複雑な関数や数式は不要、Web上で簡単に事業数値計画を作れる「ProfinanSS」

スタートアップや大企業の新規事業の財務戦略策定を手がけるプロフィナンスは12月18日、誰でも簡単にWeb上で事業数値計画を作成できるサービス「ProfinanSS」をリリースした。

ProfinanSSのわかりやすい特徴は、複雑な関数や数式などを使わずとも“ガイドに沿って必要な数値を入力していくだけで”財務3表(損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書)や主要経営分析指標が自動で生成されること。これによって起業家や企業の新規事業担当者などが数値計画作りに費やす労力を削減し、より多くの時間を本業である事業作りに使えるようにサポートする。

ユーザーはまず最初に簡易版の事業計画を作成する。このステップではプロダクトの名称やビジネスモデル、販売価格、原価、人件費の目安といった基本的な数値を入力していくことで、計画の大筋を最短3分ほどで確認することが可能だ。

次のステップでは簡易版を軸に、より詳細な事業計画を作り込む。とは言っても、ここでもユーザーはガイドを参考にしながら空欄を埋めるだけでいい。

従来であればExcelやスプレッドシートで関数や数式などを使いながらシミュレーションすることが多かったかもしれないが、このサービスではその大半が自動化されている。そのため「原価率はどれくらいか」「在庫の回転期間はどのくらいか」「従業員数はどのように推移していく計画か」といった基となる数字を入れていけば事業計画がどんどん生成されていく。もちろん関数エラーやミスによる余計なストレスとも無縁だ。

作成した事業計画は表形式だけでなくグラフで表示することも可能。Excel形式でダウンロードすることもでできる。

さらにProfinanSSでは事業計画をブラッシュアップするのに役立つセルフチェック機能を搭載。「価格設定の背景」や「原価の内訳」、「マーケットの規模」など投資家の目線を取り入れた複数の質問が用意されていて、それに回答することで計画を整理しながら実効性を高めていくのに使える。“簡易的な壁打ち”を自分1人で実施できる仕組みとも言えるだろう。

現在これらのサービスは全て無料で利用することができる。プロフィナンスではファイナンスの専門家による個別での事業計画レビューを有料で提供するほか、今後は予実管理機能や資本政策機能などを追加していく計画で、それらの一部を有料化することを考えているようだ。

「こんな苦労を起業家には味わって欲しくない」

ProfinanSSのアイデアは、プロフィナンス創業者である木村義弘氏自身がかつて事業計画を作る際に大変な思いをしたことがきっかけとなり生まれたものだ。

木村氏は東京大学大学院で統計的品質管理を学んだのち、スタートアップ投資などを手がけるインスパイアに入社。そこでは投資先の事業計画や財務計画をいくつも作成してきた。

最初に担当したのはユーグレナ。当時は今ほどファイナンス関連の本やノウハウが出回っていなかったこともあり苦戦し、2ヶ月間仕上げることができなかった。最終的にはExcelのセルに切り刻まれる夢を見るほど追い込まれていた時期も乗り越え完成させたそうだが、この時に「こんな苦労を起業家には味わって欲しくない」という思いが芽生えたという。

その後はベンチャー企業のインド事業立ち上げに携わった後、独立を挟んでデロイトトーマツコンサルティングにジョイン。ミャンマーオフィスの立ち上げを推進し、日系企業の新興国戦略策定やインフラ開発の財務モデル構築などの案件をいくつも担当した。2015年に参画したトライステージでは国内外のM&Aや買収先のCFOも担うなど、それまでとはまた別の角度からファイナンス関連の業務を経験している。

ProfinanSSはこうした木村氏の経験やナレッジをシステムに落とし込んだサービスと捉えることもできるだろう。近年は本にしても、Web上の情報にしてもこの領域におけるナレッジが徐々に充実してきてはいるものの「定番と呼べるツールはまだない」というのが木村氏の見解だ。

簡単に事業計画が作れるだけではなく、投資家の目線を取り入れて計画をブラッシュアップできるセルフチェック機能も搭載する

まずは立ち上げ期のスタートアップや大企業の新規事業部門担当者の悩みを解決する「簡単な事業計画策定ツール」としてスタートするが、ゆくゆくは事業計画から予実管理まで対応するCFO支援ツールとしての機能や、大企業が子会社や複数事業の予算作成・管理をスムーズに行える機能などを追加しながら「管理会計・ファイナンス領域でイノベーションを起こせるようなサービス」を目指すという。

「全ての起業家が数字に強い訳ではない。慣れない事業計画作りに膨大な時間を奪われ、本来起業家や事業家が時間を使うべき事業の立ち上げ・経営に集中できないのは大きな課題。ProfinanSSを通じて数値作りの時間・労力を最小化し、事業作りの時間を最大化するとともに、投資家や銀行とのコミュニケーションを最適化するサポートを行っていきたい」

「一方で目指しているのは資金調達の効率化ではなく、経営の高度化だ。まず最初に成し遂げたい『事業』があり『資金調達』はそれを実現するためのアジェンダの1つ。デットやエクイティによる調達はさらにその手段の一部でしかない。単に資金調達を効率化するのではなく、事業計画を策定する過程や完成後に、定量的な観点も踏まえて事業を俯瞰して考えることで経営のレベルが上がる。それを後押しするようなプラットフォームを目指す」(木村氏)

プロフィナンスは2018年の設立。同社にはマッキンゼーを経てソフトバンクの社長室長や日本テレコムの執行役員本部長などを務めた経験を持つ安川新一郎氏が共同創業者兼取締役として携わっているほか、2019年4月には6名の個人投資家が出資を行っている。

スタートアップ資金調達を効率化「smartround」にエンジェル投資

スタートアップと投資家向けに、資金調達管理プラットフォームを提供するスマートラウンドは3月6日、自社開発の「smartround」ベータ版を一部利用する形で、エンジェル投資家20人あまりから資金調達を実施したと発表した。投資家らからの第三者割当増資と日本政策金融公庫からの融資を合わせて、総額5500万円を調達したという。

今回、出資に参加した投資家は以下の通り、そうそうたるメンバーだ。

赤坂優氏、朝倉祐介氏、有安伸宏氏、伊藤英佑氏、漆原茂氏、海老根智仁氏、荻原国啓氏、片尾英和氏、久保泰一郎氏、佐藤裕介氏、島田亨氏、杉山全功氏、関喜史氏、孫泰蔵氏、高梨大輔氏、高野秀敏氏、中川綾太郎氏、三木寛文氏、山木学氏、脇丸俊郎氏 ほか

smartroundはスタートアップとその投資家向けに特化したファイナンス管理基盤だ。スタートアップ向けには、ファイナンスに詳しくない起業家のために、ガイドに沿って必要事項を入力するだけで、適切な資金調達ラウンドを準備し、増資をシミュレーション・実行できる機能を用意。増資実行後も株主への情報共有やコミュニケーションをサポートする。

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    資金調達ラウンドの計画
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    資本政策のシミュレーション
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    ライブラリの管理

投資家には、投資案件・投資先企業の管理を、抜け漏れの起きやすいスプレッドシートに代えてクラウド上で行えるようにした。スタートアップが自社用の画面で入力したマスターデータを、権限を付与される形で投資家・株主が共有でき、必要な情報を入力する手間なく集計・管理することができる。

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    スタートアップ一覧
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    会社情報
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    資金調達ラウンドへの参加

