Googleが求人情報検索サービスを日本でも公開

Googleは1月23日、求人情報検索サービスの提供を日本でも開始した。この新機能「Google しごと検索」は、ウェブ上の転職・求人情報サイトや企業の採用ページなどから求人情報を取得し、検索結果ページに表示するというもの。「渋谷 バイト」「営業 求人」など希望する職種やエリアなどを入力して検索すると、関連する求人情報が検索結果内にまとめて表示される。

表示された任意の求人情報を選択すると、情報提供元のサイトにアクセスすることなく、より詳しい情報が表示される。

同サービスでは、採用を行いたい企業のサイト管理者が構造化データを用意することで、自動的に自社サイト内の求人情報をクロールし、検索結果に表示されるようにすることも可能だ。

同サービスは米国では2017年5月に「Google for Jobs」として発表され、ローンチしている。

Googleが求人情報検索サービスをローンチへ――求人サイトとは協業の意向

Googleは近日中にアメリカ国内で求人情報検索サービスをローンチすると本日(米国時間5/17)発表した。このサービスでは、特別な資格が要らないサービス業から専門性の高い仕事まで、さまざまなタイプの求人情報が掲載されるようになる。さらにGoogleは機械学習やAIといったテクノロジーを活用して、仕事のカテゴリー分けや関連求人情報の掲載などを行う予定だ。

Google CEOのSundar Pichaiは、本日行われたGoogleのディベロッパー向けカンファレンスI/O で「Google for Jobs」と呼ばれる同サービスのプレビューを公開した。

「アメリカの雇用主の46%は人材不足を問題視していると共に、空いたポジションを埋めるのに苦労しています」とPichaiは説明する。「求職者は身近な情報を頼りに仕事を探しているかもしれませんが、その他にも埋もれてしまっている求人がたくさん存在します。そこで、私たちは雇用主と求職者をうまく結び付けられるようなサービスを開発しました。それがGoogle for Jobsです」

数週間のうちに、アメリカのユーザーがGoogleの検索欄へ仕事に関する情報を入力すると、検索内容にマッチした求人情報がハイライトされるようになる。また、Googleはこの新サービスで既存の求人情報サービスに挑もうとしているわけではなく、むしろ彼らとパートナーシップを結ぼうとしている。

Google for Jobsの初期のパートナーには、LinkedIn、Facebook、Careerbuilder Monster、Glassdoorなどが含まれている。

また、求人情報検索に関連した新たなツールとして、職場や役職、仕事のカテゴリーやタイプ、掲載日、フルタイムか否かといったフィルター機能などが実装される予定だ。

仕事の内容に関する情報以外にも、求職者が家から職場までの距離を簡単に把握できるように通期時間などの情報も表示される。

Google for Jobsの面白い点は、各求人の関連度を学習しグループ分けするため、Googleが機械学習テクノロジーを活用しているところだ。

例えば「retail(販売業)」であれば、求人によっては「retail associate」と表記されているかもしれないが、「store clerk」や「store manager」と記されている場合もある。そこでGoogleはこれらの求人をまとめあげ、「retail」という単語の検索結果に全ての関連求人が表示されるようにしたのだ。

さらにPichaiは、ワンクリックの「応募」機能についても触れ、青い大きなボタンを押せば直接求人に応募できると説明したが、その仕組みなど細かな部分については話さなかった。

さらに彼は新サービスのローンチにあたり、現状の求人情報検索サービスに対する不満をあぶり出すため、Googleが何百人という人にヒアリングを行ったと語った。

「この新サービスには個人的にとてもワクワクしています。Google for Jobsは、重要なニーズを満たそうとしているだけでなく、検索や情報整理、AI、機械学習といった私たちのコアにあるテクノロジーを利用していますからね」とPichaiは話した。

Google for Jobsは「数週間以内に」アメリカ国内でローンチし、今後アメリカ国外への展開も予定している。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

賃金格差と求人内容の関係性

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【編集部注】執筆者のTim Cannonは、HealthITJobs.comのプロダクト管理担当ヴァイスプレジデント。同社は1000件以上のヘルスケアITの求人情報を掲載する求人サイトを運営している。

テック業界で働く女性の数が男性より少ないことや、両者の間に賃金格差があることは既によく知られている。しかしComparablyの調査から、年齢が上がるほど賃金格差が縮まっていくという興味深い事実が浮かび上がってきた。

18歳から25歳の間にテック業界に入ってきた女性は、同じ年齢の男性よりも29%少ない給与を受け取っている一方、彼らの年齢が50歳を超える頃には、その差が5%まで縮まるということがわかったのだ。

ヘルスケアIT業界では経験と共に給与が大幅に増加する、ということが私の勤めるHealthITJobsの調査からも分かっていることから、これには納得がいく。しかしこれはそもそもなぜ賃金格差が存在するのかという問いへの答えにはならない。

問題は入社時からはじまる。つまり求人という採用プロセスのスタート地点から、既にこのようなトレンドの芽が生まれている可能性があるのだ。驚くかもしれないが、求人内容がテック業界における賃金格差を生み出し、固定化させている可能性がある。以下でその流れについて説明したい。

以前の給与に関する質問

ある求人に応募してきた候補者に対して、企業が希望給与やこれまでの給与について質問するという習慣が長く続いてきた。この質問はあまりに一般化しているため、候補者側も特に疑問を持たずに答えている。しかし給与の変遷に関する質問が、実は賃金格差を固定化しているかもしれないのだ。

そのためマサチューセッツ州は、企業が求人票や面接で候補者の給与の変遷を尋ねることを禁じる法案を可決した。これには新しい仕事の給与が以前の仕事の給与に基いて計算されてしまうと、特に女性は最初の仕事の給与が男性よりも低いことが多いため、それまでの賃金格差が引き継がれてしまうという理由がある。

さらに雇用者側は意図せずとも、彼らは候補者の前職での給与からその人の価値を推測したり判断したりする傾向にある。テック業界でいえば、候補者のスキルではなく前職の給与に基いた提示額が、賃金格差の拡大につながっている可能性がある。女性はスタート時に遅れをとり、そこから追いつこうとすることしかできないのだ。

闇に包まれた給与情報

企業は候補者に対して給与に関する情報を尋ねる一方で、自分たちは報酬や給与の決め方について教えないことが多い。そのような情報が与えられないために、採用前に給与交渉をしづらいと感じている女性もいる。

そのような背景もあり、Fractlが100人の市民を対象にした行った調査でも、女性は男性に比べ賃上げ交渉をしづらいと感じている人が多いことがわかっている。平均的に女性は男性よりも賃上げ交渉を行う可能性が低く、アフリカ系アメリカ人の女性が賃上げ交渉を行う可能性が1番低い。

