SpaceXが新型コロナによる初の打ち上げ延期を発表

これまでSpaceX(スペースエックス)は、新型コロナの世界的蔓延にもかかわらず打上げスケジュールが大きく影響されたことがなかった。先週同社は、人工衛星Starlink(スターリンク))60基の追加上げに成功し、5月下旬に予定されているNASAの商用有人飛行ミッション(前回の打上げでエンジンが早期停止した原因を調査中)は順調に進んでいると見られていた。

しかし米国時間3月24日、米空軍第45宇宙航空団(45 th Space Wing)は、3月30日にFalcon 9ロケットを用いてカリフォルニア州ヴァンデンバーグ空軍基地から発射される予定だったSpaceXの来たるべきSAOCOM(アルゼンチンの地球観測衛星)の打ち上げが、現在進行中の新型コロナ危機の影響を受け、「無期」延期されたことを正式に発表した。空軍基地があるヴァンデンバーグ市は先週末に公衆衛生緊急事態を宣言し、これまで新型コロナ感染が確認された事例はないものの、空軍は基地への入場を必須要員に限定し、必要最小限のサービスしか提供しないほか、現地に残らなくてはならない人々の保護と安全のために追加の予防措置を講じている。

SpaceXの打ち上げスケジュールが、新型コロナ・パンデミックの影響を受けることは不可避だった。NASAは、宇宙探査宇宙船アルテミスの開発やJames Webb(ジェームズ・ウェッブ)望遠鏡プロジェクトなど進行中の重要ミッションの一部を停止している。現在も有人宇宙飛行に向けた作業を進めつつ、NASAは職員と公衆の安全を確保するための基準引き上げについて頻繁に情報を更新しているので、進展があれば追って報じる予定だ。

画像クレジット:SpaceX

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

光の力だけで帆走する宇宙船LightSail 2が帆の展開に成功

クラウドファンディングから生まれた宇宙船「LightSail 2」は、その名に恥じず、ついに軌道上でその太陽帆を広げることに成功し、光の力だけで前進する準備ができた。マイラーでできている帆の表面が太陽からの光子を反射し、数え切れないほど多くの原子よりも小さなレベルのインパクトの累積効果により、徐々に速力を蓄える。チームによると、帆の展開は太平洋時間午前11時47分に始まり、総帆展開は太平洋時間午前11時50分に完了した。

LightSail 2は6月25日にFalcon Heavyの打ち上げに、NASAや空軍の実験器具など、さまざまなペイロードとともに便乗して発射された。この宇宙船を作ったThe Planetary Societyはビル・ナイ(Bill Nye)氏が率いる非営利団体で、宇宙探検の未来の進歩について研究している。現在の同団体の目標が、太陽帆走の実用化だ。その着想は数世紀前からあったが、何らかの実物による検証はきわめて困難だった。そのわずかな例の1つとして、2010年のJAXAのIKAROSミッションがある。

帆の総推力はびっくりするほど小さく、そしてその割には帆のサイズは大きくてボクシングのリングぐらいある。その大きな帆から得られる力は、あなたの手にとまるイエバエ程度だ。しかしそれはまた、理論的には燃料切れがありえない。そして宇宙の真空の中では摩擦がないので、時間とともにスピードは徐々に増えていく一方だ。すごい高速にもなるだろう。

The Planetary Societyのチーフサイエンティストであるブルース・ベッツ(Bruce Betts)氏は、帆の展開のライブストリーミングを見て、「計画どおりにうまくいっている」と語った。展開時の画像は、宇宙船が次に地上局との通信圏域に入った時に得られるだろう。画像が得られたら、本誌の記事もアップデートしよう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

合衆国空軍がGPS用の新しい人工衛星を打ち上げ、精度が1mから42cmにアップ

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今朝(米国時間2/5)United Launch Alliance(ULA)が、合衆国空軍Global Positioning System(GPS)(全世界位置測定システム)用Boeing製人工衛星の、軌道上への打ち上げに成功した。