スマートラウンドでは、今回の資金調達により、商用サービスのローンチと機能改善、利用者拡大と、人材の強化を図る。

スタートアップと投資家に向け、ファイナンス業務の効率化を支援するサービスとしては、投資家向け未上場株の管理ツール「FUNDBOARD」がある。FUNDBOARDを提供するケップルは、2018年4月に3000万円を調達、同年12月には日本経済新聞社と資本業務提携を締結している。

イメージ戦略の一環?―、Uberが財務情報の一部を公開

人気配車スタートアップのUberは、この度Bloombergに財務情報の一部を公開した。その後Bloombergが報じた数字からは、同社が未だに凄まじい勢いで成長を続ける様子や、巨額の赤字を記録しながらも現金の流出を抑えつつある様子がうかがえる。

これまでにもUberの財務状況がリークしたことは何度かあったが、今回発表された内容は同社にとってポジティブなものだった。また、Uberがこのタイミングで情報を公開したというのにも納得がいく。というのも、4月に入って2017年Q1の結果が出揃ったということもあるが、崩壊しきった企業文化や短気なCEO、相次ぐ幹部の離脱を背景に同社には批判が集中している。さらにアメリカのライバルLyftが最近6億ドルを調達し、評価額がさらに上昇したことも関係しているかもしれない。

どうやらUberは、売上が増加している様子を伝えることで、同社に対する論調を変えようとしているようだ。一連のスキャンダルが起きる以前のUberは、売上記録を次々と破るディスラプティブな企業として評価されていたため、同社の経営陣がポジティブな財務情報を公開することで、当時のような評価を取り戻そうとしているのかもしれない。

この記事では、公開された数字をもとに、まずは事実としての数字を並べ、その後にそれぞれが何を意味するのかについて考えていきたい。

事実、数字、調整後損失

Bloombergが公開した情報によれば、2016年度のUberの総取引額は200億ドルだった。そして、その3分の1以下にあたる65億ドルが純売上(GAAPベース)とされている。

さらに、2016年Q4の純損失はQ3よりも5%増大したと報じられている。Q4の純損失が9億9100万ドルだったとするBloombergの報道内容を考慮すると、Q3の損失は約9億4300万ドルだったとわかる。

また、2016年度の純損失額(調整済み)は28億ドルだった。ここに中国事業関連の損失を加えると、トータルの純損失額は38億ドルに達するとBloombergは試算している(なお、以前の報道では、2015年度の純損失額が”少なくとも20億ドル以上”とされていた)。しかしどちらの数字も、「従業員向けの株式報酬や不動産投資、車両購入費などの経費」を考慮していないと記されている。

そのため、”調整後”の2016年度の純損失が38億ドルだったとしても、厳密なGAAPベースの数字はもっと悪かったと考えられる。仮に38億ドルという数字を使うと、2016年度のUberの純利益率は-58.5%だった。

この膨大な赤字額は、急激な売上額の伸びで一部正当化されている。

2016年Q4の総取引額がQ3と比較して28%伸びた結果、Q4の純売上額は29億ドルに到達したとBloombergは報じているが、29億ドルという純売上額は、Q3に比べて74%も伸びている。

なぜだろうか?この差には純売上の計上の仕方が関係しているようだ。

純売上はユーザーが支払う料金のうち、Uberの取り分のみをカウントしている。しかしカープーリングサービス(UberPOOL)に関しては、料金全体が純売上として捉えられている。つまり、複数人のユーザーが1台の車を共有するカープーリングサービスにUberの売上がシフトするにつれて、同社の売上の増加率も高まっていくのだ。

上記を考慮すると、2016年のUberの売上額は、そこまで驚くようなものではないと言えるだろう。さらに、これによってQ4の成績の見方も変わってくるばかりか、総取引額と純売上額の伸び率の差分も一考に値する。

最後に、現在Uberは70億ドル分の現金を保有しており、さらに数十億ドル分の借入ができる状態にあるようだ。ここから、同社がすぐに現金不足の状態に陥る可能性は低いと言える。

赤字は問題なのか?

Uberが赤字を計上すること自体は想定の範囲内だ。会社の規模もあって、同社の赤字は長いあいだ見逃されてきた。

しかし、各四半期の調整後損失額が10億ドル弱というのは注目に値する。特にUberのコスト構造を考えると、圧倒的なバーンレートだ。

以前までのUberであれば、オペレーションや成長を支えるために新たな資金を調達するのにも、何の心配もいらなかった。しかし、数々のスキャンダルや、設立からの年数・評価額・市場の成熟度と見合わない継続的な赤字を考慮すると、投資家はそこまでUberへの投資に意欲的ではないかもしれない。

これまでUberに投資したことがない、もしくは今後同社への継続的な投資を考えている投資家は、きっと「UberPOOLの売上の考え方がUberXの売上とは違うのであれば、GAAPよりもNon-GAAPの数字を信用したほうがいいということですか?」という質問を投げかけたくなるだろう。そうなるとUberは難しい立場に立たされる。というのも、Uberは売上に関してはGAAPベース、損失に関してはNon-GAAPベースの数字を見てもらいたい一方で、投資家は保守的にNon-GAAPベースの(小さな)売上とGAAPベースの(大きな)損失に注目するかもしれないからだ。

以上をまとめると、なかなか答えが見えづらい問いにたどり着く。Uberはどのように黒字化しようとしているのだろうか?

黒字化への道

修正や注意書きを無視すれば、Q4の調整済み営業利益はQ3と比較して大幅に改善している。GAAPベースの純売上額は74%も増加している一方で、調整後の赤字幅は5%しか拡大していない。つまり、売上に対する損失の割合は改善しているのだ。

急速に成長しながらも未だ赤字続きのUberは、このような改善点を投資家に見せ、同社の将来に投資家の目を向けようとしている。永遠に赤字を出し続けようと考えている企業は存在せず、もちろんUberも例外ではない。長期的な利益のために短期的な損失を背負うというのは、資金豊富で成長志向な企業が目指す姿でもある。

そうすると、黒字化はむしろタイミングの問題だと言える。では、Uberはいつ頃黒字化を果たせるのだろうか?

この問いには、オペレーション上のコストを含むさまざまな要因が関わってくる。例えば、特定の時間内の走行距離に応じて、Uberは一定数のドライバーにインセンティブを支払っている。

なぜUberは情報公開に踏み切ったのか?