賃上げ交渉は採用時の給与交渉とは少し異なるものの、どちらも似たようなスキルや自信が必要になってくる。さらに新しい業界での仕事を探している女性の頭の中では、最初から給与交渉することで波風を立てたくないという心理が働いている可能性がある。交渉に必要な情報が提示されていないとすればなおさらだ。

応募している職業の一般的な給与や、応募先企業の平均初任給、給与の決め方といった情報がないと、女性はどのくらいの水準の給与を希望すればいいのかわからない。

求人票の男性的なキーワード

ほとんどの人が気づいていないが、求人票の多くは男性向けにつくられている。ZipRecruiterが行った調査ではほとんどの求人で男性的なキーワードが使われているとわかったのだ。同社のウェブサイトに掲載されている求人情報を調べたところ、”assertive(積極的)”、”decisive(決断力のある)”、”dominant(支配力のある)”といった男性的な言葉が70%の求人に含まれていた。そしてテック系の仕事だと、その数は92%まで増加する。

このような言葉は採用と何も関係がないようにも見えるが、中性的な言葉が使われている求人への応募率はそうでないものに比べて42%も高い。つまり求人に男性的な言葉が含まれていると、女性の応募率が下がる可能性があるのだ。そのため、求人に使われている言葉が好ましくないという理由で、女性は高給なテック系の仕事に応募していないのかもしれない。

リクルート会社や雇用主は、給与格差を生み出そうとして意図的にそのような求人票をつくっているわけではないが、これまでに浸透したやり方がそうさせているのだ。しかし求人票の書き方を変えるだけならば大した作業ではない。どのくらいの給与情報を候補者に明かすかや、求人票に適した中性的な言葉を決めるのには少し時間がかかるだろう。ただこのような小さな変化を積み上げることで、テック業界にはびこる賃金格差を解消することができるかもしれない。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

求人機能でLinkedInを脅かすFacebook

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Facebookはビジネスページに求人情報を掲載することによって、LinkedInの人材紹介事業に強引に割り込もうとしているのかもしれない。この新しいJobs(仕事)機能は、企業がニュースフィードの中で製品のマーケティングを行うこと以外でも、Facebookページへのトラフィックを引き起こせる別の力になるかもしれない。

今日TechCrunchは、そのFacebookページ上にJobsという名前のタブを発見し、Facebookに問い合わせたところ、現在多くの人材募集機能を実験中であることが確認できた。Facebookの広報担当者が筆者に語ったことによれば「私たちがFacebookで観察したところでは、既に多くの小さな企業が求人情報をFacebookページに掲載しています、そこで私たちはFacebooページ管理者が求人情報を投稿し、応募者からの申込みを受け付けることができるようにする機能のテストを行っている最中なのです」とのことだ。

新機能は、LinkedInと競合するだけでなく、Work4、Workable、そしてJobscoreといった、Facebookページに「Jobs」タブアプリケーションを埋め込んでいる開発者たちとも競合する可能性がある。おそらくFacebookは、昨年LinkedInの推薦機能を真似たProfile Tagsをテストしたときに、これらの新しい機能の準備もしたのだろう。

Facebookの-求人

Facebookの新しいオプションを使って、ステータス投稿機能の中で、Facebookページで正式に求人を行えるようになっている、そこでは詳細な役職、給与、或いはフルタイムなのか、パートタイムなのかといった記述も可能だ。特殊なフォーマットによって、求人投稿は他のコンテンツとは差別化され、混み合うニュースフィードの中で注目を浴びやすいようになっている。

これらの求人情報はまた、FacebookページのJobsタブの中に現れて、企業は求職者向けに専用のアクセスページを作ることができる。企業は、これまでの会社のウェブサイト上の静的なCareers(求人)ページに比べれば、たとえ求人に対する応募者であろうとなかろうと、潜在的に新しいフォロワーを獲得するチャンスを得ることができる。

求人情報投稿には、標準的な応募フローを開始する「Apply Now(今すぐ応募)」ボタンが置かれるが、応募に際しては、ユーザーの公開プロファイル情報でフォームが事前に埋められることになる。これによって、人びとが冗長な情報を入力することなく、素早く複数のジョブに応募することを助けることができる。

提出された応募内容は、FacebookメッセージとしてFacebookページによって受信される。これは、Facebbokのチャット機能をビジネスに使わせたいという希望を後押しすることになるだろうが、求人への応募メッセージと、通常Facebookメッセージで受け取っているカスタマーサポートリクエストが混ざってしまうことは、おそらく扱い難いことだろう。こうした応募を企業の採用担当者のメールアドレスへと転送するオプションがおそらく有効だろう。

企業はまた、ニュースフィード上で彼らの求人情報がより多くの人々に表示されるようにお金を払うこともできるだろう。これはLinkedInの広告が提供する内容と直接競合する。Facebookの強みは、その幅広い到達力、個人情報、そして関わり合いを組み合わせたものになる。

Facebookのプロファイルタグ

昨年FacebookはLinkedInの推薦に類似しているProfile Tagsを追加した。

ほとんど誰もが、Facebookプロフィールを持っていて、しばしば沢山の過去の役職名、雇用主、学歴、そして興味などで埋められている。求人者はこうした情報を利用して求人広告を出稿し、適切な資格を持つ人たちにリーチできる。そして、多くの人は定常的にFacebookをブラウズしているので、そうしたユーザーは、いつかは広告を目にするチャンスがある。

比較してみると、必ずしもすべての人はLinkedInのプロフィールを持っているわけではない。Facebookのもつ17億9000万に比べると、LinkedInが所有するプロフィールは4億6700万に留まる。そして多くのLinkedInユーザーは、新しい仕事に就いて自分のプロフィールを更新するときか、あるいは熱心に求職している場合にのみ訪問を行う。しかし、Facebookの場合は、人々が仕事について考えていない時でも見る可能性があり、より高い給与のチャンスへ応募する機会だと考えさせることができるかもしれない。

それは、FacebookがGoogleの伝統的な優位性にもかかわらず、巨大なブランドとパフォーマンスの広告ビジネスを構築することができたことと同じ理由である。自分が何を買いたいのかを知っているときには、おそらくGoogleを検索するだろう、あるいは求職している場合にはLinkedInを検索することだろう、そして彼らの広告はあなたの要求を満たしてくれる。これに対して、Facebookは需要の創出を行い、人びとに自分でも気がついていなかった関心を引き出すのだ。

Microsoftによる、262億ドルのLinkedIn買収が、もうすぐ行われる。Facebookは移行時の混乱や停滞を狙っているのかもしれない。

(訳注:Profile TagsもJobs機能もいずれも日本ではまだ提供されていない)。

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(翻訳:Sako)