最新のGPSシリーズはBlock IIFと呼ばれる人工衛星を12使うが、今回打ち上げられた1億3100万ドルの衛星はその最後のものだ。

GPS衛星は空軍が運用し、グローバルな位置測定やナビゲーションおよび時間計測サービスを、軍と民間の両ユーザーに提供している。この‘星’たちがあるおかげで、誰もがスマートフォンからGPSを利用できる。

 

1978年に最初のGPS衛星が軌道へ打ち上げられた。その後空軍は衛星の設計を改良し、複数のブロックから成るニューバージョンのGPS衛星をリリースした。最初がBlock I、次がBlock IIA、Block IIR、Block IIR-Mと続き、今日はBlock IIFシリーズの打ち上げを完了した。

今運用されているGPS衛星は30基のみだが、これまでに総計50基が打ち上げられている。最新のグループであるBlock IIFは、2010年の5月から今日までかかって打ち上げられた。

合衆国空軍Global Positioning System DirectorateのディレクターSteve Whitney大佐によると、この最後の部分の打ち上げは過去20年間でもっとも厳しいスケジュールだった、という。合計7基のBlock IIF衛星が、わずか21か月あまりで打ち上げられた。

Image courtesy of Boeing

GPS衛星Block IIFは、GPSの精度を高めるために打ち上げられた。Whitney大佐によると、Block IIFシリーズの前は、GPSの精度が1メートルだった。新衛星Block IIFによって、誤差は42センチに縮まる。

それぐらいの変化は平均的民間人には関係ないかもしれないが、GPSを使って弾薬の照準を合わせる軍にとっては、生か死かの違いを意味することもある。

今日の衛星のためのスペースを作るために空軍は、1990年に打ち上げられた古いBlock IIA衛星の一つを移動する。おもしろいことに、その衛星は今後もバックアップ衛星として、GPS星座の一員としての奉仕を続ける。

これでBlock IIFが使えるようになったので、これからの空軍はGPS-3星座用のBlock III衛星に力を入れる。Block III衛星は精度と信頼性がさらに向上するとともに、軍用信号のためのジャミング防止やセキュリティの能力もアップグレードする。

完全に機能するGPSを最新の状態にメンテナンスすることは、国のセキュリティの必須の要件だ。そのためには、打ち上げを行う企業の選定も重要だ。次の衛星ブロックを打ち上げる企業の選定をめぐって、ULAかSpaceXかという議論が最近あった。まだ決定は行われていない。

GPS-3用の衛星の打ち上げは、2018年からの予定だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ロシア製ロケットの国防用購入への差止めを命令を, SpaceXが勝ち取る

民間宇宙ロケットのスタートアップSpaceXは先週、同社が合衆国空軍(USAF)を告訴したことを発表した。空軍は政府機関でありながら国防用ロケットの打ち上げを、航空機産業のトップ企業BoeingとLockheed-Martinの合弁会社United Launch Alliance(ULA)一社のみに、競争入札なく発注契約を結んでいる、というのが同社の訴件だ。Ars Technicaの報道によると、昨夜(米国時間4/30)SpaceXは、防衛関連事業における独占発注慣行との戦いにおいて、小さいが重要な勝利を勝ち取った。ULAによるロシアのロケットの購入が、裁判所による差止め命令を食らったのだ。

ULAは合衆国政府関連のロケット打ち上げに、打ち上げビークルとしてAtlas V、打ち上げ用ロケットとしてRD-180を使用してきた。それは同社が宇宙への打ち上げ〔軍事衛星など〕に使用している二種類のロケットのうちの一つだ。SpaceXの訴状は、これらのロケットを作っているNPO Energomashが実はロシア政府が完全に所有している企業であり、したがって同社のロケットの購入と使用は、ウクライナにおける侵略的な行動に対してアメリカが最近課した制裁に違反している、と主張している。

裁判所の命令は、合衆国財務省と合衆国商務省が、その取引は制裁を規定している大統領命令13661に違反しないと明言するまでは、ULAによるNPO Energomashとのいかなる商取引をも禁ずる、と言っている。

SpaceXのCEO Elon Muskは最初の記者会見で、“この時期にクレムリンに数億ドルを渡すのは間違っていると思う”、と述べた。また一般的に、アメリカの国防事業でロシアのロケットを使用することの妥当性についても、疑問を投げかけた。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))