの運用の効率化を提供。細やかな準備や運用工数を削減し、より重要な採用業務に集中できるとした。

会社説明会など採用活動イベントのオンライン開催ツールを展開するBiziblが4300万円調達

また、開催画面内で記入できるアンケート機能などを活用することで、動機づけや就活状況把握に利用できる情報を、早期から回収率高く収集するが可能という。CEOの花谷氏は、これまでのような紙を利用したアンケートや、単独のアンケートフォームのみでは答えてもらえることが少ないため、候補者が開催画面で記入しやすいよう配慮していると明かした。

今後のサービス展望としては、現在の機能のブラッシュアップに加えて、説明選考会や座談会イベントなど複合型の開催形式への対応、複数企業が参加する合同イベント・合同説明会の主催に合わせた管理画面の展開を計画しているそうだ。

人材企業や地方自治体による合同説明会では、例えば主催者の地方自治体の下に参加する複数企業が連なる形になるが、これまでのビデオ会議ツールやウェブサイト(上のリンク)を組み合わせて活用する体裁が多く効率的といえず、候補者情報の取得・管理が行いにくい。花谷氏は、Biziblによりこれを解決するという。

Bizibl Technologiesは、2018年10月に設立。CEOの花谷氏は、大阪大学大学院工学研究科 博士前期課程 修了。工学がバックグラウンドであり、バイオテクノロジーを専攻していたという異色の経歴の持ち主だ。大学在学中進路に迷っている頃参加したシリコンバレー研修を機にスタートアップ事業に興味を持ち、研究や学内プログラムを通してものづくりや事業構築を経験。大学院進学後の2018年に創業した。

当初は他領域事業や転職系メディアを手がけていたものの、転職フェアなどに市場調査に行く中で、「なぜ、いまだにこんなに非効率なことをしているのか」と疑問に感じたのがきっかけでピボットしたと、花谷氏は明かす。大阪の大学生として就活をしていた頃、東京・大阪間を何度も往復するなど体力面・金銭面で苦労した経験もあり、より「自分ごと」として捉えられるBiziblで効率化を目指すこととした。

花谷氏は、採用イベントは対面で行うのが従来常識とされてきた一方で、企業と候補者間に存在する地理的距離が情報格差や雇用格差を生む大きな原因となっていると指摘。Biziblを提供することで、付け焼き刃的な運用ではない、採用活動のオンライン化および効率化を推し進めたいとしている。

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カテゴリー:HRテック
タグ:資金調達(用語)ビデオチャット(用語)日本(国・地域)

イスの背もたれに設置可能、ウェブ会議の仮想背景設定時に便利な「折りたたみ式クロマキー背景スクリーン」

イスの背もたれに設置可能、ウェブ会議の仮想背景設定時に便利な「折りたたみ式クロマキー背景スクリーン」

エレコムは1月12日、ウェブ会議のバーチャル背景や、ゲーム実況など動画配信時のワイプ画面を作成する際に最適な「折りたたみ式クロマキー背景スクリーン」(PCA-CKSF01GN)を発表した。発売は1月中旬予定。店頭実勢価格は、税込2728円。

付属の収納バッグから取り出してすぐに広げられるポップアップタイプで、固定バンドを利用してイスの背もたれに固定したり、壁などに立てかけて使用することも可能。ねじって折りたたむことで約1/8の面積サイズになり、収納バックに入れて持ち運ぶこともできる。

イスの背もたれに設置可能、ウェブ会議の仮想背景設定時に便利な「折りたたみ式クロマキー背景スクリーン」

イスの背もたれに設置可能、ウェブ会議の仮想背景設定時に便利な「折りたたみ式クロマキー背景スクリーン」

サイズ(使用時)は、約幅1300×厚み6×高さ1300mm。収納時サイズは約幅450×厚み20×高さ450mm。重量は約440g。

イス背もたれ取付対応サイズは、幅300~500mm、厚み100mm以内、高さ250~500mm。背もたれが後ろに40度以上傾斜したイスは対応していない。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:エレコムガジェットビデオチャット(用語)日本(国・地域)

対面以上のオンラインコミュニケーションを目指すCommonGroundが19億円調達

「4Dコラボレーション」とファウンダーが呼ぶ新しいオンラインコミュニケーション方式を開発しているスタートアップであるCommonGroundが1900万ドル(約19億6000万円)の資金を調達したことを発表した。

Amir Bassan-Eskenazi(アミル・バサン-エシュケナジ)氏とRan Oz(ラン・オズ)氏が共同でスタートアップを立ち上げたのはこれが初めてではない。2人はテクノロジー関連のエミー賞を2つ受賞したビデオネットワークのBigBand Networksを創立しており、同社は2007年に上場公開され、2011年にArrisGroupに買収された。これ以前にはオズ氏が共同ファウンダーとして創立したデジタル圧縮のOptibaseでバサン-エシュケナジ氏がCOOを務めた。

CommonGroundはいわゆるステルスモードでPR活動をしておらず、2021年最初のプロダクトを完成させるまで全貌を公開する予定はないという。それでも共同ファウンダー2人は取材に対してビジョンの概要を説明してくれた。両氏は「最近、ビデオ会議の体験は大幅に改善されたものの、対面コミュニケーションにははるかに及ばない」ことを指摘した。バサン-エシュケナジ氏はこう述べた。

一般的なビデオ会議ソリューションでは達成できない部分がいくつかあります。近年改善されていますが、それでも現実のバーやパーティーに入ったときに誰もが受ける「あの感じ」は達成できていません。【略】我々は会話している人々のグループをちらりと見るだけで、誰が誰であるかがすぐにわかります。誰が驚いているのか、不満に思っているのか、口ごもっているのかなども見てとれます。

CommonGroundの共同ファウンダーであるアミル・バサン-エシュケナジ氏とラン・オズ氏

バサン-エシュケナジ氏、ラン・オズ氏とそのチームが作るろうとしているのはまさにこの点を解決できるサービスだ。対面でのコミュニケーションのニュアンスをよりよくとらえるだけでなく、対面の会話以上に優れたオンラインコラボレーションプラットフォームを目指しているという(4Dというキャッチフレーズは3Dを超えるという意味らしい)。私は「ビデオ会議システムに各種のコラボレーションツールを組み合わせたものになるのだろうか?」と尋ねた。オズ氏は「コンピュータービジョンやCGなどのテクノロジーを駆使した『ビデオを超えた存在』を想像してください」と答えた。

バサン-エシュケナジ氏は、CommonGroundに1年以上前から取り組んできたという。「つまりパンデミックによるロックダウンへの対応として始められたプロジェクトではありません」と付け加えた。2021年、ビジネスが平常に戻ってオフィスが再開されても依然としてチャンスは大きいという。

またバサン-エシュケナジ氏は「プロジェクトを開始したとき、問題は一部のビジネスパーソンだけが感じている課題でした。しかし今は私の母も実感している問題です。(ソーシャル・ディスタンスの強制のために対面で)孫に本を読んで聞かせることが難しくなっているからです」という。

今回のラウンドはMatrix artnersがリードし、Grove VenturesとStageOne Venturesが参加した。MatrixのジェネラルパートナーであるPatrick Malatack(パトリック・マラタック)氏は声明で「ファウンダー両氏は、コミュニケーションを再発明するという大胆なビジョンを持っています。2人のビデオテクノロジーにおける知識、能力と、大型買収に成功しているなどのビジネスにおける成功実績を考えれば、投資を決定するのは簡単でした」と述べている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:CommonGroundビデオチャット資金調達

画像クレジット:Ada Yokota / Getty Images (Image has been modified)