ライターに「良いコンテンツ」を書いてもらうために必要なこと

昨日に引き続き、寺田です。改めて語るまでもありませんが、コンテンツマーケティングだとかオウンドメディアといった言葉がバズワード的に流行しているように、コンテンツにどのような戦略的役割を持たせるか?はみなさんにとっても大きな課題となっていることでしょう。

しかし一方で、コンテンツの制作量が増えるほど「書いてほしかった原稿とイメージが違うかも?」「なんか、このコンテンツ…微妙。」といった、制作するライター側と依頼するディレクター側の間でズレが生じる機会も増えていきます。

コンテンツ制作の現場で日々起こりうるそのようなズレをなるべく少なくし、より良い文章を書いてもらうためにはどうしたら良いのでしょうか? 雑誌制作を10年以上続けてきた経験から「良い文章をライターに書いてもらうための方法」をみなさんと一緒に考えてみたいと思います。

人によって「良い文章」の定義が違う

意外と見落としがちですが、文章ほど人の好みが出るものは無いかもしれません。

ある意味、料理の味付けに通じるところがあります。ラーメンとかわかりやすいですね。「あそこの店のコッテリ感がたまらない」「いやいや、こっちの店は麺と絡んで…」といったように、“味覚”は人によって左右されます。文章も近いものがあります。

それでも一般的には、下記のような文章が「良い文章」の最低限を満たしていると言えるのではないでしょうか。

  • 読みやすい
  • わかりやすい
  • 読み手に伝わる

作家の井上ひさしは、

「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、ゆかいなことをいっそうゆかいに」

と、座右の銘を語ったといいます。なんかイメージはできますね。

でも、ここで「日本語」について考え始めてしまうと、どれだけ時間があっても足りません。結論を言うと、100%発注者のイメージ通りという文章は発注者が自分で書かない限りは世の中に存在しません(想像以上という、うれしい場合はけっこうあります)。

例えば、上の文章を

「難しいことを易しく、易しいことを深く、深いことを面白く、面白いことを真面目に、真面目なことを愉快に、愉快なことをいっそう愉快に」

と漢字に変えてみたらどうでしょう?

パッと見て意味がわかりやすくなったと思いますが、なんだか堅い印象になってしまいましたね。同じことを書いていても文章は文体や語彙で雰囲気がけっこう変わってしまうものなのです。

つまり、文体や語彙など文章表現のレベルで「良い文章」は定義できないのです。

大事なことは文章表現よりも文章構成

話を少しビジネスの方に戻すと、Webコンテンツで重要視すべきことはターゲットユーザーに何を伝えられるか、彼らにどう行動してほしいのかという部分です。

コンテンツマーケティングで語られるように、多くのコンテンツはユーザーごとに異なる不安や需要を満足させるためのものであり、大切なことはその文章によってどれだけの「気づき」があったかという点です。

これは表現に左右される部分もありますが、それよりも何が書かれているか論理的に筋が通っているかという文章構成によって決まります。つまり、大切なことは文章のネタ(材料)です。

やってはいけない依頼方法の代表例:「とりあえず書いてみて」

ところで、これをやったら必ずライターに嫌われるという発注方法があります。

それは「とりあえず書いてみて。それに修正の指示を入れていくから」というもの。こう言われてしまうと、ライター側としても「どうせ修正されるんだから…」と100%のエネルギーを注ぎにくくなります。

そもそも「とりあえず書いて」と言われても、何を書いてほしいのかわからないですしね。必然的に納品されるコンテンツのクオリティも下がります。地雷担当者とライターの間で繰り広げられる会話というのは、だいたいこんな感じでしょう。

発注者 :とりあえずテーマは” ○○○”で書いてみて。それに修正の指示を入れていくから
ライター:はーい。わかりましたー。(どうせ修正されるんだから、サクッと書こうっと)
発注者 :コレじゃないんだよなぁ。修正。もっとユーザーを意識した原稿に…と。よし。
ライター:ユーザーって…何をどう書けって言うんだよ!? (たぶん、こういうことだろう)
発注者 :うーん。微妙だなぁ。このへんとか書き直してもらおうかー。
ライター:うわっ! 直した意味ないじゃん! もう言われた通りの仕事しかしない! 送信!!
発注者 :もらった原稿、ユーザーを意識した原稿になってないけど?
ライター:いや、指示通りユーザーを意識して書きましたよ!
発注者 :いやいや。ユーザーってさぁ

不毛ですね。デスマーチ一直線です。さすがにここまで極端なケースは少ないと思いますが、ここでの問題点はライターと担当者、どちらも①ターゲットユーザーと、②伝えたいこと(気づいてほしいこと)の認識共有ができていないという部分にあります。

書いてみてから気づきましたが、これはライティングだけではなく、Webデザインなども全く同じことが言える気がしますね。

重要なのは依頼の事後よりも事前

「後始末より前始末」という言葉があります。これはトラブルやクレームになった後始末よりも、そうならないための事前準備をしっかりと行うことで仕事の効率化をはかった方が、結果として成果もあがりますよねという考え方です。

Webライティングにおいては少なくとも、以下の4項目は事前に共有した上で、ライターに書き始めてもらうことが大切です。

  • ターゲットユーザー
  • 伝えたいこと(気づいてほしいこと)
  • 競合他社と差別化したい(特筆したい)点
  • 上記を満たしたうえでの文章の着地点

例えば、弊社では、コンテンツ制作の際、事前にクライアントからヒアリングした内容を元にライターへ制作指示を出します。

上記の4項目はもちろん、全体でだいたい20~30項目ほどになるでしょうか。それらをディレクターが理解した上でヒアリングシートと呼ぶ製作依頼書にまとめ、ライターと打ち合わせて制作業務に入ります。

弊社は社内にライターを抱えているので、クライアントが抱える課題やサイト全体のコンテンツ戦略など依頼の背景についても顔を合わせて話をしながら、互いのイメージをすり合わせることができます。(弊社のサービスページにそれらしき図があったのでそのまま持ってきました)。

社内でワチャワチャやってあれこれやりとりしてようやく記事が納品できます

一見、ライティング業務以外に比重を置き過ぎているように思えるかもしれませんが、実はこのすり合わせこそが、文章構成(材料)だけではなく文章表現(味付け)まで含めた仕上がりの質を向上させることに大きく影響します。

例えば、あなたがもしクラウドソーシングなど外部ライターに制作を依頼する場合でも、できるだけ「文章にした依頼」と「口頭での説明」を併用することをおすすめします。

特に初めて一緒に仕事をする場合は、人によって「良い文章」の考え方は大きく異なります。例えば電話1本、数分だけ言葉を交わすことでも互いに見落としていた部分に気づけ、「後始末」に必要な時間を数十分単位で少なくすることができるはずです。

ライターのスキルを最大化するには?