これまでのリークと違い、今回Uberは自らBloombergに財務情報を手渡すと決めた。その様子からは、同社に対する世間の厳しい風当たりをどうにかしようという、Uberの裏の狙いが垣間見える。

多くの私企業がそうであるように、Uberも基本的には事業に関する情報をできるだけ公開しないようにしている。しかしCEOのTravis Kalanickはそこから一歩踏み出して、繰り返しIPOに対する関心のなさを表明しており、昨年にはIPOを”できるだけ後ろ倒しにしたい”とさえ語っていた。

その一方で、Bloombergの記事からも分かる通り、Uberは赤字を垂れ流し続けているため、資金面では投資家に頼るしかない状態にある。

これまでUberは、さまざま投資家から資金を引き出すことに成功しており、680億ドルという膨大な評価額で、VCからの投資を受けたスタートアップとしては、他社を大きく引き離す最大規模の企業へと成長した。

しかし、その結果株価も急上昇したため、投資家は段々とUberの将来的な成長度合いに疑問を抱きだしているかもしれない。通常ベンチャー投資家は10年間で3倍のリターンを求めているものの、厳しい競争にさらされ、スキャンダル騒ぎで企業文化が疑われているUberの株価が、今後3倍になるというのは想像しづらい。

つまり、Uberが引き続き資金を調達するためには、株式上場以外の道はないのだ。上場を果たせば、Uberの従業員もストックオプションのメリットを享受することができる。

もしかしたら、今回の情報公開は市場の反応をうかがうための作戦だったのかもしれないが、それよりはむしろ、Uberに対して否定的な意見を持っている人を黙らせるための動きであったように見える。

まだわかっていないこと

これまでにも断続的にUberの財務情報がリークされてきたが、四半期ごとや年度ごとの売上成長率に関してはまだハッキリしていない。

さらに、UberPOOLに関する売上の計上の仕方にも疑問が残る。ドライバーの取り分がわかれば、もっと全体像が見えてくるだろう。

また、先日公開された”貢献利益(contribution margins)”に関する記事では、Uberのメイン事業における売上やコストの詳細が明らかになったが、他事業の詳細については未だわかっていない。

例えばフードデリバリー事業のUberEATSは、これまでに世界中の数十都市への進出を果たしている。The Informationの昨年のレポートによれば、2017年度の純売上額におけるUberEATS関連の金額は1億ドルくらいになると予測されている一方、この新規サービスのドライバーに対するインセンティブがかさみ、関連赤字額は1億ドル以上になるだろうと推測されている。

Uberは確かに成長しているが、赤字幅も(売上成長率よりは低いものの)拡大し続けている。同社は明らかに、Amazon式の成長への再投資を見逃してもらおうとしているようだが、いつかはUberも投資家に対して黒字化への戦略を(大々的に発表するかどうかは別にして)示さなければいけなくなるだろう。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

スタートアップが借入前に知っておくべきこと

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【編集部注】執筆者のMartin MacmillanはPollen VCのCEO。フィンテック企業である同社は、revenue recycling(売上のリサイクル)というコンセプトを考え出し、世界中のアプリディベロッパーに、事業の成長に関するコンサルティングサービスと売掛債権担保ローンを提供している。

アプリ・ゲーム事業を成長させるために資金調達を行う場合、スタートアップは株式を手放す以外にも、いくつか負債ベースのアプローチをとることができる。自分たちに合った調達手段を選ぶというのはとても重要なことで、誤った選択をすると、金銭面そして金銭面以外でもダメージを受ける可能性がある。

賢いディベロッパーは、売掛債権を担保に入れたりスタートアップ向けのローンを組んだりすることで、資金調達コストを抑えつつ、株式の希薄化を防いでいる。しかし多くの人は契約書の細部まで読み込んでおらず、契約内容に関して必要以上に譲歩してしまっているケースもある。それでは、どうすればこのような失敗を防ぐことができるのだろうか?

返済順位について理解する

正しい資金調達手段を選ぶ上で大切な点のひとつが、返済順位について知ることだ。企業が銀行やノンバンクから借入を行うときは、何かしらの資産を担保として差し入れなければならない。これが債権者の抵当権(英語では”lien”や”charge”)と呼ばれるものだ。そして企業が破産した際に、債権者はそれぞれの返済順位に応じて債権を回収することができる。

このときにしっかりと返済を受けるために、債権者は特定の事業用資産に対して正当な抵当権を設定しておかなければならない。しかし、全ての債権者が平等というわけではなく、一般的には以下のようなランク付けに応じて、返済順位が決まる。

  • シニア・セキュアード・ローン(Senior secured debt):特定の資産に抵当権が設定されているもの
  • シニア・アンセキュアード・ローン(Senior unsecured debt):抵当権が設定されていないローン
  • 優先株(Preferred equity):一般的には契約内容に従って、まずはVCファンドに対して返済が行われる
  • 普通株(Common equity):ファウンダー、エンジェル投資家、従業員などが保有している株式

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出典:Pollen VC

デットファイナンスを検討する場合、上記の返済順位を理解することは極めて重要だ。さらに、あるローンの担保にする資産についても、しっかりと把握しておく必要がある。というのも、その資産に抵当権を設定している債権者は、他の債権者よりも優先的に返済を受けることになるからだ。つまり、企業が破産したときに彼らは優先的に債権を回収することができる。また、既に担保に入れられている資産に、他の債権者が抵当権を設定することはできない。

担保に入れる資産は、借入資金の使途に合ったものを選ばなければならない。

担保に入れる資産は、借入資金の使途に合ったものを選ばなければならない。例えば、もしもあなたの会社が、事業の成長のために売掛金を担保に借入を行うとすれば、実際に売掛金だけを担保とするべきだ。一般的に、債権者はデフォルト時のリスクを抑えるために、できるだけ広い範囲に抵当権を設定しようとするが、きちんと担保とする資産が決まっていれば、他のものを保証として含める必要はない。

例えば、家を買うときにローンを組んだ場合、その家を担保に入れなければならない。しかし銀行は、自動車や将来的な収入(もしくは知的財産権)など、それ以外の資産に抵当権は設定しない。それと同じことだ。

財務報告とコベナンツ

借入を行う際に見落とされがちなのが、財務報告とコベナンツ(新たな借入についてなど、ローンに付随するオペレーション上のルール)だ。

債権者にもよるが、債務者の財務状況を常時把握するために、詳細な財務報告書の提出が求められることがほとんどだ。さらに、毎週報告書を提出しなければならないケースもあるため、スタートアップは報告書をまとめるためのリソースを社内から捻出できるかしっかりと検討しなければならない。代替案として、コストさえ合えば、報告書作成業務を会計士にお願いするというのもアリだろう。

債権者がここまで頻繁に詳細なレポートを求める主な理由は、会社の財務状況、具体的にはコベナンツがきちんと守られているかをしっかりと確認するためだ。彼らがチェックするポイントは、バランスシート上の負債のレベルや、返済を受けるだけの資産がきちんと残っているかなどだ。コベナンツで規定されている数値は、絶対値の場合もあれば比率の場合もある。例えばDSCR売掛債権回転率は、企業の返済能力を測る上で便利な指標だ。

最悪の場合を想定する

どんな形であれ、借入を行う際に大切なのは、「上手く行かなかった場合」のシナリオをいつも頭に入れておくことだ。債権者はリスクやマイナス面に目を向けがちな一方、アーリーステージの企業は、当然のように「上手く行った場合」のシナリオばかり考えている。だからこそ、借入を行う企業は上手く行かなかった場合のことをよく考え、どの資産であれば最悪手放せるかということを検討しなければならない。経営者は、会社のファウンダーや経営層だけでなく、投資家のことも守らなければいけないのだ。

もしもコベナンツが破られてしまった場合、債権者はすぐにでも抵当権を実行し、担保に入っている資産を回収してしまう可能性が高い。このプロセスはものすごいスピードで進む可能性があり、スタートアップは事務処理に追われるあまり、新たな契約を結んだり、他から資金を調達したりする暇さえないこともある。

借入に関する決断は、事業の成長に長期的な影響を及ぼす可能性がある。

財務状況が良く、多額の資金を投じて開発した新ゲームのローンチも間近という企業を思い浮かべてみて欲しい。この時点での経営指標はまずまずだが、その後新ゲームのローンチは遅れ、綱渡り状態に入ってしまったとしたらどうだろう。さらに既存のアプリやゲームからのキャッシュフローは減少し、他社から請け負ったプロジェクトの支払も遅れたとしよう。ここまでくると、この会社はコベナンツに抵触してしまい、ベンチャーローンの提供者は、担保権を行使せざるをえなくなる。その結果、企業は金策に走る間もなく、管財人の管理下に置かれてしまうのだ。