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

フィル・リービン氏のmmhmmがMemixを買収、オンライン会議でのプレゼンをもっと楽しく

近頃は、誰かと話をするのにオンライン会議を利用することがすっかり定着した。今後、新型コロナウイルス感染症の影響を軽減する効果的な方法が見つかったとしても(見つかるかどうかはまだわからないが)、オンライン会議は存続すると多くの人は考えている。つまり、オンライン会議を改良することがビジネスチャンスになるということだ。はっきり言おう。「Zoom疲れ」は現実に起きているし、少なくとも筆者は、誰かのTeamに参加することに正直うんざりしている。

mmhmm(ンーフー)は、Evernote(エバーノート)の前CEOであるPhil Libin(フィル・リービン)氏が設立した動画プレゼンアプリのスタートアップだ。同氏は、オンライン会議というメディアの機能や、それに対する一般的な概念を変えたいと思っている。ンーフーが最初に取り組んだのは、まるでニュース番組のように、動画の中でプレゼンテーションをリアルタイムで操作する機能だ。同社は米国時間10月24日、現在は招待制のベータ版であるmmhmmの一般公開を目指して買収を行ったことを発表した。

ンーフーが買収したのは、サンフランシスコを拠点とするMemix(メミックス)という企業だ。メミックスは、(録画済みかストリーミングかを問わず)動画に適用できるさまざまなフィルター(照明、背景の詳細、画面全体の変更)や、各種動画プラットフォームでそのようなフィルターを使用するためのアプリを開発している。

mmhmmと同様、メミックスも現在、動画プレーヤー本体ではなく、既存の動画プラットフォーム上で使用するツールの開発に注力している。メミックスは、Zoom、WebEx、Microsoft TeamsなどのWindowsアプリを介して、またはChrome、Edge、およびFirefox上で動作するFacebook MessengerやHousepartyといったウエブアプリを介してアクセス可能なバーチャルカメラという形で提供されている。

リービン氏はインタビューに答えて次のように語った。「このバーチャルカメラは現在の形のまま維持し、各種フィルターとメミックスのテクノロジーをmmhmmに統合する取り組みと、mmhmmプラットフォーム上により多くの機能を構築するための土台作りを同時に進めていく」。

市場には現在、動画関連の製品がひしめいており、ユーザーも多いが、どの製品もまだスタートラインに立ったばかりで、テクノロジーも求められる機能も日進月歩だとリービン氏は考えている。同氏によると、この市場は今、(会議などの)既存のエクスペリエンスの焼き直しではなく、まったく新しいエクスペリエンス、さらに優れた何かを創造する方向へと移行している段階だという。

リービン氏はこう語る。「この分野は大きな転換期を迎えており、それはまだ始まったばかりだ。重要なのは、すべてがハイブリッド型エクスペリエンスになっているという事実だと思う。動画プレゼンテーションのエクスペリエンスには、直接会う、オンライン、録画、ライブという4つの形態がある。これまでは、どのプレゼンテーションもこの4つのいずれかに収まっていた。つまり、境界が固定されていたわけだ。ところが今、この境界が徐々に消えつつあるため、すべてのエクスペリエンスを再構築して本質的にハイブリッドなエクスペリエンスを実現できるようになっている。これは、極めて重要な変化だ」。

メミックスの創業者たちは、この概念について頭の中で考えてきただけでなく、それを実現するソフトウェアの構築を進めてきた。
「やるべきことはたくさんある」と創業者の1人であるPol Jeremias-Vila(ポル・エレミアス・ヴィラ)氏は言う。「プロとしてストリーミング配信を行うとなると、高価なカメラ、照明、マイク、スタンドなど、非常に複雑なセットアップが必要になるが、それに代わる選択肢を提供する、というのが我々の基本的な考えだ。しかも、こうした複雑なセットアップを数回のクリックだけで提供できるようにしたい。先ほど挙げたようなハードウェアと同じ効果を実現できるテクノロジーを、膨大な数の視聴者向けに(ソフトウェアだけで)実装できる方法を考案したい」。

メミックスの2人のスペイン人創業者、 Inigo Quilez(インディゴ・キレス)氏とポル・エレミアス・ヴィラ氏は、スペインではなくサンフランシスコのベイエリアで出会った。2人ともメミックスの運営にフルタイムで関わっているわけではないが、同社が開発するテクノロジーの移行や統合には関わっていくつもりだという。

リービン氏が最初にキレス氏のことを知ったのは彼がYouTubeに投稿した「数学で絵を描くための原理」と題する動画だった。しかし、この動画だけでは2人の創業者の人物像はよくわからない。彼らはグラフィックエンジニアリングの達人だ。エレミアス・ヴィラ氏は現在、Pixar(ピクサー)の主任グラフィックソフトウェアエンジニアであり、キレス氏は昨年までFacebook(フェイスブック)でプロダクトマネージャー兼主任エンジニアとして、OculusのQuill VRアニメーションや生産性ツールを開発していた。

テック企業でエンジニアとしての仕事をこなしているだけでは、グラフィックアプリケーションに取り組むための十分な時間を確保できなかったため、2人はBeauty Pi(ビューティー・パイ、Beauty Pieとは異なる)という取り組みを始めた。Beauty Piは2人が本業とは関係のないさまざまな共同作業を行うための場となった。メミックスは、Beauty Piのプロジェクトとして、2人がゼロから作り上げたものだ。Beauty Piには他にもShadertoy(シェイダートイ、3Dシーンに影を作成するコンピュータープログラムShadersを作成するためのコミュニティとプラットフォーム)などのプロジェクトがある。

このように、メミックス誕生の背景を見ると、今まさに動画の世界で興味深いビジネスチャンスが生まれていることがわかる。現在、パンデミックのせいで(少々、言い方が悪いかもしれないが)猫も杓子も動画をメディアとして活用する分野に手を出している。加えて、ブロードバンド、デバイス、アプリ、動画関連の技術が進化しているため、動画ストリーミングの基本概念に面白い変化を加えたり改善を施したりするスタートアップが雨後の筍のように現れている。

テレビ会議の分野だけでも、いくつか有望な企業がある。Headroom(ヘッドルーム)は数週間前、会議中に有意義なメモを取れるようユーザーを支援する機能や、聴衆が退屈したり不快に感じたりしていないかをコンピュータービジョンを使って検出してプレゼンターが聴衆の反応をより正確に把握できるようにする機能などを含む、非常に興味深いAIベースのサービスを発表した。

Vowel(ヴァウエル)が提供している新しいツールは、会議とその文字起こし原稿に有意義な注釈を付けられるだけではない。すべてのセッションを横断的に検索してさまざまな項目を追跡したり、複数のイベントにおける参加者の発言内容を掘り下げて調べたりすることが可能だ。

もともと音声トラックの編集ツールを開発していたDescript(デスクリプト)は今週始め、動画から文字起こししたWord文書を切り取り、貼り付け、修正して動画のビジュアルと発言内容を編集できる動画用コンポーネントを発表した。これらはすべて、mmhmmと同じく、明らかにB2Bを前提として開発されている。そして、上に挙げた企業は氷山の一角にすぎない。

確かに、現在市場に出ている多数の画像処理技術はそれ自体が興味深いものだ。以前より明確なビジネスモデル(と主要企業)がようやく登場した段階にあるため、この分野はまだ成熟しておらず、関連技術がどのような領域で最も活用されるようになるのかは、まだ不明である。

そのため、ズーム、グーグル、マイクロソフトといった大手だけでなく、ゼロからまったく新しいプラットフォームを構築する新規参入組にとっても、面白いビジネスチャンスだと言える。

その意味で、mmhmmは注目に値する存在だ。リービン氏は、不運なチャットボット市場に同氏が進出するというだけで見出しになるほどの大きな影響力を持つ人物だ。mmhmmは、そのリービン氏の名声とインスピレーションが背景にあるというだけでなく、Sequoia(セコイア)をはじめとする有名VCの支援を受けている(セコイアは今月始め、mmhmmに対する3100万ドル(約32億4700万円)の資金調達ラウンドをリードした)。