ライターは機械ではありません。どれほどベテランのライターであっても、感情を害されれば納品物の質が下がることはあっても上がることはあまり期待できませんね。

逆に気持ちよく仕事に取り組んでもらうことで、期待以上の働きをしてくれる可能性も高まります。では、ライターに気持よく仕事をしてもらうためにディレクターが今すぐできることとは何でしょう?

  1. 最初に1~2記事を書いてもらって、互いの理解が共有できているかを確認する
  2. ズレていると感じた場合、どこがどのように違うのか具体的に修正依頼する
  3. 細かい表現についてはライターに任せる
  4. 原稿が納品されたら早めにチェック、遅くとも翌日には返す
  5. 返した原稿の修正点について電話でもいいので簡単に話す

書き出してしまえば珍しいことではないですね。メールと一緒で、早めに返事をもらえると人間誰しもうれしいものです。(5)まで当然のようにできれば、たとえ修正が多くなってしまってもライターはよろこんで次の仕事の相談に応じてくれるはずです

ライターは「育てる」意識が重要

雑誌制作の現場においては、ライターは編集者と個人の結びつきが強い存在です。お互いに「育てた(育ててもらった)」という、ある種の職人的な関係性があるからでしょうか。

これは「良い文章」という主観的な成果物を制作するための、ある意味で効率的な仕組みなのかもしれません。Webコンテンツは紙媒体に比べて単価や制作時間が軽くなる傾向があるためか、ライターとディレクターの関係もその場限りになってしまいがちです。

しかし今後企業サイトのオウンドメディア化が普及すると、コンテンツの差別化をはかるためには、より専門性の高い、或いは他と違う視点で作られた、など”他にはない”コンテンツが必要となります。その時に頼りとすべきライターチームがいるかいないかは、サイト運営戦略のキーポイントになりそうです。

チルチルとミチルではありませんが、良い文章を書いてもらうためにはまず自分のまわりを見渡してみることが大事かもしれません。一朝一夕で実現できることではありませんが、ぜひこの機会にライターとの関係を考えてみてはいかがでしょうか。

ライターさん、随時募集してます

ライターの方、弊社で一緒に仕事をしませんか?ご興味ありましたら是非ご連絡下さい。経験やスキルに応じて、ライティング、校正、編集、取材、様々なお仕事があります(結構、あります)。Webライティング実績のある方は特に大歓迎です。

詳細:Webライター(メディアライター) | 採用情報 |ヴォラーレ株式会社

当社のSEO事業の組織運営体制や今後の事業方針などについて

土居です。先日弊社代表の高橋のブログにおいて、弊社のSEO事業について言及する記事がありましたので、事業側としてもこのタイミングで、現時点の事業運営の中身について、或いは今後の事業方針についてなどを補足させていただきたいと思います。

※正式な組織上の事業名は「Webコンサルティング事業」であり、社内では略して「WebC」などと称されている事業部ですが、この記事では簡便のため「SEO事業」として説明していきます。

事業部の組織体制について

事業部としては30名ほどの組織で、そのうちお客様にコンサルティングに直接関わるメンバーは20名ほどです。

コンサルティングチーム

メインでお客様と関わる部隊としてコンサルティングチームが存在しており、それは3つのグループに分かれています。それぞれ総合職6~8名程度で構成されており、14年度入社新卒から社歴7年のベテラン、中途入社メンバーまで幅広いメンバーが所属しています。

それぞれのグループにはグループマネージャー、サブマネージャーが1名ずつ配置されています。大型のプロジェクトや難易度の高いSEOには必ずこのラインのメンバーが関わることになります。社内で開催しているセミナー講師なども担当しています。

また、3つのグループとは独立してチーム横断で提案支援や技術監修を行うベテランメンバーが数名おり、進捗状況や成果状況、難易度に応じてプロジェクトに参加します。

コンテンツ制作チーム

コンサルティングチームとは別に、コンテンツ企画・制作チーム(内製)があります。チーム管理者やディレクター、ライターなどで構成されております。お客様のサイトに掲載するコンテンツ制作のお手伝いや、コンテンツの企画、ディレクション、品質管理など全て内製で行っております。

技術開発チーム

またバックエンドの技術支援として弊社開発室の技術者によって構成されるSEOチームがあります。現在は事業の中心となる管理システムの構築・メンテナンスや、各種SEO業務支援ツールの開発を行っており、今は今後一般向けに公開予定のインハウスSEO支援ツールなどの開発に従事しております。

サポート、営業支援

アルバイトスタッフ含めた6名からなるサポートチームがあり、コンサルティングチームの業務推進やデータ管理などを行っています。他で1名、リード獲得のためのプロモーションを監修しています。

管理

それらを総合して私が監修を行っており、顧客獲得やアライアンス関連などの責任者が別におります。最近受注の調子が良くて活き活きしていると社内では評判です。

現場のSEOスキルについて

グループマネージャーやサブマネージャー、一部の一般メンバーは僕がずっとSEOのスキル教育を行ってきました。現時点のレベルとしては、サービスの性質としてよほどイレギュラーなものでなければ彼らの独自でほぼ間違いのない実装提案が出来ます。また、僕なんかよりも圧倒的に場数を踏んでいますので細かい知識まで含めれば僕が知らないようなことも結構知っていたりします。

最近、僕が関わることなく彼ら自身がリニューアルプロジェクトに関わらせて頂いたサイトをいくつか改めて見ていましたが、細かいところの実装まできちんと配慮されていて、僕が見て何ら文句のない仕上がりになっていてちょっと感動しました。

その他のメンバーは彼らのアシスタント業務をやりつつ、高難易度でないプロジェクトの担当などをグループマネージャー監修のもと手がけています。

その中には弊社への内定者としてインターンとして業務に関わっているメンバーが数名おり、学業の傍ら、既にWebやSEOのトレーニングを一定以上積んでいます。彼らが入社する頃には、少なくとも検索エンジンに関する話や基礎的なSEOの話は特に間違いなく出来るというレベルにはなっているはずです。

教育・育成について

ここ数年はここでとても苦労してきました。特にこの1年はお前らどんだけ研修とかグループワークやってんだとツッコミを入れたくなるくらいそこに注力しています。

リンクを使うのであればリンクを付加価値としてお金を頂けます。僕らはリンクを使わないことにしましたので、それ以外で特別な価値を出さなければなりませんが、それを事業として組織的に行っていくことは、とても大変なことだと実感しています。

育成方針

組織がある程度大きくなると、「顧客窓口は君たち」「SEOのリサーチや提案は君たち」「アクセス解析は君たち」などとどんどん分業が進みがちです。そちらの方が教育面でも実務運用面でも圧倒的に効率良くなるためです。

弊社は今のところ「とりあえずみんな全部出来るようになって」です。はっきり言って無茶苦茶です。効率は悪いし時間もかかります。自由度が高すぎて個人の管理もしづらいです。ルール化や標準化を進めにくく、かつ属人的です。