債務者の義務とは、あくまで債権者(上記の場合で言えばベンチャーローンの提供者)に対するものであって、その企業の株式を保有している投資家に対するものではない。そのため、破産申請を行った企業の知的財産は債権者への返済のために叩き売られ、残り物を株主やファウンダー、共同所有者の間で分け合うことになる。

ファイナンスに関する判断とその影響

アプリ業界にいる企業が借入を検討する際、事業内容を理解している債権者を選ぶということが重要だ。まず、業界やリスクを理解している債権者であれば、低い金利で借入を行える可能性がある。さらに、必要な分だけの資産を担保として差し入れればよいため、将来新たに借入を行うときにも負担になりづらい。

一方、さまざまな業界で貸出を行っている業者は、ある業界に特化した知識を持っていないことが多いため、リスクを過大評価し、金利は高い上、抵当権の設定範囲も広い傾向にある。

もしもあなたが、自分のアプリ事業のために借入を考えているとしたら、特に担保が絡む場合は、実際に契約書を結ぶ前に上記のような点を理解しておいた方が良いだろう。借入に関する決断は、事業の成長に長期的な影響を及ぼす可能性があるのだ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

スタートアップが借入前に知っておくべきこと

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【編集部注】執筆者のMartin MacmillanはPollen VCのCEO。フィンテック企業である同社は、revenue recycling(売上のリサイクル)というコンセプトを考え出し、世界中のアプリディベロッパーに、事業の成長に関するコンサルティングサービスと売掛債権担保ローンを提供している。

アプリ・ゲーム事業を成長させるために資金調達を行う場合、スタートアップは株式を手放す以外にも、いくつか負債ベースのアプローチをとることができる。自分たちに合った調達手段を選ぶというのはとても重要なことで、誤った選択をすると、金銭面そして金銭面以外でもダメージを受ける可能性がある。

賢いディベロッパーは、売掛債権を担保に入れたりスタートアップ向けのローンを組んだりすることで、資金調達コストを抑えつつ、株式の希薄化を防いでいる。しかし多くの人は契約書の細部まで読み込んでおらず、契約内容に関して必要以上に譲歩してしまっているケースもある。それでは、どうすればこのような失敗を防ぐことができるのだろうか?

返済順位について理解する

正しい資金調達手段を選ぶ上で大切な点のひとつが、返済順位について知ることだ。企業が銀行やノンバンクから借入を行うときは、何かしらの資産を担保として差し入れなければならない。これが債権者の抵当権(英語では”lien”や”charge”)と呼ばれるものだ。そして企業が破産した際に、債権者はそれぞれの返済順位に応じて債権を回収することができる。

このときにしっかりと返済を受けるために、債権者は特定の事業用資産に対して正当な抵当権を設定しておかなければならない。しかし、全ての債権者が平等というわけではなく、一般的には以下のようなランク付けに応じて、返済順位が決まる。

  • シニア・セキュアード・ローン(Senior secured debt):特定の資産に抵当権が設定されているもの
  • シニア・アンセキュアード・ローン(Senior unsecured debt):抵当権が設定されていないローン
  • 優先株(Preferred equity):一般的には契約内容に従って、まずはVCファンドに対して返済が行われる
  • 普通株(Common equity):ファウンダー、エンジェル投資家、従業員などが保有している株式

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出典:Pollen VC

デットファイナンスを検討する場合、上記の返済順位を理解することは極めて重要だ。さらに、あるローンの担保にする資産についても、しっかりと把握しておく必要がある。というのも、その資産に抵当権を設定している債権者は、他の債権者よりも優先的に返済を受けることになるからだ。つまり、企業が破産したときに彼らは優先的に債権を回収することができる。また、既に担保に入れられている資産に、他の債権者が抵当権を設定することはできない。

担保に入れる資産は、借入資金の使途に合ったものを選ばなければならない。

担保に入れる資産は、借入資金の使途に合ったものを選ばなければならない。例えば、もしもあなたの会社が、事業の成長のために売掛金を担保に借入を行うとすれば、実際に売掛金だけを担保とするべきだ。一般的に、債権者はデフォルト時のリスクを抑えるために、できるだけ広い範囲に抵当権を設定しようとするが、きちんと担保とする資産が決まっていれば、他のものを保証として含める必要はない。

例えば、家を買うときにローンを組んだ場合、その家を担保に入れなければならない。しかし銀行は、自動車や将来的な収入(もしくは知的財産権)など、それ以外の資産に抵当権は設定しない。それと同じことだ。

財務報告とコベナンツ

借入を行う際に見落とされがちなのが、財務報告とコベナンツ(新たな借入についてなど、ローンに付随するオペレーション上のルール)だ。

債権者にもよるが、債務者の財務状況を常時把握するために、詳細な財務報告書の提出が求められることがほとんどだ。さらに、毎週報告書を提出しなければならないケースもあるため、スタートアップは報告書をまとめるためのリソースを社内から捻出できるかしっかりと検討しなければならない。代替案として、コストさえ合えば、報告書作成業務を会計士にお願いするというのもアリだろう。

債権者がここまで頻繁に詳細なレポートを求める主な理由は、会社の財務状況、具体的にはコベナンツがきちんと守られているかをしっかりと確認するためだ。彼らがチェックするポイントは、バランスシート上の負債のレベルや、返済を受けるだけの資産がきちんと残っているかなどだ。コベナンツで規定されている数値は、絶対値の場合もあれば比率の場合もある。例えばDSCR売掛債権回転率は、企業の返済能力を測る上で便利な指標だ。

最悪の場合を想定する

どんな形であれ、借入を行う際に大切なのは、「上手く行かなかった場合」のシナリオをいつも頭に入れておくことだ。債権者はリスクやマイナス面に目を向けがちな一方、アーリーステージの企業は、当然のように「上手く行った場合」のシナリオばかり考えている。だからこそ、借入を行う企業は上手く行かなかった場合のことをよく考え、どの資産であれば最悪手放せるかということを検討しなければならない。経営者は、会社のファウンダーや経営層だけでなく、投資家のことも守らなければいけないのだ。

もしもコベナンツが破られてしまった場合、債権者はすぐにでも抵当権を実行し、担保に入っている資産を回収してしまう可能性が高い。このプロセスはものすごいスピードで進む可能性があり、スタートアップは事務処理に追われるあまり、新たな契約を結んだり、他から資金を調達したりする暇さえないこともある。

借入に関する決断は、事業の成長に長期的な影響を及ぼす可能性がある。

財務状況が良く、多額の資金を投じて開発した新ゲームのローンチも間近という企業を思い浮かべてみて欲しい。この時点での経営指標はまずまずだが、その後新ゲームのローンチは遅れ、綱渡り状態に入ってしまったとしたらどうだろう。さらに既存のアプリやゲームからのキャッシュフローは減少し、他社から請け負ったプロジェクトの支払も遅れたとしよう。ここまでくると、この会社はコベナンツに抵触してしまい、ベンチャーローンの提供者は、担保権を行使せざるをえなくなる。その結果、企業は金策に走る間もなく、管財人の管理下に置かれてしまうのだ。