リービン氏は「mmhmmを通してこの業界における統合を進めようとは考えていないし、この業界で統合が進んでいるとも思っていない」という。統合は、ある程度成熟した分野で行われるものだが、このハイブリッド型オンライン会議市場はまだ誕生したばかりだと同氏は考えているからだ。

「当社が行っているのは、統合というより市場シェアの獲得だ。自分たちが本当に気に入ったチームと一緒に仕事ができるかどうか、それが当社の買収基準だ。メミックスはその条件を満たしていた」とリービン氏は続けた。

関連記事:Headroom、AIを使ってビデオ会議の質を飛躍的に向上させるために500万ドルのシード資金を調達

カテゴリー:ネットサービス
タグ:ビデオチャット 買収 リモートワーク

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(翻訳:Dragonfly)

Headroom、AIを使ってビデオ会議の質を飛躍的に向上させるために500万ドルのシード資金を調達

ビデオ会議は昨今の我々の業務形態を支える要となってきた。主要なビデオ会議システムのZoom(ズーム)にいたっては、世間にあまりに浸透したため、「Zoomする」という動詞が生まれたほどだ。

しかし、だからといってビデオ会議は本来の機能を十分に果たせているのだろうか。果たせていないという確信のもとに、Headroom(ヘッドルーム)という新しいスタートアップが本日、ステルスモードを解除してその姿を現した。AIツールの原動力とも言えるコンピュータービジョン、自然言語処理などを手がけるヘッドルームによれば、先の問いの答えは明らかに「いいえ」なのである。

ヘッドルームは、ビデオ会議システムに加えて、トランスクリプト(文字起こし)機能、要約と見出しを書き出す機能、ジェスチャー認識機能、ビデオ画質の最適化などを提供する。フリーミアムサービスの立ち上げに向けて、同社はシード投資ラウンドで500万ドル(約5億2700万円)の資金調達を行ったと発表した。

ここから、パイロットに参加するための順番待ち名簿に登録したり、その他の最新情報を入手したりできる。

今回の投資ラウンドには、グーグルのAIに特化したベンチャーファンド「Gradient Ventures」(グラディエント・ベンチャーズ)のAnna Patterson(アンナ・パターソン)氏、 視覚技術の企業を支援するスペシャリストVC「LDV Capital」(LDVキャピタル)のEvan Nisselson(エバン・ニセルソン)氏、Yahoo!(ヤフー)の創業者で近年AME Cloud Ventures(AMEクラウドベンチャーズ)を創設したJerry Yang(ジェリー・ヤング)氏、 Morado Ventures(モラド・ベンチャーズ)のAsh Patel(アッシュ・パテル)氏、Kaggle.com(カグル・ドット・コム)の共同創業者でCEOのAnthony Goldbloom(アンソニー・ゴールドブルーム)氏、Cornell Tech(コーネルテック)の副学部長でコンピュータービジョン技術と機械学習の教授でもあるSerge Belongie(サージ・ベロンギ)氏が参加している。

なかなか興味深い顔ぶれだが、それは投資家たち自身が幾年にもわたり最先端の視覚技術を駆使して個人や企業の顧客に向けたサービスを構築し、特筆すべき業績を収めてきたことによるのかもしれない。

英国の移住者であるJulian Green(ジュリアン・グリーン)氏は、つい先日までGoogle(グーグル)に勤務しており、Cloud Vision APIのリリースを統括するなど、同社のコンピュータービジョン製品を手がけていたやり手だ。 同氏がグーグルに入社したのは、自身のスタートアップであるJetpac(ジェットパック)をグーグルが買収したことによるが、ジェットパックはディープラーニング(深層学習)やその他のAIツールを活用して写真を分析し、旅行先を提案するサービスを提供していた。Jetpacの前には、視覚的な対話システムを利用するまた別のプラットフォーム、Houzz(ハウズ)を共同で創業した経歴の持ち主だ。

ロシア生まれのAndrew Rabinovich(アンドリュー・ラビノヴィッチ)氏について言えば、過去5年間、Magic Leap(マジック・リープ)に勤務していた。深層学習のディレクターとエンジニアリングの責任者を経て、AIの責任者を務めた経歴を持つ。マジック・リープに入社する前は、同氏もグーグルに勤務しており、コンピュータービジョンと機械学習を専門とするソフトウェアエンジニアだった。

ビデオ会議システムのサービスを改良する分野への転職という選択は、今年に入ってから起きたこのシステムの急激な需要拡大を考えると、日和見的な動きに見えるかもしれない。しかし、グリーン氏によれば、このサービスの構想を練り、サービスの構築に着手したのは、「新型コロナウイルス感染症」という言葉が存在もしなかった2019年の終わりだと言う。

「もちろん、感染症の大流行によって、ビデオ会議システムの分野への関心は高まった」とグリーン氏は冗談めかして語り、実際、資金調達が非常に容易になったと付け加えた(シード投資ラウンドは7月に終了したとのことである)。

AR(拡張現実)やVR(拡張現実)はビジネス展開が極めて難しいことが判明している。とりわけ短~中期的に難しく、VCから数億ドルの支援を得たスタートアップであっても厳しい。実際、マジック・リープは長い間苦境に立たされていた。また、事業の方向性を転換し興味深いアイデアの数々に手を出すこともできたこと、マウンテンビューの本社に全技術が集結するグーグルにはグーグルの意義があることを考えると、両氏が以前の所属企業に技術を売り込むのではなく、独立してヘッドルームを創設することにしたのは、これまた興味深い。

これには理由が2つあるとグリーン氏は語っている。 1つ目の理由は、物事の構築には小さな組織の方が効率が良いことだ。「スタートアップのスピードに合わせて動けるのはとても良い」と同氏は述べている。

2つ目の理由は、物事を一から構築していく場合、従来のプラットフォームを使うと新しいプラットフォームとは異なる課題が生じることだ。

ビジネスユーザー向けのMeet(ミート)や一般ユーザー向けのHangouts(ハングアウト)の開発チームにアイデアを持ち込むことは考えなかったのはなぜかと尋ねると、「グーグルであれば、やりたいことは何でもできる。ただし、ビデオ会議システムでリアルタイムのAIを実行するには、開発当初からそれを念頭に置いて構築しておく必要がある。ヘッドルームでは最初からそのように開発を始めた」とグリーン氏は回答した。

ヘッドルームの面白みは、何と言ってもその課題にあるようだ。サービスがいたるところにあふれ、テレワークが主流の状況下では、ビデオ通話を利用することにさほど抵抗がなかった一方、良くも悪くも、すでに使用しているものに慣れ親しんでいるということでもある。それで、1つ2つのサービスに課金してプレミアムユーザーとなっている多くの企業は、新しくて実績があまりないプラットフォームを試すことに乗り気ではないというのが実情だろう。

しかし、テクノロジー業界が往々にしてそうであるように、後発者が報われることもあり、先発者が常に勝者とは限らない。

ヘッドルームの初回のイテレーションでは、会話の内容をすべて自動的に書き起こすトランスクリプト(文字起こし)機能、トランスクリプトで間違っている箇所をビデオを再生して編集できる機能、通話内容の要点を書き出す機能、およびジェスチャーを認識して会話が切り替わるタイミングを見極める機能が提供される。

グリーン氏によれば、同社は今後のイテレーションで追加する機能の開発もすでに始めているということだ。ビデオ会議でプレゼンテーションの補足資料を使用する際にも、要点を書き出したり文字起こしをしたりするエンジンを利用できる。

また、画面のピクセルを最適化して、ビデオ画質を大幅に向上させる機能も開発しているとのことだ。この機能はインターネットへの接続状況が悪いときに特に重宝すると考えられる。
グリーン氏は、「ビデオ会議の画面のどこに何のピクセルがあるかを特定し、適切なピクセルを送信できる。画面内の人や背景はそれほど変化するものではないので、そうしたものを常時送信する必要はないのだ」と語っている。