とは思っていましたが、腰据えてやってみると意外にみんな育つものだなあと実感。僕も含めて、まだまだ成長過程ではあるのですが、広く与えることでしか得られないものは多いのでしょうね。

弊社が本当に恵まれているなと思っているのは、数年かけて勉強して一人前と呼べるレベルになった人材の離脱が皆無だったことです。事業部を異動したり職種転向した人間も数名いますが、とにかく社内にいることが大きいです。これがなければ大きな転換はスキル的な問題でやり切れなかったと思います。

育成カリキュラム

関わる全ての知識を高レベルに理解することなどよほどの天才でなければ絶対無理だと思います。仮に知識が追いついたとして実体験なき知識では現場で戦えません。なぜなら知識とは基本的には理想形をベースに体系化されますが、全てが理想的に運用できるケースなどほとんど存在しないためです。

現在は3カ月タームで7つの分野での基本研修カリキュラムを組みワークショップや座学研修、実務研修、事例研究などを行っています。全員が一気に全分野の学習をするなど不可能ですから、得意分野や興味の強い分野から優先的に研修を進めています。

その他、開発室メンバーから技術研修を受けたりなどの機会も別途あります。

ただし本当に知識がノウハウとして身につくのはOJTでの実務経験をどこまで積み、成功体験を蓄積できたかに尽きます。お勉強だけ出来てもダメなわけです。

プロジェクト運用体制について

プロジェクト規模の大きさや難易度によって様々ですが、プロジェクト毎にアシスタント含め3~5名の担当者をアサインし、リサーチや提案、レポーティングなど分担して行うのが一般的です。

本当はもう少し小回り利くように少人数にも出来るのですが、どうしてもSEOの提案クオリティは担当者に依存しがちで、弊社においては能力も個人の能力に依存しがちですので、個人への依存度を下げる、という意味でこのようなスタイルを採用しています。

採用活動について

絶賛募集中です。中途採用についても随時受け付けております。新卒採用につきましては短期インターン、長期インターン含め随時募集しております。

もし一緒にやりたいという人いたらご連絡ください。→ヴォラーレ採用サイト

営業活動について

事業部全体の活動の中で、顧客獲得活動にかけている時間比率はどちらかと言えば少ない方だと思います。新規受注、という優先度は現状ではそこまで比重高くしておりませんが今後の組織の成長に伴い少しずつ拡大していく予定です。

基本的な顧客獲得活動

既存のお客様やお付き合いのある企業様からの追加注文やご紹介、サイトへのお問い合わせが比率としては大半です。次に挙げるセミナーを通じてのご依頼もありますが、そこまで割合としては大きくありません。

セミナー活動

セミナーにお越し頂いてその後に直接お客様として発注を頂けるケースはそんなに多くはありません。多くの企業様と情報発信を通じて接点をもっておきたい、自分たちのことを知っていただきたいというのが主目的です。

もちろんビジネス上の目的としては営業活動に一切反映させないわけにはいけませんので、「へー悪くないね」と思って頂いた暁にはどこかのタイミングで仕事を頂ける、或いは周囲の方が困っていたらご紹介頂けるととても嬉しいです。

セミナー終了後にゴリゴリ営業かけまくるんじゃないの、みたいな心配をされる方は多くいらっしゃいますが、それはもともと営業リソースを豊富に有している会社が出来ることで、それは弊社では出来ません。

電話営業

現在、弊社には「営業部」的な役割の部署がありませんので基本的には行っておりません。

過去に接触させて頂いた企業様への「最近いかがですか」的な電話アプローチをするほか、通常業務中に目に止まった「これSEOもっと頑張れるでしょ」と激しく思ったサイトの運営企業様にプッシュ型の営業をさせて頂くケースが稀にあります。

とは言えここ最近の平均事業部全体での総コール数が月間100件とかでしたので、実質ほとんどの企業様にはないと思われます。弊社からのプッシュ営業がありましたら是非心優しくアポを頂けますと幸いです。

やっていないのは電話営業が嫌いとかダメだとかそういう意味ではなく、その時間を教育側に投資したいというのが主な意図です。

今後の事業が目指す方向性について

ある程度、市況や組織状況の変化に柔軟な組織運営をしていこうと思いますが、基本的には大幅な売上シェア拡大!年々200%の急激成長!などというものを主目的に据えることはありません。組織的に無理の発生しない程度に、ただし堅実な売上成長を目指します。

企業としての売上比率は徐々にインターネットメディア事業や今後発足するであろう新たな事業に”相対的に”移っていくことになる予定です。

事業としては、売上というもの以上に、自分たちのソリューションを更に深堀りしつつ徐々に拡張し、より多くの企業様のWebの課題をもっと高いレベルで解決できる組織を目指しています。

単に技術的な視点でのSEOのアドバイザリーにとどまらず、大局でのSEO戦略設計、コンテンツマーケティング支援、アクセス解析に基づくサイト改善、ユーザーテストに基づくUI改善、広告運用支援などの周辺領域にも、ノウハウを蓄積しながら徐々に手を広げていきます。

まとめ

長くなりましたが、1年後や2年後には今よりも更に強いソリューションを提供できているイメージしか湧きませんので、今後共ご期待頂けますと幸いです。

国内の検索エンジンとSEOの歴史を振り返る

地方で大学生活を送っているうちの内定者の佐々木君(平成生まれ)に、お勉強がてらインターネット黎明期の検索エンジン事情などについて色々調べてまとめてもらいました。

今や人々のライフスタイルの一部として当たり前となっている検索エンジンですが、今回は少し振り返ってその歴史やSEOの移り変わりについてまとめました。

SEOと日本の検索エンジン

SEOとは「Search Engine Optimization:検索エンジン最適化」ですので、検索エンジンの仕組みの変化に伴い、最適化の方法も変化します。

例えば、以下の大手の検索エンジン(Google、Yahoo!JAPAN、MSNjapan(Bing)、goo)に対して、シークレットモードで「SEO」と検索してみると、

SEO(google)
図1.Googleによる「SEO」の検索結果

SEO(yahoo)
図2.Yahoo!JAPANによる「SEO」の検索結果

SEO(Bing)
図3.Bingによる「SEO」の検索結果

SEO(goo)
図4.gooによる「SEO」の検索結果

見づらいと思いますがGoogle、Yahoo!JAPAN、gooの検索結果がほぼ同じ結果となっています。これは、Yahoo!JAPANとgooの裏側でGoogleの検索システムが動いているためです。つまり、現在はBingなどを除き、ほとんどの日本国内の検索はGoogleのシステムによって処理されているのです(BingはMicroSoftの自社開発の検索エンジンです)。