債務者の義務とは、あくまで債権者(上記の場合で言えばベンチャーローンの提供者)に対するものであって、その企業の株式を保有している投資家に対するものではない。そのため、破産申請を行った企業の知的財産は債権者への返済のために叩き売られ、残り物を株主やファウンダー、共同所有者の間で分け合うことになる。

ファイナンスに関する判断とその影響

アプリ業界にいる企業が借入を検討する際、事業内容を理解している債権者を選ぶということが重要だ。まず、業界やリスクを理解している債権者であれば、低い金利で借入を行える可能性がある。さらに、必要な分だけの資産を担保として差し入れればよいため、将来新たに借入を行うときにも負担になりづらい。

一方、さまざまな業界で貸出を行っている業者は、ある業界に特化した知識を持っていないことが多いため、リスクを過大評価し、金利は高い上、抵当権の設定範囲も広い傾向にある。

もしもあなたが、自分のアプリ事業のために借入を考えているとしたら、特に担保が絡む場合は、実際に契約書を結ぶ前に上記のような点を理解しておいた方が良いだろう。借入に関する決断は、事業の成長に長期的な影響を及ぼす可能性があるのだ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

子ども向けデビットカードのGreenlightー店舗や限度額など細かな設定が可能

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ジョージア州アトランタを拠点とし、3年前に設立されたGreenlightは、小中学生の子どもを持つ親であれば誰でも理解できるような問題を解決しようとしている。それは、どうすれば子どもにお金を渡すときに、子どもがそのお金をなくしたり、別の目的で使ってしまうか心配しなくてすむかということだ。

残高をチャージできるプリペイドカード自体は何ら新しいものではなく、MasterCardやVisa、American Expressも親をターゲットにしたデビットカードを発行している。しかしGreenlightは、考えうる全ての機能と手頃で分かりやすい料金体系、さらにはFDIC(連邦預金保険公社)補償が盛り込まれたプロダクトで、大手カード会社に挑戦しようとしている。なお同社は、シードラウンドで現在の経営陣とAdvanced Technology Development Centerと呼ばれる、ジョージア工科大学のインキュベーターから資金調達を行った。

私の7歳と9歳になる子どもも、遠足のお小遣いなどをいつもなくしてしまうので、私自身Greenlightのプロダクトには興味を持っていた。そこで、いくつか気になる点を共同ファウンダーのJohnson Cookに尋ねてみた。

TC:Greenlightは素晴らしいアイディアですが、カード業界は競争も激しいですよね。既存のプロダクトとの差別化はどのように行っていますか?

JC:Greenlightは、(私たちの情報によれば)店舗レベルでのコントロールができる初めてのカードです。つまり親は、スターバックスやファストフード店、近くのスーパーやアマゾンなど、店舗やウェブサイトを特定して、子どもがどこでいくら使えるかというのを設定することができます。この利用先のお店を限定できる機能が、子どもを持つユーザーの共感を呼んだということがわかっています。

TC:その他にはどのような機能がありますか?

JC:子どもにお小遣いをあげるというアクションも、アプリを使えばとても簡単に自動化できます。さらに今後、Greenlight Savings口座とGreenlight Givingをローンチ予定で、親と子ども両方が支出や貯蓄、寄付といったお金に関する全ての情報を確認できるようになります。お金の賢い使い方や、予期せぬ出費のための貯蓄の重要性、投資を通じて富を築く方法、信用力の重要性など、親がお金の面でも子どもを賢く育てられるような手助けをすることに、私たちは注力しています。

TC:通知機能はどうでしょうか?恐らく親にとってはこれが重要なポイントだと思いますが。

JC:カードが使用されるとすぐに親へ通知が飛び、どこでいくら使われたかというのが即座にわかるようになっています。さらに通知設定は、親用と子供用にカスタマイズすることができます。子どもがカードで何か購入したとき以外にも、支払いができなかったときや、子どもから新しいリクエストが届いたとき、残高不足や振込完了時、カードが利用できるようになったとき(または利用できないようになったとき)、メッセージを受け取ったときなどに、通知を受け取ることができます。

TC:料金は1世帯(子どもの数は最大5人)当たり4.99ドルに設定されていますが、どのような背景があってこの料金に落ち着いたんですか?そしてなぜ、決済ごとにユーザーから手数料をとるのではなく、月額制という形式にしたのでしょうか?

JC:私たちは、月額利用料と通常のカードのような加盟店手数料の2つを収益源としています。手数料のみを収益源とするプロダクトも存在しますが、私たちは子どもが毎月そこまで大金を使うことはないと考えています。さらに世帯ごとではなくカードごとに利用料を設定することも検討しましたが、家庭にいる全ての子ども(そして親)がGreenlightを使えるように、そして私たちが素早くシェアを獲得し成長するためにも、世帯ごとの利用料を設定することに決めました。

TC:子どもはGreenlightのカードをデビットカードのように使えるんですか?もしも現金しか受け付けていないようなお店の場合、子どもはこのカードを使ってATMから現金をおろせるんでしょうか?

JC:現在のところ、ほとんどの親がATMでの現金引き出しをできないようにしてほしいと希望している、ということがわかっています。将来的には、現金引き出し機能を希望する家族に対しては、親が引き出し上限額を設定できるような機能を追加していこうと考えています。

TC:例えば、子どもがお金が必要ということで電話してきた場合、親はすぐにお金を振り込むことができるのでしょうか? 

JC:Greenlight上の操作は全て即座に処理されるため、親が子どもから送られてきた支払情報を承認すれば、すぐにカードの残高がアップデートされるようになっています。レジの列に並んでいるときに、子どもがお金が足りないことに気付いても、その場で親にリクエストを送信して親が承認さえすれば、カードの残高は即座にアップデートされます。

TC:どのくらいの年齢の子どもをターゲットとして考えていますか?個人的には、中学生や高校生の子どもは携帯電話やApple Payを利用できるので、そこまで必要性を感じないのではないかと思っています。

JC:プロダクトのローンチ当初は10〜18歳くらいをターゲットとして考えており、これまでの実績値によると親がGreenlightにサインアップした家庭の子どもの平均年齢は12歳でした。子どもは初めての携帯電話を手にした途端、親離れをし始めて、親よりも友だちと過ごす時間が増えていくという話をよく聞きますが、このくらいの時期からGreenlightの解決しようとしている問題が、家庭の中で起こりはじめるんです。

TC:あるVCからGreenlightが300万ドルを調達中だと伺いました。

JC:その通りです。

TC:資金調達に関して、アトランタの状況はいかがでしょうか?一般的に言って、シードラウンドの後はシリコンバレーや東海岸の投資家と話をする必要がでてくると思いますか?

JC:アトランタの投資家は最高ですが、B2C事業を営むスタートアップや、コンシューマーブランドに詳しい投資家を探すには、アトランタを出てベイエリアやニューヨークへ行く必要が確かにありました。とはいっても、アトランタからは多くのフィンテック企業が生まれているので、コンシューマー向けのプロダクトに馴染みがない地元の投資家も、フィンテックの視点からGreenlightに興味を持ってくれています。

TC:これまでのプレゼンでは、投資家からどのような反応をされることが多かったですか?また、VCが1番注目している点はどこでしたか?