こうした機能はすべて、高度なコンピュータービジョンと自然言語アルゴリズムのとても興味深い側面のいくつかを利用したものだ。たとえば、要約の作成機能では、発言内容を認識するだけでなく、発言の最も重要な部分を抽出する技術を利用している。

また、ビデオ通話で、話に直接割り込まずに、発言したいという意思を表示するのに苦労した経験があると、ジェスチャー機能が非常に有効である理由を理解できる。

この機能は、聴衆の注意が散漫になっているかどうかを発言者が確認するためにも役立つ。発言したいと思っている参加者のジェスチャーを検出するためにヘッドルームが使用しているのと同じ技術で、聴衆が退屈したりイライラしたりしていることを検出し、発言者に知らせることができるのだ。

グリーン氏が「要はEQのサポートだ」と言った時に半分からかっているように見えたが、対話に使用していたグーグルミートには表情を読む機能がないため、勘違いかもしれない。

グリーン氏の言葉から、ヘッドルームが興味深いビジネスチャンスを活用する理由がうかがえる。このようなツールがその真価を遺憾なく発揮すると、ビデオ会議の質を飛躍的に向上させるだけでなく、対面式の会議で起こり得る問題を解決できる可能性さえ秘めているのだ。実際に「本物」よりも優れているかもしれないソフトウェアを構築することは、現在の状況(永続的なものではないことを願うが)において高まる需要に対応できる底力を実証する1つの形なのである。

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タグ:リモートワーク ビデオチャット 資金調達

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(翻訳:Dragonfly)

プレゼンやアイデア提案に使えるビデオ通話向け共有キャンパスツール「Board」をKlaxoonが発表

新製品に言及してから数週間が経ち、フランスのスタートアップであるKlaxoon(クラクスン)は、ビデオ通話中に共同作業が可能なビジュアルインターフェイス「Board」をリリースする。これより他人の顔を見つめる代わりとなる、プレゼンテーションやアイデアの提案に使用できる共有キャンバスが使えるようになる。

Klaxoonは、多くの企業がビデオ会議サービスについて強い意見があることがあるをよく知っている。すでにあらゆる用途にMicrosoft Teams(マイクロソフトチームズ)を使用している企業もあれば、Zoom(ズーム)やGoogle Meet(グーグルミート)を使用している企業もある。同社がやろうしていることはZoom、Microsoft Teams、Google Meetで通話するときに、ビジュアルインターフェイスのBoardができるだけ簡単に使えるようにすることだ。

Zoomリンクを生成するときにすでにBoardに入っている場合、Liveと呼ばれるKlaxoon独自のビデオ会議サービスを使用することもできる。

「ビデオはスクリーンの用途全体の10%未満を占めるにすぎない。当社の目標はピクセル数や解像度、サムネイルの数に関して他のサービスと競合することではない」と、Klaxoonの共同創業者でCEOのMatthieu Beucher(マシュー・ボイカー)氏は筆者に語った。

逆にLiveを使用するときには、会議への集中力維持に役立つ複数の制約を受け入れることになる。たとえば会議の人数を15人に絞ることができる。5分、15分、30分など、会議の主催者は時間制限を設けることもできる。30分を超える会議にLiveを使用することはできない。

そして最後に、通話に参加している自分以外の人は、画面の右側にある小さなサムネイルで表示される。スクリーンの大部分は一種のデジタルホワイトボードで占められ、そこに文字を書き込んだり、画像やビデオを挿入したりできる。会議開始前にBoardで作業したり、テンプレートライブラリからテーブルを追加したりもできる。

会議に参加する人はデジタル付箋でアイデアを送ることができる。「フリーフォームビュー」から、よりしっかりした構造を持つ「コラムビュー」に切り替えてアイデアをあるカテゴリから別のカテゴリに移動することもできる。

Klaxoonがインタラクティブホワイトボードと会議ツールに取り組んでから、かなりの年数が経つ。Boardには、同社がすでにクライアントに提供しているツールがいくつか組み込まれているが、リモート会議に重点を置いている。このサービスは9月28日から月額9.90ユーロ(約1230円)で提供されている。

画像クレジット:Klaxoon

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タグ:Klaxoon ビデオチャット フランス

画像クレジット:Klaxoon

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(翻訳:Mizoguchi

学校向けのZoomアドオンに数億円を賭けるZoom創生期の投資家たち

Zoomは消費者向けに開発された製品ではない。それにもかかわらず、このビデオ会議システムの使い勝手の良さは、飲み会から会議まで、パンデミックによって脅かされるあらゆる社会的状況への解を示した。

数か月が経ち、ソーシャルエクスペリエンスを1つの企業向けソフトウェア会社に委ねることは完全なソリューションではないことがわかってきた。Zoom School(ズーム・スクール)は、何が上手くいっていないかを示す良い例だ。リモート教育は、学生、教師、保護者にとって非常に厄介な問題となっている。かつては、板書、グループ発表、1対1の対話を通じて授業を行っていた教師が、今は1つの画面しか使うことができない。

グローバルパンデミックに突入してから6か月以上経ち、Blackboard(ブラックボード)の元CEOでありPrecisionHawk(プレシジョンホーク)の元CEOでもあるMichael Chasen(マイケル・チェイスン)氏は、大胆にも次のような構想を描いている。Zoomは学校教育にとって一時しのぎの対策ではない、と考えるとどうなるだろうか。単に販売されたものを使うのではなく、教育用に開発されたZoomエクスペリエンスを創り出せたらどうなるだろうか。

「今行われているオンライン授業では、教師が、出欠を取ったり、宿題を配ったり、テストやクイズをしたり、採点したり、生徒と1対1で話したりすることができていない場合がほとんどです。そんな状態では教えたり学んだりできないですよね」とチェイスン氏はTechCrunchに語る。

そこでチェイスン氏は現在、ClassEDUという新会社の起業に取り組んでいる。同社の最初の製品は、率直に大望を示す、その名も「Class for Zoom」だ。この名称からもわかるように、Zoomへのサードパーティーのアドオンだが、完全に独立した会社だ。さらに、このアドオンは、生徒たちが参加しやすくリアルタイムで同期される授業を行いたい教師のために開発されている。

教師がZoomミーティングにログインすると、次のような画面が表示される。

Image Credits: ClassEDU

ご覧のとおり、教室、課題、テストやクイズ、またはホワイトボードを切り替えることができる。教師は、整理されていないタブで時間を浪費する代わりに、CMS(コース・マネジメント・システム)内の資料との同期や、生徒に意見を求めること、リアルタイムのクイズの答え合わせまで、授業全体のワンストップショップとしてこのビデオミーティングを利用できる。これはフルスイートのソリューションであり、非常に意欲的な取り組みだ。

Class for Zoomの機能は、指導ツールと管理ツールの2つに分けて考えるとわかりやすい。

指導ツールは、Class for Zoomは教師がライブの課題、クイズ、およびテストを行うことを支援するものだ。生徒は、これらにリアルタイムで答えることができる。生徒の積極的な参加を促すのに役立つフィードバックの機能もある。教師には適宜、クラスのミュートやミュートの解除を行う権限を付与できる。

Image Credits: ClassEDU

指導ツールの重要な特徴は、質問したいときに生徒が教師と個別に話せることだ。このとき、Zoomミーティングから抜ける必要はない。これは、クラスの皆の前で話すことが苦手だったチェイスン氏の娘からインスピレーションを得たものだが、人前で発言するのが不得手で内気な生徒にとっては、ありがたい機能だ。

Image Credits: ClassEDU

管理ツールには、出欠のトラッキングから生徒のアクティビティ参加時間を確認する機能まで、教師用のさまざまなツールが含まれている。大学時代にブラックボードを設立したチェイスン氏は、同社が開発したCMSを教師がZoomクラスルームに直接統合できるようにし、以前に創業した企業の実績を評価した。