しかし、インターネット黎明期と言われていた2000年前後などでは、今とは全く状況が違いました。ここからはその歴史について振り返っていこうと思います。

検索エンジンの歴史

主な検索エンジンの登場年表

表1. 1990年代の検索エンジンの歴史
1990年代の検索エンジン年表

この年代はあれやあれやと新しい検索エンジンが登場しています。(オレンジで記載しているのが相当)そんな中、Yahoo!JAPANの登場によって日本国内はそれ一色でした。僕が初めて見たOSはWindows98で当時保育園の年長でしたが、トップページはYahoo!JAPANしか見た覚えがありません。

編集者注:↑衝撃

2000年に差し掛かってくると検索エンジンに初めから他社のものを採用したポータルサイトが出現してきます。(緑で記載しているのが相当)
では次に2000年以降はというと、、

表2. 2000年以降の検索エンジンの歴史
2000年代の検索エンジンの歴史

2000~2005年あたりで買収が盛んになってきます(青で記載しているのが相当)。2001年のYahoo!JAPANがロボット型検索エンジンにGoogleを採用した事によってGoogleの知名度は上昇していきます。そして米Yahoo!が独自のロボット型検索エンジンを開発したのが2004年、Yahoo!JAPANがGoogleと提携するのが2010年です。当時からSEOに関わっていた方々からすると、この統合は非常に大きな変化であったと思います。

※出典

検索エンジンの群雄割拠からGoogleが首位を勝ち取るまで

1990年代年代後半は、Webサイトの爆発的な増加に伴い多くの検索エンジンが登場するまさに群雄割拠の時代でした。

Googleが出る以前は検索エンジンサービスを持つ会社のサイト又は、他の企業の検索エンジンを採用して立ち上げたサイトはポータルサイトとしてのサービスが主流で、そこには検索窓以外にも多くのコンテンツ(天気、メール、ニュース、広告など)を含む様になりました。

中でも、前述の通り日本においては1996年に登場した「Yahoo!JAPAN」が主流となります。

yahoo!1997
1997年のYahoo!JAPAN( 出典:Yahoo! JAPANのトップページザイン15年史 )

当時の検索エンジンは決して性能が良いとは言えませんでした。

人気のYahoo!JAPANはディレクトリ型検索エンジンを採用していた為、予め登録しておかないとそもそもサイトが表示すらされないし、検索してもユーザーの求めている情報とは異なったものを表示させています(これには最適化の手法に関する問題があるのですが、最適化については後述します)。

それでも当時はインターネットなんて馴染みが無かったのでトップ画面上に表示された豊富な情報量に感激し、「検索」はあくまでサブの機能でYahoo!JAPANも検索エンジンを重要視していない状況だった事もあり、「検索結果に悩まされる」という人は少数だったのではないかと予測出来ます。

そんな中、Googleがリリースしたサイトは検索窓のみ、広告も無しといった極めてシンプルなものでした。

google_1997
1998年に米Googleがリリースした検索サイトページ( 出典:Google.com 1997-2011)

え、なにこれ?って当時の人は思ったのではないでしょうか?GoogleのWebサイトを開いても何もコンテンツが無い、質素な検索窓のみです。コンテンツが満載だったポータルサイトの利用者からすると、何の面白味もないサービスだと感じた方も多かったのではないかと思います。

しかし、Googleの検索エンジンは

  • ユーザーの検索ニーズにより応えれる独自のロボット型検索エンジン技術
  • 価値のあるサイトか否かを指標付けするページランクの導入

という他の検索エンジンには無い価値により、次第に多くの人がGoogleの検索エンジンを好んで使う様になります。

そして2000年にはGoogle日本語版が上陸し、2001年にはYahoo!JAPANの検索エンジンに採用され、どんどん知名度を上げていきます。

google2000
2000年のGoogle検索サイトページ( 出典:Google.com 1997-2011)

しかし、Googleも検索エンジンを世に送り出した当初は殆ど収益性がありませんでした。そんな中、1998年に米Yahoo!が考え出した検索連動型広告を参考に2001年にリリースした「Google Adwords」が、多くのユーザーが使っているGoogleに広告を出稿する事への価値を高める効果を発揮し、ここからGoogleは多額の広告収入を得る様になります。

その他、Googleは

  • Google AdSense
  • Google drive
  • gmaiL
  • Googleカレンダー
  • Google Web Designer
  • Googleアナリティクス
  • Googleウェブマスターツール

こうした仕組みやツールを世に出しさらに多くの利用者を集め、急速にシェアを拡大してきました。その結果、日本だけでなく、実質現状としてはGoogleが世界の検索エンジン市場の大半を占めています。

最近ではGoogleの検索エンジンのアルゴリズムが変更されたという情報に対して多くのメディアや業者が敏感になっています。他の検索エンジンの内容が変わってもほとんどと言っていい程、問題視されていません。それだけSEOにとってもGoogleの変更は多大な影響を与えるということです。

Googleの近年の検索エンジンアルゴリズムの変更内容に関しては、以下のサイトが(英文ですが)見やすいので興味のある方はご覧下さい。
Google Algorithm Tiemline

Yahoo!JAPAN以前の検索エンジン

少し余談ですが、Yahoo!JAPANが日本に登場する前にも日本に検索エンジンは存在していました。

senrigan
出典:Google以前の検索エンジン

こちらは早稲田大学村岡研究室の学生であった田村健人さんが1994年11月に立ち上げた国内初のロボット型検索エンジン「千里眼」です。独特なデザインのアイコンが目に止まります。

この千里眼は検索の対象が.jpをドメインに持つWebサイトのみでした。Yahoo!JAPANを始めとするポータルサイトに需要を奪われて最終的に1999年にサービスは終了してしまいますが、千里眼にはサイトにリンクしているページ(=被リンク元)を表示させる機能がありました。

今でこそフリーソフトで被リンク元を調べる事も出来ますが、当時の検索エンジンで被リンク元を調べれるというのは画期的だったのではないでしょうか?