JC:お金に賢い子どもを育てる家庭をサポートする、というイメージを持ったコンシューマーブランドを築くことができるチャンスにVCは最も惹かれています。私たちがターゲットとする層は、これまで銀行から十分なサービスを受けられておらず、学校はお金の使い方までは子どもに教えてくれません。Greenlightのほかには、親が子どもにお金の使い方を教えることを目的にデザインされた、使い勝手の良いプロダクトは存在しません。

(もうひとつの質問について)私たちがこれまでに話をしたVCは全て、顧客獲得コスト(CAC)を知りたがっていました。ありがたいことに、私たちは1200人の顧客を最初の数週間で獲得できたので、平均CACも当初の想定よりかなり低く抑えることができました。

TC:確か3人のお子さんがいらっしゃいますよね。お子さんもGreenlightを使っているんですか?

JC:はい、うちには11歳、8歳、5歳の子どもがいるんですが、私が日々体験しているような、消費者が抱えているリアルな問題を、Greenlightが解決してくれていると自信を持って言えます。また、これだけパーソナルな事業を行っているので、家族との距離も以前より近くなりました。真ん中の8歳の子は、将来起業家になりそうなほど、いつも次々と新しいアイディアを考えつくんです。「お父さん、Greenlightの広告をスクールバスの中でもやろうよ」とか「お父さん、スーパーボウルでも宣伝した方が良いよね?」といった感じで。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Alphabet、2016年Q4決算発表 ー 脱検索に向けた投資が実を結びだす

Alphabet CEO Larry Page speaks at the Fortune Global Forum in San Francisco, Monday, Nov. 2, 2015. (AP Photo/Jeff Chiu)

Googleは本日2016年Q4の連結決算を発表した。好調なビジネスもあれば、不調なものもあったが、「other bets(その他の投資)」とされるGoogleの本業を除くほぼ全てが詰まったカテゴリーには光が見えはじめた。

「その他の投資」からの売上は、2015年Q4の1億5000万ドルから2億6200万ドルへと健全な成長を遂げた。しかしもっと重要なのは、同カテゴリーの赤字幅が昨年の12億ドルから約11億ドルへと減ったことだ。ここにはNestのような事業が含まれており、Googleのビジネス全体に占める割合は微小だが、今後Googleが制覇しようとしている市場を表す重要なカテゴリーだ。そして同社の将来を考えると、このカテゴリーでよい成績を残すことが重要になってくる。

CFOのRuth Poratは、2016年通期での同カテゴリーの業績についても触れ、2016年の売上増額は8億90万ドル(前年比82%増)だったと発表した。なお、この売上の大半はNest、Fiber、Verilyによって生み出されたものだ。営業損失は29億ドルで、2015年に比べ少し減少した(Poratは2015年の具体的な数字を明かさなかったが)。一昨年から少し減ったとは言え赤字幅はかなり大きく、Alphabetが2017年に突入するにつれて損失は大きくなりそうな気配がする。同社は、その他カテゴリーへの投資の「金額やペースを引き続き修正していき」、「投資金額やスピードを入念に管理していく」とPotratは話す。

実際に昨年Alphabetは、特に同カテゴリーを厳しく監視していた。彼らは予想を下回る事業をたたみ、好調な事業へリソースを集中させようとしていたのだ。Alphabetは(Google Xを通じて)、Project LoonやGoogle Fiberなど新しいアイディアを試す場として長きにわたって知られてきたが、今後は自分たちが得意とし、市場を独占できそうな分野に注力しようとしているようだ。そのような動きの一例として、Alphabetは最近自動運転車部門を分社化し、Waymoと呼ばれる新しい会社を設立した

「その他の投資」カテゴリーの全体に占める割合がどれほど小さいか確認したい人は、下図をみてほしい(しかし同時にこの分野はAlphabetにとって極めて重要だということは忘れないでほしい)。

 

Googleは新しい分野へも進出しようとしており、2015年にはGoogle CloudのためにDiane Greenを迎え入れた。去年のAWSの様子を見るだけでも、クラウドコンピューティングサービスがどのくらい儲かるビジネスなのかということがハッキリとわかる。AWSは即座にAmazonで最も効率的なオペレーションと利益率を誇るビジネスのひとつになり、Googleがこのチャンスを逃すはずがない。Microsoftも同分野に精力的に挑んでおり、競争は必至だ。

Goole Play、Google Cloud、ハードウェアを含む「other revenues(その他の売上)」は、2015年Q4の21億ドルから62%増加し、2016年Q4は34億ドルだった。ひとつひとつの分野に特に大きな動きはなかったので、全て順調に成長しているか、ある分野が別の分野をカバーするような状況なのだろう。

アナリストによるAlphabet全体の業績予測は売上額252億2000万ドル、一株当たり利益(EPS)9.67ドルだったのに対し、実際は売上が260億6000万ドル、EPSが9.36ドルだった。EPSが予想を下回った一方、売上高は予想を上回っていたため、直後の株価はほとんど動かなかったもものの、検索ビジネス以外の分野で面白いことがわかってきた。

決算発表後、Alphabetの株価は時間外取引中に2.5%下落した。これは同社のサイズを考えるとかなりの動きだ。つまりウォールストリートでは、広告料が下落する中、Googleの方向性について不透明感が漂っている可能性がある。投資家が予想していた利益額をAlphabetが達成できなかったということが、今後数年間はAlphabetがGoogleをキャッシュマシーンのように扱い、次に何をするべきか模索しようとしているのでは、という不安を生み出したのだろう。

昨年はAlphabetにとって移り変わりの年だった。同社は、単なる検索エンジン広告ビジネスからの脱却を図ろうとしていたのだ。検索ビジネスはこれまでずっとGoogleの強みとして、数十年にわたって彼らの強力なAIエコシステムを支えてきたが、デスクトップ向けの広告でいつまでもお金を稼げるわけではない。

デスクトップ検索からの大幅なシフトの結果として、Googleの広告料は下がり続けている。一方でモバイルに注力することで、Googleは新しい広告フォーマットを開発し、モバイルデバイスが生み出す膨大なインプレッションを売上に結びつけることに成功した。その結果、Googleは1本あたりの広告料(コストパークリック)の減少を、インプレッションの増加で打ち消し、今のところは投資家が満足できる成績を残せている。

当然のように広告料は今も下がり続けており、2016年Q4のGoogleのコストパークリックは、2015年Q4から15%減少した。ペイドクリック数は予想通り増え続け、前年同期比で36%の伸びを見せた。つまり広告収入に関して言えば、これまでと同じような結果だった。

他にもGoogleは音声インターフェースなどの新しい技術を採用しはじめた。Google Assistantのローンチで、同社はユーザーが携帯電話に話しかける(そして最終的にそこからお金を生み出す)ような未来を描こうとしたのだ。Googleの後を追って、Amazonもすぐに音楽再生など簡単なタスクをこなせる、家庭用の音声アシスタントを開発した。

他社のおかげもあり、ユーザーは声を使ってGoogleに何かを「尋ねる」という行為に慣れてきだしたが、その一方でAmazonやAppleのSiriとの競争は激化している。会話式のインターフェースは、いつの間にか私たちに忍び寄ってきたようにも感じるが、時間が経つにつれて、ユーザーがキーワードを打ち込み、その結果現れる検索結果に対して広告を表示するようなモデルだけでは十分ではないということが、ハッキリとわかってきた。

Googleのここ数年の投資家に対する説明は十分なように映る。広告ビジネスの成績はまぁまぁで、モバイルデバイスが普及するにつれて更なる伸びが期待できる。また音声インターフェースやVRのような未来のプラットフォームを利用したビジネスについては、引き続き検討を進めていくのだろう。