一方、チェイスン氏が「Class for Zoomの不人気な機能」と冗談交じりに語るのは、生徒が画面上でZoomをメインアプリとして使用しているかどうかを教師に情報を提供する機能だ。注意トラッキング機能は目新しいものではないが、一部の人はこのような監視を受け入れられないと感じるかもしれない。注意トラッキング機能を生徒が無効に設定することも可能だが、管理者はこの機能の使用を生徒に義務付けることができる。また、このプラットフォームを使用すれば、教師は試験中に生徒のデスクトップを監視して、不正行為を制限することも可能だ。

Class for Zoomが生徒のパソコンにアクセスできると聞いて、一部のユーザーは不快に思うかもしれない。Zoomは一部の学区でオンライン授業での使用を禁止されている。セキュリティ上の懸念があり、悪質な侵入者がミーティングをハッキングし不適切または不快なコンテンツをストリーミングする、いわゆるZoom爆撃が相次いだためだ。これを受けてZoomでは検証ツールや待合室などのセキュリティ対策を講じている。

チェイスン氏によると、Class for Zoomでは、生徒にトラッキング機能の使用を強制するのではなく、選択できるようにすることによって、情報へのアクセスのバランスを取っているという。

Zoomをより良いエクスペリエンスにしようとしているスタートアップは、Class for Zoomだけではない。ZoomのSDKが無料であることも手伝って、ここ数か月の間に、Zoom上で動くように開発された多くのツールがリリースされた。Macroは、430万ドル(約4億5300万円)を調達し、参加者の発言時間などのメトリックスをトラッキングするインターフェイスやメモ機能を追加し、Zoomでの通話に深みや分析機能を加えた。そのユーザーは、2万5000人を超える。Mmhmmは7月に、ユーザーの好きなビデオ会議プラットフォーム上で放送スタイルのビデオ会議エクスペリエンスを作成できるクリエイティブなデモを発表して話題になった。

ある程度予想されたことだが、ZoomはMmhmmと競合する機能を発表した。このことは、既存の企業の上で成り立つスタートアップ企業は本格的なプラットフォームではなく、付加機能のように見えるのではないかという疑問を感じさせる。

当然、これらの製品に対する脅威の1つは、Zoomの気分次第で状況が一変するということだ。Zoomは、SDKとAPIのポリシーを少しいじるだけで、Class for Zoomを消し去ることもできる。しかし、チェイスン氏には、そうはならないだろうと楽観的になれる理由がある。

Class for Zoomは本日、GSV Ventures(GSVベンチャーズ)のDeborah Quazzo(デボラ・クアッツォ)氏とEmergence CapitalのSanti Subotovsky(サンティ・スボトフスキー)氏、およびZoomの現役員が共同でリードするシードラウンドで、プレローンチ段階(サービス開始前)に1600万ドル(約17億円)を調達したことを発表した。他の投資家には、Zoomの初期投資家であるMaven Partners(メイヴェン・パートナーズ)のJim Scheinman(ジム・シャインマン)氏、Zoomの名付け親として有名なBill Tai(ビル・タイ)氏、Zoomへの支援を最初に表明したAOLの共同創設者であり、Revolution(レボリューション)のCEOであるSteve Case(スティーブ・ケース)氏が含まれる。

Zoom投資家の関与がスタートアップを保護するための「保険」として機能するかと尋ねると、チェイスン氏はそのようには考えていない、と答えた。むしろ、Zoomは専門的に掘り下げていくよりもスケールの拡大に重点を置いている、と同氏は考えている。言い換えれば、ZoomはTwitterのような機能を組み込むつもりはなく、プラットフォームが開発者に親しみやすいという点で、多数のツールがその上で構築されているSalesforceに似ているということだ。第2に、Class for Zoomは、Zoomの認定再販業者であり、行政区にZoomを販売すると、手数料から収益を得られる。非公式および公式のパートナーシップは、チェイスン氏が安定性に賭けるのに十分な接着剤として機能しているようだ。

Class for Zoomのテクノロジーが今後もZoom専用のままであるかどうかについてチェイスン氏は、Zoomは「教育における事実上の業界標準」であるため、今後もZoomを主な焦点にしていくと語る。また、他のプラットフォームが追いついてきた場合は、さまざまなソフトウェアを試す用意はある、と同氏は言う。

チェイスン氏は、価格に関する正確な数値の共有は避けたが、行政区が許容できる価格設定に落ち着かせる作業は進行中であると述べた。同社がユーザー単位で請求するかどうかは不明だが、ある種のサブスクリプションサービス料金を請求するだろう、と同氏は言う。

EdTechソリューションのアクセシビリティは、多くの場合、テクノロジーと教育を提供するための媒体手段に依存している。例えば、無料で使用できる製品であっても、動作させるために高速インターネットとMacが必要であれば、アメリカの平均的な家庭では使えない可能性がある。低所得世帯の生徒、教師、学区が使用している低コストのコンピューターChromebookで製品の使いやすさをテストすることが多いのは、このデジタル格差を意識してのことだ。

Class for Zoomのケースでは、Macintoshコンピューターを使用する教師向けに第1イテレーションの製品がロールアウトされているが、費用が原因で一部の主要な所得層が漏れた可能性がある。生徒はソフトウェアなしでClass for Zoomで行われる授業を視聴することはできるが、ビュー、トラッキング、およびアクティビティ参加のための機能は使えないため、注意が必要だ。

ありがたいことに、今回新たに調達された資金は、ClassEDUがWindows、Android、iPhoneだけでなく、Chromebookなどの低コストのコンピューターで使用できるソフトウェアを構築するのに使用される。そうなると、教師と生徒の両方が、より機能的なビューを利用できるようになる。

チェイスン氏は、自分の3人の子どもたちが在宅学習を始めた隔離期間に入ってほんの数週間のころから、このスタートアップのアイデアを練り始めたという。数か月が経ってついにClass for Zoomがベータ版をリリースする準備が整い、本日、ウェイティングリストへの受付が始まる。チェイスン氏は1月までに、希望するすべての学校がアクセスできるようにしたいと考えている。

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タグ:ビデオチャット Zoom 教育

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(翻訳:Dragonfly)

Rallyで大人数のビデオ通話をもっと楽しくリアルに、そして疲れを感じないものに

来る日も来る日もビデオ会議。ビデオハッピーアワーやビデオ誕生日パーティー。30人の顔が映るグリッドをまた目にする。すべては会話を同時に行うためのものだ。

新型コロナウイルスの感染蔓延の混乱の中で大人数対応のビデオチャットのプラットフォームが使えるのは素晴らしいが、いささか疲れる。画面に向かって会話するときの、あの奇妙な感じも原因だが、それは大したことではない。問題はビデオで集まるときの「流れ」が実際に会うときとは異なることだ。通常、現実世界のパーティーで人が集まるときは、30人が1つの大きなグループに詰め込まれたり、言葉を発した誰かの顔に注目が静かに集まることはない。小さなグループにわかれ、誰もがちょっとした会話をし、食べ物、バー、トイレなどに行く途中で聞こえるおしゃべりに寄っていくはずだ。

今週、TechCrunch Disrupt Startup Battlefieldに参戦しているRallyは、こうしたことを念頭に置いてビデオチャットプラットフォームを開発している。

画像クレジット:Rally

Rallyは「テーブル」を中心とするグループビデオ通話を開発している。大きな集まりがいくつかの小さな会議室に分かれる場面を想像してほしい。ただし、グループ同士の会話はわずかに聞こえる。別のテーブルであなたの好きな番組の最新のエピソードについて話が始まると、注意を引かれるくらいには聞こえるが気が散るほどではない。クリック1つで別のテーブルにジャンプし、最後にしていた会話にすぐに戻ることもできる。