※出典

日本のSEOの歴史

1990年代後半(Google登場前)

さて本題となるSEOの歴史ですが、SEOという言葉そのものは検索エンジンがWebサイトを認識した瞬間から始まっています。

インターネットの世界が始まると、Webサイトの持ち主は自身のサイトに検索エンジンを通じてのアクセス数が増加した事により、オーガニック検索の価値を高く評価する様になりました。

1990年代後半になりWebサイトの数が爆発的に増加してからはより一層、どうしたら自分のWebサイトが検索エンジンにとって最適になるのかを考える様になります。そこに対して、Webサイトを上位表示させる為に必要な技術や知識が求められるようになり、それが現在でいうSEOということですね。

リリース当時のYahoo!JAPANはディレクトリ型検索エンジンが主流で、Yahoo!JAPANにサイトを登録する必要がありその審査は厳選されていた為、個人規模のサイトが検索結果に反映される事はあまり無かった様です。

1998年には検索エンジンにロボット型の「goo」を採用しますが、1990年代後半時点でのSEOの手法は

  • ページの中にキーワードがいくつ含まれているか
  • サイトのページ数はどのくらいあるのか
  • HTMLの最適化が出来ているのか

といった内容でした。alt属性にキーワードを盛り込んだり、隠しテキストとしてキーワードを盛り込んだり、(内容が薄い可能性が高い)Webページを大量生産したりといった施策が頻繁に行われます。今考えればただの内的スパムです。当時は、サイトのコンテンツを充実させるとかリンクを集める、などということがなくてもちょっとした小手先のテクニックで上位表示させられる時代だったということですね。

2000年〜2010年(Google登場後)

2000年になりGoogleの検索エンジン日本に上陸してその利便性が広く浸透する様になってからはGoogleの検索エンジン導入されているページランクの判定基準である被リンクが注目される様になり、

  • 外部リンクの数を増やす
  • 質の高いサイトからリンクを貰う

といった内容がSEOの施策として注目されます。今のようにブログやTwitterをはじめとするソーシャルメディアが普及していなかった当時は自然にリンクを集めることは今に比べ難易度が高く、リンクを自前で作る為にWebサイトを大量生産するには労力的に割に合わないことなども起因となり、リンク提供型のSEOサービスの需要が2000年代後半に向け徐々に高まることになります。

SEO会社の多くはこぞってクライアントのサイトにリンクを与えて上位表示させていました。内容が伴っていないサイトであってもお金さえ払えば上位表示出来る、SEO会社もリンクを張るためのサイトさえたくさん持っていればとりあえず仕事が出来る時代と言えました。

同様に、コンテンツの品質を評価する仕組みが未発達だったことから、ただページ数だけが多いようなサイトが検索結果で多く露出されているという状況でもありました。

Googleのページランクの導入により検索結果がだいぶ改善されたとは言え、今と比べればまだまだ検索結果は粗かったと言えます。

2010年以降

Yahoo!JAPANが2010年に検索エンジンにGoogleを採用した事でSEOは事実上Googleの検索エンジン最適化とほぼ同義になりました。

編集者注:ここでは書かれていませんがそれまではシェアから考えてもYahoo!検索エンジン(YST)のSEOが主流でしたね。Yahoo!とGoogleどちらの動向も追う必要があった(しかもどちらも全然不完全で意味わかんないことも多かった、TDPとかTDPとか、、)頃に比べるとかなり最適化難易度としては易しくなっているとも感じます。

また、2011年にGoogleが行ったパンダアップデートよって低品質なコンテンツが上位表示されにくくなりました。

同様に2012年のペンギンアップデートの導入や、によるガイドライン違反に対するペナルティ対応の強化などにより、それまでのようにリンク集め

以降、SEOの手法に関しては、もちろんHTMLの最適化や被リンクは必要ですがそれよりも、本質的にユーザーにとって価値のあるサイトを作れているのかどうか、という方向性に徐々に興味がシフトしていくようになりました。

まだまだユーザーの求める情報を完璧に提供出来ているとは決して言えない状況ですが今後、よりユーザーの求めるサイトが上位表示される世の中になる事は間違いありません。

※出典※

最後に

SEOの歴史はまだ約20年と浅いものですが、スピード感のあるWeb業界においてこれからのSEOに関する環境もさらに変化していきます。

この様な時代において新しい発見や知識を得るには「温故知新」という諺がある様に歴史を知る事も必要なのかもしれません。

ヴォラーレ株式会社 佐々木

熟練のプロも答えに窮する、SEOについての究極の質問

 

「何の仕事してるの?」

 

Webの世界で「SEO」という概念や仕組みは幾分か浸透してきているとは言え、残念なことに、世間一般的なこういう仕事の認知としては非常に低いというのが現実でしょう。

そんな中、SEOを生業としている人にとって「WebやSEOについてほとんど知らない人に自分の仕事内容について一言で説明できる」ことは究極の課題の一つである、ということはSEOの経験者であればそんなに異論はないと思っています。

そこで、質問者の属性別に、どんな回答をするのがベストだろうか?を個人的な意見としてまとめました。この連休に帰省される方も多いと思いますので、何かの参考にしていただければと思います。

おばあちゃん、おじいちゃん、田舎の親戚のおじちゃん等

ここでは、普段からPCやスマートフォン、それ関連の話題に一切触れていないし知識もなければ興味関心も当然一切なし、という層という意味です。

こうした層の方には、「インターネット」も「パソコン」も「ホームページ」も「IT」も「Web」も難しそうと敬遠してきているため言葉として聞いたことがあっても、すべてほぼ同義語として扱われる傾向にあります(自分調べ)。

彼らにWorld Wide Webの概念と検索エンジンの仕組みや役割を説明してSEOという仕事について理解してもらおうとするとなると、こちらとしてもかなりの覚悟をもって、じっくり腰を据えて回答に臨む必要があります。

一方で彼らとしてもそうした話題に対しては「難しそう」というイメージが強いため、詳しい話を理解したいと思っている方はごく稀なはずです。

こうした考えを経て、あらゆる試行錯誤の末、ある意味こうする他ないという結論に達しました。

 

「パソコンの仕事。」

 

このような、この業界の全てを包み込んでくれるような優しい回答を用意しておくことで、お互いの利害が一致し、「あら難しそうな仕事してるのね、立派ね」ということで上手く着地できます。

夜の嬢の方々等

僕のパーソナリティを知っている方は既にご存知と思いますが、もともと内気で草食系、仕事一本で人間関係も不器用な人間ですので、僕個人としてそういうお店と縁が深いわけでは決してありませんが、需要としてはありそうですのでという意味で書いておきます。

彼女らは、仕事の一環としてお客さんの仕事内容を聞いたりして話を広げていくことは基本的なコミュニケーション方法の一つです。仮に興味があろうがなかろうが、なんとか話のきっかけをつかみたいというところと思います。

もちろん、最近はインターネットも普及しそういう分野の知識や興味のある人も割合増えてきたとはいえ、まだまだ全体から見れば興味津津というのは少数派です。

僕がもしそういう前提で質問をされたら、一言で答える場合の回答はこうです。

 

「ざっくり言えばIT系、その中でもWeb系、のベンチャー企業でマーケティングのコンサル、みたいな仕事してるんだよね」

 

とりあえずそれっぽい言葉を並べただけの極めてアレっぽい回答ですが、これで大体は解消できます。反応としては「よくわからないけどスゴそうだね~」が8割です(と知人から聞いています)。

ちなみに余談ですが、僕の同業者にあたる某社の某氏と先日久々にお会いしたのですが、氏曰く、

「an●nの”女性にモテる職業ランキング”の1位は広告系、2位がIT系だったんだけど、俺はIT系で広告系の仕事をしてるんだよ」的な回答をいつもしてて、これが意外にめちゃくちゃ反応いいんすよ