 

Alphabetに関しては、2017年に「世界で最も価値のあるブランド」へと返り咲く可能性が大いにある。彼らは以前このタイトルを獲得してから、すぐにAppleにその座を譲ってしまったが、Appleの成長は2016年中に急停止した。iPhone 7や2017年Q1に発表したその他の製品で、Appleが今後持ち直す可能性もあるものの、音声ベースのUIなどAppleがまだ制覇できておらず、別のプレイヤーがユーザーを奪い取れる可能性のある分野には、ポッカリと大きな穴が空いている。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

初期ステージベンチャーファームPearのデモデイ報告

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昨日(米国時間9月1日)、パロアルトにある法律事務所の広大な駐車場は、沢山のTeslaで埋められていた。天井の高い会議室には100人のトップ投資家たちが集まった。ここで彼らは、13のスタートアップが、自分たちに注目すべき理由を述べる各4分間のプレゼンテーションに耳を傾けた。

登壇したスタートアップは、みなおよそ起業半年以内のものばかりで、すべて現役の学生または最近の卒業生が率いている。いずれも創設3年のPearによるLaunchpadプログラムのメンバーなのである。Pearは初期ステージベンチャーファームであり、毎年トップ校に通う、会社を作りたいコンピューターサイエンスの学生を募集して、オフィスと同時に、使用目的に制限も義務もない5万ドルを提供している(最近まで、同社Pejman Mar Venturesとして知られていた)。

これまでのところ、Pearはこれらの学生チームを賢く選んできたようだ。1年前にプレゼンテーションを行った8つのグループのうち1つのスタートアップはGoogleに買われ、他に4つがシード資金調達に成功している。Pearが開始された2014年の最初のクラスからも、スタートアップのFancyThatがPalantirに買われている

明らかに、昨日集まったベンチャーキャピタリストたちは、熱狂的なようだった。Canaan PartnersのパートナーであるRoss Fubiniはプレゼンテーションの途中で「今年一番のデモイベントに思える」とツイートしている。別の投資家、Lux CapitalのパートナーShahin Farshchiは、イベント後私たちに語った「素晴らしかったね、全ての人に対して何かしらの意味で。消費者向けの会社、分析とAIの会社、そして私のような投資家のためのディープテクノロジーも」。

そこに参加しておらず、おそらく好奇心旺盛な読者のために、以下にその内容を紹介しよう:


Allocate.aiこの会社は、AI搭載のタイムシートを作成している。これは作業チームがどこにどのように時間を使うべきかをより良く理解する手伝いをするプロダクトだ。(スタンフォード大学とカリフォルニア大学サンタバーバラ校出身の)創業者たちによると、米国では4500万人がタイムシートに記入していて、これによる時間的損失は金額にして110億ドルに達するとの推定である(その時間に価値がありながら、1日15分以上を請求に必要な情報収集に使っている弁護士のことを想像してみると良い)。彼らはそれをより効率化し、市場をさらに大きなものにすることができると主張している。もしあなたが同意し、彼らに連絡をとりたい場合は、founders@allocate.aiまで。


BlackSMSこの技術を使ってユーザーは、暗号化されパスワードで保護され、自己消去を行うiMessagesを送信することができる。メッセージは偽の代替テキストの内に隠したり保護したりすることができる。これは様々なケースで有効だろうと私たちを感心させた。これについて私たちが正しいことを願おう。その20歳の創設者、Tyler Weitzman – 中学時代から30あまりのアプリを構築してきたと言う – は、「BlackSMSにすべてを賭ける」ためにスタンフォード大学を中退した。

詳しく知りたければ、TCが今年の前半に書いたより長い記事を、ここで読むことができる。Weitzmanに連絡するには、founders@black-sms.comに電子メールを送れば良い。


Capella Spaceこのデータ会社は、靴箱サイズの衛星群を介して宇宙から持続的かつ信頼性の高い情報を提供することができると言っている。他のスタートアップの衛星とはどのように異なるのだろうか?その技術は合成開口レーダー(SAR)を使っている。これが意味することは、雲を通り抜ける電波の反射を使い太陽光の反射を必要としないため、夜や厚い雲に覆われているときでも、地球の表面に向けて電波を送り画像を得ることができるということだ。(他の多くの衛星群はその代わりに、光学技術に依存している)。

Capellaには競合他社がいて、Ursa Space Systemsもその1つである。 Ursaは現在、旧来の(つまり大きくて嵩張る)衛星に搭載された合成開口レーダーを使って得た情報を顧客に売っていて、そして独自の衛星群を開発することを計画している。しかし、現時点では勝負の行方はまだ見えていない。founders@cappellaspace.comで創業者に連絡することができる。


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DeepLIFT Technologiesこの会社は、入力を観察し繰り返されるパターンや他のものを識別することによって、任意のディープラーニングプロセスを理解し説明することができると言う、一連のアルゴリズムを開発した。

なぜ彼らのように、機械学習が上手くいく理由をわざわざ掘り下げるのだろう?1つの理由は、規制当局が「ブラックボックス」技術に対する押し戻しを始めているからである。最も顕著なのは、最近EUが機械学習モデルが、EU市民に影響を与える判断に利用される場合、その内容について「説明を受ける権利」を保証する法案を制定させる条項を導入したことだ。

創設者は、同社は資金を調達していないと言っている(私たちがこれを信じるかどうかは別として)。彼らはまた、現在彼らの技術は全米8箇所のゲノム研究室で使用中で、既にGoogleのモバイル開発チームとAlphabetのライフサイエンスの子会社であるVerilyを含んだ形で、Alphabet社からの強い関心が寄せられていると語った。彼らへの連絡先はfounders@deeplift.aiである。


Hotlineこのスタートアップは、ファンが直接有名人とつながることができる、メッセージングベースのプラットフォームを提供する。今のところ、それはFacebookのメッセンジャー、SMS、およびKikを使って単一のスレッドを介した通信を可能にする。基本的なアイデアは、メッセージングにTwitterのような対話性をもたらすことである。例えば、ランナーのウサイン・ボルトのファンは、おそらくボルトと1分でつながり、すぐにスイマーであるマイケル・フェルプスと、プラットフォームを変えたり他のダイアログボックスを開いたりせずにやりとりをすることが可能になる。

ハーバード大学、アマゾン、マッキンゼー – 創設者たちは印象的な経歴を持っているが、正直このプロダクトにはそのような雰囲気は漂っていない。大切なことかどうかは分からないが、早期のSnapchatのことを思わせることはなかった。彼らへの連絡先はfounders@hellohotline.comである。


Kofaこのスタートアップの技術は、あらゆる場所でアナリストを「スーパーチャージ」する。売り文句はこうだ:アナリストたちは予測モデリングや地理空間分析と膨大なその他の材料を理解しようとして苦労しているが、それは企業における彼らの役割の中心ではない。Kofaは、彼らにこの問題の一部を解決するための再利用可能なポイントアンドクリックのツールを与えると言う。その技術はまた、アナリストが互いの仕事の上に、別の仕事を構築することを可能にする。