テーブルは「部屋」の中にある。それぞれの部屋は一度に最大35人のユーザーを収容できる。大きなイベントでは複数の部屋を使用すれば、各部屋で異なるジャンルの音楽を演奏するライブイベントなどが可能になる。

全体的なアプローチとしてはプラットフォームを物理的な感覚に近いものにしようとしている。それも、誰もがすでに慣れ親しんでいるZoom(ズーム)やGoogle Meet(グーグルミート)の世界と変わらない容易さで。3Dの要素はなく、動かす方法を覚えなければならない仮想アニメーションのアバターもない。

他人の盗み聞きを防ぎたいだろうか。例えばあなたが仮想のパブで開かれているトリビアナイトに参加していて、他のチームに答えを聞かれたくないとしよう。「プライバシー・トグル」を使えば、自分のテーブルの会話を一時的に封鎖し、時間が来たらすぐに壁を取り払うことができる。周囲の声で気が散るなら、他のテーブルの音量を調整することもできる。

主催者はイベントの設定でトラブルメーカーを追い出すことができるだけでなく、参加者には使えないいくつかのボーナス機能が利用できる。主催者は単独でまたは選んだ参加者と一緒に「ステージ」に上がり、フルボリュームで全員にアナウンスを出すことができる。また、ランダムにテーブルをシャッフルして、イベント参加者が同じ仲間とずっと一緒にいるのを防ぐことができる。

Rallyの共同創業者であるAli Jiwani(アリ・ジワニ)氏は、当初の目的はもう少し具体的だったと語る。同社はライブのコメディイベントを主催するためのプラットフォームを開発していた。そうしたイベントの多くは群衆のエネルギーに依存している。ユーザーがプラットフォームを他の目的に使いたいと求めてきたため、同社はより広い使用目的のために調整を加えた。プラットフォーム上でライブコメディを主催することはいまだに歓迎されてはいるが、今は主目的ではない。

Rallyはダウンロードせずにブラウザーで操作できる。今ここで「ブラウザー」とはほぼChromeを意味している。ほかのブラウザでも機能するかもしれないが、Rallyは今のところChromeを使用することを強く勧めている。

画像クレジット:Rally

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(翻訳:Mizoguchi

たった5分で普通のカメラを高画質のウェブカメラとして設定する方法

ビジネス会議にしてもソーシャルディスタンス中の社交的なビデオ通話にしても、最近では誰もがウェブカメラを必要としている。ほとんどの読者はノートパソコンの内蔵カメラや年代物の取り付け式カメラを使用していることだろう。そんな中、もしもあなたが大手ブランドによる優良カメラを持っている場合、ソフトウェアの力を少し借りるだけで、スタンドアロンのウェブカメラとして設定し、友達や同僚も羨む画像を手に入れることができる可能性がある。

照明、オーディオ、その他さまざまな設備を使用して作る、プロ並みの家庭用ウェブカメラソリューションガイドをこちらの記事で紹介しているが、デジタル一眼レフやミラーレスカメラをコンピューターに接続する作業は、想像するほど簡単ではない。

実際は100ドルほど投資すれば、カメラの信号をHDMIに変換するキャプチャカードやドングルを手に入れ、それですべてを解決することができる。しかしその行程を経ず、数分でこれを実現させたい場合の、ソフトウェアのみを使用したカメラとOSソリューションをご紹介しよう。

驚いたことに、ここ数年間にリリースされたカメラをコンピュータに接続して作動させようと思ってもだめなのである。今のところ、キヤノン、富士フイルム、パナソニックのみが少なくとも1つのデスクトップOSに無料のウェブカメラ機能を提供している。ニコン、ソニー、オリンパスの場合は、支払いが生じるか透かしが付くかのどちらかになる。

ここでは各ブランドのカメラを機能させるための最も簡単な方法を紹介する(スポイラー警告:Macの場合はほぼ全てのケースでCascableを使用することになる。読者は皆自分のカメラのブランドについて書かれている箇所までスクロールして、ここを飛ばして読んでいるだろうから、これについてはもう数回言及しようと思う)。

キヤノン:EOS Webcam Utility

キヤノンはほんの数週間前にこのソフトウェアをリリース。まだベータ版であるため問題はいくつかあるかもしれないが、同製品はWindowsとAppleの両方のマシンとさまざまなカメラ本体をサポートしている。マイクロサイトにはアプリの追加ドキュメンテーションやチュートリアルさえ用意されている。

互換性はかなり良好で、過去3〜4年間にリリースされたどのカメラ本体でも使用可能だ(Rebel T6-T7i、T100、SL2、SL3、5D MkIV、5DS、5DS R、6D Mk II、7D Mk II、77D、80D、90D、1D X Mark IIとMark III、M6 Mk II、M50、M200、R、RP、PowerShotG5X Mk II、G7X Mk III、SX70 HS)。ソフトウェアはここからダウンロードできる

問題が発生した場合は、以下に記載されている他のブランドのサードパーティ製アプリをチェックしてみて欲しい。それで上手くいく場合もある。

富士フイルム:X Webcam

富士フイルムのソリューションは簡単ではあるが、限定的である。人気のX100シリーズがサポートされていない上に、Macにも対応していない。しかし、同社の最近のレンズ交換式ボディとWindows10をお持ちの場合は幸運である。インストールして通常のUSBケーブルでカメラを接続するだけで完了だ。

X-T2、X-T3、X-T4、X-Pro2、X-Pro3、X-H1、GFX100、GFX 50R、GFX 50Sと互換性がある。ミディアムフォーマットの設定を正しく行わなければ、目元は焦点が合っても耳元はズレることになる。ソフトウェアはここからダウンロードできる

Macにおいては、さまざまな目的でカメラへの架け橋として機能するCascableがMacのソフトウェアとして便利である。同ソフトウェアの制作者はウェブカメラ機能を最近追加したところで、有線接続とワイヤレス接続の両方で幅広い互換性があり富士フイルム独自のソフトウェアよりも幅広い機能を提供しているが、これは無料ではない。しかし現在の30ドル(約3200円)という価格は、優れたウェブカメラを購入する場合と比べたら安上がりと言えるだろう。

コマンドラインを扱う自信がある場合、このチュートリアルが少しの作業とサードパーティ製ソフトウェアを用いて同社のカメラをMacで作動させる方法を紹介している。

パナソニック:Lumix Tether

パナソニックはLumix Tether Windowsアプリのウェブカメラ対応バージョンをリリースしたところだ。ドキュメンテーションの少なさから、これがかなり必要最低限なソリューションであることが見て取れる。ただし価格は適切だ。GH5、G9、GH5S、S1、S1R、S1Hに対応。同社はまた、OBSのようなストリーミングソフトウェアを使い始める方法を説明した、順を追った有益なチュートリアルを公開している。

Cascableは多くのパナソニックカメラで機能し、その上公式アプリよりも断然優れている。スーパーズーム機能で遊ぶのも楽しい。

ソニー

ソニーのカメラをウェブカメラに変えるための公式ソフトウェアは存在しないため、ワンストップソリューションが必要な場合はサードパーティ製を使用するしか他ない。Windowsに関しては、Sony Remoteを使用して画像をテザリングし、ストリーミングソフトウェアに無理やり転送するというような代替策がある。詳しくはこのビデオで説明されている。理想的とは言えないが、ひとつの手段ではある。

ここでもMacにおいてはCascableが最善策である。NEXシリーズやRX100 IIIなどのカメラ数世代分に対応している。Ecamm Liveもソニーと互換性が限定的にあるが、最新モデルしかサポートしていない。月額12ドル(約1300円)だが、試してから購入したい場合は無料トライアルもある。

オリンパス

Windowsに関してはここでも同じく、公式ソフトウェアが存在しない。しかしテザリングソフトウェアを使用してライブビュー画像を収集し、それをストリーミングソフトウェアに転送できる場合がある。