とのことでしたが、率直なところ、色々な意味で未だ懐疑的である、と言わざるを得ません。

Webとは違う業界で働いている同年代の友人や先輩など

Web業界ではないとは言え、インターネットを日常的に利用し、FacebookやTwitterやブログなどで自分から情報発信している人が多く、情報への感度はそれなりに高めと言えそうな層、とイメージしてください。

彼らは前提となる知識を持っているわけではないとは言え、うまく説明すればきっと理解してもらえるはずです。彼らに対して自分の仕事をきちんと説明できるかどうか、というのはSEOという仕事を世間に知ってもらうという意味でも非常に重要なことと思っています。

的確に伝えるスキルが必要なのはこのラインではないでしょうか。ざっくり言うと、こういう感じの説明を端的にします。いきなり真面目な感じですが。

 

・ざっくり言えばWebの世界で企業のマーケティングに関わる仕事

・具体的にはGoogleとかYahoo!の検索結果上でWebサイトが良いポジションに掲載されるようになるためのお手伝い

・それを有料広告ではないアプローチで実現するのがSEOという仕事

・それを実現するために必要なアドバイスを企業向けにしている

 

だいたいこういう話題で話が具体的なところまで広がることが多いわけではありませんが、割と雰囲気では理解してもらえます。

広告系の仕事、と一緒にされそうになりますが、そこは何か変なSEO人のこだわりみたいなところで「広告、というよりも技術的な側面のほうが割合多いかな」的な補足は入れたりします。

Webに関わる仕事をしている人

最後に、Webに関わる仕事をしている方であれば、大半の人はSEOという言葉について最低限の理解はあります(実務的にではなくてイメージ的な理解)。

そういう方には「SEOだよ」でだいたい通じるようになってきました。もちろん人によって知識レベルには差があるし、変な風にイメージ持ってる方も多いので、そこから先は具体的なところまでお話します。

まとめ

知識が一切ない、インターネットは利用してるがそこまで具体的なところに興味はない、業界人ではないがインターネット分野の感度もそこそこ高い、Webに関わる仕事をしている、くらいのパターン分けで解説しました。

連休前なので何か書いておこうと思ってこんな記事しか浮かばなかったのが残念ですが、参考にして頂ければと思います。それでは良い連休をお過ごしください。

ヴォラーレ株式会社 土居

このサイトの運営をお手伝いして頂ける方を募集します

さて、普段からこのブログを見て頂いている分には、空気感としては至って冷静に、割と草食系な記事を連投しているイメージを持っておられる方は多いかもしれません。

しかし運営側の実情をお伝えしますと、やれ更新頻度をもっと上げられないのか、やれそのための時間を作れ、など社内で上からも下からも横からもあれやこれやと日常的に言われている状況でございます。

個人的な感情としては好き勝手言いやがってとか思いつつ、いい機会ですしこちらのサイト運営のお手伝いを専任で行って頂ける方をここで募集してみることにしました。

ところでこのブログって何のために書いてるの?

さてここからはちゃんと真面目な話ですが、このブログについては、僕の文書でのアウトプットの主戦場としてやってる意味もありますが、ビジネス的な視点で言えば、

  • SEOについて色んな人により深く興味を持ってもらうこと
  • このサイトを知ってくれる人が増えること
  • このサイトに定期的に訪れてくれる人が増えること
  • 僕らが何を考えてSEOをやっているのかを色んな人に知ってもらうこと
  • ヴォラーレという会社に興味を持ってもらうこと
  • 最終的にはお仕事の相談やセミナーへの参加が増えること

こんなことがざっくりとした目的になっています。そして徐々に目に見えてそういう感じになってきました(ので余計にこういう所に力を入れようという空気になっているわけですね)。

ですので単純に流行りそうな記事を書いてとにかくPVを増やしたい、とかそういうことではないのです。僕らと仲良くなれそうな人が定期的にチェックしに見に来てくれる、みたいなサイトを目指しています。更新頑張り始めたのはここ数カ月ですけれども。

なんとも短期的な効率は決して良くないかもしれませんがそんな目論見でやっているサイトですので、真面目にお手伝い頂ける方がいらっしゃると嬉しいなと。

ということで誰か手伝ってくれませんか

こんな感じのメンバーを募集しています。

求めるスキル

こんな人が来てくれるとうれしいです。しかしこんな人がそうそう都合良くいるんでしょうか。

  • WebとかSEOとか検索が好きな人、勉強してる人、勉強したい人
  • リサーチ力、学習能力、文章作成力が高い人
  • ブログ等、Webで文章を書くことに慣れている人
  • 適当な仕事をしない人、長続きする人
  • 僕と気が合いそうな人

やってほしいこと

  • WebとかSEOとかに関してどんどん情報収集して学習してください
  • 有用なネタになりそうな話題を草稿として書いてください
  • 内容として問題がないのであればガシガシ投稿して下さい
  • あとは能力次第で色々お任せしていきます

お金以外に得られるもの

  • WebとかSEOとかをもっと知ることが出来ると思います
  • 僕が教えられることはいくらでも教えます
  • 自分の書いた文章をそこそこの数の人に見てもらえます(※1)
  • 僕とかうちのメンバーと仲良くなれます(※2)

※1:最近は1記事あたり1000~5000PVくらいです。
※2:人によりますが。

条件

とりあえず一旦は社員、アルバイト、大学生インターンなど特に問いません(週3~4とかでも大丈夫)。ただし、正社員なら相応のスキル(最低でもSEO実務経験者)を求めます。記事内容の監修は僕が行います。

こういうの大好き、みたいな大学生さんとかでも上記条件にマッチしているのであればきちんと教えられますので大歓迎です。

「別の団体の人間として寄稿とかって有りですか?」というのも内容次第では歓迎です。

何にせよ興味あればご連絡頂ければと。

どんな会社?

ちょうど弊社の採用サイトをリニューアルしたところなので興味あれば是非見て頂ければと。全体的に僕の露出が少ないのが会社の意図的なものかどうなのかはやや気がかりです。

ヴォラーレ株式会社 採用サイト
ヴォラーレ株式会社 採用サイト

働くメンバーはこんな人たちがいます
オフィスはこんな感じです

以上です

と、まあこういう感じです。あまりにも唐突な求人でアレなのですが、詳細は先ほどの採用サイトを見てそれらしきところからご応募頂くか、日常的にエゴサーチは欠かしていませんのでtwitterなどでコメント頂ければと思います。僕のtwitterアカウントに直接メンション頂いても構いません。

ヴォラーレ株式会社 採用サイト
僕のTwitterアカウント

以上よろしくお願いいたします。

ヴォラーレ株式会社 土居