私たちは、これがどの程度ユニークなのかはわからないが、Kofaの創設者は以前FancyThatを設立した者たちだ。彼らはPalantirに在籍していたが(前述したようにPalantirはFancyThatを買収した)、今年の初めに同社を離れ再び自分たち自身で起業した。これまでのところは上手くやっているようだ。彼らは既にいくつかのプリシード資金を調達していて、読者がこの記事を読む時には顧客と「6桁の契約を締結しつつある」ということだ。


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Motifこのスタートアップが目指しているのは、カスタマーサービス担当者が、簡単かつ即座に助けを求めているユーザーの画面を引き継ぐことである。これらすべてが1行のJavaScriptで実現されている。Motifはまた、事前に定義されたユーザーアクションの前後5分間のユーザーの画面を、サポート企業が記録することができるようにする。もし最初に心に浮かんだことが「プライバシーはどうなる?」ならば、目を閉じて、最後に画面上にあるものについて、電話越しにだれかに説明しようとしたとき、それがどれくらい時間がかかったかを思い出してみよう。Motifが、今後このような苦悩から私たちを救うことができるなら、私たちはそれを受け容れる。

チームの大きさがどれほどかは明らかではない。創業者Allan Jiangは現在スタンフォード大学でコンピュータサイエンスを学んでいて、2018年に卒業予定であることは確かである。彼への連絡はfounders@usermotif.comへ。


Novaこの会社は移民が米国の会社からのローンにアクセスすることを助けようとしている。米国の貸金業者には移民のクレジット履歴に簡単にアクセスする手段がないため、通常移民からのローンの申し込みは不可能ではないにせよ、とても困難である可能性が高い。ではNovaのソリューションは?世界中のグローバルな信用調査会社と貸し手を接続することだ。移民はNovaと提携している金融機関に融資を申請し、貸し手はAPIを経由して得られる情報を使って意思決定を行う。なおAPIで取得されるファイル1件ごとに貸し手はNovaに30ドルを支払う。これで完了だ。

同社は、2ヶ月前に開業し、既に3金融機関と提携している。創業者たち(全員がスタンフォード)に連絡する際にはfounders@neednova.comへ。


Plutoこのスタートアップは、小売業者が顧客を獲得するための新しいチャネルとして、メッセージングアプリを活用することを助ける、SaaSプラットフォームを提供する。例えばトリーバーチのようなブランドは、もはやメールプロモーションや広告だけに頼るというわけにはいかない。Plutoの技術を用いれば、顧客がFacebookメッセンジャーを開けた際に、後で買うためにオンラインショッピングカートに保存してまだ買っていないカラープロックPコートについて、企業から顧客にリマインダーを送ることができる。いままで行われてこなかったことだ。

創業者への連絡はfounders@getpluto.coまで。


Script写真を撮り、それをオンラインステッカーに変換し、メッセージングアプリを離れることなく送る。または友人や他のコミュニティのステッカー作品にアクセスして、会話を離れることなく、彼らのステッカーを送信する。

Hotlineと同様に、私たちにとってこの会社は、会社としては物足りなく、単なる機能提供のためには過剰のような気がするのだが、しかし機能も増え多くの人びとがこれを「選んで」いるようである。Scriptの創業者チーム(全員がスタンフォードから)によれば、過去4ヶ月間でサービスを知った何千人ものユーザーが、既に320万ステッカーを作成したそうである。役立つ情報かどうかは不明だが、CEOのKatia Ameriは同社を開始する前に、Pearのベンチャーアソシエイトとして2年間を過ごしている。

Ameriと彼女の共同創業者たちへの連絡はfounders@script.meへ。


Synocateこのスタートアップは、大学入学やキャリアアドバイスのための市場を構築中である。まず手始めに入試小論文を提出しようとする高校生のためのエッセイ編集ツールの提供を開始し、1エッセイにつき49ドルで、彼らが入学しようとしている大学の学生からのフィードバックを行っている。

特に目新しいものを聞くことはできなかった:野心的な高校生とその親の要望に応えようとする沢山のスタートアップが既に存在している。そして、それはとても巨大な市場であり、圧倒的に成功しているものは存在していない。創業者への連絡はfounders@synocate.comへ。


xSeerカーネギーメロンその他のPh.Dのチームによって設立されたこの会社は、数10億のデータポイントを取り込み、直感的に大規模なスケールで可視化を行う洗練されたビジュアル分析ソフトウェアを作成している。例えば保険会社などの顧客企業が、現在ターゲットにしておらず、本来ならばターゲットにするべき人たちを発見することなどを容易にする。

もしもっと詳しい情報のために創業者たちに連絡をしたい場合(彼らはまた秀逸なデモプログラムも持っている)はfounders@xseer.ioへ。


Viz私たちにとっては、この会社が1番興味深いものに思えた(Farshchiも同意見だ)。一言で言えば、それは一般的には放射線科医や他の技術者の専門知識を必要とする、超音波診断に対するディープラーニングの適用である。不安な患者たちが長い間待ち望んでいたものになる可能性がある。具体的には、そのソフトウェアは、超音波診断画像を他の数百万の画像や動画(ひとりの放射線科医師が一生に見ることのできる以上の数だ)と比較することによって、担当医師が画像を解釈する能力を上げ、迅速な対応がとれるようにする。

これは「熱い」領域だ。数年前、起業家Jonathan Rothbergは、Technology Review誌のインタビューで、新しい種類の超音波画像診断システムの開発に対して1億ドルを投資したと語った。その新しいシステムは「聴診器程度に安価」で「医者の効率を100倍にする」ものだということだった。最初は腰部の診断に焦点を当てているVizは、そのソフトウェアを使って、既存の機械で同じ仕事ができるようにすることを目指している。

創業者たちへの連絡はfounders@viz.aiへメールを送ること。

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(翻訳:Sako)

HTC Viveが100億ドル規模のVRベンチャーキャピタル・アライアンスを発表

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VR技術は、研究開発からマスに向けて市場に投入への転換するために大量の資本が必要となる。HTCも自社が開発するヘッドセット技術が広いエコシステムに落ち着くことができるよう、市場開拓の一端を担う。

本日上海で開催されたGSMA Mobile World Congressで、HTC ViveはVRに注力するVC、そして確立された著名VCであるSequoia CapitalRedpoint Venturesとともに100億ドル規模の投資を行い、投資の比重をHTCとHTCのパートナー企業の分野に持ってきたい考えだ。

合計27社がHTC Viveと共に VR Venture Capital Alliance (VRVCA)に参加する。HTCのVRで中国地域のプレジデントを務めるAlvin Wang Graylinがこの「アライアンス」を率いるという。

VRVCAは、HTCがVR投資において大規模なリーダーシップを発揮する取り組みとなる。HTCは今年の4月、VR分野のスタートアップに投資する1億ドルのVive X アクセラレーターファンドを立ち上げている

VRファンドとして100億ドルという数字が信じがたいと思ったのなら、それは正しい感想だ。確かにVRVCAは結構な金額をポートフォリオ内の企業に投入するが、100億ドルというのは各投資企業が持つ「投資可能な資本」を指していて、その額が全てVR投資に向かうのではないということだ。

VRVCAは2ヶ月毎にサンフランシスコと北京でミーティングを開催し、アイディアを実現するために資金を求める企業を受け付けるという。このアライアンスが投資可能としている100億ドルの一部を得たいVRスタートアップは今日からVRVCAにピッチデッキを提出してレビューを受けることができる。VRVCAには多様なVCが参加していることから、このアライアンスは、ミックスリアリティー、AR、VR分野における多様な業界に広く網を張ることを考えているようだ。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website