MacではCascableがStylusカメラやレトロなPEN Fなどを含む多くのモデルを有線でサポートしている。カメラもこのようなモダンな方法で使用されるとは思いもしなかっただろう。Ecamm Liveは最新モデル(E-M1 II、III、X、E-M5オリジナル、Mk II)と互換性がある。残念ながらPENシリーズはだめなようだ。

ニコン

最近ニコンは同社のカメラを使用したストリーミング方法に関するお役立ちページを公開したのだが、驚いたことにソフトウェア自体を開発することはなく、さまざまなサードパーティ製ソフトウェアを紹介している。

前述と同様に、CascableがニコンをMacで作動させるための最も簡単な方法のようだ。一方でWindowsにはSparkoCamが頻繁に推奨されている。

これからウェブカメラを設置する読者への注意点

上記で紹介した方法は簡単ではあるものの、問題点がないかと言ったらそうではない。

可能性としてはオーバーヒートがそのひとつだ。これらのカメラは主に静止画や短い動画クリップを撮影するために設計されている。長時間フル稼働することでカメラが熱くなりすぎて機能しなくなり、シャットダウンする場合がある。カメラ自体に深刻なダメージを与えることはないが、注意すべき点ではある。これを回避する最善の方法は、電源アダプターでダミーバッテリーを使用するということだ。簡単に手に入れることができ、過熱の緩和にも有効だ。

オーディオ機能は画像ほど優良でないかもしれない。本格的なビデオワークには通常外部マイクが使用されるが、これは誰にでもおすすめすることである。まともなマイクは50ドル未満で簡単に手に入れることができ、デバイスの内蔵マイクを大幅にアップグレードできることを考えると購入しない理由はない。

また、カメラの使用に際する最適な設定についてのフォーラムを確認することもおすすめしたい。数分後にカメラがオフにならないようにすることや、露出の選択などが確認するべきことの例として挙げられる。例えばここでは静止画を撮るわけではないため、解像度を心配する必要がなくワイドオープンで撮影できる。一方で、オートフォーカスが迅速かつ正確に機能していることを確認しておかないと、ピンボケ映像に終わってしまう可能性がある。いくつか異なる方法で設定してみて、最良な方法が見つかるまで試してみると良いだろう。

ここまでの準備が全て整ったら、次は背景を設置する方法を詳しく説明したガイドを読んでいただきたい。

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カテゴリー:ハードウェア

タグ:ガジェット ビデオチャット

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(翻訳:Dragonfly)

軍資金を全投入して自宅で最高のビデオチャット環境をつくる方法、予算別で紹介

数週間前に比べてビデオ会議を使う機会が増えた、という人は多いだろう。以前から頻繁に使っていた人でも、ここ数週間でさらに頻度が高くなったのではないだろうか。この状況がすぐに変わることはなさそうだ。であれば、ビデオ会議を徹底的に活用してみるのはどうだろう。MacBookに搭載されている標準的なウェブカメラでもビデオ会議の目的は果たせるが、素晴らしい出来にはほど遠い。ビデオ会議の質を上げるには予算に応じてさまざまな方法がある。毎日のバーチャル立ちミーティングをもう少しまともにするとか、バーチャル会議でのプレゼンの質を上げるとか、新しいビデオポッドキャストを立ち上げるとか、さまざまな目的を達成するために手持ちの機器でできる対策や、最高レベルのビデオと音声を手に入れるために必要な機材について、いくつかアドバイスしてみたい。

レベル0

照明を点けて正しい場所に置く

ビデオ会議でカメラ映りを向上させる最も簡単な方法は、手持ちの照明を点けてカメラの背後に置き、顔を照らすようにすることだ。つまり、照明を移動するか、今ある照明がすべて固定されている場合はコンピュータを移動するだけでよい。これだけで劇的に見栄えがよくなる。以下に挙げる例を見てほしい。これは筆者のMicrosoft Surface Book 2の画面だ(Surface Book 2内蔵のカメラは、内蔵ビデオカメラとしては最高の部類に入る)。

証明設定なし

上の画像は部屋の天井の照明しか点いていない状態だ。下の画像は、手持ちの照明を点けてSurface Bookの後ろ斜め上に固定したものだ。ビデオがオンになっているのに気づかずに不意打ちを食らったような感じがなくなって、実際に会議に出席していてもおかしくないくらいの画質になっている。

証明設定あり

背景に映り込むものに注意する

ビデオ会議に出席するたびに周りを完璧に片付けるのは無理だとしても、少し時間を割いてカメラに何が映るのかをチェックしておく価値はある。整然と並んだ装飾品などの他はほとんど何も映らないポイントを見つけるのが理想的だ。背景に入るドアは閉め、開いた窓の前ではビデオを撮らない。パンデミックのせいで部屋が散らかっている場合は、横にまとめてカメラに映らないようにしよう。

システムサウンドの設定を確認する

デバイスとオペレーティングシステムの入力ボリュームの設定がどこにあるのかを確認する。大半のアプリやシステムは妥当なデフォルト設定になっていて、そのまま使っても問題ない。しかし、たとえば自分以外にもう1人画面に収めるためにノートパソコンから離れて座るなど、普通とは違うことをするときは、スライダーを動かして音声入力のレベルを上げ、ビデオ会議出席者にこちらの音声が確実に聞こえるようにするとよい。

おそらくどんなアプリでも音声入力レベルは直接調整できると思うが、Macでは、「システム環境設定」>「サウンド」>「入力」に移動して、お使いのデバイスで入力レベルを直接調整できるかどうか、調整してみて望みどおりの結果が得られるかどうかを確認してみるとよい。

レベル1

外付けのウェブカメラを入手する

大半のノートブックやオールインワンパソコンの内蔵ウェブカメラでは、満足できる結果は得られない。しかし、専用のウェブカメラを購入すれば、まず間違いなく質を上げることができる。今はビデオ会議の質を上げようとして誰もがこぞってウェブカメラを買っている状態なので、在庫切れになっているかもしれない。予算が許すなら、私が下記の動画を撮影するのに使ったLogitech C922 Pro Stream 1080pなどを入手すれば、鮮明さ、微光での性能、発色などを改善できるだろう。

標準的なUSBマイクを入手する

もう1つ、比較的低コストで簡単に大きな効果が得られる方法として、専用の外部マイクがある。上記の動画では、人気のSamson Meteor USBマイクを使った。このマイクは、脚部が折りたたみ可能で専用のボリューム/ミュートコントローラが付いている。必要な機能をすべて備えており、USB端子に差し込むだけですぐに使えて、人の声に最適化された高品質のサウンドが得られる。

ヘッドフォンを入手する

種類は問わないがヘッドフォンがあればビデオ通話やビデオ会議の質が向上する。マイクがスピーカーの反響音を拾ってしまう可能性が最小限に抑えられるからだ。耳を完全に覆うモデルは音質はよいが、いかにも頭に何か着けているという感じで映りたくない場合はイヤホンタイプのほうがよい。

レベル2

専用のカメラとHDMI-to-USB変換インターフェイスを使う

スタンドアロンのカメラ(HDMI出力機能を備えた一般的な小型デジタルカメラで構わない)が手元にある場合は、HDMI-to-USBビデオキャプチャインターフェイスを入手して、より高品質のウェブカメラに変身させてみよう。以下のクリップでは、Sony RX100 VIIを使用している。RX100 VIIは間違いなくハイエンドの消費者向けデジタルカメラだが、他にも選択肢はいろいろとある。Sony RX100シリーズの古いモデルなどを使ってもこれと同じレベルの品質が得られるはずだ。

HDMIインターフェイスを探すときは、Zoom、Hangouts、Skypeなどのビデオ会議用アプリがMacおよびWindows上で、専用のソフトウェアなしで動作することを謳っているものを使うようにする。このようなタイプはUVC機能を備えている可能性が高い。つまり、ドライバをダウンロードしたり特殊なソフトウェアをインストールしたりしなくても、OSがこうしたタイプのインターフェイスをそのままウェブカメラとして認識するということだ。このようなインターフェイスは新型コロナウイルス感染症のため需要が増えており、筆者がこの記事で使ったElgato Cam Link 4Kはおそらくどこでも在庫切れになっているだろう。代わりに、IOGear Video Capture AdapterMagewell USB 3.0 Captureなどが使える。あるいは、Blackmagic ATEM Miniなどのライブ放送専用デッキにアップグレードすることを検討してもよい。これについては後述する。

有線小型マイクを入手する

シンプルな有線小型マイクは音声の質を上げる素晴らしい方法だ。価格も比較的安い。それなりの性能を備えた有線小型マイクでもAmazon(アマゾン)で20ドル(約2,100円)で入手できる。3.5ミリメートルの入力端子がない場合でも、USBバージョンを使えばコンピュータに直接接続できる。RodeのLavalier GOは中価格帯では素晴らしい製品で、Wireless GOトランスミッター/レシーバーキットとも相性がよい。このキットについては次のセクションで説明する。このマイクの短所は、コードの長さによっては、マイク着用時に動ける範囲がかなり制限される可能性があることだ。

マイク

複数の照明を入手して効果的に配置する

照明は凝りだすとキリがないが、手始めにいくつかの照明を購入して最も必要な場所に配置するのは、安価でよい方法だ。アマゾンで、予算に合わせてさまざまな照明キットが販売されている。グースネック型の照明にPhilips Hueのライトをいくつか取り付けて正しく配置し、色温度と明るさを調整するだけで、かなりの効果が得られる。

レベル3

レンズ交換可能なカメラで高速レンズを使う

一般レベルの小型デジタルカメラの次の段階は、レンズが交換可能なカメラだ。レンズ交換可能なカメラを使用すると、最大絞り値の高い(つまりf値が低い)高級な高速レンズを使って焦点のぼけた背景を得ることができる。これにより、被写体と背景を自然な形で切り分けることができ、映画のような映り具合で、全員参加の月次会議で同僚たちをあっといわせることができる。

ワイヤレス小型マイクを入手する

小型マイクは素晴らしいが、ワイヤレス小型マイクはもっとよい。ケーブルの長さが足りなくなるのではとか、作業スペースにある他のケーブルと絡まるのでは、といった心配をしなくて済む。サウンドをコンピュータに取り込むのに使える音声インターフェイスの選択肢も幅広い。おすすめはRODE Wireless GOだ。RODE Wireless GOは単独でも使えるし、RODE Lavalier GOなどのマイクと組み合わせて柔軟な素晴らしいサウンドを作ることもできる。

インナーイヤモニターを使う

この段階ではまだヘッドフォンを使いたいと思うだろうが、是非使ってほしいのは、できるだけ外から見えないように設計されたインナーイヤモニターだ。Shure製のような放送品質の専用モニターもあれば、低遅延でBluetooth最新バージョンに対応したBluetoothヘッドフォンもある。Apple(アップル)のAirPods Proは素晴らしい選択肢だ。また、Bang & Olfusen E8完全ワイヤレス型イアホンも優秀なアイテムだ。私はこのイヤホンをかなり使い込んでいるが遅延が気になったことは一度もない。

3点照明を使う

3点証明

この辺りでそろそろ照明について本格的に考えてみてもよいだろう。ストリーミング、ビデオ会議、その他デスクから行うすべての作業を最もバランスよく最適化するには、ElgatoのKey LightまたはKey Light Airを最低2台用意するとよい。

このような、拡散板が組み込まれたLEDパネルライトは使い方も簡単だ。頑丈な作りの連接型チューブマウントをクランプでデスクにしっかり固定できる。また、Wi-Fiに接続してスマートフォンやデスクトップアプリケーションでコントロール可能だ。色温度も調整できる。つまり、状況に応じて照明の色をブルー寄りまたはオレンジ寄りにできる。明るさも調整可能だ。

Elgatoの照明を3台設置すれば、標準的な3点照明セットアップが完成する。このセットアップはインタビューや、カメラに直接話しかける場合に理想的だ。つまり、バーチャルの会議/イベント/ウェビナーなど、想定されるあらゆる用途に使える。

レベル4

HDMI放送品質スイッチャーデッキを入手する

HDMI-USBキャプチャデバイスを接続すれば大半のカメラをウェブカメラとして使うことができるが、さまざまなオプションを試したいなら、Blackmagic ATEM Miniなどの放送品質スイッチングインターフェイスにアップグレードするとよい。昨年発売されたATEM Miniには、これまで基本的に映像のプロしか使えなかった多くの機能が詰め込まれている。サイズもコンパクトで使いやすく、これだけの機能を備えていることを考えれば信じられない低価格だ。

Balackmagic ATEM mini

高性能カメラとATEM Miniを組み合わせるだけで、実に多彩なビデオ機能が使えるようになる。静止画を準備したり、コンピュータ入力に切り替えてビデオを表示したりできる。グラフィックアプリをライブで操作することも、コードのデモやプレゼンテーションも可能だ。ピクチャー・イン・ピクチャー表示や画面下部の3分割表示、専用のハードウェアボタンでフェードアウトして真っ暗な画面にすることもできる。

ATEM Miniを最大限に活用したいなら、2台目、さらには3台目、4台目のカメラを追加することだ。ほとんどの用途では、それほど多くのカメラは必要ない。1人の人間が話しているときに撮影できるアングルなど所詮限られているからだ。だが、カメラの配置と被写体にちょっとした工夫を凝らせば、ストリーム中に別の映像に切り替えるのも楽しいし面白い。スピーチや長いプレゼンテーションなどの場合は特にそうだ。発売されたばかりの新しいATEM Mini Proには、録画機能とストリーミング機能が内蔵されている。

放送品質ガンマイクを使う

ATEM Miniには1つの音声入力専用端子があるため、非常に幅広い使い方ができる。たとえば、1つの入力端子をiPod touchの出力に接続すれば、iPod touchを手軽なサウンドボードとして使用して、導入部やタイトルに音楽や効果音を付けることができる。正しいインターフェイスを備えていれば、高品質のマイクから音声を取り込むことも可能だ。

ビデオの画質低下を最小限に抑えながらトップレベルのストリーミング品質を実現するには、優れた放送品質のガンマイクがおすすめだ。エントリレベルのガンマイクRode VideoMic NTGは、カメラの上に取り付け可能という柔軟性を備えている。ただし、最大限の結果を得るには、Rode NTG3mをブーム式アームに取り付け、映像に映り込まないようにして、マイク側を自分の口に向けるよう角度を調整するのがおすすめだ。

ガンマイク

アクセント照明を追加する

3点照明についてはすでに説明したとおりだが、前述したように、照明は凝りだすとキリがない。アクセント照明は、映像を一段とプロっぽく見せてくれるし、簡単に手に入る機器で手軽にセットアップできる。Philips(フィリップス)のHueはどんなシーンにも活気を与えてくれる筆者のお気に入りだ。すでにHueシリーズの照明を使っている場合は着色電球で間に合わせることもできる。最近フィリップスから発売されたHue Play Smart LED Light Barなどは基本的にアクセント照明用途に特化して開発された製品で、1台の電源アダプターに3つまで接続できる。壁用のアクセント照明として素晴らしい効果が得られる。

もちろん、この記事で紹介した製品がすべて、基本的なビデオ会議、バーチャルハングアウトやミーティングに必須というわけではまったくない。ただ今後、新型コロナウイルス感染症をめぐる事態が収束して、ある程度通常の生活に戻ったとしても、生活の中でリモートビデオが果たす役割が大きくなると考えているなら、予算と必要に応じてアップグレードする要素を検討してみる価値はある。この記事が何かのお役に立てば幸いだ。

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(翻訳:Dragonfly)